JPH07315925A - 耐湿性に優れたセラミックフィルタ素子用圧電磁器組成物 - Google Patents
耐湿性に優れたセラミックフィルタ素子用圧電磁器組成物Info
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Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】添加物を加えずにＰＺＴとは異なる組成とし、
Ｋrが高く且つ高湿度下でもＱmが小さいセラミックフィ
ルタ素子用圧電磁器組成物を提供する。 【構成】一般式がｘＰｂ（Ｓｂ1/2Ｎｂ1/2）Ｏ3−ｙＰ
ｂＴｉＯ3−ｚＰｂＺｒＯ3で示され、０＜ｘ≦７［モル
％］、４４≦ｙ≦４６［モル％］、４７≦ｚ≦５５［モ
ル％］からなるものとする。
Ｋrが高く且つ高湿度下でもＱmが小さいセラミックフィ
ルタ素子用圧電磁器組成物を提供する。 【構成】一般式がｘＰｂ（Ｓｂ1/2Ｎｂ1/2）Ｏ3−ｙＰ
ｂＴｉＯ3−ｚＰｂＺｒＯ3で示され、０＜ｘ≦７［モル
％］、４４≦ｙ≦４６［モル％］、４７≦ｚ≦５５［モ
ル％］からなるものとする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、耐湿性に優れたセラ
ミックフィルタ素子用圧電磁器組成物に関する。この圧
電磁器組成物は、各種無線通信機器に用いられている４
５５ｋＨｚラダー型圧電共振子として好適に利用され得
る。
ミックフィルタ素子用圧電磁器組成物に関する。この圧
電磁器組成物は、各種無線通信機器に用いられている４
５５ｋＨｚラダー型圧電共振子として好適に利用され得
る。
【０００２】
【従来の技術】この種の圧電磁器組成物としては、位相
歪が小さく（良群遅延特性）、かつ誘電率εrと径方向
電気機械結合係数Ｋrができるだけ高く（広帯域化）、
更に耐湿負荷試験に対する機械的品質係数Ｑm及びその
変化率ができるだけ小さいものが望まれている。これら
の要望のいくつかを達成する目的で相転移境界線（ＭＰ
Ｂ）近傍の組成を有するチタン酸ジルコン酸鉛Ｐｂ（Ｔ
ｉxＺｒ1-x）Ｏ3（以下、ＰＺＴと略記する。ただし、
ｘ＝０．４〜０．６である。）を基本組成とし、種々の
添加物によって各々の特性を微調整しようとする提案が
なされている。
歪が小さく（良群遅延特性）、かつ誘電率εrと径方向
電気機械結合係数Ｋrができるだけ高く（広帯域化）、
更に耐湿負荷試験に対する機械的品質係数Ｑm及びその
変化率ができるだけ小さいものが望まれている。これら
の要望のいくつかを達成する目的で相転移境界線（ＭＰ
Ｂ）近傍の組成を有するチタン酸ジルコン酸鉛Ｐｂ（Ｔ
ｉxＺｒ1-x）Ｏ3（以下、ＰＺＴと略記する。ただし、
ｘ＝０．４〜０．６である。）を基本組成とし、種々の
添加物によって各々の特性を微調整しようとする提案が
なされている。
【０００３】例えば、特開平５−９０７２号公報には、
酸化クロムと酸化鉛の反応生成物の内、Ｐｂ2ＣｒＯ5よ
りもＰｂ5ＣｒＯ8の多いＰＺＴ組成物とすることにより
耐湿性を向上させたセラミックフィルタ素子用圧電磁器
組成物が記載されている。また、特開平５−１４８０１
６号公報には、ＰＺＴのＰｂ原子の一部をＢａ等で置換
してＭＰＢよりも正方晶系強誘電体相側の領域を基本組
成とし、これにＳｂ等のソフト化剤及びＣｏ等のハード
化剤を微量添加することにより、Ｋrを大きく且つ高温
でのＫrの劣化率を小さくしたセラミックフィルタ素子
用圧電磁器組成物が記載されている。
酸化クロムと酸化鉛の反応生成物の内、Ｐｂ2ＣｒＯ5よ
りもＰｂ5ＣｒＯ8の多いＰＺＴ組成物とすることにより
耐湿性を向上させたセラミックフィルタ素子用圧電磁器
組成物が記載されている。また、特開平５−１４８０１
６号公報には、ＰＺＴのＰｂ原子の一部をＢａ等で置換
してＭＰＢよりも正方晶系強誘電体相側の領域を基本組
成とし、これにＳｂ等のソフト化剤及びＣｏ等のハード
化剤を微量添加することにより、Ｋrを大きく且つ高温
でのＫrの劣化率を小さくしたセラミックフィルタ素子
用圧電磁器組成物が記載されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかし、添加物によっ
て改善したものは、添加量の相違によって特性にばらつ
きが生じるので、製造管理が困難である。更にいずれも
ＰＺＴを基本組成としているので、圧電特性に関してＰ
ＺＴを越えるものではない。
て改善したものは、添加量の相違によって特性にばらつ
きが生じるので、製造管理が困難である。更にいずれも
ＰＺＴを基本組成としているので、圧電特性に関してＰ
ＺＴを越えるものではない。
【０００５】この発明の目的は、添加物を加えずにＰＺ
Ｔとは異なる組成とし、Ｋrが高く且つ高湿度下でもＱm
の変化が小さいセラミックフィルタ素子用圧電磁器組成
物を提供することにある。
Ｔとは異なる組成とし、Ｋrが高く且つ高湿度下でもＱm
の変化が小さいセラミックフィルタ素子用圧電磁器組成
物を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】その目的を達成するため
に、この発明のセラミックフィルタ素子用圧電磁器組成
物は、一般式がｘＰｂ（Ｓｂ1/2Ｎｂ1/2）Ｏ3−ｙＰｂ
ＴｉＯ3−ｚＰｂＺｒＯ3で示され、０＜ｘ≦７［モル
％］、４４≦ｙ≦４６［モル％］、４７≦ｚ≦５５［モ
ル％］からなるものとする。
に、この発明のセラミックフィルタ素子用圧電磁器組成
物は、一般式がｘＰｂ（Ｓｂ1/2Ｎｂ1/2）Ｏ3−ｙＰｂ
ＴｉＯ3−ｚＰｂＺｒＯ3で示され、０＜ｘ≦７［モル
％］、４４≦ｙ≦４６［モル％］、４７≦ｚ≦５５［モ
ル％］からなるものとする。
【０００７】
【作用】上記圧電磁器組成物は、初期Ｑm及び高湿度下
でのＱmの変化率がともに低く、Ｋrが高い。しかもＭＰ
Ｂ上でεrが変化するので、例えばラダーフィルタにお
いて並列用、直列用等その用途に応じて組成を変えるこ
とにより適当なεrを選択することができる。本発明の
一般組成式中、ｘ，ｙ，ｚをそれぞれ上記の特定範囲に
限定した理由は、次の通りである。
でのＱmの変化率がともに低く、Ｋrが高い。しかもＭＰ
Ｂ上でεrが変化するので、例えばラダーフィルタにお
いて並列用、直列用等その用途に応じて組成を変えるこ
とにより適当なεrを選択することができる。本発明の
一般組成式中、ｘ，ｙ，ｚをそれぞれ上記の特定範囲に
限定した理由は、次の通りである。
【０００８】ｘが０モル％、即ち、Ｐｂ（Ｓｂ1/2Ｎｂ
1/2）Ｏ3が含まれない場合は、１５０以下の低いＱm値
や満足すべき耐湿性が得られず、また７モル％を越える
場合は、Ｔcが低下し、半田付け時の高温雰囲気に曝さ
れたとき脱分極を生じ易くなるからである。また、ｙの
上下限値およびｚの上下限値を外れた場合は、いずれも
圧電特性の再現性がなく、特性のばらつきも大きくなる
傾向を示すからである。
1/2）Ｏ3が含まれない場合は、１５０以下の低いＱm値
や満足すべき耐湿性が得られず、また７モル％を越える
場合は、Ｔcが低下し、半田付け時の高温雰囲気に曝さ
れたとき脱分極を生じ易くなるからである。また、ｙの
上下限値およびｚの上下限値を外れた場合は、いずれも
圧電特性の再現性がなく、特性のばらつきも大きくなる
傾向を示すからである。
【０００９】
−実施例１− 純度９９．５％の酸化鉛ＰｂＯ、純度９９．０％の酸化
アンチモンＳｂ2Ｏ3、純度９９．５％の酸化ニオブＮｂ
2Ｏ5、純度９８．０％の酸化チタンＴｉＯ2及び純度９
９．２％の酸化ジルコニウムＺｒＯ2を表１及び図１に
示す組成Ｎｏ．１〜１０の結晶組成となるようにそれぞ
れ調合し、アルミナ玉石２．５ｋｇとともに振動ミルに
て乾式混合し、混合物を８００℃で２時間仮焼した後、
５００ｇをポット回転機に入れてアルミナ玉石８００ｇ
のほかイオン交換水１５０ｇ、有機質結合剤等とともに
９０ｒｐｍで２３時間湿式混合することによってスラリ
ーを得た。なお、図１中、破線は、相転移境界線（ＭＰ
Ｂ）であって、Ｔは強誘電正方晶（ferroelectric tetr
agonal）系領域、Ｒは強誘電菱面体晶（ferroelectric
rhombohedral）系領域の省略記号である。
アンチモンＳｂ2Ｏ3、純度９９．５％の酸化ニオブＮｂ
2Ｏ5、純度９８．０％の酸化チタンＴｉＯ2及び純度９
９．２％の酸化ジルコニウムＺｒＯ2を表１及び図１に
示す組成Ｎｏ．１〜１０の結晶組成となるようにそれぞ
れ調合し、アルミナ玉石２．５ｋｇとともに振動ミルに
て乾式混合し、混合物を８００℃で２時間仮焼した後、
５００ｇをポット回転機に入れてアルミナ玉石８００ｇ
のほかイオン交換水１５０ｇ、有機質結合剤等とともに
９０ｒｐｍで２３時間湿式混合することによってスラリ
ーを得た。なお、図１中、破線は、相転移境界線（ＭＰ
Ｂ）であって、Ｔは強誘電正方晶（ferroelectric tetr
agonal）系領域、Ｒは強誘電菱面体晶（ferroelectric
rhombohedral）系領域の省略記号である。
【００１０】スラリーを０．４Ｔｏｒｒ以下の真空中、
−２０℃で凍結させ、その後５０℃まで昇温し乾燥さ
せ、孔径５００μｍの篩いを通過させた後、１．２ｔ／
ｃｍ2の圧力で直径２５ｍｍ×厚さ２ｍｍの円板状に成
形し、大気中１２２５℃で２時間焼成した。続いて焼成
体を厚さ１ｍｍ、面粗度１．２２μｍＲａになるまで研
磨した後、Ａｇペーストにてその両主面に直径１８ｍｍ
の電極パターンをスクリーン印刷し、７２０℃で焼き付
けた。そして、これを８０℃のシリコンオイル中に浸漬
し、電極間に３０ｋＶ／ｃｍの直流電圧を１５分間印加
することによって分極し、セラミックフィルタ素子用圧
電磁器とした。得られた圧電磁器についてＱm、Ｋr、ε
33 T、キュリー点Ｔc及び耐湿性を測定した結果を表１に
示す。
−２０℃で凍結させ、その後５０℃まで昇温し乾燥さ
せ、孔径５００μｍの篩いを通過させた後、１．２ｔ／
ｃｍ2の圧力で直径２５ｍｍ×厚さ２ｍｍの円板状に成
形し、大気中１２２５℃で２時間焼成した。続いて焼成
体を厚さ１ｍｍ、面粗度１．２２μｍＲａになるまで研
磨した後、Ａｇペーストにてその両主面に直径１８ｍｍ
の電極パターンをスクリーン印刷し、７２０℃で焼き付
けた。そして、これを８０℃のシリコンオイル中に浸漬
し、電極間に３０ｋＶ／ｃｍの直流電圧を１５分間印加
することによって分極し、セラミックフィルタ素子用圧
電磁器とした。得られた圧電磁器についてＱm、Ｋr、ε
33 T、キュリー点Ｔc及び耐湿性を測定した結果を表１に
示す。
【００１１】
【表１】 表１にみられるように本発明の圧電磁器組成物Ｎｏ．１
〜８は、Ｑmが１５０以下と小さく、Ｋr、ε33 Tにおい
ては実用上問題の無いレベル値を示し、耐湿性にも優れ
ている。
〜８は、Ｑmが１５０以下と小さく、Ｋr、ε33 Tにおい
ては実用上問題の無いレベル値を示し、耐湿性にも優れ
ている。
【００１２】−実施例２− 本例は、実施例１のセラミックフィルタ素子用圧電磁器
のうち、組成Ｎｏ．９，１０（本発明範囲外の組成）を
除き、且つ焼成温度を変えて製造された圧電磁器組成物
について、その諸特性を評価したものである。すなわ
ち、焼成温度を１２２５℃に代えて１２５０℃または１
２７５℃に設定した以外は実施例１と同一条件にて圧電
磁器組成物を製造し、実施例１と同様に諸特性を測定し
た。１２５０℃焼成物の測定結果を表２に、１２７５℃
焼成物の測定結果を表３に示す。
のうち、組成Ｎｏ．９，１０（本発明範囲外の組成）を
除き、且つ焼成温度を変えて製造された圧電磁器組成物
について、その諸特性を評価したものである。すなわ
ち、焼成温度を１２２５℃に代えて１２５０℃または１
２７５℃に設定した以外は実施例１と同一条件にて圧電
磁器組成物を製造し、実施例１と同様に諸特性を測定し
た。１２５０℃焼成物の測定結果を表２に、１２７５℃
焼成物の測定結果を表３に示す。
【００１３】
【表２】
【表３】 表２及び表３のいずれも表１のデータとほぼ一致してい
る。従って、この発明の圧電磁器組成物は、焼成温度の
変化に対しても安定した特性を呈することが判った。
る。従って、この発明の圧電磁器組成物は、焼成温度の
変化に対しても安定した特性を呈することが判った。
【００１４】
【発明の効果】以上のように、この発明の圧電磁器組成
物は、機械的品質係数が１５０以下と小さく、誘電率と
電気機械結合係数が高いので、これをセラミックフィル
タ素子に適用すれば、広帯域で群遅延時間特性に優れた
ものとなり、しかも耐湿性が著しく改善されているの
で、長期間その特性を維持することができる。更にこれ
らの特性は、焼成温度に依存しないので、製造管理が容
易である。
物は、機械的品質係数が１５０以下と小さく、誘電率と
電気機械結合係数が高いので、これをセラミックフィル
タ素子に適用すれば、広帯域で群遅延時間特性に優れた
ものとなり、しかも耐湿性が著しく改善されているの
で、長期間その特性を維持することができる。更にこれ
らの特性は、焼成温度に依存しないので、製造管理が容
易である。
【図１】この発明の圧電磁器組成物の組成範囲を示す３
成分系組成図である。
成分系組成図である。
Claims (1)
- 【請求項１】 一般式がｘＰｂ（Ｓｂ1/2Ｎｂ1/2）Ｏ3
−ｙＰｂＴｉＯ3−ｚＰｂＺｒＯ3で示され、０＜ｘ≦７
［モル％］、４４≦ｙ≦４６［モル％］、４７≦ｚ≦５
５［モル％］からなる耐湿性に優れたセラミックフィル
タ素子用圧電磁器組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6129791A JPH07315925A (ja) | 1994-05-18 | 1994-05-18 | 耐湿性に優れたセラミックフィルタ素子用圧電磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6129791A JPH07315925A (ja) | 1994-05-18 | 1994-05-18 | 耐湿性に優れたセラミックフィルタ素子用圧電磁器組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07315925A true JPH07315925A (ja) | 1995-12-05 |
Family
ID=15018324
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6129791A Pending JPH07315925A (ja) | 1994-05-18 | 1994-05-18 | 耐湿性に優れたセラミックフィルタ素子用圧電磁器組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07315925A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20010067819A (ko) * | 2001-03-31 | 2001-07-13 | 이상렬 | 압전특성이 우수한 압전 변압기와 그 소성방법 |
-
1994
- 1994-05-18 JP JP6129791A patent/JPH07315925A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20010067819A (ko) * | 2001-03-31 | 2001-07-13 | 이상렬 | 압전특성이 우수한 압전 변압기와 그 소성방법 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040325 |