JPH07309974A - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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JPH07309974A
JPH07309974A JP10401294A JP10401294A JPH07309974A JP H07309974 A JPH07309974 A JP H07309974A JP 10401294 A JP10401294 A JP 10401294A JP 10401294 A JP10401294 A JP 10401294A JP H07309974 A JPH07309974 A JP H07309974A
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JP
Japan
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rubber
weight
olefin resin
fatty acid
parts
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JP10401294A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Teratani
裕之 寺谷
Yukinori Maeyama
幸則 前山
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異方性が高く、疲労性及び低発熱性に優れた
ゴム組成物を提供する。 【構成】 天然ゴム及びジエン系合成ゴムからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種のゴム成分100重量部に対
して、アミド基を有する熱可塑性エラストマーからなる
繊維1〜100重量部と、オレフィン系樹脂1〜100
重量部と、分子内に炭素間二重結合を2個以上有する不
飽和脂肪酸1〜10重量部とを配合してなり、かつ、前
記アミド基を有する熱可塑性エラストマーからなる繊維
とオレフィン系樹脂との配合比が3/7〜7/3であ
り、前記不飽和脂肪酸が、分子内に共役二重結合を1組
以上有する共役ジエン系酸を10重量%以上含んでなる
ゴム組成物。、前記不飽和脂肪酸が、分子内に共役二重
結合を1組以上有する共役ジエン系酸を10重量%以上
含んでなるゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異方性が高く、疲労性
及び低発熱性に優れたゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用タイヤ、コンベアベル
ト、ホース等の各種ゴム製品は、ますます性能の高度化
が要求され、疲労性、低発熱性等の特性の高度な両立が
求められている。
【0003】従来、加工性に優れ、しかも加硫物の強度
及びモジュラスが優れたゴム組成物を得るために、加硫
可能なゴムにナイロン、ポリエステル、ビニロンなどの
短繊維を配合することが知られている。例えば、特開昭
59−43041号公報には、ゴムとそれに埋封したナ
イロン繊維が、ノボラック型フェノールホルムアルデヒ
ド系樹脂の初期縮合物を介してグラフト結合している強
化ゴム組成物が記載されている。しかしながら、このゴ
ム組成物では、ゴム、ナイロン繊維の混練物に樹脂硬化
剤を配合し、ゴムの中で硬化させるため、ナイロン繊維
とゴムとのグラフト結合の調節が難しく、また、使用で
きるゴムも限定され、そのうえ、ナイロン繊維含量の少
ないゴム組成物しか得ることができなかった。
【0004】これを解決するために、特公平3−499
32号公報には、芳香族ポリアミドパルプ短繊維とフェ
ノール系樹脂をゴムに混練することにより短繊維補強と
樹脂補強を行い、これらによって高弾性率化できるゴム
組成物が記載されている。しかしながら、このゴム組成
物では、ゴム分子と芳香族ポリアミドパルプ短繊維とが
直接結合していないので、補強効率が低く、更に短繊維
自体がゴム中での破壊核として作用し、ゴムの疲労耐久
性とクリープ性を著しく低下させる欠点を有し、また、
パルプ状の繊維をバンバリーミキサー等の混練機を用い
てゴム中に分散させるため、分散レベルが極めて低く、
ある量を越えると短繊維の配合量に対する補強効果が低
下し、更に増量されると、混練、押出しが極めて困難と
なる欠点を有している。
【0005】また、目的の弾性率を得るために、短繊維
配合ゴムにカーボンブラック、ノボラック型フェノール
樹脂を添加することが発想されるが、カーボンブラック
やノボラック型フェノール樹脂を添加することにより、
ゴムの粘度が大幅に増大し、混練り、シート化、熱入
れ、押出しなどの各工程にて、作業が極めて難しくなる
ばかりでなく、短繊維が、所望する方向に配列し難くな
り、短繊維を配合する効果が、大幅に低下してしまうと
ういう欠点を有していた。
【0006】さらに、ゴムの作業性、加工性を改善する
という観点から考えれば、従来手法として、オイル、樹
脂などの軟化剤を用いると、軟化により粘度が低下し、
短繊維が所望する方法に配列しやすくなるものの、従来
のゴムと同様に軟化剤添加による弾性率の低下、発熱性
の悪化を避けることができず、従って、所望する物性の
ゴム組成物が得られないという課題がある。
【0007】一方、本出願人は、特開平4−18985
0号公報に特定の不飽和脂肪酸、すなわち、共役関係に
ある2個の炭素間二重結合の少なくとも一組を分子内に
含む共役ジエン酸を5重量%以上含有する分子内に炭素
間二重結合を2個以上含む有機不飽和脂肪酸を加硫促進
助剤として配合することにより、静的な機械強度を向上
させたゴム組成物を提案している。
【0008】このゴム組成物と本願とでは特定の不飽和
脂肪酸を使用する点で一部共通しているが、特開平4−
189850号公報は、タイヤ、コンベアベルト等のゴ
ム製品の静的な機械強度を目的としているのに対し、本
願は、上述の特定の不飽和脂肪酸が異方性及び加工性を
大幅に向上させることができることを見い出すと共に、
この特定の不飽和脂肪酸の新規な作用を基本着想として
更に研究を重ね、異方性が高く、疲労性及び低発熱性に
優れたゴム組成物である点で上記特開平4−18985
0号公報とその目的、構成及び効果が相違するものであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題に鑑み、これらの課題を解決するものであり、異方
性が高く、疲労性及び低発熱性に優れたゴム組成物を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するため、鋭意研究を行った結果、特定の繊維と、
特定の樹脂と、特定の不飽和脂肪酸とをジエン系ゴム成
分に配合することにより、繊維補強だけでは従来なし得
なかった上記目的のゴム組成物を得ることに成功し、本
発明を完成するに至ったのである。すなわち、本発明の
ゴム組成物は、天然ゴム及びジエン系合成ゴムからなる
群から選ばれた少なくとも1種のゴム成分100重量部
に対して、アミド基を有する熱可塑性エラストマーから
なる繊維1〜100重量部と、オレフィン系樹脂1〜1
00重量部と、分子内に炭素間二重結合を2個以上有す
る不飽和脂肪酸1〜10重量部とを配合してなり、か
つ、前記アミド基を有する熱可塑性エラストマーからな
る繊維とオレフィン系樹脂との配合比が3/7〜7/3
であり、前記不飽和脂肪酸が、分子内に共役二重結合を
1組以上有する共役ジエン系酸を10重量%以上含んで
なることを特徴とする。前記熱可塑性エラストマーから
なる繊維はナイロン6からなること、オレフィン系樹脂
はポリプロピレンからなることが好ましい。また、熱可
塑性エラストマーからなる繊維の平均径は、0.1〜
1.0μm、平均長さLと平均径Dの比(L/D)は8
以上であることが好ましい。前記オレフィン系樹脂の融
点は130〜200℃であることが好ましい。加硫促進
剤あるいは加硫剤を含まない練りステージにおける最終
練り温度はオレフィン系樹脂の融点より3℃以上高いこ
とが好ましい。
【0011】
【作用】本発明のゴム組成物は、天然ゴム及びジエン系
合成ゴムからなる群から選ばれた少なくとも1種のゴム
成分100重量部に対して、アミド基を有する熱可塑性
エラストマーからなる繊維と、オレフィン系樹脂と、不
飽和脂肪酸とをそれぞれ特定量配合することにより構成
したものであり、これらのアミド基を有する熱可塑性エ
ラストマーからなる繊維、オレフィン系樹脂と不飽和脂
肪酸とが互いに相乗することにより異方性を大幅に向上
することができ、かつ、疲労性及び低発熱性に優れたゴ
ム組成物が得られるという新たな事実に基づくものであ
り、それぞれの条件を部分的に満足しても本発明の目的
は達成されないものである(この点に関しては、更に実
施例等で詳しく説明する)。
【0012】以下、本発明の内容を説明する。本発明に
好適に使用できるゴム成分としては、例えば、天然ゴム
(NR)、合成ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン
−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴ
ム(BR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム
(CR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化
ブチルゴム(Br−IIR)、エチレン−プロピレンゴ
ム(EPDM)などが挙げられ、これらのゴムを単独若
しくは2種以上併用することができる。
【0013】本発明において、「共役ジエン系酸」と
は、その分子内に共役関係にある2個の炭素間二重結合
を少なくとも1組(例えば、−CH=CH−CH=CH
−)含む不飽和モノカルボン酸をいう。
【0014】前記共役ジエン系酸を10重量%以上含有
する分子内に炭素間二重結合を2個以上含む不飽和脂肪
酸(以下、単に「有機不飽和脂肪酸」という)は、勿論
前記共役ジエン系酸を含むが、それ以外の有機不飽和脂
肪酸は炭素間二重結合を2個以上含むものの、それらが
互いに非共役の関係にある点が異なる。不飽和脂肪酸
は、共役ジエン系酸も含めて炭素数で10〜22の従来
使用される加硫促進助剤である脂肪酸の範囲程度が好ま
しい。
【0015】共役ジエン系酸の前記不飽和脂肪酸中の含
量は、10重量%以上が必要であり、25重量%以上が
好ましく、100重量%、即ち、不飽和脂肪酸がすべて
共役ジエン系酸であってもよい。共役ジエン系酸の含量
が、10重量%未満では、加硫ゴムの充分な弾性率が得
られず、破断強力改良効果も得られない。
【0016】共役ジエン系酸としては、例えば、2,4
−ペンタジエン酸、2,4−ヘキサジエン酸、2,4−
デカジエン酸、2,4−ドデカジエン酸、9,11−オ
クタデカジエン酸、エリオステアリン酸、9,11,1
3,15−オクタデカテトラエン酸,9,11,13−
オクタデカトリエン酸等が挙げられ、これらは単独、混
合物、又は前記不飽和脂肪酸に含有される形で使用され
る。
【0017】本発明で使用する有機不飽和脂肪酸の好ま
しい例としては、脱水ひまし油脂肪酸が挙げられる。こ
の脱水ひまし油脂肪酸は、ひまし油を脱水反応して得ら
れる。脱水の仕方により共役ジエン酸の含量を変えるこ
とができ、例えば、35重量%、50重量%のものが得
られる。この脱水ひまし油脂肪酸の場合、共役ジエン系
酸としては、9,11−オクタデカジエン酸が主であ
り、その他の有機不飽和脂肪酸には非共役のオクタデカ
ジエン酸が主として含まれる。前記非共役の不飽和脂肪
酸としては、リノール酸、リノレイン酸なども挙げられ
る。
【0018】本発明で使用する有機不飽和脂肪酸の配合
量は、ゴム成分100重量部に対して1〜10重量部、
好ましく、3〜6重量部である。該有機不飽和脂肪酸
は、ゴム成分100重量部に対して1〜10重量部の配
合で、加工性及び異方性を大幅に向上させることができ
る。有機不飽和脂肪酸の配合量が10重量部を越えた場
合も、また、1重量部未満の場合も、ゴムの充分な弾性
率が得られず、しかも、1重量部未満の場合は、破断強
力改良効果も得られない。更に、本発明のゴム組成物に
は、前記有機不飽和脂肪酸に加えてステアリン酸に代表
される従来より使用されている脂肪酸類を併用すると一
層好ましい。
【0019】本発明において用いるアミド基を有する熱
可塑性エラストマー(以下、「ポリアミド」という)と
しては、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン
12、ナイロン610、ナイロン611、ナイロン61
2、ナイロン6/66の共重合を含むポリアミド、及び
これらの2種以上の混合ポリアミド等を挙げることがで
きる。使用するポリアミドの分子量は8000以上が好
ましく、マスターバッチを作るときの混練りの温度との
兼ね合いから、その融点は170〜240℃の範囲にあ
るものが好ましい。このポリアミドの配合量は、例え
ば、マスターバッチであるポリアミド及び後述するオレ
フィン系樹脂との補強ゴムにジエン系ゴムを更に混練す
ることにより、適宜調整することができる。また、本発
明のゴム組成物の中で、ポリアミドは短繊維の形で含ま
れ、物性面及び加工面より、短繊維としてのポリアミド
の量という見方が必要で、その配合量は、上記ジエン系
ゴム成分100重量部に対して1〜100重量部、好ま
しくは、2.5〜50重量部、さらに好ましくは5〜3
0重量部である。ポリアミドの配合量が1重量部未満で
は、本発明の効果を発揮することができず、また、10
0重量部超過では、作業性が著しく低下し、加工性が困
難となり好ましくない。
【0020】本発明のゴム組成物中におけるポリアミド
は、ゴム分子と何らかの結合状態であればよいが、例え
ば、グラフト結合等、化学的に結合していることが好ま
しい。このポリアミドは、その断面が円形又はそれに類
する形であり、平均径Dは、0.1〜1.0μm、好ま
しくは、0.1〜0.8μmであり、さらに好ましく
は、その90重量%以上が1.0μm以下であり、その
平均繊維長Lは10μm以上で、かつ、その90重量%
以上が1000μm以下のものが好ましい。平均径Dが
1.0μmを越えると、繊維端部にて発生する応力集中
により、疲労耐久性の低下を招来する。また、ポリアミ
ドの平均長さLと平均径Dの比(L/D)が大きいほ
ど、配向しやすくなり異方性を高める効果がある。よっ
て、ポリアミドの理想的な特性としては、径を小さく、
L/Dを大きくすることが好ましいといえる。そこで、
L/Dは8以上であることが必要で、好ましくは50〜
5000である。L/Dが8未満であると、異方性を高
めることができず、好ましくない。なお、本発明で用い
るポリアミドは、ゴム中にて溶融延伸するため、きわめ
て、ミクロな繊維であり、大幅な疲労耐久性の向上が実
現できるものである。
【0021】本発明において用いるオレフィン系樹脂と
しては、例えば、低密度ポリエチレン(L−PE)、高
密度ポリエチレン(H−PE)、ポリプロピレン(P
P)等が挙げられる。オレフィン系樹脂の融点は、13
0〜200℃、好ましくは150〜170℃である。融
点が130℃未満であると、加硫後のゴム物性である発
熱性を低下させることができず、また、融点が200℃
をこえると、加工性が悪化し、ゴム練り時に溶解せず、
好ましくない。
【0022】オレフィン系樹脂の配合量は、マスターバ
ッチであるオレフィン系樹脂及び上記ポリアミドとの補
強ゴムにジエン系ゴムを更に混練することにより、適宜
調整することができ、上記ジエン系ゴム成分100重量
部に対して1〜100重量部、好ましくは、2.5〜5
0重量部、さらに好ましくは5〜30重量部である。オ
レフィン系樹脂の配合量が1重量部未満では、本発明の
効果を発揮することができず、また、100重量部超過
では、作業性が著しく低下し、加工性が困難となり好ま
しくない。さらに、前記ポリアミドとオレフィン系樹脂
との配合比は、3/7〜7/3であり、好ましく、4/
6〜6/4であり、その配合比が3/7未満であると、
異方性、疲労性が低下し好ましくなく、また、配合比が
7/3超過では、発熱性が高くなり好ましくない。
【0023】次に、本発明におけるゴム組成物の製造方
法の一例を挙げる。ここで用いる材料及びその量は上述
したとおりである。まず、ジエン系ゴム及びアミン系老
化防止剤を1〜3分間程度混練りし、次いで、ポリアミ
ド、オレフィン系樹脂を投入して混練りしポリアミド及
びオレフィン系樹脂の融点以上の温度まで上昇させ溶融
させる。次いで、必要に応じてフェノール樹脂オリゴマ
ー等のカップリング剤を添加し、さらに混練りしてマス
ターバッチを得る。次いで、押し出し機にて、このマス
ターバッチを押し出し、延伸してポリアミド繊維・オレ
フィン系樹脂で強化されたゴム組成物を得る。
【0024】更に得られたマスターバッチ(グラフト結
合により、ジエン系ゴムをポリアミド及びオレフィン系
樹脂で補強したもの)に対し、配合物中のポリアミド及
びオレフィン系樹脂を目的量に調節するため、ジエン系
ゴムを適宜添加し、上記有機不飽和脂肪酸を所定量添加
し、また、ゴム工業で通常使用されるカーボンブラッ
ク、硫黄、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防
止剤、カーボンブラック以外の例えば、シリカ等の充填
剤、ノボラック型フェノール樹脂、プロセスオイル等を
適宜添加し、バンバリーミキサー、ニーダー等により混
練りし、目的のゴム組成物を得ることができる。この混
練りは、加硫促進剤あるいは加硫剤を含まない練りステ
ージにおいて最終練り温度がオレフィン系樹脂の融点よ
り3℃以上高い温度となるように30秒〜10分で混練
りする。上記練り後の最終練り温度がオレフィン系樹脂
の融点より3℃以上高い温度とするのは、オレフィン系
樹脂を完全に溶融させてオレフィン系樹脂の良好な分散
とポリアミドへの融着を促進させるためである。なお、
加硫温度はオレフィン系樹脂の融点より3℃以上高く設
定することが好ましい。3℃以上高くすると、オレフィ
ン系樹脂の分散及びポリアミドへの融着しやすくなるか
らである。
【0025】本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴムとポ
リアミドとが化学的に結合すると共に、該ポリアミドに
はオレフィン系樹脂が融着された状態となり、該ポリア
ミドの特性である耐破断性、疲労性の向上及びオレフィ
ン系樹脂の特性である異方性の向上が複合化されること
により及び有機不飽和脂肪酸により異方性を大幅に向上
せしめることができ、疲労性及び低発熱性に優れたもの
となる。従って、ポリアミド、オレフィン系樹脂、カー
ボンブラック、硫黄、加硫促進剤などの配合量を、目的
とする物性に適宜調節することによりベルト、カーカ
ス、ビードなどのタイヤ内部部材、トレッド、サイドウ
ォールなどのタイヤ外部部材として、または、コンベア
ベルト、ホース等の各種ゴム製品などに好適に使用する
ことができる。
【0026】
【実施例】以下に、実施例及び比較例等により、本発明
を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
等によって、何等限定されるものではない。
【0027】本実施例等において、使用したポリアミド
繊維は、ナイロン6であり、オレフィン系樹脂はポリプ
ロピレン(PP)である。なお、融点の測定は、下記方
法により測定した。 (融点の測定)セイコー電子(株)の示唆熱分析計DS
C200を用いて、昇温速度10℃/分で30℃から2
50℃までの温度範囲で昇温し、得られた吸熱ピークか
ら融点温度を測定した。
【0028】(実施例1〜4、比較例1〜6)天然ゴム
100重量部及びN−(3−メタクリロイルオキシ−2
−ヒドロキシプロピル)−N´−フェニル−P−フェニ
レンジアミン〔商品名「ノクラックG−1」,大内新興
化学工業(株)製〕1.0重量部を混練り後、分子量3
00000及び融点220℃の6−ナイロン樹脂50重
量部及び融点160℃のポリプロピレン樹脂50重量部
を加え7分間混練りし、練り温度が232℃となり、6
−ナイロンは溶融し、次いで、ノボラック型フェノール
ホルムアルデヒド初期縮合物2重量部を投入し、さらに
へキサメチレンテトラミン0.2重量部を加えマスター
バッチを得た。次いで、押し出し機にてマスターバッチ
を延伸し、短繊維ポリアミド・オレフィン系樹脂補強ゴ
ムマスターバッチを得た。なお、本マスターバッチは、
バンバリーミキサーにて更にジエン系ゴムと混練りする
ことにより、ポリアミド(6−ナイロン)、オレフィン
系樹脂(ポリプロピレン)の配合量を適宜調節すること
ができる。また、使用するポリアミドの粉末の平均粒径
を変えることで、表1に示すようにマスターバッチ中の
ポリアミド(6−ナイロン)の平均径(D)、長さ
(L)を得た。また、表1に示す融点のオレフィン系樹
脂を使用した。
【0029】次いで、この補強ゴムマスターバッチに下
記表1に示される配合剤をバンバリーミキサーにて配合
して各種ゴム組成物を作製し、加硫して配向方向50%
モジュラス(M50p)、配向垂直方向50%モジュラス
(M50V)、異方性(M50p/M50V)を評価した。な
お、繊維配向方向をp、繊維配向方向と垂直の方向をv
として表示する。これらの結果を下記表1に示す。
【0030】上記50%モジュラス(M50p、M50V)の
測定は、下記の方法により行った。JIS K 630
1に準拠して、3号ダンベルを試料として測定した。
【0031】
【表1】
【0032】〔上記表1の考察〕総論的にみると、本発
明の範囲である実施例1〜4は、本発明の範囲外となる
比較例1〜6に較べ、異方性(M50p/M50V)を大幅に
向上せしめることが判明した。個別的に検討してみる
と、実施例1は、ポリアミド及びオレフィン系樹脂の配
合組成は同量(15重量部)であり、共役ジエン系酸含
量35重量%の脱水ひまし油脂肪酸を配合した場合であ
り、異方性を大幅に向上せしめることが判明した。これ
に対して比較例1は、脱水ひまし油脂肪酸のみを配合し
ない場合であり、比較例2は、オレフィン系樹脂のみを
配合しない場合であり、比較例3はポリアミドのみを配
合しない場合であり、これらの場合は、実施例1よりも
異方性が低く、特に、比較例3では、異方性が大幅に低
下し好ましくないことが判明した。
【0033】実施例2は、ポリアミド及びオレフィン系
樹脂の配合組成は同量(15重量部)であり、共役ジエ
ン系酸含量35重量%の脱水ひまし油脂肪酸の配合量を
実施例1に較べ2倍とした場合、実施例3は、共役ジエ
ン系酸含量を15重量%とし、配合量を4重量部とした
場合、実施例4は、実施例1に較べポリアミド及びオレ
フィン系樹脂の配合量を共に50重量部とし、カーボン
ブラックの配合量を15重量部とした場合であり、これ
らの場合でも、異方性を大幅に向上せしめることが判明
した。これに対して比較例4は、脱水ひまし油脂肪酸の
代わりにプロセスオイルをを配合した場合であり、比較
例5は、共役ジエン系酸含量を8重量%とした場合であ
り、これらの場合は、異方性が大幅に低下し好ましくな
いことが判明した。また、比較例6は、実施例4に較
べ、脱水ひまし油脂肪酸を配合しない場合であり、この
場合は、異方性が大幅に低下することが判明した。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、ジエン系ゴムとアミド
基を有する熱可塑性エラストマーからなる繊維とが化学
的に結合されると共に、該ポリアミドにはオレフィン系
樹脂が融着された状態となり、該ポリアミド繊維の特性
である耐破断性、疲労性の向上及びオレフィン系樹脂の
特性である異方性の向上が複合化されると共に、有機不
飽和脂肪酸の配合により異方性を更に向上せしめること
となるので、異方性を大幅に向上せしめることができ、
かつ、疲労性及び低発熱性に優れたものとなり、従っ
て、ベルト、カーカス、ビードなどのタイヤ内部部材、
トレッド、サイドウォールなどのタイヤ外部部材として
のタイヤ、または、コンベアベルト、ホース等の各種ゴ
ム製品などに好適に使用することができるゴム組成物が
提供される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴム及びジエン系合成ゴムからなる
    群から選ばれた少なくとも1種のゴム成分100重量部
    に対して、アミド基を有する熱可塑性エラストマーから
    なる繊維1〜100重量部と、オレフィン系樹脂1〜1
    00重量部と、分子内に炭素間二重結合を2個以上有す
    る不飽和脂肪酸1〜10重量部とを配合してなり、か
    つ、前記アミド基を有する熱可塑性エラストマーからな
    る繊維とオレフィン系樹脂との配合比が3/7〜7/3
    であり、前記不飽和脂肪酸が、分子内に共役二重結合を
    1組以上有する共役ジエン系酸を10重量%以上含んで
    なるゴム組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性エラストマーからなる繊維がナ
    イロン6であり、オレフィン系樹脂がポリプロピレンで
    ある請求項1記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性エラストマーからなる繊維の平
    均径Dが0.1〜1.0μmであり、平均長さLと平均
    径Dの比(L/D)が8以上である請求項1記載のゴム
    組成物。
  4. 【請求項4】 オレフィン系樹脂の融点が130〜20
    0℃である請求項1記載のゴム組成物。
  5. 【請求項5】 加硫促進剤あるいは加硫剤を含まない練
    りステージにおける最終練り温度がオレフィン系樹脂の
    融点より3℃以上高い請求項1記載のゴム組成物。
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