JPH07309913A - ポリプロピレン - Google Patents

ポリプロピレン

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JPH07309913A
JPH07309913A JP10570194A JP10570194A JPH07309913A JP H07309913 A JPH07309913 A JP H07309913A JP 10570194 A JP10570194 A JP 10570194A JP 10570194 A JP10570194 A JP 10570194A JP H07309913 A JPH07309913 A JP H07309913A
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JP
Japan
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group
polypropylene
titanium
propylene
compound
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Application number
JP10570194A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Kitajima
佳幸 北島
Junichi Fujii
純一 藤井
Junichi Ito
順一 伊藤
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Priority to JP10570194A priority Critical patent/JPH07309913A/ja
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】比較的低い立体規則性を有するにも関わらず、
アタクチック成分が少なく、且つ触媒残が少ないため
に、フィルムに好適なポリプロピレン。 【構成】メルトフローレイトが0.1〜10g/10m
in、アイソタクチックペンタッド分率が0.85〜
0.94、沸騰ヘプタン不溶分が97.5重量%以上で
あり、且つ重合体中に残存するチタン原子の濃度が3p
pm以下、及び塩素原子の濃度が30ppm以下であ
る、フィルム成形性の良好なプロピレン単独重合体、お
よび、プロピレン95重量%以上、プロピレン以外のα
−オレフィン5重量%以下のプロピレン−α−オレフィ
ンランダム共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的低い立体規則性
を有するにも関わらず、アタクチック成分量が少なく、
且つ、重合体中に残存する触媒残が極めて少ないフィル
ム成形用に好適なポリプロピレンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは、一般に剛性、耐熱
性、耐薬品性、成形性に優れ、シート、フィルム等の押
出し成形、ブロー成形、射出成形等に幅広く利用されて
いる。しかしながら、各成形分野においては、その性能
が十分とは言えない課題も残されていた。とりわけ、フ
ィルム、シート等の押出し成形の分野においては、加工
性と成形品の物性、品質のバランスに優れた性能を有す
るポリプロピレンは未だ達成されていないのが実状であ
る。押出し成形の加工性を向上させるためには、ポリプ
ロピレンの立体規則性を低下させ、加工エネルギーを低
下させることが有効であることが知られている(特開昭
57−47371、特開平3−195751号公報)。
しかしながら、その弊害として、アタクチック成分が多
量に副生し、得られたシート、フィルムの熱収縮性が極
端に大きくなり、品質を損なうという問題があった。こ
のように、従来は加工性を向上させるために立体規則性
を低下させ、且つアタクチック成分量を減少させること
は困難であった。
【0003】また、ポリプロピレンは、ハロゲン化チタ
ン化合物、有機アルミニウム化合物よりなる触媒を用い
て製造されることは周知のことである。これらが生成し
たポリプロピレン中に残存すれば、成形品の色調が黄色
となる外観不良の問題が生じたりする。また、ポリプロ
ピレンに塩素原子が残存している場合には、加工助剤ま
たは塩素補足剤として一般にステアリン酸カルシウム等
の金属石鹸が配合されるが、これが塩素原子と反応して
ステアリン酸などの脂肪酸が遊離する。このようなポリ
プロピレンをフィルム成形に使用した場合には、成形時
のロール汚れや目ヤニ現象を生じフィルムの品質に悪影
響を及ぼすという問題が残されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、加工性
向上のために比較的低い立体規則性を有し、成形品の物
性向上のためにアタクチック成分量が少なく、且つ、成
形時のロール汚れや目ヤニ現象防止のために触媒残が少
ないというポリプロピレンが望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、比較的低い立体規
則性を有し、アタクチック成分量が少なく、且つ触媒残
の少ないポリプロピレンを得ることに成功し、上記課題
が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
【0006】即ち、本発明は、メルトフローレイトが
0.1〜10g/10min、アイソタクチックペンタ
ッド分率が0.85〜0.94、沸騰ヘプタン不溶分が
97.5重量%以上であり、且つ重合体中に残存するチ
タン原子の濃度が3ppm以下、及び塩素原子の濃度が
30ppm以下であることを特徴とするプロピレン単独
重合体であり、また、本発明は、メルトフローレイトが
0.1〜10g/10min、アイソタクチックペンタ
ッド分率が0.85〜0.94、沸騰ヘプタン不溶分が
97.5重量%以上であり、且つ重合体中に残存するチ
タン原子の濃度が3ppm以下、及び塩素原子の濃度が
30ppm以下であり、プロピレンに基づく単量体単位
が95重量%以上、プロピレン以外のα−オレフィンに
基づく単量体単位が5重量%以下であるプロピレン−α
−オレフィンランダム共重合体を提供するものでもあ
る。
【0007】本明細書においては、上記したプロピレン
単独重合体およびプロピレン−α−オレフィンランダム
共重合体を総称して単にポリプロピレンと呼ぶ。本発明
のポリプロピレンは、本質的にはプロピレンの単独重合
体であるが、本発明の効果を阻害しない範囲、例えば、
5重量%以下でプロピレン以外のα−オレフィンを共重
合成分として含んでいてもよい。また、後述する予備重
合において、プロピレン以外のα−オレフィンあるいは
ビニルシクロアルカンを使用する場合には、得られる重
合体中にこれらのα−オレフィンまたはビニルシクロア
ルカンが微量含まれている。この場合のα−オレフィン
またはビニルシクロアルカンの含有量は、予備重合倍率
によって異なるが、通常は0.5重量%以下である。プ
ロピレン以外のα−オレフィンとしては、例えば、エチ
レン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブ
テン、4−メチル−1−ペンテンを挙げることができ
る。
【0008】本発明のポリプロピレンのメルトフローレ
イトは、0.1〜10g/10minである。0.1g
/10min未満では溶融流動性に劣り、一方、10g
/10minを越えると溶融張力に劣り、いずれも、加
工性が低下するために好ましくない。加工性を勘案する
と、好ましい範囲は、0.3〜8g/10minであ
り、更に好ましくは、0.5〜6g/10minであ
る。本発明のポリプロピレンの重量平均分子量は、上記
したメルトフローレイトにほぼ比例し、オルソジクロル
ベンゼンを溶媒としたGPC(ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー)法で測定された値で20万〜100
万である。加工性を勘案すると、好ましい範囲は、25
万〜70万であり、更に好ましくは、30万〜60万で
ある。
【0009】本発明のポリプロピレンのアイソタクチッ
クペンタッド分率は、0.85〜0.94の範囲であ
る。本発明で言うアイソタクチックペンタッド分率と
は、A.ZambelliらによってMacromol
ecules、6、925(1973)に発表された方
法、即ち、13C−NMRを用いて測定されたプロピレン
ユニット5個が連続してメソに結合した分率である。本
発明におけるアイソタクチックペンタッド分率の測定値
は、重合により得られたポリプロピレンそのものであっ
て、溶剤による抽出、分別、洗浄が一切施されていない
ポリマーについての値である。
【0010】アイソタクチックペンタッド分率が0.8
5未満では、加工性は良好となるが、得られた成形品の
機械物性、例えば、剛性、耐熱性が低下するために好ま
しくない。一方、0.94を越えると、加工時の機械負
荷が増加するばかりか、フィルムに製膜するときの破れ
現象が多発し、安定した製膜が困難となるために好まし
くない。アイソタクチックペンタッド分率の好ましい範
囲は、0.86〜0.93、さらに好ましくは、0.8
8〜0.93である。
【0011】本発明のポリプロピレンでは、上記した比
較的低い立体規則性を有するにも関わらず、アタクチッ
ク成分の量が極めて低いのが特徴である。本発明のポリ
プロピレンの沸騰ヘプタン不溶分の値は97.5%以上
である。97.5%未満では、フィルムに成形した場合
の熱収縮性が極端に大きくなるために好ましくない。好
適な範囲は98.0%以上である。上記の値は、重合に
より得られたポリプロピレンそのものであって、溶剤に
よる抽出、分別、洗浄が一切施されていないポリマーに
ついての値である。
【0012】本発明のポリプロピレンは、残存する触媒
残が少なく、滑剤、塩素補足剤として金属石鹸を用いた
場合の脂肪酸の遊離によるロール汚れがなく、且つ色調
にも優れることが特徴である。本発明のポリプロピレン
では、残存するチタン原子が3ppm以下であり、好ま
しくは2ppm以下である。一方、塩素原子の濃度は3
0ppm以下であり、20ppm以下であることが好ま
しい。チタン原子の濃度が3ppmを越える場合、成形
品とした場合に色調が特に黄色となり好ましくない。ま
た、塩素原子の濃度が30ppmを越えると添加した金
属石鹸から脂肪酸が遊離しロール汚れの原因となり好ま
しくない。これらの原子の濃度は、蛍光X線法または原
子吸光法によって測定することができる。本発明のポリ
プロピレンについてのこれらの値は、重合により得られ
たポリプロピレンそのものであって、溶剤による抽出、
分別、洗浄が一切施されていないポリマーについての値
である。
【0013】また、本発明のポリプロピレンの重量平均
分子量と数平均分子量の比で表される分子量分布の値は
特に制限されるものではないが、溶融張力を増加させ、
加工性を一層向上させるためには6.0以上であること
が好ましく、さらに6.5以上、特に7.0以上とする
ことがより好ましい。
【0014】本発明のポリプロピレンの製造方法は、特
に限定されるものではないが、例えば以下の方法で製造
することが出来る。
【0015】〔A〕チタン化合物 〔B〕一般式 R3Al 〔I〕 (但し、Rは炭素数1〜10からなる飽和炭化水素基で
ある。)で示される有機アルミニウム化合物 〔C〕一般式 R12Si(OR32 〔II〕 (但し、R1、R2およびR3は、それぞれ同種または異
種の炭素数1〜20の炭化水素基であり、R1およびR2
のうち少なくとも一方はケイ素原子に直結する原子が、
3級炭素である鎖状炭化水素基であるか、又は、2級炭
素である環状炭化水素基である。)で示される有機ケイ
素化合物 〔D〕少なくとも1つのハロゲン原子を有するルイス酸
化合物 の存在下に、先ず、α−オレフィンまたはビニルシクロ
アルカンをチタン化合物1g当り0.1〜100g予備
重合を施し、次いで、得られたチタン含有ポリオレフィ
ン及び〔B〕有機アルミニウム化合物の存在下にプロピ
レンの単独重合またはプロピレンとそれ以外のα−オレ
フィンとのランダム共重合を行う方法である。
【0016】本発明の予備重合方法で用いられるチタン
化合物〔A〕は、α−オレフィンの重合に使用されるこ
とが公知の化合物が何ら制限なく採用される。特に、チ
タン、マグネシウム及びハロゲンを成分とする触媒活性
の高いチタン化合物が特に好適である。このような触媒
活性の高いチタン化合物は、ハロゲン化チタン、特に四
塩化チタンを種々のマグネシウム化合物に担持させたも
のとなっている。この触媒の製法は公知の方法が何ら制
限なく採用される。例えば、四塩化チタンを塩化マグネ
シウムなどのマグネシウム化合物と共粉砕する方法、ア
ルコール、エーテル、エステル、ケトン又はアルデヒド
等の電子供与体の存在下にハロゲン化チタンとマグネシ
ウム化合物とを共粉砕する方法、または、溶媒中でハロ
ゲン化チタン、マグネシウム化合物及び電子供与体を接
触させる方法等が挙げられる。そのようなチタン化合物
の製法は、例えば、特開昭56−155206号公報、
同56−136806、同57−34103、同58−
8706、同58−83006、同58−13870
8、同58−183709、同59−206408、同
59−219311、同60−81208、同60−8
1209、同60−186508、同60−19270
8、同61−211309、同61−271304、同
62−15209、同62−11706、同62−72
702、同62−104810等に示されている方法が
採用される。
【0017】次に有機アルミニウム化合物〔B〕は前記
一般式〔I〕で示される化合物が何ら制限なく使用され
る。前記一般式〔I〕中、Rは炭素数1〜10の飽和炭
化水素基である。炭素数1〜10の飽和炭化水素基とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−
ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の鎖
状アルキル基および環状アルキル基が挙げられる。
【0018】本発明において好適に使用できる有機アル
ミニウム化合物〔B〕を具体的に例示すると、例えば、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ト
リ−nプロピルアルミニウム、トリ−nブチルアルミニ
ウム、トリ−iブチルアルミニウム、トリ−nヘキシル
アルミニウム、トリ−nオクチルアルミニウム、トリ−
nデシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム類
を用いることができる。中でもトリエチルアルミニウム
が最も好ましい。
【0019】予備重合で使用する有機アルミニウム化合
物の使用量は特に制限されるものではないが、一般にチ
タン化合物中のTi原子に対しAl/Ti(モル比)で
1〜100であることが好ましく、さらに3〜10であ
ることが好ましい。
【0020】さらに、有機ケイ素化合物〔C〕は、前記
一般式〔II〕で示される化合物を何ら制限なく採用され
る。前記一般式中、R1、R2およびR3で示される炭素
数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル
基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、ノニル基、デシル基、および後述するようなシク
ロペンチル基、アルキル基置換シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、アルキル基置換シクロヘキシル基、t−
ブチル基、t−アミル基等が挙げられる。
【0021】前記一般式〔II〕中、R1およびR2の少な
くとも一方は、ケイ素原子に直結する原子が、3級炭素
である鎖状炭化水素基であるか、又は、2級炭素である
環状炭化水素基である。ここで、ケイ素原子に直結する
原子が3級炭素である鎖状炭化水素基としては、t−ブ
チル基、t−アミル基などが挙げられる。また、ケイ素
原子に直結する原子が2級炭素である環状炭化水素基と
しては、シクロペンチル基、2−メチルシクロペンチル
基、3−メチルシクロペンチル基、2−エチルシクロペ
ンチル基、2−n−ブチルシクロペンチル基、2,3−
ジメチルシクロペンチル基、2,4−ジメチルシクロペ
ンチル基、2,5−ジメチルシクロペンチル基、2,3
−ジエチルシクロペンチル基、2,3,4−トリメチル
シクロペンチル基、2,3,5−トリメチルシクロペン
チル基、2,3,4−トリエチルシクロペンチル基、テ
トラメチルシクロペンチル基、テトラエチルシクロペン
チル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル
基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘ
キシル基、2−エチルシクロヘキシル基、2,3−ジメ
チルシクロヘキシル基、2,4−ジメチルシクロヘキシ
ル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジ
メチルシクロヘキシル基、2,3−ジエチルシクロヘキ
シル基、2,3,4−トリメチルシクロヘキシル基、
2,3,5−トリメチルシクロヘキシル基、2,3,6
−トリメチルシクロヘキシル基、2,4,5−トリメチ
ルシクロヘキシル基、2,4,6−トリメチルシクロヘ
キシル基、2,3,4−トリエチルシクロヘキシル基、
2,3,4,5−テトラメチルシクロヘキシル基、2,
3,4,6−テトラメチルシクロヘキシル基、2,3,
5,6−テトラメチルシクロヘキシル基、2,3,4,
5−テトラエチルシクロヘキシル基、ペンタメチルシク
ロヘキシル基、ペンタエチルシクロヘキシル基等が挙げ
られる。
【0022】本発明において好適に用いられる有機ケイ
素化合物を例示すると次の通りである。例えば、ジt−
ブチルジメトキシシラン、ジt−アミルジメトキシシラ
ン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロヘキ
シルジメトキシシラン、ジ(2−メチルシクロペンチ
ル)ジメトキシシラン、ジ(3−メチルシクロペンチ
ル)ジメトキシシラン、ジ(2−エチルシクロペンチ
ル)ジメトキシシラン、ジ(2,3−ジメチルシクロペ
ンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,4−ジメチルシク
ロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,5−ジメチル
シクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,3−ジエ
チルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,
4−トリメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ
(2,3,5−トリメチルシクロペンチル)ジメトキシ
シラン、ジ(2,3,4−トリエチルシクロペンチル)
ジメトキシシラン、ジ(テトラメチルシクロペンチル)
ジメトキシシラン、ジ(テトラエチルシクロペンチル)
ジメトキシシラン、ジ(2−メチルシクロヘキシル)ジ
メトキシシラン、ジ(3−メチルシクロヘキシル)ジメ
トキシシラン、ジ(4−メチルシクロヘキシル)ジメト
キシシラン、ジ(2−エチルシクロヘキシル)ジメトキ
シシラン、ジ(2,3−ジメチルシクロヘキシル)ジメ
トキシシラン、ジ(2,4−ジメチルシクロヘキシル)
ジメトキシシラン、ジ(2,5−ジメチルシクロヘキシ
ル)ジメトキシシラン、ジ(2,6−ジメチルシクロヘ
キシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3−ジエチルシク
ロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4−トリ
メチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,
3,5−トリメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラ
ン、ジ(2,3,6−トリメチルシクロヘキシル)ジメ
トキシシラン、ジ(2,4,5−トリメチルシクロヘキ
シル)ジメトキシシラン、ジ(2,4,6−トリメチル
シクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4−
トリエチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ
(2,3,4,5−テトラメチルシクロヘキシル)ジメ
トキシシラン、ジ(2,3,4,6−テトラメチルシク
ロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,5,6−
テトラメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ
(2,3,4,5−テトラエチルシクロヘキシル)ジメ
トキシシラン、ジ(ペンタメチルシクロヘキシル)ジメ
トキシシラン、ジ(ペンタエチルシクロヘキシル)ジメ
トキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、t
−ブチルエチルジメトキシシラン、t−アミルメチルジ
メトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラ
ン、シクロペンチルエチルジメトキシシラン、シクロペ
ンチルイソブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメ
チルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキ
シシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン
などを挙げることができる。
【0023】予備重合で用いる有機ケイ素化合物の使用
量は特に制限されるものではないが、一般にはチタン化
合物中のTi原子に対しSi/Ti(モル比)で0.1
〜100であることが好ましく、0.5〜10であるこ
とが好ましい。
【0024】本発明の予備重合で用いられる〔D〕成分
は、少なくとも1つのハロゲン原子を有するルイス酸化
合物であれば、公知の化合物を何等制限なく使用するこ
とができる。本発明において好適に使用できる〔D〕成
分を具体的に例示すれば、下記のような化合物を挙げる
ことができる。例えば、三塩化アルミニウム、エチルア
ルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキク
ロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチル
アルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムアイオ
ダイド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジn−
プロピルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウム
ジブロマイド、エチルアルミニウムジアイオダイド、イ
ソブチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミ
ニウムジブロマイド、イソブチルアルミニムジアイオダ
イド等のハロゲン原子含有のアルミニウム化合物、四塩
化チタンなどのハロゲン原子含有のチタン化合物、四塩
化錫などのハロゲン原子含有の錫化合物、更に塩化亜鉛
などのハロゲン原子含有の亜鉛化合物等が挙げられる。
【0025】これらのルイス酸化合物中でも、特に下記
式〔III〕 AlR4 n3-n 〔III〕 (但し、R4は炭素数1〜10の飽和炭化水素基であ
り、Xはハロゲン原子であり、nは0〜2.5の数であ
る。)で示されるハロゲン原子含有のアルミニウム化合
物は、高重合倍率でポリプロピレンが得られ、また、重
合で得られるポリプロピレン粒子が高嵩密度となって取
り扱いが容易となるために、本発明において好適に使用
できる。上記式〔III〕中、炭素数1〜10の飽和炭化
水素基は、有機アルミニウム化合物〔B〕について説明
した基をそのまま採用することができる。また、Xで示
されるハロゲン原子は、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を
用いることができるが、一般には塩素原子であることが
好ましい。
【0026】予備重合で用いられるルイス酸化合物の使
用量は特に制限されるものではないが、一般にはチタン
化合物中のTi原子に対し、モル比で0.1〜100で
あることが好ましく、さらに0.5〜10であることが
好ましい。
【0027】本発明においては、上記したチタン化合物
〔A〕、有機アルミニウム化合物〔B〕、有機ケイ素化
合物〔C〕、および少なくとも1つのハロゲン原子を有
するルイス酸化合物〔D〕に加えて、下記一般式〔IV〕 R′−I 〔IV〕 (但し、R′はヨウ素原子または炭化水素基である。)
で示されるヨウ素化合物〔E〕を用いることが、得られ
る重合体のアタクチック成分量が更に少なくなるために
好ましい。上記一般式〔IV〕中、R′は、アルキル基、
アルケニル基、アルキニル基またはアリール基等の炭化
水素基である。本発明において好適に使用できるヨウ素
化合物を具体的に例示すれば、例えば、ヨウ素、ヨウ化
メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチ
ル、ヨウドベンゼン、p−ヨウ化トルエン等である。中
でもヨウ化メチル、ヨウ化エチルが好ましい。
【0028】予備重合で用いるヨウ素化合物の使用量は
特に制限されないが、一般にはチタン化合物中のTi原
子に対し、I/Ti(モル比)で0.1〜100である
ことが好ましく、さらに0.5〜50であることが好ま
しい。
【0029】予備重合で用いる上記の各成分は逐次添加
されてもよく、一括混合されたものを用いても良い。逐
次添加の場合の添加順序は特に限定されない。
【0030】予備重合ではα−オレフィンまたはビニル
シクロアルカンの重合が行われる。α−オレフィンとし
ては、直鎖状または分岐状のものを使用することができ
る。α−オレフィンまたはビニルシクロアルカンの重合
量は、チタン化合物1g当り0.1〜100g、好まし
くは1〜100gの範囲であり、工業的には2〜50g
の範囲が好適である。予備重合で用いるα−オレフィン
としては、直鎖状のα−オレフィンとして、エチレン、
プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン
などが挙げられ、また、分岐状α−オレフィンとして
は、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテ
ン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、3−エチル−1
−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−
1−ヘキセン等が挙げられる。また、ビニルシクロアル
カンとしては、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロペ
ンタン、ビニルシクロブタン、3−メチルビニルシクロ
ヘキサン等が挙げられる。また、上記のα−オレフィン
を2種類以上同時に使用することも可能であり、予備重
合を段階的に行い、各段階で異なるα−オレフィンを用
いることもできる。成形品の写像性の向上を勘案する
と、分岐α−オレフィン、またはビニルシクロアルカン
を用いることが好ましく、さらに、特定の一種のα−オ
レフィンを90モル%以上用いることが写像性がより一
層向上するために好ましい。また、予備重合で水素を共
存させることも可能である。
【0031】予備重合は通常スラリー重合を適用させる
のが好ましく、溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの飽和脂肪族炭化
水素もしくは芳香族炭化水素を単独で、又はこれらの混
合溶媒を用いることができる。予備重合温度は、一般に
−20〜100℃、特に0〜60℃の温度が好ましく、
予備重合を多段階に行う場合には各段で異なる温度の条
件下で行ってもよい。予備重合時間は、予備重合温度及
び予備重合での重合量に応じ適宜決定すればよく、予備
重合における圧力は限定されるものではないが、スラリ
ー重合の場合は、一般に大気圧〜5kg/cm2程度で
ある。予備重合は、回分、半回分、連続のいずれの方法
で行ってもよい。予備重合終了時には、ヘキサン、ヘプ
タン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂
肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素を単独で、又は混
合溶媒で洗浄することが好ましく、洗浄回数は通常の場
合5〜6回が好ましい。
【0032】本発明の予備重合後には、予備重合で得ら
れたチタン含有ポリオレフィン及び〔B〕有機アルミニ
ウム化合物の存在下に本重合が行われる。本重合では、
プロピレンの単独重合またはプロピレンとそれ以外のα
−オレフィンとの共重合が実施される。本発明における
本重合における重合条件は、本発明の効果が認められる
限り特に制限されず、公知の方法を採用することができ
る。一般には次の条件が好ましい。
【0033】本重合で用いられる〔B〕有機アルミニウ
ム化合物は上記予備重合で説明した化合物をそのまま用
いることができる。中でもトリエチルアルミニウムが最
も好ましい。有機アルミニウム化合物の使用量は特に制
限されないが、一般には予備重合で得られたチタン含有
ポリオレフィン中のTi原子に対しAl/Ti(モル
比)で10〜1000であることが好ましく、さらには
20〜500であることが好適である。
【0034】更に本発明のポリプロピレンの立体規則性
制御のためエーテル、アミン、アミド、含硫黄化合物、
ニトリル、カルボン酸、酸アミド、酸無水物、酸エステ
ル、アルコキシケイ素化合物などの電子供与体を共存さ
せることができる。中でもアルコキシケイ素化合物が、
得られるポリプロピレンのアタクチック成分の生成量が
少なくなるために好ましい。かかるアルコキシケイ素化
合物として、下記一般式(V)または一般式(VI) R5 J−Si−(OC254-J (V) (但し、R5、R6およびR7は、それぞれ同種または異
種の炭化水素基であり、J、Kは0または1である。)
で示されるアルコキシケイ素化合物を用いることが、得
られるポリプロピレンのアタクチック成分の生成量を少
なくすることができ、且つ比較的低い立体規則性とする
ことができるために好ましい。
【0035】一般式(V)および(VI)中のR5,R6
よびR7で示される炭化水素基としては、鎖状、分枝
状、環状の脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基
を挙げることができ、その炭素数は特に制限されない。
本発明において好適な炭化水素基を例示すると、メチル
基、エチル基、n−プロピル基,i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、アリル基等の炭素数1〜
6のアルキル基;ビニル基、プロペニル基、アリル基等
の炭素数2〜6のアルケニル基;エチニル基、プロピニ
ル基等の炭素数2〜6のアルキニル基;シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5
〜7のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシ
リル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基等
を挙げることができる。上記式中、J、Kは0または1
である。
【0036】本発明において好適に用いられる一般式
(V)で示されるアルコキシケイ素化合物を例示する
と、ケイ酸エチル、メチルトリエトキシシラン、エチル
トリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ブチ
ルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、
イソプロピルトリエトキシシラン、1−プロペニルトリ
エトキシシラン、イソプロペニルトリエトキシシラン、
エチニルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシ
ラン、ドデシルトリエトキシシラン、アリルトリエトキ
シシランなどである。
【0037】また、一般式(VI)で示されるアルコキシ
ケイ素化合物を例示すると、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシ
シラン、ジビニルジメトキシシラン、ジアリルジメトキ
シシラン、ジ−1−プロペニルジメトキシシラン、ジエ
チニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、メチルフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシル
メチルジメトキシシラン、ターシャリーブチルエチルジ
メトキシシラン、エチルメチルジメトキシシラン、プロ
ピルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルトリメト
キシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジシク
ロペンチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、アリルトリメトキシシラン等を挙げることができ
る。
【0038】本重合で用いられる一般式(V)および
(VI)で示されるアルコキシケイ素化合物の使用量は特
に制限されないが、一般には固体状チタン触媒成分のTi
原子に対しSi/Ti(モル比)でそれぞれ0.1〜500
であることが好ましく、さらには1〜100であること
が好ましい。
【0039】さらに一般式(V)および一般式(VI)で
示されるアルコキシケイ素化合物を併用することが、得
られるポリプロピレンの分子量分布を広くすることがで
きるために好ましく、その場合の使用量は(V):(V
I)がモル比で1:5〜1:25であることが好まし
く、さらに好ましくは1:10〜1:20である。この
場合、各成分の添加順序は特に限定されず、一般式
(V)で示されるアルコキシケイ素化合物と一般式(V
I)で示されるアルコキシケイ素化合物を同時に混合供
給しても、または別々に供給してもよい。またこれら
は、予め有機アルミニウム化合物と接触、あるいは混合
させた後に供給することもできる。
【0040】重合温度は20〜200℃、好ましくは5
0〜150℃であり、分子量調節剤として水素を共存さ
せることもできる。また、重合は、スラリー重合、無溶
媒重合、及び気相重合にも適用でき、回分式、半回分
式、連続式のいずれの方法でもよく、更に重合を条件の
異なる2段以上に分けて行うこともできる。
【0041】こうして得られたポリプロピレンはその利
点を十分に発揮させるためにフィルムに成形することが
好ましい。フィルムは無延伸でもよく、一軸または二軸
に延伸されていてもよい。具体的には、ポリプロピレン
を押出機にて溶融、混練し、溶融したポリプロピレンを
T型ダイスにて冷却ロール上でシート状に冷却固化し、
無延伸フィルムを得ることができる。さらに、得られた
無延伸フィルムを縦延伸機にて加熱後、2〜10倍に延
伸することによって一軸延伸フィルムを得ることができ
る。さらに、引き続き横延伸機にて加熱後、幅方向に5
〜15倍延伸することによって二軸延伸フィルムを得る
ことができる。二軸延伸フィルムの場合、延伸後に延伸
温度より幾分高めの温度で5〜15%リラックスさせる
こともできる。
【0042】
【発明の効果】本発明のポリプロピレンは、比較的立体
規則性が低いにも関わらず、アタクチック成分が少な
く、且つ触媒残が少ないために、加工性に、特にフィル
ムの製膜性に優れ、且つ成形品とした場合の熱収縮率に
優れたポリプロピレンを得ることができる。したがっ
て、本発明により得られたポリプロピレンは、各種延伸
フィルム、無延伸フィルム、シート用材として好適に用
いることができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。以下の実施例において用いた測定方法について
説明する。
【0044】(1)メルトフローレイト(以下、MFR
と略す) ASTM D−790に準拠した。
【0045】(2)アイソタクチックペンタッド分率 A.ZambelliらによってMacromolec
ules、6、925(1973)に発表されている方
法、即ち、13C−NMRを用い、ポリマー分子鎖中の連
続した5個がメソに結合した分率を求めた。測定は、J
EOL、GSX−270を用いて、パルス幅90度、パ
ルス間隔15秒、積算10,000回で行った。ピーク
の帰属は、Macromolecules、8、697
(1975)に準じて行った。
【0046】(3)沸騰ヘプタン不溶分 ポリマー約1gをソックスレー抽出器により沸騰ヘプタ
ン中で6時間抽出した際の不溶分量から求めた。
【0047】(4)ポリマー中の残存チタン濃度、塩素
濃度の測定 ポリマー約10gを230℃でプレス成形を行い、円盤
上のシートを作成した後、理学電機社製全自動蛍光X線
分析装置システム3080を用い測定を行った。
【0048】(5)重量平均分子量、分子量分布 重量平均分子量(Mw)、および重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)の比は、GPC(ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー)法により測定した。
測定は、ウォーターズ社製GPC−150により、o−
ジクロロベンゼンを溶媒として135℃で行った。
【0049】(6)メルトテンション 東洋精機製作所製メルトテンション測定装置を用いた。
230℃に保持されたシリンダーに直径2.095mm
のオリフィス、ポリマー試料6g、およびピストンを挿
入し、6分間保持の後、10mm/minの速度でピス
トンを押し下げ、押し出されたポリマーは荷重検出機を
通し、25m/minの速度で巻取った。このときの荷
重値をメルトテンションとした。
【0050】(7)嵩比重 JIS K6721に準拠した。
【0051】(8)二軸延伸フィルムの製膜性の評価 得られたポリプロピレンにステアリン酸カルシウム0.
1wt%を配合しT−ダイスを取り付けた押出し機によ
り280℃で押出し、直ちに40℃の冷却ロールにて固
化し、2.0mm厚さの未延伸シートを得た。次いで、
得られた未延伸シートをテンター式逐次2軸延伸装置に
て延伸温度150℃で縦方向に5倍延伸を行い、引き続
き、炉内温度165℃のテンターの中で横方向に10倍
延伸を行い2軸延伸フィルムを製膜した。製膜速度は4
5m/minとして、30分間の製膜試験を5回実施し
た。この時の破れの回数を測定し、また、ロール汚れに
ついて観察を行ない製膜性の評価とした。
【0052】(9)二軸延伸フィルムの熱収縮率 JIS C 2318に準拠した。 (10)二軸延伸フィルムの写像値 厚さ40μmの二軸延伸フィルムを成形後48時間後に
スガ試験機社製写像値測定機を用い、光学くし0.12
5mmを使い、くし方向を縦軸延伸方向に平行にし写像
値を測定した。
【0053】実施例1 〔チタン化合物の調製〕チタン成分の調製法は、特開昭
58−83006号公報の実施例1の方法に準じて行っ
た。即ち、無水塩化マグネシウム0.95g(10mm
ol)、デカン10ml、及び2−エチルヘキシルアル
コ−ル4.7ml(30mmol)を125℃で2時間
加熱攪はんした、この溶液中に無水フタル酸0.55g
(6.75mmol)を添加し、125℃にて更に1時
間攪はん混合を行い均一溶液とした。室温まで冷却した
後、120℃に保持された四塩化チタン40ml(0.
36mol)中に1時間にわたって全量滴下装入した。
その後、この混合溶液の温度を2時間かけて110℃に
昇温し、110℃に達したところでジイソブチルフタレ
ート0.54mlを添加し、これより2時間110℃に
て攪はん下に保持した。2時間の反応終了後、濾過し固
体部を採取し、この固体部を200mlのTiCl4
て再懸濁させた後、再び110℃で2時間の加熱反応を
行った。反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、
デカン及びヘキサンにて、洗液中に遊離のチタン化合物
が検出されなくなるまで十分洗浄した。固体Ti触媒の
組成はチタン2.1重量%、塩素57重量%、マグネシ
ウム18.0%、及びジイソブチルフタレート21.9
重量%であった。
【0054】〔予備重合〕N2置換を施した内容積1L
のオートクレーブに、精製n−ヘキサン200ml、ト
リエチルアルミニウム50mmol、シクロヘキシルメ
チルジメトキシシラン10mmol、ジエチルアルミニ
ウムクロライド50mmol、及び固体Ti触媒成分を
Ti原子換算で5mmol装入した後、3−メチル−1
−ブテンを10g導入した。なお、この間の温度は15
℃に保持した。120分後に反応を停止し、オートクレ
ーブ内をN2で充分置換した。得られたスラリーの固体
部分を精製n−ヘキサンで5回洗浄し、チタン含有ポリ
3−メチル−1−ブテンを得た。分析の結果、固体Ti
触媒成分1gに対し8.0gの3−メチル−1−ブテン
が重合されていた。
【0055】〔本重合〕N2置換を施した内容積2Lの
オートクレーブに、プロピレンを0.43Kg装入し、
トリエチルアルミニウム1.64mmol、エチルトリ
エトキシシランン0.164mmol、更に、水素ガス
を気相中ガス濃度で0.1mol%となるように装入し
た後、オートクレーブの内温を65℃に昇温し、チタン
含有ポリ3−メチル−1−ブテンをTi原子として6.
56×10-3mmol装入した。続いてオートクレーブ
の内温を70℃まで昇温し2時間の重合を行った。重合
終了後、未反応のプロピレンをパージし、白色顆粒状の
重合体を得た。得られた重合体は70℃で1時間の真空
乾燥を行った。結果を表1に示した。
【0056】実施例2 実施例1の本重合において、エチルトリエトキシシラン
の代わりにケイ酸エチルを用いた以外は実施例1と同様
の操作を行った。結果を表1に示した。
【0057】実施例3 実施例1の予備重合において、3−メチル−1−ブテン
の代わりにプロピレンを用い、本重合において、エチル
トリエトキシシラン0.164mmolの代わりに、シ
クロヘキシルメチルジメトキシシラン0.0164mm
olとケイ酸エチル0.492mmolを併用した以外
は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示し
た。
【0058】実施例4〜7 実施例1の本重合において、エチルトリエトキシシラン
0.164mmolの代わりに、ドデシルトリエトキシ
シラン0.492mmolとシクロヘキシルメチルジメ
トキシシラン0.0164mmolの併用(実施例
4)、オクチルトリエトキシシラン0.492mmol
とシクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.0164
mmolの併用(実施例5)、ペンチルトリエトキシシ
ラン0.492mmolとシクロヘキシルメチルジメト
キシシラン0.0164mmolの併用(実施例6)、
ケイ酸エチル0.492mmolとジイソプロピルジメ
トキシシラン0.0164mmolの併用(実施例7)
としたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。結果
を表1に示した。
【0059】実施例8、9 実施例3の本重合において、エチレンガスを導入し、ポ
リマー中のエチレン含有量が、0.2wt%(実施例
4)、0.4wt%(実施例5)とした以外は実施例3
と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
【0060】実施例10 実施例1の予備重合において、シクロヘキシルメチルジ
メトキシシランの代わりにt−ブチルエチルジメトキシ
シランを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表1に示した。
【0061】実施例11〜13 実施例1の予備重合において、ジエチルアルミニウムク
ロライドの代わりに、エチルアルミニウムジクロライド
(実施例11)、エチルアルミニウムセスキクロライド
(実施例12)、四塩化チタン(実施例13)を用いた
以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示
した。
【0062】実施例14 実施例1の予備重合において、3−メチル−1−ブテン
の代わりにビニルシクロヘキサンを用いた以外は実施例
1と同様の操作を行った。分析の結果、固体Ti触媒成
分1gに対し1.8gのビニルシクロヘキサンが重合さ
れていた。結果を表1に示した。
【0063】実施例15、16 実施例1の本重合において、エチレンガスを導入し、ポ
リマー中のエチレン含有量が、0.2wt%(実施例1
5)、0.35wt%(実施例16)とした以外は実施
例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
【0064】比較例1 〔予備重合〕N2置換を施した内容積1Lのオートクレ
ーブに、精製n−ヘキサン200ml、ジエチルアルミ
ニウムクロライド50mmol、及び丸紅ソルベー社製
三塩化チタンを3.5g装入した後、3−メチル−1−
ブテンを21g導入した。なお、この間の温度は40℃
に保持した。120分後に反応を停止し、オートクレー
ブ内をN2で充分置換した。得られたスラリーの固体部
分を精製n−ヘキサンで5回洗浄し、チタン含有ポリ3
−メチル−1−ブテンを得た。分析の結果、三塩化チタ
ン1gに対し3.1gの3−メチル−1−ブテンが重合
されていた。
【0065】〔本重合〕N2置換を施した内容積2Lの
オートクレーブに、プロピレンを0.43Kg装入し、
ジエチルアルミニウムクロライド2.33mmol、水
素ガスを気相中ガス濃度で1.1mol%となるように
装入した後、オートクレーブの内温を65℃に昇温し、
チタン含有ポリ3−メチル−1−ブテンを三塩化チタン
換算で20mg装入した。続いてオートクレーブの内温
を70℃まで昇温し2時間の重合を行った。重合終了
後、未反応のプロピレンをパージし、白色顆粒状の重合
体を得た。得られた重合体は70℃で1時間の真空乾燥
を行った。結果を表1に示した。
【0066】比較例2 実施例2の予備重合において、ジエチルアルミニウムク
ロライドを用いなかった以外は実施例2と同様の操作を
行った。結果を表1に示した。
【0067】比較例3〜4 実施例1において、予備重合を施さず、更に本重合でエ
チルトリエトキシシランの代わりにジシクロペンチルジ
メトキシシランを使用(比較例3)、エチルトリエトキ
シシランを用いなかった(比較例4)こと以外は実施例
1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
【0068】比較例5 実施例1の予備重合においてシクロヘキシルメチルジメ
トキシシランを用いなかったこと以外は実施例1と同様
に行った。結果を表1に示した。
【0069】比較例6〜7 実施例1の本重合の水素濃度を変更し、メルトフローレ
イトを0.05(比較例6)、19(比較例7)とした
こと以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1
に示した。
【0070】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルトフローレイトが0.1〜10g/1
    0min、アイソタクチックペンタッド分率が0.85
    〜0.94、沸騰ヘプタン不溶分が97.5重量%以上
    であり、且つ重合体中に残存するチタン原子の濃度が3
    ppm以下、及び塩素原子の濃度が30ppm以下であ
    ることを特徴とするプロピレン単独重合体。
  2. 【請求項2】メルトフローレイトが0.1〜10g/1
    0min、アイソタクチックペンタッド分率が0.85
    〜0.94、沸騰ヘプタン不溶分が97.5重量%以上
    であり、且つ重合体中に残存するチタン原子の濃度が3
    ppm以下、及び塩素原子の濃度が30ppm以下であ
    り、プロピレンに基づく単量体単位が95重量%以上、
    プロピレン以外のα−オレフィンに基づく単量体単位が
    5重量%以下であるプロピレン−α−オレフィンランダ
    ム共重合体。
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