JPH07309662A - 摺動部材 - Google Patents

摺動部材

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JPH07309662A
JPH07309662A JP6098669A JP9866994A JPH07309662A JP H07309662 A JPH07309662 A JP H07309662A JP 6098669 A JP6098669 A JP 6098669A JP 9866994 A JP9866994 A JP 9866994A JP H07309662 A JPH07309662 A JP H07309662A
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JP
Japan
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carbon
weight
sliding member
silicon carbide
shaft
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Application number
JP6098669A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Ito
浩之 伊藤
Hajime Izawa
一 井澤
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体潤滑剤及び流動性潤滑剤等の潤滑剤を使
用する必要がない耐摩耗性、自己潤滑性に優れた摺動特
性の良好な無潤滑の摺動部材を提供するにある。 【構成】 本願発明の摺動部材は、炭素と炭化ケイ素か
らなり、両者が連続相を形成する組織構造を有する複合
材料を軸受材とし、特に炭素が20〜50重量%で、炭
化ケイ素が80〜50重量%である複合材料が好まし
く、他方、軸材としては、酸化アルミニウムと酸化ジル
コニウムの複合体、超硬合金、又は鋳鉄から成る群より
選ばれる一種を用いて成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性及び自己潤滑
性に優れ、シール材及びベアリング材等に好適に用いら
れる摺動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無潤滑ベアリングには、金属又
は、金属と有機物を複合化させた材料が用いられてきた
が、これらの金属、又は金属と有機物の複合体のベアリ
ング等の摺動部材は、硬度が低いことから耐摩耗性に問
題があった。
【0003】一方、セラミックスは高硬度、高強度、耐
摩耗性、耐蝕性に優れ、その優れた特性に関心が高ま
り、金属、又は金属と有機物の複合体の代替材料とし
て、シール材、摺動部材に利用が図られるようになって
いる。
【0004】しかし、セラミックスは、それ自体、潤滑
性能が乏しいものが多く、特に相手材料や雰囲気により
摩耗特性が著しく変化し、そのまま摺動部材として利用
した場合には、摩耗係数が非常に高くなり、摺動相手材
を摩耗させたり傷つけ、またセラミックス自体に摩耗や
クラックを生じ易いという欠点がある。
【0005】上記問題を解決すべく、これまで摩耗性、
潤滑性を高めるために種々の研究開発が行われている。
例えば特公平3−43229号公報には、反応焼結Si
Cの表層部の未反応部Siを化学的或いは電気的に溶出
させて微細な空洞部を形成し散在させたセラミックスを
母材とし、該空洞部に摺動特性の優れた固体潤滑剤を含
浸し固着させて固体潤滑層を形成させた摺動部材が開示
されている。
【0006】また、特開平5−43360号公報には固
体潤滑剤粉末が含有されたセラミックス多孔質体の開放
気孔中に潤滑油が含浸されている摺動部材が、更には特
開平4−293998号公報には、炭化珪素および/ま
たは窒化珪素を骨材とし、固体潤滑剤として炭素が内部
よりも表層部に多く分散存在するとともに潤滑油を含浸
する摺動部材が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の摺動部
材は、その耐摩耗性を高めるために二硫化モリブデン、
テフロン及び炭素等の固体潤滑剤又はオイル、グリース
等の流動性潤滑剤の使用を必要とするものである。
【0008】特に、固体潤滑剤は量が多くなると骨材と
してのセラミックスの強度が低下するためクラックが生
じ易く、摺動特性に問題が生じる。
【0009】また、潤滑剤の使用にあたり、潤滑剤自体
の分散を均一に行う必要があり、摺動部材の使用に伴い
潤滑剤が消耗、飛散し、常時一定期間経過後は潤滑剤を
添加しなければならず、定期的なメンテナンスが必要で
ある。
【0010】従って、本発明の課題は、固体潤滑剤及び
流動性潤滑剤等の潤滑剤を使用する必要がない耐摩耗性
及び自己潤滑性に優れた摺動特性の良好な無潤滑の摺動
部材を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】上記課題を解決
するために、本願第1発明にかかる摺動部材は炭素と炭
化ケイ素とからなり、両者が連続相を形成する組織構造
を有する複合材料を軸受材とすることを特徴とするもの
である。
【0012】本願発明の摺動部材に用いられる炭素と炭
素ケイ素複合材料は、バインダーを用いることにより炭
素粒子を三次元網目状に連結させた後に炭化して得られ
る炭素成形体に、ケイ素を接触せしめて非酸化性雰囲気
下で加熱することにより、炭素成形体内部にまで溶融ケ
イ素分を浸透させて、成形体表面及び成形体内部にまで
均一に炭素及び炭化ケイ素の連続相を有する特異な構造
を有する複合材料である。
【0013】上記複合材料中の炭素材料は特に限定され
るものでないが、炭素焼結体の格子定数cが6.9オン
グストローム以下、より好ましくは6.708〜6.9
オングストロームであり且つ密度が1.7g/cm3
下となり得る材料が好ましい。炭素材料の粒子径も、特
に限定されるものではないが、通常100〜200μm
程度とすることが好ましい。
【0014】ケイ素材料としては、金属ケイ素が好まし
く、粉末、粒子、塊状等の任意の形態で使用できる。
【0015】本願発明の炭素と炭化ケイ素から成り、両
者が連続相構造を有する複合材料からなる軸受け材の表
面粗さは、摩擦係数を小さくするためにも、小さい程好
ましいが、少なくとも0.1μmRz以下が好適であ
る。
【0016】本願発明の摺動部材は、炭素及び炭化ケイ
素が材料内部にまで各々均一に連続相を形成して三次元
的に複合化していることにより、炭化ケイ素の高い硬度
及び耐摩耗性並びに炭素の潤滑性を両方併せ持つ無潤滑
の優れた耐摩耗性を有するものであり、空気中のみなら
ず油中でも利用できるものである。
【0017】また、本願第1発明の好適な実施例は、炭
素と炭化ケイ素の両者が連続相を形成する組織構造を有
する複合材料が、炭素を20〜50重量%含有し、炭化
ケイ素を80〜50重量%含有することを特徴とするも
のである。炭素の含有量が20重量%より少ないと相手
材の摩耗が激しくなり、また50重量%より多いと炭素
−炭化ケイ素複合体の摩耗が激しくなり、いずれの場合
も摺動部材として好ましくない。
【0018】更に、本願第2発明にかかる摺動部材は、
炭素と炭化ケイ素とからなり、両者が連続相を形成する
組織構造を有する複合材料を軸受材とし、酸化アルミニ
ウムと酸化ジルコニウムの複合体を軸材とすることを特
徴とするものである。
【0019】このように、本願第2発明にかかる摺動部
材は、軸受材に本願第1発明の軸受材を用い、軸材に酸
化アルミニウムと酸化ジルコニウムの複合体を用いるも
のである。
【0020】通常、構造材料用酸化ジルコニウムは、安
定化剤として、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸
化イットリウム、希土類酸化物等が添加され、室温準安
定相である正方晶酸化ジルコニウムを主成分としてい
る。正方晶酸化ジルコニウムに安定化剤として添加した
酸化物の添加量は、酸化ジルコニウムに対して酸化イッ
トリウム又は希土類酸化物で2〜5mol%、酸化カル
シウム及び酸化マグネシウムで8〜10mol%が好ま
しい。酸化イットリウム又は希土類酸化物で2mol%
未満、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムで8mol
%未満の場合は、正方晶中に単斜晶が析出し始め、強
度、靭性共に大幅に低下する。一方、酸化イットリウム
又は希土類酸化物で5mol%を越える場合、酸化カル
シウム及び酸化マグネシウムで10mol%を越える場
合は、正方晶中に立方晶が析出し始め、強度、靭性共に
大幅に低下する。
【0021】正方晶酸化ジルコニウムは高強度、高靭性
であり、かつ摩擦係数が小さいことから、摺動材料とし
て期待されているにもかかわらず、200〜300℃雰
囲気で正方晶から単斜晶への相転移が起こり、摩擦が増
大することが問題となっている。これを防止するために
は酸化ジルコニウムと酸化アルミニウムとの複合化と正
方晶酸化ジルコニウムの結晶粒子径の微細化が有効であ
る。酸化ジルコニウムの粒子径は0.5μm以下、好ま
しくは、0.3μm以下が要求される。この酸化アルニ
ミウムと酸化ジルコニウムの複合体の表面粗さは、少な
くとも0.1μmRzが望ましい。
【0022】また、本願第2発明にかかる摺動部材に課
せられる荷重は、高荷重でも低荷重でもよく、摺動速度
は高速でも低速でもよく、雰囲気は真空、空気、腐食性
ガス、水、海水、強酸又は強塩基性流体等でもよい。さ
らに温度は低温から400℃の間で用いることが可能で
ある。
【0023】本願第2発明にかかる摺動部材は、炭素と
炭化ケイ素からなる連続組織構造を有する複合材料が軸
受材であり、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムの複
合体が軸材であるが、この両者の組み合わせであれば、
本願発明の目的である自己潤滑性を有し、耐摩耗性の優
れた摺動部材が得られるため、両者が逆の材料から成る
摺動部材、即ち酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムの
複合体が軸受材で、炭素と炭化ケイ素からなる連続組織
構造を有する複合体が軸材である摺動部材も本願発明の
目的を達成することができる。
【0024】更に、本願第2発明の好適な実施例は、炭
素と炭化ケイ素の両者が連続相を形成する組織構造を有
する複合材料が、炭素を20〜50重量%含有し、炭化
ケイ素を80〜50重量%含有することを特徴とするも
のである。
【0025】更に、本願第2発明の他の好適な実施例
は、酸化アルミニウムが5〜70重量%で、酸化ジルコ
ニウムが95〜30重量%であることを特徴とするもの
である。
【0026】酸化アルミニウムの添加量は、正方晶から
単斜晶への相転移を防止するためにも5重量%以上が好
ましく、摩耗係数と軸受部分の負荷、特に、発熱量の点
から、負荷の大きい場合は熱放散と耐摩耗性を向上させ
るために、酸化アルミニウムの増加が望ましい。しか
し、酸化アルミニウムを70重量%より多くすると、摩
擦係数が増加し、耐摩耗性が低下し、好ましくない。
【0027】本願第3発明にかかる摺動部材は、炭素と
炭化ケイ素とからなり、両者が連続相を形成する組織構
造を有する複合材料を軸受材とし、超硬合金を軸材とす
ることを特徴とするものである。
【0028】このように本願第3発明にかかる摺動部材
は、軸受材に本願第1発明の軸受材を用い、軸材に高硬
度であり高い耐摩耗性を有する超硬合金を用いるもので
ある。軸材が超硬合金の場合には、荷重は低荷重で用い
るのが良く、摺動速度は高速でも低速でもよく、雰囲気
は空気又は水、温度は室温から400℃の間で用いるこ
とが可能である。
【0029】更に、本願第3発明の好適な実施例は、炭
素と炭化ケイ素の両者が連続相を形成する組織構造を有
する複合材料が、炭素を20〜50重量%含有し、炭化
ケイ素を80〜50重量%含有することを特徴とするも
のである。
【0030】また、本願第3発明の他の好適な実施例
は、超硬合金が炭化タングステン−コバルト(WC−C
o)合金であることを特徴とする。超硬合金の種類とし
ては、炭化チタン−コバルト(WC−Co)系が好まし
く、微量成分としてNi,Ti,Ta,Mo等が0.5
重量%未満添加されていても問題はなく、工業的に生産
され、広く実用化されているものを用いることができ
る。WC−Coの組成としては、WCが95〜85重量
%に対し、Coが5〜15重量%のものが望ましい。ま
た、硬度(HRA)は86.5〜93.0のものが好適で
ある。表面粗さは、少なくとも0.1 μmRzとするのが
望ましい。
【0031】本願第4発明にかかる摺動部材は、炭素と
炭化ケイ素とからなり、両者が連続相を形成する組織構
造を有する複合材料を軸受材とし、鋳鉄を軸材とするこ
とを特徴とするものである。
【0032】このように本願第4発明にかかる摺動部材
は、軸受材に本願第1発明の軸受材を用い、軸材に展性
及び延性に富む鋳鉄を用いるものである。軸材が鋳鉄の
場合には、荷重は高荷重でも低荷重でもよく、摺動速度
は低速、雰囲気は空気、温度は室温から200 ℃の間で用
いることが可能である。
【0033】更に、本願第4発明の好適な実施例は、炭
素と炭化ケイ素の両者が連続相を形成する組織構造を有
する複合材料が、炭素を20〜50重量%含有し、炭化
ケイ素を80〜50重量%含有することを特徴とするも
のである。
【0034】本願発明の摺動部材の軸受材は、円筒状で
も、円盤状でもよく、軸は、円柱状でも、軸の先端が球
面状でもよい。また、摺動方法については、円筒状ある
いは円盤状の軸受の表面に対して、円柱状あるいは先端
が球面の軸が、回転往復運動する方法でもかまわない。
即ち、互いの部材が摺動できればその摺動方法に制限は
ない。
【0035】
【実施例】本発明を図面を参照しながら以下の実施例に
より説明する。 実施例1 直径55mm、厚さ5mmの円盤状炭素の多孔質体の表
面に珪素を12.8g、16.7g、19.7gとして
各々載せ、アルゴン雰囲気中、1800℃で1時間反応
させた。得られた焼成物はそれぞれ炭化珪素を50,6
4,80重量%含有し、炭素を50,36,20重量%
含有するものである。その組成構造は、炭素と炭化珪素
が共に三次元的に分布したものであった。この複合体の
円盤の表面を各々平面研削により、0.05μm Rzに
仕上げたものを軸受材とした(これを試料A1,A2,
A3とする)。また、酸化アルミニウム粉末が5,2
0,40,60重量%に対し、3mol %の酸化イットリ
ウムを含有する酸化ジルコニウムを95,80,60,
40重量%各々混合し、長さ20mm、直径8mmの円
柱に成形し、1400〜1500℃で2時間焼成を行っ
た。得られた円筒状軸の酸化アルミニウムと酸化ジルコ
ニウムの複合体の上下面を各々平面研削により、0.0
5μm Rzに仕上げたものを軸材とした(これを試料B
1,B2,B3,B4とする)。これらの、摺動部材の
性能評価試験を、ピン・オン・ディスク型の摩擦摩耗試
験機により行った。装置の外観を図1に示す。摩擦摩耗
試験機の回転軸側の試料台3上に軸受け材試料2である
A1〜A3を、加圧軸側の試料台8に軸材試料9である
B1〜B4を設置した。この装置を、試料台3をインバ
ータ5で制御したモータ4で一定速度で回転させ、加圧
軸側の試料台8に取付けた軸材試料9を、荷重計1によ
り示された荷重でディスク型試料2に接触させた。この
ときの荷重及びトルクは電気的信号として、μ演算器6
に送られ、これにより、摩擦係数が計算され、その結果
が記録計7に出力される。摩擦摩耗試験の測定条件を表
1に、得られた結果を表2に示す。耐摩耗性は、試料A
及び試料Bの比摩擦量を測定することにより示した。
【0036】
【表1】
【0037】また、油中(タービン油ISO VG6
8)での測定は、試料台3の上に、カップを固定し、そ
の中に油を入れ、上述と同様の方法で耐摩耗性を測定し
た。その結果も表2に併せて示す。
【0038】
【表2】
【0039】なお、比摩擦量は単位見掛け接触面積、単
位見掛け接触圧力及び単位滑り距離あたりの摩耗量を意
味し、試料Aおよび試料Bの重量変化を下記式により測
定することで求めた。
【数1】比摩耗量 Ws=W/(p・S・l)=(mi
−mf )/(ρ・p・S・l) Ws:比摩耗量(mm3 /N・m) p:見かけの接触圧力(kgf /mm2 =N/mm2 ) S:接触面積(mm2 ) l:滑り距離(m) W:摩耗体積(mm3 ) 試料の密度 ρ(g/mm3 )=(mi −mf )/W mi :試験前の重量(g) mf :試験後の重量(g)
【0040】比較例1 珪素を10.4g、20.8gとして、各々炭化珪素を
40、90重量%含有し、炭素を60、10重量%含有
したもの(これを試料C1,C2とする)及び実施例1
で得られたもの(試料A1〜A3)を軸受材とし、酸化
アルミニウム粉末を0、80重量%、3mol %の酸化イ
ットリウムを含有する酸化ジルコニウムを100、20
重量%各々混合したもの(これを試料D1,D2とす
る)及び実施例1で得られたもの(試料B1〜B4)を
軸材とした以外は、実施例1と同様の条件、方法で摩擦
摩耗試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0041】比較例2 市販の黒鉛摺動材用炭素(日立化成(株)製PD−11
P)を軸受け材(試料E)とし、実施例1(試料B1〜
B4)及び比較例1(試料D1,D2)で得られたもの
を軸材とした以外は、実施例1と同様の条件、方法で摩
擦摩耗試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0042】比摩耗量は、比較例1,2の場合より、実
施例1の本願発明による試料A、試料Bの方が1/10
0小さく、明らかに、本願発明にかかる摺動部材を組み
合わせた場合は、耐摩耗性に優れていることがわかる。
【0043】実施例2 内径40mmφ、外径50mmφ、長さ50mmφの円
筒状の炭素−炭化珪素複合体を実施例1と同様の方法で
製造した。但し、当該複合体は、炭化ケイ素を64重量
%含有し、炭素を36重量%含有するものである。この
円筒状複合体の内面を表面粗さが0.1μmRzとなよ
うに研磨した。これを試料Fとする。この試料Fを金属
製のハウジング10内部に焼きばめにより固定したもの
を軸受け材17とした。また、組成が酸化アルミニウム
が40重量%に対し、3mol%の酸化イットリウムを
含有する酸化ジルコニウムが60重量%の複合体を、外
径39.96mm、内径20.0mm、長さ55mmの
円筒状に実施例1と同様の方法で作製し、円筒の側面を
表面粗さが0.1μmRzになように仕上げ軸材とし
た。これを試料Gとする。この円筒軸材18を図2に示
す金属性のシャフト11の片端に軸材18の中心線とシ
ャフト11の中心線が一直線上となるように設置した。
次いでシャフト11の中心線と中空円筒状軸受け材17
の中心線が一直線上となるようにシャフトを装置内に固
定した。この金属性シャフト11の途中にはプーリ12
がついており、タイミングベルト13により、モータ1
4のシャフト部に固定されているプーリ15につながっ
ている。プーリ12とプーリ15の直径の比は1:1で
あり、モータの回転速度がそのままシャフト11の回転
速度になっている。ハウジング10は外壁16に固定さ
れている。表3に示す条件下、この装置を用い、シャフ
ト11を回転させ、その走行距離に関する試料Fの内径
及び試料Gの外径を測定することにより、摩擦摩耗試験
を行った。
【0044】
【表3】
【0045】その結果を、表4に示す
【0046】
【表4】
【0047】試料F、試料Gの両方とも、摩耗による軸
径の変化はみられず、明らかに、本願発明にかかる摺動
部材を組み合わせた場合は、耐摩耗性に優れていること
がわかる。
【0048】実施例3 軸受材は実施例1と同様の方法で製造した(試料A1〜
A3)。軸材は、WC−Co系超硬合金であり、WC9
4重量%に対し、Coを6重量%混合させたもの、およ
び、WC85重量%に対し、Coを15重量%混合させ
たものを用いた(JIS記号G1、G3)。この超硬合
金を、長さ20m、直径8mmの円柱に成形し、円筒状
軸の上下面を平面研削により0.05μmRzに仕上げ
た。これを試料H1、H2とする。摩擦摩耗試験を実施
例1と同様の条件、方法で実施した。得られた結果を表
5に示す。また、摩擦摩耗試験を水中で同様に行い、そ
の結果も併せて表5に示す。
【0049】
【表5】
【0050】比較例3 軸受材は比較例1(試料C1,C2)で得られたものを
用い、軸材は実施例3(試料H1,H2)で得られたも
のを用いた以外は、実施例3と同様に摩擦摩耗試験を行
った。その結果を表5に示す。
【0051】比較例4 市販の黒鉛摺動材用炭素(日立化成(株)製 PD−1
1P)を軸受け材(試料E)とし、実施例3(試料H
1,H2)で得られたものを軸材とした以外は、実施例
1と同様に摩擦摩耗試験を行った。その結果を表5に示
す。
【0052】比摩耗量は、試料A1〜A3と試料Eを比
較すると、試料A1〜A3の方が試料Eに比べて、1/
1000小さい。上記の結果より、明らかに、本発明に
かかる摺動部材を組み合わせた場合は、耐摩耗性に優れ
ることがわかる。
【0053】実施例4 軸受材は、実施例1と同様の方法で製造した(試料A1
〜A3)。軸材はねずみ鋳鉄(JIS記号FC20)を
長さ20mm、直径8mmの円柱に加工し、得られた円
柱の上下面を平面研削により0.05μm Rzに仕上げ
た。これを試料Jとする。摩擦摩耗試験を実施例1と同
様の条件、方法で実施した。得られた結果を表6に示
す。
【0054】
【表6】
【0055】比較例5 軸受材は比較例1(試料C1,C2)で製造したものを
用い、軸材は実施例4(試料J)で得られたものを用い
た以外は、実施例1と同様の条件、方法で摩擦摩耗試験
を行った。その結果を表6に示す。
【0056】比較例6 市販の黒鉛摺動材用炭素(日立化成(株)製PD−11
P)を軸受材(試料E)とし、実施例4で得られたもの
を軸材(試料J)とした以外は、実施例1と同様の条
件、方法で摩擦摩耗試験を行った。その結果を表6に示
す。
【0057】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本願発明の摺動部材は、摺動部材自体が良好な潤滑性を
有するものであるため潤滑剤を用いることなく優れた自
己潤滑性と耐摩耗性を長期間に渡って維持することがで
きるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の摺動部材の耐摩耗性測定試験の装置
の概略断面図である。
【図2】本願発明の摺動部材の他の耐摩耗性測定試験の
装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 荷重計 2,17 軸受け材試料 3,8 試料台 4,14 モータ 5 インバータ 6 演算器 7 記録計 9,18 軸材試料 10 ハウジング 11 シャフト 12,15 プーリ 13 ベルト 16 外壁

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素と炭化ケイ素とからなり、両者が連
    続相を形成する組織構造を有する複合材料を軸受材とす
    ることを特徴とする摺動部材。
  2. 【請求項2】 炭素が20〜50重量%で、炭化ケイ素
    が80〜50重量%であることを特徴とする請求項1記
    載の摺動部材。
  3. 【請求項3】 炭素と炭化ケイ素とからなり、両者が連
    続相を形成する組織構造を有する複合材料を軸受材と
    し、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムの複合体を軸
    材とすることを特徴とする摺動部材。
  4. 【請求項4】 炭素が20〜50重量%で、炭化ケイ素
    が80〜50重量%であることを特徴とする請求項3記
    載の摺動部材。
  5. 【請求項5】 酸化アルミニウムが5〜70重量%で、
    酸化ジルコニウムが95〜30重量%であることを特徴
    とする請求項3又は4記載の摺動部材。
  6. 【請求項6】 炭素と炭化ケイ素とからなり、両者が連
    続相を形成する組織構造を有する複合材料を軸受材と
    し、超硬合金を軸材とすることを特徴とする摺動部材。
  7. 【請求項7】 炭素が20〜50重量%で、炭化ケイ素
    が80〜50重量%であることを特徴とする請求項6記
    載の摺動部材。
  8. 【請求項8】 超硬合金が炭化タングステン−コバルト
    合金であることを特徴とする請求項6又は7記載の摺動
    部材。
  9. 【請求項9】 炭素と炭化ケイ素とからなり、両者が連
    続相を形成する組織構造を有する複合材料を軸受材と
    し、鋳鉄を軸材とすることを特徴とする摺動部材。
  10. 【請求項10】 炭素が20〜50重量%で、炭化ケイ
    素が50〜80重量%であることを特徴とする請求項9
    記載の摺動部材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6845985B2 (en) * 2000-11-13 2005-01-25 Firma Carl Freudenberg Rotating mechanical seal
JP2010063349A (ja) * 2008-08-06 2010-03-18 Sharp Corp 駆動装置およびこれを備える撮像装置ならびに電子機器

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