JPH07308536A - 多管式気液接触装置 - Google Patents

多管式気液接触装置

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JPH07308536A
JPH07308536A JP6129602A JP12960294A JPH07308536A JP H07308536 A JPH07308536 A JP H07308536A JP 6129602 A JP6129602 A JP 6129602A JP 12960294 A JP12960294 A JP 12960294A JP H07308536 A JPH07308536 A JP H07308536A
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JP
Japan
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gas
liquid
outer cylinder
gas introducing
liquid tank
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Application number
JP6129602A
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English (en)
Inventor
Takashi Kimura
隆志 木村
Kazushige Kawamura
和茂 川村
Mamoru Iwasaki
守 岩▲崎▼
Ikurou Kuwabara
育朗 桑原
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 下部周壁面にガス噴出孔を有するガス導入管
を多数静止液体中に垂設した構造の多管式気液接触装置
において、そのガス噴出孔から液体中へのガス噴出に起
因する液槽内のフロス層の大きな動揺の発生を未然に防
止することのできる装置を提供する。 【構成】 大型液槽内を縦横に仕切って液槽内に複数の
四辺形状の区画Aを形成させる仕切部材と、該区画A内
に配設された複数のガス導入用構造物を備え、該ガス導
入用構造物は、ガス導入管と、それを包囲する外筒と、
その外筒をガス導入管に支持させる支持体とからなるこ
とを特徴とする多管式気液接触装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体と液体(スラリー
液体を含む)とを接触させる多管式気液接触装置、特に
排煙脱硫装置として好適な多管式気液接触装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】大型液槽内に液体を収容させ、その液体
内に下部周壁面にガス噴出孔を有するガス導入管の多数
を垂設し、そのガス導入管内に導入させたガスをガス噴
出孔から液体中に噴出させて気液接触を行わせる装置は
広く知られている(特公昭55−37295号、特公昭
57−6375号、特公昭59−11322号等)。
【0003】図12に、排煙脱硫装置として用いられて
いる従来の気液接触装置の模式図を示す。図12におい
て、SO2を含む排煙は、ガス導管101からガス導入
管103を通り、そのガス導入管103の下部周壁面に
設けたガス噴出口から炭酸カルシウムや水酸化カルシウ
ム等のカルシウム化合物のスラリー液中に噴出される。
この場合のガス導入管103は、図13又は図14に示
すように、その下部周壁面に配設されたガス噴出孔10
4を有する。液槽内のカルシウム化合物のスラリー液中
に噴出された排煙は、そのスラリー液と接触し、排煙中
に含まれるSO2がカルシウム化合物と反応してCaS
3になる。そして、このCaSO3は、液槽下部の空気
導入管106から液中に導入された空気中酸素と反応し
てCaSO4(石こう)になる。なお、112はガス中
の液体を捕捉する気液分離器を示し、105は攪拌羽根
を示し、108は石こうスラリー抜出管を示す。図12
に示した排煙脱硫装置は、実際には極めて大型の装置で
あり、その液槽102の内径は10m以上、通常25m
以上もあり、また、そのガス導入管103の数も1,0
00本以上という極めて多い数である。
【0004】このような気液接触装置においては、ガス
導入管のガス噴出孔からガスを液中に噴出させることか
ら、このことが原因となって、液槽内フロス層(泡沫
層)に全体として定常的で周期的な大きな動揺が生じる
場合がある。そして、そのフロス層の動揺により、液槽
内のフロス層上面が大きく変動するようになる。このフ
ロス層の定常的動揺は、液槽が大型のものになるに従っ
て大きなものとなり、気液接触効率悪化の原因となる等
の問題を生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、下部周壁面
にガス噴出孔を有するガス導入管を多数静止液体中に垂
設した構造の多管式気液接触装置において、そのガス噴
出孔から液体中へのガス噴出に起因する液槽内のフロス
層の大きな動揺の発生を未然に防止することのできる装
置を提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、大型液槽内を縦横に
仕切って液槽内に複数の四辺形状の区画Aを形成させる
仕切部材と、該区画A内に配設された複数のガス導入用
構造物を備え、該ガス導入用構造物は、ガス導入管と、
それを包囲する外筒と、その外筒をガス導入管に支持さ
せる支持体とからなることを特徴とする多管式気液接触
装置が提供される。
【0007】本発明で用いる液槽仕切部材の材質は、金
属の他、プラスチックやセラミック等であることができ
る。また、仕切部材は多孔体(金網や多孔質板等)や、
波板等であることができる。
【0008】図1に、仕切部材により液槽内を縦横に仕
切って、形成した四辺形状の区画Aの説明図を示す。図
1(a)はその説明平面図、図1(b)は、その要部斜
視図を示す。図1において、10は液槽壁を示し、3は
仕切部材を示し、Aは仕切部材3によって形成された区
画Aを示す。液槽仕切部材3は、所定の高さを有する板
体からなるものであり、その全体は一体に形成された格
子状構造物であることができる。その下端から上端まで
の高さは、150〜500mm、好ましくは200〜4
00mmであり、その厚さは100〜300mm、好ま
しくは150〜200mmである。四辺形状の区画Aに
おける縦/横の長さ比(n/m)は、0.5〜2.0、
好ましくは0.75〜1.5の範囲にするのがよい。ま
た、区画Aの縦の長さnと横の長さmで形成される四辺
形のうちの長い方の辺の長さm又はnは、0.5〜2
m、好ましくは0.75〜1.5mの範囲にするのがよ
い。本発明においては、区画A内には多数のガス導入用
構造物が配設されるが、その区画A内における数は、通
常、10〜60個、好ましくは20〜40個、より好ま
しくは25〜35個である。仕切部材3の下端はガス導
入用構造物のガス導入管のガス噴出孔と同一レベル又は
その近傍(ガス噴出孔のレベルのやや上方又はやや下
方)あるいはそのガス噴出孔より下方に位置させること
ができる。第1仕切部材3の上端は、後記で詳述するフ
ロス層上面の上方又はフロス層上面と同一レベル又はそ
の近傍(フロス層上面のレベルよりやや上方又はやや下
方)あるいはそのフロス層の上面より下方に位置させる
ことができるが、好ましくはフロス層上面の近傍であ
る。
【0009】本発明で区画A内に配設するガス導入機構
は、ガス導入管と、それを包囲する外筒と、その外筒を
ガス導入管に支持させる支持体とから構成される。ガス
導入用構造物に用いる外筒としては、液体中に垂設する
ガス導入管に支持させることのできる形状であればよ
く、水平断面形状が円形の他、四角形、三角形等の任意
の形状のものを用いることができる。外筒の材質は、金
属の他、プラスチックやセラミック等であることができ
る。また、外筒は、多孔体(金網や多孔質板、繊維板
等)や、波板等で作成されたものであることができる。
【0010】図2に、本発明で用いるガス導入用構造物
の一例についての説明図を示す。図2(a)はその斜視
図を示し、図2(b)はその水平断面図を示す。図3
に、ガス導入用構造物Sの使用状態の説明図を示す。こ
れらの図において、1はガス導入管、2はその下部周壁
面に形成されたガス噴出孔、4は外筒、5は支持体、6
は液槽内の静止液面、7は気泡と液体との混合物からな
るフロス層、8はフロス層の上面を示す。Bは外筒4の
内周面とガス導入管1の外周面との間に形成された間隙
部(気泡通過区画)を示す。
【0011】図2に示されたガス導入用構造物は、外筒
4の内部にガス導入管1を挿入し、その外筒4を支持体
5を介してガス導入管1に支持させて形成した例を示す
ものであり、そのガス導入管1の外周面と外筒4の内周
面との間に気泡通過区画Bが形成される。
【0012】外筒4の下端はガス噴出孔2と同一レベル
又はその近傍に設置され、例えば、図2及び図3に示す
ように、ガス導入管1のガス噴出孔2よりやや上方に位
置するように配設してもよいし、ガス噴出孔2と同一レ
ベル又はそれよりやや下方に位置するように配設しても
よい。外筒4の上端の位置は特に制約されないが、ガス
噴出孔2のレベルからの距離が、ガス導入管1の外径
0.5倍以上、好ましくは1.0倍以上、さらに好まし
くは1.5〜3.0倍の範囲になるように規定するのが
よい。一般的には、外筒4の上端と下端との間の距離
は、50〜200mm程度である。
【0013】本発明で用いるガス導入用構造物におい
て、その外筒4の横方向の寸法は、その横方向断面積
(外筒4の外周壁面で囲まれる空間の横断面積)のガス
導入管の横断面積(ガス導入管の外周壁面で囲まれる空
間の横断面積)に対する面積比が1.5〜10.0、好
ましくは2.0〜5.0の範囲になるような寸法であ
る。例えば、外筒が、図2に示すように円筒体からなる
場合、外筒4の外径R2は、ガス導入管1の外径R1に対
する比(R2/R1)で1.5〜10、好ましくは2.0
〜5.0の範囲に規定するのがよい。さらに具体的に
は、図2において、R1の外径が100mmのときに
は、外筒の外径R2は、150〜250mmの範囲に規
定するのがよい。
【0014】ガス導入用構造物としては、各種の形状の
ものの使用が可能であり、それらの例を図4、図5及び
図6に示す。図4に示したものは、外筒4の周面が垂直
ではなく、円錐台形状の傾斜面に形成されている例を示
す。図5に示したものは、外筒4の上面に、多数の開口
部12を板面に形成した中央部にガス導入管の挿通孔を
有する板体11を配設するとともに、その板体11の外
周端部を外筒4の上端部に接合させ、さらにその板体1
1の中央部に設置したガス導入管の挿通孔の周端部をガ
ス導入管の外周面に接合させた構造のものである。この
場合、外筒4は、板体11が支持体となり、板体11を
介してガス導入管1に支持させることができる。なお、
板体11は、必要に応じ、外筒4の下面にも配設するこ
とができる。開口部12の開口面積は特に制約されず、
充分広くとることもできる。
【0015】図6に示したものは、外筒4の上面に、周
面に多数の開口14を有する円錐台形状の短筒13を配
設するとともに、その短筒13の下端部を外筒4の上端
部に接合させ、この短筒13を支持体15によりガス導
入管1に支持させた構造を有するものである。なお、短
筒13は、必要に応じ、外筒4の下面にも配設すること
ができる。図6においては、短筒13の上端開部の内径
はガス導入管1の外径よりも大きくなっているが、この
開口部は、その内径をガス導入管の外径にほぼ等しくし
て、ガス導入管の外周面に直接接合させることもでき
る。
【0016】本発明で用いるガス導入用構造物におい
て、外筒4をガス導入管1に支持固定化する方法として
は、任意の方法を採用することができ、特に制約されな
い。例えば、図2に示すように、棒状又は板状の支持体
5を介して筒体4をガス導入管1に支持させることがで
きる他、図5に示すように板体11を支持体として用
い、この板体11により支持させることもできる。ま
た、図2において、支持体5の配設位置は、外筒4の上
端部の他、外筒4の下端部、外筒4の上端部と下端部と
の間等であることができる。
【0017】本発明で用いるガス導入用構造物の作用原
理を図3を参照して示すと、ガス導入管1内にガスを導
入し、そのガスをガス導入管1のガス噴出孔2から噴出
させると、そのガス噴出により生じた微細気泡は、その
噴出後、上方に移動し、外筒4の内周面とガス導入管1
の外周面との間に形成された気泡通過区画B内に入り、
区画B内を上昇し、その区画Bのガス噴出孔2のレベル
からその上方には気泡と液体の混合物からなるフロス層
7が生じる。図3において、6は、ガス導入管1内にガ
スを導入する以前の静止液面を示し、8は、ガス導入管
1内にガスを導入した後に形成されるフロス層の上面
(膨張液面)を示す。液槽内の液体は、外筒4により形
成される区画Bの下端開口部からその区画B内に吸込ま
れ、区画B内の気泡とともに上昇し、その区画Bの上端
開口部から排出される。液槽内に噴出されたガスは、微
細気泡となって区画B内及び区画Bの上方のフロス層を
上昇する間に液体と効率的に接触する。そして、ガス導
入管1のガス噴出孔2から噴出されたガスの気泡は、区
画B内に集合され、区画B内を上昇することから、気泡
の上昇に際して起る液体流の運動エネルギーはその区画
B内に封止され、他の部分へ伝達することが防止され、
その結果、液槽内のフロス層の大きな動揺の発生が防止
される。
【0018】本発明で用いるガス導入用構造物におい
て、その外筒4の上端をフロス層上面8より下方、特に
静止液面6より下方に位置させることにより(図3参
照)、その液槽内に形成したフロス層の上部を水平方向
に連絡させることができる。フロス層上部をこのように
して水平方向に連絡させることにより、液体の流動をそ
の1つのガス導入用構造物によって形成された気泡通過
区画B内のみならず、同様にして他のガス導入用構造物
Sによって形成された区画Bとの間において行わせるこ
とができるので、液槽内に収容させた液体中に含まれる
溶解成分の濃度を全体的に均一化させることができる。
また、このようにして、フロス層上部を水平方向に連絡
させても、ガス噴出孔付近には外筒4が存在し、ガス噴
出孔からガスが噴出する際に起る液体の急激な流動エネ
ルギーの他の部分への伝達が防止されることから、液槽
内におけるフロス層の大きな動揺の発生は防止される。
【0019】本発明で用いるガス導入用構造物におい
て、ガス導入管1に配設するガス噴出孔2は、図12に
示すように、通常、円形であるが、四辺形や三角形等の
他の形状であってもよい。本発明で用いるガス導入用構
造物の場合、ガス噴出孔2からのガス噴出に起因するフ
ロス層の大きな動揺の発生は、その外筒の作用により防
止されているので、ガス噴出孔2の全開孔面積は、従来
の場合に比較して、大きくすることもできる。即ち、ガ
ス噴出孔2の全開孔面積nS(Sはガス噴出孔1個の面
積、nはガス噴出孔の数)を、ガス導入管1の水平断面
積に対する面積比で、0.8〜5、好ましくは1.5〜
3の範囲にすることができる。従来のガス噴出孔の場
合、ガス導入管の水平断面積に対するそのガス噴出孔の
全開孔面積比は、通常、0.8以下である。本発明の場
合、この面積比は、従来の場合に比べて大きくすること
が可能で、この場合には、ガス導入管の内圧を同一条件
に保持したときに、より多い量のガスが液中に噴出さ
れ、単位時間当りのガス処理量が高められる。しかも、
本発明の場合、このようにガス流量を高めても、前記し
たように、外筒4の配設により、液槽内のフロス層の大
きな動揺の発生が防止されていることから、気液接触効
率の悪化は防止される。
【0020】本発明における前記ガス導入管の水平断面
積に対するガス噴出孔2の全開孔面積比の上限は、前記
範囲内に保持するのが好ましく、余りにも大きくなる
と、外筒による大きなフロス層の動揺の発生の防止が困
難になる。また、前記面積比が前記範囲内に保持するの
が好ましく、これにより小さくなると、従来の場合に比
して、ガス流量の格別の向上が得られない。ガス導入管
1に対して従来のガス噴出孔2の全開口面積よりも大き
な全開口面積を与えるガス噴出孔を開設する場合、その
ガス噴出孔の面積と数は、ガス導入管の水平断面積に対
するガス噴出孔の全開孔面積比が前記範囲内になるよう
に行えばよい。このための方法としては、(1)従来の
ガス噴出孔と同じ寸法の孔を、ガス導入管の周壁に横方
向に複数列配設する方法、(2)従来のガス噴出孔と同
じ寸法の孔をガス導入管の周壁に横一列に配設する際
に、その孔の数を増加する方法、(3)ガス導入管の周
壁にガス噴出孔を横一列に配設する際に、その1個当り
の孔の面積を増加する方法等の各種の方法を採用するこ
とができる。本発明においては、前記(3)の方法の採
用が好ましく、この場合には、従来の場合のガス噴出孔
の数と同じでありながら、ガス噴出孔の全開孔面積を高
めることができる。図7(a)、(b)に、ガス噴出孔
の形状の具体例を示す。図7に示した形状のガス噴出孔
は、いずれも、その孔面積が従来の円形の孔面積に比較
して増加されている非円形状のものである。即ち、孔の
水平方向の最大長さRを有する孔の面積が、円形の場合
の面積π(0.5R)2よりも大きくなっている。従っ
て、従来のガス噴出孔の場合と同じ孔数であり、また、
その水平方向の最大長さが同じでありながら、その全開
孔面積は増加されたものとなっている。
【0021】本発明により区画A内に配設するガス導入
用構造物は、任意の方法で液槽内に支持させることがで
きる。例えば、その液槽内の静止液面上方又は液面下に
支持体を配設し、これに支持させることができる他、液
槽内にガス導入管を支持させるために格子状に配設され
た支持体に支持させることができる。
【0022】本発明で用いるガス導入用構造物Sは、こ
れを図8に示す格子状支持体Gに支持させた後、仕切部
材3に支持させることができる。格子状支持体Gは、ガ
ス導入管を支持固定化する支持部16と、この支持部間
を連結する板体部17とから構成される。図8及び図9
に、ガス導入用構造物Sを格子状支持体Gを介して仕切
部材3に支持させた場合の説明図を示す。図8は、ガス
導入用構造物Sを格子状支持体Gを介して仕切部材3に
支持させた場合の説明図である。
【0023】図10は区画A内の説明平面図を示すもの
である。図10における3(1)〜3(4)は液槽第1
仕切部材であるが、この仕切部材としては、従来の気液
接触装置において、図8に示す格子状のガス導入管支持
体Gを支持するために液槽内に縦横に配設されているメ
インビーム、マイナービーム及び補助ビームを用いるこ
とができる。例えば、仕切部材3(1)としては、メイ
ンブームを、第1仕切部材3(2)として補助ビーム
を、仕切部材3(3)及び3(4)としてマイナーブー
ムを用いることができる。
【0024】本発明の気液接触装置の使用状態の説明図
を図11に示す。図11(a)は平面図、11(b)は
縦断面図を示す。図11において、ガス導入用構造物S
におけるガス導入管1内にガスを導入し、そのガスをガ
ス導入管1のガス噴出孔2から噴出させると、そのガス
噴出により生じた微細気泡は、その噴出後、上方に移動
し、外筒4の内面とガス導入管1の外周面との間に形成
された区画B内に入り、区画B内を上昇し、その区画B
のガス噴出孔2のレベルからその上方には気泡と液体の
混合物からなるフロス層7が生じ、そのフロス層の上面
は静止液面より上方に位置するようになる。図11にお
いて、6は、ガス導入管1内にガスを導入する以前の静
止液面を示し、8は、ガス導入管1内にガスを導入した
後に形成されるフロス層の上面(膨張液面)を示す。液
槽内の液体は、ガス導入用構造物Sの外筒4で形成され
る区画Bの下端開口部からその区画B内に吸込まれ、区
画B内の気泡とともに上昇し、その区画Bの上端開口部
から排出される。液槽内に噴出されたガスは、微細気泡
となって区画B内及びその区画Bの上方を上昇する間に
液体と効率的に接触する。そして、ガス導入管1のガス
噴出孔2から噴出されたガスの気泡は、区画B内に集合
され、区画B内を上昇することから、気泡の上昇に際し
て起る液体流の運動エネルギーはその区画B内に封止さ
れ、他の部分へ伝達することが防止され、その結果、液
槽内のフロス層の大きな動揺の発生が防止される。さら
に、液槽内は仕切部材3により縦横に仕切られ、液槽内
には多数の区画Aが形成されているため、区画Bの外部
へ拡散された液体流の運動エネルギーは、この区画A内
に封止され、他の区画Aに伝達することが防止される。
即ち、液槽内のフロス層の大きな同様の発生は、この仕
切部材3によっても効果的に防止される。
【0025】本発明の気液接触装置において、ガス導入
用構造物の外筒4の上端をガス噴出孔2とフロス層上面
8との中間部に位置させるときには、その液槽内のフロ
ス層の上部を水平方向に連絡させることができる。フロ
ス層の上部をこのようにして水平方向に連絡させること
により、フロス層の流動をその1つの区画B内のみなら
ず、他の区画Bとの間において行わせることができるの
で、液槽内に収容させた液体中に含まれる溶解成分の濃
度を全体的に均一化させることができる。また、このよ
うにして、フロス層上部を水平方向に連絡させても、ガ
ス噴出孔付近には外筒4が存在し、ガス噴出孔からガス
が噴出する際に起る液体の急激な流動エネルギーの他の
部分への伝達が防止されることから、液槽内におけるフ
ロス層の大きな動揺の発生は防止される。
【0026】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0027】比較例1 排煙脱硫装置として従来一般に用いられている内径9.
8mの石灰石こう法多管式排煙脱硫装置において、石炭
燃焼ボイラーより排出される亜硫酸ガス(SO2)55
0ppmを含有する排煙を処理したところ、出口SO2
濃度26ppm(脱硫率95.2%)が得られたが、こ
の場合には、フロス層に約3.4秒周期の動揺現象が観
察された。
【0028】実施例1 比較例1で示した装置において、本発明の装置を得るた
めに、その仕切部材としてその装置内に配設されている
ビーム(高さ280mm、厚さ150mm)をそのまま
用いた。これにより、装置内には合計33個の区画Aが
形成された。次に、この区画A内に、図2に示すガス導
入用構造物Sを、図8に示す格子状ガス導入管支持体G
に支持固定化し、これを図9に示すようにしてビーム3
に支持させた。この場合、図8に示す格子状ガス導入管
支持体Gにおける板体部17の下端から上端までの高さ
は100mmであった。また、この実施例において用い
たガス導入用構造物Sにおいて、その外筒4の内径は2
00mm、その高さは150mmであり、その下端は、
ガス噴出孔2のレベルからの高さで30mmであった。
ガス導入管1の外径は100mmであった。このように
して形成された本発明装置を用い、比較例1と同様にし
て排煙を処理したところ、この場合にはフロス層の動揺
の発生は完全に防止され、それとともに、脱硫率も9
7.4%と向上し、出口SO2濃度は14ppmと減少
した。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、液槽内を仕切部材3に
より仕切って区画Aを形成するとともに、その区画A内
にガス導入用構造物Sを配設したことから、ガス導入管
のガス噴出孔から液体中にガスを噴出させる際に起る液
体の急激な流動エネルギーは、ガス導入用構造物の外筒
4内及び区画A内に封止され、その液体の流動エネルギ
ーが他の区画に伝達されることが非常に少なくなり、そ
の結果、液槽内での大きなフロス層の動揺の発生が防止
される。従来の気液接触装置においては、各ガス導入管
のガス噴出孔から液体中にガスを噴出させる際に起る液
体の各流動エネルギーは、仕切部材が存在しないことか
ら、相互に干渉しあって、全体として定常的で周期的な
大きなフロス層の動揺を生じさせ、フロス層上面を変動
させて気液接触効率の悪化を生じさせるが、本発明の場
合には、このような問題は一挙に解決される。その上、
ガス導入用構造物における外筒4とガス導入管1との間
区画Bにおいては、噴出ガスによるリフト効果が得られ
るため、その区画B内にはガス導入管の下方に存在する
新鮮な液体が上方にすい込まれ、区画B内で気泡と混合
されるという利点がある。本発明の気液接触装置は、各
種の気液接触を伴う反応装置として利用され、例えば、
亜硫酸ガスを含む排ガスと炭酸カルシウムや水酸化カル
シウム等のカルシウム化合物のスラリー液等のアルカリ
性液体との接触を行う排煙脱硫装置や、炭酸ガスを含む
排ガスとアルカリ性液体との接触を行う脱炭酸ガス装置
等として好ましく適用される。特に、本発明の装置は、
液槽の直径が10m以上、特に20m以上という大型の
排煙脱硫装置として有利に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕切部材により形成される区画Aの1例につい
ての説明図を示す。 a:平面図 b:要部斜視図
【図2】ガス導入用構造物の1例についての説明図を示
す。 a:斜視図 b:水平断面図
【図3】ガス導入用構造物の使用状態の説明図を示す。
【図4】ガス導入用構造物の変更図を示す。
【図5】ガス導入用構造物の他の変更図を示す。
【図6】ガス導入用構造物のさらに他の変更例を示す。
【図7】ガス噴出孔の形状説明図を示す。
【図8】ガス導入用構造物を支持固定化するための格子
状支持体の斜視図を示す。
【図9】ガス導入用構造物を仕切部材に支持させた場合
の説明図を示す。
【図10】図9に示した区画A内の説明平面図を示す。
【図11】本発明の気液接触装置の使用状態の説明図を
示す。 a:平面図、b:縦断面図
【図12】排煙脱硫装置として用いられている従来の気
液接触装置の模式図を示す。
【図13】ガス導入管の1例についての構造説明図を示
す。
【図14】ガス導入管の他の例についての構造説明図を
示す。
【符号の説明】
1、103 ガス導入管 2、104 ガス噴出孔 3 仕切部材 4 外筒 5、15 支持体 6 静止液面 7 フロス層 8 フロス層の上面 10 液槽周壁 11 板体 12 開口部 13 短筒 101 ガス導管 102 液槽 105 攪拌羽根 106 空気導入管 108 石こうスラリー抜出管 S ガス導入用構造物 G ガス導入用構造物を支持固定化させるための格子状
支持体 A 仕切部材により形成される区画 B ガス導入用構造物の外筒の内周面とガス導入管の外
周面との間に形成される区画
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/77 B01J 10/00 104 8822−4G (72)発明者 岩▲崎▼ 守 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 桑原 育朗 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大型液槽内を縦横に仕切って液槽内に複
    数の四辺形状の区画Aを形成させる仕切部材と、該区画
    A内に配設された複数のガス導入用構造物を備え、該ガ
    ス導入用構造物は、ガス導入管と、それを包囲する外筒
    と、その外筒をガス導入管に支持させる支持体とからな
    ることを特徴とする多管式気液接触装置。
  2. 【請求項2】 仕切部材の上端が液槽内に形成されるフ
    ロス層の上面近傍に位置し、その下端がガス導入管のガ
    ス噴出孔近傍に位置する請求項1の装置。
  3. 【請求項3】 仕切部材により形成される区画Aの縦/
    横の長さ比が0.5〜2.0の範囲にある請求項1又は
    2の装置。
  4. 【請求項4】 仕切部材が格子状構造物からなる請求項
    1〜3のいずれかの装置。
JP6129602A 1994-05-19 1994-05-19 多管式気液接触装置 Pending JPH07308536A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7264231B2 (en) 2003-10-29 2007-09-04 Anemos Company Ltd. Diffused gas aeration apparatus
CN102350294A (zh) * 2011-07-21 2012-02-15 董欣 基于喷射器的逆流式传质、传热、反应装置
JP2012166198A (ja) * 2012-05-07 2012-09-06 Osaka Gas Engineering Co Ltd 気液接触用充填物とその充填物を充填したガス洗浄塔
JP2020054976A (ja) * 2018-10-04 2020-04-09 住友金属鉱山株式会社 反応装置

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EP2095869A2 (en) 2003-10-29 2009-09-02 Anemos Company Ltd. Air diffusing device
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