JPH07304447A - ロングレール輸送車 - Google Patents

ロングレール輸送車

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JPH07304447A
JPH07304447A JP9754894A JP9754894A JPH07304447A JP H07304447 A JPH07304447 A JP H07304447A JP 9754894 A JP9754894 A JP 9754894A JP 9754894 A JP9754894 A JP 9754894A JP H07304447 A JPH07304447 A JP H07304447A
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rails
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long rail
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Kesahiko Minamishima
袈裟彦 南島
Ikuo Sato
育男 佐藤
Masahiro Takatsu
昌弘 高津
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Nippon Sharyo Ltd
Central Japan Railway Co
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Nippon Sharyo Ltd
Central Japan Railway Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロングレールの輸送及び交換作業における作
業効率の向上が可能なロングレール輸送車を提供するこ
と。 【構成】 レール巻取機50L,50Rのフレーム57
はスライドフレーム65に対して、水平軸であるピッチ
ング中心ピン66を中心に回動自在に保持され、スライ
ドフレーム65は垂直軸であるヨーイング中心ピン67
を中心に回動自在に支承されている。従って、巻取ロー
ラ55等の組み込まれた本フレーム57は図6中に矢印
Aで示すようにピッチング運動可能であると共に、矢印
Bで示すようにヨーイング運動も可能である。従って、
レール巻取機50L,50R自体がレールLRの載置先
の違い(左右方向及び上下方向)によるレールLRの動
きに追従するため、レールLRから受ける反力を最小に
することができ、その結果、円滑な積み込みができて作
業性の向上に寄与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロングレールの交換必
要箇所に交換用の新ロングレールを輸送していき、その
新ロングレールの線路脇への取降ろし及び線路脇に載置
された旧ロングレールの積込が可能なロングレール輸送
車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ロングレールの交換必要箇所
に交換用の新ロングレールを輸送していき、その新ロン
グレールの線路脇への取降ろし作業や線路脇に載置され
た旧ロングレールの積込作業を行うロングレール輸送車
が知られている。例えば新幹線用のロングレールは定期
的に交換を必要とするが、主に夜間(新幹線の非運行
時)に新品のロングレールと交換するための輸送車であ
る。
【0003】その編成状態は、例えば図15(A)に示
すように、編成の片側に機関車201があり、職用車2
03を介して、前部の端末作業車207、そして中間作
業車群209を介して後部の端末作業車211及びレー
ル作業車213が接続されている。この場合は前部側に
機関車201及び職用車203が接続されているので、
実際の作業は後部の端末作業車211及びレール作業車
213によって行う。
【0004】機関車201を後部側に接続する場合に
は、図15(B)に示すように、職用車203も機関車
201と共に後部に移し、代わりにレール作業車213
を端末作業車207の前部に接続替えを行なう。そし
て、実際の作業は前部に連結したレール作業車213及
び端末作業車207によって行う。すなわち、ロングレ
ールの交換現場は地形等によれい作業方向は一定でない
ので、その都度基地出発前に、機関車201及び職用車
203とレール作業車213の連結替えを必要とする不
便さがあった。
【0005】従来の作業の概要を図15(C)も参照し
て説明する。まずロングレール(以下単にレールとも記
す)LRを線路脇に降ろす作業であるが、既設レールR
Wの両脇には新レールLRを載置するための仮設ローラ
台(固定金具付き)が前もって設置されている。 (1)レールLRを降ろすには、まずレール作業車21
3に搭載されている2台のアプローチ車217をレール
作業車213のクレーン215により既設レールRW上
に降ろし連結棒219で2台を連結する。 (2)レール作業車213に設置されたレール巻取機2
21によって左右各1本目のレールLRを送り出す。レ
ール巻取機221は、ローラで左右からレールLRを挟
んで送り出すものであり、左右のレール用にそれぞれ1
台ずつ設置されている。その送り出されたレールLRの
先端と既設レールRWに一端を固定したワイヤロープ2
23で連結してアンカーとする。 (3)レール巻取機221のローラを解放し、その後は
機関車201により編成全体を人間の歩く速度程度(約
3〜6km/h)で前進(牽引方向)させてレールLR
を引き降ろす。 (4)1本目が降ろし終わる直前に端末作業車211に
おいて1本目と2本目のレールLRをワイヤロープ等で
構成するレール接続金具を用いて連結する。3本目以降
も同様に連結する。そして、最後のレールLR終端を降
ろすには、事故防止のためチェーンブロック(図示せ
ず)を用いる。レールLRをチェーンブロックで釣り、
さらに輸送車を移動させ、アプローチ車217が完全に
抜け切った後で再びチェーンブロックによりレールLR
を降ろす。 (5)レールLRを全て降ろし終わると、レール接続金
具、アプローチ車217、連結棒219等をレール作業
車213に積み込み、機関車201を推進(後退)ある
いは牽引(前進)させて所定の基地等に移動する。
【0006】次に旧レールLRを積み込む作業の概要を
説明する。既設レールRWの両脇には交換された旧レー
ルLRが線路脇の仮設ローラ台上に既に配置されてい
る。 (a)旧レールLRを積み込むには、降ろすときと同様
に、まずレール作業車213に搭載されている2台のア
プローチ車217をレール作業車213のクレーン21
5により既設レールRW上に降ろし連結棒219で2台
を連結する。 (b)最初の旧レールLR前端をチェーンブロックで釣
り上げ、機関車201を推進して編成を後退させながら
アプローチ車217上に旧レールLRを載せる。アプロ
ーチ車217上に旧レールLRが載ればチェーンブロッ
クは不要となるので取り外す。 (c)レール作業車213のレール巻取機221まで旧
レールLRが届くようにさらに編成を後退させる。ここ
まで後退するとその後、編成はその場で停止したままで
旧レールLRを積み込みを行う。 (d)その後はレール巻取機221で旧レールLRを端
末作業車211、中間作業車群209へ送り出し、20
0m送り込んだ時点で、作業者が手作業により旧レール
LRをガス切断する。このようにして200m毎に手作
業で切断し、順番に旧レールLRを積み込んでいく。例
えば左右レールを8本ずつ(約1.6km分)を並列配
置させて計16本を積み込む。 (e)旧レールLRを全て積み終わると、アプローチ車
217、連結棒219等をレール作業車213に積み込
む。 (f)輸送途中で積み込んだ旧レールLRがずれないよ
うに、中間作業車群209の中央部に設置されているレ
ール締結装置により旧レールLRを固定し全ての作業を
終了する。そして、機関車201を推進(後退)あるい
は牽引(前進)させて所定の基地等に移動する。
【0007】なお、この(f)におけるレール締結装置
としては、載置台に並列配置された複数のレールの上方
から1本の押圧部材で押して固定しようとするものが知
られている。また、例えば実開平4−50564号公報
に開示されているように、さらにレール間にブロックを
挿入して締め付けるものがある。これは、レールを上方
から押さえて固定する際、そのレール相互の間隙に間隔
ブロックを挿入し、レールを間隔ブロックと一緒に横方
向に締め付けて固定するようにしたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ロングレール輸送車においては以下の(イ)〜(ニ)に
示すような問題があった。 (イ)レール巻取機221で新旧のレールLRを送り出
したり巻き取ったりしているのであるが、このレール巻
取機221は水平軸まわりのピッチング運動だけは可能
であった。これは、線路脇の地上高までレールLRを移
動させる必要があるので、ピッチング運動はできるよう
にされていたのである。しかし、例えば本ロングレール
輸送車がレールLRを左右8本ずつ載置する構成の場
合、レール巻取機221の送り出しあるいは巻き取り方
向は一定であるため、その載置場所によってはレールL
Rの曲げ度合をやや大きくしなければならなくなる。
【0009】従って、曲がった状態で移動していたレー
ルLRの端部がレール巻取機から離れた瞬間に左右方向
に跳ねてしまう危険性がある。そしてまた、従来は左右
に一つずつあるレール巻取機221によりそれぞれ対応
する載置場所、即ち上記例では左右8本ずつの載置場所
に送ったり、その載置場所から巻き取ったりするのであ
るが、場合によっては、片側の線路脇にある旧レールL
Rだけをなるべく多く回収したい場合や、逆に片側のレ
ールLRだけを交換した場合に、一方のレール巻取機2
21だけを使用しながらも、左右8本ずつ載置されてい
るレールLRを全て扱いたい場合もある。
【0010】そういった場合には、使用する一方のレー
ル巻取機221とは反対側に載置されているレールLR
を引き出す場合や逆にレールLRを送り込む場合には、
さらにレールLRの曲げ度合がきつくなり、左右8本ず
つ載置できるにも関わらず、現実的には一方の8本分の
場所へしか移動させられない、あるいはそこからしかレ
ールLRを引き出せないという不都合も出てくる。その
ため、他方の8本分を遊ばせておくか、一旦載置したレ
ールLRを別の装置(例えば釣り上げて移動させる装置
等)で片側の載置場所に移動させる作業が必要となり、
どちらにしても作業性は悪くなってしまうのである。 (ロ)旧レールLRの回収の際、200m送り込んだ時
点で作業者が手作業によりガス切断していので、その作
業には熟練を要すると共に、作業自体に時間がかかって
いた。 (ハ)上述の(f)で説明したように積み込んだ旧レー
ルLRが輸送途中でずれないように、あるいは説明しな
かったが、同様に新レールLRの輸送途中でもずれない
ようにレール締結装置でレールLRを固定しているが、
このレール締結装置は、載置台に並列配置された複数の
レールの上方から1本の押圧部材で押して固定しようと
するものであった。この場合、複数のレールの内でレー
ル高さが低いものがあると、そのレールには十分な付勢
力が伝わらず、締結力が弱くなってしまう。
【0011】また、上記実開平4−50564号公報に
開示されているように、レール間にブロックを挿入して
締め付けるものではレール輸送中の位置ずれは回避でき
るかもしれないが、輸送の開始時には、その都度作業員
が各レール間の所定位置に間隔ブロックを挿入してセッ
トする必要があり、手間が掛かってしまう。さらに締結
を解除する際も、やはりその都度作業員が各間隔ブロッ
クを取り外さなくてはならず、非常に手間が掛かってし
まう。
【0012】このように、レールLRの輸送作業や交換
作業、特にレールLRの移動作業において作業性の悪さ
があった。本発明は、こうした問題に鑑みなされたもの
で、ロングレールの輸送及び交換作業における作業効率
の向上が可能なロングレール輸送車を提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1に記載の発明は、ロングレールの交
換必要箇所に交換用の新ロングレールを輸送していき、
その新ロングレールの線路脇への取降ろし及び線路脇に
載置された旧ロングレールの積込が可能なロングレール
輸送車において、上記ロングレールを複数本ずつ2段以
上に積み込み可能な載置台と、上記ロングレールを左右
から挟圧し、互いに逆方向に回動させることによってロ
ングレールを所定方向に送り出すローラを有すると共
に、水平軸を中心としたピッチング運動及び垂直軸を中
心としたヨーイング運動が共に可能なレール巻取機とを
備え、該レール巻取機によって上記載置台と線路脇との
間の上記ロングレールの移動を行うことを特徴とするロ
ングレール輸送車である。
【0014】上記レール巻取機は、好ましくは上記請求
項2に記載するように、ピッチング運動方向及びヨーイ
ング運動方向共に、姿勢を所定の中立位置に戻すための
復心機構を備えていると良い。一方、請求項3に記載の
発明は、上記請求項1に記載のロングレール輸送車にお
いて、上記レール巻取機と上記載置台との間に、上記ロ
ングレールの移動を助けるローラユニットを備え、該ロ
ーラユニット自体が上記載置台の各段の位置に対応して
昇降可能に構成されたことを特徴とする。
【0015】また、請求項4に記載の発明は、上記請求
項3に記載のロングレール輸送車において、上記ローラ
ユニットと上記載置台との間に設けられ、上記旧ロング
レールを積み込む際、旧ロングレールが上記載置台の各
段に所定長さだけ載置された時点で該旧ロングレールを
切断する切断装置を備えたことを特徴とする。
【0016】請求項5に記載の発明は、ロングレールの
交換必要箇所に交換用の新ロングレールを輸送してい
き、その新ロングレールの線路脇への取降ろし及び線路
脇に載置された旧ロングレールの積込が可能なロングレ
ール輸送車において、上記ロングレールを複数本ずつ2
段以上に積み込み可能な載置台と、上記載置台の各段そ
れぞれに設けられ、該各段に載置された隣合うロングレ
ールを一組としてそれらを上方から付勢すると共に、該
隣合うロングレールの中間部分において回動可能に支承
された複数の付勢部材を有するレール締結装置とを備え
たことを特徴とするロングレール輸送車である。
【0017】また、請求項6に記載のように、上記レー
ル締結装置がさらに、上記隣合う付勢部材を一組とし、
それらに付勢力を伝達しながら付勢部材それぞれを回動
可能に支承すると共に、該隣合う付勢部材の中間部分に
おいて自らも回動可能に支承された付勢力伝達部材を備
えているとさらに好ましい。
【0018】
【作用及び発明の効果】上記構成を有する請求項1に記
載のロングレール輸送車によれば、載置台にロングレー
ルを複数本ずつ2段以上に積み込むことができるので、
輸送効率が向上するのであるが、載置台と線路脇との間
のロングレールの移動を行うためのレール巻取機は、水
平軸を中心としたピッチング運動及び垂直軸を中心とし
たヨーイング運動が共に可能である。そのため、載置台
の同じ段においてレールを並列配置させる場合には垂直
軸を中心としたヨーイング運動、載置台の違う段にレー
ルを移動させる場合には、水平軸を中心としたピッチン
グ運動によってその作業が効率よく行える。すなわち、
レール巻取機自体がレールの載置先の違い(左右方向及
び上下方向)によるレールの動きに追従するため、レー
ルから受ける反力を最小にすることができ、その結果、
円滑な取り降ろしや積み込みができて作業性の向上に寄
与する。
【0019】特に、片側の線路脇にある旧ロングレール
だけをなるべく多く回収したい場合や、逆に片側のロン
グレールだけを交換した場合にでも、載置台にどの位置
に載置されていても、レール巻取機はロングレールの動
きに追従するので十分に活用できる。すなわち、従来の
ように載置台の一部を遊ばせておいたり、一旦載置した
ロングレールを別の装置で移動させるといった作業が本
発明では不要となり、作業性は向上するのである。
【0020】また、例えば同じ段に並列配置させる場合
に、無理に方向転換して載置することでレール端が跳ね
るといった危険性も少なくなり、安全面でも都合がよ
い。なお、請求項2に記載のように、レール巻取機が、
ピッチング運動方向及びヨーイング運動方向共に、姿勢
を所定の中立位置に戻すための復心機構を備えていれ
ば、最初にレールLRの先端がレール巻取機に進入する
ときに、その都度レール巻取機を中立位置に修正してか
ら進入させる必要もなくなり、円滑にレールLRの先端
を突入させることができる。
【0021】また、請求項3に記載のものによれば、レ
ール巻取機と載置台との間にロングレールの移動を助け
るローラユニットを備えており、ロングレールを載置台
に送り込む際あるいは載置台から引き出す際、そのロン
グレールの載置先の段位置に対応してローラユニット自
体を昇降させることができるので、レール巻取機のピッ
チング運動とも相まって、ロングレールの移動をより円
滑に行うことができるのである。
【0022】また、請求項4のロングレール輸送車によ
れば、ローラユニットと載置台との間に切断装置が設け
られており、ロングレールを積み込む際、旧ロングレー
ルが載置台の各段に所定長さ(例えば200m)だけ載
置された時点で旧ロングレールを切断することができ
る。従来は手作業で切断していたので、熟練を要すると
共に作業自体に時間がかかっていたが、本構成によれ
ば、その点での作業効率が向上する。
【0023】また、これらのロングレール輸送車はロン
グレールの交換必要箇所に交換用の新ロングレールを輸
送していったり、線路脇に載置された旧ロングレールを
積んで輸送したりするのであるが、請求項5に記載の構
成によれば、ロングレールを複数段の載置台にそれぞれ
複数本ずつ積み込み、レール締結装置によってそれらを
締結する。その際、本レール締結装置によれば、付勢部
材が載置された隣合うロングレールを一組としてそれら
を上方から付勢すると共に、それら隣合うロングレール
の中間部分において回動可能に支承されているため、そ
れら隣合うロングレールの高さに違いがあっても付勢力
がほぼ均等に作用する。
【0024】すなわち、従来のように1本の押圧部材で
複数本のレールを押していると、例えばレール高さが相
対的に低いレールがあると、そのレールには十分な付勢
力が伝わらず、締結力が弱くなる。それに対して、本構
成では、隣合うレールの高さに違いがあっても、付勢部
材は支承点を中心としてレール高の低い方が下がるよう
に回動し、その状態で付勢力が作用するので、両レール
にほぼ均等に付勢力が作用するのである。
【0025】また、請求項6に記載するように、上記隣
合う付勢部材を一組とし、それらに付勢力を伝達しなが
ら付勢部材それぞれを回動可能に支承すると共に、隣合
う付勢部材の中間部分において自らも回動可能に支承さ
れた付勢力伝達部材を備えるとさらに均等な付勢力の付
与が実現できる。上述したように、付勢部材は隣合うレ
ールを一組として付勢するので、例えば1段に左右8本
ずつの16本載置する場合に、最低8つの付勢部材が存
在することとなり、例えば左側の8本に対しては4つの
付勢部材が一本の棒部材に取り付けられてその棒部材か
ら付勢力を付与するといった構成が考えられる。
【0026】そういった場合に、たまたまある付勢部材
はレール高の相対的に高い2本を担当し、隣の付勢部材
はレール高の相対的に低い2本を担当する場合には、レ
ール高の低い2本を担当した付勢部材はレールに対して
十分な付勢力を付与できず、やはり締結力が弱くなって
しまうのである。これに対して本構成によれば、付勢力
伝達部材が支承点を中心としてレール高の低い方を担当
する付勢部材側が下がるように回動し、その状態で付勢
力が作用するので、両付勢部材にほぼ均等に、ひいては
各レールに対してほぼ均等に付勢力が作用するのであ
る。
【0027】上記左側の8本に対しては4つの付勢部材
が一本の棒部材に取り付けられてその棒部材から付勢力
を付与するといった構成の場合は、上記付勢力伝達部材
は2つ存在することとなるが、さらにこの2つの付勢力
伝達部材を保持すると共に自らも支承される第2の付勢
力伝達部材を設けるとなおよい。これらは載置可能なレ
ールの本数によって異なってくる。
【0028】このようなトーナメント方式の付勢力付与
機構を採用することで、より確実なレール締結が実現し
てレール輸送中の位置ずれや脱落等を防止し、その結果
として位置ずれ等に対する修正作業等が不要となり、作
業性が向上する。なお、上記実開平4−50564号公
報に開示されているように、レール間にブロックを挿入
して締め付けるものではレール輸送中の位置ずれは回避
できるかもしれないが、輸送の都度、作業員が各レール
間の所定位置に間隔ブロックを挿入してセットする必要
があり、手間が掛かってしまう。それに対して本構成で
は、上方から押圧するだけで、レール高の違いに応じて
自動的に付勢部材や付勢力伝達部材が揺動し、レールに
はほぼ均等に付勢力が付与されるため、作業性は非常に
よい。また締結を解除する際も、上記実開平4−505
64号公報の場合では、作業員が各間隔ブロックを取り
外さなくてはならないが、本構成によれば、上方からの
押圧力を解除するだけで、締結を解除することができ、
作業性は非常に良い。
【0029】また、レールの本数に応じては、さらにこ
の隣合う付勢力伝達部材を一組とし、それらに付勢力を
伝達しながら付勢力伝達部材それぞれを回動可能に支承
すると共に、隣合う付勢力伝達部材の中間部分において
自らも回動可能に支承された第2の付勢力伝達部材を備
えるとより好ましい。
【0030】なお、このレール締結装置は、1箇所の場
合はロングレールの中央部分(全長200mのものであ
れば端部から100m付近)で締結するのが好ましい
が、同一車両上の相互に近い位置の2箇所以上で締結す
るようにしても構わない。
【0031】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まずロングレール輸送車の編成全体を概略説明した
後、各作業車両について説明を進めて行く。図1(A)
は、本発明の一実施例であるロングレール輸送車の編成
全体を示す説明図であり、図1(B)はその編成中の機
関作業車の概略斜視図である。
【0032】図1(A)に示すように、本実施例のロン
グレール輸送車は、中間の作業車群の両端にそれぞれ機
関作業車1が配置されており、中間の作業車群は両端の
機関作業車1側からそれぞれ中程に向かってレール作業
車3、端末作業車5が連結され、それらの間には11両
の中間作業車(群)7が連結されている。そして、11
両の中間作業車群7の内の中央(すなわち前後いずれか
らも6番目のもの)の中間作業車7にはレールLRの締
結を行うレール締結装置が設置されている。従って、本
ロングレール輸送車は、中央締結用の中間作業車7を中
心として前後対称的に編成配置されている。
【0033】本実施例では、この中央締結用の中間作業
車7を挟んで前後5両の中間作業車7群及び両端末作業
車5の途中までがレールLRを載置する部分(後述する
レール積載部110)とされており、この部分に200
mのレールLRを上下2段にそれぞれ16本ずつ、計3
2本を載置するすることができるようにされている。こ
のレールLRは上記中央締結用の中間作業車7における
レール締結装置120によって上下方向に押圧され、レ
ール輸送中に移動しないようにされている。このレール
締結装置120については後述する。
【0034】各車両について説明していく。まず、機関
作業車1について図1(B)及び図2等も参照しながら
説明する。図1(B)は機関作業車1の概略斜視図であ
る。本ロングレール輸送車の基本的な目的は、レールL
Rの交換必要箇所に交換用の新レールLRを輸送してい
き、その新レールLRの線路脇への取降ろし及び線路脇
に載置された旧レールLRの積み込みを行うことである
が、本実施例の機関作業車1は、その進行方向の左右両
側に、レールLRが上記レール作業車3と線路脇の所定
箇所との間を移動可能なように導くためのレールガイド
ウェイ11を備えている。
【0035】レールガイドウェイ11は、機関作業車1
の車輪のさらに外側に配置されており、本実施例の場合
は、機関作業車1の先端側からレール作業車3側へ向か
って第1ガイドウェイ部材11a、第2ガイドウェイ部
材11b、第3ガイドウェイ部材11c、第4ガイドウ
ェイ部材11dの4つに分割されている。そして図1
(B)にも示すように、このレールガイドウェイ11
は、レール作業車3側から機関作業車1の先端側に向か
って、すなわち第4ガイドウェイ部材11dから第1ガ
イドウェイ部材11aにかけて徐々に地上高が低くなる
ように配置されている。さらに、この第1ガイドウェイ
部材11aの先端には旋回式アプローチエプロン31が
取り付けられているが、この旋回式アプローチエプロン
31については後述する。
【0036】レールガイドウェイ11についてさらに説
明すると、第4ガイドウェイ部材11dは機関作業車1
に固定されているが、第1〜第3ガイドウェイ部材11
a〜11cは、それぞれ長さ方向の軸回りに傾動可能と
されている。図2は第1ガイドウェイ部材11aの一部
破断斜視図である。この図2を参照しながらその傾動機
構を説明する。
【0037】第1ガイドウェイ部材11aは、図2に示
すように、左右2枚のガイドウェイ本体13、ガイドウ
ェイ横梁15、受けローラ17、縦ローラ19等から構
成されている。左右2枚のガイドウェイ本体13は長手
方向の複数箇所(図2においては2箇所)でガイドウェ
イ横梁15によって平行に固定されている。そして、ガ
イドウェイ本体13の間には、その長手方向に複数の受
けローラ17が取り付けられている。この受けローラ1
7は回動自在であり、その上をレールLRが移動する際
の助けとなるものである。
【0038】また、縦ローラ19は、左右2枚のガイド
ウェイ本体13の長手方向の所定位置に設けられた開口
部に取り付けられている。この縦ローラ19も受けロー
ラ17と同様に回動自在であり、レールLRが移動する
際の助けとなるものであるが、受けローラ17がレール
LRの下面に当接して移動を助けるのに対し、この縦ロ
ーラ19はレールLRの側面に当接してその移動を助け
るのである。
【0039】続いて傾動機構関連の構成を説明する。上
記ガイドウェイ横梁15にはガイドウェイ本体13の長
手方向に向く傾動中心ピン21が固定されており、その
傾動中心ピン21はブラケット23に支承されている。
また、ブラケットに固定された油圧シリンダ25の駆動
ロッドがガイドウェイ横梁15の下面に取り付けられて
おり、この油圧シリンダ25を駆動させることによっ
て、ガイドウェイ横梁15を傾動中心ピン21を中心と
して回動させることができるように構成されている。
【0040】また、図2は第1ガイドウェイ部材11a
なので、その先端には旋回式アプローチエプロン31を
取り付けるための旋回式アプローチエプロンピン受け2
7が設けられている。第2〜第4ガイドウェイ部材11
b〜11dにはこの旋回式アプローチエプロンピン受け
27はない。
【0041】なお、図2は第1ガイドウェイ部材11a
を示したものであるが、その構成自体は第2〜第4ガイ
ドウェイ部材11b〜11dもほぼ同様である。傾動機
構については、第1及び第2ガイドウェイ部材11a,
11bについては油圧シリンダ25で駆動するが、第3
ガイドウェイ部材11cについては、油圧シリンダ25
は備えておらず、ガイドウェイ横梁15がゴムマウント
によって支持されている。そして、第2ガイドウェイ部
材11bの傾動に伴って、所定角度傾動するようにされ
ている。この傾動角度θについては後述する作動の説明
において補足する。
【0042】続いて、旋回式アプローチエプロン31に
ついて図3を参照して説明する。旋回式アプローチエプ
ロン31はその先端にエプロン部33、後端には旋回ピ
ン35を備えている。その旋回ピン35は第1ガイドウ
ェイ部材11aの先端の旋回式アプローチエプロンピン
受け27(図2参照)には嵌合しており、旋回式アプロ
ーチエプロン31はこの旋回ピン35を中心に回動自在
にされている。そして、旋回式アプローチエプロン31
の中央付近には油圧シリンダ34が連結しており、図1
(B)あるいは図3中に矢印で示すように、所定の収納
位置と作業位置とを旋回移動可能にされている。
【0043】ここで所定の収納位置とは、機関作業車1
の中心方向に旋回させた位置である。機関作業車1前面
には図1(B)に示すように掛金36が設けられてお
り、エプロン部33をこの掛金36に掛け止めることに
よって収納位置で固定しておくことができるようにされ
ている。そして、この収納位置に移動させた場合には、
旋回式アプローチエプロン31は車両限界内に収まるよ
うにされている。一方、作業位置(図1(B)や図3に
示す状態)においては、第1ガイドウェイ部材11aの
先端よりもさらに地上高が低くされ、かつさらに側方に
張り出している。
【0044】また、エプロン部33には2つのブラシ3
7が対向して配置されており、エプロン部33の先端方
向に向かって約90゜回動できるようにされている。こ
れは図3に示すようにブラシ37が対向させた状態にお
いて、旧レールLRを積み込む場合に、そのレールLR
に乗っているバラスト等を落とすことができるようにさ
れているのである。また、新レールLRを降ろす際には
必要ないので、回動させて、レールLRの移動の邪魔に
ならないようにしているのである。さらに、2つの縦ロ
ーラ39が対向して配置されているが、これは、上述し
た第1ガイドウェイ部材11aにおける縦ローラ19と
同様の構成・作用を果たすので、重複説明はしない。
【0045】なお、上記第1及び第2ガイドウェイ部材
11a,11bの油圧シリンダ25と旋回式アプローチ
エプロン31を旋回駆動させる油圧シリンダ34は、図
1(B)に示す操作盤40において操作することができ
る。次に、レール作業車3について図4〜図7も参照し
て説明する。
【0046】図4(A)はレール作業車3内部の主要構
成を示す概略上面図、(B)はその概略側面図である。
本レール作業車3には、機関作業車1寄りから端末作業
車5側に向かって、第1ローラユニット40L,40
R、レール巻取機50L,50R、第2ローラユニット
70が設置されている。第1ローラユニット40L,4
0Rとレール巻取機50L,50Rは左右一つずつあ
り、それらの区別は数字40,50の後にL,Rを付し
て行う。
【0047】第1ローラユニット40L,40Rは、図
5に示すように、左右に立設されたレールガイドウェイ
板41の間に複数の受けローラ43が回動自在に取り付
けられている。そして、図4(A)に示すように、本第
1ローラユニット40L,40Rはレール作業車3の長
手方向に平行ではなく、機関作業車1寄り側から端末作
業車5側に向かうにつれて内側にくるよう斜めに配置さ
れており、詳しくはレール巻取機50L,50Rの後述
するヨーイング中心ピン方向に向けて配置されている。
【0048】続いてそのレール巻取機50L,50Rに
ついて、図6を参照して説明する。本レール巻取機50
L,50Rは、油圧モータ51、ギヤボックス53、2
個の巻取ローラ55を一組として、二組が左右対称にフ
レーム57内に組み込まれている。各組において2個の
巻取ローラ55は、それぞれギヤボックス53を介して
油圧モータ51により回動させることができる。また、
油圧シリンダ59により左右両組の巻取ローラ55同士
を近づけたり遠ざけたりすることが出来るようにされて
いる。そして、両組の巻取ローラ55の間には、摺動板
61が配置されており、その両端付近には、摺動板61
を挟むようにしてガイドウェイローラ63が立設されて
いる。
【0049】また、上記フレーム57はスライドフレー
ム65に対して、水平軸であるピッチング中心ピン66
を中心に回動自在に保持され、スライドフレーム65は
垂直軸であるヨーイング中心ピン67を中心に回動自在
に支承されている。従って、巻取ローラ55等の組み込
まれた本フレーム57は図6中に矢印Aで示すようにピ
ッチング運動可能であると共に、矢印Bで示すようにヨ
ーイング運動も可能である。そして、ピッチング運動方
向の移動により変化したフレーム57の姿勢を所定の中
立位置に戻すためのピッチング方向用復心ばね68とヨ
ーイング運動方向の移動により変化したフレーム57の
姿勢を所定の中立位置に戻すためのヨーイング方向用復
心ばね69も備えている。
【0050】続いて第2ローラユニット70について、
図7を参照して説明する。第2ローラユニット70は、
左右に立設されたレールガイドウェイ板71の間に複数
の受けローラ73が回動自在に取り付けられている。こ
の受けローラ73は中央で2つに分割されており、それ
ぞれ個別に回動可能にされている。これは左右のレール
巻取機50L,50Rに対応するものである。
【0051】また、構成自体は受けローラ73と同様で
あるが、油圧シリンダ74によって上下に移動可能な昇
降ローラ75が、第2ローラユニット70の中央付近に
設けられている。さらに、端末作業車5寄りの位置に
は、受けローラ73と平行な摺動軸に沿って左右に移動
可能な2組の横行ガイドウェイ77a,77bが設けら
れている。
【0052】次に、端末作業車5について図8〜図10
を参照して説明する。図8(A)は端末作業車5内部の
主要構成を示す概略上面図、(B)はその概略側面図で
ある。本端末作業車5には、レール作業車3寄りから中
間作業車7側に向かって、第3ローラユニット80、第
4ローラユニット90、レール切断機100、レール積
込部110を備えている。
【0053】第3ローラユニット80は、図9に示すよ
うに、基本的構成は第2ローラユニット70とほぼ同様
で、左右に立設されたレールガイド板81の間に複数の
受けローラ83が回動自在に取り付けられている。この
受けローラ83は中央で2つに分割されており、それぞ
れ個別に回動可能にされている。また、受けローラ83
と平行な摺動軸に沿って左右に移動可能な4組の横行ガ
イド87a,87b,87c,87dが設けられてい
る。この第3ローラユニット80の大きな特徴は、両端
に配置された油圧シリンダ89a,89bによって、両
端がそれぞれ昇降可能にされていることである。
【0054】続いて第4ローラユニット90について、
図10を参照して説明する。本第4ローラユニット90
は、門型のフレーム91に押下ローラ93が取り付けら
れており、この押下ローラ93は、油圧シリンダ95に
よって上下に昇降可能とされている。押下ローラ93は
中央で2つに分割されており、それぞれ個別に回動可能
にされている。また、この第4ローラユニット90は、
図8に示すように第3ローラユニット80の端部付近、
詳しくは第3ローラユニット80の受けローラ83の内
で、最もレール切断機100に近いもののほぼ真上辺り
に押下ローラ93が位置するように、配置されている。
【0055】レール切断機100は、プロパンとO2
スを用いたもので、図8(B)に示すように、第3ロー
ラユニット80からレール積込部110に積み込まれる
レールLRを、その途中で切断するものである。レール
積込部110は、この端末作業車5の一部と、それに続
く11両の中間作業車群7、及び反対側の端末作業車5
の一部までが該当する。これだけで約200mのレール
LRを載置することができる。レール積込部110に
は、所定の間隔で割りローラ装置113が設置されてい
る。本実施例では左右それぞれに8本のレールLRを載
置できるようにされており、1本につき2個の割合の計
16個のローラが左右それぞれに回動可能に取り付けら
れ、その上をレールLRが移動し易いようにされてい
る。
【0056】また、この割りローラ装置113は上下2
段に配置されており、上下2段においてそれぞれ左右8
本ずつの計32本のレールLRを載置できるようにされ
ている。なお、この割りローラ装置113は、図8
(A)中に矢印で示すように、中央支持台115を中心
として回動可能にされており、他の作業の邪魔にならな
いような位置に移動させることができる。
【0057】中間作業車7は、上述したように全てがレ
ール積込部110なので、所定間隔で割りローラ装置1
13が配置され、レールLRを上下2段で載置できるよ
うな構成とされている。但し、上述したように、11両
の中間作業車群7の内の中央(すなわち前後いずれから
も6番目のもの)の中間作業車7にはレールLRの締結
を行うレール締結装置が設置されているので、続いてこ
のレール締結装置について図11〜図14を参照して説
明する。本実施例では図11に示すように中央の中間作
業車7の所定の2箇所にレール締結装置120が配置さ
れている。図12は図11のF−F矢視図、図13はレ
ール締結装置120の部分組立図、図14はレール締結
装置120の押圧ユニット部分の組立図である。
【0058】図12等に示すように、本レール締結装置
120は、2段のレール載置台123a,123bを備
えており、下部のレール載置台123bは中間作業車7
に固定されている。一方、上部のレール載置台123a
はその一端を側方支柱125に回動自在に支持されてい
る。基本的にはこれら2つのレール載置台123a,1
23b上にレールLR載置してそれらを上方から押圧す
ることによって締結するのであるが、その押圧する機構
に特徴がある。
【0059】そこでその押圧機構について説明を進めて
行くが、上部のレール載置台123aに対応する押圧ユ
ニット130の組立図を図14に示してある。なお、下
部のレール載置台123bに対応する押圧ユニット13
0も同じ構成であるが、本実施例の場合は、上部のレー
ル載置台123aが下部のレール載置台123bに載置
されたレールLRを押圧するための押圧ユニット130
の一部としても機能している。
【0060】図12,14に示すように、押圧ユニット
130は、保持部材131、油圧シリンダ133、スプ
リング135、第1付勢力伝達部材137、第2付勢力
伝達部材139、付勢部材141、押圧板143等を備
えている。保持部材131の一端には側方支柱125に
回動自在に取り付けるための支承穴131aが設けら
れ、他端には中央支柱(図11,12参照)129に係
止させるための係止部材132が取り付けられている。
なお、中央支柱129には係止ピン160によって係止
させる。
【0061】一方、保持部材131の下面には油圧シリ
ンダ133が固定されており、その駆動ロッド133a
の先端は、第1付勢力伝達部材137の中央付近に設け
られた貫通孔137aより挿入されて、支承ピン150
で第1付勢力伝達部材137と連結されている。また、
その油圧シリンダ133の両脇においては、保持部材1
31下面と第1付勢力伝達部材137上面との間にスプ
リング135が介装されている。第1付勢力伝達部材1
37には、2個の第2付勢力伝達部材139が取り付け
られている。この第2付勢力伝達部材139は略2等辺
三角形状とされており、その各頂点付近にピン穴が設け
られている。そして、2つの等辺で挟まれる頂角部分の
ピン穴が支承ピン153で第1付勢力伝達部材137と
連結されることによって、2個の第2付勢力伝達部材1
39は第1付勢力伝達部材137に回動自在に保持され
ることとなる。なお、この支承ピン153による支承軸
の方向は、上述した油圧シリンダ133の駆動ロッド1
33a先端に取り付けられる支承ピン150による支承
軸と平行とされている。
【0062】一方、付勢部材141は、矩形板に略2等
辺三角形状の板が平行に2つ立設されて形成されてお
り、その略2等辺三角形状板の頂角部分にピン穴が設け
られている。そして、上述した略2等辺三角形状である
第2付勢力伝達部材139の両底角部分のピン穴にそれ
ぞれ、隣合う2つの付勢部材141のピン穴を合わせて
支承ピン155で連結されている。従って、4個の付勢
部材141は2つの第2付勢力伝達部材139にそれぞ
れ2つずつ回動自在に保持されることとなる。なお、こ
の支承ピン155による支承軸の方向は、上述した第2
付勢力伝達部材139の支承ピン153による支承軸と
平行とされている。
【0063】また、押圧板143はレールLRを傷つけ
ないようゴム板で形成されており、4個の付勢部材14
1全ての下面に固定されている。次に、上記構成を有す
る本実施例のロングレール輸送車の作動及びその結果奏
する効果について説明する。
【0064】まず、旧レールLRを積み込む際の作動を
レールLRの動きを中心に概略説明する。線路脇に載置
されている旧レールLRを、機関作業車1の両脇にある
旋回式アプローチエプロン31及びレールガイドウェイ
11を用いて、レール作業車3に送る。この際、旋回式
アプローチエプロン31の2つのブラシ37によって、
その旧レールLRに乗っているバラスト等を落とすこと
ができる。
【0065】そして、レール作業車3に送られたレール
LRは、図4等に示す第1ローラユニット40L,40
R、レール巻取機50L,50R、第2ローラユニット
70によって順番に送られて端末作業車5側に移送さ
れ、図8等に示す第3ローラユニット80、第4ローラ
ユニット90によって順番に送られ、所定長さだけ送ら
れた時点でレール切断機100で切断されてレール積込
部110に載置される。
【0066】これが作動の概略であるが、次に個々の構
成における作用・効果を説明する。まず、図4,5に示
す第1ローラユニット40L,40Rは、回動自在な複
数の受けローラ43によってレールLRの移動を助ける
だけでなく、機関作業車1寄り側から端末作業車5側に
向かうにつれて内側にくるよう斜めに配置されており、
レール巻取機50L,50RにレールLR先端を突入さ
せやすくしている。
【0067】またレール巻取機50L,50R(図4,
6参照)においては、最初、左右両組の巻取ローラ55
同士を離間させた状態で、第1ローラユニット40L,
40R側のガイドローラ63間より侵入させ、レールL
Rが摺動板61上を摺動して例えば他方のガイドローラ
63間を抜けた時点で、油圧シリンダ59により左右両
組の巻取ローラ55同士を近づけて左右からレールLR
を挟圧する。そして、油圧モータ51により巻取ローラ
55を互いに逆回転させることにより、摩擦力よってレ
ールLRを第2ローラユニット70側に移動させる。
【0068】もちろん新レールLRの取り降ろし時に
は、巻取ローラ55をそれぞれ上記とは逆回転させて、
第1ローラユニット40L,40R側に移動させる。レ
ール巻取機50L,50Rは、水平軸であるピッチング
中心ピン66を中心としたピッチング運動及び垂直軸で
あるヨーイング中心ピン67を中心としたヨーイング運
動が共に可能である。そのため、図8におけるレール積
込部110の同じ段の載置台においてレールLRを並列
配置させる場合にはヨーイング運動、別の段の載置台に
レールLRを移動させる場合にはピッチング運動によっ
て、それぞれ作業が効率よく行える。
【0069】すなわち、レール巻取機50L,50R自
体がレールLRの載置先の違い(左右方向及び上下方
向)によるレールLRの動きに追従するため、レールL
Rから受ける反力を最小にすることができ、その結果、
円滑な積み込みができて作業性の向上に寄与する。
【0070】特に、片側の線路脇にある旧レールLRだ
けをなるべく多く回収したい場合等に、載置台のどの位
置に載置する場合でも、レール巻取機50L,50Rは
レールLRの動きに追従するので十分に活用できる。す
なわち、左側のレール巻取機50Lによって右側の載置
台へも送り込むことができ、従来のように載置台の一部
を遊ばせておいたり、一旦載置したレールLRを別の装
置で移動させるといった作業が不要となり、作業性は向
上するのである。もちろん、レールLRの取り降ろし時
にも、同様の効果を奏する。
【0071】また、例えば同じ段の載置台に並列配置さ
せる場合に、無理に方向転換して載置することでレール
LR端が跳ねるといった危険性も少なくなり、安全面で
も都合がよい。なお、本実施例のレール巻取機50L,
50Rは、ピッチング方向用復心ばね68及びヨーイン
グ方向用復心ばね69によって、ピッチング運動方向及
びヨーイング運動方向の移動により変化したフレーム5
7の姿勢を所定の中立位置に戻すことができるので、最
初にレールLRの先端がレール巻取機50L,50Rに
進入するときに、その都度中立位置に修正してから進入
させる必要もなくなり、円滑にレールLRの先端を突入
させることができる。
【0072】レール巻取機50L,50Rによって送り
出されたレールLRが次に進む第2ローラユニット70
の受けローラ73は中央で2つに分割されているため、
それぞれ左右のレール巻取機50L,50Rから供給さ
れたレールLRを個別に移送することができる。また、
昇降ローラ75は油圧シリンダ74によって上下に移動
可能であり、上昇させることによって、レールLRの取
り降ろし時に、レールLRの先端を機関作業車1のレー
ルガイドウェイ11に進入させるときにその高さを調整
することができる。すなわち、レールLRをレール巻取
機50L,50Rの巻取ローラ55で挟圧した状態で昇
降ローラ75を上下に移動させるとレールLRの先端を
これと逆の方向に移動させることができる。さらに、2
組の横行ガイド77a,77bを用いることによって、
レール積込部110の同じ段の載置先にレールLRを導
くことができる。
【0073】次にレールLRの進む第3ローラユニット
80は、油圧シリンダ89a,89bによって図8
(B)中に二点鎖線で示すように昇降させることができ
る。この第3ローラユニット80は配置的にはレール巻
取機50L,50Rと載置台としても働く割りローラ装
置113との間にあり、レールLRを割りローラ装置1
13側に送り込む際等に、そのレールLRの載置先の段
位置(この場合上段か下段か)に対応して第3ローラユ
ニット80自体を昇降させることができるので、レール
巻取機50L,50Rのピッチング運動とも相まって、
レールLRの移動をより円滑に行うことができるのであ
る。
【0074】なお、本第3ローラユニット80の4組の
横行ガイド87a,87b,87c,87dの役目は、
上述した第2ローラユニット70の2組の横行ガイド7
7a,77bとほぼ同様なので説明は省略する。続いて
第4ローラユニット90であるが、これは、例えば積込
時であれば、上記上昇した第3ローラユニット80によ
って斜め上方向に進んでいくレールLRの先端を押さえ
るためのものである。単に第3ローラユニット80によ
って斜め上方向にだけ移動させることにすると、レール
LRの自重だけではなかなか先端が下がらず、レールL
Rを割りローラ装置113に載置することが難しくな
る。そのため、本第4ローラユニット90の押下ローラ
93を油圧シリンダ95によって下げることでレールL
Rの先端を強制的に下げさせ、好適に割りローラ装置1
13へ移動できるようにしているのである。なお、新レ
ールLRの取り降ろし時にも押下ローラ93を油圧シリ
ンダ95によって下げることで、今度はレールLRの先
端を第3ローラユニット80側へ好適に移動させること
ができる。
【0075】続いて第3,4ローラユニット80,90
とレール積込部110との間に設けられたレール切断機
100であるが、これは、旧レールLRは例えば1.6
km程度が1本にされているので、積み込む際に所定長
さ(例えば200m)に切断する必要がある。従って、
レール積込部110に所定長さだけ載置された時点でこ
のレール切断機100によってレールLRを切断するこ
とができる。従来は手作業で切断していたので、熟練を
要すると共に作業自体に時間がかかっていたが、本構成
によれば、その点での作業効率が向上する。
【0076】上述したように、レール積込部110に
は、上下2段においてそれぞれ左右8本ずつの計32本
のレールLRを載置することができるのであるが、次
に、積み込んだレールLRを締結するレール締結装置1
20の作動及びその効果について説明する。
【0077】まず、上述したレールLRの積み込み作業
中について説明しておく。レールLRの積み込み作業中
にレール締結装置120が図12に示すような位置にあ
るとレールLRの移動の邪魔になるので、図11に矢印
で示すように、(中央の)中間作業車7と平行になるよ
うに、すなわち車体の側方部に移動させておき、レール
LRが自由に移動できるようにしている。
【0078】そして、下段のレールLRの積み込みが完
了すると、上部のレール載置台123aをレールLRと
直交する位置に移動させて、上段のレールLRの積み込
みを行う。そして上段のレールLRの積み込み作業も完
了したら、押圧ユニット130によって締結の作動を行
わせる。なお、下段のレールLRの積み込みが完了した
時点で、下段については後述する締結作動を先に行って
おいてもよい。
【0079】続いてその締結の作動を説明する。通常
は、油圧シリンダ133の駆動ロッド133a(図1
2,14参照)は最も上方、すなわち最も縮んだ状態に
されており、その状態では押圧ユニット130最下端の
押圧板143は、上部のレール載置台123a及び下部
のレール載置台123bに載置されたレールLRの上面
から離間している。そして、この状態ではスプリング1
35は圧縮状態であり、第1付勢力伝達部材137を下
方に付勢するのであるが、第1付勢力伝達部材137は
油圧シリンダ133によって位置決めされている。
【0080】そして、油圧シリンダ133の駆動ロッド
133aを下げていき、押圧ユニット130最下端の押
圧板143をレールLRの上面に当接させる。そして、
さらに下げていくことにより、並列配置されたレールL
Rには、第1付勢力伝達部材137、第2付勢力伝達部
材139、付勢部材141、押圧板143を介して上方
より押圧力が加わるのであるが、この際、第1付勢力伝
達部材137、第2付勢力伝達部材139、付勢部材1
41は以下のように作動する。
【0081】第1付勢力伝達部材137は支承ピン15
0を中心に回動可能であり、第2付勢力伝達部材139
は支承ピン153を中心に回動可能であり、付勢部材1
41は支承ピン155を中心に回動可能である。そのた
め、押圧板143を介して1個の付勢部材141が付勢
する隣合う2本のレールLRの高さに違いがあった場合
には、付勢部材141が支承ピン155を中心にしてレ
ールLR高の低い方が下がるように回動する。従って、
2本のレールLRには付勢力がほぼ均等に作用し、2本
のレールLRそれぞれを確実に締結することができ、レ
ール輸送中の位置ずれや脱落等を防止し、その結果とし
て位置ずれ等に対する修正作業等が不要となり、作業性
が向上するのである。
【0082】すなわち、従来のように1本の押圧部材で
複数本のレールLRを押圧すると、例えばレール高の低
いものが混ざっていると、その低いレールLRには十分
な付勢力が伝わらず、締結力が弱くなる。それに対し
て、本構成では、隣合うレールLRの高さに違いがあっ
ても、レール高の低い方が下がるように回動するので両
レールLRにほぼ均等に付勢力が作用するのである。
【0083】また、隣合う付勢部材141の取り付けら
れている第2付勢力伝達部材139自身は支承ピン15
3を中心に回動可能であるため、さらに均等な付勢力の
付与が実現できる。それについて説明すると、上述した
ように本実施例の場合は1つの付勢部材141が隣合う
2本のレールLRを一組として付勢するので、たまたま
ある付勢部材141は相対的にレール高の高い2本を担
当し、隣の付勢部材141はレール高の相対的に低い2
本を担当する場合には、レール高の低い2本を担当した
付勢部材141はレールに対して十分な付勢力を付与で
きず、やはり締結力が弱くなってしまうのである。
【0084】これに対して本実施例の構成によれば、第
2付勢力伝達部材139が支承ピン153を中心として
レール高の低い方を担当する付勢部材141側が下がる
ように回動し、その状態で付勢力が作用するので両付勢
部材141にほぼ均等に、ひいてはその付勢部材141
から各レールLRに対してほぼ均等に付勢力が作用する
のである。
【0085】さらに、本実施例の場合は、その第2付勢
力伝達部材139を保持している第1付勢力伝達部材1
37自体も支承ピン150を中心に回動可能なので、一
方の第2付勢力伝達部材139側に属するレールLR群
の高さが全体として他方のレールLR群よりも低い場合
にも対応する。つまり、そういった場合には第1付勢力
伝達部材137が支承ピン150を中心として相対的に
レール高の低い方を担当する第2付勢力伝達部材139
側が下がるように回動し、その状態で付勢力が作用する
ので両第2付勢力伝達部材139にほぼ均等に、ひいて
はその第2付勢力伝達部材139、付勢部材141を介
して各レールLRに対しほぼ均等に付勢力が作用するの
である。
【0086】このように、本実施例の場合は、レールL
R側から見て付勢部材141、第2付勢力伝達部材13
9、第1付勢力伝達部材137の順番に3段階のトーナ
メント方式であり、かつ各段階において回動自在にされ
ている。そのため、レールLRからの反力に応じて付勢
部材141、第2付勢力伝達部材139及び第1付勢力
伝達部材137が各段階での反力を均等化し、結果とし
て各レールLRへ付与される付勢力がほぼ均等になるの
である。従って、より確実な締結を実現することができ
るのである。
【0087】なお、従来技術として示した実開平4−5
0564号公報に開示されているものは、輸送の都度、
作業員が各レール間の所定位置に間隔ブロックを挿入し
てセットする必要があり、手間が掛かってしまう。それ
に対して本構成では、油圧シリンダ133を駆動させる
だけで均等な付勢力が付与されるため、作業性は非常に
よい。また締結を解除する際も、上記実開平4−505
64号公報の場合では、作業員が各間隔ブロックを取り
外さなくてはならないが、本構成によれば、やはり油圧
シリンダ133の駆動させて上方からの押圧力を解除す
るだけで締結を解除することができ、作業性は非常に良
い。
【0088】以上、レールLR積み込み時を中心に作動
及びその効果を説明したが、レールLR取り降ろし時も
基本的には各装置における作動は同様である。もちろん
レール切断機100等は使用しなくてよい。以上は、本
ロングレール輸送車における中間の作業車群3,5,7
での作動及びその効果についての説明であった。次い
で、本実施例の機関作業車1に関連する作動と効果につ
いても説明しておく。
【0089】本実施例のロングレール輸送車は、両端に
それぞれ機関作業車1を配置した編成とされているた
め、両方向に牽引運転が可能である。一般的に牽引運転
の方が推進運転よりも高速運転ができるので、例えば牽
引運転時には毎時70km程度出せるが、推進運転の場
合には毎時30km程度しか出せない機関作業車1であ
っても両方向に牽引運転することで、この場合両方向に
70kmでの運転ができ、輸送効率が向上する。つま
り、従来は、距離的には近い基地等であってもそちらに
は推進運転を余儀なくされるため、牽引運転で遠い方の
基地に行った方が時間的に早いという事態も生じてい
た。しかし、本ロングレール輸送車によれば、運転方向
を考えずに単に距離的に近い方へ牽引運転で行けるた
め、移動時間が節約でき、その結果作業性の向上に寄与
する。
【0090】そしてまた、機関作業車1が、その進行方
向の左右両側にレールガイドウェイ11を備えているた
め、端末作業車5及び中間作業車群7に搭載されている
レールLRを取り降ろす際あるいはレールLRを積み込
む際に、そのレールガイドウェイ11を用いて、レール
LRを、レール作業車3を経由して端末作業車5及び中
間作業車群7側と線路脇の所定箇所との間に導くことが
できる。そのため、上述したように機関作業車1が編成
の両側に接続されていても、レールLRを取り降ろし及
び積み込み作業ができるのである。
【0091】また、レールガイドウェイ11が、レール
作業車3側から機関作業車1の先端側に向かって、すな
わち第4ガイドウェイ部材11dから第1ガイドウェイ
部材11aにかけて徐々に地上高が低くなるように配置
されており、第1ガイドウェイ部材11a先端の旋回式
アプローチエプロン31によってさらに地上近くまでガ
イドできるので、レールガイドウェイ11及び旋回式ア
プローチエプロン31によりガイドしてレールLRを導
けば、スムーズに線路脇の所定位置への取り降ろしや線
路脇からの積み込みが可能となる。
【0092】その際、旋回式アプローチエプロン31を
用いることにより、従来使用していたアプローチ車等
(図15参照)が不要となる。そのため、その取扱いに
要する時間や労力が不要で作業性が向上すると共に、そ
れらの作業時における危険もなくなる。また、本旋回式
アプローチエプロン31は機関作業車1の内側へ旋回し
て収納可能であり、その収納時には車両限界内に収まる
ようにされているので、収納すればそのまま走行可能な
ため、その都度取り外すといった手間もなく、作業効率
が非常に良くなる。
【0093】そしてまた、本実施例のレールガイドウェ
イ11は、第1〜第3ガイドウェイ部材11a〜11c
を、それぞれ傾動させることができる。つまり、図2に
おいて油圧シリンダ25を駆動させると、ガイドウェイ
横梁15は傾動中心ピン21を中心として回動する。そ
のため、ガイドウェイ横梁15で固定されているガイド
ウェイ本体13が傾動する。もちろんガイドウェイ本体
13に取り付けられている受けローラ17及び縦ローラ
19もそれに伴って傾動する。
【0094】このように傾動させることの効果について
説明する。従来より、カントにおける作業において、新
品のレールLRを取り降ろす際にカントがあるためにい
わゆる「こがえり」を起こしてしまう危険が多く、こが
えりを起こしてしまうと、これを正常位置に修復するの
に多大な時間と労力を要する等の問題がある。本実施例
のレールガイドウェイ11によれば、この点についても
解決できる。
【0095】つまり、カントのない平坦な場所では、レ
ールガイドウェイ11の各ガイドウェイ部材11a〜1
1dはレールLRが直立するように位置するが、そのま
まの状態ではカントのある場所で鉛直方向から傾いたま
まガイドしてしまうこととなるので、従来と同様こがえ
りの危険がある。しかし、カントにおいては、傾動可能
な第1〜第3ガイドウェイ部材11a〜11cを、ガイ
ドされるレールLRがカントとは反対側に傾いて鉛直方
向に立つように傾動させることによって、こがえりが起
きないように新品レールLRを線路脇に取り降ろすこと
ができるのである。
【0096】例えば傾動中心ピン21を中心にして傾い
た角度を傾動角度θとすると、例えば最終的に8゜程度
傾けたい場合に、第3ガイドウェイ部材11cは2.5
゜傾け、次の第2ガイドウェイ部材11bは5゜傾け、
そして最後の第1ガイドウェイ部材11aは7.5゜傾
け、最終的に線路脇に降ろす際には8゜程度傾くという
ように徐々に傾けて行くようにするとよい。このように
すると、カントにおいてレールLRを、端末作業車5及
び中間作業車7に載置されている状態、すなわち鉛直方
向から傾いている状態から、レール作業車3を経てスム
ーズにカントのついた線路脇へ鉛直方向に立つように導
くことができるのでこがえり防止の点で非常に好まし
い。
【0097】同様に、旧レールLRを回収して積み込む
場合も、旧レールLRは地上に仮設されたローラ台にほ
ぼ垂直に載置されているので、カントのある場所での回
収・積込作業時にも機関作業車1は当然傾いている。こ
のような場合にも、このレール姿勢制御装置を用いると
極めて効果的である。
【0098】なお、第1及び第2ガイドウェイ部材11
a,11bについては油圧シリンダ25で駆動するが、
第3ガイドウェイ部材11cについては、油圧シリンダ
25は備えておらず、ガイドウェイ横梁15がゴムマウ
ントによって支持されていることは上記構成の説明で述
べた。上記8゜程度傾動させる例で言えば、第2ガイド
ウェイ部材11bを油圧シリンダ25で5゜傾動させる
と、その動きに伴って、第3ガイドウェイ部材11cは
2.5゜傾動するのである。
【0099】以上本発明はこの様な実施例に何等限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々なる態様で実施し得る。例えば、上記実施例で
は、レール締結装置120は、中央の中間作業車7にお
ける2箇所で締結している。ある一つの中間作業車7で
締結するのなら、このようにレールLRの中央部分(全
長200mのものであれば端部から100m付近)とな
る中央の中間作業車7において締結するのが好ましい
が、例えば同一車両上の相互に近い2箇所以上で締結す
るようにしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は、本発明の一実施例であるロングレ
ール輸送車の編成全体を示す説明図、(B)はその編成
中の機関作業車の概略斜視図である。
【図2】 第1ガイドウェイ部材の一部破断斜視図であ
る。
【図3】 旋回式アプローチエプロンの概略斜視図であ
る。
【図4】 (A)はレール作業車内部の主要構成を示す
概略上面図、(B)はその概略側面図である。
【図5】 第1ローラユニットを示す概略斜視図であ
る。
【図6】 レール巻取機を示す概略斜視図である。
【図7】 第2ローラユニットを示す概略斜視図であ
る。
【図8】 (A)は端末作業車内部の主要構成を示す概
略上面図、(B)はその概略側面図である。
【図9】 第3ローラユニットを示す概略斜視図であ
る。
【図10】 第4ローラユニットを示す概略斜視図であ
る。
【図11】 中央の中間作業車内部の主要構成を示す概
略上面図である。
【図12】 図11のF−F矢視図で、レール締結装置
の部分断面図である。
【図13】 レール締結装置の部分組立図である。
【図14】 レール締結装置の押圧ユニット部分の組立
図である。
【図15】 (A),(B)は、従来のロングレール輸
送車の編成全体を示す説明図、(C)はその作業を説明
するための説明図である。
【符号の説明】
1…機関作業車、 3…レール作
業車、5…端末作業車、 7…中
間作業車、11…レールガイドウェイ、 3
1…旋回式アプローチエプロン、40L,40R…第1
ローラユニット、 50L,50R…レール巻取機、5
1…油圧モータ、 55…巻取ロー
ラ、57…フレーム、 59…
油圧シリンダ、65…スライドフレーム、
66…ピッチング中心ピン、67…ヨーイング中心ピ
ン、 68…ピッチング方向用復心ばね、6
9…ヨーイング方向用復心ばね 70…第2ロー
ラユニット、80…第3ローラユニット、
90…第4ローラユニット、93…押下ローラ、
100…レール切断機、110…レール積
込部、 113…割りローラ装置、115
…中央支持台、 120…レール締結装
置、123a,123b…レール載置台、 125…側
方支柱、130…押圧ユニット、 131
…保持部材、133…油圧シリンダ、 13
3a…駆動ロッド、135…スプリング、
137…第1付勢力伝達部材、139…第2付勢力
伝達部材、 141…付勢部材、143…押圧
板、 150,153,155…支承ピン、LR…レ
ール、 RW…既設レール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高津 昌弘 愛知県名古屋市熱田区三本松町1番1号 日本車輌製造株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロングレールの交換必要箇所に交換用の
    新ロングレールを輸送していき、その新ロングレールの
    線路脇への取降ろし及び線路脇に載置された旧ロングレ
    ールの積込が可能なロングレール輸送車において、 上記ロングレールを複数本ずつ2段以上に積み込み可能
    な載置台と、 上記ロングレールを左右から挟圧し、互いに逆方向に回
    動させることによってロングレールを所定方向に送り出
    すローラを有すると共に、水平軸を中心としたピッチン
    グ運動及び垂直軸を中心としたヨーイング運動が共に可
    能なレール巻取機とを備え、該レール巻取機によって上
    記載置台と線路脇との間の上記ロングレールの移動を行
    うことを特徴とするロングレール輸送車。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載のロングレール輸送
    車において、 上記レール巻取機は、上記ピッチング運動方向及びヨー
    イング運動方向共に、姿勢を所定の中立位置に戻すため
    の復心機構を備えたことを特徴とするロングレール輸送
    車。
  3. 【請求項3】 上記請求項1に記載のロングレール輸送
    車において、 上記レール巻取機と上記載置台との間に、上記ロングレ
    ールの移動を助けるローラユニットを備え、該ローラユ
    ニット自体が上記載置台の各段の位置に対応して昇降可
    能に構成されたことを特徴とするロングレール輸送車。
  4. 【請求項4】 上記請求項3に記載のロングレール輸送
    車において、 上記ローラユニットと上記載置台との間に設けられ、上
    記旧ロングレールを積み込む際、旧ロングレールが上記
    載置台の各段に所定長さだけ載置された時点で該旧ロン
    グレールを切断する切断装置を備えたことを特徴とする
    ロングレール輸送車。
  5. 【請求項5】 ロングレールの交換必要箇所に交換用の
    新ロングレールを輸送していき、その新ロングレールの
    線路脇への取降ろし及び線路脇に載置された旧ロングレ
    ールの積込が可能なロングレール輸送車において、 上記ロングレールを複数本ずつ2段以上に積み込み可能
    な載置台と、 上記載置台の各段それぞれに設けられ、該各段に載置さ
    れた隣合うロングレールを一組としてそれらを上方から
    付勢すると共に、該隣合うロングレールの中間部分にお
    いて回動可能に支承された複数の付勢部材を有するレー
    ル締結装置と、 を備えたことを特徴とするロングレール輸送車。
  6. 【請求項6】 上記請求項5に記載のロングレール輸送
    車において、 上記レール締結装置がさらに、上記隣合う付勢部材を一
    組とし、それらに付勢力を伝達しながら付勢部材それぞ
    れを回動可能に支承すると共に、該隣合う付勢部材の中
    間部分において自らも回動可能に支承された付勢力伝達
    部材を備えたことを特徴とするロングレール輸送車。
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Cited By (6)

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