JPH07303876A - 生活排水送出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 貯留槽のマンホール蓋を密閉型としても圧力
式水位計を用いることができるようにする。 【構成】 家庭等の個別箇所から排出される生活排水を
大気に連通している流入管を介して受け入れる地中に埋
設されている貯留槽と、その貯留槽に設けられている密
閉型のマンホール蓋と、駆動部分及び制御部分を密閉容
器内に収納し、前記貯留槽内の水位が所定以上となった
ときに生活排水を流入管を介して下水道施設等へ排出す
る、その貯留槽内に設けられた排水手段と、前記貯留槽
内の水位を検出する圧力式水位計と、液体の通過を阻止
し、かつ気体の通過を許す、前記密閉容器の壁面の一部
に設けられた隔膜とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、家庭等の個別箇所から
排出される生活排水を下水道施設等へ送出するための生
活排水送出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の生活排水送出装置は、家
庭等の個別箇所（以下、家庭という）の近くの地中に貯
留槽を埋設し、この貯留槽内に家庭からの生活排水を受
入れるとともに、その受入れた生活排水を貯留槽に内蔵
したポンプを用いての圧送により、又は真空設備の真空
弁を通しての吸引により、下水本管まで送出するように
構成されている。したがって、この生活排水送出装置を
用いれば、下水本管位置よりも遠方に位置する家庭から
の生活排水（以下、排水という）でも、公共の下水道に
接続することにより下水処理が可能となり、さらに、起
伏の多い地形や高低差の大きな地形の地域でも、下水道
を経済的に普及させることができるという特長を有して
いる。

【０００３】上記貯留槽内からの排水の送出は、貯留槽
内に圧力式水位計を設けておき、水位が一定以上になっ
たときにポンプを回転駆動させ、又は真空弁を開き、他
方、水位が所定以下になったときに、ポンプの回転を止
め、又は真空弁を閉じるようにして行われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の生活排水送出装置は、圧力式水位計であるため、水
位計の一部分は大気に開放しておかなければならず、貯
留槽のマンホールを密閉型とすることができなかった。
殊に、我国の住宅事情から、貯留槽は車庫の地下等に埋
設されることが多く、このため、マンホール蓋を、水の
侵入がなく、しかも臭気の漏れてこない密閉型の強固な
マンホール蓋にすることが望まれていた。

【０００５】このような問題点を解決するために、水位
計を電極式とすることも考えられるが、排水の性質上、
スカムの発生による誤検出、電極腐蝕による検知不良の
発生が多く、圧力式水位計に勝る簡便で確実な検出手段
がない状態にある。

【０００６】そこで、本発明は、上記欠点を解決するた
めになされたものであって、その目的は、貯留槽のマン
ホール蓋を密閉型としても、貯留槽内の水位を圧力式水
位計で正確に検出することのできる生活排水送出装置を
提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係る生活排水送
出装置は、上記目的を達成するために、家庭から排出さ
れる排水を大気に連通している流入管を介して受け入れ
る地中に埋設されている貯留槽と、その貯留槽に設けら
れている密閉型のマンホール蓋と、駆動部分及び制御部
分を密閉容器内に収納し、前記貯留槽内の水位が所定以
上となったときに排水を流入管を介して下水道施設等へ
排出する、その貯留槽内に設けられた排水手段と、前記
貯留槽内の水位を検出する圧力式水位計と、液体の通過
を阻止し、かつ気体の通過を許す、前記密閉容器の壁面
の一部に設けられた隔膜とを有することを特徴としてい
る。

【０００８】

【作用】上記構成において、密閉容器内の気圧は、隔膜
を介して大気と同じとなり、圧力式水位計は正常に機能
することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、本発明装置を適用した下水道システムの
概略図である。図中１は貯留槽であって、路面（地面）
Ｇの地下に埋設され、図示しない一端部が大気と連通状
態にある流入管２を介して家庭から排出される排水を受
入れ、その受入れた排水をポンプＰ及び流出管３を介し
て貯留槽１よりも高所に埋設されている下水本管４に排
出できるように構成されている。

【００１０】図２は、貯留槽１の拡大縦断面図であっ
て、地面Ｇと同一面に設けられたマンホール蓋５は、貯
留槽１の上部に設けられているマンホール６に密閉状態
で設けられている。

【００１１】したがって、マンホール６から水が貯留槽
内に浸入したり、あるいは、貯留槽１から悪臭が外部へ
漏れることがない。

【００１２】ポンプＰは、補助密閉容器７の下端に設け
られていて、内部がその補助密閉容器７と連通している
とともに、内部にモータＭ及び制御部Ｃを有する密閉容
器８から垂架して設けられている。このポンプＰは、下
部にカッタを有している、いわゆるスネークポンプであ
って、排水を夾雑物を破砕しながら流出管３を介して下
水本管４へ圧送できるように構成されている。

【００１３】圧力式水位計Ｓは、水位の変化による圧力
変化を大気圧を基準にして検出する周知の圧力式水位計
であって、検出した信号は制御機Ｃに入力するように構
成されている。

【００１４】制御器Ｃは、水位が所定以上になったとき
にモータＭを回転駆動させて貯留槽１内の排水を流出管
３から排出し、他方、水位が所定以下に下がったとき
に、モータＭの回転を停止するように制御する。

【００１５】隔膜９は、補助密閉容器９の側壁で、貯留
槽１内の上限の水位よりも上方に設置されたフランジＦ
に設けられている。この隔膜９は、例えばスキーウエア
ーに利用されているような、気体の通過は許すが水の通
過を許さない周知の膜から構成されている。

【００１６】したがって、密閉容器８内の気圧は、補助
密閉容器７及び隔膜９を介して貯留槽１の内部と同一に
保たれる。しかも、貯留槽１内は、流入管２を介して大
気と連通状態にあるので、圧力式水位計Ｓは、正常に水
位を検出することが可能となる。

【００１７】なお、上述の実施例においては、排水を送
出する手段としてポンプＰを用いたが、真空式の場合は
真空弁が制御器Ｃにより開閉制御される。

【００１８】また、密閉容器を補助密閉容器と連通した
形態としたが、密閉容器８を長くして補助密閉容器７を
省略するようにしてもよい。

【００１９】

【発明の効果】本発明に係る生活排水送出装置は、水の
通過を阻止し、気体の通過を許す隔膜を用いて、圧力式
水位計で用いる大気圧を取入れることができるようにし
たので、マンホール蓋を密閉型としても、圧力式水位計
を採用することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置を適用した下水道システムの概略図
である。

【図２】貯留槽の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 貯留槽 ２ 流入管 ３ 流出管 ７ 補助密閉容器 ８ 密閉容器 ９ 隔膜 Ｓ 圧力式水位計 Ｐ ポンプ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 家庭等の個別箇所から排出される生活排
   水を大気に連通している流入管を介して受け入れる地中
   に埋設されている貯留槽と、 前記貯留槽に設けられている密閉型のマンホール蓋と、 駆動部分及び制御部分を密閉容器内に収納し、前記貯留
   槽内の水位が所定以上となったときに生活排水を流入管
   を介して下水道施設等へ排出する、その貯留槽内に設け
   られた排水手段と、 前記貯留槽内の水位を検出する圧力式水位計と、 液体の通過を阻止し、かつ気体の通過を許す、前記密閉
   容器の壁面の一部に設けられた隔膜と、 を有することを特徴とする生活排水送出装置。