JPH07301874A - ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

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JPH07301874A
JPH07301874A JP9443894A JP9443894A JPH07301874A JP H07301874 A JPH07301874 A JP H07301874A JP 9443894 A JP9443894 A JP 9443894A JP 9443894 A JP9443894 A JP 9443894A JP H07301874 A JPH07301874 A JP H07301874A
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silver halide
silver
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emulsion
solution
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JP9443894A
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Kazuya Tsukada
和也 塚田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低補充処理時の処理変動性及び残留銀の発生
を抑え、かつ処理後の残色汚染性が少なく、画像の鮮鋭
性が優れたハロゲン化銀写真感光材料とその処理方法の
提供。 【構成】 ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層に、
全投影面積の総和の50%以上がアスペクト比3以上の臭
化銀又は沃臭化銀からなる平板状ハロゲン化銀粒子を含
有し、かつ支持体から最も遠い位置に設層された親水性
コロイド層中に、平板状塩化銀粒子を含有することを特
徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 上記のハロゲン化銀乳剤層及び/又は親水性コロイド
層中に少なくとも1種のハロゲン化銀溶剤を含有するこ
とを特徴とする項記載のハロゲン化銀写真感光材料。
上記の、項記載のハロゲン化銀写真感光材料を自
動現像機で処理する方法において、現像液の補充量が感
光材料1m2当たり50ml乃至300mlであることを特徴とす
るハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高感度で、かつ鮮鋭性
が優れ、残色汚染がなくランニング処理変動性が少ない
ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、コスト或いは処理依存性を低減す
るために、ハロゲン化銀写真感光材料の省銀化が進めら
れているが、少ない銀量で従来通りの高性能を維持する
には高いカバリングパワーと優れた分光増感性が必要と
なる。
【0003】カバリングパワーを向上する乳剤として平
板状ハロゲン化銀粒子(以下、平板状粒子という)が知
られている。該粒子は体積に対する表面積の比率が大き
く、多量に分光増感色素を吸着することができる。その
ため固有感度に対して分光感度が相対的に高い感光材料
が得られる。X線用写真システムに用いた場合には色素
の吸光係数を高めることができることからクロスオーバ
ー光を顕著に減少させて鮮鋭性を改良できる点で有用で
ある。
【0004】なお、他にクロスオーバー光を減少させる
手段としては、例えば乳剤層中に染料を含有させる、乳
剤層と下引き層との間に染料層を設ける、乳剤層の上下
に微粒子銀層を設けるなどが知られているが、鮮鋭性の
向上効果が不十分なだけでなく、残色汚染や減感を招く
などの欠点を有する。
【0005】一方、感光材料の処理は、医療用X線感光
材料の場合、自動現像機で現像−定着−水洗−乾燥処理
されているが、ランニングにより消費された成分を補給
する意味で現像液、定着液には補充液を補給している。
しかしながらランニングによる現像液液中の現像成分の
変動は、単に消費するだけでなく、ランニング中のフィ
ルムから溶出してくる添加剤、現像反応に伴い遊離して
くるハライドイオンなどにより処理変動を起こし易く、
さらに現像液からの持ち込み成分(例えばK+イオン)
の蓄積により定着性を劣化するなどの問題がある。
【0006】こうした処理変動をなくすために補充液の
増量、補充液成分の工夫或いは感光材料の添加剤種類、
バインダーの工夫などが報告されているが、いずれも有
効な手段とは言えない。特に最近、環境規制が厳しいこ
とから廃液量を減少した低補充化が進んでいるが、低補
充処理では蓄積物が濃縮されるために、ますます処理変
動と性能劣化を大きくする結果となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の第1の
目的は、高感度で、かつ鮮鋭性が優れ、残色汚染のない
ハロゲン化銀写真感光材料を提供することである。本発
明の第2の目的は、ランニング処理変動性が少なく、特
に低補充処理時の処理変動及び残留銀の発生を抑えたハ
ロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
〜により解決された。
【0009】支持体上の少なくとも一方の面に、少な
くとも1層のハロゲン化銀乳剤層と親水性コロイド層と
を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロゲ
ン化銀乳剤層の少なくとも1層は、全投影面積の総和の
50%以上がアスペクト比3以上の臭化銀又は沃臭化銀か
らなる平板状ハロゲン化銀粒子を含有し、かつ支持体か
ら最も遠い位置に設層された親水性コロイド層中に、平
板状塩化銀粒子を含有することを特徴とするハロゲン化
銀写真感光材料。
【0010】上記のハロゲン化銀乳剤層及び/又は親
水性コロイド層中に少なくとも1種のハロゲン化銀溶剤
を含有することを特徴とする項記載のハロゲン化銀写
真感光材料。
【0011】上記項又は項記載のハロゲン化銀写
真感光材料を自動現像機で処理する方法において、現像
液の補充量が感光材料1m2当たり50ml乃至300mlである
ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方
法。
【0012】以下、本発明を詳述する。
【0013】本発明においては、アスペクト比3以上の
臭化銀又は沃臭化銀からなる平板状ハロゲン化銀粒子を
用いることにより、高カバリングパワーで高感度、高鮮
鋭性を得られるものである。又、支持体から最も遠い位
置に設層された親水性コロイド層中に、平板状塩化銀粒
子を含有させることにより、ボケ画像の因子となる余分
な放射線、光などを吸収することによってさらに鮮鋭性
を高め、かつ定着の負荷、或いはハライドイオンによる
現像抑制が減少する点からも優れる。さらに塩化銀組成
であるために現像液へのハライドイオンの影響がBr-
-に比べCl-が非常に小さい点で現像液蓄積の影響を改
善できる。しかも定着液中での抜けが優れる。
【0014】更に本発明によれば、長期日のランニング
処理において処理変動が極めて少なく、安定した写真特
性を得られることは当初、予想しえないことであった。
【0015】この理由については明らかではないが、ラ
ンニングで蓄積されるBr-、I-が処理液中もしくは感光
材料膜中にて親水性コロイド層中の平板状塩化銀粒子の
Cl-とコンバージョンを起こし、溶解度積の大きいCl-
溶出し、Br-、I-がハロゲン銀を形成して持ち出される
ことで現像性が改善されるものと考えられる。
【0016】さら本発明のハロゲン化銀写真感光材料構
成層中には、従来より知られているハロゲン化銀溶剤を
用いることにより、更に大きなランニング変動を改善で
き、又、定着性も改良されることを見い出した。
【0017】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀乳
剤は、全投影面積の総和の50%以上がアスペクト比3以
上の臭化銀又は沃臭化銀からなる平板状ハロゲン化銀粒
子が好ましいい。特に全投影面積の総和の50%以上、よ
り好ましくは70%以上がアスペクト比3以上の臭化銀又
は沃臭化銀からなる平板状ハロゲン化銀粒子が好まし
い。さらに沃臭化銀乳剤は沃化銀が0.01〜10モ%含有し
ていてもよくアスペクト比は3以上、好ましくは0.1〜
5.0のものが特に好ましい。本発明では親水性コロイド
層中に塩化銀が含有される。この塩化銀粒子は全投影面
積の総和の50%以上がアスペクト比5以上、より好まし
くは8以上の塩化銀が用いられる。又、0.35μm未満の
厚みを有する粒子が好ましい。この塩化銀粒子は感光性
を有していてもよく、又、実質的な感度を有しない非感
光性粒子であってもよい。
【0018】該塩化銀粒子が含有される親水性コロイド
層としては、いずれの層でもよいがより好ましくは支持
体から最も遠い位置に設層された親水性コロイド層であ
ればよく、例えば最上層の保護層、帯電防止層、フィル
ター層、或いはハロゲン化銀乳剤層などであってもよ
い。好ましくは保護層である。含有させる塩化銀量は15
mg/dm2以下でよい。
【0019】本発明のハロゲン化銀乳剤層及び/又は親
水性コロイド層中に用いられるハロゲン化銀溶剤として
はハロゲン化銀と親和性の強いチオエーテル類、ポリア
ルキレンオキサイド類、メルカプト化合物などが挙げら
れる。以下、本発明で好ましく用いられるハロゲン化銀
溶剤の具体的化合物例を示す。
【0020】
【化1】
【0021】上記の化合物は公知化合物で、例えば特公
昭47-11116号、英国特許942,865号に記載の合成法又は
それに準じた方法により容易に合成することができる。
【0022】ハロゲン化銀溶剤の使用量はハロゲン化銀
1モル当たり10-7モル〜10-2モルでよく、特に10-5モル
〜10-3モルが好ましい。
【0023】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の感光
性ハロゲン化銀乳剤としては、臭化銀、沃臭化銀、或は
少量の塩化銀を含む沃塩臭化銀乳剤であってよい。ハロ
ゲン化粒子は本発明の構成であれば、どのような結晶型
のものであってもよく、例えば立方体、8面体、14面体
などの単結晶であってもよく、種々の形状を有した多双
晶粒子であってもよい。
【0024】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、公知の方法で製造できる。例えばリサー
チ・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年12月),22
〜23頁の“Emulsion Preparation and Types”に記載の
方法、或は同(RD)No.18716(1979年11月),648頁に記載
の方法で調製することができる。
【0025】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、例えばT.H.James著“The Theory of the
Photographic process”第4版、Macmillan社刊(1977
年)38〜104頁に記載の方法、G.F.Duffin著“Photograph
ic Emulsion Chemistry”、Focal Press社刊(1966年)、
P.Glafkides著“Chimie et Physique Photographique”
Paul Montel社刊(1967年)或はV.L.Zelikman他著“Makin
g And Coating Photographic Emulsion" Focal Press社
刊(1964)などに記載の方法により調製することができ
る。
【0026】即ち、酸性法、アンモニア法、中性法など
の溶液条件にて順混合法、逆混合法、ダブルジェット
法、コントロール・ダブルジェット法などの混合条件、
コンバージョン法、コア/シェル法などの粒子調製条件
およびこれらの組合わせ法を用いて製造することができ
る。
【0027】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤の好ましい実施態様としては、沃化銀を粒子
内部に局在させた単分散乳剤が挙げられる。ここで言う
単分散とは、常法により平均粒子直径を測定したとき、
粒子数又は重量で少なくとも95%の粒子が平均粒子径の
±40%以内、好ましくは±30%以内にあるハロゲン化銀
粒子である。
【0028】ハロゲン化銀の粒径分布は、狭い分布を有
した単分散乳剤或は広い分布を有した多分散乳剤のいず
れであってもよい。ハロゲン化銀の結晶構造は内部と外
部が異なったハロゲン化銀組成からなっていてもよく、
例えば高沃化銀のコア部分に低沃化銀のシェル層を被覆
して明確な2層構造を有したコア/シェル型単分散乳剤
であってもよい。
【0029】上記の単分散乳剤の製法は公知で、例えば
J.Phot.Sci,12.242〜251,(1963)、特開昭48-36890号、
同52-16364号、同55-142329号、同58-49938号、英国特
許1,413,748号、米国特許3,574,628号、同3,655,394号
などに詳しく記載されている。
【0030】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、上記の単分散乳剤を得るための方法とし
て、例えば種晶を用い、この種晶を成長核として銀イオ
ン及びハライドイオンを供給し成長させた乳剤を用いて
もよい。
【0031】上記のコア/シェル型乳剤の製法は公知
で、例えばJ.Phot.Sci,24.198.(1976)、米国特許2,592,
250号、同3,505,068号、同4,210,450号、同4,444,877号
或は特開昭60-143331号などに記載の方法を参考にする
ことができる。
【0032】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、アスペクト比(粒子径/粒子厚みの比)
が3以上の平板状粒子である。このような平板状粒子の
利点としては、分光増感効率の向上や画像の粒状性及び
鮮鋭性の改良などが得られるとして例えば英国特許2,11
2,157号、米国特許4,414,310号、同4,434,226号などで
開示されており、乳剤はこれら公報に記載の方法を参考
に調製することができる。上述した乳剤は、粒子表面に
潜像を形成する表面潜像型或は粒子内部に潜像を形成す
る内部潜像型、表面と内部の両方に潜像を形成する型の
いずれの乳剤であってもよい。
【0033】これらの乳剤は物理熟成或は粒子調製の段
階で、例えばカドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウム
塩、イリジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯
塩、鉄塩又はその錯塩などを用いてもよい。
【0034】乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌーデ
ル水洗法、フロキュレーション沈降法などを用いてよ
く、好ましい水洗法としては例えば、特公昭35-16086号
記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂
を用いる方法、又は特開平2-7037号記載の高分子凝集剤
である例示G−3、G−8などを用いる脱塩法を挙げる
ことができる。
【0035】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程で、各
種の写真用添加剤を用いることができる。このような工
程で使用される化合物としては例えば、前述の(RD)No.1
7643、(RD)No.18716及び(RD)No.308119(1989年12月)に
記載されている各種の化合物を用いることができる。こ
れら3つの(RD)リサーチ・ディスクロージャーに記載さ
れている化合物種類と記載箇所を下記に掲載した。
【0036】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV A 減感色素 23 IV 998 IV B 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜27 XI 650右 1005〜6 XI 可塑剤 27 XII 650右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる支持体
としては、上記のRDに記載されているものが挙げられ、
適当な支持体としてはポリエチレンテレフタレートフィ
ルムなどで、支持体表面は塗布層の接着性をよくするた
めに下引き層を設けたりコロナ放電や紫外線照射などが
施されてもよい。
【0037】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を自動
現像機で処理する方法において、現像液の補充量は感光
材料1m2当たり50mlから300mlで処理される。300ml以上
になると廃液減のメリットは乏しくなり本発明の効果の
発現が減少する。また50ml未満ではランニングにて蓄積
が多くなり、写真性能を劣化する結果となる。
【0038】本発明に係るハロゲン化銀感光材料の現像
処理方法は、現像、定着、水洗及び乾燥の工程を含む自
動現像機で処理されるとき、現像から乾燥までの工程を
45秒以内で完了させることが好ましい。
【0039】即ち、感光材料の先端が現像液に浸漬され
始める時点から、処理工程を経て、同先端が乾燥ゾーン
を出てくるまでの時間(いわゆるDry to Dryの時間)が
90秒以内であること、より好ましくは、このDry to Dry
の時間が45秒以内であることである。さらに好ましくは
30秒以内である。
【0040】定着温度及び時間は約20〜50℃で6〜20秒
が好ましく、30〜40℃で6〜15秒がより好ましい。
【0041】本発明の現像液での現像時間は5〜45秒
で、好ましくは6秒〜20秒である。現像温度は25〜50℃
が好ましく、30〜40℃がより好ましい。
【0042】乾燥時間は、通常35〜100℃好ましくは40
〜80℃の熱風を吹きつけたり、遠赤外線による加熱手段
が設けられた乾燥ゾーンが、自動現像機に設置されてい
てもよい。
【0043】又、自動現像機には前記現像、定着、水洗
の各工程の間に、感光材料に水又は定着能を持たない酸
性溶液のリンス液を付与する機構を備えた自動現像機
(特開平3-264953号)を用いてもよい。さらに自動現像
機には、現像液や定着液を調液できる装置を内蔵してい
てもよい。
【0044】本発明の現像液には、現像剤として1,4-ジ
ヒドロキシベンゼン類或は必要に応じてp-アミノフェノ
ール系化合物及び又はピラゾリドン系化合物を含有する
ことがベースとなる。
【0045】1,4-ジヒドロキシベンゼン類としてはハイ
ドロキノン、クロロハイドロキノン、ブロムハイドロキ
ノン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキ
ノン、2,3-ジクロロハイドロキノン、2,5-ジクロロハイ
ドロキノン、2,3-ジブロムハイドロキノン、2,5-ジメチ
ルハイドロキノン、ハイドロキノンモノスルホン酸塩な
どがあるが特にハイドロキノンが好ましい。p-アミノフ
ェノール系現像主薬としてはN-メチル-p-アミノフェノ
ール、p-アミノフェノール、N-(β-ヒドロキシエチル)-
p-アミノフェノール、N-(4-ヒドロキシフェニル)グリシ
ン、2-メチル-p-アミノフェノール、p-ベンジルアミノ
フェノール等があるが、なかでもN-メチル-p-アミノフ
ェノールが好ましい。
【0046】本発明に用いることができるピラゾリドン
系化合物としては、例えば1-フェニル-3-ピラゾリド
ン、1-フェニル-4,4-ジメチル-3-ピラゾリドン、1-フ
ェニル-4-エチル-3-ピラゾリドン、1-フェニル-5-メチ
ル-3-ピラゾリドン、1-フェニル-4-メチル-3-ピラゾリ
ドン、1-フェニル-4-メチル-4-ヒドロキシメチル-3-ピ
ラゾリドン、1-フェニル-4,4-ジヒドロキシメチル-3-ピ
ラゾリドン、1,5-ジフェニル-3-ピラゾリドン、1-p-ト
リル-3-ピラゾリドン、1-フェニル-2-アセチル-4,4-ジ
メチル-3-ピラゾリドン、1-p-ヒドロキシフェニル-4,4-
ジメチル-3-ピラゾリドン、1-(2-ベンゾチアゾリル)-3-
ピラゾリドン、3-アセトキシ-1-フェニル-3-ピラゾリド
ンなどのピラゾリドン系化合物を挙げることができる。
【0047】1,4-ジヒドロキシベンゼンの添加量は、現
像液1l当たり0.01モル〜0.7モルでよく、0.1〜0.5モ
ルが好ましい。
【0048】又、p-アミノフェノール系化合物及びピラ
ゾリドン系化合物の添加量は、現像液1l当たり0.0005
モル〜0.2モルで、0.001モル〜0.1モルが好ましい。
【0049】本発明の現像液に用いられる亜硫酸塩とし
ては、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫
酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウ
ム、メタ亜硫酸カリウムなどが挙げられる。
【0050】現像液には、鉄イオンに対するキレート安
定度定数が8以上であるキレート剤を含有していてもよ
い。ここで言う鉄イオンとは第2鉄(Fe3+)を意味す
る。
【0051】鉄に対するキレート安定度定数が8以上の
キレート剤としては、有機カルボン酸キレート剤、有機
リン酸キレート剤、無機リン酸キレート剤或いはポリヒ
ドロキシ化合物などが挙げられる。
【0052】これらの具体例としては例えば、エチレン
ジアミンジオルトヒドロキシフェニル酢酸、トリエチレ
ンテトラミン酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ
三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジ
ヒドロキシエチルグリシン、エチレンジアミン二酢酸、
エチレンジアミン二プロピオン酸、イミノ二酢酸、ジエ
チレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢
酸、1,3-ジアミノ-2-プロパノール四酢酸、トランスシ
クロヘキサンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢
酸、グリコールエーテルアミン四酢酸、エチレンジアミ
ン-N,N,N′,N′-テトラキスメチレンホスホン酸、ニト
リロ-N,N,N-トリメチレンホスホン酸、1-ヒドロキシエ
チリデン-1,1-ジホスホン酸、1,1-ジホスホノエタン-2-
カルボン酸、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン
酸、1-ヒドロキシ-1-ホスホノプロパン-1,2,3-トリカル
ボン酸、カテコール-3,5-ジスルホン酸、ピロリン酸ナ
トリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリ
ン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0053】本発明の現像液には、現像処理中に感光材
料中のゼラチンと硬化反応して膜物性を強化する硬膜剤
を含有させてもよい。硬膜剤としては、例えばグルタル
アルデヒド、α-メチルグルタルアルデヒド、β-メチル
グルタルアルデヒド、マレインジアルデヒド、サクシン
ジアルデヒド、メトキシサクシンジアルデヒド、メチル
サクシンジアルデヒド、α-メトキシ-β-エトキシグル
タルアルデヒド、α-n-ブトキシグルタルアルデヒド、
α,α-ジメトキシサクシンジアルデヒド、β-イソプロ
ピルサクシンジアルデヒド、α,α-ジエチルサクシンジ
アルデヒド、ブチルマレインジアルデヒド、又はこれら
の重亜硫酸塩付加物などが用いられる。
【0054】又、上記成分以外に用いられる添加剤とし
ては、臭化ナトリウム、沃化カリウムのごとき現像抑制
剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、メチルセ
ロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノール、メタノ
ールのごとき有機溶剤或は1-フェニル-5-メルカプトテ
トラゾール、2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スル
ホン酸ナトリウム塩等のメルカプト系化合物、5-メチル
ベンツトリアゾール等のベンツトリアゾール系化合物等
のカブリ防止剤を含んでもよく、更に必要に応じて色調
剤、界面活性剤、消泡剤などを含んでもよい。
【0055】現像液のpHは、9.0〜12でよく、好ましく
は9.0〜11.5の範囲である。pHの設定のために用いるア
ルカリ剤又は緩衝剤としては水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸、第
三リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウムのごときpH
調節剤を含む。
【0056】本発明では定着液として、チオ硫酸ナトリ
ウム、チオ硫酸アンモニウムなどの定着剤を含有した定
着液を用いることができ、このうち定着速度の点でチオ
硫酸アンモニウムが好ましい。これらの定着剤は一般に
は約0.1モル〜6モル/lの量で用いられる。
【0057】定着液には硬膜剤として水溶液アルミニウ
ム塩を含んでいてもよく、さらに塩化アルミニウム、硫
酸アルミニウム、カリ明ばんなどが挙げられる。
【0058】定着液には、リンゴ酸、酒石酸、クエン
酸、グルコン酸或はそれらの誘導体を、単一又は組み合
わせて使用することが出来る。これらの化合物は定着液
1l当たり0.001モル以上含有するのが有効で、0.005〜
0.03モルが特に有効である。
【0059】定着液のpHは3.8以上で、好ましくは4.2
〜7.0を有するものが好ましい。定着硬膜或は亜硫酸臭
気などを考慮すると4.3〜4.8がより好ましい。
【0060】本発明に係る定着液のランニングによる上
昇率幅は0.21以下が好ましく、0.21〜0.05がより好まし
い。
【0061】本発明に係る処理方法では、現像液又は現
像補充液にスタータを使用することが好ましい。開口率
を下げることによるランニング時のpHの低下は補充液
のpHを母液のpHより高くしておくことにより改良され
る。pHの低い母液を調製する方法としては、補充液に
スタータを添加することによりpHを下げて母液とする
方法が好ましい。
【0062】本発明で使用するスタータは酸性の添加剤
で有機酸、無機酸のいずれでもよく、混合物でもよい。
スタータは現像液に可溶なものであれば固体でも溶液状
でもよく、好ましくは溶液状態が使用し易い。スタータ
の具体的成分としては例えば酢酸、クエン酸、ホウ酸、
硫酸、サルチル酸などがあり、これらの塩でもよい。
【0063】これらの酸は単独或いは2種以上用いるこ
とができる。スタータの添加量は現像液1リットル当た
り0.1〜100gで、好ましくは0.5〜50gである。スター
タの添加による現像液pHの低下する幅は0.2以上が好ま
しく、0.2〜1.0がより好ましい。
【0064】本発明においてスタータには酸以外の成分
を含んでいてもよく、特に現像反応で増加するハロゲン
や、ハイドロキノンモノスルフォネートなどの成分を含
有することができる。ハロゲンとしてはKBr、KClなどで
添加量は現像液1リットル当たり0.1〜10gが好まし
い。
【0065】現像、定着処理が済んだ感光材料は、続い
て水洗又は安定化処理される。水洗又は安定化処理は、
ハロゲン化銀写真感光材料1m2当たり3リットル以下の
補充量(0も含む。即ち溜め水水洗で行うことが出来
る)で節水処理が可能となるのみでなく、自動現像機設
置の配管を不要とすることができる。
【0066】水洗を少量の水で行う場合は、特開昭63-1
8350号、同62-287252号などに記載のスクイズローラー
の洗浄槽を設けることがより好ましい。又、少量水洗時
に問題となる公害負荷低減のために、種々の酸化剤添加
やフィルター濾過を組み合わせてもよい。さらに水洗又
は安定化浴に、防黴手段を施した水を処理に応じて補充
することによって、生ずる水洗又は安定化浴からのオー
バーフロー液の1部又は全部は特開昭60-235133号に記
載されているように、その前の処理工程である定着能を
有する処理液に利用することもできる。
【0067】又、少量水洗時に発生し易い水泡ムラ防止
及び/又はスクイズローラーに付着する処理剤成分が、
処理されたフィルムに転写することを防止するために水
溶性界面活性剤や消泡剤を添加してもよい。又、感光材
料から溶出した染料による汚染防止に、特開昭63-16345
6号記載の色素吸着剤を水洗槽に設置してもよい。又、
前記水洗処理に続いて安定化処理する場合もあり、その
例として特開平2-201357号、同2-132435号、同1-102553
号、特開昭46-44446号などに記載の化合物を含有した浴
を感光材料の最終浴として使用してもよい。この安定浴
にも必要に応じてアンモニウム化合物、Bi、Alなどの金
属化合物、蛍光増白剤、各種キレート剤、膜pH調節
剤、硬膜剤、殺菌剤、防黴剤、アルカノールアミンや界
面活性剤を加えることができる。
【0068】水洗工程もしくは安定化工程に用いられる
水としては水道水のほか脱イオン処理した水やハロゲ
ン、紫外線殺菌灯や各種酸化剤(オゾン、過酸化水素、
塩素酸塩など)等によって殺菌された水を使用すること
ができる。
【0069】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0070】実施例1 〈ハロゲン化銀写真感光材料の調製〉 種乳剤の調製1 60℃、pAg=8、pH=2.0にコントロールしつつ、ダブル
ジェット法で平均粒径0.3μmの沃化銀2モル%を含む沃
臭化銀の単分散立方晶粒子を調製した。
【0071】得られた反応液を40℃にて花王アトラス社
製、デモールN水溶液と硫酸マグネシウム水溶液を用い
て脱塩したのち、ゼラチン水溶液を加えて再分散し、種
乳剤を得た。
【0072】種乳剤からの成長1 上述の種乳剤を用い次のように粒子を成長させた。まず
40℃に保たれたゼラチン水溶液中に上記の種乳剤を分散
し、さらにアンモニア水と酢酸でpHを9.7に調整した。
この液にアンモニア性硝酸銀水溶液及び臭化カリウムと
沃化カリウムの水溶液をダブルジェット法で添加した。
添加中はpAg=7.3、pHを9.7に制御し沃化銀含有率35モ
ル%の層を形成した。次にアンモニア性硝酸銀水溶液と
臭化カリウム水溶液をダブルジェット法で添加した。目
標粒径の95%まではpAg=9.0に保ち、pHは9.0〜8.0に
まで連続的に変化させた。その後pAgを11.0に調整しpH
を8.0に保ちながら目標粒径まで成長させた。続いて酢
酸でpHを6.0まで下げてから5,5′-ジクロロ-9-エチル-
3,3′-ジ-(3-スルホプロピル)-オキサカルボシアニンナ
トリウム塩の無水物をハロゲン化銀1モル当たり400mg
添加し、前記のデモールN水溶液と硫酸マグネシウム水
溶液を用いて脱塩した後ゼラチン溶液を加えて再分散し
た。
【0073】この方法により平均沃化銀含有率2.0モル
%の頂点が丸みを帯びた14面体で平均粒径 0.40μm、0.
65μm、1.00μm、変動係数(δ/r)がそれぞれ0.17、
0.16、0.16の単分散沃臭化銀乳剤を(A)、(B)及び
(C)を調製した。
【0074】種乳剤の調製2 40℃で激しく撹拌した過酸化水素処理ゼラチンを含む0.
05Nの臭化カリウム水溶液に、硝酸銀水溶液と過酸化水
素処理ゼラチンを含む等モルの臭化カリウム水溶液をダ
ブルジェット法で添加し、1.5分後から30分間かけて25
℃まで液温を下げてから硝酸銀1モル当たり80mlのアン
モニア水(28%)を加え5分間撹拌を続けた。
【0075】その後、酢酸にてpHを6.0に合わせてから
デモールN水溶液と硫酸マグネシウム水溶液を用いて脱
塩した後、ゼラチン水溶液を加えて再分散した。得られ
た種乳剤は平均粒径0.23μm、変動係数0.28の球型粒子
だった。
【0076】種乳剤からの成長2 上述の種乳剤を用い次のように粒子を成長させた。75℃
で激しく撹拌したオセインゼラチンと、プロピレンオキ
シ-ポリエチレンオキシ-ジサクシネート-ジナトリウム
塩を含む水溶液に臭化カリウムと沃化カリウムの水溶液
及び硝酸銀水溶液をダブルジェット法で添加した。
【0077】この間pH=5.8、pAg=9.0に保った。添加
終了後pHを6.0に合わせ5,5′-ジクロロ-9-エチル-3,
3′-ジ-(3-スルホプロピル)-オキサカルボシアニンナト
リウム塩の無水物をハロゲン化銀1モル当たり400mg添
加した。さらに40℃にてデモールN水溶液を用いて脱塩
した後ゼラチン水溶液を加えて再分散した。
【0078】この方法により平均沃化銀含有率1.5モル
%で投影面積直径0.96μm、変動係数0.25、アスペクト
比が2.0、4.0及び6.0の平板状沃臭化銀乳剤(D-1)、
(D-2)、(D-3)を調製した。
【0079】試料の調製 得られた乳剤(A)、(B)、(C)及び(D−1)〜
(D−3)のそれぞれに、55℃にて5,5′-ジクロロ-9-
エチル-3,3′-ジ-(3-スルホプロピル)-オキサカルボシ
アニンナトリウムの無水物と5,5′-ジ-(ブトキシカルボ
ニル)-1,1′-ジエチル-3,3′-ジ-(4-スルホブチル)-ベ
ンゾイミダゾロカルボシアニンナトリウム塩の無水物を
200:1の重量比でハロゲン化銀1モル当たり(A)が975
mg、(B)が600mg、(C)が390mg、(D−1)〜(D
−3)が500mg添加した。
【0080】10分後、適当量の塩化金酸、チオ硫酸ナト
リウム、チオシアン酸アンモニウムを加えて化学熟成を
行った。熟成終了15分前に沃化カリウムをハロゲン化銀
1モル当たり200mg添加し、その後4-ヒドロキシ-6-メチ
ル-1,3,3a,7-テトラザインデンをハロゲン化銀1モル当
たり3×10-2モル加え、ゼラチンを70g含む水溶液に分
散した。
【0081】熟成済みの4種類の乳剤のうち(A)、
(B)及び(C)は重量比で15:65:20の割合で混合し乳
剤(R−1)とし、(D−1)、(D−2)、(D−
3)はそれぞれ単独のまま用いた。
【0082】乳剤のそれぞれに対し特開平2-301744号、
95頁16行〜96頁20行に示された通りの添加剤を加えた。
又、表2に示すようにハロゲン化銀溶剤を加えた。
【0083】さらに下記に示す染料乳化分散液をハロゲ
ン化銀1モル当たり1.2g加えて乳剤塗布液とした。
【0084】染料乳化分散液の調製方法 下記の染料10kgをトリクレジルホスヘイト28lと酢酸エ
チル85lからなる溶媒に55℃で溶解した。これをオイル
系溶媒と言う。一方、下記のアニオン性活性剤(AS)を
1.35kg含む9.3%ゼラチン水溶液を調製し、次いでオイ
ル系溶媒と、ゼラチン水溶液を分散釜にいれ、液温を40
℃に保ちながら分散した。得られた分散液にフェノール
と1,1′-ジメチロール-1-ブロム-1-ニトロメタンの適当
量を加え水で240kgに仕上げた。
【0085】
【化2】
【0086】塩化銀乳剤の調製 乳剤No.A(AgCl1.00平板状粒子)の調製 撹拌機を備えた反応器に、高メチオニンゼラチン(ゼラ
チン1g当たりメチオニン59.7mM含有)90gを含有する
蒸留水6000gと0.5MのCaCl2・2H2Oを充填した。40℃で
pHを5.1に調整し、NaOHまたはHNO3の添加により沈殿全
体の値をそのまま維持した。使用される全Ag量の1.6%
を消費する速度を4分間かけて0.5MのAgNO3溶液を添加
した。次に添加速度をさらに55分間かけて直線的に加速
(開始時から終了時まで9.32倍)し、その間にAgの残り
98.4%を消費した。沈殿開始後、4、16、36分目に37mM
のアデニン溶液30ccを添加した。10分目に3MのCaCl2
溶液3.78gを沈殿に加えた。アデニンとCaCl2溶液の添
加中、銀の流入を1分間停止し、添加物を均一に混合し
た。合計1.44MのAgが沈殿した。
【0087】乳剤No.B(AgBr0.10、Cl0.90平板状粒
子)の調製 撹拌機を備えた反応器に、前記の高メチオニンゼラチン
30gを含有する蒸留水6000g、0.7MのNaCl、20mMの4,
5,6-トリアミノピリミジン100g及びNaBrを14.0gを充
填した。40℃でpHを5.6に調整し、NaOHまたはHNO3の添
加により沈殿全体の値をそのまま維持した。0.5MのAgN
O3溶液を使用された全Agの0.3%を消費するする速度で
1分間かけて添加した。次に添加速度をさらに55分間か
けて直線的に加速(開始時から終了時まで9.8倍)し、
その間にAgの残り99.7%を消費した。沈殿開始後、1、
5、18分目にゼラチン溶液120ccを添加した。4MのNaC
l溶液400gおよび20mMの4,5,6-トリアミノピリミジン溶
液100gを沈殿開始後5分目と18分目に添加した。上記
材料の添加後、銀の流入を1分間停止し、添加物を均一
に混合した。合計1.5MのAgが沈殿した。
【0088】乳剤No.C(AgBr0.50、Cl0.50平板状粒
子)の調製 反応器にNaBrを60g加えた以外は乳剤Bと同様に調製し
た。pH5.6にて高メチオニンゼラチンと4,5,6-トリアミ
ノピリミジンの存在下で調製して得られた平板状粒子乳
剤は、平均サイズ(直径)1.8μm、厚さ0.35μm未満で
アスペクト比10の粒子を総粒子投影面積の80%より
多く含んでいた。
【0089】乳剤No.D(AgCl1.00平板状粒子)の調製 pHを5.6に維持した反応器に高メチオニンゼラチン5g
を充填したこと以外は乳剤No.Aと同様に調製した。銀
溶液は1分以内に総銀量の0.3%が消費されるように導
入した。アデニン溶液の添加は、沈殿開始後、1、16、
36分目に行った。さらに上記時間帯に10%ゼラチン溶液
120gを加えた。pH5.6にて高メチオニンゼラチンとア
デニンの存在下で調製して得られたAgCl1.00乳剤は、平
均サイズ(直径)2.0μm、厚さ0.35μm未満でアスペク
ト比15のの粒子を総粒子投影面積の80%より多く含んで
いた。
【0090】下記に得られた平板状乳剤を示す。表中の
TGPAは0.35μm未満の厚さの平板状粒子により占められ
た総粒子投影面積のパーセンテージを示す。
【0091】
【表1】
【0092】また保護層液に用いた添加剤は以下の通り
である。添加量は塗布液1リットル当たりの量である。
【0093】 石灰処理イナートゼラチン 68g 酸処理ゼラチン 2g ナトリウム-i-アミル-n-デシルスルホサクシネート 0.3g ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径5μmのマット剤) 1.1g 二酸化ケイ素(面積平均粒径3μmのマット剤) 0.5g ルドックスAM(デュポン社製コロイダルシリカ) 30mg グリオキザール40%水溶液 1.5ml (CH2=CHSO2CH2)2O 500mg ハロゲン化銀溶剤 表2に示す量
【0094】
【化3】
【0095】得られた塗布液を厚さ175μmの下引き済み
のブルーに着色したポリエチレンテレフタレートフィル
ムベース上に均一に塗布、乾燥した。
【0096】なお、塗布量は片面当たり乳剤層が銀換算
値で2.25g/m2で、ゼラチン付量として2.5g/m2、保
護層はゼラチン付量として0.99g/m2になるように2台
のスライドホッパー型コーターで毎分90mのスピードで
乳剤層、保護層を両面同時塗布して試料を得た。
【0097】次に本発明に用いた現像液及び定着液の組
成を示す。
【0098】 現像液組成 Part−A(12l仕上げ用) 水酸化カリウム 450g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 2280g ジエチレンテトラアミン五酢酸 120g 重炭酸水素ナトリウム 132g ホウ酸 40g 5-メチルベンゾトリアゾール 1.4g 5-ニトロベンゾイミダゾール 0.4g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 0.25g 4-ヒドロキシメチル-4-メチル-1-フェニルピラゾリドン 102g ハイドロキノン 390g ジエチレングリコール 550g 水を加えて 6000mlに仕上げる Part−B(12l仕上げ用) 氷酢酸 70g 5-ニトロインダゾール 0.6g グルタルアルデヒド(50%液) 8.0g N-アセチル-DL-ペニシラミン 1.2g スターター 氷酢酸 120g HO(CH2)2S(CH2)2S(CH2)2OH 1g 臭化カリウム 225g CH3N(C3H6NHCONHC2HSC2H5)2 1.0g 5-メチルベンゾトリアゾール 1.5g 純水を加えて 1.0lに仕上げる 定着液処方 Part−A(18.3l仕上げ用) チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol%) 4500g 亜硫酸ナトリウム 450g 酢酸ナトリウム 450g ホウ酸 110g 酒石酸 60g クエン酸ナトリウム 10g グルコン酸 70g 1-(N,N-ジメチルアミノ)-エチル-5-メルカプトテトラゾール 18g 氷酢酸 330g 硫酸アルミニウム 62g 純水で 7200mlに仕上げる 現像液の調製は水約5lにPartA、PartBを同時に添加
し、撹拌溶解しながら、水を加え12lに仕上げpHを10.
53に調整した。これを現像補充液とする。
【0099】この現像補充液1lに対して前記のスター
ターを20ml/l添加しpHを10.30に調整し使用液とす
る。
【0100】定着液の調製は水約5lにPartAを添加
し、撹拌溶解しながら水を加え18.3lに仕上げ、硫酸と
NH4OHを用いてpHを4.6に調整した。これを定着補充液
とする。
【0101】評価 <センシトメトリー>得られた試料を蛍光増感紙KO-250
(コニカ(株)製)で挟み、管電圧90KVP、20mAで0.05秒
のX線を照射し、距離法にてセンシトメトリーカーブを
作成し、感度及びガンマを求めた。感度はカブリ+1.0
の濃度を得るに必要なX線の逆数として求め、試料No.
1の感度を100とした場合の相対感度で示した。又、ガ
ンマは濃度1.0と2.0を結ぶ直線の傾きをθとしたときの
tanθをガンマ(γ)とした。値が大きい程、高ガンマ
であることを表す。なお現像は自動現像機SRX-503(コ
ニカ(株)製)で下記の工程でDry to Dry(全処理工程)
を45秒モードで処理した。現像液及び定着液の補充量は
表2に示した。
【0102】 処理工程 工 程 処理温度(℃) 処理時間(秒) 現像+渡り 35 14.6 定着+渡り 33 8.2 水洗+渡り 18 7.2(水洗水7リットル/毎分供給) スクイズ 40 5.7 乾燥 50 8.1 合計 −− 45.0 <ランニング安定性の評価>先に調製した試料フィルム
を濃度1.0になるよう均一露光をあたえ四つ切りサイズ
フィルムを1日70枚処理し初日、20日、60日後の感度、
ガンマの写真特性変化を調べた。
【0103】<残色性の評価>ランニング安定性の評価
試料のなかで、ランニング20日の時点で未露光の感光材
料を現像処理し、下記の評価基準で残色を目視評価し
た。
【0104】評価基準 5:残色汚染なし 4:僅かに残色汚染あり 3:やや残色汚染があるが実用上問題なし 2:残色汚染がやや多いが実用範囲の限界 1:残色汚染が多く実用上不可 <残留銀の評価>残色性の評価と同様に、ランニング20
日の時点で未露光のフィルム試料を残留銀評価用試料と
した。評価は残留銀評価液(硫化ナトリウムの2.6×10
-3モル/リットル水溶液)を前記の評価用フィルム上の
5ヶ所に1滴ずつ滴下する。3分間放置後、液をよく拭
きとって常温常湿下で15時間放置後、濃度計PDA-65(コ
ニカ(株)製)を用いて436±10nmの干渉フィルターで残
留銀評価液滴下部分と滴下しない部分のブルー光透過濃
度を測定し、その差を残留銀量の目安とした。値が大き
いほど処理後のフィルム中の残留銀濃度が高く、好まし
くないことを示す。
【0105】<鮮鋭性の評価>得られた試料について矩
形波チャートを撮影し、コントラスト法によりMTFを
求めた。なお、MTFは空間周波数2.0本/mmの値とし
た。値が大きいほど鮮鋭性が優れることを表す。得られ
た結果を下記の表3、4に示す。
【0106】
【表3】
【0107】
【表4】
【0108】表から明らかなように、本発明の試料はラ
ンニングでの感度、ガンマの変動が少なく安定した写真
性能を得られることが分かる。さらに本発明の試料は処
理液を低補充化しても比較試料に較べ処理後の残色汚染
性が少なく、かつ定着処理での脱銀性が良いために残留
銀が少なく、かつ画像の鮮鋭性も優れていることが分か
る。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば現像液を低補充してもラ
ンニングでの感度、ガンマの変動が少なく安定した写真
性能を有するハロゲン化銀写真感光材料を得られた。さ
らに本発明によれば処理後の残色汚染性が少なく、かつ
定着処理での脱銀性が良いために残留銀が少なく、かつ
画像の鮮鋭性も優れたハロゲン化銀写真感光材料とその
処理方法を提供できた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の少なくとも一方の面に、少な
    くとも1層のハロゲン化銀乳剤層と親水性コロイド層と
    を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロゲ
    ン化銀乳剤層の少なくとも1層は、全投影面積の総和の
    50%以上がアスペクト比3以上の臭化銀又は沃臭化銀か
    らなる平板状ハロゲン化銀粒子を含有し、かつ支持体か
    ら最も遠い位置に設層された親水性コロイド層中に、平
    板状塩化銀粒子を含有することを特徴とするハロゲン化
    銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 上記のハロゲン化銀乳剤層及び/又は親
    水性コロイド層中に少なくとも1種のハロゲン化銀溶剤
    を含有することを特徴とする請求項1記載のハロゲン化
    銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のハロゲン化
    銀写真感光材料を自動現像機で処理する方法において、
    現像液の補充量が感光材料1m2当たり50ml乃至300mlで
    あることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理
    方法。
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