JPH0729984B2 - 1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサン及びその製造法 - Google Patents
1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサン及びその製造法Info
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- JPH0729984B2 JPH0729984B2 JP18424386A JP18424386A JPH0729984B2 JP H0729984 B2 JPH0729984 B2 JP H0729984B2 JP 18424386 A JP18424386 A JP 18424386A JP 18424386 A JP18424386 A JP 18424386A JP H0729984 B2 JPH0729984 B2 JP H0729984B2
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- cyclohexane
- bis
- trifluoroacetoxy
- producing
- same
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規な化合物である1,1−ビス(トリフルオロ
アセトキシ)シクロヘキサン、及びその製造法に関す
る。
アセトキシ)シクロヘキサン、及びその製造法に関す
る。
[従来の技術及びその問題点] 1,1−ビス(アシルオキシ)シクロヘキサン及びその製
造法は従来知られていない。
造法は従来知られていない。
[問題点を解決するための手段及び作用] 本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、新規物質である1,
1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサンを
見出した。すなわち本発明は、1,1−ビス(トリフルオ
ロアセトキシ)シクロヘキサンおよびその製造法を提供
するものである。
1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサンを
見出した。すなわち本発明は、1,1−ビス(トリフルオ
ロアセトキシ)シクロヘキサンおよびその製造法を提供
するものである。
アシラール構造を有するシクロヘキサン類としては、1,
1−ビス(トリクロロアセトキシ)シクロヘキサンが知
られている唯一のものであるが、収率は13%と非常に低
い。〔テトラヘドロン(Tetrahedron),第25巻,1679頁
(1969)〕 本発明の1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロ
ヘキサンは、どのような方法によって製造されたもので
あってもよいが、好ましい製造法の1つは、下記反応式
で表わされるシクロヘキサノン〔式(II)〕とトリフル
オロ酢酸無水物〔式(III)〕とを反応させる方法であ
る。
1−ビス(トリクロロアセトキシ)シクロヘキサンが知
られている唯一のものであるが、収率は13%と非常に低
い。〔テトラヘドロン(Tetrahedron),第25巻,1679頁
(1969)〕 本発明の1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロ
ヘキサンは、どのような方法によって製造されたもので
あってもよいが、好ましい製造法の1つは、下記反応式
で表わされるシクロヘキサノン〔式(II)〕とトリフル
オロ酢酸無水物〔式(III)〕とを反応させる方法であ
る。
この方法により1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)
シクロヘキサンを高収率・高選択率で得ることができ
る。
シクロヘキサンを高収率・高選択率で得ることができ
る。
本反応は無溶媒で行なうこともできるが、反応に悪影響
を及ぼさない溶媒を用いることもできる。例えば、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ビフェニルエーテ
ルなどのエーテル類;二硫化炭素;塩化メチレン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエ
タン、テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素
類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼ
ン、クロロナフタレンなどのハロゲン化芳香族炭化水
素;ニトロベンゼン、ニトロトルエン、ニトロメタンな
どのニトロ化合物類;ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類などが使用され
る。
を及ぼさない溶媒を用いることもできる。例えば、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ビフェニルエーテ
ルなどのエーテル類;二硫化炭素;塩化メチレン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエ
タン、テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素
類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼ
ン、クロロナフタレンなどのハロゲン化芳香族炭化水
素;ニトロベンゼン、ニトロトルエン、ニトロメタンな
どのニトロ化合物類;ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類などが使用され
る。
本反応において原料として用いるシクロヘキサノン及び
トリフルオロ酢酸無水物は、どのような方法によって製
造されたものであってもよい。
トリフルオロ酢酸無水物は、どのような方法によって製
造されたものであってもよい。
本反応において原料として用いるシクロヘキサノンとト
リフルオロ酢酸無水物の量比は特に限定されるものでは
ないが、シクロヘキサノンに対するトリフルオロ酢酸無
水物のモル比で表わすと、通常0.01〜100、好ましくは
0.1〜50が用いられる。
リフルオロ酢酸無水物の量比は特に限定されるものでは
ないが、シクロヘキサノンに対するトリフルオロ酢酸無
水物のモル比で表わすと、通常0.01〜100、好ましくは
0.1〜50が用いられる。
また、触媒を添加することも良い。触媒としては例え
ば、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸等のカルボン
酸、三フッ化ホウ素等のルイス酸、パラトルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸等の有機スルホン酸、硫酸等の鉱酸などを使用するこ
とができる。
ば、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸等のカルボン
酸、三フッ化ホウ素等のルイス酸、パラトルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸等の有機スルホン酸、硫酸等の鉱酸などを使用するこ
とができる。
本反応を行なう場合の反応温度及び反応時間は原料の量
比や、溶媒の有無によって異なるが、通常−40〜250
℃、5分〜500時間であり、好ましくは0〜150℃、10分
〜200時間である。
比や、溶媒の有無によって異なるが、通常−40〜250
℃、5分〜500時間であり、好ましくは0〜150℃、10分
〜200時間である。
[発明の効果] 本発明の1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロ
ヘキサンは工業薬品等の合成中間体として使用すること
ができる。すなわち、強い電子吸引基であり、なおかつ
それ自信が不活性であるトリフルオロアセトキシ基が2
つ置換した炭素原子をもつ構造であるため、当該炭素原
子は求核的反応に対し高い活性をもつ。一例を挙げれ
ば、ハロゲン化試剤と反応させることにより、従来製造
の困難であったフッ素等の置換されたハロゲン化シクロ
ヘキサン類を製造することができる。
ヘキサンは工業薬品等の合成中間体として使用すること
ができる。すなわち、強い電子吸引基であり、なおかつ
それ自信が不活性であるトリフルオロアセトキシ基が2
つ置換した炭素原子をもつ構造であるため、当該炭素原
子は求核的反応に対し高い活性をもつ。一例を挙げれ
ば、ハロゲン化試剤と反応させることにより、従来製造
の困難であったフッ素等の置換されたハロゲン化シクロ
ヘキサン類を製造することができる。
[実施例] 以下に実施例を示し、本発明を具体的に述べる。
実施例1 シクロヘキサノン44.2g(0.45モル)とトリフルオロ酢
酸無水物283.5g(1.35モル)とを、予め系内を窒素置換
した反応器に入れ、25℃で3時間撹拌した後、25℃で70
時間静置した。反応液は、未反応のトリフルオロ酢酸無
水物を室温で減圧下に留去した後、さらに減圧蒸留を行
なうことにより精製を行なった。主留分として沸点84〜
86℃(19mmHg)の無色の液体を得た。収量115g(シクロ
ヘキサノン基準の収率は83%)。
酸無水物283.5g(1.35モル)とを、予め系内を窒素置換
した反応器に入れ、25℃で3時間撹拌した後、25℃で70
時間静置した。反応液は、未反応のトリフルオロ酢酸無
水物を室温で減圧下に留去した後、さらに減圧蒸留を行
なうことにより精製を行なった。主留分として沸点84〜
86℃(19mmHg)の無色の液体を得た。収量115g(シクロ
ヘキサノン基準の収率は83%)。
この無色の液体は以下に示す分析法により1,1−ビス
(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサンであると同
定された。
(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサンであると同
定された。
赤外吸収スペクトル:(薄膜,KBr)2960cm-1,1795cm-1,
1230cm-1,1170cm-1,1115cm-1 マススペクトル:m/e=195(M+−CF3CO2),194(M+−CF3
CO2H),81,80 プロトンNMR(δ値):1.2〜2.0ppm(6H,m),2.0〜2.7pp
m(4H,m) 実施例2 シクロヘキサノン9.8g(0.10モル)とトリフルオロ酢酸
無水物21.0g(0.10モル)とを原料として用い、反応温
度・反応時間としては、25℃で3時間撹拌した後40時間
静置した他は、実施例1の同様の方法で行なった。減圧
蒸留による主留分として1,1−ビス(トリフルオロアセ
トキシ)シクロヘキサン21.6g(収率70%)を得た。
1230cm-1,1170cm-1,1115cm-1 マススペクトル:m/e=195(M+−CF3CO2),194(M+−CF3
CO2H),81,80 プロトンNMR(δ値):1.2〜2.0ppm(6H,m),2.0〜2.7pp
m(4H,m) 実施例2 シクロヘキサノン9.8g(0.10モル)とトリフルオロ酢酸
無水物21.0g(0.10モル)とを原料として用い、反応温
度・反応時間としては、25℃で3時間撹拌した後40時間
静置した他は、実施例1の同様の方法で行なった。減圧
蒸留による主留分として1,1−ビス(トリフルオロアセ
トキシ)シクロヘキサン21.6g(収率70%)を得た。
第1図は本発明の1,1−ビス(トリフルオロアセトキ
シ)シクロヘキサンの赤外吸収スペクトル、第2図は本
発明の1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘ
キサンのプロトンNMRスペクトル、第3図は本発明の1,1
−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサンのマ
ススペクトルを示す。
シ)シクロヘキサンの赤外吸収スペクトル、第2図は本
発明の1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘ
キサンのプロトンNMRスペクトル、第3図は本発明の1,1
−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサンのマ
ススペクトルを示す。
Claims (2)
- 【請求項1】式(I)で表わされる1,1−ビス(トリフ
ルオロアセトキシ)シクロヘキサン。 - 【請求項2】シクロヘキサンとトリフルオロ酢酸無水物
とを反応させることから成る1,1−ビス(トリフルオロ
アセトキシ)シクロヘキサンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18424386A JPH0729984B2 (ja) | 1986-08-07 | 1986-08-07 | 1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサン及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18424386A JPH0729984B2 (ja) | 1986-08-07 | 1986-08-07 | 1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサン及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6341443A JPS6341443A (ja) | 1988-02-22 |
JPH0729984B2 true JPH0729984B2 (ja) | 1995-04-05 |
Family
ID=16149887
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18424386A Expired - Lifetime JPH0729984B2 (ja) | 1986-08-07 | 1986-08-07 | 1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサン及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0729984B2 (ja) |
-
1986
- 1986-08-07 JP JP18424386A patent/JPH0729984B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Tetrahydron,Vol.25(1969),P.1679 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6341443A (ja) | 1988-02-22 |
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