JPH07291816A - レジン歯接着剤 - Google Patents
レジン歯接着剤Info
- Publication number
- JPH07291816A JPH07291816A JP6124799A JP12479994A JPH07291816A JP H07291816 A JPH07291816 A JP H07291816A JP 6124799 A JP6124799 A JP 6124799A JP 12479994 A JP12479994 A JP 12479994A JP H07291816 A JPH07291816 A JP H07291816A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive
- polycarbonate
- resin
- denture
- tooth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Dental Preparations (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 アクリル系人工歯がポリカーボネート義歯床
に強固に維持されたポリカーボネート床義歯を得るため
の接着剤組成物及び製作方法を提供する。 【構成】 ビスフェノールAを含むジ(メタ)アクリル
酸誘導体5〜50%及びハロゲン化アルキル等の溶剤5
0〜95%からなる接着材組成物をレジン歯基底面に塗
布乾燥後溶融軟化したポリカーボネートを填入固化させ
ると同時に、該接着材を重合させる。 【効果】 アクリル系人工歯を使用したアクリル床義歯
と同様の接着力を得る。
に強固に維持されたポリカーボネート床義歯を得るため
の接着剤組成物及び製作方法を提供する。 【構成】 ビスフェノールAを含むジ(メタ)アクリル
酸誘導体5〜50%及びハロゲン化アルキル等の溶剤5
0〜95%からなる接着材組成物をレジン歯基底面に塗
布乾燥後溶融軟化したポリカーボネートを填入固化させ
ると同時に、該接着材を重合させる。 【効果】 アクリル系人工歯を使用したアクリル床義歯
と同様の接着力を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレジン歯を義歯床用ポリ
カーボネート樹脂と接着させる接着剤組成と義歯製作法
に関する。
カーボネート樹脂と接着させる接着剤組成と義歯製作法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のアクリル床義歯は、アクリル系人
工歯を選択した場合、床となる部分はアクリル系モノマ
ーとポリマーの混合物を石膏型に填入した後、重合させ
るのでアクリル系人工歯と床部分が強固に接着する利点
を有する。
工歯を選択した場合、床となる部分はアクリル系モノマ
ーとポリマーの混合物を石膏型に填入した後、重合させ
るのでアクリル系人工歯と床部分が強固に接着する利点
を有する。
【0003】しかし、アクリル床義歯の欠点として、
脆く割れ易い、未反応モノマーによる為害性を有す
る、経時的変化による唾液水分など吸収による物性低
下及び悪臭の付加、加熱重合法により製作した場合特
に重合収縮及び熱変形による寸法変化がある。
脆く割れ易い、未反応モノマーによる為害性を有す
る、経時的変化による唾液水分など吸収による物性低
下及び悪臭の付加、加熱重合法により製作した場合特
に重合収縮及び熱変形による寸法変化がある。
【0004】上記欠点を除去したものとして、義歯床用
強化ポリカーボネート樹脂が実用化されている。しか
し、使用されるアクリル人工歯と義歯床用強化ポリカー
ボネート樹脂間に接着性が無いためにアクリル系人工歯
が強化ポリカーポネート義歯床から容易に脱落する欠点
が生じる。このため、アクリル系人工歯に維持形態を設
け、機械的に脱落を防止する方法が行われている。又、
アクリル系人工歯基底面に樹脂をドーブで接着する方法
((株)宇部興産 特開平1−256951号)も開示
されている。
強化ポリカーボネート樹脂が実用化されている。しか
し、使用されるアクリル人工歯と義歯床用強化ポリカー
ボネート樹脂間に接着性が無いためにアクリル系人工歯
が強化ポリカーポネート義歯床から容易に脱落する欠点
が生じる。このため、アクリル系人工歯に維持形態を設
け、機械的に脱落を防止する方法が行われている。又、
アクリル系人工歯基底面に樹脂をドーブで接着する方法
((株)宇部興産 特開平1−256951号)も開示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとするための課題】本発明は射出成
形又は圧迫成形で作製されるポリカーボネート義歯床と
アクリル系人工歯とを強固に接着させる点にある。
形又は圧迫成形で作製されるポリカーボネート義歯床と
アクリル系人工歯とを強固に接着させる点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、アクリル系人工歯の基底面とポリカーボ
ネート樹脂の両方の界面に対し濡れ性が良く、液体と
して流動性が良く、最終的に体積収縮が低く、固化し
強靭な相を形成する接着材を検討した結果、アクリル系
人工歯とポリカーボネート義歯床とを従来のアクリル床
義歯と同様強固に接着させる接着剤が得られるに至っ
た。すなわち、モノマー分子構造中にポリカーボネート
分子を構成するジフェニルイソプロピリデン構造を有
し、かつ、アクリル系人工歯基底部と濡れ性が高くなる
ような(メタ)アクリル酸誘導体構造を有する一般式
〔I〕を薄く塗布できるように揮発性溶剤に溶解した接
着剤である。
決するため、アクリル系人工歯の基底面とポリカーボ
ネート樹脂の両方の界面に対し濡れ性が良く、液体と
して流動性が良く、最終的に体積収縮が低く、固化し
強靭な相を形成する接着材を検討した結果、アクリル系
人工歯とポリカーボネート義歯床とを従来のアクリル床
義歯と同様強固に接着させる接着剤が得られるに至っ
た。すなわち、モノマー分子構造中にポリカーボネート
分子を構成するジフェニルイソプロピリデン構造を有
し、かつ、アクリル系人工歯基底部と濡れ性が高くなる
ような(メタ)アクリル酸誘導体構造を有する一般式
〔I〕を薄く塗布できるように揮発性溶剤に溶解した接
着剤である。
【0007】本発明に用いられる溶剤は揮発性の高い溶
媒が望ましい。例えばジクロロメタン、クロロホルム、
四塩化炭素等、更にアセトン、メチルエチルケトン、酢
酸エチル、酢酸メチル等があげられる。
媒が望ましい。例えばジクロロメタン、クロロホルム、
四塩化炭素等、更にアセトン、メチルエチルケトン、酢
酸エチル、酢酸メチル等があげられる。
【0008】本発明の好ましい様態においては、本発明
に用いられる接着剤モノマー濃度は5〜50重量%、好
ましくは15〜30重量%の範囲である。
に用いられる接着剤モノマー濃度は5〜50重量%、好
ましくは15〜30重量%の範囲である。
【0009】また、接着剤モノマーは1種類又は2種類
以上の混合系でもよい。
以上の混合系でもよい。
【0010】さらに、本発明の接着剤中に一般的に使用
される重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤として
はジベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が使用
できる。
される重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤として
はジベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が使用
できる。
【0011】なお、アクリル系人工歯とは、従来からよ
く使用されている全体が主としてポリメチルメタクリレ
ートより形成されるもの、硬質レジン歯といわれる唇面
側(琺瑯部)が多官能(メタ)アクリルを主成分とし、
耐磨耗性、圧縮強度などの物性を向上させ、基底面(象
牙部)が従来のレジン歯と大略同組成のポリメチルメタ
クリレートを主成分とするレジン歯を含むものである。
く使用されている全体が主としてポリメチルメタクリレ
ートより形成されるもの、硬質レジン歯といわれる唇面
側(琺瑯部)が多官能(メタ)アクリルを主成分とし、
耐磨耗性、圧縮強度などの物性を向上させ、基底面(象
牙部)が従来のレジン歯と大略同組成のポリメチルメタ
クリレートを主成分とするレジン歯を含むものである。
【0012】また、義歯床用ポリカーボネートとは、ポ
リカーボネート又はこれにガラス繊維等の強化材を5〜
20重量%を含ませたもので、通常、歯ぎん色に着色さ
れており、義歯床用強化ポリカーボネート樹脂と言われ
ているものも当然包含される。
リカーボネート又はこれにガラス繊維等の強化材を5〜
20重量%を含ませたもので、通常、歯ぎん色に着色さ
れており、義歯床用強化ポリカーボネート樹脂と言われ
ているものも当然包含される。
【0013】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。日本工業規格JIS T 6511 1980に
記載された人工歯破折試験法に従い、実施例1から8の
レジン歯を用いてレジン歯試験体(ワックス)を作製し
た。準備した試験体をコスモスデンチャーシステム
((株)三協)の義歯製作法に従って、石膏埋没・脱ろ
う後フラスコを開輪し、レジン歯の基底面に実施例1か
ら8の本発明接着剤を塗布する等の処理を行う。フラス
コ温度60℃、樹脂軟化温度300℃とし、強化ポリカ
ーボネート樹脂(帝人化成(株)製・商品名:パンライ
ト)を射出成形しテストピースを得た。
する。日本工業規格JIS T 6511 1980に
記載された人工歯破折試験法に従い、実施例1から8の
レジン歯を用いてレジン歯試験体(ワックス)を作製し
た。準備した試験体をコスモスデンチャーシステム
((株)三協)の義歯製作法に従って、石膏埋没・脱ろ
う後フラスコを開輪し、レジン歯の基底面に実施例1か
ら8の本発明接着剤を塗布する等の処理を行う。フラス
コ温度60℃、樹脂軟化温度300℃とし、強化ポリカ
ーボネート樹脂(帝人化成(株)製・商品名:パンライ
ト)を射出成形しテストピースを得た。
【0014】このテストピースを島津オートグラフSI
−5000にてクロスヘッドスピード0.5mm/mi
nで引っ張った。人工歯の破折強度の結果は表1に表示
する
−5000にてクロスヘッドスピード0.5mm/mi
nで引っ張った。人工歯の破折強度の結果は表1に表示
する
【0015】実施例1〜3 人工歯:硬質レジン歯((株)松風製 エンデュラ・ア
ンテリオ HC−5上顎中切歯)。 接着剤:表1に表示。 溶剤:表1に表示。
ンテリオ HC−5上顎中切歯)。 接着剤:表1に表示。 溶剤:表1に表示。
【0016】実施例4〜8 人工歯:レジン歯((株)松風製 リアルクラウン C
−5 上顎中切歯)。 接着剤:表1に表示。 溶剤:表1に表示。
−5 上顎中切歯)。 接着剤:表1に表示。 溶剤:表1に表示。
【0017】比較例1〜7として表2に示した組成比で
実施例と同様の試験を行った。結果を表2に示した。
実施例と同様の試験を行った。結果を表2に示した。
【0018】比較例1〜6 人工歯:硬質レジン歯((株)松風製 エンデュラ・ア
ンテリオ HC−5上顎中切歯)。 接着剤:表2に表示。 溶剤:表2に表示。
ンテリオ HC−5上顎中切歯)。 接着剤:表2に表示。 溶剤:表2に表示。
【0019】比較例7 人工歯:レジン歯((株)松風製 リアルクラウン C
−5 上顎中切歯)。 接着剤:表2に表示。 溶剤:表2に表示。
−5 上顎中切歯)。 接着剤:表2に表示。 溶剤:表2に表示。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明の接着剤を使用することにより、
ポリカーボネート床義歯を製作するとアクリル系人工歯
がポリカーボネート義歯床に強固に維持されたポリカー
ボネート床義歯が得られるため、従来のアクリル床義歯
と比べ、破折強度が高く、吸水率が低く、悪臭の付加が
少なく、かつ残留モノマーを全く含まない義歯が得られ
る。
ポリカーボネート床義歯を製作するとアクリル系人工歯
がポリカーボネート義歯床に強固に維持されたポリカー
ボネート床義歯が得られるため、従来のアクリル床義歯
と比べ、破折強度が高く、吸水率が低く、悪臭の付加が
少なく、かつ残留モノマーを全く含まない義歯が得られ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式〔化1〕で示されるビスフェノー
ルAを含むジ(メタ)アクリル酸エステル誘導体からな
る義歯床用ポリカーボネート樹脂とレジン歯の接着材。 【化1】 但し、R1はH又はCH3、R2及びR3はアルキレン
基、m及びnは0〜6の整数である。 - 【請求項2】 一般式〔化1〕で示されるビスフェノー
ルAを含む(メタ)アクリル酸誘導体と揮発性の高い溶
媒からなる接着剤。 - 【請求項3】 ポリカーボネート床義歯を作製するに際
し、レジン歯基底面に当該接着剤を塗布乾燥後、溶融軟
化したポリカーボネート樹脂を填入固化させると同時に
当該接着剤を熱重合させる事を特徴とする義歯の製作方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6124799A JPH07291816A (ja) | 1994-04-25 | 1994-04-25 | レジン歯接着剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6124799A JPH07291816A (ja) | 1994-04-25 | 1994-04-25 | レジン歯接着剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07291816A true JPH07291816A (ja) | 1995-11-07 |
Family
ID=14894418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6124799A Pending JPH07291816A (ja) | 1994-04-25 | 1994-04-25 | レジン歯接着剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07291816A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007022503A2 (en) * | 2005-08-18 | 2007-02-22 | Dentsply International Inc. | Adhesive and method for bonding artificial plastic teeth |
JP2015030692A (ja) * | 2013-08-01 | 2015-02-16 | 株式会社松風 | レジン歯接着性組成物 |
-
1994
- 1994-04-25 JP JP6124799A patent/JPH07291816A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007022503A2 (en) * | 2005-08-18 | 2007-02-22 | Dentsply International Inc. | Adhesive and method for bonding artificial plastic teeth |
WO2007022503A3 (en) * | 2005-08-18 | 2007-04-05 | Dentsply Int Inc | Adhesive and method for bonding artificial plastic teeth |
JP2009504350A (ja) * | 2005-08-18 | 2009-02-05 | デンツプライ インターナショナル インコーポレーテッド | 人工プラスチック歯を接着するための接着剤および方法 |
JP2015030692A (ja) * | 2013-08-01 | 2015-02-16 | 株式会社松風 | レジン歯接着性組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2210661C (en) | A polymer-fibre prepreg, a method for the preparation thereof as well as the use of said prepreg | |
CA2280632C (en) | Light-polymerizable single-component dental material | |
JP3971307B2 (ja) | 歯科用及び医療用重合性組成物 | |
CN105722494B (zh) | 抗冲改性的义齿基托组合物 | |
US20040097627A1 (en) | Dental and medical polymer composites and compositions | |
CA2164786A1 (en) | Polymerizable dental material | |
CA2141158A1 (en) | Use of thermally curable composition as dental material | |
JPS63101408A (ja) | オリゴマー又はプレポリマー系有機化合物及び重合可能な混合物 | |
JPS5936602B2 (ja) | 歯牙用加工材料 | |
JPH0825854B2 (ja) | 歯科用セメント | |
Kitasako et al. | Long-term tensile bond durability of two different 4-META containing resin cements to dentin | |
JPH07291816A (ja) | レジン歯接着剤 | |
Stoia et al. | Tensile testing, a method used to demonstrate the effect of organic solvents on acrylic teeth denture base resin bond strength | |
JPH02212455A (ja) | イタコン酸モノエステル化合物及びそれらを含有してなる接着剤 | |
JPH0447642B2 (ja) | ||
US8067482B2 (en) | Material for producing plastic molded parts that can be used in the field of dentistry | |
JPH0331684B2 (ja) | ||
JPS63233905A (ja) | 矯正用光硬化型樹脂複合組成物 | |
JPS5928532B2 (ja) | 歯科用接着組成物 | |
DE19934117A1 (de) | Haftvermittler für Siliconmaterialien | |
US6575750B2 (en) | Dental embedding material, dental kit and method for making a prosthesis | |
JP2578212B2 (ja) | マレイン酸モノエステル化合物及びそれらを含有してなる接着剤 | |
JP4712164B2 (ja) | 歯科用レジン分離材組成物 | |
JP3466320B2 (ja) | 重合硬化性レジンの表面被覆剤 | |
JPH0420403B2 (ja) |