JPH07277848A - 多孔質焼結体、耐熱性電極及び固体電解質型燃料電池 - Google Patents

多孔質焼結体、耐熱性電極及び固体電解質型燃料電池

Info

Publication number
JPH07277848A
JPH07277848A JP6074865A JP7486594A JPH07277848A JP H07277848 A JPH07277848 A JP H07277848A JP 6074865 A JP6074865 A JP 6074865A JP 7486594 A JP7486594 A JP 7486594A JP H07277848 A JPH07277848 A JP H07277848A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
porous sintered
sintered body
site
manganese
atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6074865A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3471890B2 (ja
Inventor
Shinji Kawasaki
真司 川崎
Hirotake Yamada
裕丈 山田
Kazuyo Mori
和代 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP07486594A priority Critical patent/JP3471890B2/ja
Publication of JPH07277848A publication Critical patent/JPH07277848A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3471890B2 publication Critical patent/JP3471890B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/90Selection of catalytic material
    • H01M4/9016Oxides, hydroxides or oxygenated metallic salts
    • H01M4/9025Oxides specially used in fuel cell operating at high temperature, e.g. SOFC
    • H01M4/9033Complex oxides, optionally doped, of the type M1MeO3, M1 being an alkaline earth metal or a rare earth, Me being a metal, e.g. perovskites
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】900〜1100℃の温度と、室温〜600℃
の温度との間で、加熱−冷却サイクルをかけた場合に、
この熱サイクルに対して安定な多孔質焼結体を提供する
こと。多孔質焼結体からなる耐熱性電極と他の構成材料
との間でクラックが発生するのを、防止すること。 【構成】ペロブスカイト構造の複合酸化物からなる多孔
質焼結体であって、複合酸化物のBサイトにマンガン原
子が含有されており、多孔質焼結体を大気中、1000
℃で2時間熱処理した後、1秒以内に20℃の外気中に
曝露させ、外気温にまで急冷した後において、マンガン
原子の平均価数が3.25以上であり、室温と1000
℃との間の熱サイクルによって生ずる多孔質焼結体の寸
法収縮が熱サイクル1回当たり0.01%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔質焼結体、これを
使用した耐熱性電極及び固体電解質型燃料電池に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解質型燃料電池の開発事業におい
ては、高温で安定な材料の探索が重要である。このた
め、従来、固体電解質型燃料電池の発電温度である10
00℃近辺においては、空気極を長時間保持してその耐
久性を測定する実験が、行われてきている。固体電解質
型燃料電池の空気極材料としては、現在、ランタンマン
ガナイト焼結体が有望と見られている(エネルギー総合
工学、13、2、52〜68頁、1990年)。前記し
たランタンマンガナイトからなる多孔質焼結体が、発電
装置の運転温度における安定性、耐熱性という点で優れ
ているので、着目されているのである。こうしたランタ
ンマンガナイト焼結体においては、ほぼ化学量論的組成
のものやAサイト(ランタン部位)が一部欠損した組成
のもの(マンガンリッチな組成)が知られている。特
に、AサイトにCa、Srをドープしたランタンマンガ
ナイトからなる多孔質焼結体が、自己支持型の空気極管
を含む空気極の材料として有望視されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、こうしたラ
ンタンマンガナイト多孔質焼結体について、次の問題が
あることを、本発明者が初めて発見した。即ち、本発明
者は、従来のランタンマンガナイト多孔質焼結体につい
て、固体電解質型燃料電池の発電温度である900〜1
100℃の温度と、室温〜600℃の温度との間で、加
熱−冷却サイクルをかけ、その安定性を試験してみた。
このランタンマンガナイトは、Bサイトは特に置換され
ておらず、Aサイトの10%〜20%がカルシウムによ
って置換されているものであり、又は、Aサイトの10
%〜15%がストロンチウムによって置換されているも
のであった。
【0004】この結果、900〜1100℃の温度と、
室温〜600℃の温度との間で加熱−冷却サイクルをか
けると、上記の多孔質焼結体の寸法が、熱サイクル1回
当り0.01〜0.04%程度収縮することが判明し
た。しかも、この熱サイクルによる収縮は、100回の
熱サイクルをかけても収束せず、100回の熱サイクル
で数%にも及ぶことが判明した。このように多孔質焼結
体からなる空気極が収縮すると、多孔質焼結体からなる
空気極と、単電池の他の構成材料との間でクラックが発
生し、単電池の破壊が生ずることが判明した。しかも、
この単電池を1000℃で長時間動作させても、このよ
うなクラックは全く発生しなかった。従って、この現象
は、上記の多孔質焼結体の焼成収縮によるものではな
く、上記の熱サイクルによる寸法変化に起因するものと
考えられた。
【0005】本発明の課題は、上記の熱サイクルに対し
て安定な、耐熱性の多孔質焼結体を提供することであ
る。また、本発明の課題は、特に固体電解質型燃料電池
等で使用する耐熱性電極において、上記の熱サイクルに
起因する耐熱性電極の寸法収縮によって、耐熱性電極と
他の構成材料との間でクラックが発生するのを、防止で
きるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ペロブスカイ
ト構造の複合酸化物からなる多孔質焼結体であって、複
合酸化物のBサイトにマンガン原子が含有されており、
この複合酸化物におけるマンガン原子の平均価数が10
00℃において3.25以上であり、室温と1000℃
との間の熱サイクルによって生ずる多孔質焼結体の寸法
収縮が熱サイクル1回当たり0.01%以下であること
を特徴とする、多孔質焼結体に係るものである。
【0007】また、本発明は、ペロブスカイト構造の複
合酸化物からなる多孔質焼結体であって、複合酸化物の
Bサイトにマンガン原子が含有されており、この多孔質
焼結体を大気中、1000℃で2時間熱処理した後、1
秒以内に20℃の外気中に曝露させ、外気温にまで急冷
した後において、複合酸化物におけるマンガン原子の平
均価数が3.25以上であり、室温と1000℃との間
の熱サイクルによって生ずる寸法収縮が熱サイクル1回
当たり0.01%以下であることを特徴とする、多孔質
焼結体に係るものである。
【0008】また、本発明は、上記の多孔質焼結体から
なることを特徴とする耐熱性電極に係るものである。ま
た、本発明は、上記の多孔質焼結体からなる空気極を備
えていることを特徴とする、固体電解質型燃料電池に係
るものである。
【0009】
【作用】最初に、本発明者は、上記の熱サイクルに伴な
う多孔質焼結体の寸法収縮が生ずる機構などについて、
研究を進めた。この結果、室温から1000℃程度まで
温度を上昇させると、多孔質焼結体の重量が僅かに減少
し、再び室温に温度を降下させると、この重量が元に戻
ることが分かった。
【0010】本発明者は、更にこの現象を検討した結
果、600℃以下の低温領域と、900℃以上の高温領
域との間で、結晶格子において酸素の出入りがあること
を確認した。この点を更に追求してみると、ペロブスカ
イト構造体の結晶格子のBサイトに存在するマンガン原
子の価数が、こうした結晶格子の安定性に関係している
ことがわかってきた。
【0011】更に具体的には、1000℃における複合
酸化物中のマンガン原子の価数が3.25以上である
と、複合酸化物の結晶格子が、前記熱サイクルに対して
安定になり、熱サイクルを加えたときに結晶格子からの
酸素の出入りが抑制され、多孔質焼結体の熱サイクルに
よる収縮を防止できることが判明した。
【0012】これにより、特に固体電解質型燃料電池の
ように、多孔質焼結体からなる電極と他の構成材料とが
接合された発電用品において、900〜1100℃の温
度と、室温〜600℃の温度との間で加熱−冷却サイク
ルをかけても、多孔質焼結体からなる電極と他の構成材
料との間でクラックが発生しないことを確認した。
【0013】なお、複合酸化物中の1000℃における
マンガンの平均価数を直接測定することは困難なので、
多孔質焼結体を大気中、1000℃で2時間熱処理した
後、1秒以内に20℃の外気中に曝露させ、外気温にま
で急冷し、次いで多孔質焼結体を粉砕し、この粉末につ
いてマンガンの平均価数を測定する。
【0014】多孔質焼結体を、大気中、1000℃で2
時間熱処理するのは、マンガンの状態を安定させるため
であり、1000℃から20℃まで急冷するのは、多孔
質焼結体を徐冷すると、この間の雰囲気、降温速度、温
度分布等によってマンガンの平均価数が変動することが
あるからである。
【0015】更に、マンガンの前記平均価数を3.27
以上にすることにより、前記寸法収縮率が熱サイクル1
回当たり0.005%以下にまで顕著に減少した。更
に、前記平均価数が3.30以上の範囲では、前記熱サ
イクルによる寸法収縮がほぼ見られなくなった。また、
前記平均価数は、実際上、3.75以下とすることが好
ましい。
【0016】
【実施例】最初に、本発明に係る多孔質焼結体を構成す
る複合酸化物の組成について、例示する。まず、複合酸
化物のBサイトにマンガンが含有されているが、好まし
くは、複合酸化物のAサイトに、セリウムを除く希土
類、アルカリ土類及びイットリウムからなる群より選ば
れた1種以上の金属原子が含有されている。
【0017】好ましい態様においては、複合酸化物のA
サイトに、セリウムを除く希土類及びイットリウムから
なる群より選ばれた1種の第一の金属原子と、カルシウ
ム及びストロンチウムからなる群より選ばれた一種以上
の第二の金属原子とが含有されており、Aサイトにおけ
るこの第二の金属原子の含有割合が10%以上、70%
以下である。この複合酸化物は、次の一般式(I)の組
成を有するものが好ましい。
【0018】
【化1】R1-X X MnO3 (I)
【0019】ここで、R、Aが複合酸化物のAサイトを
占め、Mnが複合酸化物のBサイトを占める。Rは、1
種の第一の金属原子である。Aは、1種以上の第二の金
属原子である。xは、第二の金属原子Aの含有割合であ
り、10%以上、70%以下である(x=0.10〜
0.70)。
【0020】「セリウムを除く希土類及びイットリウム
からなる群」とは、イットリウム、ランタン、プラセオ
ジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピ
ウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホ
ルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及び
ルテチウムからなる群である。Rは、更に、ランタン、
プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ジスプロシウ
ム、ガドリニウム及びイットリウムからなる群より選ば
れたものが好ましい。
【0021】xが増加すると、電気伝導度は向上する。
しかし、xが0.70を越えると、電気伝導度の急激な
低下が観測された。従って、xは0.70以下とするこ
とが好ましい。
【0022】また、本発明の多孔質焼結体を発電用品の
耐熱性電極として使用する場合には、他の構成材料との
間での熱膨張差を小さくするため、耐熱性電極の平均線
熱膨張率を可能な限り小さく抑えることが必要である。
この観点から、耐熱性電極の平均線熱膨張率を測定して
みると、xが増大すると、それにつれて、多孔質焼結体
の平均線熱膨張率は増加していた。特に、第一の金属原
子Rがランタンである場合には、xが0.50を越える
と、顕著な増大が観測された。従って、xは0.5以下
とすることが好ましい。
【0023】特に、本発明の多孔質焼結体を、固体電解
質型燃料電池用の空気極材料として使用する場合には、
多孔質焼結体の熱膨張率を、固体電解質膜や燃料電極膜
などの熱膨張率に近くしなければならない。
【0024】この固体電解質膜がイットリア安定化ジル
コニアである場合には、25°C〜1000°Cの間の
平均線熱膨張率は10.5×10-6-1であることが知
られている。この場合には、多孔質焼結体の平均線熱膨
張率を11.8×10-6-1以下に抑えれば、多孔質焼
結体と固体電解質膜との間の熱膨張差に起因するクラッ
クの発生は、防止することができた。
【0025】そして、第一の金属原子Rがランタンであ
る場合には、xを0.40以下に抑えると、多孔質焼結
体の平均線熱膨張率が11.8×10-6-1以下に抑え
ることができたので、この観点からは、xを0.40以
下に抑えることが好ましい。
【0026】また、次の一般式(II)の組成を有する
複合酸化物も好ましい。
【化2】R1-X X Mn1-Z z 3 (II)
【0027】ここで、R、Aが複合酸化物のAサイトを
占め、Mn、Eが複合酸化物のBサイトを占める。R
は、1種の第一の金属原子である。Aは、1種以上の第
二の金属原子である。Eは、アルミニウム、コバルト、
銅、マグネシウム、クロム、ニッケル、鉄、チタン及び
亜鉛からなる群より選ばれた一種以上の第三の金属原子
である。
【0028】xは、第二の金属原子Aの含有割合であ
り、10%以上、70%以下である(x=0.10〜
0.70)。xが増加すると、電気伝導度は向上する。
しかし、xが0.70を越えると、電気伝導度の急激な
低下が観測された。従って、xは0.70以下とする必
要がある。
【0029】第一の金属原子Rがランタンである場合に
は、xが0.50を越えると、平均線熱膨張率に顕著な
増大が観測された。従って、xは0.50以下とする必
要がある。xを0.40以下に抑えると、多孔質焼結体
の平均線熱膨張率が11.8×10-6-1以下に抑える
ことができたので、この観点からは、xを0.40以下
に抑えることが好ましい。
【0030】zが0.35を越えると、多孔質焼結体の
電気伝導度が低下し、電極素子として使用できる電気伝
導度の限界値を下回るので、zは0.35以下とする必
要がある。更に、zが0.20以下であると、多孔質焼
結体の電気伝導度は顕著に向上する。また、zは0.0
2以上とするのが、多孔質焼結体の前記熱サイクルによ
る寸法収縮率を小さくするという観点から、更に好まし
い。
【0031】また、他の好ましい組成においては、複合
酸化物のAサイトに、セリウムを除く希土類及びイット
リウムからなる群より選ばれた2種以上の第一の金属原
子と、カルシウム及びストロンチウムからなる群より選
ばれた一種以上の第二の金属原子とが含有されており、
Aサイトにおける第二の金属原子の含有割合が10%以
上、70%以下であり、Aサイトにおける第一の金属原
子の含有割合が30%以上、90%以下である。
【0032】この複合酸化物の組成は、好ましくは下記
一般式(III)式によって表されるものである。
【0033】
【化3】R1-X X MnO3 (III)
【0034】Rは、2種以上の第一の金属原子である。
Aは、一種以上の第二の金属原子である。
【0035】第二の金属原子Aによる置換割合xは、A
サイトのうち10〜70%(x=0.10〜0.70)
とする。xが増加すると、電気伝導度は向上する。しか
し、xが0.70を越えると、電気伝導度の急激な低下
が観測された。従って、xは0.70以下とする必要が
ある。
【0036】第一の金属原子Rがランタンである場合に
は、xが0.50を越えると、平均線熱膨張率に顕著な
増大が観測された。従って、xは0.50以下とする必
要がある。xを0.40以下に抑えると、多孔質焼結体
の平均線熱膨張率が11.8×10-6-1以下に抑える
ことができたので、この観点からは、xを0.40以下
に抑えることが好ましい。
【0037】Aサイトにおける第一の金属原子Rの含有
割合(1−x)は、30%以上、90%以下である。第
一の金属原子Rのうち1種類をランタンとした場合に
は、Aサイトにおけるランタンの含有割合は1〜76%
とすることが好ましい。他の第一の金属原子の含有割合
は、Aサイトのうち1〜76%とすることが好ましく、
20〜50%とするのが更に好ましい。
【0038】また、複合酸化物の組成は、好ましくは下
記一般式(IV)式によって表されるものである。
【0039】
【化4】R1-X X Mn1-z z 3 (IV)
【0040】Rは、2種以上の第一の金属原子である。
A、Eは、上記した各金属原子である。第一の金属原子
Aによる置換割合xは、Aサイトのうち10〜70%
(x=0.10〜0.70)とする。xが増加すると、
電気伝導度は向上する。しかし、xが0.70を越える
と、電気伝導度の急激な低下が観測された。従って、x
は0.70以下とする必要がある。
【0041】第一の金属原子Rがランタンである場合に
は、xが0.50を越えると、平均線熱膨張率に顕著な
増大が観測された。従って、この場合には、xは0.5
0以下とする必要がある。xを0.40以下に抑える
と、多孔質焼結体の平均線熱膨張率が11.8×10-6
-1以下に抑えることができたので、この観点からは、
xを0.40以下に抑えることが好ましい。
【0042】zが0.35を越えると、多孔質焼結体の
電気伝導度が低下し、電極素子として使用できる電気伝
導度の限界値を下回るので、zは0.35以下とする必
要がある。更に、zが0.20以下であると、多孔質焼
結体の電気伝導度は顕著に向上する。また、zは0.0
2以上とするのが、多孔質焼結体の前記熱サイクルによ
る寸法収縮率を小さくするという観点から、更に好まし
い。
【0043】Aサイトにおける第一の金属原子Rによる
含有割合は、30%以上、90%以下である。第一の金
属原子Rのうち1種類をランタンとした場合には、Aサ
イトにおけるランタンの含有割合は1〜76%とするこ
とが好ましい。他の第一の金属原子の含有割合は、Aサ
イトのうち1〜76%とすることが好ましく、20〜5
0%とするのが更に好ましい。
【0044】前記した各組成において、多孔質焼結体の
製造工程において不可避的に混入する若干の不純物に由
来する複合酸化物の組成変動は、許容される。また、ペ
ロブスカイト構造の複合酸化物は非化学量論的組成をと
りうるので、前記した各組成を示す一般式においては、
AサイトとBサイトとの比率は便宜上1:1として表現
したが、この組成比率は変動しうる。
【0045】本発明に係る多孔質焼結体を製造するに
は、複合酸化物の原料粉末を混合して混合粉末を製造
し、この混合粉末を成形し、この成形体を焼成して合成
物を製造し、この合成物を粉砕することが好ましい。こ
の際には、複合酸化物の原料粉末の混合比率を変更する
ことにより、複合酸化物における各金属原子の比率を制
御する。
【0046】成形体の焼成温度は、1300℃〜160
0℃とすることが好ましい。焼成温度を1300℃未満
とすると、焼結が完全に完了しない。1600℃よりも
高くすると、焼結体の組織が緻密になりすぎる。
【0047】本発明におけるように、1000℃におけ
るマンガン原子の平均価数が3.25以上である複合酸
化物からなる多孔質焼結体を製造するためには、次の方
法による。即ち、多孔質焼結体を構成する複合酸化物の
結晶格子1つ当たりの酸素量は、約3.0である。前記
した焼成工程において、焼成雰囲気中に含有される酸素
の分圧は、焼成雰囲気が大気である場合には、約20%
であった。従来のランタンマンガナイト多孔質焼結体
は、通常大気中で焼成されていた。
【0048】しかし、本発明者の検討によれば、この焼
成雰囲気中の酸素量を増大させると、焼成後の多孔質焼
結体の酸素量が若干増加し、マンガン原子の平均価数が
増大してくる。従って、1000℃におけるマンガン原
子の平均価数が3.25以上である複合酸化物からなる
多孔質焼結体を製造するためには、前記した各組成を選
択すると共に、この焼成時の焼成雰囲気中に含まれる酸
素分圧を多くすればよい。
【0049】ただし、マンガンの平均価数は、前記した
組成によっても変動するので、焼成雰囲気中の酸素分圧
をどの程度大きくする必要があるのかは、複合酸化物の
組成によって異なるため、一義的に特定することはでき
ない。
【0050】本発明によって製造した多孔質焼結体は、
特に、熱サイクルに対して安定な耐熱性電極の材料とし
て好ましく使用できる。こうした耐熱性電極の材料とし
ては、核融合炉、MHD発電等の発電用品における電極
材料がある。
【0051】また、本発明の多孔質焼結体は、固体電解
質型燃料電池用の空気極材料として、特に好適に使用で
きる。更に、自己支持型の空気極基体の材料として用い
ることが好ましい。こうした空気極基体は、単電池の母
材として用いられるものであり、空気極基体上に、固体
電解質膜、燃料電極膜、インターコネクター、セパレー
タなどの各構成部分が積層される。この際、空気極基体
の形状は、両端が開口した円筒形状、一端が開口し、他
端が閉塞された有底円筒形状、平板形状などであってよ
い。このうち、上記したいずれかの円筒形状のものが、
熱応力がかかりにくく、ガスシールが容易なので、特に
好ましい。
【0052】多孔質焼結体の気孔率は、5〜40%とす
ることが好ましい。また、これを固体電解質型燃料電池
用の空気極材料として用いる場合には、更に気孔率を1
5〜40%とすることが好ましく、25〜35%とする
と一層好ましい。この場合は、空気極の気孔率を15%
以上とすることで、ガス拡散抵抗を小さくし、気孔率を
40%以下とすることで、ある程度の強度も確保するこ
とができる。
【0053】以下、更に具体的な実験結果について説明
する。 〔実験A:La0.80Ca0.20MnOx系の組成を有する
複合酸化物からなる多孔質焼結体についての実験〕 (多孔質焼結体の製造方法)出発原料として、La2
3 、CaCO3 、Mn3 4 の各粉末を使用した。La
0.80Ca0.20MnOxの組成比率となるように、各試料
について、所定量の出発原料を秤量し、混合した。この
混合粉末を、コールドアイソスタティックプレス法によ
り、1tf/cm2 の圧力で成形し、成形体を作製し
た。この成形体を、大気中、1500℃で15時間熱処
理し、La0.80Ca0.20MnOxの組成を有する複合酸
化物を合成した。
【0054】この合成体をトロンメルで8〜12時間粉
砕し、平均粒径2〜6μmの合成粉末を作製した。次
に、この合成粉末に、水と、有機バインダーとしてのア
クリル系バインダーを加え、混合し、水分40%のスラ
リーを調製し、スプレードライヤーで造粒した。その
後、この造粒粉末と、増孔剤としてのアクリルパウダー
とを乾式混合し、コールドアイソスタティックプレス法
により、1tf/cm2 の圧力で成形して、外径20m
m、内径15mmの円環形状の成形体を製造した。この
円環形状の成形体を、1300℃〜1500℃で5時間
焼成し、多孔質焼結体を得た。
【0055】焼成時の雰囲気は、純酸素と純窒素との混
合により雰囲気を調整した。ただし、この混合雰囲気中
における酸素の濃度は、表1に示すように変更した。表
1において、焼成時の酸素濃度が20.6%であるの
が、ほぼ大気に相当する。これらの円環形状の各多孔質
焼結体の気孔率を、水置換法によって測定したところ、
いずれも30%±1%であった。
【0056】(熱サイクルによる寸法収縮率の測定)こ
れらの各多孔質焼結体から、幅5mm、厚さ1mm、長
さ50mmの平板形状の試料を切り出し、熱サイクルに
よる寸法収縮率の測定用試料とした。まず、40℃にお
ける測定用試料の長さを正確に測定した。また、熱膨張
計によって、40℃における測定用試料の先端の変位を
精密に測定した。次いで、この測定用試料を、大気中に
て200℃/時間で1000℃まで昇温し、その後10
00℃で30分間保持し、次いで200℃/時間の降温
速度で600℃まで降温し、600℃から40℃まで放
冷した。この熱サイクル後にも、40℃における測定用
試料の先端の変位を、熱膨張計によって精密に測定し
た。
【0057】熱膨張計としては、理学電気製高精度熱膨
張計「TMA」を使用した。次の数式によって、熱サイ
クルによる寸法収縮率(%)を算出した。各測定用試料
について、熱サイクルによる寸法収縮率を測定した結果
を、表1に示す。
【数1】熱サイクルによる寸法収縮率(%)=(熱サイ
クル前における40℃での測定用試料の変位−熱サイク
ル後における40℃での測定用試料の変位)/熱サイク
ル前における測定用試料の長さ)
【0058】(結晶格子1個当たりの酸素量(x)及び
マンガンの価数の測定)前記した円環形状の多孔質焼結
体から、熱サイクルによる寸法収縮率の測定用試料を切
り出した後、残りの部分を試料として使用した。まず、
この試料を、図3に模式的に示す装置を用いて処理し
た。即ち、試料3を、炉天井1に白金線2によって吊る
した。電気炉4内の熱処理用空間5にガイド6を設置
し、ガイド6内の空間6aに試料3が位置するようにし
た。ガイド6の下端部は、電気炉4の炉底4aを通って
電気炉4の下側に延びており、ガイド6の下側開口6b
の下に受け皿7が設置されている。受け皿7の周辺は、
20℃の外気である。
【0059】この状態で電気炉を稼働させ、1000℃
で2時間、試料3を熱処理した。次いで、白金線2を切
断し、ガイド6内で試料3を落下させ、受け皿7内に落
とし、20℃に急冷した。この熱処理及び急冷後の試料
を、アルミナ乳鉢で、45μm目開きふるいを通るよう
になるまで、粉砕し、マンガン価数測定用試料を得た。
【0060】マンガンの価数の分析は、「固体電解質型
燃料電池の基礎研究」(電力中央研究所報告:研究報
告:W90002)を基にして行った。分析の手順は、
以下の通りである。
【0061】(1)Na2 2 4 とマンガン価数測定
用試料との反応 110℃で乾燥しておいたNa2 2 4 30.00m
gと、上記したマンガン価数測定用試料(ペロブスカイ
ト複合酸化物の粉末)約40.00mgとを、200m
lの三角フラスコの中に入れる。10容量%に希釈した
硫酸100mlを三角フラスコに入れ、サーモマグネテ
ィックスターラー上で約30分間加熱し、前記粉末を硫
酸に溶解させる。この時の反応は、以下の(V)式の通
りである。
【0062】
【化5】(V)式 Mn4 + +Na2 2 4 →Mn2 + +2CO+2Na
+O2 Mn3 + +1/2Na2 2 4 →Mn2 + +CO+N
a+1/2O2
【0063】(2)KMnO4 滴定溶液の調製 KMnO4 粉末(nakarai tesque , guaranteed reagen
t )を蒸留水に溶解し、約0.01mol/lの溶液を
調製する。この溶液を十分に煮沸し、二酸化炭素等のガ
スを脱気する。KMnO4 は、蒸留水中の二酸化炭素と
反応して、還元されやすいからである。次いで、この溶
液を冷暗所で室温まで放冷し、MnO2等の不純物を濾
過して除去した。KMnO4 滴定後の濃度は、既知量の
Na2 2 4 の酸化に要した滴定量より、求めた。
【0064】(3)滴定 前記したように、Na2 2 4 とマンガン価数測定用
試料中のマンガンとを反応させ、この反応の後に残留し
たNa2 2 4 を、KMnO4 溶液によって滴定し
た。KMnO4 溶液による滴定の終点は、滴定溶液であ
るKMnO4 溶液のピンク色が現れはじめた点とした。
滴定中に起こる酸化還元反応は、以下の(VI)式の通
りである。
【0065】
【化6】(VI)式 5Na2 2 4 +2KMnO4 +16H+ →2Mn
2 + +10CO2 +8H2 O+10Na+ +2K+
【0066】(4)計算 既知のKMnO4 溶液の濃度をC(mol/l)とし、
Mnの価数を全て3価としたときのマンガン価数測定用
試料の分子量をd1 とし、マンガン価数測定用試料の重
量をl(g)とし、Na2 2 4 の重量をf(g)と
し、KMnO4溶液の滴定量をg(ml)とする。(V
I)式の滴定反応に要したNa2 2 4 のmol数
を、h(mol)とする。h(mol)は、Na2 2
4 の全体のmol数と、KMnO4 と反応したNa2
2 4 のmol数との差である。
【0067】Na2 2 4 の分子量は134であり、
純度は0.995である。従って、Na2 2 4 の全
体のmol数は、f×0.995/134である。ま
た、KMnO4 と反応したNa2 2 4 のmol数
は、(C×g×5/2)/1000である。従って、次
式が成立する。
【0068】
【数2】h=f×0.995/134−(C×g×5/
2)/1000
【0069】(V)式の下段より、ペロブスカイト型複
合酸化物からなるマンガン価数測定用試料1mol中で
Mn3 + が還元されたときの電子数iは、Na22
4 1mol当たり、2molであるから、次式が成立す
る。
【0070】
【数3】i=2×h/(e/d1
【0071】Mn以外の原子は、価数の変動がないもの
と仮定すると、ペロブスカイト型複合酸化物中のMnの
平均価数は、(i+2)となる。こうして、Mnの価数
をすべて3であると仮定した場合について、マンガンの
平均価数(i+2)を算出することができる。むろん
(i+2)は3よりも大きいので、マンガンの平均価数
が3であるという初期仮定は不正確である。マンガンの
平均価数が大きくなると、結晶格子1個当たりの酸素量
xも大きくなるので、前記したペロブスカイト複合酸化
物の分子量(d1 )も不正確である。
【0072】そこで、マンガンの平均価数(i+2)の
算出値から、酸素を含んだペロブスカイト型複合酸化物
全体の分子量(d2 )を計算する。この計算値(i+
2)は、3よりも実際の値に近く、d2 はd1 よりも実
際の値に近い。再び、この分子量(d2 )を使用して、
上記の計算をやり直す。この操作を5回繰り返して行
い、最終的なMnの平均価数とした。
【0073】このようにして、各例の多孔質焼結体につ
いて、マンガンの平均価数と、結晶格子1個当たりの酸
素量(x)を算出し、表1に示した。また、マンガンの
平均価数と前記熱サイクルによる寸法収縮率との関係
を、図1のグラフに示した。
【0074】
【表1】
【0075】表1に示すように、焼成雰囲気の酸素濃度
を大きくすることによって、マンガンの平均価数が増大
する傾向があった。また、表1及び図1からわかるよう
に、マンガンの平均価数を3.25以上にすることによ
り、前記寸法収縮率が熱サイクル1回当たり0.01%
以下に抑制されることがわかった。更には、前記平均価
数を3.27以上にすることにより、前記寸法収縮率が
熱サイクル1回当たり0.005%以下にまで顕著に減
少した。更に、前記平均価数が3.30以上の範囲で
は、前記熱サイクルによる寸法収縮がほぼ見られなくな
った。
【0076】また、表1において、マンガンの平均価数
が3.2464である多孔質焼結体について、室温から
1000℃まで温度を上昇及び下降させ、熱膨張計によ
って多孔質焼結体の寸法変化を測定した。この結果、寸
法の収縮現象は、温度下降時の900℃〜800℃の温
度範囲で起こっていることを突き止めた。従って、この
温度範囲で、酸素原子の吸収や金属原子の移動が生じて
いるものと推定される。また、600℃と1000℃の
間での熱サイクルによる結果は、室温と1000℃との
間の熱サイクルによる結果と同じになる。
【0077】また、表1において、マンガンの平均価数
が3.2464である多孔質焼結体について、前記の熱
サイクルを10回かけたところ、10回の熱サイクル
で、多孔質焼結体の寸法収縮率は0.34%に達した。
また、この熱サイクルによる寸法収縮は、熱サイクル数
を多くしても、収束しなかった。
【0078】一方、この多孔質焼結体を、大気中100
0℃で10時間保持し、室温へと降温した後、加熱前と
加熱後との寸法変化率を測定したところ、0.031%
の収縮を示した。1000℃で10時間保持したことに
よる0.031%の収縮は、熱サイクル1回分の寸法収
縮量にほぼ相当する。熱サイクル1回当たりに1000
℃で保持する時間は30分間に過ぎない。
【0079】この結果から、上記した0.34%の寸法
収縮は、1000℃で保持している間に生じたのではな
く、1000℃から室温へと下降した降温過程の間に生
じたものである。言い換えると、多孔質焼結体の上記熱
サイクルによる収縮現象は、高温で多孔質焼結体を保持
したことによる焼結の進行とは、全く別の機構によって
生じている。
【0080】〔実験B:La0.80Ca0.20Mn0.98Ni
0.02Ox系の組成を有する複合酸化物からなる多孔質焼
結体についての実験〕出発原料として、La2 3 、C
aCO3 、Mn3 4 及びNiOの各粉末を使用した。
他は実験Aと同様にして、各例の多孔質焼結体を製造し
た。ただし、焼成時の酸素濃度は、表2に示すように変
更した。
【0081】これらの各多孔質焼結体について、前記寸
法収縮率した実験Aと同様にして、気孔率、熱サイクル
による寸法収縮率、マンガンの価数、結晶格子1個当た
りの酸素量xを測定した。この測定結果を表2に示す。
また、マンガンの平均価数と前記熱サイクルによる寸法
収縮率との関係を、図2のグラフに示した。
【0082】
【表2】
【0083】各多孔質焼結体の気孔率は30%±1%で
あった。表2に示すように、焼成雰囲気の酸素濃度を大
きくすることによって、マンガンの平均価数が増大する
傾向があった。また、表2及び図2からわかるように、
マンガンの平均価数を3.25以上にすることにより、
前記寸法収縮率が熱サイクル1回当たり0.01%以下
に抑制されることがわかった。更には、前記平均価数を
3.27以上にすることにより、前記寸法収縮率が熱サ
イクル1回当たり0.005%以下にまで顕著に減少し
た。更に、前記平均価数が3.30以上の範囲では、前
記熱サイクルによる寸法収縮がほぼ見られなくなった。
【0084】
【発明の効果】前記したように、本発明の多孔質焼結体
は、900〜1100℃の温度と、室温〜600℃の温
度との間で、加熱−冷却サイクルをかけた場合に、この
熱サイクルに対して安定である。従って、この多孔質焼
結体によって形成された耐熱性電極は、上記の熱サイク
ルに起因する寸法収縮がきわめて少ないので、耐熱性電
極と他の構成材料との間でクラックが発生するのを、防
止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】La0.80Ca0.20MnOx系の組成を有する複
合酸化物からなる多孔質焼結体について、マンガンの平
均価数と前記熱サイクルによる寸法収縮率との関係を示
すグラフである。
【図2】La0.80Ca0.20Mn0.98Ni0.02Ox系の組
成を有する複合酸化物からなる多孔質焼結体について、
マンガンの平均価数と前記熱サイクルによる寸法収縮率
との関係を示すグラフである。
【図3】マンガンの平均価数を測定するための試料を得
るために、多孔質焼結体に対して熱処理及び急冷処理を
加えるための装置を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
2 白金線、 3 試料、 4 電気炉、 5 熱処理
用空間、6 ガイド、 7 受け皿

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペロブスカイト構造の複合酸化物からなる
    多孔質焼結体であって、前記複合酸化物のBサイトにマ
    ンガン原子が含有されており、この複合酸化物における
    マンガン原子の平均価数が1000℃において3.25
    以上であり、室温と1000℃との間の熱サイクルによ
    って生ずる前記多孔質焼結体の寸法収縮が熱サイクル1
    回当たり0.01%以下であることを特徴とする、多孔
    質焼結体。
  2. 【請求項2】ペロブスカイト構造の複合酸化物からなる
    多孔質焼結体であって、前記複合酸化物のBサイトにマ
    ンガン原子が含有されており、この多孔質焼結体を大気
    中、1000℃で2時間熱処理した後、1秒以内に20
    ℃の外気中に曝露させ、外気温にまで急冷した後におい
    て、前記複合酸化物におけるマンガン原子の平均価数が
    3.25以上であり、室温と1000℃との間の熱サイ
    クルによって生ずる前記多孔質焼結体の寸法収縮が熱サ
    イクル1回当たり0.01%以下であることを特徴とす
    る、多孔質焼結体。
  3. 【請求項3】前記複合酸化物のAサイトにランタン原子
    が含有されていることを特徴とする、請求項2記載の多
    孔質焼結体。
  4. 【請求項4】請求項2又は3記載の多孔質焼結体からな
    ることを特徴とする耐熱性電極。
  5. 【請求項5】請求項2又は3記載の多孔質焼結体からな
    る空気極を備えていることを特徴とする、固体電解質型
    燃料電池。
  6. 【請求項6】前記空気極が自己支持型の空気極であるこ
    とを特徴とする、請求項5記載の固体電解質型燃料電
    池。
JP07486594A 1994-04-13 1994-04-13 多孔質焼結体、耐熱性電極及び固体電解質型燃料電池 Expired - Lifetime JP3471890B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07486594A JP3471890B2 (ja) 1994-04-13 1994-04-13 多孔質焼結体、耐熱性電極及び固体電解質型燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07486594A JP3471890B2 (ja) 1994-04-13 1994-04-13 多孔質焼結体、耐熱性電極及び固体電解質型燃料電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07277848A true JPH07277848A (ja) 1995-10-24
JP3471890B2 JP3471890B2 (ja) 2003-12-02

Family

ID=13559659

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07486594A Expired - Lifetime JP3471890B2 (ja) 1994-04-13 1994-04-13 多孔質焼結体、耐熱性電極及び固体電解質型燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3471890B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000069008A1 (en) * 1999-05-07 2000-11-16 Forskningscenter Risø Electrochemical cell
EP1060534A4 (en) * 1998-02-27 2001-05-23 Corning Inc FLEXIBLE INORGANIC ELECTROLYTIC FUEL CELL DESIGN
WO2002013296A1 (fr) * 2000-08-04 2002-02-14 Anan Kasei Co., Ltd. Oxyde composite pour electrode oxydoreductrice et materiau de collecteur de pile a combustible a electrolyte solide, procede de preparation de ceux-ci et pile a combustible a electrolyte solide
US10644327B2 (en) 2015-07-07 2020-05-05 Ngk Insulators, Ltd. Fuel cell cathode containing a perovskite oxide

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1060534A4 (en) * 1998-02-27 2001-05-23 Corning Inc FLEXIBLE INORGANIC ELECTROLYTIC FUEL CELL DESIGN
WO2000069008A1 (en) * 1999-05-07 2000-11-16 Forskningscenter Risø Electrochemical cell
WO2002013296A1 (fr) * 2000-08-04 2002-02-14 Anan Kasei Co., Ltd. Oxyde composite pour electrode oxydoreductrice et materiau de collecteur de pile a combustible a electrolyte solide, procede de preparation de ceux-ci et pile a combustible a electrolyte solide
US10644327B2 (en) 2015-07-07 2020-05-05 Ngk Insulators, Ltd. Fuel cell cathode containing a perovskite oxide

Also Published As

Publication number Publication date
JP3471890B2 (ja) 2003-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ferrel-Álvarez et al. Synthesis and surface characterization of the La0. 7-xPrxCa0. 3MnO3 (LPCM) perovskite by a non-conventional microwave irradiation method
JP2846567B2 (ja) 多孔質焼結体及び固体電解質型燃料電池
Aruna et al. Studies on combustion synthesized LaMnO3–LaCoO3 solid solutions
JP2004339035A (ja) ランタンガレート系焼結体およびその製造方法、ならびにそれを用いた用途
JPH08259346A (ja) 多孔質焼結体およびその製造方法
JP3471890B2 (ja) 多孔質焼結体、耐熱性電極及び固体電解質型燃料電池
JP3121982B2 (ja) 導電性セラミックス
JPH07267748A (ja) 多孔質焼結体及びその製造方法
JPH07267749A (ja) 多孔質焼結体及び固体電解質型燃料電池
Ravindranath et al. Preparation and characterization zirconium and samarium co-doped ceria solid electrolytes for IT-SOFC applications
JPH07277849A (ja) 多孔質焼結体、耐熱性電極及び固体電解質型燃料電池
JPH0891929A (ja) 導電性セラミックスおよびその製造方法
JP3389407B2 (ja) 導電性セラミックス及び燃料電池セル
RU2779630C1 (ru) Электродный материал на основе никелата празеодима для электрохимических устройств
JP3199546B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル用集電部材および導電性セラミックスの製造方法
JP3359412B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JPH07187841A (ja) 多孔質焼結体及び固体電解質型燃料電池
JP3339936B2 (ja) 導電性セラミックスの製造方法
JPH06122571A (ja) 多孔質焼結体及び固体電解質型燃料電池
JP2529073B2 (ja) 多孔質焼結体及び固体電解質型燃料電池
RU2050642C1 (ru) Материал для высокотемпературных электрохимических устройств и способ его изготовления
JPH06316471A (ja) 多孔質焼結体及び固体電解質型燃料電池
JP3400070B2 (ja) 多孔質焼結体の製造方法
JP2553295B2 (ja) 多孔質焼結体の製造方法
JP2591897B2 (ja) 多孔質焼結体及び固体電解質型燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030812

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070912

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080912

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090912

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100912

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120912

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120912

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130912

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term