JPH07272904A - 正特性サーミスタ - Google Patents

正特性サーミスタ

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JPH07272904A
JPH07272904A JP8269594A JP8269594A JPH07272904A JP H07272904 A JPH07272904 A JP H07272904A JP 8269594 A JP8269594 A JP 8269594A JP 8269594 A JP8269594 A JP 8269594A JP H07272904 A JPH07272904 A JP H07272904A
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JP
Japan
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electrode
temperature coefficient
laminated
positive temperature
electrodes
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JP8269594A
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Inventor
Makoto Namioka
誠 浪岡
Tomoaki Hatake
友昭 畠
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐湿特性、断続負荷寿命試験特性、フラッシ
ュ耐電圧試験特性に優れた正特性サーミスタ素子を比較
的容易に製造できるようにする。 【構成】 正特性サーミスタ素子1の第1電極形成面お
よび第2電極形成面に各々形成した2μm〜30μmの
膜厚であるAl電極3,3と、一対のバネ端子板5,5
の各弾性端子5a,5aとを、Al電極3の有効電極面
積に対する面積比を0.11以上で、且つ10mm2
上の有効電極面積を有する積層電極4,4を介して導通
させ、収納ケース6内に収納した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電流制限や加熱等に使
用される正特性サーミスタに関し、特に正特性サーミス
タ素子へ電圧を印加する電極構造の改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】素子の温度がある温度に達すると、素子
の抵抗特性が急激に変化するものとして、従来よりサー
ミスタ素子が知られており、この抵抗特性が正(抵抗値
が増加する)である正特性サーミスタ素子は、過電流防
止用の電流制限素子や定温度発熱体素子等として使用さ
れる。図3に示すように、正特性サーミスタ素子11
は、円盤状のチタン酸バリウム系半導体磁器12の略々
平行な第1面12aと第2面12bに夫々オーミック性
電極13,13を形成したもので、例えば正特性サーミ
スタ素子11の両電極13,13にバネ端子板14,1
4を導通させた状態で樹脂等よりなるケース15内に収
納し、製品としての正特性サーミスタ16となる(図4
及び図5参照)。
【0003】なお、バネ端子板14,14は各々弾性端
子14a,14aを供え、これら弾性端子14a,14
aの弾性力で正特性サーミスタ素子11を両面から狭持
させた状態でケース本体15aに収納すると、正特性サ
ーミスタ素子11の両電極13,13とバネ端子板1
4,14とを導通させられると共に、外部よりの物理的
衝撃に対する緩衝作用も期せるものとなる。そして、ケ
ース本体15aの開口部を蓋部材15bによって閉止す
ると、収納ケース15からはバネ端子板14,14の外
部端子14b,14bのみが延出した状態となり、これ
ら一対の外部端子14b,14bを介して正特性サーミ
スタ素子11へ電圧を印加するのである。また、上記正
特性サーミスタ11のオーミック性電極13,13とし
ては、In−Ga合金、In−Hg合金、Ni無電解メ
ッキ薄膜、銀ペーストの焼付け電極、金属溶射法による
Al等の薄膜電極、Alペーストの焼付け電極等が用い
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の電極は何れも一長一短であり、必ずしも良好なオーミ
ック性電極が得られるものではなかった。
【0005】たとえば、In−Ga合金やIn−Hg合
金をチタン酸バリウム系半導体磁器の第1面および第2
面にこすりつけてオーミック性電極とした場合には、オ
ーミック性接触が良好となる反面、低融点であるために
機械的強度および耐湿特性が低い。
【0006】また、Ni無電解メッキ薄膜をオーミック
性電極とした場合には、機械的強度および耐湿特性を向
上させることができる反面、電極形成に際して半導体磁
器に化学的処理を施さねばならないため、この処理によ
る残留イオンがサーミスタ素子の劣化を早めてしまうと
共に、抵抗温度係数の低下を招くこととなる。しかも、
Ni表面の酸化による経時劣化が促進されて電極の抵抗
値が著しく増大する。また、Ni膜の固有抵抗が大きい
ために、断続的に電圧を印加する断続負荷寿命試験にお
いては、電極が焼損するような場合もあるし、瞬時的に
大きな電圧を印加するフラッシュ耐電圧試験において
は、耐電圧性能が低いという欠点もある。加えて、Ni
無電解薄膜の形成に際しては、Ni膜の結晶化のために
熱処理が必要であることから、製造工程が複雑となって
コストパフォーマンスが低下し、経済性に優れた実用的
な量産を期すことができない。なお、断続負荷寿命試験
特性およびフラッシュ耐電圧試験特性を向上させるため
に、銀電極をNiメッキ層に積層する方法もあるが、そ
の製造工程は一層煩雑となり、その実用性は一層低下す
る。
【0007】また、銀ペースト電極の場合には、断続負
荷寿命試験特性を若干向上させることができるが、フラ
ッシュ耐電圧試験特性については殆ど効果がない。逆
に、銀に混入させる卑金属が酸化膜を形成することか
ら、オーミック性接触や耐湿特性を劣化させてしまうと
いう欠点が生ずる。加えて、チタン酸バリウム系半導体
磁器に銀電極を印刷・焼成形成すると、マイグレーショ
ン(長期間の使用において銀成分がセラミック上に表面
成長してゆき、両面電極がショートする現象)を誘発し
てしまうという問題点もある。
【0008】また、Al等の溶射による電極の場合に
は、製造行程における条件が更に厳しく(バイアススパ
ッタ法等によると膜形成には長時間を要するため)、実
用レベルでの量産は到底望めない。しかも、断続負荷寿
命試験特性およびフラッシュ耐電圧試験特性が悪い上
に、耐湿特性も低い。
【0009】また、Alペースト電極の場合には、量産
性、経済性、耐湿特性、断続負荷寿命試験特性について
は問題とならないが、フラッシュ耐電圧試験特性の向上
は望めない。すなわち、Alの物質的な特性として導電
率が低い(20℃で64.9%程度である)ために、バ
ネ端子板の弾性端子とAl電極との導通点近傍に集中し
て電流が流れることとなり、局部的な昇温化から電極の
焼損や半導体磁器へのクラック発生といった事態が生
じ、フラッシュ耐電圧特性が低下してしまうのである。
【0010】そこで、本発明は、耐湿特性、断続負荷寿
命試験特性等に優れ、低コストで量産できるAlペース
ト電極の正特性サーミスタ素子を用いた正特性サーミス
タにおけるフラッシュ耐電圧特性を向上させ、信頼性の
高い正特性サーミスタを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑みなさ
れたもので、略々一定の間隔で離隔する第1面(例えば
第1電極形成面2a)と第2面(例えば第2電極形成面
2b)とを備えるチタン酸バリウム系の半導体磁器
(2)の第1面と第2面に各々Alを主成分とするAl
電極(3,3)を形成することで正特性サーミスタ素子
(1)となし、該正特性サーミスタ素子の各Al電極を
一対のバネ端子板(5)の各弾性端子(5a)で狭持
し、各Al電極とバネ端子板とを導通させた状態で収納
ケース(6)内に収納してなる正特性サーミスタにおい
て、各Al電極は10mm2 以上の有効電極面積で2μ
m〜30μmの膜厚を有するものとなし、ステンレスと
同程度以上の導電率を有する材質より形成されると共
に、Alの有効電極面積に対する比率が0.11以上で
且つ10mm2 以上の電極面積を有する積層電極(4)
を、Al電極と弾性端子との間に介在させるようにし
た。
【0012】
【作用】バネ端子板と積層電極とが導通する面積は微小
であるが、ステンレスと同程度以上の導電率を有する積
層電極は全面に亙って略々同電位となる。
【0013】
【実施例】次に、本発明に係る正特性サーミスタの実施
例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】図1(a)及び(b)に示すのは、正特性
サーミスタ素子1であり、略々平行な円形状の第1電極
形成面2aと第2電極形成面2bとを有する円盤状のチ
タン酸バリウム系の半導体磁器2に対して、Alを主成
分とするAl電極3を第1電極形成面2aおよび第2電
極形成面2bに各々形成すると共に、これらAl電極
3,3の平坦な外表面たる有効電極面には、夫々積層電
極4,4を密接状に設けてある。
【0015】上記半導体磁器2は、Ba、Ti、Sr、
Y、Mn、Siを成分とするもので、以下の方法により
得た。BaCO3 (約337.9 mol%)、TiO2
(49.7 mol%)、SrCO3 (11.3 mol%)、
23(0.07 mol%)を20時間湿式ボールミルに
て混合した後、1150℃で仮焼し、湿式ボールミルに
て20時間粉砕を行い、PVAを2wt%添加して、乾
式プレスにて円盤状に形成し、1350度で1時間焼成
を行う。なお、半導体磁器2の直径は13.0mm、肉厚
は2.0mm、各電極形成面2a,2bに形成したAl電
極3,3の直径は12.0mmである。
【0016】また、図1(b)は積層電極4,4が最小
の場合を示すもので、Al電極3,3の有効電極面積に
対する積層電極4,4の比率が0.11程度である。す
なわち、Al電極3,3の各有効電極面に設ける積層電
極4,4は、上記した比率以上に設定すればよく、例え
ば図1(a)に示した状態よりも更に積層電極4,4を
大きくしても良い。
【0017】上記の如く構成した正特性サーミスタ素子
1は、図2に示すように、積層電極4を介して一対のバ
ネ端子板5,5の各弾性端子5a,5aと導通させた状
態で収納ケース6内に収納することにより正特性サーミ
スタ7となる。また、積層電極4は、図2(a),
(b),(c)に示すように、Al電極3の有効面積に
対する比率が0.11以上あれば良く、Al電極3の有
効電極面の略々全面に亙って導通するようにしても良い
し(図2(b)参照)、Al電極3よりも適宜大なる電
極面を備えるようにしても良い(図2(c)参照)。な
お、図2においては省略したが、正特性サーミスタ素子
1を安定に収納するための定置手段等を収納ケース6内
へ適宜に設ける場合もあり、このような定置手段の一つ
として、積層電極4を収納ケース6の内面に当接させた
り、係合部等を積層電極4に形成しても良い。
【0018】上述したように、本発明に係る正特性サー
ミスタ7は、Al電極3,3と弾性端子5a,5aとの
間に積層電極4,4を介在させるものとしたので、バネ
端子板5,5と積層電極4,4とが導通する面積は微小
であるが、ステンレスと同程度以上の導電率を有する積
層電極4は、その全面に亙って略々等電位となるので、
積層電極4,4とAl電極3,3との接触面全域に電圧
が印加されることとなる。よって、導電率の低いAl電
極3,3からチタン酸バリウム系半導体磁器2へ局部的
に電圧が印加されることを効果的に防止でき、素子のク
ラックや電極の焼き付きといった不具合が生じ難く、フ
ラッシュ耐電圧特性の向上を期すことができ、信頼性の
高い正特性サーミスタ7となる。しかも、正特性サーミ
スタ素子1にはAlペーストによるAl電極3を用いる
ので、耐湿特性、断続負荷寿命試験特性等に優れ、低コ
ストで量産できる。
【0019】なお、半導体磁器2の第1,第2電極形成
面2a,2bに対するAl電極3,3を形成するに際し
ては、Alを主成分として低融点フリットおよび樹脂溶
剤を結合材として混合したAlペースト(デグサジャパ
ン株式会社社製のAlペーストJ790M053)を第
1,第2電極形成面2a,2bへスクリーン印刷し、6
30℃で10分間の焼付けを行うものとした。
【0020】また、積層電極4をAl電極3と弾性端子
5aとの間に介在させる方法は特に限定されないが、例
えば積層電極4としてステンレスと同程度以上の導電率
を有する金属板(例えばステンレス板、リン青銅板、洋
白板、鉄板、銅板、真鍮板等や、これら金属板の表面に
対して錫メッキや銀メッキ等の表面処理を施したもの等
で、20℃における体積抵抗率が8.7105×10-5
〔Ωcm〕以下のもの。)を用いる場合には、弾性端子
5a,5aのバネ圧によって積層電極としての金属板を
Al電極面に圧接するようにしたり、Alペーストの印
刷後に金属板を置いて焼き付けすることで金属板とAl
ペーストを融着させて固定したり、瞬時的に大圧力をか
ける圧着により固定しても良い。なお、添付図面に示し
たAl電極3や積層電極4は、視覚的認識を容易にする
ために比較的厚く描いたが、実際には、Al電極3は1
0μm、積層電極4としての金属板は0.4mm程度の
厚さに形成してある。
【0021】また、積層電極4として金属薄膜を用いる
場合には、従来公知の薄膜形成法によってAl電極3上
に薄膜を形成すればよい。なお、薄膜状積層電極に用い
る材料も導電率が銀と同程度以上の条件を満たす必要が
あり、銀の他に白金やパラジウム等がある。なお、白金
やパラジウムはコスト的な面から実用的ではないので、
銀の電極膜を積層電極4として用いる場合につき説明す
る。例えば、銀を70重量%、低融点フリットを5重量
%、樹脂溶剤を25重量%とした銀ペーストでAl電極
3,3上に印刷し、580℃の温度で10分間の焼付け
を行うことにより、膜厚が10μm程度の銀電極膜が形
成できる。
【0022】上記の如く構成した本発明に係る正特性サ
ーミスタと、従来の正特性サーミスタとの特性を比較し
た比較例を第1表に示す。この第1表において、試料番
号1〜6は、本発明の如くAl電極に積層電極を形成し
たものであり、試料番号7〜11は従来の電極形成法に
よるものである。なお、電極形成法以外の諸条件は全て
の試料において一致するように調整してある。
【0023】
【表1】
【0024】また、上記第1表において、「最大抵抗温
度係数」は正の抵抗温度特性を示す温度範囲での抵抗値
変化を求めたものであり、「湿中断続負荷寿命試験」は
温度40℃,湿度95%の恒温槽中において60分間の
インターバルを置いて30分間に亙る144Vの電圧印
加を繰り返し行ったものであり、「継続負荷寿命試験」
は室温25℃の環境下において5分間のインターバルを
おいて1分間に亙る144Vの電圧印加を繰り返し行っ
たものであり、「フラッシュ耐電圧試験」は室温(25
℃)に馴染ませた試料に50Hz・300Vの交流電圧
を1分間印加した後に当該試料を室温(25℃)まで自
然冷却して、前回の印加電圧よりも10V高めた電圧を
印加する操作を繰り返し、試料が損壊に至る前の印加電
圧をフラッシュ耐電圧としたものである。
【0025】この第1表から明らかなように、Al電極
3に対する面積比を0.11以上に設定した積層電極4
をバネ端子板5の弾性端子5aとAl電極3との間に介
在させた正特性サーミスタ(試料番号1,2,4,5)
においては、大きな最大抵抗温度係数を有していること
から、良好なオーミック接触を示していることが認めら
れる。また、湿中断続負荷寿命試験および断続負荷寿命
試験の何れにおいても抵抗値の変化が少なく、従来のよ
うに弾性端子とAl電極とを直接的に接続させた正特性
サーミスタに比して耐湿特性が十分に向上している。さ
らに、フラッシュ耐電圧試験においては、従来の正特性
サーミスタより100V以上も耐電圧が向上しており、
瞬時的に印加される突入電圧が高い場合にも、半導体磁
器にクラックが生じ難く、信頼性の高い正特性サーミス
タと成し得る。また、Al電極3に対する積層電極4の
面積比を0.20よりも高くした場合においても、従来
の正特性サーミスタよりも各特性は向上する。
【0026】なお、Al電極3に対する積層電極4の面
積比を0.10に設定した場合(試料番号3,6)に
は、フラッシュ耐電圧が低下していることから、Al電
極3に対する積層電極4の面積比0.11が臨界的意義
を有するものと推認できる。一方、銀電極膜を積層電極
4とし、Al電極3に対する面積比を1.00よりも大
きくした場合(試料番号12:Al電極3を越えてチタ
ン酸バリウム系半導体磁器2の表面にも積層電極4が形
成されている状態)においては、湿中断続負荷寿命試験
特性が低下しており、銀電極膜による積層電極4はAl
電極3の電極面積を超えない範囲で形成しなければなら
ないことを示唆している。すなわち、半導体磁器へ直接
的に銀薄膜を形成すると、マイグレーションが発生して
しまうからである。なお、金属板による積層電極4にお
いては、Al電極3の電極面積に対する面積比が1.0
0を越えても何ら問題はない。
【0027】次に、上記比較例と同様な手法を用いて本
発明に係る正特性サーミスタを構成するAl電極および
積層電極の諸条件と特性との関係、Al電極の有効電極
面積が小さい場合の諸特性を第2表に示す。なお、各試
料において25℃における抵抗値が略々同一の値になる
よう焼成方法により調整してある。
【0028】
【表2】
【0029】上記の第2表より明らかなように、Al電
極の有効電極面積を10mm2 前後に設定した正特性サ
ーミスタ(試料番号13〜16)においては、大きな最
大抵抗係数を有していることから、良好なオーミック接
触を示していることが認められる。また、湿中断続負荷
試験および断続負荷寿命試験の何れにおいても抵抗値の
変化が少ないが、フラッシュ耐電圧試験においては、1
00Vの耐電圧の差を示しており、Al電極の有効電極
面積が10mm2 以上で顕著な効果を期せることが確認
できる。
【0030】また、第2表の各結果より、Al電極の厚
さを2μm〜30μmに設定した場合には、フラッシュ
耐電圧の向上が認められる。特に、試料番号17,18
を比較した場合、最大抵抗係数、湿中断続負荷試験およ
び断続負荷寿命試験の何れにおいても同程度の特性を期
せるものの、フラッシュ耐電圧試験においては、試料1
7(Al電極の膜厚が30μmのもの)と試料18(A
l電極の膜厚が35μmのもの)とに100V程度の差
が生じており、Al電極の膜厚が概ね30μmを境とし
て、特性に顕著な効果が生じるものと認められる。な
お、Al電極の膜はAlペーストを印刷・焼成する手法
で形成するので、2μmよりも薄い電極膜を形成するこ
とは技術的に不可能であったが、少なくとも2μm以上
のAl電極膜においては効果が確認できる。
【0031】また、積層電極の有効電極面積を10mm
2 とした試料16と、積層電極の有効電極面積を9mm
2 とした試料19とを比較すると、最大抵抗係数、湿中
断続負荷試験および断続負荷寿命試験の何れにおいても
良好であるが、フラッシュ耐電圧試験においては、10
0V以上もの差が生じており、積層電極の有効面積が1
0mm2 以上である場合に顕著な効果を期せることが確
認できる。
【0032】また、積層電極の厚さを0.2mmにした
試料20と、積層電極の厚さを0.1mmにした試料2
1とを比較すると、最大抵抗係数、湿中断続負荷試験お
よび断続負荷寿命試験の何れにおいても良好であるが、
フラッシュ耐電圧においては、100V以上の差が生じ
ており、Al電極の厚さが0.2mm以上である場合に
顕著な効果を期せることが確認できる。
【0033】また、銀電極膜の厚さを3μmとした試料
22と、銀電極膜の厚さを5μmとして試料23とを比
較すると、最大抵抗係数、湿中断続負荷試験および断続
負荷寿命試験の何れにおいても良好であるが、フラッシ
ュ耐電圧においては、100V以上の差が生じており、
銀電極膜の厚さが5μm以上である場合に顕著な効果を
期せることが確認できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る正特
性サーミスタによれば、正特性サーミスタ素子の各Al
電極と各バネ端子板の弾性端子との間に積層電極を介在
させるものとしたので、バネ端子板と積層電極とが導通
する面積は微小であるが、ステンレスと同程度以上の導
電率を有する積層電極は、その全面に亙って略々等電位
となるので、積層電極とAl電極との接触面全域に電圧
が印加されることとなる。よって、導電率の低いAl電
極からチタン酸バリウム系半導体磁器へ局部的に電圧が
印加されることを効果的に防止でき、素子のクラックや
電極の焼き付きといった不具合が生じ難く、フラッシュ
耐電圧特性の向上を期すことができ、信頼性の高い正特
性サーミスタとなる。しかも、正特性サーミスタ素子に
はAlペースト電極を用いるので、耐湿特性、断続負荷
寿命試験特性等に優れ、低コストで量産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は比較的大きな積層電極を正特性サーミ
スタ素子のAl電極に導通させた状態の斜視図であり、
(b)はAl電極の電極面に対する面積比を0.11程
度とした積層電極を正特性サーミスタ素子のAl電極に
導通させた状態の斜視図である。
【図2】本発明に係る正特性サーミスタの概略縦断面図
であり、(a)は積層電極のAl電極に対する面積比が
0.11程度である場合、(b)は積層電極のAl電極
に対する面積比が1.00である場合、(c)は積層電
極のAl電極に対する面積比が1.00より大である場
合を夫々示す。
【図3】従来の正特性サーミスタ素子の斜視図である。
【図4】正特性サーミスタ素子を収納ケース内に収納し
てなる従来の正特性サーミスタの一部欠截斜視図であ
る。
【図5】(a)は図4の正特性サーミスタの概略縦断面
図であり、(b)は(a)のb−b断面図である。
【符号の説明】
1 正特性サーミスタ素子 2 半導体磁器 2a 第1電極形成面 2b 第2電極形成面 3 Al電極 4 積層電極 5 バネ端子板 5a 弾性端子 6 収納ケース 7 正特性サーミスタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略々一定の間隔で離隔する第1面と第2
    面とを備えるチタン酸バリウム系の半導体磁器の第1面
    と第2面に各々Alを主成分とするAl電極を形成する
    ことで正特性サーミスタ素子となし、該正特性サーミス
    タ素子の各Al電極を一対のバネ端子板の各弾性端子で
    狭持し、各Al電極とバネ端子板とを導通させた状態で
    収納ケース内に収納してなる正特性サーミスタにおい
    て、 各Al電極は10mm2 以上の有効電極面積で2μm〜
    30μmの膜厚を有するものとなし、 ステンレスと同程度以上の導電率を有する材質より形成
    されると共に、Alの有効電極面積に対する比率が0.
    11以上で且つ10mm2 以上の電極面積を有する積層
    電極を、Al電極と弾性端子との間に介在させるように
    したことを特徴とする正特性サーミスタ。
  2. 【請求項2】 上記積層電極は、ステンレスと同程度以
    上の導電率を有する金属を0.2mm以上の厚さの板状
    にした金属板であることを特徴とする請求項1に記載の
    正特性サーミスタ。
  3. 【請求項3】 上記積層電極は、Al電極上に形成した
    銀を主成分とする5μm以上の薄膜であることを特徴と
    する請求項1に記載の正特性サーミスタ。
JP8269594A 1994-03-30 1994-03-30 正特性サーミスタ Pending JPH07272904A (ja)

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JP8269594A Pending JPH07272904A (ja) 1994-03-30 1994-03-30 正特性サーミスタ

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JP (1) JPH07272904A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100425920B1 (ko) * 2001-02-23 2004-04-01 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 정 온도계수 서미스터
CN102520257A (zh) * 2011-12-07 2012-06-27 华中科技大学 一种ptc热敏电阻交流阻抗谱自动测试装置

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KR100425920B1 (ko) * 2001-02-23 2004-04-01 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 정 온도계수 서미스터
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