JPH072715B2 - 4−オキソ−1,4−ジヒドロニコチン酸またはその塩 - Google Patents

4−オキソ−1,4−ジヒドロニコチン酸またはその塩

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JPH072715B2
JPH072715B2 JP5176266A JP17626693A JPH072715B2 JP H072715 B2 JPH072715 B2 JP H072715B2 JP 5176266 A JP5176266 A JP 5176266A JP 17626693 A JP17626693 A JP 17626693A JP H072715 B2 JPH072715 B2 JP H072715B2
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hydroxy
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弘和 成田
義憲 小西
純 新田
俊二郎 三角
秀嘉 長木
功 北山
順子 永井
泰雄 渡辺
信之 松原
新三郎 南
勇 才川
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Toyama Chemical Co Ltd
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Toyama Chemical Co Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
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  • Heterocyclic Compounds Containing Sulfur Atoms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般式[1]
【化2】
【0002】「式中、R1は、水素原子またはカルボキ
シル保護基を;R2は、置換基を有するアリ−ル基また
は置換基を有するかもしくは有しない複素環式基を;お
よびR3は、ハロアルキル基、アミノアルキル基、アル
ケニル基または置換基を有するかもしくは有しないアル
アルキル、複素環−アルキル、シクロアルキル、シクロ
アルケニル、イミノアルキルまたは架橋環式炭化水素基
を、それぞれ示す。」で表わされる4−オキソ−1,4
−ジヒドロニコチン酸またはその塩に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、一般式[1]で表わされる4−オ
キソ−1,4−ジヒドロニコチン酸またはその塩につい
ては知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、グラ
ム陽性菌およびグラム陰性菌に対して有効に作用し、と
りわけ抗生物質耐性菌に対して強力な抗菌作用を示す新
規化合物[1]を提供することにある。本発明の他の目
的は、経口または非経口投与で高い血中濃度と高い安全
性を有する新規な化合物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
行った結果、現在市販されている種々の抗菌剤と化学構
造を異にする一般式[1]で表わされる4−オキソ−
1,4−ジヒドロニコチン酸またはその塩が、上記の優
れた性質を有することを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0006】以下、本発明化合物を詳説する。一般式
[1]において、R1のカルボキシル保護基としては、
たとえば、接触還元、化学的還元またはその他の緩和な
条件で処理することにより脱離する性質のエステル形成
基;生体内において容易に脱離するエステル形成基;水
もしくはアルコールで処理することにより容易に脱離す
る性質の有機シリル、有機リンもしくは有機スズ基な
ど;またはその他の種々の公知のエステル形成基が挙げ
られる。
【0007】この種の保護基のうち好適な保護基として
は、次のものが挙げられる。 (イ) アルキル基;C14アルキル基。 (ロ) 置換基の少なくとも1つがハロゲン、ニトロ、アシ
ル、アルコキシ、オキソ、シアノ、ヒドロキシル、ジ−
14アルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ア
ルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニ
ル、アルコキシカルボニル、5−アルキル−2−オキソ
−1,3−ジオキソール−4−イル、1−インダニル、
2−インダニル、フリル、ピリジル、4−イミダゾリ
ル、フタルイミド、スクシンイミド、アゼチジノ、アジ
リジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモ
ルホリノ、N−低級アルキルピペラジノ、ピロリル、ピ
ラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリ
ル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾ
リル、チアトリアゾリル、オキサトリアゾリル、トリア
ゾリル、テトラゾリル、キノリル、フェナジニル、ベン
ゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベン
ゾチアゾリル、クマリニル、2,5−ジメチルピロリジ
ノ、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニル、4−
メチルピペリジノ、2,6−ジメチルピペリジノ、4−
(5−メチル−2−ピロリニル)、4−(2−ピロリニ
ル)、N−メチルピペリジニル、1,3−ベンゾジオキ
ソラニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシル
オキシ、アシルチオ、アシルアミノ、ジアルキルアミノ
カルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルケニル
オキシ、アリールオキシ、アルアルキルオキシ、シクロ
アルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、複素環オキ
シ、アルコキシカルボニルオキシ、アルケニルオキシカ
ルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、ア
ルアルキルオキシカルボニルオキシ、複素環オキシカル
ボニルオキシ、アルケニルオキシカルボニル、アリール
オキシカルボニル、アルアルキルオキシカルボニル、シ
クロアルキルオキシカルボニル、シクロアルケニルオキ
シカルボニル、複素環オキシカルボニル、アルキルアニ
リノまたはハロゲン、低級アルキルもしくは低級アルコ
キシで置換されたアルキルアニリノ基である置換低級ア
ルキル基。
【0008】(ハ) シクロアルキル基;低級アルキル置換
シクロアルキルまたは[2,2−ジ低級アルキル−1,
3−ジオキソール−4−イル]メチル基。 (ニ) アルケニル基。 (ホ) アルキニル基。 (ヘ) フェニル基または置換基が前記(ロ)で例示した置換
基より任意に選ばれた置換基で少なくとも1つ以上置換
されているフェニル、または式
【0009】
【化3】
【0010】「式中、−X−は、−CH=CH−O−、
−CH=CH−S−,−CH2CH2S−、−CH=N−
CH=N−、−CH=CH−CH=CH−、−CO−C
H=CH−CO−または−CO−CO−CH=CH−で
ある。」で表わされる基もしくはその置換誘導体[置換
基は、前記(ロ)で例示したものより任意に選ばれる]、
または式
【0011】
【化4】
【0012】「式中、−Y−は、−(CH23−または
−(CH24−のような低級アルキレン基である。」で
表わされる基もしくはその置換誘導体[置換基は、前記
(ロ)で例示したものより任意に選ばれる]のようなアリ
ール基。
【0013】(ト) ベンジルまたは置換基が前記(ロ)で例
示した置換基より任意に選ばれた置換基で少なくとも1
つ以上置換されているベンジルのようなアルアルキル
基。 (チ) 複素環式基または置換基が前記(ロ)で例示した置換
基より任意に選ばれた置換基で少なくとも1つ以上置換
されている複素環式基。 (リ) 脂環インダニルまたはフタリジルおよび置換基がメ
チルもしくはハロゲンであるそれらの置換誘導体、脂環
テトラヒドロナフチルおよび置換基がメチルもしくはハ
ロゲンであるその置換誘導体、トリチル、コレステリル
またはビシクロ[4.4.0]デシルなど。 (ヌ) 脂環フタリジリデン低級アルキル基または置換基が
ハロゲンもしくは低級アルキル基であるその置換誘導
体。
【0014】上で例示したカルボキシル保護基は代表例
であり、またつぎの文献に記載されている保護基を任意
に選択することができる。米国特許3,499,909号、3,57
3,296号および3,641,018号;***特許公開公報2,301,01
4号、2,253,287号および2,337,105号。
【0015】それらの中で更に好ましいカルボキシル保
護基としては、たとえば、5−低級アルキル−2−オキ
ソ−1,3−ジオキソール−4−イル−低級アルキル
基、アシルオキシアルキル基、アシルチオアルキル基、
フタリジル基、インダニル基、フェニル基、置換基を有
するかもしくは有しないフタリジリデン低級アルキル基
または次の式で表わされる基のように生体内で容易に脱
離する基が挙げられる。
【0016】
【化5】
【0017】「式中、R4は、水素原子または公知の置
換基を有するかまたは有しない直鎖もしくは分枝鎖アル
キル、アルケニル、アリール、アルアルキル、脂環式ま
たは複素環式基を;R5は、水素原子またはアルキル基
を;R6は、公知の置換基を有するかまたは有しない直
鎖もしくは分枝鎖アルキル、アルケニル、アリール、ア
ルアルキル、脂環式または複素環式基を;R7は、水素
原子、ハロゲン原子または公知の置換基を有するかもし
くは有しないアルキル、シクロアルキル、アリールまた
は複素環式基または式−(CH2nCOOR4(ただ
し、R4は、前記した意味を;nは、0,1または2を
示す)で表わされる基を;およびmは、0,1または2
を意味する。」
【0018】上述の好ましいカルボキシル保護基として
は、具体的に、たとえば、5−メチル−2−オキソ−
1,3−ジオキソール−4−イル−メチル、5−エチル
−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル−メチ
ルおよび5−プロピル−2−オキソ−1,3−ジオキソ
ール−4−イルーメチル基などの5−低級アルキル−2
−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル−低級アル
キル基;アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチル、
プロピオニルオキシメチル、n−ブチリルオキシメチ
ル、イソブチリルオキシメチル、バレリルオキシメチ
ル、1−アセトキシエチル、1−アセトキシ−n−プロ
ピル、1−ピバロイルオキシエチルおよび1−ピバロイ
ルオキシ−n−プロピル基などのアシルオキシアルキル
基;アセチルチオメチル、ピバロイルチオメチル、ベン
ゾイルチオメチル、p−クロロベンゾイルチオメチル、
1−アセチルチオエチル、1−ピバロイルチオエチル、
1−ベンゾイルチオエチルおよび1−(p−クロロベン
ゾイルチオ)エチル基などのアシルチオアルキル基;メ
トキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イ
ソプロポキシメチルおよびn−ブトキシメチル基などの
アルコキシメチル基;メトキシカルボニルオキシメチ
ル、エトキシカルボニルオキシメチル、プロポキシカル
ボニルオキシメチル、イソプロポキシカルボニルオキシ
メチル、n−ブトキシカルボニルオキシメチル、tert−
ブトキシカルボニルオキシメチル、1−メトキシカルボ
ニルオキシエチル、1−エトキシカルボニルオキシエチ
ル、1−プロポキシカルボニルオキシエチル、1−イソ
プロポキシカルボニルオキシエチルおよび1−n−ブト
キシカルボニルオキシエチル基などのアルコキシカルボ
ニルオキシアルキル基;メトキシカルボニルメチルおよ
びエトキシカルボニルメチルなどのアルコキシカルボニ
ルアルキル基;フタリジル基;インダニル基;フェニル
基;2−(フタリジリデン)−エチル、2−(5−フル
オロフタリジリデン)−エチル、2−(6−クロロフタ
リジリデン)−エチルおよび2−(6−メトキシフタリ
ジリデン)−エチル基などのフタリジリデンアルキル基
などが挙げられる。
【0019】また、一般式[1]中のR2のアリール基
としては、たとえば、フェニルおよびナフチルなどの
基;R2およびR3の複素環式基としては、たとえば、チ
エニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソ
オキサゾリル、フラザニル、ピロリジニル、ピロリニ
ル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニ
ル、ピラゾリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリ
ル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアトリアゾリル、
ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、
ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、モルホリニ
ル、ピリジン−1−オキシド−3または4−イル、ピリ
ダジン−1−オキシド−6−イル、キノリン−1−オキ
シド−6−イル、トリアジニル、ベンゾチエニル、ナフ
トチエニル、ベンゾフリル、2,3−ジヒドロベンゾフ
リル、ベンゾチアゾリル、イソベンゾフリル、クロメニ
ル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、イ
ンダゾリル、プリニル、キノリル、1,2,3,4−テト
ラヒドロキノリル、1,2−ジヒドロキノリル、イソキ
ノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニ
ル、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリニル、キ
ナゾリニル、シノリニル、プテリジニル、イソクロマニ
ル、クロマニル、インドリニル、イソインドリニル、ベ
ンゾオキサゾリル、ベンゾモルホリニル、トリアゾロピ
リジル、テトラゾロピリダジニル、テトラゾロピリミジ
ニル、チアゾロピリダジニル、チアジアゾロピリダジニ
ルおよびトリアゾロピリダジニルなどのN,SおよびO
から選ばれる原子を1種以上有する5員、6員および縮
合環型複素環式基などが挙げられる。
【0020】また、R3におけるハロアルキル基として
は、たとえば、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモ
メチル、1−または2−フルオロエチル、1−または2
−クロロエチルおよび1−または2−ブロモエチルなど
のハロ−C18アルキル基;アミノアルキル基として
は、たとえば、アミノメチル、1−アミノエチルおよび
2−アミノエチルなどのアミノ−C18アルキル基;ア
ルケニル基としては、たとえば、ビニル、アリル、イソ
プロペニル、1−プロペニル、2−ブテニルおよび2−
ペンテニルなどのC28アルケニル基;アルアルキル基
としては、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびオクチル
などのC18アルキル基が、上記と同様のアリール基で
置換されている基;複素環−アルキル基としては、たと
えば、上記と同様のアルキル基が上記と同様の複素環式
基で置換されている基;シクロアルキル基としては、た
とえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオク
チルなどのC38シクロアルキル基;シクロアルケニル
基としては、たとえば、1−シクロプロペニル、2−シ
クロプロペニル、1−シクロブテニル、2−シクロブテ
ニル、1−シクロペンテニル、3−シクロペンテニル、
4−シクロペンテニル、1−シクロヘキセニル、3−シ
クロヘキセニル、4−シクロヘキセニル、シクロヘプテ
ニルおよびシクロオクテニルなどのC38シクロアルケ
ニル基;イミノアルキル基としては、たとえば、イミノ
メチル、1−イミノエチルおよび2−イミノエチルなど
のイミノ−C18アルキル基;並びに架橋環式炭化水素
基としては、たとえば、3,6−メタノシクロヘキセン
−4−イルおよびアダマンチルなどのC415架橋環式
炭化水素基などが挙げられる。
【0021】そして上記のR2およびR3の置換基として
は、ハロゲン原子、たとえば、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子およびヨウ素原子など;アルキル基、たとえ
ば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびオクチルなどの直
鎖または分枝状C110アルキル基;アルアルキル基、
たとえば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチルおよ
びナフチルエチルなどのフェニル−C14アルキルまた
はナフチル−C14アルキル基;ヒドロキシル基;アル
コキシ基、たとえば、メトキシ、エトキシ、n−プロポ
キシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、
sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘ
キシルオキシ、ヘプチルオキシおよびオクチルオキシな
どのC110アルコキシ基;アルキルチオ基、たとえ
ば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソ
プロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec
−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキ
シルチオ、ヘプチルチオおよびオクチルチオなどのC1
10アルキルチオ基;ニトロ基;シアノ基;アミノ基;
アルキルアミノ基、たとえば、メチルアミノ、エチルア
ミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−
ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec−ブチルアミノ
およびtert−ブチルアミノなどのC18アルキルアミノ
基;ジアルキルアミノ基、たとえば、ジメチルアミノ、
ジエチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノおよびジ−n
−ブチルアミノなどのジ−C18 アルキルアミノ基;
アルケニルアミノ基、たとえば、ビニルアミノおよびア
リルアミノなどのC28アルケニルアミノ基;カルボキ
シル
【0022】基;カルバモイル基;アシル基、たとえ
ば、ホルミル、アセチルおよびプロピオニルなどのアル
カノイル基、ベンゾイルおよびp−ニトロベンゾイルな
どのアロイル基、テノイルおよびフロイルなどの複素環
カルボニル基;アシルオキシ基、たとえば、上記と同様
のアシル基から成るアシル−O−基;アシルアルキル
基、たとえば、上記と同様のアシル基が上記と同様のア
ルキル基に置換したアシル−アルキル基;アシルアミノ
基、たとえば、上記と同様のアシル基から成るアシル−
NH−基;アルコキシカルボニル基、たとえば、上記と
同様のアルコキシ基から成るアルコキシカルボニル基;
アミノアルキル基、たとえば、上記と同様のアルキル基
にアミノ基が置換したNH2−アルキル基;アルキルア
ミノアルキル基、たとえば、上記と同様のアルキルアミ
ノ基が上記と同様のアルキル基に置換したアルキルアミ
ノ−アルキル基;ジアルキルアミノアルキル基、たとえ
ば、上記と同様のジアルキルアミノ基が上記と同様のア
ルキル基に置換したジアルキルアミノ−アルキル基;ヒ
ドロキシアルキル基、たとえば、上記と同様のアルキル
基にヒドロキシル基が置換したHO−アルキル基;ヒド
ロキシイミノアルキル基、たとえば、上記と同様のアル
キル基にヒドロキシイミノ基が置換したHON=アルキ
ル基;アルコキシアルキル基、たとえば、上記と同様の
アルコキシ基が上記と同様のアルキル基に置換したアル
コキシ−アルキル基;カルボキシアルキル基、たとえ
ば、上記と同様のアルキル基にカルボキシル基が置換し
たHOOC−アルキル基;アルコキシカルボニルアルキ
ル基、たとえば、上記と同様のアルコキシカルボニル基
が上記と同様のアルキル基に置換したアルコキシカルボ
ニルアルキル基;スルホアルキル基、たとえば、上記と
同様のアルキル基にスルホ基が置換したスルホ−アルキ
ル基;スルホ基;スルホキシ基;スルファモイル基;ス
ルファモイルアルキル基、たとえば、上記と同様のアル
キル基にスルファモイル基が置換したスルファモイル−
アルキル基;カルバモイルアルキル基、たとえば、
【0023】上記と同様のアルキル基にカルバモイル基
が置換したカルバモイル−アルキル基;アリール基、た
とえば、フェニルおよびナフチルなどのアリール基;ア
リールチオ基、たとえば、上記と同様のアリール基から
成るアリール−S−基;アリールオキシ基、たとえば、
上記と同様のアリール基から成るアリール−O−基;オ
キソ基;チオキソ基;メルカプト基;ウレイド基;ヒド
ロキシアミノ基;ヒドロキシアルキルアミノ基、たとえ
ば、上記と同様のヒドロキシアルキル基から成るHO−
アルキル−NH−基;ハロゲノアルキル基、たとえば、
クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、ジブロ
モメチル、トリフルオロメチルおよびジクロロエチルな
どのモノ−、ジ−、トリ−ハロゲノ−C14アルキル
基;アルケニル基、たとえば、ビニル、アリル、イソプ
ロペニル、1−プロペニル、2−ブテニルおよび2−ペ
ンテニルなどのC28アルケニル基;アルキニル基、た
とえば、エチニル、1−プロピニルおよび2−プロピニ
ルなどのC28アルキニル基;アルケニルアミノ基、た
とえば、上記と同様のアルケニル基から成るアルケニル
−NH−基;シクロアルキル基、たとえば、シクロプロ
ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル
およびシクロヘプチルなどのC38シクロアルキル基;
シクロアルカジエニル基、たとえば、シクロヘキサジエ
ニルおよびシクロヘプタジエニルなどのC68シクロア
ルカジエニル基;アルキレンジオキシ基、
【0024】たとえば、メチレンジオキシ、エチレンジ
オキシおよびトリメチレンジオキシなどのC14アルキ
レンジオキシ基;エポキシ基;複素環式基、たとえば、
チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソ
オキサゾリル、フラザニル、ピロリジニル、ピロリニ
ル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニ
ル、ピラゾリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリ
ル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアトリアゾリル、
ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、
ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、モルホリニ
ル、ピリジン−1−オキシド−2−イル、ピリダジン−
1−オキシド−6−イル、トリアジニル、ベンゾチエニ
ル、ナフトチエニル、ベンゾフリル、2,3−ジヒドロ
ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、イソベンゾフリル、
クロメニル、インドリジニル、イソインドリル、インド
リル、インダゾリル、プリニル、キノリル、イソキノリ
ル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリル、1,2−
ジヒドロキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キ
ノキサリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサ
リニル、キナゾリニル、シノリニル、プテリジニル、イ
ソクロマニル、クロマニル、インドリニル、イソインド
リニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾモルホリニル、ト
リアゾロピリジル、テトラゾロピリダジニル、テトラゾ
ロピリミジニル、チアゾロピリダジニル、チアジアゾロ
ピリダジニルおよびトリアゾロピリダジニルなどのN,
SおよびOから選ばれる原子を1以上有する5員、6員
および縮合環型複素環式基;並びに5−ニトロフルフリ
リデンアミノ基などの1種以上の置換基が挙げられ、と
りわけ、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、
アミノ基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキ
ルアミノ基、ニトロ基、アリール基および複素環式基な
どの置換基が好ましい。
【0025】上記のR2およびR3の置換基は、さらにハ
ロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ニトロ
基、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルア
ミノ基、ジアルキルアミノ基、アリール基およびアシル
基(ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキ
ルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリール基およびア
シル基としては、R2およびR3の置換基として挙げたも
のと同様のものが挙げられる)などの1種または2種以
上の置換基で置換されていてもよい。
【0026】また、本発明化合物のR2およびR3がヒド
ロキシル基、アミノ基またはカルボキシル基を有する場
合、これらの基は公知の保護基で保護されていてもよ
い。
【0027】ここにおいてヒドロキシル基の保護基とし
ては、通常ヒドロキシル基の保護基として使用し得るす
べての基を含み、たとえば、ベンジルオキシカルボニ
ル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−ブロモ
ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキ
シカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカル
ボニル、4−(フェニルアゾ)ベンジルオキシカルボニ
ル、4−(4−メトキシフェニルアゾ)ベンジルオキシ
カルボニル、tert−ブトキシカルボニル、1,1−ジメ
チルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニ
ル、ジフェニルメトキシカルボニル、2,2,2−トリ
クロロエトキシカルボニル、2,2,2−トリブロモエ
トキシカルボニル、2−フルフリルオキシカルボニル、
1−アダマンチルオキシカルボニル、1−シクロプロピ
ルエトキシカルボニル、8−キノリルオキシカルボニ
ル、アセチル、ホルミル、クロロアセチルおよびトリフ
ルオロアセチルなどの脱離しやすいアシル基並びにベン
ジル、ベンズヒドリル、トリチル、テトラヒドロフリ
ル、テトラヒドロピラニル、メトキシメチル、2−ニト
ロフェニルチオおよび2,4−ジニトロフェニルチオ基
などが挙げられる。
【0028】また、アミノ基の保護基としては、通常ア
ミノ基の保護基として使用し得るすべての基を含み、た
とえば、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
2,2,2−トリブロモエトキシカルボニル、ベンジル
オキシカルボニル、p−トルエンスルホニル、p−ニト
ロベンジルオキシカルボニル、o−ブロモベンジルオキ
シカルボニル、o−ニトロフェニルスルフィニル、(モ
ノ−、ジ−、トリ−)クロロアセチル、トリフルオロア
セチル、ホルミル、tert−アミルオキシカルボニル、te
rt−ブトキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシ
カルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボ
ニル、4−(フェニルアゾ)ベンジルオキシカルボニ
ル、4−(4−メトキシフェニルアゾ)ベンジルオキシ
カルボニル、ピリジン−1−オキシド−2−イル−メト
キシカルボニル、2−フルフリルオキシカルボニル、ジ
フェニルメトキシカルボニル、1,1−ジメチルプロポ
キシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、1−シク
ロプロピルエトキシカルボニル、フタロイル、スクシニ
ル、1−アダマンチルオキシカルボニルおよび8−キノ
リルオキシカルボニルなどの脱離しやすいアシル基が挙
げられ、さらに、トリチル、2−ニトロフェニルチオ、
2,4−ジニトロフェニルチオ、2−ヒドロキシベンジ
リデン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンジリデン、2
−ヒドロキシ−1−ナフチルメチレン、3−ヒドロキシ
−4−ピリジルメチレン、1−メトキシカルボニル−2
−プロピリデン、1−エトキシカルボニル−2−プロピ
リデン、3−エトキシカルボニル−2−ブチリデン、1
−アセチル−2−プロピリデン、1−ベンゾイル−2−
プロピリデン、1−[N−(2−メトキシフェニル)カ
ルバモイル]−2−プロピリデン、1−[N−(4−メ
トキシフェニル)カルバモイル]−2−プロピリデン、
2−エトキシカルボニルシクロヘキシリデン、2−エト
キシカルボニルシクロペンチリデン、2−アセチルシク
ロヘキシリデン、3,3−ジメチル−5−オキソシクロ
ヘキシリデンおよび4−ニトロフルフリリデンなどの脱
離しやすい基並びにジ−およびトリ−アルキルシリルな
どのアミノ基の保護基が挙げられる。
【0029】また、カルボキシル基の保護基としては、
通常のカルボキシル基の保護基として使用し得るすべて
の基を含み、たとえば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、tert−ブチル、n−ブチル、ベンジ
ル、ジフェニルメチル、トリチル、p−ニトロベンジ
ル、p−メトキシベンジル、ベンゾイルメチル、アセチ
ルメチル、p−ニトロベンゾイルメチル、p−ブロモベ
ンゾイルメチル、p−メタンスルホニルベンゾイルメチ
ル、フタルイミドメチル、2,2,2−トリクロロエチ
ル、1,1−ジメチルプロピル、アセトキシメチル、プ
ロピオニルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、
1,1−ジメチル−2−プロペニル、3−メチル−3−
ブチニル、スクシンイミドメチル、1−シクロプロピル
エチル、メチルスルフェニルメチル、フェニルチオメチ
ル、ジメチルアミノメチル、キノリン−1−オキシド−
2−イル−メチル、ピリジン−1−オキシド−2−イル
−メチルおよびビス(p−メトキシフェニル)メチルな
どの基で保護されている場合、四塩化チタンのような非
金属化合物で保護されている場合、さらに特開昭46−70
73号およびオランダ国公開公報7,105,259号に記載され
ている、たとえば、ジメチルクロロシランのようなシリ
ル化合物で保護されている場合などが挙げられる。
【0030】一般式[1]の化合物の塩類としては、通
常知られているアミノ基などの塩基性基またはカルボキ
シル基などの酸性基における塩を挙げることができる。
アミノ基などの塩基性基における塩としては、たとえ
ば、塩酸および硫酸などの鉱酸との塩;シュウ酸、ギ
酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機
カルボン酸との塩;メタンスルホン酸、p−トルエンス
ルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸
との塩;並びにアスパラギン酸およびグルタミン酸など
のアミノ酸との塩を、またカルボキシル基などの酸性基
における塩としては、たとえば、ナトリウムおよびカリ
ウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウムおよびマグ
ネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;アンモニウム
塩;プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β
−フェネチルアミン、1−エフェナミンおよびN,N−
ジベンジルエチレンジアミンなどの含窒素有機塩基との
塩並びにトリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブ
チルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N
−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチル
アミンおよびジシクロヘキシルアミンなどの他の含窒素
有機塩基との塩を挙げることができる。
【0031】また、本発明は、一般式[1]で表わされ
る化合物またはその塩において異性体(たとえば、光学
異性体、幾何異性体および互変異性体など)が存在する
場合、それらすべてが包含され、またすべての結晶形お
よび水和物におよぶものである。
【0032】次に、本発明の代表的化合物についての抗
菌作用および急性毒性を示す。 1.抗菌作用 試験方法 日本化学療法学会標準法[ケモテラピー(CHEMOTHERAP
Y)第23巻、第1〜2頁(1975年)]に従い、ハート・
インヒュージョン・ブロース(Heart Infusionbroth)
(栄研化学社製)で37℃、20時間培養した菌液を、薬剤
を含むハート・インヒュージョン・アガー(Heart Infu
sion agar)培地(栄研化学社製)に接種し、37℃、20
時間培養した後、菌の発育の有無を観察し、菌の発育が
阻止された最小濃度をもって、MIC(μg/ml)とし
た。ただし、接種菌量は、104個/プレート(106個/m
l)とした。その結果を表1に示す。 * ペニシリネース産生菌 ** セファロポリネース産生菌
【0033】なお、試験化合物は、つぎのとおりであ
る。 1. 6−シクロヘキシル−1−(4−ヒドロキシ−2
−メチルフェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロニ
コチン酸 2. 6−(シクロヘキセン−4−イル)−1−(4−
ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−オキソ−1,
4−ジヒドロニコチン酸 3. 6−(シクロヘキセン−4−イル)−1−(2−
フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−4−オキソ−
1,4−ジヒドロニコチン酸 4. 6−(シクロヘキセン−4−イル)−1−(4−
ヒドロキシフェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ
ニコチン酸 5. 6−(3,6−メタノシクロヘキセン−4−イ
ル)−1−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−
4−オキソ−1,4−ジヒドロニコチン酸 6. 6−シクロペンチル−1−(4−ヒドロキシ−2
−メチルフェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロニ
コチン酸 7. 6−(シクロヘキセン−1−イル)−1−(4−
ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−オキソ−1,
4−ジヒドロニコチン酸 8. 6−(シクロペンテン−1−イル)−1−(4−
ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−オキソ−1,
4−ジヒドロニコチン酸 9. 1−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−
6−(1−プロペニル)−4−オキソ−1,4−ジヒド
ロニコチン酸 10. 1−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−
6−フェネチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロニコチ
ン酸 11. 6−(シクロヘキセン−4−イル)−1−(4−
フルオロ−2−メチルフェニル)−4−オキソ−1,4
−ジヒドロニコチン酸
【0034】
【表1】
【0035】2.急性毒性試験 本発明の代表的化合物のマウス(ICR系、♂、体重18
〜24g)静脈内投与におけるLD50値は次のとおりであ
った。
【0036】
【化6】
【0037】
【表2】
【0038】次に、本発明化合物の製造法について説明
する。本発明化合物を製造する方法としては自体公知の
方法が挙げられるが、以下、代表的製造方法に関して詳
説する。
【0039】
【化7】
【0040】「式中、R2およびR3は、前記したと同様
の意味を有し、R8は、R1で説明したと同様のカルボキ
シル保護基を示す。」
【0041】一般式[2]で表わされる化合物は、常法
により、たとえば、対応するR3CHOを原料として用
いるウィッティッヒ反応により製造される。この化合物
に、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール
またはN,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセター
ルを反応させた後、R2NH2で表わされるアミン類を反
応させることによって一般式[3]で表わされる化合物
に導くことができる。この反応に使用される溶媒として
は、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、
たとえば、ベンゼン、トルエンもしくはキシレンなどの
芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、
アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテルも
しくはジメチルセロソルブなどのエーテル類;塩化メチ
レン、クロロホルムもしくはジクロロエタンなどのハロ
ゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミドもし
くはN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジ
メチルスルホキシドなどのスルホキシド類が使用され
る。アセタール類の使用量は、一般式[2]で表わされ
る化合物に対して等モル以上、とりわけ1.0〜1.2倍モル
が好ましく、この反応は、通常、0〜80℃で、数十分〜
数十時間で完了する。続いて、R2NH2で表わされるア
ミン類を反応させるには上記と同様の溶媒を使用し、ア
ミン類を一般式[2]で表わされる化合物に対して等モ
ル用い、0〜100℃で、数十分〜数時間反応させればよ
い。
【0042】また、別法として、一般式[2]で表わさ
れる化合物に無水酢酸中、オルトギ酸エチルまたはオル
トギ酸メチルを反応させた後、R2NH2で表わされるア
ミン類を反応させて一般式[3]で表わされる化合物に
導くことができる。オルトギ酸エステル類の使用量は、
一般式[2]で表わされる化合物に対して等モル以上、
とりわけ、1.0〜1.2倍モルが好ましく、この反応は、通
常、20〜100℃で、数分〜数時間で完了する。ついで、
前記と同様の溶媒の存在下または無溶媒下で、一般式
[2]で表わされる化合物に対して等モル以上、好まし
くは1.0〜1.2倍モルのR2NH2で表わされるアミン類を
反応させて、一般式[3]で表わされる化合物を得るこ
とができる。
【0043】次に、一般式[4]で表わされる化合物
は、一般式[3]で表わされる化合物を加熱閉環反応さ
せることにより製造することができる。この反応は、
N,N−ジメチルホルムアミドもしくはN,N−ジメチ
ルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシド
のようなスルホキシド類;またはポリリン酸エチルのよ
うなリン酸エステル類などの溶媒の存在下または無溶媒
下、50〜150℃で、数時間〜数十時間で完了する。
【0044】さらに、一般式[1b]で表わされる化合
物は、一般式[4]で表わされる化合物に脱水素試薬を
作用させることによって製造される。脱水素試薬として
は、通常使用されるものが挙げられ、とりわけ、2,3
−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、
2,3,5,6−テトラクロロ−p−ベンゾキノンまた
は3,4,5,6−テトラクロロ−o−ベンゾキノンな
どの使用が好ましく、一般式[4]で表わされる化合物
に対して等モル以上、好ましくは1.0〜1.2倍モル使用す
ればよい。この反応は、通常、溶媒中で行われ、好適な
溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキ
シレンなどの芳香族炭化水素類;並びにジオキサン、テ
トラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコール
ジメチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエー
テル類などが挙げられる。この反応は、0〜100℃で、
数分間〜数十時間で完了する。
【0045】このようにして得られた化合物を、通常の
方法、たとえば、アルカリまたは酸の存在下、0〜100
℃で、数分間〜数十時間加水分解することにより一般式
[1a]で表わされる化合物を得ることができる。上記
反応経路によって一般式[1b]または[1a]で表わ
される化合物を製造する際、一般式「3]で表わされる
化合物および/または一般式[4]で表わされる化合物
を単離することなく次の反応に付すことができる。
【0046】なお、一般式[2]、[3]、[4]およ
び[1b]で表わされる化合物が反応部位以外の部位に
活性基(たとえば、ヒドロキシル基、アミノ基およびカ
ルボキシル基など)を有する場合、あらかじめ活性基を
常法に従って保護しておき、反応終了後、常法により保
護基を脱離させて製造する。このようにして製造された
化合物は、さらに自体公知の反応、たとえば、ハロゲン
化、エスエル化、アミド化、ウレイド化、アルキル化、
アルケニル化、アルキリデン化、アシル化、ヒドロキシ
ル化、イミノエチル化、還元反応に付して、他の化合物
に誘導することができ、中間体としての用途もあわせも
っている。
【0047】本発明化合物を医薬として使用する場合、
通常製剤化に使用される担体を適宜に用いて、常法に従
って、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、顆粒剤、
坐剤、軟膏剤または注射剤などに調製する。また、投与
方法、投与量および投与回数は、患者の症状に応じて適
宜選択することができ、通常、成人に対しては、経口ま
たは非経口(注射投与または直腸部位への投与)的投与
にて、0.1〜100mg/kg/日(一般式[1]で表わされ
る化合物に換算して)を1〜数回に分割して投与すれば
よい。
【0048】
【実施例】次に、本発明を参考例および実施例を挙げて
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0049】参考例1 [2−メトキシ−3−(メトキシカルボニル)アリル]
トリフェニルホスホニウムブロミド25.7gをメタノール1
00mlに溶解させ、室温下に攪拌しながら、28%ナトリウ
ムメトキシド−メタノール溶液10.5gを10分間を要して
滴下する。ついで、室温で1,2,3,6−テトラヒド
ロベンズアルデヒド5gを加えて、同温度で2時間反応
させた後、減圧下に溶媒を留去する。得られた残留物に
水50mlを加え、クロロホルム50mlで抽出する。抽出液を
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留
去する。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー
(和光シリカゲル C−200;溶離剤、ベンゼン:n−
ヘキサン=3:1)で精製して油状物を得る。これをジ
オキサン100mlに溶解させた後、0.1N硫酸100mlを加え
て、100℃で1.5時間反応させる。ついで、減圧下に溶媒を
留去し、得られた残留物にクロロホルム100mlを加えた
後、水100mlで洗浄する。有機層を分取し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥させた後、減圧下に溶媒を留去する。
得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(和光シリ
カゲル C−200;溶離剤、ベンゼン:n−ヘキサン=
3:1)で精製すれば、油状の5−(シクロヘキセン−
4−イル)−3−オキソ−4−ペンテン酸メチルエステ
ル7.5gを得る。 IR(ニート)cm-1;νC=O 1740 同様にして、次の化合物を得る。 R3CH=CHCOCH2COOCH3
【0050】
【表3】
【0051】実施例1 (1) 5−(シクロヘキセン−4−イル)−3−オキソ
−4−ペンテン酸メチルエステル2.0gをベンゼン20mlに
溶解させ、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセ
タール1.4gを加えて、70℃で1.5時間反応させる。反応
混合物を室温まで冷却し、p−ヒドロキシアニリン1.2g
を加えて、1.5時間反応させる。ついで、ジイソプロピ
ルエーテル50mlを加え、析出した結晶を濾取した後、ジ
イソプロピルエーテル20mlで洗浄すれば、融点151〜153
℃を示す5−(シクロヘキセン−4−イル)−2−(4
−ヒドロキシフェニルアミノメチレン)−3−オキソ−
4−ペンテン酸メチルエステル2.1gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1710 同様にして、次の化合物を得る。
【0052】
【化8】
【0053】
【表4】
【0054】(2) 5−(シクロヘキセン−4−イル)
−2−(4−ヒドロキシフェニルアミノメチレン)−3
−オキソ−4−ペンテン酸メチルエステル2.0gをN,N
−ジメチルホルムアミド20mlに溶解させ、140℃で4時
間反応させる。ついで、減圧下に溶媒を留去し、得られ
た残留物にジオキサン50mlを加え、析出した結晶を濾取
した後、ジエチルエーテル30mlで洗浄すれば、融点155
〜157℃を示す6−(シクロヘキセン−4−イル)−1
−(4−ヒドロシキフェニル)−4−オキソ−1,4,
5,6−テトラヒドロニコチン酸メチルエステル1.4gを
得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1715 同様にして、次の化合物を得る。
【0055】
【化9】
【0056】
【表5】
【0057】(3) 6−(シクロヘキセン−4−イル)
−1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−オキソ−1,
4,5,6−テトラヒドロニコチン酸メチルエステル1.
0gをジオキサン20mlに溶解させ、80℃に加熱する。つい
で、2,3,5,6−テトラクロロ−p−ベンゾキノン
0.83gをジオキサン20mlに溶解させた溶液を80℃で滴下
した後、同温度で1時間反応させる。反応混合物を室温
まで冷却し、析出した結晶を濾取し、ジオキサン50mlで
洗浄すれば、融点250℃以上を示す6−(シクロヘキセ
ン−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−4
−オキソ−1,4−ジヒドロニコチン酸メチルエステル
0.7gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1735,1705
【0058】この化合物のNMRを表6に示す。
【0059】
【表6】
【0060】同様にして、次の化合物を得る。
【0061】
【化10】
【0062】
【表7】
【0063】(4) 6−(シクロヘキセン−4−イル)
−1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−オキソ−1,
4−ジヒドロニコチン酸メチルエステル0.5gをメタノー
ル5mlおよび1N水酸化ナトリウム水溶液5mlに溶解さ
せ、室温で30分間反応させる。ついで、反応混合物を酢
酸でpH5.5に調整し、析出した結晶を濾取した後、水30m
lで洗浄し、乾燥すれば、融点250℃以上を示す6−(シ
クロヘキセン−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロニコチン酸0.35
gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1725,1700
【0064】この化合物のNMRを表8に示す。
【0065】
【表8】
【0066】同様にして、次の化合物を得る。
【0067】
【化11】
【0068】
【表9】
【0069】実施例2 5−(シクロヘキセン−4−イル)−3−オキソ−4−
ペンテン酸メチルエステル2.0gをN,N−ジメチルホル
ムアミド30mlに溶解させ、N,N−ジメチルホルムアミ
ドジメチルアセタール1.4gを加えて、70℃で1.5時間反
応させる。ついで、4−ヒドロキシ−2−メチルアニリ
ン1.3gを同温度で加え、80℃で2時間、さらに140℃で
3時間反応させる。反応混合物を室温まで冷却し、減圧
下に溶媒を留去する。得られた残留物をジオキサン20ml
に溶解させ、2,3,5,6−テトラクロロ−p-ベンゾ
キノン2.4gをジオキサン15mlに溶解させた溶液を80℃で
滴下した後、同温度で1時間反応させる。ついで、減圧
下に溶媒を留去し、得られた残留物をクロロホルム30ml
および水30mlに懸濁させ、炭酸水素ナトリウムでpH7.5
に調整した後、有機層を分取する。この有機層を水10ml
および飽和食塩水20mlで順次洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去すれば、融点25
0℃以上を示す6−(シクロヘキセン−4−イル)−1
−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−オキ
ソ−1,4−ジヒドロニコチン酸メチルエステル1.3gを
得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1735,1705
【0070】この化合物のNMRを表10に示す。
【0071】
【表10】
【0072】同様にして、次の化合物を得る。
【0073】
【化12】
【0074】
【表11】
【0075】実施例3 6−(シクロヘキセン−4−イル)−1−(4−ヒドロ
キシ−2−メチルフェニル)−4−オキソ−1,4−ジ
ヒドロニコチン酸メチルエステル2.0gをクロロホルム80
mlに溶解させ、5℃に冷却する。この溶液に、臭素1.0g
をクロロホルム5mlに溶解させた溶液を、5℃で30分間
を要して滴下した後、室温で30分間反応させる。つい
で、減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物にジエチル
エーテル50mlを加え、析出した結晶を濾取した後、ジエ
チルエーテル20mlで洗浄すれば、融点197〜200℃を示す
6−(3,4−ジブロモシクロヘキシル)−1−(4−
ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−オキソ−1,
4−ジヒドロニコチン酸メチルエステル2.5gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1730,1700
【0076】実施例4 実施例1(4)と同様にして、対応するメチルエステル体
を加水分解して、次の化合物を得る。
【0077】
【化13】
【0078】
【表12】
【0079】実施例5 (1) 5−(シクロペンテン−1−イル)−3−オキソ
−4−ペンテン酸メチルエステル0.7gをベンゼン5mlに
溶解させ、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセ
タール0.6gを加えて、70℃で1.5時間反応させる。反応
混合物を室温まで冷却し、4−ヒドロキシ−2−メチル
アニリン0.44gを加えて、1.5時間反応させる。ついで、
ジエチルエ−テル5mlを加え、析出した結晶を濾取した
後、ジエチルエーテル5mlで洗浄すれば、融点148〜151
℃を示す5−(シクロペンテン−1−イル)−2−(4
−ヒドロキシ−2−メチルフェニルアミノメチレン)−
3−オキソ−4−ペンテン酸メチルエステル0.7gを得
る。 IR(KBr)cm-1C=O 1705
【0080】同様にして、次の化合物を得る。
【0081】
【化14】
【0082】
【表13】
【0083】(2) 5−(シクロペンテン−1−イル)
−2−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニルアミノメ
チレン)−3−オキソ−4−ペンテン酸メチルエステル
0.7gをN,N−ジメチルホルムアミド5mlに溶解させ、
140℃で2時間反応させる。ついで、減圧下に溶媒を留
去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(和
光シリカゲルC−200;溶離剤;クロロホルム)で精製
して、油状物を得る。この油状物をジオキサン10mlに溶
解させ、2,3,5,6−テトラクロロ−p-ベンゾキノ
ン0.5gを加えて、80℃で30分間反応させる。反応混合物
を室温まで冷却した後、析出した結晶を濾取し、これを
ジオキサン5mlで洗浄する。この結晶をメタノール5ml
および1N水酸化ナトリウム水溶液5mlに溶解させ、室
温で30分間反応させる。反応混合物を酢酸でpH5.5に調
整し、析出した結晶を濾取し、水洗した後、乾燥すれ
ば、融点211〜213℃を示す6−(シクロペンテン−1−
イル)−1−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)
−4−オキソ−1,4−ジヒドロニコチン酸0.3gを得
る。 IR(KBr)cm-1C=O 1720,1700
【0084】同様にして、次の化合物を得る。
【0085】
【化15】
【0086】
【表14】
【0087】実施例6 5−シクロオクチル−3−オキソ−4−ペンテン酸メチ
ルエステル0.3gをベンゼン5mlに溶解させ、N,N−ジ
メチルホルムアミドジメチルアセタール0.3gを加えて、
70℃で1時間反応させる。反応混合物を室温まで冷却
し、4−ヒドロキシ−2−メチルアニリン0.27gを加え
て、室温で2時間反応させる。ついで、減圧下に溶媒を
留去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー
(和光シリカゲルC−200;溶離剤、トルエン:酢酸エ
チル=50:1)で精製した後、得られた油状物をN,N−
ジメチルホルムアミド5mlに溶解させ、還流下に4時間
反応させる。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物を
カラムクロマトグラフィー(和光シリカゲルC−200;
溶離剤、クロロホルム:エタノール=50:1)で精製した
後、得られた油状物をジオキサン5mlに溶解させ、2,
3,5,6−テトラクロロ−p-ベンゾキノン0.2gを加え
て、80〜90℃で、30分間反応させる。反応混合物を室温
まで冷却し、析出した結晶を濾取する。この結晶をクロ
ロホルム20mlに溶解させ、不溶物を濾去し、減圧下に溶
媒を留去する。得られた残留物に1N水酸化ナトリウム
水溶液5mlとメタノール5mlを加えて、室温で30分間反
応させる。減圧下にメタノールを留去し、得られた残留
物を2N塩酸でpHを6.5に調整する。析出した結晶を濾
取し、水洗した後、乾燥すれば、融点118〜120℃を示す
6−シクロオクチル−1−(4−ヒドロキシ−2−メチ
ルフェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロニコチン
酸0.14gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1725,1710
【0088】同様にして、次の化合物を得る。
【0089】
【化16】
【0090】
【表15】
【0091】実施例7 6−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノシクロヘキ
シル)−1−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)
−4−オキソ−1,4−ジヒドロニコチン酸0.15gをジ
オキサン10mlおよび水5mlに溶解させ、5%パラジウム
−炭素0.03gを加えて、常圧で3時間水素添加させる。
ついで、触媒を濾去し、減圧下に溶媒を留去する。得ら
れた残留物にジエチルエーテル3mlを加えた後、結晶を
濾取し、これをジエチルエーテル3mlで洗浄すれば、融
点237〜250℃(分解)を示す6−(4−アミノシクロヘ
キシル)−1−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニ
ル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロニコチン酸0.095g
を得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1715
【0092】同様にして、次の化合物を得る。
【0093】
【化17】
【0094】
【表16】
【0095】実施例8 6−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノシクロヘキ
シル)−1−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)
−4−オキソ−1,4−ジヒドロニコチン酸メチルエス
テル0.2gをメタノール15mlに溶解させ、5%パラジウム
−炭素0.05gを加えて常圧で1.5時間水素添加する。つい
で、触媒を濾去し、減圧下に溶媒を留去する。得られた
残留物に37%ホルマリン0.4gおよびギ酸0.1gを加えて、1
00℃で7.5時間反応させる。減圧下に溶媒を留去し、得
られた残留物をカラムクロマトグラフィー(和光シリカ
ゲルC−200;溶離剤、クロロホルム:エタノール=3:
1)で精製すれば、融点207〜215℃を示す6−(4−ジ
メチルアミノシクロヘキシル)−1−(4−ヒドロキシ
−2−メチルフェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒド
ロニコチン酸0.04gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1720
【0096】同様にして、次の化合物を得る。
【0097】
【化18】
【0098】
【表17】
【0099】実施例9 (1) 1−(4−アセトキシ−2−メチルフェニル)−
6−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロニコチン酸
メチルエステル10.5gをジオキサン315mlに加熱溶解さ
せ、ニ酸化セレン4.43gを加えて、100℃で2時間反応さ
せる。反応混合物を室温で冷却し、セレンを濾去した
後、減圧下に溶媒を留去する。得られた残留物をカラム
クロマトグラフィー(和光シリカゲルC−200;溶離
剤、クロロホルム:エタノール=25:1)で精製すれば、
融点216〜217℃を示す1−(4−アセトキシ−2−メチ
ルフェニル)−6−ホルミル−4−オキソ−1,4−ジ
ヒドロニコチン酸メチルエステル7.9gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1760,1730,1700(sh)
【0100】(2) 1−(4−アセトキシ−2−メチル
フェニル)−6−ホルミル−4−オキソ−1,4−ジヒ
ドロニコチン酸メチルエステル0.95gに6N塩酸5mlを
加えて、100℃で1時間反応させる。反応混合物を室温
まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH7.5に
調整する。ついで、アセトニトリル100mlを加えた後、
食塩で水層を飽和させる。有機層を分取し、飽和食塩水
で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧
下に溶媒を留去すれば、融点230〜250℃の6−ホルミル
−1−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−
オキソ−1,4−ジヒドロニコチン酸0.6gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1715
【0101】(3) 6−ホルミル−1−(4−ヒドロキ
シ−2−メチルフェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒ
ドロニコチン酸0.15gをメタノール5mlに溶解させ、エ
トキシカルボニルメチレントリフェニルホスホラン0.19
gを加えて、室温で1時間反応させる。ついで、減圧下
に溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(和光シリ
カゲルC−200;溶離剤、クロロホルム:エタノール=5
0:1)で精製すれば、融点185〜189℃を示す6−(2−
エトキシカルボニルエテニル)−1−(4−ヒドロキシ
−2−メチルフェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒド
ロニコチン酸0.06gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1720,1705
【0102】(4) 6−(2−エトキシカルボニルエテ
ニル)−1−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)
−4−オキソ−1,4−ジヒドロニコチン酸0.09gに6
N塩酸3mlを加えて、100℃で1.5時間反応させる。つい
で、減圧下に溶媒を留去し、得られた結晶にジエチルエ
ーテル3mlを加えて、濾取すれば、融点280℃以上を示
す6−(2−カルボキシエテニル)−1−(4−ヒドロ
キシ−2−メチルフェニル)−4−オキソ−1,4−ジ
ヒドロニコチン酸0.08gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1720
【0103】この化合物のNMRを表18に示す。
【0104】
【表18】
【0105】実施例10 6−ホルミル−1−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェ
ニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロニコチン酸0.15
gをメタノール5mlに溶解させ、N−アミノモルホリン
0.056gを加えて、65℃で1時間反応させる。ついで、減
圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をカラムクロマト
グラフィー(和光シリカゲルC−200;溶離剤、クロロ
ホルム)で精製すれば、融点267〜268℃を示す1−(4
−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−6−(モルホリ
ノイミノメチル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロニコ
チン酸0.06gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1730
【0106】同様にして、次の化合物を得る。
【0107】
【化19】
【0108】
【表19】
【0109】実施例11 1−(4−ベンジルオキシ−2−メチルフェニル)−6
−(2−クロロエチル)−4−オキソ−1,4−ジヒド
ロニコチン酸メチルエステル2gをN,N−ジメチルホ
ルムアミド20mlに溶解させ、5℃で、4−エチル−2,
3−ジオキソピペラジン−1−ナトリウム0.9gを20分間
を要して添加する。ついで、同温度で30分間反応させた
後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をクロロホ
ルム20mlに溶解させる。これを水20mlおよび飽和食塩水
20mlで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた
後、減圧下に溶媒を留去すれば、油状物を得る。この油
状物をメタノール10mlおよび1N水酸化ナトリウム水溶
液10mlに溶解させ、室温で30分間反応させる。ついで、
反応混合物を酢酸でpH6.0に調整し、析出した結晶を濾
取し、水洗した後、ジオキサン10mlおよび水5mlに溶解
させ、5%パラジウム−炭素0.2gを添加し、10時間を要
して水素添加を行う。反応混合物を濾過し、減圧下に濾
液を濃縮すれば、融点182〜190℃(分解)を示す6−
[2−(4−エチル−2,3−ジオキソピペラジン−1
−イル)−エチル]−1−(4−ヒドロキシ−2−メチ
ルフェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロニコチン
酸0.8gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1730
【0110】実施例12 7−(4−ベンジルオキシカルボニル−ピペラジン−1
−イル)−3−オキソ−4−ヘプテン酸メチルエステル
3.0gをベンゼン20mlに溶解させ、N,N−ジメチルホル
ムアミドジメチルアセタール1.2gを加えて、70℃で1.5
時間反応させる。反応混合物を室温まで冷却し、4−ヒ
ドロキシ−2−メチルアニリン1.0gを加えて、1.5時間
反応させる。ついで、析出した結晶を濾取し、ベンゼン
10mlで洗浄した後、N,N−ジメチルホルムアミド20ml
に溶解させ、140℃で3時間反応させる。反応混合物を
室温まで冷却し、減圧下に溶媒を留去する。得られた残
留物をカラムクロマトグラフィー(和光シリカゲルC−
200;溶離剤、クロロホルム)で精製して、油状物を得
る。この油状物をジオキサン20mlに溶解させ、2,3,
5,6−テトラクロロ−p-ベンゾキノン0.7gを加えて、
80℃で30分間反応させる。反応混合物を室温まで冷却
し、析出した結晶を濾取し、ジオキサン10mlで洗浄す
る。得られた結晶を1N水酸化ナトリウム水溶液10mlに
溶解させ、室温で30分間反応させる。反応混合物を酢酸
でpH6.0に調整し、析出した結晶を濾取し、水洗した
後、ジオキサン10mlおよび水5mlに溶解させ、5%パラ
ジウム−炭素0.2gを添加し、2時間を要して、水素添加
を行う。反応混合物に2N塩酸5mlを加えて濾取し、濾
液を濃縮すれば、融点140℃〜148℃を示す1−(4−ヒ
ドロキシ−2−メチルフェニル)−6−[2−(ピペラ
ジン−1−イル)エチル]−4−オキソ−1,4−ジヒ
ドロニコチン酸・二塩酸塩0.4gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1720
【0111】
【発明の効果】本発明の化合物は、グラム陽性菌および
グラム陰性菌に対して有効に作用し、とりわけ抗生物質
耐性菌に対して抗菌作用を示すことから、抗菌剤として
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 順子 富山県富山市五福1763 (72)発明者 渡辺 泰雄 富山県富山市西田地方町2−4−9 (72)発明者 松原 信之 富山県富山市中川原新町285−4 (72)発明者 南 新三郎 富山県富山市中田167 (72)発明者 才川 勇 富山県富山市大泉中町7−52 審査官 星野 紹英

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 「式中、R1は、水素原子またはカルボキシル保護基
    を;R2は、置換基を有するアリ−ル基または置換基を
    有するかもしくは有しない複素環式基を;およびR
    3は、ハロアルキル基、アミノアルキル基、アルケニル
    基または置換基を有するかもしくは有しないアルアルキ
    ル、複素環−アルキル、シクロアルキル、シクロアルケ
    ニル、イミノアルキルまたは架橋環式炭化水素基を、そ
    れぞれ示す。」で表わされる4−オキソ−1,4−ジヒ
    ドロニコチン酸またはその塩。
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