JPH07270805A - 液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置及びその製造方法

Info

Publication number
JPH07270805A
JPH07270805A JP6056294A JP6056294A JPH07270805A JP H07270805 A JPH07270805 A JP H07270805A JP 6056294 A JP6056294 A JP 6056294A JP 6056294 A JP6056294 A JP 6056294A JP H07270805 A JPH07270805 A JP H07270805A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
spacer
display device
buffer layer
crystal display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6056294A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Hirakata
純一 平方
Katsumi Kondo
克己 近藤
Masao Uehara
正男 上原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP6056294A priority Critical patent/JPH07270805A/ja
Publication of JPH07270805A publication Critical patent/JPH07270805A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】コントラストが高く、かつギャップむらや輝度
むらの無い表示の均一性の高い大容量表示が可能な電界
効果型液晶表示装置を得る。 【構成】電極を有し対向配置された少なくとも一方が透
明な一対の基板,該基板間に挾持された液晶層,基板表
面上の液晶分子を所定方向に配向制御する配向膜,基板
間に一定のギャップを与えるスペーサ,該電極間に電圧
を印加して前記液晶の透過光量を変化させる制御手段,
所定電圧波形を発生させる駆動回路を備えた液晶表示装
置において、該スペーサがコア部とバッファー層部から
なり、該コア部の弾性率が該バッファー層部の弾性率よ
りも高いことを特徴とする液晶表示装置。 【効果】本発明によれば、コントラストが高く、かつギ
ャップむらや輝度むらの無い表示の均一性の高い大容量
表示が可能な液晶表示装置を得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコントラストが高く、か
つギャップむらや輝度むらの無い表示の均一性の高い大
容量表示が可能な液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】大容量表示が可能な液晶表示装置におい
て、表示むらの原因であるスペーサ周辺部の液晶の配向
不良を防ぎ、均一なギャップを得る手段として、スペー
サ用ビーズの表面を垂直配向処理と平行配向処理を混在
させて行う方式が提案されている(東芝社、特開平3−6
9917号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】大容量表示が可能な液
晶表示装置にはスーパーツイステッドネマチックタイプ
(STN型)とシンフィルムトランジスタータイプ(T
FT型)の2つのタイプがあり、両タイプともに画質の
向上が重要な課題で、そのために各種表示むらの低減が
必須となっている。前記従来技術はスペーサ用ビーズの
表面を垂直配向処理と平行配向処理を混在させ、表示む
らの原因である配向不良領域の拡大を防ぐ効果はあった
が、配向不良領域を完全に除去すること、スペーサの移
動を抑制することはできないという問題があった。
【0004】ここでスペーサによる表示むらは、スペー
サの周辺の液晶分子の配向不良とスペーサの移動の2つ
に原因があり、それらが複合化して現われる。スペーサ
の移動はギャップの不均一、スペーサ凝集による光
漏れ、パネルへの傷付け、糸状ドメインの発生を引
き起こした。また、スペーサ周辺の液晶分子の配向不良
は光漏れによるコントラスト比の低下、2つのタイ
プのドメインの混在によるすじ状のむら、スペーサ移
動に起因した糸状ドメインを引き起こした。よって、ス
ペーサが関与する表示むらの低減は、配向不良の対策で
は十分には解決出来ない。
【0005】本発明はこの課題を解決するもので、その
目的はコントラストが高く、かつギャップむらや輝度む
らの無い表示の均一性の高い大容量表示が可能な液晶表
示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、上記
目的を達成するため本発明では以下の手段を用いる。 [手段1]電極を有し対向配置された少なくとも一方が
透明な一対の基板,該基板間に挾持された液晶層,基板
表面上の液晶分子を所定方向に配向制御する配向膜,基
板間に一定のギャップを与えるスペーサ,該電極間に電
圧を印加して前記液晶の透過光量を変化させる制御手
段,所定電圧波形を発生させる駆動回路を備えた液晶表
示装置において、該スペーサがコア部とバッファー層部
からなり、該コア部の弾性率が該バッファー層部の弾性
率よりも高いことを特徴とする液晶表示装置。
【0007】[手段2]電極を有し対向配置された少な
くとも一方が透明な一対の基板,該基板間に挾持された
液晶層,基板表面上の液晶分子を所定方向に配向制御す
る配向膜,基板間に一定のギャップを与えるスペーサ,
該電極間に電圧を印加して前記液晶の透過光量を変化さ
せる制御手段,所定電圧波形を発生させる駆動回路を備
えた液晶表示装置において、該スペーサがコア部とバッ
ファー層部からなり、該コア部の弾性率が該バッファー
層部の弾性率よりも高く、かつ該バッファー層部に接触
する液晶分子が垂直配向していることを特徴とする液晶
表示装置。
【0008】[手段3]手段1もしくは2に記載の前記
スペーサが圧力を与えられることにより厚さが変化し、
かつ与えられた圧力に対する厚さの変化率を3段階以上
有し、かつ第一の変化率と第二の変化率の変曲点より僅
かに高い圧力で前記パネルが加圧され、液晶が封入され
ていることを特徴とする液晶表示装置。
【0009】[手段4]手段1もしくは2に記載の前記
スペーサの前記コア部の直径をdc,前記バッファー層
部の厚さをtb ,該コア部と該バッファー層部の合計の
直径をdt(=dc+2tb),液晶が封入された状態で
の液晶層の厚さをdとしたとき、dはdc の0.8倍よ
り大きく1.2倍より小さく、かつdc とdはdt より
も小さいことを特徴とする液晶表示装置。
【0010】[手段5]手段1もしくは2に記載の前記
スペーサの前記コア部の変形率を1とした時、前記バッ
ファー層部の変形率が1.05 以上であることを特徴と
する液晶表示装置。
【0011】[手段6]手段4に記載の前記スペーサの
前記コア部の厚さあるいは直径を1とした時、前記バッ
ファー層部の厚さが0.3 以下であることを特徴とする
液晶表示装置。
【0012】[手段7]手段1及び2に記載の前記スペ
ーサの前記コア部の弾性率を1とした時、前記バッファ
ー層部の弾性率が0.5 以下であることを特徴とする液
晶表示装置。
【0013】[手段8]手段1もしくは2に記載の前記
スペーサの前記コア部が無機材料からなることを特徴と
する液晶表示装置。
【0014】[手段9]手段1もしくは2に記載の前記
スペーサの前記バッファー層が長鎖アルキル基を有する
有機材料からなることを特徴とする液晶表示装置。
【0015】[手段10]手段1もしくは2に記載の前
記スペーサの前記バッファー層の表面が長鎖アルキル基
を有する有機材料で被覆されていることを特徴とする液
晶表示装置。
【0016】[手段11]手段1もしくは2に記載の前
記スペーサの前記コア部の弾性率の値として圧縮変位が
該コア部の直径が10%時の圧縮弾性率が5kg/cm2
上80kg/cm2以下であることを特徴とする液晶表示装
置。
【0017】[手段12]手段1もしくは2に記載の前
記スペーサの前記バッファー層部の弾性率の値として圧
縮変位が該バッファー層の厚さの10%時の圧縮弾性率
が10kg/cm2 以下であることを特徴とする液晶表示装
置。
【0018】[手段13]電極を有し対向配置された少
なくとも一方が透明な一対の基板,該基板間に挾持され
た液晶層,基板表面上の液晶分子を所定方向に配向制御
する配向膜,基板間に一定のギャップを与えるスペー
サ,該電極間に電圧を印加して前記液晶の透過光量を変
化させる制御手段,所定電圧波形を発生させる駆動回路
を備えた液晶表示装置において、該スペーサがコア部と
バッファー層部からなり、該コア部の圧縮破壊弾性強度
が該バッファー層部の圧縮破壊弾性強度よりも高く、か
つ該バッファー層部に接触する液晶分子が垂直配向して
いることを特徴とする液晶表示装置。
【0019】[手段14]手段13に記載の前記スペー
サの前記コア部の圧縮破壊弾性強度が8kg/mm2以上2
4kg/mm2以下であることを特徴とする液晶表示装置。
【0020】[手段15]手段13に記載の前記スペー
サの前記バッファー層部の圧縮破壊弾性強度が10kg/
mm2以下であることを特徴とする液晶表示装置。
【0021】[手段16]手段1,2もしくは13に記
載の前記液晶層が誘電率異方性とねじれ角を持つらせん
構造を有し、該ねじれ角の大きさが180度以上360
度以下であり、かつ該液晶層の厚みd及び屈折率異方性
Δnの積d・Δnが0.2μmから1.2μmの間であ
り、かつ前記液晶層の厚みdが3.0μm 以上で、前記
屈折率異方性Δnが1.3 以下であることを特徴とする
液晶表示装置。
【0022】[手段17]手段16に記載の前記スペー
サが遮光性を有し、かつ透過型の表示装置であることを
特徴とする液晶表示装置。
【0023】[手段18]手段16に記載の前記スペー
サが透明あるいは白色で、かつ反射型の表示装置である
ことを特徴とする液晶表示装置。
【0024】[手段19]電極を有し対向配置された少
なくとも一方が透明な一対の基板,該基板間に挾持され
た液晶層,基板表面上の液晶分子を所定方向に配向制御
する配向膜,基板間に一定のギャップを与えるスペー
サ、該電極間に電圧を印加して前記液晶の透過光量を変
化させる制御手段,所定電圧波形を発生させる駆動回路
を備え、該スペーサがコア部とバッファー層部からな
り、該コア部の弾性率が該バッファー層部の弾性率より
も高く、かつ該バッファー層部に接触する液晶分子が垂
直配向している液晶表示装置の製造方法であって、該ス
ペーサの該コア部を気中懸濁被覆法により有機材料で被
覆する液晶表示装置の製造方法。
【0025】[手段20]電極を有し対向配置された少
なくとも一方が透明な一対の基板,該基板間に挾持され
た液晶層,基板表面上の液晶分子を所定方向に配向制御
する配向膜,基板間に一定のギャップを与えるスペー
サ,該電極間に電圧を印加して前記液晶の透過光量を変
化させる制御手段,所定電圧波形を発生させる駆動回路
を備え、該スペーサがコア部とバッファー層部からな
り、該コア部の弾性率が該バッファー層部の弾性率より
も高く、かつ該バッファー層部に接触する液晶分子が垂
直配向している液晶表示装置の製造方法であって、該ス
ペーサが2段階以上の重合により形成され、かつ長鎖ア
ルキル基を有するモノマーを最終段階に重合することに
より該バッファー層の表面が長鎖アルキル基で被覆され
たことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【0026】[手段21]電極を有し対向配置された少
なくとも一方が透明な一対の基板,該基板間に挾持され
た液晶層,基板表面上の液晶分子を所定方向に配向制御
する配向膜,基板間に一定のギャップを与えるスペー
サ,該電極間に電圧を印加して前記液晶の透過光量を変
化させる制御手段,所定電圧波形を発生させる駆動回路
を備え、該スペーサがコア部とバッファー層部からな
り、該コア部の弾性率が該バッファー層部の弾性率より
も高く、かつ該バッファー層部に接触する液晶分子が垂
直配向している液晶表示装置の製造方法であって、該ス
ペーサを長鎖アルキルシランカップリング溶液中に浸す
ことにより、該バッファー層の表面が垂直配向処理され
ることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【0027】
【作用】本発明の作用を図1,図2,図3を用いて説明
する。
【0028】図1,図3は本発明の液晶表示装置の素子
構造の模式的断面図、図2は本発明で用いたスペーサの
構造を示す図である。図1において、液晶層は二枚の電
極を有する基板に挾持され、該液晶層の厚さはスペーサ
により決定される。ここでスペーサは図2に示すような
中心部が固いスペーサ(コア部)の周りにやわらかい樹
脂(バッファー層部)を被覆したスペーサを水あるいは
アルコールに添加した溶液として霧状に散布したり、窒
素や圧縮空気と混合して乾式散布により基板状上に分散
する。
【0029】ここで図2に示すスペーサのコア部の直径
をdc,バッファー層の厚さをtb ,スペーサのトータル
の直径をdt(dt=dc+2tb)とすると、液晶を封入
しない状態ではスペーサは同心円状の構造をしており、
図3(b)に示すようにシール剤部の厚さに比べ表示部
の厚さは大きく、セルギャップは不均一である。一方、
液晶を封入した後の素子構造は図1及び図3(a)に示
すようにバッファー層が圧縮されd<dt,dc<dt
0.8×dc<d<1.2×dc の関係になり、表示部の
スペーサは変形してシール剤中のスペーサと同じ厚さに
なり、液晶素子は均一なセルギャップを得、かつスペー
サの基板への接触面積が増加するために移動も抑制でき
る。
【0030】さらにバッファー層表面で液晶分子が垂直
配向となるような表面処理を施すことにより、スペーサ
周辺部の配向不良領域の面積を低減できる。
【0031】以下、本発明の目的であるコントラストが
高く、かつギャップむらや輝度むらの無い表示の均一性
を高くする作用について説明する。
【0032】(1)スペーサ移動の防止 図4は本発明の、図5は従来のスペーサに与えられた圧
力とスペーサの厚さの変形量を表す。
【0033】従来のスペーサで同図の破線で示すプラス
チックスペーサは比較的小さな圧力で変形が生じる。そ
のためスペーサの基板への接触面積が増し移動しにくく
なるが、容易に変形するためパネル内でのギャップが不
均一になり易く表示むらにつながる。また、同図の実線
で示すシリカ(ガラス)スペーサは変形が生じにくく、
均一なギャップを得ることは容易だが、固いためにパネ
ルに傷がつきすじ状のむらが発生した。
【0034】しかし、中心部が固くその周りにやわらか
い樹脂を被覆したスペーサを用いると、均一なギャップ
を得、かつパネルに傷を付けることがなくなる。それは
図4に示すようにスペーサに圧力が与えられた場合、ス
ペーサの変化率が3段階以上有するためである。第一段
階、すなわち同図の範囲(a)ではスペーサは表面が柔
らかいためわずかな過重で容易に変形し、10%圧縮弾
性率は1〜10kg/cm2 、程度の低い値である。第二段
階では同図の範囲(b)に示すようにスペーサの変形量
がバッファー層の厚さを超えるため、コア部の固いスペ
ーサの効果により変形が生じにくく、10%圧縮弾性率
が5〜80kg/cm2 の高い値である。第三段階では同図
の範囲(c)に示すように圧力を加えてもスペーサはほ
とんど変形しない領域であり、圧縮破壊強度以上の圧力
を加えるとスペーサは破壊される。
【0035】均一なセルギャップを得るためには、図4
に示す範囲(a)から(b)へ変わった直後の圧力、同
図の範囲(b′)、すなわち0.8×dc<d<1.2×
cとなるような圧力で液晶パネルを組み立てると良
い。
【0036】液晶セルは液晶を封入しない状態では図3
(b)に示すようにシール剤部の厚さに比べ表示部の厚
さは大きく、セルギャップは不均一である。液晶を封入
する工程において減圧容器内に入れるため、セル内外の
圧力差によりスペーサに圧力がかかる。また封入後液晶
セルを加圧する工程を入れることがあり、これによって
もスペーサに圧力がかかる。その際スペーサが移動しパ
ネルを傷つけたり、非電極部等にスペーサが凝集するこ
とが生じる。しかし、本発明の中心部が固くその周りに
柔らかい樹脂を被覆したスペーサを用いると、スペーサ
の表面は柔らかいためパネルに傷がつくこともない。ま
た加圧によりスペーサのバッファー層が大きく変形し基
板に押しつけられ、基板への接触面積が増加して移動し
にくくなる。さらに中心部はガラススペーサ等の弾性率
の高い媒体からできているため、一定範囲の圧力を加え
ることにより、0.8×dc<d<1.2×dc、厚さでは
±0.05μm 以内の均一なギャップを得ることもでき
る。ここでSTN型液晶表示装置の場合、例えば、複屈
折がΔn=0.133の液晶を用いセル厚d=6.4μm
とすると、Δnとdの積Δndは0.85μmで白表示
明状態透過率は約25%になるが、d=6.0とすると
Δndは0.80μmで白表示明状態透過率は約20%
に低下する。よって、透過率の変動を±1%以内に抑え
るためには、セル厚を±0.05μm 以内に制御する必
要があるが、本発明はこの値を満足する。この時スペー
サの形状は真球状が好ましいが、直方体や円柱状でもよ
い。バッファー層の厚さのばらつきは、極端に大きくな
ければ固いコア部の厚さのバラツキよりも大きくても構
わない。コア部の厚さあるいは直径を1とした時0.0
5から0.5の範囲が望ましい。即ちコア部の直径は通
常3から7μmであるから0.05から2.0μmが良
い。また、バッファー層は表面に長鎖アルキル基を有す
る有機材料を気中懸濁被覆法あるいはフローコーティン
グ法により被覆したり、2段階以上の重合により形成
し、かつ最終段階の重合により長鎖アルキル基を有する
有機材料をバッファー層の表面に被覆したりすることで
得られ、材質の樹脂としてはポリアクリル酸メチルやポ
リフッ化ビニリデン,ポリジビニルベンゼンなどが適し
ているが、その圧縮変位が層厚の10%時の圧縮弾性率
が1〜10kg/cm2、あるいは圧縮破壊強度が5から1
5kg/mm2の樹脂であればこれらに限られるものではな
く問題無く使用できる。コア部の素材としてはシリカ製
の球状スペーサが適しているが、弾性率がバッファー層
よりも大きく、その厚さが圧縮変位が粒子直径の10%
時の圧縮弾性率が5〜80kg/cm2 、あるいはスペーサ
1個あたりの圧縮破壊強度が8から24kg/mm2 の範囲
であればポリジビニルベンゼン等のプラスチック製のス
ペーサでも良い。また、液晶を封入する前後のスペーサ
の厚さの比を変形率とすると、前記コア部の変形率を1
とした時、バッファー層部の変形率が1.05 以上とす
ればよい。
【0037】均一なセルギャップを得、パネルに傷をつ
けたり、スペーサが移動をしない別な方法としては、厚
さの異なる少なくとも2種類のスペーサを用い、厚さの
最も小さいスペーサの圧縮弾性率を他のスペーサに比べ
高くする方法がある。厚さの最も小さいスペーサにより
ギャップを保持し、厚いスペーサは変形することにより
厚さの小さいスペーサと同等の厚さとなる。この時、小
さなスペーサは移動する可能性があるため、単位面積あ
たりの分散量を他のスペーサ群の分散量よりも少なくす
ることが重要である。均一なギャップを得るためのスペ
ーサの分散数は1平方mm当り、50〜150個程度が必
要であるが、圧縮弾性率が7kg/cm2 以上のスペーサを
用いれば1平方mm当り20個程度でも均一なギャップが
得られる。また、2種類のスペーサを用いた場合、小さ
いスペーサは移動するが、分散数を大きいスペーサの5
分の1程度と少なくすることにより、移動の確率は小さ
くなり、表示の均一性は向上する。
【0038】(2)スペーサ周辺の配向不良防止 スペーサによる表示むらの別な要因として、スペーサ周
辺の液晶分子の配向不良がある。図6にSTN型液晶表
示装置の表示部の1画素の拡大平面図を示すが、同図6
は正常な配向でありスペーサ近傍とスペーサの無い部分
で同じ配向となっているが、同図7及び7′はスペーサ
近傍の液晶分子の配向状態がスペーサが無い他の部分と
異なる配向状態となり(ドメインと呼ぶ)光が散乱され
る。特に暗(黒)表示の場合、この配向不良は漏れ光と
なりコントラスト比低下を引き起こす。またスペーサの
単位面積あたりの分散数が多い場合、この漏れ光も多く
なりコントラスト比低下は増加される。
【0039】まず漏れ光の量を少なくするためには、少
ないスペーサで均一なギャップを得ることであり、中心
部が固くその周りに柔らかい樹脂を被覆したスペーサを
用いたり、厚さの異なる少なくとも2種類のスペーサを
用いることは有効である。この時の分散数は1平方mm当
り20〜50個程度よく、従来の半分以下で良い。
【0040】次に漏れ光の量を少なくするための手段に
ついて説明する。図7は配向不良となるスペーサ周辺の
液晶分子の配向の模式図を表し、(a)はセル断面図、
(b)はセル平面図である。同図において、液晶分子5
はスペーサ4の表面に対しては平行配向、基板1に対し
ては垂直配向となる。電圧無印加の状態では正常部の液
晶分子は基板に対して平行配向しているが、スペーサ近
傍では正常部とは異なり液晶分子は基板に垂直かつスペ
ーサ表面に対して平行配向している。そのため正常部が
黒表示の場合、スペーサ近傍では光が漏れコントラスト
が低下する。さらにスペーサ表面で液晶分子平行配向す
る場合は、光軸にもう一つの配向パターンがある。図8
(a)に断面図,(b)に平面図に示す。同図において
液晶分子はスペーサ表面に対して平行配向、かつ基板に
対しても平行配向している。図7の配向不良をタイプ
1,図8の配向不良をタイプ2とすると、タイプ1は図
6の7に示すような大きな配向不良領域を生じるが、タ
イプ2はタイプ1に比べその領域は小さく、図6の7′
に示す程度である。しかし、タイプ1とタイプ2は同じ
確立で発生するため、特に両タイプが混在した場合、す
じ状等の表示むらが発生し易い。
【0041】これを防止するためには液晶分子をスペー
サ表面に対し垂直配向とすれば良い。図9はスペーサ周
辺の液晶分子の配向の模式図を表し、(a)はセル断面
図、(b)はセル平面図である。同図の配向では電圧無
印加状態でスペーサ近傍とその他の領域で配向が同じに
なり、漏れ光は減少する。また、スペーサ表面での分子
の光軸の配向パターンは1種類のみで表示むらの発生は
少ない。垂直配向とするためには、スペーサを長鎖アル
キルシランカップリング剤等の界面活性剤によってバッ
ファー層の表面を処理するか、あるいはスペーサ表面に
長鎖アルキル鎖((CH2)n、あるいは(CF2)n等)を
有する材料でバッファー層を形成すれば良い。スペーサ
近傍での液晶分子の配向状態を観察する手段は、偏光顕
微鏡による観察で、ラビング軸と偏光軸を一致させ、か
つ直交ニコルとした時、ラビング軸に平行なすじ状の暗
い模様が観察された時は垂直配向,十字形のパターンが
観察された時は平行配向である。
【0042】さらに漏れ光を減らし、コントラストを上
げるためには、スペーサを遮光性構造とすればよい。特
に透過型ディスプレイの場合有効で、光源として冷陰極
管,熱陰極管やエレクトロルミネッセントを用いたもの
なら同じ効果が得られる。
【0043】また図10(a)に示すようにスペーサ周
辺に配向不良があり、スペーサが2個以上凝集している
場合、同図(b)のようにスペーサの移動に伴い配向不
良領域が成長して糸を引く様に見え、表示の均一性を著
しく低下させる。(このような配向不良を糸状ドメイン
と呼ぶ。)この糸状ドメインを抑制するためには、中心
部が固くその周りにやわらかい樹脂を被覆したスペーサ
を用い、厚さの異なる2種類のスペーサを用い、厚さの
小さいスペーサを固くすることよりスペーサの移動を抑
制し、かつスペーサのバッファー層の表面を垂直配向処
理し、スペーサ近傍の配向不良を低減することが有効で
ある。
【0044】また、スペーサのコア部の周囲にコア部の
弾性率より小さな弾性率を持つ柔らかな樹脂等のバッフ
ァー層を形成し、かつバッファー層の表面を液晶分子が
垂直配向するような表面処理を施すことで、均一なギャ
ップを形成し、スペーサ周辺の配向不良を防ぎ、かつス
ペーサの移動を阻止する作用が得られる。
【0045】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明する。
【0046】〔実施例1〕本発明の素子構造の斜視図を
図11に示す。基板としては厚みが1.1mm で表面を研
磨し、ITO(インジウムチンオキサイド)透明電極を
スパッタ法で形成したガラス基板を2枚用いる。これら
の基板間に誘電率異方性Δεが正でその値が4.5であ
り、複屈折Δnが0.133(589nm,20℃)の
ネマチック液晶組成物を挟む。基板表面に塗布したポリ
イミド系配向制御膜(日産化学社製RN422)をスピ
ンナーで塗布した後、250℃で30分間焼成し、ラビ
ング処理を行い3.5 度のプレチルト角を得た(回転結
晶法で測定)。上下基板上のラビング方向は時分割駆動
を行うため液晶分子のねじれ角(ツイスト角)が240度
となるように設定した。ここでツイスト角はラビング方
向及びネマチック液晶に添加される旋光性物質の種類と
量によって規定される。ねじれ角は、しきい値近傍の点
灯状態が光を散乱する配向となることから最大値が制限
され、360度が上限であり、また下限はコントラスト
によって制限され、180度が限界である。本実施例で
は、走査線数が200本以上でも、コントラストが十分
に満足できるような白黒表示が可能な液晶素子を提供す
ることを目的としたので、ねじれ角は240度とした。
【0047】本実施例では、電圧無印加で暗表示となる
ノーマリクローズ方式とするため偏光板として例えば日
東電工製G1220DU(偏光度99.95%)を用い、下側偏
光板17の偏光軸(あるいは吸収軸)18と下側電極基
板16のラビング方向15とのなす角はコントラスト
比、明るさ及び色等を考慮すると30度から60度(あ
るいは120度から150度)の範囲が望ましく、本実
施例では135度とした。
【0048】また、下側偏光板17の吸収軸18と上側
偏光板9の吸収軸10との交差する角度は概略90度と
した。尚、本実施例では白黒表示とするために複屈折性
高分子フィルム11として、トリアセチルセルロース
(TAC)フィルムを一枚用い、基板13あるいは16
の外側に配置してあるが、基板13と液晶層8の間、あ
るいは基板15と液晶層8の間に配置してもよい。
【0049】また、有機高分子フィルム11を、基板1
3あるいは16と偏光板9あるいは17の間に各一枚、
あるいは各二枚配置してもよい。この場合、各々の高分
子フィルムの位相差は片側一枚の場合よりも低くするこ
とが望ましい。また、TACフィルム以外でもポリカー
ボネート(PC),ポリビニルアルコール(PVA),ポ
リエーテルスルホン(PES),ポリエチレンテレフタ
レート(PET)等の複屈折性プラスチック延伸フィル
ムを用いた構成も可能であり、TACフィルムに限定さ
れるものではない。
【0050】本実施例では高コントラストと高透過率を
両立するため、Δndを0.82μmに設定したが、Δn
が0.133 であるからセル厚は6μmに設定した。こ
のセル厚を得るためにシール材中と表示部にそれぞれス
ペーサを分散した。エポキシ系の熱硬化性シール剤中に
は触媒化成社製のシリカ球状スペーサSW6.0(厚さ6
μm,圧縮弾性率40kg/cm2)を混ぜ、スクリーン印刷
により基板に塗布した。さらに表示部には同じシリカス
ペーサで表面にポリアクリル酸メチル樹脂(圧縮弾性率
2.5kg/cm2)を気中懸濁被覆法によりコーティングし
たスペーサを用いた。なお、圧縮弾性率は島津製作所の
微小圧縮試験機により測定した。
【0051】この樹脂をコーティングしたスペーサの作
成方法を以下説明する。気中懸濁被覆法に用いる流動層
造粒コーティング装置として、フロイント産業社製フロ
ーコータFLO−1型を使い、上記シリカスペーサを撹
拌容器内に入れ、空気圧1.5kg/cm2,空気量35000
cm3/分で撹拌し、そこへコーティング溶液としてポリ
アクリル酸メチルの10%トルエン溶液を流量20cm3
/分で30秒間吹き付けた。その後150℃で30分
間、前記空気圧で撹拌しながら乾燥させた。これにより
直径6μmのシリカスペーサの表面に厚さ0.4μm の
樹脂膜が形成された。なお、粒子直径及びバッファー層
厚は偏光顕微鏡のマイクロメータで測定した。
【0052】分散法は同スペーサを純水中に0.2wt
% 混ぜ噴霧器で分散し、分散数を1平方mmあたり、平
均20〜50個とした。なお、スペーサの分散数は少な
いほうがコントラストの低下が無く望ましいが、1平方
mmあたり平均20個以下では均一なセル厚が得られな
い。本実施例のスペーサは表面は柔らかい樹脂でできて
いるが中心部は固いシリカ製のため少ない分散量で均一
なセル厚が得られた。
【0053】スペーサ散布後、二枚の基板を張り合わせ
熱硬化して液晶セルとした。その後真空容器中で液晶を
封入し、プレス(日立化成社製:MDP−29型)で1
50℃,2000kgf,120分間加圧し、封入口を紫
外線硬化樹脂で固めた。
【0054】この時のセル厚を日立製作所製の偏光顕微
解析装置U6000で測定したところ、液晶封入前はシ
ール剤近傍では6.0μm、表示部中央部では6.8μm
であったが、液晶封入後はシール剤近傍では6.0μ
m、表示部中央部では6.05μmとなり、ほぼ均一な
セル厚が得られた。基板に圧力をかけたため、表示部の
スペーサは基板に抑えつけられ移動する確立は低くな
り、パルス幅20μs,振幅40V,パルス間隔5ms
の電圧波形を印加したところ、1平方mmあたり平均4個
のスペーサが移動したのみであった。
【0055】また、パネル内の最大コントラスト比(白
表示と黒表示の透過率の比)はフォトリサーチ社の輝度
計PR−1980Aで測定したところ10対1、最小コ
ントラスト比は9対1で表示むらは小さかった。
【0056】〔比較例1〕表示部内に分散させるスペー
サとして積水ファインケミカル社製ミクロパールSP−
206を用い、その他の構成は実施例1と同じにした。
同スペーサは高分子材料からなる真球状のスペーサビー
ズであるが、圧縮弾性率が4.8kg/cm2とシリカスペー
サの圧縮弾性率40kg/cm2 に比べ低く、柔らかいため
実施例1と同じ圧力で加圧しパネルを組み立てると、パ
ネル表示部のセル厚がシール剤近傍に比べ小さくなっ
た。
【0057】この時、セル厚は液晶封入前はシール剤近
傍では6.0μm ,表示部中央部では6.4μmであっ
たが、液晶封入後はシール剤近傍で6.0μm、表示部
中央部では5.8μm であった。このためパネル内の最
大コントラスト比は10:1であったが、最小コントラ
スト比は5:1であった。また、パルス幅20μs,振
幅40V,パルス間隔5msの電圧波形を印加したとこ
ろ、1平方mmあたり平均20個のスペーサが移動した。
【0058】〔実施例2〕実施例1において、表示部内
に分散させるスペーサの表面で液晶分子が垂直配向とな
るように、スペーサの表面処理を行い、その他の構成は
実施例1と同じにした。表面処理剤としては信越化学社
製のLP−8Tを用い、イソプロピルアルコール中に
1.4%溶かし、前記スペーサを0.5%添加し、超音波
洗浄を行い、さらに前記溶液からスペーサを取り出し、
イソプロピルアルコール中でリンスを行い、乾燥した後
に分散した。
【0059】液晶分子がスペーサ表面で垂直配向となる
ことにより、スペーサ周辺での配向不良は無くなり漏れ
光の量が低下し、1画素のコントラスト比は10:1か
ら20:1に向上した。
【0060】〔比較例2〕表示部内に分散させるスペー
サとして積水ファインケミカル社製ミクロパールSP−
206を用い、その他の構成は実施例2と同じにした。
スペーサの表面を垂直配向とすることにより、スペーサ
周辺の配向不良領域は減少し、1画素のコントラスト比
は10:1から18:1に向上した。しかし、同スペー
サは高分子材料からなる真球状のスペーサビーズであ
り、シリカスペーサに比べ柔らかいため実施例1と同じ
圧力で加圧しパネルを組み立てると、パネル表示部のセ
ル厚がシール剤近傍に比べ小さくなった。
【0061】この時、セル厚は液晶封入前はシール剤近
傍では6.0μm 、表示部中央部では6.4μmであっ
たが、液晶封入後はシール剤近傍で6.0μm、表示部
中央部では5.8μm であった。このためパネル内の最
大コントラスト比は20:1であったが、最小コントラ
スト比は10:1であった。また、パルス幅20μs,
振幅40V,パルス間隔5msの電圧波形を印加したと
ころ、比較例1と同じく1平方mmあたり平均20個のス
ペーサが移動した。
【0062】〔実施例3〕実施例2において、スペーサ
のコア部に積水ファインケミカル社製ミクロパールSP
−206を用い(厚さ6.0μm,圧縮弾性率4.8kg/c
m2,圧縮破壊強度11kg/mm2)、その他の構成は実施例
2と同じにした。この時のセル厚は液晶封入前はシール
剤近傍では6.0μm、表示部中央部では6.8μmであ
ったが、液晶封入後はシール剤近傍では6.0μm、表
示部中央部では6.1μmとなり、ほぼ均一なセル厚が
得られた。また、基板に圧力をかけたため、表示部のス
ペーサは基板に抑えつけられ移動しにくくなり、パルス
幅20μs,振幅40V,パルス間隔5msの電圧波形
を印加したところ、1平方mmあたり平均6個のスペーサ
が移動した。
【0063】また、パネル内の最大コントラスト比は2
0:1、最小コントラスト比は16:1で表示むらは小
さかった。
【0064】〔実施例4〕実施例2において、スペーサ
のコア部にガラス繊維のスペーサ(圧縮弾性率60kg/
cm2 )を用い、その他の構成は実施例2と同じにした。
ガラス繊維状スペーサとして住田光学ガラス社製(厚さ
6.0μm,長さ30μm)を用い、分散数はシリカ繊
維状スペーサを1平方mmあたり、平均1〜5個とした。
【0065】この時のセル厚は液晶封入前はシール剤近
傍では6.0μm 、表示部中央部では6.8μmであっ
たが、液晶封入後はシール剤近傍では6.0μm、表示
部中央部では6.05μm となり、ほぼ均一なセル厚が
得られた。また、基板に圧力をかけたため、表示部のス
ペーサは基板に抑えつけられ移動することはなかった。
スペーサの分散数が少ないため100画素の平均のコン
トラスト比は10:1から20:1に向上した。
【0066】〔実施例5〕実施例2において、表示部内
に分散させるスペーサに遮光性を持つスペーサを用い、
その他の構成は実施例2と同じにした。遮光性を持たせ
る手段として、黒色顔料色素、CuO,Fe34をバッ
ファー層中に添加した。これによりさらにコントラスト
比が30:1に向上した。また本実施例は透過型の表示
装置とした。バックライトは冷陰極管を用いたが、、熱
陰極管やエレクトロルミネッセントを用いても同じ効果
が得られた。
【0067】〔実施例6〕実施例1において、光源の代
わりに反射板を用い、下側偏光板17の吸収軸18と上
側偏光板9の吸収軸10との交差する角度は概略0度と
した。その他の構成は実施例1と同じにした。反射板と
して偏光板と一体の日東電工製のNPF−G3228M
(単体透過率46.5%,偏光度95%)を用いた。特に
スペーサが透明あるいは白色であるため、白透過率42
%が得られた。
【0068】〔実施例7〕実施例1において、スペーサ
のバッファー層として、スチレンジビニルベンゼン共重
合体でその側鎖にアルキル鎖Cn2n+1−基(nは6以
上)を有する材料を用い、懸濁重合によりコア部に被覆
した。ここで、バッファー層の材料としては、ポリメチ
ルメタアクリレート,ベンゾグアナミンメラミンホルム
アルデヒド縮重合体,スチレン系重合体,スルホン系重
合体、また、共役重合系高分子であれば特に制限される
ことはない。
【0069】バッファー層表面のアルキル鎖により液晶
分子が垂直配向する。ただし、nが5以下、あるいは1
5以上では液晶分子は平行配向する。液晶分子がスペー
サ表面で垂直配向となることにより、スペーサ周辺での
配向不良は無くなり漏れ光の量が低下し、1画素のコン
トラスト比は20:1が得られた。
【0070】〔実施例8〕実施例2において、スペーサ
の表面処理方法として、Cn2n+1COOH(n=6〜
15)をエチルアルコール中に0.2wt%溶かし、前
記スペーサを0.5%添加し超音波洗浄を行い、さらに
前記溶液からスペーサを取り出し、エチルアルコール中
で洗浄後乾燥し、同スペーサを基板上にチッソガスによ
る乾式分散で散布した。
【0071】この表面処理により液晶分子がスペーサ表
面で垂直配向となることにより、スペーサ周辺での配向
不良は無くなり漏れ光の量が低下し、1画素のコントラ
スト比は10:1から20:1に向上した。
【0072】〔実施例9〕実施例1において、表示部内
に分散させるスペーサとしてプラスチック製のスペーサ
とシリカスペーサの2種類のスペーサを用い、その他の
構成は実施例2と同じにした。プラスチック製のスペー
サは積水ファインケミカル社製ミクロパールSP−20
625を用い、厚さは6.25μm、圧縮弾性率が4.8
kg/cm2 である。シリカ製のスペーサは厚さは6.0μ
m の触媒化成社製のシリカ球状スペーサSW6.0 を
用いた。分散数はシリカ球状スペーサを1平方mmあた
り、平均10〜20個、プラスチック製のスペーサを1
平方mmあたり、平均50〜100個とした。
【0073】この時、セル厚は液晶封入前はシール剤近
傍では6.0μm 、表示部中央部では6.4μmであっ
たが、液晶封入後はシール剤近傍では6.0μm、表示
部中央部では6.10μm が得られた。また、偏光顕微
鏡によりパネル平面でのプラスチック製のスペーサの変
形を観察したところ、液晶封入前には6.25μm であ
ったが、封入後は6.4μm になっていた。即ち、パネ
ル断面から見た球状スペーサの直径は小さくなったが、
平面から見た直径は大きくなり、スペーサがつぶれてい
たことがわかる。また、比較例1と同じ波形を印加し、
スペーサの移動を観察したところ、1平方mmあたり平均
3個のスペーサが移動したのみであった。また、パネル
内の最大コントラスト比は20:1、最小コントラスト
比は16:1で表示むらは小さかった。
【0074】〔実施例10〕実施例9において、表示部
内に分散させるスペーサとして、材質は同じプラスチッ
クで厚さ及び弾性率の異なる2種類のスペーサを用い、
その他の構成は実施例3と同じにした。1つは積水ファ
インケミカル社製ミクロパールSP−206を用い(厚
は6.0μm,圧縮弾性率は4.8kg/cm2)、もう1つ
は花王製のルナパールYS−383(厚さ6.2μm,圧
縮弾性率は3.5kg/cm2)を用い、1平方mm当りの分散
数の比を1:5にした。
【0075】この時、セル厚は液晶封入前はシール剤近
傍では6.0μm 、表示部中央部では6.4μmであっ
たが、液晶封入後はシール剤近傍では6.0μm、表示
部中央部では6.12μm が得られた。この時、パネル
内の最大コントラスト比は20:1、最小コントラスト
比は16:1であった。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、コントラストが高く、
かつギャップむらや輝度むらの無い表示の均一性の高い
大容量表示が可能な液晶表示装置を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の断面図。
【図2】本発明のスペーサの模式図。
【図3】本発明の液晶表示装置の断面図。
【図4】本発明のスペーサの加えられた加重と変化量の
関係を示す図。
【図5】従来のスペーサの加えられた加重と変化量の関
係を示す図。
【図6】従来の液晶表示装置の画素部の拡大平面図。
【図7】従来のスペーサ近傍での液晶分子の配向状態を
表す模式図。
【図8】従来のスペーサ近傍での液晶分子の配向状態を
表す模式図。
【図9】本発明のスペーサ近傍での液晶分子の配向状態
を表す模式図。
【図10】スペーサ近傍での液晶分子の配向不良の状態
を表す模式図。
【図11】本発明の液晶表示装置の斜視図。
【符号の説明】
1…基板、2…バッファー層、3…コア部、4…シール
剤、5…スペーサ、6…正常配向部、7…異常配向部、
8…液晶分子、9…上側偏光板、10…上側偏光板吸収
軸方向、11…複屈折媒体、12…位相差板の進相軸方
向、13…上側電極基板、14…上側ラビング軸、15
…下側ラビング軸、16…下側電極基板、17…下側偏
光板、18…下側偏光板吸収軸方向、19…バックライ
ト、20…画素、21…非電極部。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極を有し対向配置された少なくとも一方
    が透明な一対の基板,該基板間に挾持された液晶層,基
    板表面上の液晶分子を所定方向に配向制御する配向膜,
    基板間に一定のギャップを与えるスペーサ,該電極間に
    電圧を印加して前記液晶の透過光量を変化させる制御手
    段,所定電圧波形を発生させる駆動回路を備えた液晶表
    示装置において、 該スペーサがコア部とバッファー層部からなり、該コア
    部の弾性率が該バッファー層部の弾性率よりも高いこと
    を特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】電極を有し対向配置された少なくとも一方
    が透明な一対の基板,該基板間に挾持された液晶層,基
    板表面上の液晶分子を所定方向に配向制御する配向膜,
    基板間に一定のギャップを与えるスペーサ,該電極間に
    電圧を印加して前記液晶の透過光量を変化させる制御手
    段,所定電圧波形を発生させる駆動回路を備えた液晶表
    示装置において、 該スペーサがコア部とバッファー層部からなり、該コア
    部の弾性率が該バッファー層部の弾性率よりも高く、か
    つ該バッファー層部に接触する液晶分子が垂直配向して
    いることを特徴とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】請求項1もしくは2に記載の前記スペーサ
    が圧力を与えられることにより厚さが変化し、かつ与え
    られた圧力に対する厚さの変化率を3段階以上有し、か
    つ第一の変化率と第二の変化率の変曲点より僅かに高い
    圧力で前記パネルが加圧され、液晶が封入されているこ
    とを特徴とする液晶表示装置。
  4. 【請求項4】請求項1もしくは2に記載の前記スペーサ
    の前記コア部の直径をdc ,前記バッファー層部の厚さ
    をtb ,該コア部と該バッファー層部の合計の直径をd
    t(=dc+2tb),液晶が封入された状態での液晶層
    の厚さをdとしたとき、dはdc の0.8倍より大きく
    1.2倍より小さく、かつdc とdはdt よりも小さい
    ことを特徴とする液晶表示装置。
  5. 【請求項5】請求項1もしくは2に記載の前記スペーサ
    の前記コア部の変形率を1とした時、前記バッファー層
    部の変形率が1.05 以上であることを特徴とする液晶
    表示装置。
  6. 【請求項6】請求項4に記載の前記スペーサの前記コア
    部の厚さあるいは直径を1とした時、前記バッファー層
    部の厚さが0.3 以下であることを特徴とする液晶表示
    装置。
  7. 【請求項7】請求項1及び2に記載の前記スペーサの前
    記コア部の弾性率を1とした時、前記バッファー層部の
    弾性率が0.5 以下であることを特徴とする液晶表示装
    置。
  8. 【請求項8】請求項1もしくは2に記載の前記スペーサ
    の前記コア部が無機材料からなることを特徴とする液晶
    表示装置。
  9. 【請求項9】請求項1もしくは2に記載の前記スペーサ
    の前記バッファー層が長鎖アルキル基を有する有機材料
    からなることを特徴とする液晶表示装置。
  10. 【請求項10】請求項1もしくは2に記載の前記スペー
    サの前記バッファー層の表面が長鎖アルキル基を有する
    有機材料で被覆されていることを特徴とする液晶表示装
    置。
  11. 【請求項11】請求項1もしくは2に記載の前記スペー
    サの前記コア部の弾性率の値として圧縮変位が該コア部
    の直径が10%時の圧縮弾性率が5kg/cm2以上80kg
    /cm2以下であることを特徴とする液晶表示装置。
  12. 【請求項12】請求項1もしくは2に記載の前記スペー
    サの前記バッファー層部の弾性率の値として圧縮変位が
    該バッファー層の厚さの10%時の圧縮弾性率が10kg
    /cm以下であることを特徴とする液晶表示装置。
  13. 【請求項13】電極を有し対向配置された少なくとも一
    方が透明な一対の基板,該基板間に挾持された液晶層,
    基板表面上の液晶分子を所定方向に配向制御する配向
    膜,基板間に一定のギャップを与えるスペーサ,該電極
    間に電圧を印加して前記液晶の透過光量を変化させる制
    御手段,所定電圧波形を発生させる駆動回路を備えた液
    晶表示装置において、 該スペーサがコア部とバッファー層部からなり、該コア
    部の圧縮破壊弾性強度が該バッファー層部の圧縮破壊弾
    性強度よりも高く、かつ該バッファー層部に接触する液
    晶分子が垂直配向していることを特徴とする液晶表示装
    置。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の前記スペーサの前記
    コア部の圧縮破壊弾性強度が8kg/mm2以上24kg/m
    m2以下であることを特徴とする液晶表示装置。
  15. 【請求項15】請求項13に記載の前記スペーサの前記
    バッファー層部の圧縮破壊弾性強度が10kg/mm2以下
    であることを特徴とする液晶表示装置。
  16. 【請求項16】請求項1,2もしくは13に記載の前記
    液晶層が誘電率異方性とねじれ角を持つらせん構造を有
    し、該ねじれ角の大きさが180度以上360度以下で
    あり、かつ該液晶層の厚みd及び屈折率異方性Δnの積
    d・Δnが0.2μmから1.2μmの間であり、かつ前
    記液晶層の厚みdが3.0μm 以上で、前記屈折率異方
    性Δnが1.3 以下であることを特徴とする液晶表示装
    置。
  17. 【請求項17】請求項16に記載の前記スペーサが遮光
    性を有し、かつ透過型の表示装置であることを特徴とす
    る液晶表示装置。
  18. 【請求項18】請求項16に記載の前記スペーサが透明
    あるいは白色で、かつ反射型の表示装置であることを特
    徴とする液晶表示装置。
  19. 【請求項19】電極を有し対向配置された少なくとも一
    方が透明な一対の基板,該基板間に挾持された液晶層,
    基板表面上の液晶分子を所定方向に配向制御する配向
    膜,基板間に一定のギャップを与えるスペーサ,該電極
    間に電圧を印加して前記液晶の透過光量を変化させる制
    御手段,所定電圧波形を発生させる駆動回路を備え、該
    スペーサがコア部とバッファー層部からなり、該コア部
    の弾性率が該バッファー層部の弾性率よりも高く、かつ
    該バッファー層部に接触する液晶分子が垂直配向してい
    る液晶表示装置の製造方法であって、 該スペーサの該コア部を気中懸濁被覆法により有機材料
    で被覆する液晶表示装置の製造方法。
  20. 【請求項20】電極を有し対向配置された少なくとも一
    方が透明な一対の基板,該基板間に挾持された液晶層,
    基板表面上の液晶分子を所定方向に配向制御する配向
    膜,基板間に一定のギャップを与えるスペーサ,該電極
    間に電圧を印加して前記液晶の透過光量を変化させる制
    御手段,所定電圧波形を発生させる駆動回路を備え、該
    スペーサがコア部とバッファー層部からなり、該コア部
    の弾性率が該バッファー層部の弾性率よりも高く、かつ
    該バッファー層部に接触する液晶分子が垂直配向してい
    る液晶表示装置の製造方法であって、 該スペーサが2段階以上の重合により形成され、かつ長
    鎖アルキル基を有するモノマーを最終段階に重合するこ
    とにより該バッファー層の表面が長鎖アルキル基で被覆
    されたことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  21. 【請求項21】電極を有し対向配置された少なくとも一
    方が透明な一対の基板,該基板間に挾持された液晶層,
    基板表面上の液晶分子を所定方向に配向制御する配向
    膜,基板間に一定のギャップを与えるスペーサ,該電極
    間に電圧を印加して前記液晶の透過光量を変化させる制
    御手段,所定電圧波形を発生させる駆動回路を備え、該
    スペーサがコア部とバッファー層部からなり、該コア部
    の弾性率が該バッファー層部の弾性率よりも高く、かつ
    該バッファー層部に接触する液晶分子が垂直配向してい
    る液晶表示装置の製造方法であって、 該スペーサを長鎖アルキルシランカップリング溶液中に
    浸すことにより、該バッファー層の表面が垂直配向処理
    されることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
JP6056294A 1994-03-30 1994-03-30 液晶表示装置及びその製造方法 Pending JPH07270805A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6056294A JPH07270805A (ja) 1994-03-30 1994-03-30 液晶表示装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6056294A JPH07270805A (ja) 1994-03-30 1994-03-30 液晶表示装置及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07270805A true JPH07270805A (ja) 1995-10-20

Family

ID=13145840

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6056294A Pending JPH07270805A (ja) 1994-03-30 1994-03-30 液晶表示装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07270805A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09194842A (ja) * 1996-01-24 1997-07-29 Natoko Paint Kk 液晶用スペーサーおよび液晶用スペーサーの製造方法
JPH11202340A (ja) * 1998-01-13 1999-07-30 Mitsubishi Electric Corp 液晶表示装置
JP2003114418A (ja) * 2001-07-31 2003-04-18 Nissha Printing Co Ltd 液晶表示装置
KR20040006200A (ko) * 2002-07-11 2004-01-24 비오이 하이디스 테크놀로지 주식회사 다층 포스트 스페이서 제조 방법
JP2006209110A (ja) * 2005-01-27 2006-08-10 Au Optronics Corp 液晶ディスプレイパネル及びその製造方法
KR100796492B1 (ko) * 2001-12-29 2008-01-21 엘지.필립스 엘시디 주식회사 액정표시소자

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09194842A (ja) * 1996-01-24 1997-07-29 Natoko Paint Kk 液晶用スペーサーおよび液晶用スペーサーの製造方法
JP3878238B2 (ja) * 1996-01-24 2007-02-07 ナトコ株式会社 液晶用スペーサーおよび液晶用スペーサーの製造方法
JPH11202340A (ja) * 1998-01-13 1999-07-30 Mitsubishi Electric Corp 液晶表示装置
JP2003114418A (ja) * 2001-07-31 2003-04-18 Nissha Printing Co Ltd 液晶表示装置
KR100796492B1 (ko) * 2001-12-29 2008-01-21 엘지.필립스 엘시디 주식회사 액정표시소자
KR20040006200A (ko) * 2002-07-11 2004-01-24 비오이 하이디스 테크놀로지 주식회사 다층 포스트 스페이서 제조 방법
JP2006209110A (ja) * 2005-01-27 2006-08-10 Au Optronics Corp 液晶ディスプレイパネル及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3251519B2 (ja) 閉塞キャビティ型液晶ディスプレイ及びその製造方法
KR0184652B1 (ko) 액정 표시 소자 및 그 제조 방법
TWI531838B (zh) 水平電場型液晶顯示裝置、改變入射光的偏光軸後射出的液晶延遲面板及其製造方法
JP3775932B2 (ja) 液晶表示装置及びその製造方法
US7362404B2 (en) Liquid crystal display device and method of manufacturing liquid crystal display device for preventing defects in liquid crystal
JPH09160041A (ja) 液晶表示素子
JPH1020323A (ja) 液晶表示装置、その製造方法およびその駆動方法
KR980010513A (ko) 액정 디스플레이 장치
JPH09160042A (ja) 液晶表示素子
KR100255058B1 (ko) 넓은시야각및높은콘트라스트를갖는액정표시장치
JPH04267220A (ja) 電気光学装置及びその製造方法
US20070146599A1 (en) Liquid crystal display device and method for manufacturing the same
JPH07270805A (ja) 液晶表示装置及びその製造方法
JP2003255347A (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
JP3367901B2 (ja) 液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法
JP3307917B2 (ja) 液晶表示装置
JPH08136935A (ja) 液晶表示装置
JP3105379B2 (ja) 液晶電気光学装置の作製方法
JPH07120764A (ja) 液晶表示パネル及びその製造方法
JP3210652B2 (ja) 液晶表示パネルの製造方法
JPH07120758A (ja) 高分子分散型液晶表示装置
Kim et al. 13‐3: Development of High‐performance TFT‐LCDs using Optically‐Isotropic Nano‐size Encapsulated Liquid Crystals
JP2645166B2 (ja) 液晶表示装置
KR20050109177A (ko) 고분자 분산형 액정표시소자 및 그 제조방법
JP4519256B2 (ja) 液晶表示装置