JPH07269589A - トルクリミッタ並びにそれを用いた紙送り装置及び事務機器 - Google Patents

トルクリミッタ並びにそれを用いた紙送り装置及び事務機器

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JPH07269589A
JPH07269589A JP6147698A JP14769894A JPH07269589A JP H07269589 A JPH07269589 A JP H07269589A JP 6147698 A JP6147698 A JP 6147698A JP 14769894 A JP14769894 A JP 14769894A JP H07269589 A JPH07269589 A JP H07269589A
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torque
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friction
torque limiter
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JP6147698A
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English (en)
Inventor
Isato Shiraki
勇人 白木
Arao Umeda
荒夫 梅田
Chiaki Kaneharu
千秋 金治
Katsuyoshi Fujiwara
勝良 藤原
Yoshio Shiyakagun
義雄 釋迦郡
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量かつ簡単な構造で、一定値以上のトルク
の伝達を防止する。 【構成】 本体部材1に摩擦部材2を介して動力出力用
部材3を嵌合し、その外側にねじりコイルスプリング4
を適用して部材1,2,3を締付ける。これによって、
一定の許容限度以上のトルクが作用したときに、摩擦部
材2と動力出力用部材3との間で滑りトルクが発生す
る。摩擦部材2は繊維長さ0.5mm〜6mmの有機短繊維
が配合されたゴムでもって構成する。摩擦部材2の外側
面において短繊維が露出し、該短繊維が露出している面
に対向する動力出力用部材4の面が樹脂面である。短繊
維配合ゴム面と樹脂面とによる摩擦界面であるから、潤
滑剤を介在させる必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一定値以上のトルクが
作用したときに、トルクの伝達を遮断するトルクリミッ
タ並びにそれを用いた紙送り装置及び事務機器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、機器、機械、設備等の動力伝
達機構の中で、一定値以上のトルクが作用したとき、摩
擦板等の摩擦部材を用いた連結部において滑りが発生す
ることにより、動力伝達機構に許容限度以上の力が作用
するのを防止し、過剰負荷より動力伝達機構を保護する
働きを有するトルクリミッタは知られている。
【0003】そのようなトルクリミッタを用いたものと
して、例えば複写機、プリンタ等の事務機器に使用され
る紙送り装置が知られており、そのような紙送り装置と
しては、分離ローラを、送りローラと逆転させることに
より、用紙の分離を行うローラ分離方式を採用したもの
がある(例えば特公平4−11452号公報参照)。即
ち、このローラ分離方式を採用する紙送り装置において
は、用紙の重送を防止するために、一定値以上のトルク
が作用したとき、摩擦板等の摩擦部材を用いた連結部に
おいて滑りが発生することにより、動力伝達機構に許容
限度以上の力が作用するのを防止するために、上述した
トルクリミッタが用いられている。
【0004】そのようなトルクリミッタとしては、過剰
負荷より動力伝達機構を保護する働きを有するトルクリ
ミッタスプリングクラッチ(コイルスプリング)を、鉄
等の金属材からなる分離ローラ等に巻き付けて、スプリ
ングクラッチと分離ローラ(金属材)とを摩擦摺動させ
ながら、滑りトルクを発生させる機構や、筒体の中に磁
石粉を充填しておき、その磁石粉の流動抵抗で滑りトル
クを発生させる機構等が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者のもの
は、摩擦界面に潤滑油(例えばグリース)を介在させる
ことが必要で、使用中に、潤滑油が切れて滑りトルクが
急激に上昇したり、コイルスプリングが錆びてロックし
たりするおそれがあるのに加えて、非常に厳しい寸法精
度が要求され、製造時においてトルクが安定しない。一
方、後者のものは、磁石粉を用いているため、コストが
高く、また、磁石粉同士が引っ付くために取扱いが困難
である。それに加えて、いずれのものも金属を多く使用
するため、かなり重いものとなって、装置全体の軽量化
が困難であり、構造も複雑である。
【0006】ところで、一般に、2つの部材を接触させ
て摺動させると、互いに相手材を攻撃し合い、両者又は
どちらか一方に著しい摩耗が発生し、摩耗粉が移着や凝
着して表面状態が変化し、摺動時の摩擦係数が変化す
る。そのため、界面に液状の潤滑剤を介在させて固体同
士の摺動を回避し、液体に発生する剪断歪速度に対する
流動抵抗で力を発生させる方法が採用されている。具体
的には、金属部材同士の場合は二硫化モリブデンやグリ
−スのような潤滑剤を介在させ、樹脂でも含油タイプを
使用して油をにじみださせるようにしている。
【0007】しかし、これらの方法にも限界があり、潤
滑剤を介在させることで摩擦係数が低くなり、押付け力
を非常に大きくしなければならないことから、それに耐
えられる力学的強度を持った材質の選択をする必要があ
り、使用できる材質に制約を受けるし、また、使用中に
潤滑剤が切れてしまうと、大きな押付け力で2つの部材
を接触させているため、滑りトルクが急激に上昇する焼
付き現象が起こり、周辺機器の破壊に至るおそれもあ
る。
【0008】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、軽量かつ簡単な構造で、一定値以上のトルクが伝達
されるのを防止するトルクリミッタ並びにそれを用いた
紙送り装置及び事務機器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1〜請求項7に係
る発明は、一定値以上のトルクが作用したときに、トル
クの伝達を遮断するトルクリミッタを前提とするもので
ある。
【0010】請求項1に係る発明は、トルクが入力され
る筒状の動力入力用部材と、該動力入力用部材に外嵌さ
れ、半径方向において変形可能である筒状の動力出力用
部材と、上記動力出力用部材の外周部に装設され、上記
動力出力用部材を半径方向に変形させて上記動力入力用
部材と動力出力用部材との間に摩擦力を生ぜしめるスプ
リング部材とを備える構成とする。
【0011】請求項3に係る発明においては、動力出力
用部材は、合成樹脂で形成されている。
【0012】請求項4に係る発明においては、動力入力
用部材は、トルクが入力される本体部材と、該本体部材
に取付けられ動力出力用部材の内側面に対し外側面が接
触する摩擦部材とを有する。
【0013】請求項5に係る発明においては、摩擦部材
は外側面において短繊維が露出している短繊維配合ゴム
又は短繊維配合樹脂で構成されている。
【0014】ここで、摩擦部材に使用される短繊維とし
ては、ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエ
スエル繊維、芳香族ポリエステル繊維、ポリビニルアル
コール繊維、弗素繊維(ビスコース等の繊維の周りを弗
素樹脂でコーティングしたタイプも含む)、フェノール
繊維等のあらゆる有機短繊維を0.5mm〜6mmにカ
ットしたものを用いることができ、特に制約を受けるも
のではない。尚、紙送り装置の給紙ロール用のトルクリ
ミッタとして使用する場合には、摩擦部材に用いる短繊
維としては、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、弗素
繊維、芳香族ポリアミド繊維等が特に望ましい。ゴム材
又は樹脂材中への短繊維の混入量は1〜50重量%の範
囲であればよいが、より好ましい範囲は3〜30重量%
の範囲である。
【0015】摩擦部材に使用されるマトリックスゴムと
しては、NR,SBR,CR,NBR,EPDM,CS
M,H−NBR,ACM,ANM、シリコンゴム等の汎
用ゴムを用いることができ、配合剤も補強剤、加硫剤、
加硫促進剤、軟化剤、可塑剤、加工助剤等の通常の配合
剤をそのまま用いることができる。また、摩擦部材を合
成樹脂のみで構成する場合には、耐摩耗性、耐熱性に優
れたものを用いるのがよく、具体的には、例えばPA,
PAI、PEI、PEEK、PES等を用いることがで
きる。
【0016】動力出力用部材を構成する合成樹脂として
は、POM,PBT,PET,PA,PC,ABS,P
P,PPE,PPS,PAI,PEI,PEEK、LI
HPE、PES、LCP等のあらゆる樹脂(特に熱可塑
性樹脂)を、使用環境、使用目的等によって使い分ける
ことができ、特に制約を受けるものではない。尚、紙送
り装置の給紙ロール用のトルクリミッタとして用いる場
合は、POM,PBT,PET,ABS,PA,PC等
の、引張弾性率150kg/ mm2 以上のエンジニアリング
プラスチックが特に望ましい。
【0017】ところで、このように摩擦部材として短繊
維配合ゴム又は短繊維配合樹脂を使用しても、加硫し研
磨仕上げした後直ちに使用すれば、使用初期にトルクが
急激に低下することになるので、ならし運転を行ってト
ルクを安定させてから使用する必要がある。従って、予
めならし運転終了後と同じような状態にしておけば、な
らし運転が不要となる。
【0018】そのため、請求項6に係る発明において
は、摩擦部材は、外側面に表面硬化処理が施されてお
り、また、請求項7に係る発明においては、摩擦部材
は、紫外線硬化樹脂及び重合開始剤が配合され、加硫、
研磨仕上げ後に紫外線が照射されたものである。
【0019】ここで、紫外線硬化樹脂としては、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコ
ールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアク
リレート等の紫外線照射によって架橋するオリゴマー又
はモノマーとしてのアクリル酸エステル又はメタクリル
酸エステルが用いられ、その樹脂の硬化反応を開始させ
る開示剤としては、例えばベンゾメチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエ
−テル類や、ベンゾイン、ベンジル、ベンゾフェノン等
の芳香族オキシケトン類や芳香族ケトン類が用いられ
る。尚、紫外線硬化樹脂は、短繊維配合ゴム100重量
部に対し0.2〜50重量部配合すればよいが、好まし
くは、0.5〜20重量部の範囲である。また、紫外線
硬化樹脂100重量部に対し重合開始剤が1〜20重量
部配合されている。
【0020】請求項9に係る発明は、用紙の送り方向に
回転される送りロールと、該送りロールと反対方向に回
転される分離ロールと、該分離ロールに適用され一定値
以上のトルクが作用したときに分離ロールの逆回転を許
容するトルクリミッタとを備え、用紙が1枚のときは送
りロールの回転力によって分離ロールを逆回転させて紙
送りを行う一方、用紙が2枚以上のときは送りロール側
の用紙のみ送られ、分離ロール側の用紙は分離ロールに
よって戻される紙送り装置を前提とするものであって、
請求項1に係るトルクリミッタを備えるものである。即
ち、請求項8に係る発明においては、上記分離ロールに
適用されるトルクリミッタが、上記分離ロールへのトル
クが入力される筒状の動力入力用部材と、該動力入力用
部材に外嵌されかつ分離ロールに取付けられる動力出力
用部材と、上記動力出力用部材の外周部に装設され、上
記動力出力用部材を半径方向に変形させて上記動力入力
用部材と動力出力用部材との間に摩擦力を生ぜしめるス
プリング部材とを備える構成である。
【0021】請求項9に係る発明は、プリンタ、複写機
等の事務機器であって、請求項8記載の紙送り装置を備
える。即ち、事務機器の給紙部分が、請求項8記載の紙
送り装置で構成されるものである。
【0022】
【作用】請求項1に係る発明によれば、スプリング部材
のスプリング力によって、動力出力用部材が半径方向に
おいて変形せしめられて、動力入力用部材と動力出力用
部材との間に摩擦力が発生し、動力入力用部材に入力さ
れるトルクは動力出力用部材に伝達されるが、その場
合、動力入力用部材に一定値以上のトルクが作用する
と、動力入力用部材と動力出力用部材との間の摩擦界面
で滑りが生じ、動力入力用部材から動力出力用部材への
トルクの伝達が遮断される。
【0023】請求項2に係る発明によれば、スプリング
部材のスプリング力によって、動力入力用部材と動力出
力用部材との間に摩擦力が発生し、動力入力用部材に入
力されるトルクは動力出力用部材に伝達される。その場
合、動力入力用部材に一定値以上のトルクが作用する
と、動力入力用部材と動力出力用部材との間の摩擦界面
で滑りが生じ、動力入力用部材から動力出力用部材への
トルクの伝達が遮断される。また、動力出力用部材に
は、一端部が開放された複数のスリット溝部が設けられ
ているので、軸線方向において撓み易くなっており、動
力出力用部材の外周部に装設されているスプリング部材
によるスプリング力が、少ないロスでもって無理なく、
動力入力用部材と動力出力用部材との間の摩擦力に変換
される。それに加えて、摩擦界面において滑りが生ずる
摩擦摺動時に発生する摩擦熱は、動力出力用部材のスリ
ット溝部を通じて外部に放熱される。
【0024】請求項3に係る発明によれば、動力出力用
部材が合成樹脂で構成され、軽量化が図られる。
【0025】請求項4に係る発明によれば、動力出力用
部材の内側面と、動力入力用部材の一部を構成し動力出
力用部材の内側面に対し外側面が接触する摩擦部材との
摩擦関係で、摩擦界面における摩擦係数が決定される。
動力入力用部材を本体部材と摩擦部材とで構成している
ため、摩擦界面の摩擦係数を決定する摩擦部材の選択の
範囲が拡がり、耐久性に優れ、摩擦係数の変動の少ない
摩擦部材を選択することができる。
【0026】請求項5に係る発明によれば、摩擦部材が
短繊維配合ゴム又は短繊維配合樹脂でもって構成され、
摩擦部材の外側面においてゴム材又は樹脂より短繊維が
露出せしめられ、該短繊維が露出している面に対向する
動力出力用部材の面が樹脂面とされ、それによって摩擦
界面が樹脂面と短繊維が露出したゴム面又は樹脂面とに
よって構成されることになり、摩擦界面に潤滑剤を介在
させる必要がなくなる。また、ゴム材又は樹脂材より露
出する短繊維によって樹脂面とゴム面又は樹脂面との間
に多くの隙間が形成される。これにより、短繊維の間に
形成される隙間に摩耗粉が溜り、摩耗粉の凝着や移着が
起こるおそれがなくなり、また、そのような摩耗粉は、
摩擦摺動時の短繊維の動きによって積極的に移動せしめ
られて、外部に押出される。そのため、短繊維の隙間に
摩耗粉が飽和するまでの時間が非常に長くかかることと
なり、その結果、長期間に亘って安定したトルクが維持
される。
【0027】請求項6に係る発明によれば、短繊維が露
出する表面が硬化せしめられ、使用初期にトルクが急激
に低下することがない。
【0028】請求項7に係る発明によれば、紫外線硬化
樹脂及びその重合開始剤が配合されているので、加硫、
研磨仕上げ後の紫外線照射により、簡単に表面が硬化せ
しめられる。
【0029】請求項8及び請求項9に係る発明によれ
ば、長期間に亘って安定したトルクが維持され、給紙の
重送防止が図られる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に沿って詳細に
説明する。
【0031】紙送り装置の概略構成を示す図11におい
て、31は用紙Pをストックしておくストッカーで、ス
トックされている用紙Pは、スプリング32にて常時上
方に付勢された可動板33の上に載置され、該ストッカ
ー31の中の用紙Pが給紙ロール34にて取り出される
ように構成されている。また、給紙ロール34の、用紙
Pの送り方向側に、給紙ロール34と同様に送り方向に
回転される送りロール35と、それと反対方向に回転さ
れる分離ロール36とが上下に対向して配設されてい
る。
【0032】そして、分離ロール36には、一定値以上
のトルクが作用したときに分離ロール36の逆回転(送
り方向への回転)を許容するトルクリミッタが設けられ
ている。これによって、給紙ロール34によって取り出
された用紙Pが1枚のときは送りロール35の回転力に
よって分離ロール36を強制的に正回転させて紙送りを
行う一方、用紙Pが2枚以上のときは送りロール35側
の用紙Pのみ送られ、分離ロール36側の用紙は分離ロ
ール36の逆回転によって戻されるようになっている。
従って、分離ロール36に設けられたトルクリミッタの
トルクは、送りロール35の回転駆動力及び用紙P同士
の摩擦力より小さく、また用紙P同士の摩擦力よりも大
きく設定されている。即ち、送りロール35と用紙Pと
の摩擦係数をμF 、用紙P同士の摩擦係数をμP 、用紙
Pと分離ロール36との摩擦係数をμR とすると、 μF >μR >μP の関係が保たれることが必要である。
【0033】上述したトルクリミッタAは、図1〜図5
に示すように構成されている。即ち、1は動力入力用部
材を構成する円筒状の本体部材で、嵌合部となる小径部
1aと、動力入力用取付部となる大径部1bと、それら
を貫通する中心貫通孔1cとを有し、図示しない駆動源
よりの駆動力によって回転駆動される駆動軸(図示せ
ず)が連結されるようになっている。また、大径部1b
の、小径部1aが連設される側とは反対側には直径方向
に延びる凹部1d,1dが、小径部1aが連設される側
にはフランジ部1eがそれぞれ形成されている(図2参
照)。
【0034】上記本体部材1の小径部1aには、短繊維
配合ゴムからなる円筒状の摩擦部材2がキー手段(図示
せず)を介して外嵌固定されて一体化されて動力入力用
部材5となっている。よって、動力出力用部材3の内周
面と、摩擦部材2の外周面との摩擦関係で、摩擦界面に
おける摩擦係数が決定される。また、動力入力用部材5
を本体部材1と摩擦部材2とで構成し、摩擦界面の摩擦
係数を決定する摩擦部材2を別体とすることになるた
め、摩擦部材2の選択の範囲が拡がり、耐久性に優れ、
摩擦係数の変動の少ない摩擦部材2を選択することが可
能となる。
【0035】そして、その動力入力用部材5(摩擦部材
2)の外側に、分離ロールが取付固定されたロール軸
(図示せず)が嵌着される動力出力用部材3が外嵌され
るようになっている。そして、それらの外側にねじりコ
イルスプリング4が適用されて両部材5,3を締め付け
て動力出力用軸部材3と摩擦部材2の界面に弾性力即ち
押付力を発生させ、一定の許容限度以上のトルクが作用
したときに、摩擦部材2と動力出力用部材3との間で、
締付力×摩擦係数×(軸の中心から動力出力用軸部材3
と摩擦部材2の界面までの距離)の滑りトルクが発生
し、動力入力用部材5から動力出力用部材3へのトルク
の伝達を遮断するようになっている。尚、ねじりコイル
スプリング4は、SWPA等の汎用のバネ材料で形成さ
れている。
【0036】上記摩擦部材2は、図3に詳細を示すよう
に、外周面においては、バフ加工等の表面研磨によりゴ
ム2aの表面より短繊維2bの先端が突出し、表面全体
に亘って均一に短繊維2bが露出するようになってお
り、摩擦部材2の外周面と動力出力用部材3の内周面と
によって摩擦界面が構成されている。尚、短繊維2bは
有機短繊維で、繊維長さは0.5mm〜6mmである。
繊維長さを0.5mm〜6mmとしているのは、0.5
mmよりも短いと、ゴム面から突出した短繊維が直ぐに
とれてしまい、著しい摩耗が発生することになるからで
あり、6mmよりも長いと、繊維のゴム中への均一分散
が難しくなるからである。
【0037】上記動力出力用部材3は、図4〜図7に示
すように、摩擦部材2を介して本体部材1に外嵌され、
動力出力用部材3は、中心孔3aを有する円板形状のフ
ランジ部3bの一側に、動力入力用部材1の外側に係合
せしめられる円筒状の嵌合部3cが設けられている。嵌
合部3cにはフランジ部3bの部位から軸線方向に延び
一端部が開放された複数のスリット溝部3d,…が形成
され、それによって基端部がフランジ部3bに固着され
た複数の嵌合片3e,…が円周状に一定間隔を存して配
設されるようになっている。従って、ねじりコイルスプ
リング4による締付け力が直接に効果的に動力出力用部
材3から摩擦部材2を介して動力入力用部材1に伝達さ
れることとなる。
【0038】そして、嵌合片3e,…によって囲まれて
形成される断面円形状の空間部3fに、その内径に略等
しい外径を有する摩擦部材2を介して本体部材1が嵌合
されるように構成されている。また、フランジ部3bの
他側には動力出力用取付部3g,…が形成されている。
尚、各嵌合片3eにおいて、ねじりコイルスプリング4
の軸線方向の動きを規制するために周方向のリブ3h,
3hが形成され、それら全体で周回突条を形成するよう
になっている。そして、摩擦部材2の略中央部分でねじ
りコイルスプリング4による締付け力が発生するように
なっている。
【0039】尚、トルクリミッタAの材質の組合せの一
例を以下に示す。
【0040】 本体部材1 :POM 摩擦部材2 :CRをマトリックスゴムと
し、17重量%の66ナイロン繊維が配合された短繊維
配合ゴム 動力出力用部材3 :POM ねじりコイルスプリング4:SWPA 上記のように構成すれば、トルクリミッタAの摩擦界面
が、合成樹脂からなる動力出力用部材3の内周面と短繊
維混入ゴムからなり短繊維が表面から露出した摩擦部材
2の外周面とによって構成されるので、動力出力用部材
3の内周面と摩擦部材2の外周面との摩擦関係で摩擦界
面における摩擦係数が決定されることとなり、長期間に
亘って安定したトルクを維持することができる。即ち、
摩擦部材2のゴム2aの表面より露出する短繊維2bの
間には隙間が多く形成されるので(図3参照)、短繊維
2bの隙間に摩耗した粉が溜って摩耗粉の凝着や移着が
起こるおそれがないし、そのような摩耗粉は、摩擦摺動
時の短繊維2bの動きによって移動せしめられて外部に
押出されることとなる。そのため、摩擦部材2の短繊維
2bの隙間に摩耗粉が飽和するまでの時間が非常に長く
かかることとなり、その結果、長期間安定したトルクが
維持される。
【0041】また、トルクリミッタAが4つの部品即ち
本体部材1、摩擦部材2、動力出力用部材3及びねじり
コイルスプリング4によって構成されているので、それ
らを結合又は組付けることが容易であり、トルクリミッ
タAを簡単にかつ作業性よく製造することが可能であ
り、組立性がよい。また、金属部材であるねじりコイル
スプリング4を除き、合成樹脂、短繊維配合ゴムの組合
せで構成されることとなるので、主として金属部材を用
いて構成する従来の場合に比べて、重量がかなり軽くな
り、軽量化を図る点で有利となる。
【0042】摩擦部材2と動力出力用部材3、又は摩擦
部材2の外周面より露出する短繊維と動力出力用部材3
との接触の確率は、短繊維が露出している表面を研磨し
てから、数分間のならし運転を行うことにより、略一定
にすることができるので、使用開始以後摩擦係数があま
り変化しないように自己制御することが可能である。つ
まり、ゴムと合成樹脂との摩擦接触で生ずるゴムの摩耗
量は、短繊維と合成樹脂との接触で起こる繊維摩耗量に
比べて非常に大きく、短繊維が摩耗してゴムと樹脂との
接触が増加し、滑りトルク(摩擦係数)が大きくなる
と、ゴムが急激に摩耗してゴム中に埋設されている短繊
維が表面に新たに現われて、短繊維と樹脂との接触が増
加し、その結果、滑りトルクが定常状態に維持されるこ
ととなる。このような制御が摩擦界面のあらゆる部分で
行われるため、滑りトルクが、常に一定の値をとるよう
にすることができる。
【0043】また、金属部材を用いて摩擦界面を構成す
る従来の場合とは異なり、摩擦界面に潤滑剤を介在させ
る必要はなく、短繊維配合ゴムからなり表面を研磨した
摩擦部材2を動力出力用部材3の内周面(樹脂面)に押
付けて摩擦摺動させ、滑りトルクを発生させるようにし
ているので、潤滑剤を付与せずに安定した滑りトルクが
発生することとなり、そのため、小さな押付け力で必要
な滑りトルクが得られる。また、小さな押付け力でよい
から、樹脂の材質の力学的強度が小さくてもよく、安価
に製造することができる。さらに、金属部材を用いる従
来の場合に比して、設計の自由度も増え、省スペース化
の点でも有利となる。
【0044】さらに、動力出力用部材3の嵌合部3bに
一端部が開放された複数のスリット溝部3cを設けてい
るので、ねじりコイルスプリング4による締付け力が直
接に効果的に動力出力用部材3から摩擦部材2を介して
動力入力用部材1に伝達されることとなり、摩擦界面で
の摩擦力をねじりコイルスプリング4のスプリング力に
よってほとんど支配することが可能となり、摩擦界面で
の摩擦力を安定させることができる。即ち、複数のスリ
ット溝部3bによって動力出力用部材3は軸線方向にお
いて撓み易くなっているので、動力出力用部材3の外周
部に装設されているねじりコイルスプリング4によるス
プリング力が、少ないロスでもって無理なく、動力入力
用部材5と動力出力用部材3との間の摩擦力に変換され
ることとなる。よって、他の部材のゴムや樹脂の弾性力
が製造中にばらついたとしても、トルクにはあまり影響
を与えないこととなる。それに加えて、摩擦界面におい
て滑りが生ずる摩擦摺動時に発生する摩擦熱は、動力出
力用部材3のスリット溝部3bを通じて外部に放熱され
る。
【0045】さらに、摩擦界面に潤滑剤を付与しなくて
もよいことから、小さな押付力で必要な滑りトルクが得
られることとなり、それによって樹脂の材質の力学的強
度が小さくてよくなり、安価に製造することができるの
に加えて、設計の自由度も高まり、省ペース化を図る点
でも有利である。また、潤滑剤を必要としないので、メ
ンテナンスが不要であり、事務機器の一部を構成する紙
送り装置の給紙ロール部にトルクリミッタを取付ける場
合であっても、送給される用紙に潤滑剤が付着したり、
周辺機器を汚染したりすることがない。
【0046】また、特に、摩擦部材2における短繊維2
bの材質となる樹脂の熱変形温度(18.5 kg/mm2
荷時)が相手材としての部材1,3(樹脂)の熱変形温
度よりも低くなるようにすれば、摩擦摺動したときに
は、摩擦界面の温度が70〜100℃に上昇し、熱変形
温度よりも高温となって短繊維2bの強度が低下するこ
とになるが、部材1,3(樹脂)については熱変形温度
に達していないので、両部材1.3の強度は維持され、
短繊維2b側が摩耗し易くなる。従って、耐摩耗性は、
部材1,3の樹脂>短繊維2b>摩擦部材2のゴム2a
の順に低下することになる。
【0047】尚、上記実施例においては、摩擦部材2の
外周面と動力出力用部材3の内周面とによって摩擦界面
を構成するようにしているが、摩擦部材の内周面より短
繊維を突出させ、摩擦部材の内周面と動力入力用部材の
外周面(樹脂)とによって摩擦界面を構成するようにす
ることもできる。また、上記実施例では、摩擦部材2を
短繊維配合ゴムで形成しているが、それに代えて短繊維
配合樹脂で構成することもできるし、合成樹脂のみで構
成することもできる。
【0048】また、上記実施例においては、動力出力用
部材3の嵌合部3bに、フランジ部3bの部位から軸線
方向に延び一端部が開放された複数のスリット溝部3
c,…を設けているが、そのスリット溝部3c,…は必
ずしも一端部が開放されている必要はなく、半径方向に
おいて変形可能であれば閉塞されていてもよいし、ま
た、半径方向に変形可能であれば、スリット溝部の代わ
りに薄肉部等を設けて、同様の作用効果を奏するように
することもできる。
【0049】続いて、上記トルクリミッタAに各種の材
料を用いて、本発明例1〜17及び比較例1〜3につい
て行った試験について説明する。
【0050】試験装置を示す図8において、11は外側
にスプリング12が適用されたトルクリミッタであっ
て、動力入力用部材13はアダプタ14、ギヤ15,1
6を介してモータ17に連係されている。一方、動力出
力用部材18は、アダプタ19、カップリング20を介
してトルクセンサ21に連係されている。トルクセンサ
21の出力信号はアンプ22にて増幅され、レコーダ2
3によって記録される。尚、試験条件は、回転数48rp
m 、温度23℃、湿度50%RHである。
【0051】各種材料の組合せ及び試験結果は、図9、
表1及び表2に示す通りである。比較例1は従来のスプ
リング締付けタイプで、摩擦界面は樹脂とスプリングに
よって構成されるが、そのほかは図8に示すタイプで、
摩擦界面は樹脂と短繊維配合ゴムによって構成される。
表1及び表2において、測定トルクが1000g・cm
以上となっている例については、測定できなかった。図
9において、目盛Qは給紙(A4)10万枚通過相当時
間である。
【0052】
【表1】
【表2】 ところで、使用初期にならし運転しなければならないの
は、摩擦摺動中に摩擦部材2を構成するゴム2aが硬化
(劣化)して摩擦部材2(短繊維配合ゴム)と部材1,
3(樹脂)との摩擦係数が低下するためであるが、研磨
によりゴム2aよりの短繊維2bの露出長さを制御する
だけではゴム2aの硬化(劣化)の状態を作り込めな
い。そこで、ゴム2a中に紫外線硬化樹脂及びその重合
開始剤を配合して、加硫、研磨仕上げ後に紫外線を照射
するようにして、走行中に発生するゴムの表面硬化(劣
化)と同様の表面硬化状態を作り込めば、ならし運転が
不要となる。具体的には、紫外線硬化樹脂は、短繊維配
合ゴム100重量部に対し0.2〜50重量部(好まし
くは0.5〜20重量部)配合し、重合開始剤は紫外線
硬化樹脂100重量部に対し1〜20重量部配合すれば
よい。
【0053】次いで、紫外線硬化樹脂及び重合開始剤を
配合した実施例18〜32及び比較例4〜9について、
上述した試験装置を用いて行った試験結果を表3,4に
示す。ここで、比較例4は、他の例のように短繊維配合
ゴムを用いた摺動方式ではなく、Fe を用いたスプリン
グ摺動方式である。試験回転数は200rpm 、摩擦部材
はすべての面が研磨され、紫外線硬化樹脂配合物には、
開始剤(ベンゾイソプロピルエーテル)を紫外線硬化樹
脂量の10重量%配合している。尚、表3,4中、E
G、TMPはそれぞれサンエステルEG、TMP(商品
名:三新化学(株)製)で、それぞれエチレングリコー
ルジメタクリレート及びトリメチロールプロパントリメ
タクリレートである。
【0054】
【表3】
【表4】 続いて、上記トルクリミッタを備える紙送り装置を用い
た複写機について図10に沿って説明する。
【0055】40a,40bは複写機41の記録紙42
の搬送路で、その上流側に静電写真式画像形成手段43
が配設されている。そして、給紙カセット44,44に
積載された記録紙42は紙送り装置45によって画像形
成手段43に1枚づつ送り込まれる。46は給紙ロー
ル、47は送りロール、48は分離ロールである。
【0056】静電写真式画像形成手段43では、直円筒
状の感光体49は矢符の方向に回転駆動され、該感光体
49の表面はコロナ放電器51によって帯電され、露光
領域52において原稿像が露光されて静電潜像が形成さ
れ、この静電潜像は現像装置53の例えば磁気ブラシを
用いてトナー像に顕像化され、搬送路40aを搬送され
てくる記録紙42には、感光体49のトナー像が転写用
コロナ放電器54によって転写され、分離用コロナ放電
器55によって、感光体49から記録紙42が分離され
る。このようにして転写されたトナー像を有する記録紙
42は搬送路41aに設けられた例えばアラミドフィル
ムベルト等の無端状ベルト56によって搬送される。感
光体42の転写後の残留トナーはクリーニング手段57
によってクリーニングされて除去される。
【0057】露光領域52に原稿像を形成するために機
体58の上部に水平に配置された透明板59には原稿6
0が配置され、カバー62によって覆われる。この原稿
60は透明板59の下方から光源63によって照射さ
れ、この原稿像は反射鏡64、レンズ65及び反射鏡6
6を含む光学系67を経て露光領域52に導かれる。原
稿60と光学系67の一部とを相対的に図10の左右方
向に移動することによって、スリット露光が行われる。
転写後の記録紙42は、無端状ベルト56に乗載され、
記録紙搬送方向の下流側に設けられた定着装置68の圧
ロール69と熱ロール70とに挟持されて熱定着され、
この定着後の記録紙42は排紙ロール71から排紙トレ
ー72上に排出される。
【0058】尚、上記実施例は、複写機において紙送り
装置を用いた例であるが、具体的には図示していない
が、プリンタにおいても同様に適用することができる。
【0059】
【発明の効果】請求項1に係る発明は、上記のように、
スプリング部材のスプリング力によって、動力出力用部
材を半径方向に変形させ、動力入力用部材と動力出力用
部材との間に摩擦力を発生させ、一定値以上のトルクが
作用すると、その摩擦面で滑りが生じるようにしている
ので、簡単な構造で、一定値以上のトルクの伝達を確実
に遮断することができる。
【0060】請求項2に係る発明は、動力出力用部材
に、軸線方向に延び端部が開放されたスリット溝部を形
成して半径方向に変形可能なるようにしているので、簡
単な構造で、一定値以上のトルクの伝達を確実に遮断す
ることができるのに加えて、摩擦界面における摩擦力に
よる発熱は、スリット溝部を通じて外部に放熱されるこ
ととなり、内部に熱がこもるということがなく、耐久性
の点で有利である、という効果を有する。また、動力出
力用部材に、軸線方向に延び端部が開放されたスリット
溝部を形成しているので、軸線方向において撓み易くな
り、動力出力用部材の外周部に装設されているスプリン
グ部材の締付け力を、少ないロスでもって、動力入力用
部材と動力出力用部材との間の摩擦力に変換することが
でき、さらに、一定値以上のトルクが作用した場合に、
動力出力用部材は開く傾向になることから、動力入力用
部材に対する締付け力を低減して、過剰なトルクが伝達
されるのを確実に防止することができる。
【0061】請求項3に係る発明は、動力出力用部材を
合成樹脂で構成しているので、全体重量の軽量化を図る
点で有利である。
【0062】請求項4に係る発明は、動力出力用部材の
内側面と、動力入力用部材の一部を構成し動力出力用部
材の内側面に対し外側面が接触する摩擦部材との摩擦関
係で、摩擦面の摩擦係数を調整するようにしているの
で、摩擦部材を変更する等の簡単な作業をするだけで、
摩擦界面における摩擦係数の調整を行うことができる。
よって、摩擦部材の選択の範囲が拡がり、耐久性に優
れ、摩擦係数の変動の少ない摩擦部材を選択することが
できる。
【0063】請求項5に係る発明は、摩擦部材を短繊維
配合ゴム又は短繊維配合樹脂でもって構成し、摩擦部材
の外側面においてゴム材又は樹脂より短繊維を露出せし
め、該短繊維が露出している面に対向する動力出力用部
材の面を樹脂面としているので、摩擦界面が樹脂面と短
繊維が露出したゴム面又は樹脂面とによって構成される
ことになり、グリース等の潤滑剤を摩擦界面に介在させ
る必要をなくすことができる。また、ゴム材又は樹脂材
より露出する短繊維によって樹脂面とゴム面又は樹脂面
との間にかなり多くの隙間(空間)を形成することにな
るので、短繊維の間に形成される隙間に摩耗した粉が溜
って摩耗粉の凝着や移着が起こるおそれがなく、また、
そのような摩耗粉は、摩擦摺動時の短繊維の動きによっ
て積極的に移動せしめて外部に押出し出し、短繊維の隙
間に摩耗粉が飽和するまでの時間が非常に長くかかるよ
うにしているので、長期間に亘って安定したトルクを維
持することができる。
【0064】請求項6に係る発明は、短繊維が露出する
表面を硬化させているので、使用初期にトルクが急激に
低下することがなく、いわゆるならし運転が不要とな
り、使用初期から、摩擦界面において安定した摩擦係数
を確保することができる。
【0065】請求項7に係る発明は、紫外線硬化樹脂及
びその重合開始剤を配合しているので、加硫、研磨仕上
げ後の紫外線照射により、短繊維が露出する表面(摩擦
面)を簡単に硬化させることができる。
【0066】請求項8及び請求項9に係る発明は、上述
した如きトルクリミッタを用いているので、長期間に亘
って安定して、紙送り装置における給紙の重送防止等に
適するトルクを維持することができ、長期間に亘って給
紙の重送防止を図ることが可能となる。特に、トルクリ
ミッタの摩擦界面を樹脂面と短繊維が露出したゴム面又
は樹脂面とによって構成するようにすれば、グリース等
の潤滑剤を摩擦界面に介在させる必要がなくなり、潤滑
剤による給紙の汚損のおそれをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トルクリミッタの縱断面図である。
【図2】動力入力用部材の側面図である。
【図3】摩擦部材の外周部の詳細図である。
【図4】動力出力用部材の右側面図である。
【図5】動力出力用部材の正面図である。
【図6】動力出力用部材の左側面図である。
【図7】図6のVII-VII 線における断面図である。
【図8】試験装置の説明図である。
【図9】試験結果を示す図である。
【図10】紙送り装置を用いた複写機の概略構成図であ
る。
【図11】紙送り装置の概略説明図である。
【符号の説明】
A トルクリミッタ 1 本体部材 2 摩擦部材 2a ゴム 2b 短繊維 3 動力出力用部材 3c 嵌合部 3d スリット溝部 4 ねじりコイルスプリング(スプリング部材) 5 動力入力用部材 35 送りロール 36 分離ロール 41 複写機 P 用紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 勝良 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンド―化学株式会社内 (72)発明者 釋迦郡 義雄 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンド―化学株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定値以上のトルクが作用したときに、
    トルクの伝達を遮断するトルクリミッタであって、 トルクが入力される筒状の動力入力用部材と、 該動力入力用部材に外嵌され、半径方向において変形可
    能である筒状の動力出力用部材と、 上記動力出力用部材の外周部に装設され、上記動力出力
    用部材を半径方向に変形させて上記動力入力用部材と動
    力出力用部材との間に摩擦力を生ぜしめるスプリング部
    材とを備えることを特徴とするトルクリミッタ。
  2. 【請求項2】 動力出力用部材は、軸線方向に延び端部
    が開放されたスリット溝部が形成されているところの請
    求項1記載のトルクリミッタ。
  3. 【請求項3】 動力出力用部材は、合成樹脂で形成され
    ているところの請求項1又は請求項2記載のトルクリミ
    ッタ。
  4. 【請求項4】 動力入力用部材は、トルクが入力される
    本体部材と、該本体部材に取付けられ動力出力用部材の
    内側面に対し外側面が接触する摩擦部材とを有するとこ
    ろの請求項1、請求項2又は請求項3記載のトルクリミ
    ッタ。
  5. 【請求項5】 摩擦部材は、外側面において短繊維が露
    出している短繊維配合ゴム又は短繊維配合樹脂で構成さ
    れているところの請求項4記載のトルクリミッタ。
  6. 【請求項6】 摩擦部材は、外側面に表面硬化処理が施
    されているところの請求項5記載のトルクリミッタ。
  7. 【請求項7】 摩擦部材は、紫外線硬化樹脂及び重合開
    始剤が配合され、加硫、研磨仕上げ後に紫外線が照射さ
    れたものであるところの請求項6記載のトルクリミッ
    タ。
  8. 【請求項8】 用紙の送り方向に回転される送りロール
    と、該送りロールと反対方向に回転される分離ロール
    と、該分離ロールに適用され一定値以上のトルクが作用
    したときに分離ロールの逆回転を許容するトルクリミッ
    タとを備え、用紙が1枚のときは送りロールの回転力に
    よって分離ロールを逆回転させて紙送りを行う一方、用
    紙が2枚以上のときは送りロール側の用紙のみ送られ、
    分離ロール側の用紙は分離ロールによって戻される紙送
    り装置において、上記トルクリミッタが、 上記分離ロールへのトルクが入力される筒状の動力入力
    用部材と、 該動力入力用部材に外嵌されかつ分離ロールに取付けら
    れる動力出力用部材と、 上記動力出力用部材の外周部に装設され、上記動力出力
    用部材を半径方向に変形させて上記動力入力用部材と動
    力出力用部材との間に摩擦力を生ぜしめるスプリング部
    材とを備えることを特徴とするトルクリミッタを用いた
    紙送り装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の紙送り装置を備えること
    を特徴とするトルクリミッタを用いた事務機器。
JP6147698A 1994-02-08 1994-06-29 トルクリミッタ並びにそれを用いた紙送り装置及び事務機器 Withdrawn JPH07269589A (ja)

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