JPH07268721A - ポリエステル繊維の熱処理装置 - Google Patents

ポリエステル繊維の熱処理装置

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JPH07268721A
JPH07268721A JP7993594A JP7993594A JPH07268721A JP H07268721 A JPH07268721 A JP H07268721A JP 7993594 A JP7993594 A JP 7993594A JP 7993594 A JP7993594 A JP 7993594A JP H07268721 A JPH07268721 A JP H07268721A
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heating
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heat
running
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JP7993594A
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Takaaki Hiyouba
隆明 標葉
Hitoshi Kakimoto
等 柿本
Fumio Taneue
史夫 種植
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Teijin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱帯域で走行糸条へ均一で且つ効率的な加
熱と空気抵抗とを同時に付与し、延伸、熱処理するポリ
エステル繊維の熱処理装置を提供する。 【構成】 ポリエステル重合体を紡糸口金(1)より吐
出し、一旦ガラス転移温度以下に冷却固化した糸条物を
引き続き加熱延伸、熱処理を行い、その後4000m/
分以上の速度で捲き取るポリエステル繊維の熱処理装置
であり、口金から吐出した紡出糸条(F)に対し、ほぼ
直角の方向から冷却風を吹きつける冷却風吹出し装置
(2)の下方に冷却風と同一方向および/または相対す
る方向から糸条に接触させて幅寄せし、走行糸条を実質
的に平面状に並べるための棒状糸導ガイド(3)と、そ
の直下で糸条走行部がスリット状であり且つ該スリット
の長手方向が走行する糸条面と平行になるような加熱帯
域を有する加熱装置(4)とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル繊維の熱
処理装置に関する。更に詳しくは、本発明は紡糸口金よ
り吐出した紡出糸条を一旦ガラス転移温度以下に冷却固
化し、引き続いて加熱帯域中を通過させて延伸、熱処理
を行うことにより紡糸工程のみで実用に供し得る糸質の
ポリエステル繊維を製造することが可能な熱処理装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリエステル紡出糸条を一旦
ガラス転移温度以下に冷却固化して、比較的低配向の未
延伸糸を得た後、引き続いて該未延伸糸を加熱帯域中を
通過させて、ガラス転移温度以上に加熱すると同時に、
高速走行時の空気抵抗により延伸張力を付与して延伸を
行い一挙に延伸糸を得るようにした加熱延伸、熱処理方
法および装置が種々提案されている。
【0003】これらの方法および装置は、その殆どが加
熱帯域を高速で走行する糸条に対して、いかに均一に且
つ効率的に加熱処理し、また延伸張力となる空気抵抗を
いかに均一に付与し得るかが重要であり、この点に検討
の焦点が当てられている。
【0004】上述の加熱方法または装置においては、一
般的には加熱筒状体が用いられている。しかし、この場
合、糸条を未集束状態で且つ加熱筒状体の内壁に接触し
ないように通過させる必要から、加熱筒状体の内径また
は糸条通過断面を比較的大きくとる。このため、糸条と
の熱交換性が悪く効率的な熱付与が難しいという欠点が
ある。
【0005】更に、引き取り速度が高速になり、特に4
000m/分を越えるようになると、糸条走行方向への
随伴流が大きくなる。この随伴流が加熱帯域に流入する
ため、加熱筒状体内部の雰囲気温度が低下したり不均一
となり、目的とする加熱延伸、熱処理が不充分となる。
【0006】これらの欠点を防ぐため、加熱筒状体入口
部分に狭窄部を設けて、開口部の断面積を小さくし随伴
流の流入と加熱筒状体内部の加温された気体の流出を防
止するための方法、装置が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来提案されている方法、装置においても、加熱筒状体へ
の随伴流の流入と加熱筒状体内部からの加温された気体
の流出を効果的に防ぐことは難しい。
【0008】そのため、加熱筒状体の糸条の入口、出口
で積極的に気体を噴射または吸引する方法、装置が提案
されている。例えば、加熱筒状体の入口、出口にて糸条
の走行方向に対し、それぞれ逆方向および同方向で特定
温度の気体を特定範囲の速度で噴射する方法(特開平4
−136211号公報)とか、加熱筒の両端に断面積を
熱処理域より絞った糸入口、出口を設け、入口は加熱流
体の吹出口、出口には吸引口を設ける方法(特開昭60
−167909号公報)等がある。
【0009】これらの方法の場合には、随伴流を防ぐと
いう点で一定の効果はあるが、加熱帯域入口で走行糸条
と流体が対向するため、走行糸条を乱し糸条に損傷を与
え、機械的性質の低下や、時として単糸切れによる製品
の毛羽を生ずるという欠点がある。
【0010】延伸張力としての空気抵抗を付与する方
法、装置としては、加熱帯域を加熱気体または加熱蒸気
を積極的に吹き込んで充満、加圧状態とすることが提案
されている。しかし、これらの方法で空気抵抗を付与す
る場合に、比較的多量の気体、蒸気を送り込む必要があ
る。このため、多大なエネルギー消費を伴い運転コスト
増となる。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的とするところは、加熱帯域
で走行糸条へ均一で且つ効率的な加熱と空気抵抗とを同
時に付与し、延伸、熱処理するポリエステル繊維の熱処
理装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した現
状に鑑み、加熱装置の糸条走行部の形状と糸条の走行状
態、とりわけ加熱帯域中での集合状態と糸条の延伸およ
び熱処理効果について鋭意検討した結果、本発明に到達
した。すなわち、本発明においては、ポリエステル重合
体を紡糸口金より吐出し、一旦ガラス転移温度以下に冷
却固化した糸条物を引き続いて、加熱延伸、熱処理を行
い、その後4000m/分以上の速度で捲き取るポリエ
ステル繊維の熱処理装置において、口金から出た走行糸
条に対し、ほぼ直角の方向から冷却風を吹きつける冷却
風吹出し装置が設けられ、該冷却風吹出し装置の下方に
冷却風と同一方向および/または相対する方向から糸条
に接触させて幅寄せし走行糸条を実質的に平面状に並べ
るための棒状糸導ガイドおよびその直下で糸条走行部が
スリット状であり且つ該スリットの長手方向が走行する
糸条面と平行になる加熱帯域を有する加熱装置が設けら
れ、前記スリットに糸条を通過させて、加熱延伸、熱処
理を行うことを特徴とするポリエステル繊維の熱処理装
置が提供される。
【0013】本発明により、紡糸工程のみで実用に供し
得る糸質のポリエステル繊維を得ることができる。
【0014】なお、本発明で言うポリエステルとは、ポ
リエチレンテレフタレートを主たる対象とするが、テレ
フタル酸の成分の一部(通常15モル%以下)を他の二
塩基酸成分、例えば、イソフタル酸、5−スルホイソフ
タル酸、アジピン酸等で置き換えても、また一部であれ
ばポリオキシエチレングリコールの如きポリオキシアル
キレングリコールで置き換えてもよい。かかるポリエス
テルの重合度はポリエステルの種類、用途に応じて適宜
選定するが、通常のポリエチレンテレフタレートの場合
35℃のオルソークロロフェノール溶液で測定した値よ
り求められた極限粘度〔η〕にして0.60〜0.66
が好ましい。
【0015】上記ポリエステルを溶融し、紡糸口金より
吐出する際には、特別の手段を採用する必要はなく、任
意の方法が採用されるが、本発明においては口金から吐
出した走行糸条に対し、ほぼ直角の方向から冷却風を吹
きつけるようにした冷却風吹出し装置の下方に、冷却風
と同一方向および/または相対する方向から糸条に接触
させることにより走行糸条を実質的に平面状に並べるた
めの棒状糸導ガイドを設け、棒状ガイドを経た後に加熱
帯域へ導く。
【0016】口金から出た吐出糸条の走行状態は集束さ
れる迄は、ほぼ口金吐出孔の配列に従って走行する。通
常の紡糸口金の吐出孔配列は一重または数重の同芯円の
円周上に吐出孔をほぼ等間隔で配置するか、または、全
面にほぼ等間隔で並列して配置する円形状の口金が使わ
れるが、楕円或いは矩形の口金であってもよい。
【0017】いずれの場合も、本発明においては冷却風
吹出し装置の下方に棒状糸導ガイドを設けて、ガラス転
移温度以下となっているが、いまだ未集束状態の糸条を
実質的に平面状に並べる。
【0018】棒状糸導ガイドは、冷却風の上流側からま
たは下流側からの一方向のみでもよいが、随伴流の流入
を防止し、糸導を一定に保という点から両側から挟むよ
うにすることが好ましい。
【0019】本発明においては、該棒状ガイドの直下
に、糸条の加熱装置を設ける。この加熱装置は糸条走行
部がスリット状で且つ該スリットの長手方向が走行する
糸条面と平行となるよう配置し、糸条を通過させる際に
糸条が平面状に並べられており、またそれ故に加熱装置
のスリットの壁面から糸条迄の距離が各単糸ともほぼ一
定となるようにする。すなわち、本発明におけるスリッ
トの形状は走行する糸条に対して、口金面からの距離が
同じ位置にあっては、壁面からの距離が各単糸で同じで
あればよく、スリット幅は糸条の走行方向に沿って一定
でも、また、徐々に狭くなっていてもよい。その結果、
均一な加熱が可能となり、均一な延伸が行われて極めて
高品質なポリエステル繊維が安定的に得られる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施態様を図面に基き詳細に
説明する。図1は工程全体の概略図で(a)は正面図、
(b)は側面図である。図2は図1の一部である棒状糸
導ガイドの具体例の正面図、図3は図1の一部である加
熱装置の具体例の断面図を示す。
【0021】図1により、本発明の全体工程を概説す
る。紡糸口金1より吐出された糸条物Fを、冷却風吹出
し装置2より糸条走行方向とほぼ直角の方向から吹き出
された冷却風Aにより一旦ガラス転移温度以下に冷却す
る。その後、棒状糸導ガイド3を冷却風と同一方向およ
び/または相対する方向から糸条物Fに押し当てられ
て、平面状に並べて加熱装置4へ導く。加熱装置4はス
リット状の糸導走行部4aを有しており、スリット4a
の長手方向が走行する糸条面と平行になるよう配置され
ている。
【0022】糸条Fは加熱装置4のスリット4a内で再
びガラス転移温度以上に加熱され、延伸、熱処理され
る。続いて、油剤付与装置5で油剤が付与され、糸条集
束ガイド6で集束され、その後、取引ローラ7、8を介
して捲取機9で捲取られる。なお、本発明において、油
剤付与装置5と糸条集束ガイド6はその機能を伴わせも
った一体型の装置でもよい。
【0023】本発明において、棒状糸導ガイド3は冷却
風吹出し装置2の下方に配置され、冷却された糸条物F
を平面状に集合させるためのものである。糸条物Fはガ
ラス転移温度以下の温度に冷却されるが、未だ未集束で
且つ油剤付与前であるため、糸条が該棒状糸導ガイド3
との接触により生ずる摩擦抵抗を可能な限り小さくする
必要がある。このためには図1において、棒状糸導ガイ
ド3は冷却風吹出し装置2から吹き出される冷却風Aと
同一方向および/または相対する方向から糸条Fに接す
るように配置されている。冷却域を通過する糸条Fは冷
却風の風下側に押し出されて、ゆるく腕曲するので、該
棒状糸導ガイド3をこの位置での糸条のほぼ中心近くに
合わせることにより、糸条Fが棒状糸導ガイド3より受
ける摩擦抵抗を小さくできる。
【0024】棒状糸導ガイド3の形状を図2の実施態様
例に示す。図2(a)のように1本の棒状糸導ガイド3
を用いて冷却風の上流側から糸条を押し当て平面状に集
合させる場合には、糸導ガイド3を冷却風吹出し装置の
下流側に設けることが好ましい。逆に下流側から糸条を
糸導ガイド3に押し当てる場合は冷却風吹出し装置2の
上流側の位置に設けることが好ましい。図2(b)のよ
うに2本の棒状ガイドがその間にスリット状を形成して
いるものを使い、糸条を両側から挟むようにすることが
好ましい。
【0025】このようにすることにより、棒状糸導ガイ
ドと接触することによって生ずる糸条の摩擦抵抗は意外
に小さくでき、容易に糸条を平面状に並べることが可能
となり、しかも、冷却域から持ち込まれる随伴流の加熱
装置への流入が防止できる。
【0026】図1に示した加熱装置4の実施態様例を図
3に示す。本発明において、加熱装置4は糸条Fを再び
ガラス転移温度以上に加熱し、延伸、熱処理を行うため
のものである。加熱帯域の糸条走行部のスリット幅W
(なお、糸条の走行方向(下方)に添って徐々に狭くな
るものは糸条出側幅を言う)は15mm以下、好ましくは
5〜10mmで、長さLは0.7〜2m、雰囲気温度12
0℃以上、好ましくは150〜220℃とする。スリッ
ト幅Wは15mmよりも大きいとスリット内の雰囲気温度
を保つのに多大のエネルギーを要し好ましくない。ま
た、スリット幅が小さすぎる場合には、通過させる糸条
物を平面状に集合させているとは言え、位置決めが難し
く糸条がスリットの中心からずれた場合の熱付与の差が
大きくなり、均一な延伸、熱処理が行ない難くなり、と
きとして糸条単糸間の融着、糸切れが発生し易くなる。
【0027】加熱域の長さLはスリット幅、設定温度に
よって、その最適長さが変るが、上記範囲において0.
7〜2mが好ましい。0.7m未満では、糸条を400
0m/分以上の引取り速度で運転する場合、通過時間が
0.01秒程度となり、加熱装置から受ける熱が不十分
となり均一な延伸ができない。
【0028】しかし、長さLが2mを越えると、400
0m/分以上、特に5000m/分以上では、一般衣料
用における単糸1〜5デニールの糸において、スリット
内の糸条の空気抵抗が延伸に必要な糸条の降伏応力に対
し必要以上に大きくなり、張力が不安定となって、均一
な糸が得られなくなる。加熱帯域の長さは、目的とする
糸の単糸デニールによって引取り速度とともに適当に選
ぶ必要があるが、一般衣料用における単糸デニール1〜
5de/fil の通常のポリエステル繊維では0.7〜2m
が好ましい。
【0029】本発明における加熱装置4は棒状糸導ガイ
ド3との併用で加熱帯域をスリット状にし、両側から加
熱するのみで、加熱帯域の入口部、出口部に狭窄部を設
けたり、加圧流体を積極的に吹き込んで加圧状態にした
りすることもなく、容易に糸条の延伸、熱処理を行うこ
とができるという特徴がある。
【0030】本発明において、加熱帯域を積極的に加圧
状態としなくても、加熱帯域中で延伸に必要な空気抵抗
が付与される理由は加熱体の壁面からの距離が糸条の各
単糸ともほぼ同じであり、このため距離を短く保つこと
が可能となり、空気抵抗を増すことができることによる
ものと考えられる。この効果と加熱体壁面からの距離が
各単糸ともほぼ同一であることにより、均一加熱が可能
となったことにより、均一な延伸が行われて極めて安定
的に高品質のポリエステル繊維が得られる。
【0031】本発明における熱処理装置のもう一つの効
果は加熱帯域への糸通しが容易となることである。加熱
装置が円筒状の場合には、糸導の入口部から糸束を挿
入、出口部からアスピレーターで吸引する等の方法が取
られるが、本発明の熱処理装置は、糸束の集合部が棒状
糸導ガイド、加熱装置がスリット状であるため、そのよ
うな手順は必要なく、スリットの開口側から容易に挿入
できる。
【0032】以下、実施例により本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】
【実施例1】オルソークロロフェノール溶液中35℃の
温度で測定した値より求めた極限粘度〔η〕が0.64
0のポリエチレンテレフタレート(融点260℃、ガラ
ス転移温度68℃)を図1に示す装置を用いて直接紡糸
延伸した。
【0034】紡糸口金は孔数36個、孔径0.27mmの
紡糸孔を有するものを用い、得られる延伸糸の繊度が7
5de/36fil と一定になるようなポリマー吐出量で紡
糸温度290℃で溶融紡出し、紡出糸条の冷却は横吹き
型の冷却風吹出装置を使用し、温度26℃、湿度65R
H%に調整した冷却空気を0.4m/秒の速度で、該紡
糸口金直下12cmの位置から100cmの長さに亘って紡
出糸条に直交して吹き当て、糸条の温度をガラス転移温
度以下に冷却した。
【0035】次いで、冷却した糸条を直径4mmのアルミ
ナ製の棒状糸導ガイド2本を用いて、冷却風と同一方向
および相対する方向から糸条に押し当てて幅寄せし、走
行糸条をほぼ平面状に並べた後、図3に示す加熱装置に
導入し、延伸熱処理を行い、続いて油剤付与糸条を集束
し、引取りローラを介して捲き取った。
【0036】ここで加熱装置はスリット幅8mm、長さ
1.5mで加熱域の上端位置を紡糸口金の下方1.6m
の位置に、また、油剤付与後の糸条集束ガイド位置を
3.3mの位置に固定し、加熱域の温度設定および糸条
の引取速度を変更して表1の結果を得た。
【0037】
【表1】 得られた糸条の強伸度特性に関しては、破断強度が4g
/d以上で同伸度が50%以下であれば、一般の衣料用
途に供し得る糸条といえる。また、染斑試験は糸条を編
立てして筒編状とした後、染色(染料:Eastmann Polye
ster Blue,owf2%で100℃×90分間)を行い、試
験編地を目視判定したものであり、全く斑のないものを
5級、斑があるものはその程度が大になるに従って0.
5級ピッチで1級まで評点をつけたものであって、3級
以上は合格で、それに満たないものは実用に供し得ない
ものである。
【0038】表1の中では本発明に属するもの(No1
〜5、9、10、12、13)は強度、伸度および沸水
収縮率が一般の衣料用として適切な範囲にあり、また衣
料用途に重要な特性である染斑も3級以上であり、十分
実用に供し得るが、他方、本発明に属さないもの(No
6〜8、11、14)は伸度が大きすぎて、このままで
は実用に供し得ない。なお、No7、11、14は比較
のため加熱装置を使用しなかったもので、加熱域に相当
する領域の温度を室温(RT)としたことにより延伸が
発生せず伸度が残っている。また、No8は加熱域の温
度が低く、また、No6は逆に高すぎて、均一な延伸と
熱処理が行われないため染斑が悪くて実用価値のないこ
とが明らかである。
【0039】
【実施例2】実施例1の紡糸条件において、加熱装置の
加熱域の長さおよびスリット形状を種々変化させて表2
の結果を得た。
【0040】なお、加熱域温度設定200℃、糸条の引
取速度4500m/分で一定とした。また、加熱域の上
端位置を紡糸口金の下方1.6mの位置に、糸条集束ガ
イド位置は実験No18、19はそれぞれ3.7m、
4.1mとし、その他は実施例1と同じ3.3mの位置
に固定した。
【0041】
【表2】 表2から明らかなように、加熱域の長さを変化させたも
の(No15〜19)の中では、実験No15も本発明
に属し、強度、伸度特性は衣料用途に適する範囲にある
が、染斑3級で限界近くなっており、加熱域を0.7m
未満とすることは熱不足となることが判る。
【0042】他方、実験No19の場合、細かい染斑が
表れはじめており、これは糸条集束ガイド位置が長くな
ったことによって、加熱域内での糸条が揺れることに起
因するもので2.5m以上は好ましくないことを示して
いる。
【0043】実験No20〜23においては、スリット
の形状を糸条の走行方向(下方)に添って徐々に狭くす
るものを使用した。糸条入側/出側が同一のもの(No
17)と比較すると、スリット出側を狭くすることによ
り、加熱域内の加温された空気の流出を防ぎ、加熱域内
の張力勾配を大きくする効果が見られることを除き、N
o17と同様満足する結果が得られた。
【0044】
【発明の効果】本発明により加熱帯域で走行糸条へ均一
で且つ効率的な加熱と空気抵抗とを同時に付与し、延
伸、熱処理するポリエステル繊維の熱処理装置が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】工程全体の概略図で(a)は正面図、(b)は
側面図である。
【図2】図1の一部である棒状糸導ガイドの具体例の正
面図である。
【図3】図1の一部である加熱装置の具体例の断面図で
ある。
【符号の説明】
1 紡糸口金 2 冷却風吹出装置 3 棒状糸導ガイド 4 加熱装置 5 油剤付与装置 6 糸条集束ガイド 7 引取ローラ 8 引取ローラ 9 捲取機 F 紡出糸条 A 冷却風

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル重合体を紡糸口金より吐出
    し、一旦ガラス転移温度以下に冷却固化した糸条物を引
    き続き加熱延伸、熱処理を行い、その後4000m/分
    以上の速度で捲き取るポリエステル繊維の熱処理装置に
    おいて、口金から吐出した紡出糸条に対し、ほぼ直角の
    方向から冷却風を吹きつける冷却風吹出し装置が設けら
    れ、該冷却風吹出し装置の下方に冷却風と同一方向およ
    び/または相対する方向から糸条に接触させて幅寄せ
    し、走行糸条を実質的に平面状に並べるための棒状糸導
    ガイドおよびその直下で糸条走行部がスリット状であり
    且つ該スリットの長手方向が走行する糸条面と平行にな
    る加熱帯域を有する加熱装置が設けられ、前記スリット
    に糸条を通過させて、加熱延伸、熱処理を行うようにし
    たことを特徴とするポリエステル繊維の熱処理装置。
JP7993594A 1994-03-26 1994-03-26 ポリエステル繊維の熱処理装置 Pending JPH07268721A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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