JPH07268171A - 摺動性樹脂組成物 - Google Patents

摺動性樹脂組成物

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JPH07268171A
JPH07268171A JP5929394A JP5929394A JPH07268171A JP H07268171 A JPH07268171 A JP H07268171A JP 5929394 A JP5929394 A JP 5929394A JP 5929394 A JP5929394 A JP 5929394A JP H07268171 A JPH07268171 A JP H07268171A
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JP5929394A
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Koichi Sagisaka
功一 鷺坂
Tetsuo Konno
哲郎 今野
Mitsuo Sato
光男 佐藤
Jichio Deguchi
自治男 出口
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)エチレン性不飽和シラン化合物をグラ
フト重合させたシラン変性ポリエチレン 50〜93重
量%、(B)ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
粉末 3〜40重量%、(C)チタン酸カリウムウィス
カ 2〜30重量%より構成され、Aを架橋してなる摺
動性樹脂組成物。 【効果】 摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れるなど、極
めて優れた摺動性を有しており、ローラー、軸受け等の
摺動部品に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摺動性に優れた樹脂組
成物に関するものである。すなわち本発明は摩擦係数が
低く、耐摩耗性に優れた成形品を与えるシラン変性ポリ
エチレンの摺動性樹脂組成物に関するものである。この
摺動性樹脂組成物は、軸受け、ローラーアイドラ、索導
管等の摺動部品の成形材料に適している。
【0002】
【従来の技術】最近、各分野での摺動部材のプラスチッ
ク化が進んでおり、主にポリアセタール樹脂(PO
M)、ポリアミド樹脂(PA6、66等)などの比較的
摺動性に優れた樹脂材料が使用されている。しかしなが
ら、これらの材料は耐摩耗性に優れる反面、摩擦係数が
高いという欠点がある。これらを改善するため、上記の
ような樹脂材料に二硫化モリブデン、黒鉛、PTFE等
の摺動性に優れたフィラーを充填する事により改善して
きたが、最近の高度化する要求性能に対し必ずしも充分
ではなかった。また、使用時に潤滑油、グリース等を塗
布する事により摩擦係数を低減する方法も行われている
が、組み付け工程におけるコストアップという問題点が
生じており、十分な解決策は得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、摺動性に
優れるとともに、耐摩耗性にも優れかつ押出しや射出成
形等により成形の容易な樹脂組成物を提供しようとする
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の状況
を踏まえて鋭意検討した結果、シラン変性ポリエチレ
ン、ポリテトラフルオロエチレンおよびチタン酸カリウ
ムウィスカの組成物が優れた摺動性を有することを見い
だし、本発明に至った。すなわち本発明は、 A.エチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重 合させたシラン変性ポリエチレン 50〜95重量% B.ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末 3〜40重量% C.チタン酸カリウムウィスカ 2〜30重量% から構成され、A成分を架橋してなる摺動性に優れた摺
動性樹脂組成物を提供するものである。さらにまた本発
明は、前記のA成分として、キシレン沸点抽出によるゲ
ル分率が30重量%以上のエチレン性不飽和シラン化合
物をグラフト重合させたシラン変性ポリエチレンを用い
た摺動性樹脂組成物を提供するものである。
【0005】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。 (ポリエチレン)本発明に用いられるシラン変性ポリエ
チレンの原料であるポリエチレンとしては、密度が0.
930〜0.965g/cm3、好ましくは94〜0.955
g/cm3のものが用いられる。これらのポリエチレンは、
通常低圧イオン重合法により製造される。またエチレン
とαオレフィン、例えばプロピレンやブテン−1との共
重合体が用いることもできる。この場合、共重合成分は
20重量%以下であることが望ましい。
【0006】(シラン変性ポリエチレン)本発明におい
てA成分として使用するシラン変性ポリエチレンは、上
記したポリエチレンにラジカル発生剤の存在下でエチレ
ン性不飽和シラン化合物をグラフト重合させて得られ
る。用いられるエチレン性不飽和シラン化合物は一般
式;RSiR’nY3-n(ここで、Rはエチレン性不飽和
炭化水素またはオキシ炭化水素、R’は脂肪族飽和炭化
水素基、Yは加水分解可能な有機基であり、nは0、1
または2である)で表されるシラン化合物である。具体
的にはRがビニル、アクリル、イソプロペニル、ブテニ
ル、シクロヘキセニル、γ−メタアクリロイルオキシプ
ロピル等であり、R’はメチル、エチル、デシル、フェ
ニル、Yはメトキシ、エトキシ、ホルミルオキシ、アセ
トキシプロピオニルオキシ、アルキルまたはアリルアミ
ノ等であり、好ましくはRがビニルまたはγ−(メタ)
アクリロオキシプロピルであるトリルアルコキシシラン
が用いられる。
【0007】ラジカル発生剤としては、グラフト反応条
件下で前記ポリオレフィンに遊離ラジカル部位を発生さ
せることができ、グラフト反応温度で充分短い半減期を
有する任意の化合物を使用することができる。これらの
ラジカル発生剤は、例えば特公昭48−1711号公報
に記載されているが、代表的なラジカル発生剤として
は、ジクミルペルオキシド、t−ブチルペルオキシオク
テート、ベンゾイルペルオキシド等の有機過酸化物、ア
ゾイソブチロニトリル、メチルアゾイソブチレート等の
アゾ化合物が挙げられる。
【0008】ポリエチレンへのエチレン性不飽和シラン
化合物のグラフト反応は、前記ポリエチレン100重量
部に対し前記シラン化合物を0.01〜15重量部、好
ましくは0.5〜10重量部程度、および前記ラジカル
発生剤を0.01〜5重量部、好ましくは0.01〜2重
量部程度加え、用いたラジカル発生剤の分解が生じる温
度、一般には150〜200℃程度の温度で混練する事
により行うことができる。混練手法は、一軸あるいは多
軸混練押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベン
ダープラストグラフ、ニーダー等の通常の混練機を用い
ることができる。
【0009】(PTFE粉末)本発明で使用するPTF
E粉末は、例えばテトラフルオロエチレン(TFE)の
懸濁重合や乳化重合によるホモポリマーを、粉砕、分級
したものを使用することができる。粉末の平均粒径は、
50μm以下(望ましくは10μm以下)であり、これ
より大きいと本発明の効果が得られない。PTFE粉末
の配合量は3〜40重量%(望ましくは5〜30重量
%)である。配合量が3重量%より少ないと発明の効果
が得られず、40重量%より多いと摺動性(特に耐摩耗
性)が低下するだけでなく流動性も著しく損なわれる。
【0010】(チタン酸カリウムウィスカ)本発明で使
用するチタン酸カリウムウィスカは、例えば4−チタン
酸カリウムウィスカ、6−チタン酸カリウムウィスカ、
8−チタン酸カリウムウィスカ等の単結晶繊維を使用す
ることができる。これらは、例えばチタン原料化合物と
カリウム原料化合物の混合物を焼成して得られる。ウィ
スカの平均繊維径は5μm以下(好ましくは2μm以
下)、繊維長は500μm以下(好ましくは10〜20
0μm)が望ましい。配合量は2〜30重量%、望まし
くは5〜20重量%、さらに望ましくは5〜15重量%
である。2重量%より少ないと摩擦係数が増大し、30
重量%より多いと耐摩耗性が著しく低下する。
【0011】(付加成分)本発明の摺動性樹脂組成物
は、A成分、B成分およびC成分の組成物から本質的に
成るものであるが、さらに本発明では、発明の効果を著
しく損なわない範囲で、これらの成分の他に付加的成分
を、組成物100重量部に対し、300重量部以下の割
合で配合することができる。例えば、炭素繊維、アラミ
ド繊維、チタン酸カリウムウィスカを除く各種ウィスカ
(アルミナボロン、炭化ケイ素等のウィスカ)、その他
粉末炭化物、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、シリ
カ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ゼオライト、ウオラスナ
イト、けいそう土、ガラスビーズ、ベントナイト、モン
モリロナイト、アスベスト、中空ガラスビーズ、黒鉛、
二硫化モリブデン、などのフィラーを挙げることができ
る。またA成分のシラン変性ポリエチレンを、40重量
%を越えない範囲で、各種の樹脂、例えばポリエチレン
以外のポリオレフィン樹脂(ポリプロピレン、エチレン
と酢酸ビニル、アクリル酸エステル等との共重合体)、
各種アクリレート樹脂(PMMA等)、ポリスチレン、
ABS樹脂、PA樹脂(6、66、11、12等)、変
性ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリフェニレンスルフィド、液晶性ポリエステル、各種
エラストマー(オレフィン系、アミド系等)等に置きか
えてもよい。
【0012】さらに必要に応じて酸化防止剤、造核剤、
難燃剤及びそれらの分散剤を組成物中0.05〜5重量
%含有させてもよい。また、さらに摺動性を向上させる
ために各種の潤滑油(鉱物油、動植物油、エステル系
油、シリコン系油等)を含浸させてもよい。本発明にお
けるチタン酸カリウムウィスカ、PTFE粉末および他
の付加成分に記載されている上記のフィラーには、シラ
ン変性ポリエチレンとの親和性を高めるために、各種の
表面改質を施すことができる。例えばシランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤、ステアリン酸、オレイン
酸などの高級脂肪酸、高級脂肪酸グリセリンエステル、
アミド、高級脂肪酸金属塩、高級アルコール、各種ワッ
クス、極性ポリオレフィン(無水マレイン酸変性ポリオ
レフィン、酸化ポリオレフィン等)などを用いることが
できる。
【0013】(混練組成物の製法および成形法)本発明
組成物は、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサ
ー、ロール、ブラベンダー、ニーダーなどの通常の混練
機を用いて製造する事ができる。通常は押出機などで上
記必須成分および、所望により追加成分、架橋触媒等を
混練してペレット状にした後、加工に供するが、各成分
を直接成形機に供給し、成形機で組成物に混練しながら
成形する事もできる。また、予めB成分あるいはC成分
を高濃度に混練してマスターバッチとし、これをA成分
等の他の成分で希釈しながらブレンドコンパウンドした
り直接成形したりすることができる。本発明の組成物は
通常の熱可塑性樹脂用の成形機で成形できる。すなわち
必要に応じて架橋触媒を組成物に混合した後、射出成
形、押し出し成形、プレス成形などに適用できる。この
なかでも射出成形が生産性に優れる点で望ましい。
【0014】(シラン架橋)前記のようにして、A成
分:シラン変性ポリエチレンを、B成分:PTFE粒子
およびC成分:チタン酸カリウムウィスカと共に所定配
合量で混練され、ペレットとし、その後成形される。ま
たは混練につづいて成形される場合もある。シラン架橋
は水の存在下においてなされ、触媒を用いず、混練時や
成形時に熱と大気中の水分により架橋する方法や、シラ
ノール縮合触媒の存在下で架橋する方法があるが、架橋
の安定性や進行度の点で、望ましくはシラノール縮合触
媒の存在下で、架橋反応を著しく促進させて行うのが有
利である。ここで用いられるシラノール縮合触媒は、シ
リコーンのシラノール間の脱水縮合を促進する触媒とし
て使用される化合物が用いられる。このようなシラノー
ル縮合触媒は、一般に、すず、亜鉛、鉄、鉛、コバルト
等の金属カルボン酸塩、有機塩基、無機酸および有機酸
等があり、具体的には、例えばジブチルすずラウレー
ト、ジブチルすずオクトエート、ジブチルすずアセテー
ト、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト等のカルボン酸
塩、エチレアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、
ピリジン等の有機塩基、硫酸、塩酸などの無機酸、トル
エンスルホン酸、酢酸、ステアリン酸、マレイン酸等の
有機酸を挙げることができる。シラノール縮合触媒の使
用量は、本発明の本発明樹脂組成物中のシラン変性ポリ
エチレン(A成分)に対して0.001〜10重量部程
度、好ましくは0.01〜3重量部の範囲である。
【0015】シラノール縮合触媒を存在させる方法とし
ては、例えば以下の方法がある。 (1)シラン変性されていない組成物を用い、シラノー
ル縮合触媒を含有するマスターバッチをつくり、本発明
の各成分の混練時に添加するか、もしくは成形前にドラ
イブレンドして成形する方法。 (2)シラノール触媒を含有しない成形品をシラノール
触媒の水溶液またはエマルジョン中に浸漬する方法。 これらの方法でシラノール触媒の導入された成形品は、
大気中に放置することによっても大気中の水分により水
架橋が進行するが、一般に成形品を常温〜200℃程
度、通常は常温〜100℃程度の水(液状または蒸気
状)と10秒〜1週間程度、通常は1分〜1日程度にわ
たって接触させればよい。本発明においては、上記方法
によりシラン変性ポリエチレンを架橋させた後のゲル分
率は30重量%以上、好ましくは50重量%以上であ
り、ゲル分率が30重量%より少ないと摺動性、特に耐
摩耗性が著しく低下する。
【0016】なお、本発明においてゲル分率は、架橋し
たA成分のサンプルを、溶媒としてキシレンを用いて、
ソックスレー型抽出器により、沸点温度において10時
間抽出し、次式に従って抽出残留物の重量を百分率で表
示した。 ゲル分率(%)=抽出残重量(g)/抽出前のサンプル重量
(g)×100
【0017】
【実施例】以下実施例にて本発明を詳しく説明する。使
用した各成分は次のとおりである。シラン変性ポリエチレン(I) 密度0.952g/cm3の高密度ポリエチレン(ダイヤポ
リマー社製「三菱ポリエチ」)100重量部に対し、
1.5重量部のビニルメトキシシラン及び0.03重量部
ジクミルペルオキシドを配合し、180℃混練押出しに
よってグラフト化したシラン変性物を得た。(MFR
0.8g/10分 ゲル分率65%)
【0018】シラン変性ポリエチレン(II) 密度0.965g/cm3の高密度ポリエチレン(ダイヤポ
リマー社製「三菱ポリエチ」)100重量部に対し、
2.0重量部のビニルメトキシシランおよび0.015重
量部ジt−ブチルパーオキサイドを配合し、180℃混
練押出しによってグラフト化したシラン変性物を得た。
(MFR 16g/10分 ゲル分率62%)
【0019】シラン変性ポリエチレン(III) 上記シラン変性ポリエチレン(I)100重量部に対し
て、密度0.952g/cm3の高密度ポリエチレン200
重量部を配合して使用した。(ゲル分率25%)
【0020】シラン変性ポリプロピレン 比較のために使用したポリプロピレンとして、ダイヤポ
リマー社製「三菱ポリプロ」100重量部に対し、3.
0重量部のビニルメトキシシランおよび0.7重量部ベ
ンゾイルパーオキサイドを配合し、220℃混練押出し
によってグラフト化したシラン変性物を得た。(密度
0.910g/cm3 MFR 11g/10分、ゲル分率63
%)
【0021】PTFE I 喜多村(株)社製 PTFE粉末 KTL610 (平均
粒径 10μm) PTFE II 喜多村(株)社製 PTFE粉末 KTL400H (平
均粒径 60μm) チタン酸カリウムウィスカ 大塚化学(株)社製「ティスモD101」 黒鉛 日本黒鉛(株)社製「天然黒鉛CP・B) 二硫化モリブデン 日本無機化学(株)社製「モリファインパウダー Y」 炭素繊維 旭カーボンファイバー(株)社製 「A−6003」 ポリアセタール(POM) BASF(株)社製「ウルトラフォルム N2320」 ナイロン66(PA66) BASF(株)社製「ウルトラミッド A3K)
【0022】(混合、成形、シラン架橋)上記成分を、
表1および表2に示す配合割合で混合し、二軸混練押出
機を用いて160℃にて混練してペレット状の組成物を
得た。このペレットに、下記のシラノール縮合触媒のマ
スターバッチを、A成分のシラン変性ポリエチレンもし
くはシラン変性ポリプロピレン100重量部に対し5重
量部を混合し、射出成形機を用いて成形温度180℃、
金型温度40℃にて、縦100mm×横100mm×厚
さ2mmの板を成形し、これを分割して縦30mm×横
30mmのテストピースを作製した。使用したシラノー
ル縮合触媒のマスターバッチは、前記のシラン変性ポリ
エチレン(I)〜(III)およびシラン変性ポリプロピ
レンの製造に用いたものとそれぞれ同じポリエチレンも
しくはポリプロピレンの100重量部に、ジブチルすず
ラウレート1重量部を配合し、180℃での混練によっ
て得た。その後テストピースを100℃の熱水に1時間
浸漬して、シラン架橋を行なった。一方、A成分のみを
用いてテストピースと同サイズに成形体を作り、この成
形体をやすりで削って粉末として、ゲル分率測定用のサ
ンプルを得た。このサンプルをキシレンで沸点抽出し、
成分Aのゲル分率を求めた。
【0023】(摺動性の評価)実施例におけるテストピ
ースの摺動性の評価は、伊東式摩耗試験機(東京試験機
製作所(株)社製)を使用した。摩擦相手の摺動性試験
用リングとしては、図1および図2に示す形状のS45
C鋼材製のものを用いた。以下に試験条件を示す。 接触面積 0.216cm2 (0.072cm2×3) 試験荷重 20Kg (面圧 93Kg/cm2) 回転数 180RPM 速度 20.3cm/sec 試験時間 5時間 距離 3650m 試験中のリングにかかる負荷トルクより動摩擦係数を求
めた。また一定試験時間中のサンプルの摩耗量を減少重
量により、さらに摩耗深さを表面粗さ計(東京精密
(株)社製)にて測定して求めた。摩耗深さは、1サン
プルにつき摩耗痕円周上の4点を測定し、平均値を求め
て摩耗深さとした。なお、実施例の摺動性試験後のリン
グ摺動面の摩耗による重量変化はなく、さらにリング摺
動面の傷等のダメージはほとんどなかった。以上の結果
をまとめて表1および表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】表1および表2の結果からも判るよう
に、本発明におけるA成分、B成分およびC成分の特定
量を配合した本発明の樹脂組成物は、摩擦係数が低く、
耐摩耗性に優れるなど、極めて優れた摺動性を有してお
り、これは従来摺動材料としておもに使用されてきたP
OM、PA樹脂よりも優れた結果が得られた。のみなら
ず、摩擦係数が低いため摺動面における発熱を抑制する
などに起因して相手材料へのダメージが極めて少ない事
が明らかとなった。さらにこの成形物をシラン架橋した
ものは、上記の特性においてさらに優れている。これら
のものはローラー、軸受け等の摺動部品、特にこれまで
の樹脂材料では不可能であった厳しい要求性能の部品に
も適応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において使用した摩耗試験器の摺動性試
験用リングの底面図である。
【図2】摺動性試験用リングの底面をシートサンプルに
当接しようとする図である。
【符号の説明】
1 リング 2 摺動面 3 シートサンプル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出口 自治男 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A.エチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重 合させたシラン変性ポリエチレン 50〜95重量% B.ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末 3〜40重量% C.チタン酸カリウムウィスカ 2〜30重量% から構成され、Aを架橋してなる摺動性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記A成分が、それ単独で架橋した際
    の、キシレン沸点抽出により測定したゲル分率が30重
    量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の摺動
    性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 シラン架橋をA成分のシラン変性ポリエ
    チレン100重量部に対して0.01〜10重量部のシ
    ラノール縮合触媒の存在下に行うことを特徴とする請求
    項2に記載の摺動性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 A成分が密度0.93〜0.965g/cm3
    のポリエチレン100重量部に対し0.01〜15重量
    部のエチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重合させ
    たシラン変性ポリエチレンであり、B成分が平均粒子径
    50μm以下のPTFE粉末である事を特徴とする請求
    項1ないし3のいずれか1項に記載の摺動性樹脂組成
    物。
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