JPH0726682Y2 - 自動車用電子システムの故障診断装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は自動車用電子システムの故障診断装置に関す
る。

（従来の技術） 自動車用電子システムにあっては、コントロールユニッ
トへの信号系統に発生する故障（回路の断線またはショ
ートあるいはセンサ不良が大半を占める）に対して診断
機能を備えるが、その場合コントロールユニットの入力
部での信号レベルあるいはCPUの演算結果から故障の有
無を判定するにすぎないため、故障系統がどこかまでし
か診断できない。

そこで、このような故障発生時には、さらに詳しく故障
部位を割り出して修理に当たることが必要で、そのため
テスタが使用される（特開昭64−83434号公報、同64−8
3435号公報参照）。

（考案が解決しようとする課題） ところで、従来の場合には診断対象となる信号系統が変
わるたびに、テスタの出力調整（信号波形の設定）を行
わなければならず、故障部位の探索作業は煩雑を極め、
また専門的な知識も要求されるという問題点があった。

この考案はこのように複雑な故障探索などを容易に行え
るようにした診断装置の提供を目的とする。

（課題を解決するための手段） そのため、この考案は第１図で示すように疑似信号出力
端子と電圧・パルス入力端子を備え、コントロールユニ
ットへの各種の入力信号と同一レベルの疑似信号を選択
的に発生する疑似信号発生手段と、疑似信号発生手段に
診断対象となる信号系統の疑似信号の発生を指令する入
力操作手段と、入力操作手段からの信号に基づいて故障
探索の手順を画面に表示する探索手順表示手段と、電圧
・パルス入力端子の測定値を疑似信号の出力レベルと比
較して故障の有無を判定する故障判定手段と、故障判定
手段からの信号に基づいて故障部品の交換手順などを画
面に表示する修理手順表示手段を設けたものである。

（作用） このように構成すると、入力操作手段によって診断対象
となる信号系統を指定しさえすれば、後は画面に表示さ
れる探索手順や修理手順にしたがって作業を進めるだけ
でよく、診断対象を変えても従来のテスタのように信号
波形を設定したりする必要もなく、したがってそれほど
専門的な知識を持たないものでも故障部位の割り出しと
修理を容易に行うことができる。

（実施例） 第２図において、１は画面２を備える入力操作部、３は
入力操作部１のタッチボタン操作による指定信号系統の
センサ信号と同一レベルの疑似信号を発生する疑似信号
発生器で、入力操作部１には電圧・パルス入力端子４
が、疑似信号発生器３には出力端子５が設けられる。

入力操作部１内には図示しないが、タッチボタン操作に
よる指定信号系統についての故障探索の手順を画面２に
表示する探索手順表示回路と、電圧・パルス入力端子４
の測定値と疑似信号の出力レベルを比較して故障の有無
を判定する故障判定回路と、その判定結果から故障部品
の交換手順などを画面２に表示する修理手順表示回路が
格納される。

第３図は診断動作の一例を説明するフローチャートで、
入力操作部１のタッチボタン操作によって診断すべき故
障系統が指定されると、まず指定信号系統についての故
障探索の手順を画面２に表示する。

これにより、第４図で示すように疑似信号出力端子５を
センサ６から外したコネクタ７に、また電圧・パルス端
子４をハーネス８のコントロールユニット９入力側のコ
ネクタ10に接続すると、診断のOKが判定されて、指定信
号系統と同一レベルの疑似信号を出力すると同時に、電
圧・パルス入力端子４での測定を開始する。

そして、電圧・パルス入力端子４での測定値に異常があ
れば、ハーネス不良を判定して、ハーネス修理の手順
を、また測定値が正常であれば、センサ不良を判定し
て、センサ交換の手順をそれぞれ画面２に表示する。

このような構成により、作業者は故障系統の診断開始に
際して、入力操作部１のタッチボタン操作によって診断
すべき信号系統を指定しさえすれば、後は画面２に表示
される手順にしたがって作業を進めるだけでよい。この
場合、疑似信号発生器３が各種系統のセンサ信号と同一
レベルの疑似信号を選択的に発生するので、診断対象を
変えても従来のように各種のテスタを用意したり、信号
系統ごとに信号波形を設定したりする必要もなく、した
がってそれほど専門的な知識を持たないものでも故障部
位の割り出しと修理を容易に行うことができる。

（考案の効果） 以上要するにこの考案によれば、疑似信号出力端子と電
圧・パルス入力端子を備え、コントロールユニットへの
各種の入力信号と同一レベルの疑似信号を選択的に発生
する疑似信号発生手段と、疑似信号発生手段に診断対象
となる信号系統の疑似信号の発生を指令する入力操作手
段と、入力操作手段からの信号に基づいて故障探索の手
順を画面に表示する探索手順表示手段と、電圧・パルス
入力端子の測定値を疑似信号の出力レベルと比較して故
障の有無を判定する故障判定手段と、故障判定手段から
の信号に基づいて故障部品の交換手順などを画面に表示
する修理手順表示手段を設けたので、専門的な知識を持
たないものでも手順を間違えたりすることなく、容易に
故障部位の割り出しと修理を行うことができるという効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のクレーム対応図、第２図は同じく実
施例を示す構成図、第３図は同じく診断動作の一例を説
明するフローチャート、第４図は同じく装置の使用状態
の一例を示す説明図である。 １…入力操作部、２…画面、３…疑似信号発生器、４…
電圧・パルス入力端子、５…疑似信号出力端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】疑似信号出力端子と電圧・パルス入力端子
   を備え、コントロールユニットへの各種の入力信号と同
   一レベルの疑似信号を選択的に発生する疑似信号発生手
   段と、疑似信号発生手段に診断対象となる信号系統の疑
   似信号の発生を指令する入力操作手段と、入力操作手段
   からの信号に基づいて故障探索の手順を画面に表示する
   探索手順表示手段と、電圧・パルス入力端子の測定値を
   疑似信号の出力レベルと比較して故障の有無を判定する
   故障判定手段と、故障判定手段からの信号に基づいて故
   障部品の交換手順などを画面に表示する修理手順表示手
   段を設けたことを特徴とする自動車用電子システムの故
   障診断装置。