JPH0726575B2

JPH0726575B2 - エンジンの空燃比制御装置

Info

Publication number: JPH0726575B2
Application number: JP20215886A
Authority: JP
Inventors: 敏雄松原; 敬鈴木; 勲柴田
Original assignee: Mazda Motor Corp
Current assignee: Mazda Motor Corp
Priority date: 1986-08-28
Filing date: 1986-08-28
Publication date: 1995-03-29
Anticipated expiration: 2010-03-29
Also published as: JPS6357841A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明はエンジンの空燃比制御装置に関し、特に、燃料
タンク等からの蒸発燃料をエンジンに供給するパージ時
における空燃比の制御性の向上対策に関する。

（従来の技術）従来、燃料タンク等で発生した蒸発燃料は、その大気へ
の拡散を防止すべく、例えば特開昭59−192858号公報に
開示されるように、一旦キャニスタ等の吸着装置に吸着
し、この吸着した蒸発燃料をエンジンの運転状態に応じ
てエンジンの吸気系に供給するようになされている。

（発明が解決しようとする課題）しかしながら、上記の如き蒸発燃料のパージを、混合気
の空燃比制御を行うエンジンに適用する場合には、次の
如き欠点が生じる。つまり、混合気の空燃比制御では、
エンジンに供給された混合気の空燃比を検出する空燃比
センサを備え、該空燃比センサの出力に応じた補正量で
エンジンに供給する混合気の空燃比を目標値にフィード
バック制御している。そして、この空燃比のフィードバ
ック制御の補正量の大きさは、通常、空燃比センサの出
力信号へのノイズの侵入等に起因する空燃比制御の誤制
御を防止するために、予め定めた設定幅内に制限される
ものである。このため、空燃比のフィードバック制御
時、特に低吸気量時に蒸発燃料のパージが行われた場合
には、この蒸発燃料のパージに起因して空燃比が大きく
変動してリッチになり易く、これに伴い上記空燃比制御
のフィードバック補正量がリーン側に大きくなって、上
記設定幅内の最大値に制限され、目標空燃比に対応する
補正量値と大きく相違することになるため、パージ時で
の空燃比を目標空燃比に制御し得ず、制御性が低下する
という欠点が生じる。

そこで、種々の解決方法が検討されるが、その場合に
も、蒸発燃料のパージが終了して空燃比のフィードバッ
ク制御のみに戻った時には、その後の空燃比が即座に目
標値に収束するよう、空燃比制御を応答性良く行い得る
ことが必要になる。

本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目
的は、空燃比のフィードバック制御中に、同時に蒸発燃
料のパージを行う場合、空燃比制御の補正量が所定値を
越えて大きくなった時には、エンジン運転状態に応じた
燃料供給量、例えば燃料噴射式エンジンにおける燃料噴
射量を非パージ時とは異なる値に変更することにより、
蒸発燃料のパージ時にも、基本制御量とフィードバック
制御の補正量とを含む全体をして、空燃比を目標空燃比
に良好に収束させることともに、その後のパージの終了
時には、フィードバック補正量をその基準値付近から大
小調整し得て、その調整幅の少ない範囲内で空燃比を目
標空燃比に収束制御できて、空燃比制御の応答性の向上
を図ることにある。

（課題を解決するための手段）上記目的を達成するため、本発明の解決手段は、第１図
に示すように、エンジンの運転状態を検出する運転状態
検出手段65と、該運転状態検出手段65の出力を受け、エ
ンジン運転状態に応じた燃料供給量を調量する燃料調量
手段79と、上記エンジン１に供給された混合気の空燃比
を検出する空燃比センサ54と、該空燃比センサ54の出力
に応じた補正量でエンジン１に供給する混合気の空燃比
を目標値にフィードバック制御する空燃比制御手段80と
を備えたエンジンの空燃比制御装置を前提とする。そし
て、蒸発燃料をエンジン１の吸気系にパージするパージ
手段35と、上記運転状態検出手段65の出力を受け、エン
ジン運転状態に応じて蒸発燃料をエンジン１にパージす
るように上記パージ手段35を制御するパージ制御手段82
とを備えるととともに、蒸発燃料のパージ時を検出する
パージ時検出手段84と、該パージ時検出手段84の出力を
受け、蒸発燃料のパージ時に、上記空燃比制御手段80に
よるフィードバック制御の補正量が設定値を越えたと
き、上記燃料調量手段79の燃料供給量を補正する燃料供
給量補正手段85とを備える構成としたものである。

（作用）以上の構成により、本発明では、混合気の空燃比のフィ
ードバック制御のみが行われる場合には、エンジン１に
供給される燃料量が燃料調量手段79で燃料供給量でもっ
てエンジン運転状態に応じた供給量に調整されつつ、空
燃比センサ54によりエンジンに供給された混合気の空燃
比が検出され、該空燃比センサ54の出力に応じたフィー
ドバック補正量が算出されて、このフィードバック補正
量に応じて上記燃料供給量がフィードバック制御され
て、エンジンに供給される混合気の空燃比が空燃比制御
手段80により目標空燃比に調整されることになる。

また、上記の如き空燃比のフィードバック制御時におい
て、エンジン１の運転状態に応じて蒸発燃料のパージが
同時に行われた場合には、このパージに伴い空燃比がリ
ッチになって目標空燃比と大きく隔たることになるもの
の、この際には、上記燃料調量手段79の燃料供給量が燃
料供給量補正手段85によりリーン側に補正されるので、
フィードバック補正量は基準値付近に保持されたまま、
空燃比が素早く目標空燃比に制御される。

そして、蒸発燃料のパージが終了し、空燃比のフィード
バック制御のみに戻った場合には、その燃料供給量の値
が元に戻り、この燃料供給量がフィードバック補正量で
逐次補正されて、空燃比が目標空燃比に収束する。その
際、フィーバック補正量は基準値近傍にあるので、その
後の外乱による空燃比の変動に対しても、フィードバッ
ク補正量を逐次大小変更する幅は可及的に少なくて済
み、その結果、空燃比は可及的速やかに目標空燃比に収
束することになる。

（実施例）以下、本発明の実施例を第２図以下の図面に基いて説明
する。

第２図は燃料噴射式エンジンの空燃比制御装置の全体構
成を示し、１はエンジン、２はエンジン１のシリンダ３
に摺動自在に嵌挿したピストン４により容積可変に形成
された燃焼室、５は一端がエアクリーナ６を介して大気
に連通し、他端が上記燃焼室２に開口して吸気をエンジ
ン１に供給するための吸気通路、７は一端が上記燃焼室
２に開口し、他端が大気に開放されて排気を排出するた
めの排気通路であって、上記吸気通路５の途中には、吸
入空気量を制御するスロットル弁８と、該スロットル弁
８の下流側で燃焼室２の近傍に燃料を噴射供給する燃料
噴射弁９とが各々配設されている一方、排気通路７の途
中には、排気ガスを浄化する触媒装置10が配設されてい
る。

また、15は燃料タンクであって、該燃料タンク15の内部
燃料は、該燃料タンク15内に配設した燃料ポンプ16およ
び燃料フィルタ17、並びに他の燃料フィルタ18を介設し
た燃料供給通路19を介して上記燃料噴射弁９に供給され
ていて、燃料タンク15内の燃料を燃料噴射弁９から吸気
通路５に噴射供給可能になっている。また、上記変量噴
射弁９の燃料供給通路19には、燃料噴射弁９に連通する
圧力調整通路20を介して、燃料圧力を調整するプレッシ
ャーレギュレータ21が接続されていて、該プレッシャー
レギュレータ21により余剰燃料を燃料戻し通路22を介し
て燃料タンク15に戻して、燃料噴射弁11に供給される燃
料の圧力を設定値に調整するようにしている。

さらに、上記燃料タンク15の内部は、一方向弁25を介設
した蒸発燃料流通通路26を介して蒸発燃料を吸着する活
性炭内蔵のキャニスタ27が連通接続されている。該キャ
ニスタ27の内部は、蒸発燃料供給通路28を介して上記吸
気通路５のスロットル弁８下流側に連通されているとと
もに、大気圧及び負圧の作用に応じて開閉するパージ制
御弁29を有し、該パージ制御弁29には、パージエア導入
通路30を介して三方弁32が接続されていて、該三方弁32
により、パージエア導入通路30が負圧導入通路33を介し
て吸気通路５のスロットル弁８下流側に連通して負圧が
導入されたときには、パージ制御29を閉じて、蒸発燃料
のパージを停止する一方、三方弁32によりパージエア導
入通路30が大気に連通されたときには、大気（パージエ
ア）によりパージ制御弁29を開かせたのち、キャニスタ
27内の蒸発燃料を蒸発燃料供給通路28を介して吸気通路
５のスロットル弁８下流側にパージするようにしたパー
ジ手段35を構成している。

さらに、上記蒸発燃料供給通路28の途中には、蒸発燃料
のパージ量を制限する第１オリフィス37が介設され、該
第１オリフィス37の前後はバイパス通路38でバイパスさ
れ、該バイパス通路38の途中には、上記第１オリフィス
37よりも径の大きい第２オリフィス39と、バイパス通路
38を開閉する開閉弁40とが介設されていて、該開閉弁40
には、その開閉制御用の三方弁41が接続され、該三方弁
41により、大気圧を開閉弁40に作用させたときには、該
開閉弁40を閉じさせて、蒸発燃料をバイパスせずに第１
オリフィス37を介してパージすることにより、所定のパ
ージ速度を得る一方、三方弁41により吸気通路５のスロ
ットル弁８下流側の負圧を開閉弁40に作用させたときに
は、該開閉弁40を開かせて、蒸発燃料をバイパス通路38
の第２オリフィス39を介してエンジン１にパージするこ
とにより、パージ速度を上記所定速度よりも速くして、
パージ速度を２段階に切換えて可能にている。

加えて、50は吸気通路５のスロットル弁８上流側で吸入
空気量を検出するエアフローセンサ、51はスロットル弁
８の開度を検出する開度センサ、52はエンジン回転数を
検出する回転数センサとしてのディストリビュータ、53
はエンジン冷却水温度を検出する冷却水温度センサ、54
は排気通路７に配設されて排気ガス中の酸素濃度成分に
よりエンジンに供給された混合気の空燃比を検出する空
燃比センサ、55は運転者により操作されるスタートスイ
ッチ、56はスロットル弁８の開度によりエンジン１のア
イドル運転時を検出するアイドルスイッチ、57は変速機
の中立位置を検出するニュートラルスイッチ、58は運転
者により足踏み操作されるクラッチの接続状態を検出す
るクラッチスイッチ、59は車載クーラの作動時を検出す
るクーラスイッチ、60はパワーステアリング装置の作動
時を検出するパワーステアリングスイッチ、61は電気負
荷の作動時を検出する電気負荷スイッチ、62はスロット
ル弁８の開度により高負荷時を検出するパワースイッ
チ、63はエンジン冷却水温度が所定温度（例えば50℃）
以上の状態を検出する水温スイッチあって、上記エアフ
ローセンサ50及びディストリビュータ52により、エンジ
ン１の運転状態を検出するようにした運転状態検出手段
65を構成している。そして、上記各センサ及びスイッチ
50〜63の検出信号は各々CPU等を内蔵するコントラーラ7
0に入力されていて、該コントローラ70により上記燃料
噴射弁９および２個の三方弁32,41が各々作動制御され
る。尚、図中、75はブローバイガスを吸気通路５のスロ
ットル弁８下流側に戻すPCVバルブ、76は吸気通路５の
スロットル弁８をバイパスするバイパス通路77の途中に
介設されて、バイパス吸気量の調整によりエンジンのア
イドル回転数を調整するアイドル調整バルブである。

そして、上記コントローラ70は、上記エアフローセンサ
50及びディストリビュータ52（運転状態検出手段65）の
出力を受け、エンジン１の運転状態に応じた基本燃料噴
射量τ_０を、予め記憶するエンジン運転状態に応じた燃
料噴射量マップから読出し算出し、この読出した基本燃
料噴射量τ_０を燃料噴射弁９から噴射するように燃料噴
射弁９を作動制御して、エンジン１に供給される燃料供
給量をエンジン運転状態に応じて調量する燃料調量手段
79としての機能を有している。

また、上記コントローラ70は、上記空燃比センサ54の検
出信号（空燃比信号）を受け、該空燃比信号値を目標空
燃比と大小比較して、その大小に応じてフィードバック
補正量C_FB（基準値＝０）を微小量増減して変更し、こ
のフィードバック補正量C_FBでもって燃料噴射弁９から
の燃料噴射量τを基本燃料噴射量τ_０に基いて下式τ＝
τ_０（１＋C_FB＋C_A） C_A;蒸発燃料のパージ時における補正係数（後述）で演算して増減調整して、エンジン１に供給する混合気
の空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するように
した空燃比制御手段80を構成している。また、上記コン
トローラ70は、空燃比の誤制御を防止するために、上記
フィードバック補正量C_FBの大きさの上下限値を±25％
（±0.25）の設定幅内（−25％≦C_FB≦＋25％）に制限
する機能を有し、フィードバック補正量C_FBがこの設定
幅を越える場合には、その値を設定幅内の上限値（＋25
％）または下限値（−25％）に制限するようにしてい
る。

さらに、上記コントローラ70は、上記フィードバック制
御時において、上記エアフローセンサ50、ディストリビ
ュータ52、冷却水温度センサ53、ニュートラルスイッチ
57及びクラッチスイッチ58の各検出信号を受け、これら
検出信号に基いてエンジン１が有負荷時でエンジン冷却
水温が50℃以上のエンジン運転状態時を判別したとき
に、パージエア導入通路30に大気を導入するよう、上記
パージ用の三方弁32を切換え制御して、蒸発燃料をエン
ジン運転状態に応じてエンジン１の吸気系にパージする
ようにしたパージ制御手段82を構成している。

次に上記コントローラ70によるフィードバック制御の基
本制御量、つまり燃料噴射弁９からの燃料供給量の変更
制御を第３図のフローチャートに基いて説明する。スタ
ートして、ステップS₁で空燃比のフィードバック制御時
か否かを判別するとともに、ステップS₂で蒸発燃料のパ
ージ時か否かを判別し、フィードバック制御時のYESで
且つ蒸発燃料のパージ時のYESの場合には、ステップS₃
でフィードバック補正量C_FBの大きさが−側のの設定値
−ｘ％（lx％ｌ＜l25％ｌ）を越えたか否かを判別し、
−ｘ％を越えて大きくなったC_FB＜−ｘ％のYES場合に
は、蒸発燃料のパージにより空燃比が大きくリッチにな
ったと判断して、ステップS₄で補正係数C_Aを基準値“0"
から所定値だけ減算して、基本燃料噴射量τ_０を所定量
だけ減量するとともに、フィードバック制御量C_FBの値
を“0"値に戻して、ステップS₆に進む。

そして、このように基本燃料噴射量τ_０を減量したのち
は、フィードバック補正量C_FBが“0"値であるので、上
記ステップS₃での判定がNOになってステップS₅に進み、
該ステップS₅で、蒸発燃料のパージ量が時間経過に応じ
て減量するのに対応してフィードバック補正量C_FBが大
きくなる状況を把握すべく、フィードバック補正量C_FB
が＋側の所定値ｘ％（ｘ％＜25％）を越えたか否かを判
別し、C_FB≦＋ｘ％のNOの場合には、基本燃料噴射量τ
_０を減量したまま、ステップS₆でフィードバック補正量
C_FBでもって混合気の空燃比を目標空燃比に制御する一
方、フィードバック補正量C_FBがその設定値（＋ｘ％）
を越えたC_FB＞＋ｘ％のYESの場合には、目標空燃比に対
する空燃比のズレ量が大きくなったと判断して、ステッ
プS₇で上記補正係数C_Aを基準値の“0"値に戻して、基本
燃料噴射量τ_０を元に戻したのち、ステップS₆に進んで
混合気の空燃比をフィードバック補正量C_FBでもって目
標空燃比に制御する。

そして、上記ステップS₂で蒸発燃料のパージが終了した
NOの場合、またはステップS₁でエンジン運転状態の変化
に伴い空燃比のフィードバック制御が行われなくなった
Ｎの場合には、ステップS₈で次のフィードバック制御に
備えるべく、現在のフィードバック補正量C_FBの値をキ
ャンセルとして基準値の“0"値に戻して、終了する。

よって、上記第２図のフローにおいて、ステップS₂よ
り、蒸発燃料のパージ時を検出するパージ時検出手段84
を構成しているとともに、ステップS₃、S₄により、上記
パージ時検出手段84の出力を受け、蒸発燃料のパージ時
に、上記空燃比制御手段80によるフィードバック補正量
C_FBの大きさが空燃比のリッチ側への移行に伴いその設
定値（−ｘ％）を越えたときには、補正係数C_Aを負値に
して、上記燃料調量手段79の燃料供給量である基本燃料
噴射量τ_０を所定量だけ減量するよう補正するようにし
た燃料供給量補正手段85を構成している。

したがって、上記実施例においては、当初、エンジン運
転状態に応じた燃料調量手段79の基本燃料噴射量τ_０で
もってエンジン１に供給された混合気の空燃比が空燃比
センサ54で検出されると、その空燃比信号に基いてフィ
ードバック補正量C_FBが大小変更されて、このフィード
バック補正量C_FBに応じて燃料噴射弁９からの燃料供給
量τが増減調整されて、エンジン１に供給する混合気の
空燃比が目標空燃比にフィードバック制御される。

また、以上のフィードバック制御時において、特定のエ
ンジン運転状態（つまり有負荷時でエンジン冷却水温が
50℃以上の状態）では、パージ制御手段82によりパージ
手段35が作動制御されて、キャニスタ27内の蒸発燃料が
蒸発燃料供給通路28を介して吸気通路５のスロットル弁
８下流側にパージされて、蒸発燃料の大気への拡散が防
止される。

その際、特に低吸気量時には、蒸発燃料のパージの空燃
比に対する影響が大きくて、空燃比はリッチ側に大きく
変動するが、この時には、フィードバック補正量C_FBが
設定値（−ｘ％）にまで大きくなった時点で、基本燃料
噴射量τ_０（燃料供給量）が燃料供給量補正手段85で補
正係数C_Aにより減量調整されるので、空燃比に素早く目
標空燃比近傍に近づいたのち、フィードバック補正量C
_FBの大小変更によりフィードバック制御されて、精度良
く目標空燃比に収束する。この場合、空燃比の目標値へ
の接近は、補正係数C_Aによる基本燃料噴射量τ_０の減量
調整により行われるので、フィードバック補正量C
_FBは、第４図（イ）に示すように、一旦設定値（−ｘ
％）に至って燃料噴射量τが減量されると、基準値の
“0"値に戻されたのち、この“0"値近傍を上下して、空
燃比が目標値に収束する。その後、フィードバック補正
量C_FBは、同図（ロ）に示す如く、蒸発燃料のパージ量
の減量変化に伴い＋側に大きくなって所定値（＋ｘ％）
に至ると、補正係数C_Aが基準値の“0"値に戻って基本燃
料噴射量τ_０が増量するのに伴い、再び減少して“０値
近傍で上下に変化して、空燃比が目標空燃比に収束す
る。その結果、蒸発燃料のパージが終了した時には、フ
ィードバック補正量C_FBは“０値付近にあって、空燃比
のフィードバック制御のみに状況が変化しても、空燃比
は短時間で目標空燃比にフィードバック制御されること
になる。よって、蒸発燃料のパージ時には空燃比を目標
空燃比に良好に制御できるとともに、このパージ終了後
も空燃比のズレを生じることなく、空燃比を目標空燃比
に短時間で良好に収束させることができ、空燃比の制御
性の向上を図ることができる。

尚、上記実施例では、燃料噴射弁９を備えたエンジンに
対して適用したが、本発明は気化器を備えたエンジンに
対しても同様に適用できるのは勿論である。

（発明の効果）以上説明したように、本発明によれば、空燃比のフィー
ドバック制御中に同時に蒸発燃料のパージを行う場合に
は、フィードバック補正量が設定値を越えた時点で、エ
ンジンの運転状態に応じた燃料供給量を補正して、フィ
ードバック補正量の小さい範囲で空燃比を目標空燃比に
制御したので、蒸発燃料のパージ時での空燃比を目標値
に良好に制御できるとともに、このパージ時から非パー
ジ領域に移行して空燃比のフィードバック制御のみとな
る場合にも、空燃比のズレを生じることなく、空燃比を
目標空燃比に短時間で良好に収束させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の構成を示すブロック図である。第２図
ないし第４図は本発明の実施例を示し、第２図は全体構
成図、第３図はコントローラの作動を示すフローチャー
ト図、第４図（イ）および（ロ）は作動説明図である。７……排気通路、９……燃料噴射弁、15……燃料タン
ク、27……キャニスタ、28……蒸発燃料供給通路、29…
…パージ制御弁、30……パージエア導入通路、32……三
方弁、35……パージ手段、54……空燃比センサ、63……
水温スイッチ、65……運転状態検出手段、70……コント
ローラ、79……燃料調量手段、80……空燃比制御手段、
82……パージ制御手段、83……フィードバック制御時検
出手段、84……パージ時検出手段、85……燃料供給量補
正手段。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】エンジンの運転状態を検出する運転状態検
出手段と、該運転状態検出手段の出力を受け、エンジン
運転状態に応じた燃料供給量を調量する燃料調量手段
と、上記エンジンに供給された混合気の空燃比を検出す
る空燃比センサと、該空燃比センサの出力に応じて補正
量でエンジンに供給する混合気の空燃比を目標値にフィ
ードバック制御する空燃比制御手段とを備えるととも
に、蒸発燃料をエンジンの吸気系にパージするパージ手
段と、上記運転状態検出手段の出力を受け、エンジン運
転状態に応じて蒸発燃料をエンジンの吸気系にパージす
るよう上記パージ手段を制御するパージ制御手段と、蒸
発燃料のパージ時を検出するパージ時検出手段と、該パ
ージ時検出手段の出力を受け、蒸発燃料のパージ時に、
上記空燃比制御手段によるフィードバック制御の補正量
が設定値を越えたとき、上記燃料調量手段の燃料供給量
を補正する燃料供給量補正手段とを備えたことを特徴と
するエンジンの空燃比制御装置。