JPH07264527A - 液晶プロジェクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】天井吊り型液晶プロジェクタ（１）の設置性向
上、及び投射準備の簡略化を目的とする。 【構成】一般の住宅の照明器具取付用のコネクタである
引掛埋め込みローゼット、及び引掛シーリング（３）対
応の取付コネクタ（２）を有しこれにより設置、及び電
源の供給を同時に行う液晶プロジェクタ。 【効果】室内照明の機能を備えることにより、室内の照
明器具に置き換えて設置することが可能であり、さらに
液晶プロジェクタ（１）の電源コントロール、及び室内
照明のコントロールを関連づけて行うことが可能であり
その映像投射の一連の操作が大きく簡略化される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、天井吊り型の液晶プロ
ジェクタに関し、特に照明器具としての機能を有し、映
像の投射と室内照明を関連づけて行い、映像ソフトの投
射と同時に、視聴状態に最適な室内照明を行う液晶プロ
ジェクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の液晶プロジェクタ（１）は床や机
上に置くタイプが主流であり、使用しないときはじゃま
になるので必要なときにだけ持ち出してセッティングし
てから、使用するのが一般的であった。しかしこの場
合、そのセッティングに手間がかかるため、日常的な使
用には不適当である。さらに液晶プロジェクタ（１）の
迫力ある映像を楽しむためにはスクリーン（４）の正面
で視聴するのが望ましいが、このためには液晶プロジェ
クタ（１）の投射光路上、あるいは液晶プロジェクタ
（１）の設置位置に視聴者が位置することになり、その
映像を遮ってしまい不都合が生じる。これらは液晶プロ
ジェクタ（１）を天井（１８）から吊るすことにより解
決できる。

【０００３】従来の液晶プロジェクタ（１）において
も、天井吊りに対応したものが存在するが、設置には専
用の取付金具などを必要としていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従って、従来の天井吊
り型の液晶プロジェクタ（１）の設置のためには工事が
必要であり、また電源供給のためにも専用コンセントを
設置するなどの手段が必要であるため、液晶プロジェク
タ（１）本来の特徴である手軽さが半減していた。また
視聴時においては、その準備のためには、まず室内照明
のコントロールを行って室内を暗くするなど室内の明る
さを調節し、さらに液晶プロジェクタ（１)のコントロ
ールを行う必要があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】これに対し、本発明によ
る天井吊り型液晶プロジェクタ（１）では、一般の住宅
の照明器具取付用のコネクタである引掛埋め込みローゼ
ット、及び引掛シーリング（３）対応の取付コネクタ
（２）を有し、これによって設置と電源の供給を行う。
また、室内照明の機能を有しており、室内照明光（６）
と映像投射のコントロールを一つの操作で関連づけて同
時に行うことができる。また赤外線を使った映像のワイ
ヤレス入力手段を備えている。

【０００６】

【作用】一般の住宅の照明器具取付用のコネクタである
引掛埋め込みローゼット、及び引掛シーリング（３）対
応の取付コネクタ（２）を使って設置を行う。同時に電
源の供給も取付コネクタ（２）を介して行うため新たに
天井（１８）に電源コンセントを設置するなどの必要が
なくなる。また液晶プロジェクタ（１）に室内照明の機
能を持たせることによって、映像の投射と室内照明光
（６）のコントロールを関連づけて行うことを可能にす
る。たとえば、液晶プロジェクタ（１）の電源を入れた
ときに室内の照明を暗くするといったことを自動的に行
うことが可能になる。

【０００７】

【実施例】図１は本発明による天井吊り型液晶プロジェ
クタ（１）の実施例を示している。

【０００８】近年、一般的な家屋の室内の天井（１８）
には照明器具（１１）取付のために引掛埋め込みローゼ
ット、あるいは引掛シーリング（３）が備えられてい
る。これらのコネクタは照明器具（１１）の取付と電源
供給を同時に行うことを目的としたものであり、照明器
具（１１）のコネクタ（１３）を差し込んでひねるだけ
で工具をいっさい使用せずに、照明器具（１１）の取付
と電源接続が同時にできて、設置作業がすべて完了す
る。

【０００９】図１において、本実施例の液晶プロジェク
タ（１）は、この設置方法に対応した取付コネクタ
（２）を備えていることを特徴とし、この取付コネクタ
（２）によって天井（１８）に吊るし、さらに電源の供
給を同時に行っている。また本発明による液晶プロジェ
クタ（１）は、赤外線を用いた映像の無線伝送手段を備
えているので、その送信装置（８）をビデオデッキなど
の映像再生装置（９）に接続することにより、映像を液
晶プロジェクタ（１）へと無線伝送できる。また映像を
天井（１８）近くの高い位置から壁、あるいは窓前面に
位置するスクリーン（４）に投射するための、あおり補
正の機能を備え、台形歪のない映像を投射できる。

【００１０】以上により、本発明による液晶プロジェク
タ（１）においては、天井吊りのための特別な工事が不
要になり、さらにコンセットを介した電源の接続や、映
像信号（７）のための配線も不要になるので液晶プロジ
ェクタ（１）の室内設置が大幅に簡略化される。すなわ
ち本発明による液晶プロジェクタ（１）は設置に当たっ
ていっさいの電気工事が不要であり、取付だけですべて
のセッテイングが終了することを特徴としている。

【００１１】さらに室内照明の機能を備えているので、
室内に設置してあった照明器具（１１）を取り外して、
そのかわりに本発明による液晶プロジェクタ（１）を設
置して室内照明を行うことができる。すなわち、従来の
液晶プロジェクタ（１）において大きな問題点であっ
た、常設するための場所の確保、及び設置作業が本発明
による液晶プロジェクタ（１）によって解決される。

【００１２】図２（ａ）（ｂ），図３は本発明による液
晶プロジェクタ（１）の天井（１８）への取付について
説明するものである。

【００１３】図２（ａ）は室内の照明器具（１１）を天
井（１８）に固定する方法を説明するものである。取付
は、引掛埋め込みローゼット、あるいは引掛シーリング
（３）に照明器具（１１）本体のコネクタ（１３）を差
し込み爪（１２）を引っかけることによって行われてい
る。また照明器具（１１）への電源の供給はこの２枚の
爪（１２）を介して行われる。図２（ｂ）は引掛埋め込
みローゼット、あるいは引掛シーリング（３）に照明器
具（１１）のコネクタ（１３）の爪（１２）を引っかけ
て照明器具（１１）を固定した状態である。そして図３
は照明器具（１１）を取り外し、代わりに本発明による
液晶プロジェクタ（１）を取り付ける様子を示してい
る。

【００１４】このように、室内の照明器具（１１）を本
発明による室内照明の機能を持った液晶プロジェクタ
（１）に置き換えるという方法により、取付工事を必要
とせず、手軽に大画面を楽しめる液晶プロジェクタ
（１）を室内においてじゃまになることなく常設でき
る。また本実施例の液晶プロジェクタ（１）の重量は４
ｋｇとなっており、引掛埋め込みローゼット、あるいは
引掛シーリング（３）を使った取付には問題がない。

【００１５】次に、図４（ａ）（ｂ），図５（ｃ）
（ｄ）を用いて本発明による液晶プロジェクタ（１）の
機能面の特徴を説明する。図４（ａ）（ｂ），図５
（ｃ）（ｄ）はそれぞれ本発明による液晶プロジェクタ
（１）の使用状況に応じた動作の状態を示している。

【００１６】図４（ａ）においては本発明による液晶プ
ロジェクタ（１）を室内照明装置として使用している。
本発明による液晶プロジェクタ（１）を設置するため
に、天井（１８）に設置してあった照明器具（１１）を
取り外しても、本発明による液晶プロジェクタ（１）が
照明器具（１１）としての機能を有しているので不都合
が生じない。

【００１７】図４（ｂ）においては、本発明に液晶プロ
ジェクタ（１）によって、室内照明光（６）を完全に消
して映像の投射を行っている。この状態は画面以外が暗
くなるので、映画などの映像ソフトを観賞するのに適し
ている。しかし、一般の家庭において映像を視聴する場
合、室内照明光（６）は完全には消さずにある程度の室
内の明るさを保った状態での視聴が好ましい場合があ
る。図５（ｃ）は本発明による液晶プロジェクタ（１）
を、この状態に対応させた場合を示している。本発明に
よる液晶プロジェクタ（１）の照明装置を映像視聴に差
し支えない程度でかつ、室内にある程度の明るさを持た
せるような照明状態にして、映像の投射を行っている。
ここで考えられる適度な照明状態は使用環境によっても
変化するので調節可能になっている。調節内容は明るさ
だけでなく、照明方向を切り替えられるようになってい
るので、映像が投射されるスクリーンの方向を照明せず
に室内のスクリーン（４）以外の方向だけを照明した
り、あるいは、視聴者のいる位置だけを照明するなどと
いったことが可能になる。

【００１８】図５（ｄ）は、本発明による液晶プロジェ
クタが備えた投射光学系（１５）のズームにより、画面
サイズを通常視聴の８０インチ程度から、２０〜３０イ
ンチ程度に縮小して映像を投射している状態を示してい
る。投射光（５）の明るさは、サイズの２乗に反比例す
るので画面の縮小によって大きく向上する。これにより
日中など室内が明るい場合でも室内を暗くすることなく
映像の視聴が可能になる。

【００１９】以上、図４（ａ）（ｂ），図５（ｃ）
（ｄ）に示した状態はワイヤレスリモコンでワンタッチ
の操作で切り替え可能となっており、視聴準備が大幅に
簡略化される。これに加えてスクリーン（４）も電動巻
き上げでワイヤレス操作できるものを用い、この操作も
本液晶プロジェクタ（１）のワイヤレスリモコンで行え
ば映像投射のためのすべての準備をワンタッチで行える
ようになる。しかも試聴する映像ソフト、必要な部屋の
明るさなどを考慮した視聴環境を瞬時に呼び出せる。具
体的には、映像の視聴をせずに室内照明だけが必要なと
きは、図４（ａ）の状態、映像ソフトに集中して試聴し
たいときは、室内照明光（６）を消して映像を投射する
図４（ｂ）の状態、ある程度の室内の明るさを保ったま
ま映像ソフトを試聴する場合は図５（ｃ）の状態、十分
な部屋の明るさを保ったまま、あるいは日中の明るい室
内の状態で試聴する場合は図５（ｄ）の状態といったよ
うに、使用形態に合わせた投射形態を瞬時に作り出すこ
とができる。従って、従来より気軽にいつでも迫力ある
映像を楽しむことができる。

【００２０】次に本発明の液晶プロジェクタ（１）にお
いて、室内照明の光束を得るための手段を説明する。液
晶プロジェクタ（１）の映像投射においては、光源（１
４）より出射される光線のうちｐ偏光、あるいはｓ偏光
のどちらかは偏光板（１６）に入射する際に無駄にな
る。そこで光源（１４）より出射した光線が偏光板（１
６）に入射する前にｐ偏光とｓ偏光に分離して、無駄に
ならずに使用される偏光だけを偏光板（１６）に入射さ
せる。そしてもう一つの偏光は光学的に液晶プロジェク
タ（１）外側に導いて室内照明として利用するものであ
る。

【００２１】図６は液晶プロジェクタ（１）においてｐ
偏光（２０）が映像投射に利用されているものとして描
いてある。光源（１４）より出射した光線は偏光板（１
６）に入射する前に偏光ビームスプリッター（１７）に
よってｓ偏光（２１）だけを取り出され室内照明として
利用するものである。ｓ偏光（２１）は偏光ビームスプ
リッター（１７）を出射した後、拡散板（２２）を透過
してさらにシャッター（２３）によって光束量を調節し
た上で室内を照明する。また偏光ビームスプリッター
（１７）を透過したｐ偏光（２０）は偏光板（１６）に
入射して映像の投射に利用される。

【００２２】なお上記方法以外にも、本発明による液晶
プロジェクタ（１）に映像投射用光源（１４）以外に、
たとえば蛍光灯などを備えて照明器具としての機能を付
加する方法が考えられることはいうまでもない。

【００２３】図７（ａ），（ｂ）は本発明による液晶プ
ロジェクタ（１）の別の一例である。図７（ａ）は液晶
プロジェクタ（１）として使用していない状態であり、
図７（ｂ）は液晶プロジェクタ（１）として映像を投射
している状態を示している。

【００２４】天井吊り型液晶プロジェクタ（１）を実現
する場合、その投射光学系（１５）の出射位置（１０）
はできる限り低い方が、投射光学系（１５）においてあ
おり補正を行うときの設計上の負担が少ない。しかし、
そのために液晶プロジェクタ（１）本体の位置を天井
（１８）から低く設置すると液晶プロジェクタ（１）と
して使用しないときじゃまになってしまう。

【００２５】これを解決するために、本実施例において
は、映像を投射している状態にのみ投射光学系（１５）
の出射位置（１０）が液晶プロジェクタ（１）本体の下
部に電動で自動的に飛び出してくる構造になっている。
映像を投射するときにのみ投射光学系（１５）の光路を
プリズム、もしくは平面ミラーによっており曲げて、液
晶プロジェクタ（１）本体下部より投射光（５）を出射
する。これにより、通常液晶プロジェクタ（１）の映像
投射機能を使用しないときには液晶プロジェクタ（１）
本体の下部に投射光学系（１５）の出射位置（１０）が
飛び出さないので、すっきりとしたデザインが実現しじ
ゃまにならない。そして液晶プロジェクタ（１）の映像
投射機能を使用するときには投射光学系（１５）の出射
位置（１０）が電動で自動的に下がるので、投射光学系
（１５）のあおり補正の設計が容易になる。

【００２６】

【発明の効果】以上のように、本発明により液晶プロジ
ェクタの設置が、引掛埋め込みローゼット、及び引掛シ
ーリングに取付コネクタを取り付けるだけと大変容易な
ものとなり、さらに室内照明と映像投射のコントロール
が同時に行え、視聴準備が大幅に簡略化される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による液晶プロジェクタ（１）の１実施
例を示す図である。

【図２】照明器具の設置方法および設置状態を示す図で
ある。

【図３】液晶プロジェクタによる照明器具の置き換えを
示す図である。

【図４】本発明の液晶プロジェクタによる室内照明およ
び室内を暗くして映像を投射している状態を示す図であ
る。

【図５】室内の明るさを保ったまま映像を投射している
状態および明るい投射を行っている状態を示す図であ
る。

【図６】本発明の液晶プロジェクタによる室内照明の方
法を示す図である。

【図７】液晶プロジェクタ（１）として使用していない
状態を示す図である。

【符号の説明】

１…液晶プロジェクタ、２…取付コネクタ、３…引掛埋
め込みローゼットまたは引掛シーリング、４…スクリー
ン、５…投射光、６…室内照明光、７…映像信号、８…
映像信号無線送信装置、９…映像再生装置、１０…投射
光学系の出射位置、１１…照明器具、１２…爪、１３…
コネクタ、１４…光源、１５…投射光学系、１６…偏光
板、１７…偏光ビームスプリッター、１８…天井、１９
…液晶表示素子、２０…ｐ偏光、２１…ｓ偏光、２２…
拡散板、２３シャッター、２４…集光光学系。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】照明装置により液晶表示素子（１９）を照
   射し、該液晶表示素子（１９）上の映像を投射光学系
   （１５）によりスクリーン（４）上に拡大投影する液晶
   プロジェクタ（１）において、一般の住宅の照明器具取
   付用のコネクタである引掛埋め込みローゼット、及び引
   掛シーリング（３）対応の取付コネクタ（２）を有する
   ことを特徴とする液晶プロジェクタ。
2. 【請求項２】請求項１の液晶プロジェクタにおいて、室
   内照明の機能を有することを特徴とする液晶プロジェク
   タ。
3. 【請求項３】請求項２の液晶プロジェクタにおいて、室
   内照明に、液晶プロジェクタ（１）の映像投射用の光源
   （１４）の光束のうち、映像投射に利用されない光束を
   利用することを特徴とする液晶プロジェクタ。
4. 【請求項４】請求項１，２、又は３の液晶プロジェクタ
   において、ワイヤレスの映像入力手段を有することを特
   徴とする液晶プロジェクタ。
5. 【請求項５】請求項２，３、又は４の液晶プロジェクタ
   において、液晶プロジェクタ（１）の電源と室内照明光
   （６）のコントロールを関連づけて行うことを特徴とす
   る液晶プロジェクタ。