JPH07255485A - 耐熱性クレアチナーゼ、耐熱性クレアチナーゼ遺伝子、新規な組み換え体 dna 及び耐熱性クレアチナーゼの製造法 - Google Patents

耐熱性クレアチナーゼ、耐熱性クレアチナーゼ遺伝子、新規な組み換え体 dna 及び耐熱性クレアチナーゼの製造法

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JPH07255485A
JPH07255485A JP6049465A JP4946594A JPH07255485A JP H07255485 A JPH07255485 A JP H07255485A JP 6049465 A JP6049465 A JP 6049465A JP 4946594 A JP4946594 A JP 4946594A JP H07255485 A JPH07255485 A JP H07255485A
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JP
Japan
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creatinase
heat
amino acid
stable
gene
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JP6049465A
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English (en)
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Taiji Koyama
泰二 小山
Toshio Ichikawa
利夫 市川
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Kikkoman Corp
Original Assignee
Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 野性型クレアチナーゼのアミノ酸配列におい
て、166位、277位及び328位のアミノ酸の少な
くとも1個以上が疎水性アミノ酸に置換されている耐熱
性クレアチナーゼ、当該耐熱性クレアチナーゼをコード
する遺伝子、当該耐熱性クレアチナーゼをコードする遺
伝子をベクターDNAに組み込んだ組み換え体DNA及
び当該組み換え体DNAを含む微生物を用いた耐熱性ク
レアチナーゼの製造方法。 【効果】 本発明の新規な耐熱性クレアチナーゼは診断
の分野で有用であり、かつ本発明の方法により耐熱性ク
レアチナーゼが効率的に得ることが可能であり、産業上
極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性クレアチナーゼ
遺伝子、新規な組み換え体 DNA 、耐熱性クレアチナー
ゼ及び耐熱性クレアチナーゼの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】クレアチナーゼは、次式 クレアチン+ H2O →ザルコシン+尿素 で示される反応を触媒する酵素であり、該酵素は、ザル
コシンオキシダーゼと共役して生成するホルムアルデハ
イド又は過酸化水素を定量することにより、血清中又は
尿中のクレアチンを簡便かつ選択的に定量することがで
き、臨床診断分野において極めて有用な酵素である。
【0003】従来、クレアチナーゼは、例えば、フラボ
バクテリウム U-188 株由来のクレアチナーゼ遺伝子を
ベクター DNA に挿入した組み換え体 DNA を含むエッシ
ェリシア属に属する微生物を培地に培養し、培養物より
クレアチナーゼを採取することにより製造されている。
(特開昭62-208281号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
製造法により得られるクレアチナーゼは、熱に対して極
めて不安定なために試薬として保存した場合、失活しや
すいという欠点があるため、熱に安定なクレアチナーゼ
の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上記課題について種々検討した結果、野性型クレアチナ
ーゼにおける特定部位のアミノ酸残基を疎水性アミノ酸
残基で置換することにより、熱に安定なクレアチナーゼ
が得られることを見出し、本発明を完成した。即ち、本
発明は、野性型クレアチナーゼのアミノ酸配列におい
て、 166 位、277 位及び 328 位のアミノ酸の少なくと
も1個が疎水性アミノ酸に置換されているアミノ酸配列
をコードする耐熱性クレアチナーゼ遺伝子である。そし
て、上記野性型クレアチナーゼのアミノ酸配列の例とし
て配列番号3のアミノ酸配列があげられる。上記疎水性
アミノ酸としてはイソロイシンがあげられる。
【0006】さらに、本発明は上記耐熱性クレアチナー
ゼ遺伝子をベクター DNA に挿入した新規な組み換え体
DNAである。さらに、本発明は前記新規な組み換え体 DN
A を含むエッシェリシア属に属する微生物を培地に培養
し、培養物より耐熱性クレアチナーゼを採取することを
特徴とする耐熱性クレアチナーゼの製造法である。
【0007】さらに、本発明は野性型クレアチナーゼの
アミノ酸配列において、、166 位、277 位及び 328 位
のアミノ酸の1個以上が疎水性アミノ酸で置換されてい
る耐熱性クレアチナーゼである。上記野性型クレアチナ
ーゼのアミノ酸配列の例として配列番号3のアミノ酸配
列があげられ、また、上記疎水性アミノ酸としては、イ
ソロイシンが挙げられる。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける遺伝子の改変による耐熱性クレアチナーゼが提供
される前提として、野性型クレアチナーゼ遺伝子及びそ
の組み換え体 DNA を調製することが必要である。野性
型クレアチナーゼ遺伝子は、如何なるものでも用いるこ
とが可能である。例えば、フラボバクテリウム (Flavob
acterium)、シュードモナス (Pseudomonas)、バチルス
(Bacillus) 属等由来のものを用いることが可能であ
る。
【0009】野性型クレアチナーゼ遺伝子等は、すでに
公知の方法に従って調製される。例えば、野性型クレア
チナーゼ遺伝子及びその組み換え体 DNA は、フラボバ
クテリウムU−188[ FERM P-No 2922 ] 株を遺伝子源と
して当該菌株からクローニング( 特開昭62-208281号公
報、特開昭62-205786号公報及び特開昭63-102681号公報
参照)することにより調製することができる。
【0010】野性型クレアチナーゼ遺伝子の変異処理
は、企図する変異形態に応じた通常公知の方法で行ない
得る。すなわち、野性型クレアチナーゼ遺伝子あるいは
当該遺伝子の組み込まれた組み換え体 DNA と変異原と
なる薬剤とを接触・作用させる方法;紫外線照射法;遺
伝子工学的手法;又は蛋白質工学的手法を駆使する方法
等を広く用いることができる。
【0011】上記変異処理に用いられる変異原となる薬
剤としては、例えば、ヒドロキシルアミン、N-メチル-
N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン( NTG )、亜硝酸、亜
硫酸、ヒドラジン、蟻酸、5-ブロモウラシル等を挙げる
ことができる。この接触・作用の諸条件は、用いる薬剤
の種類等に応じた条件を採ることが可能であり、現実に
所望の変異を野性型クレアチナーゼ遺伝子において惹起
することができる限り特に限定されない。通常、好まし
くは 0.5 〜 12M の上記薬剤濃度において、20 〜 80
℃の反応温度下で10分間以上、好ましくは 10 〜 180
分間接触・作用させることで、所望の変異を惹起するこ
とができる。
【0012】紫外線照射により行う場合においても、上
記のとおり常法により行うことができる(現代化学、pp
24〜30、1989年6月号)。蛋白質工学的手法を駆使する
方法としては、一般的に、サイト−スペシフィック ミ
ュータジェネシス (Site-Specific Mutagenesis)として
知られる手法を用いることができる。例えば、Kramer法
(Kramer, W. et al., Nucleic Acids Res, vol.12, pp
9441-9456 (1984):Kramer, W. et al., Methods Enz
ymol, vol.154, pp350-367(1987):Bauer, C. E. et
al., Gene, vol.37, pp73-81 (1985)), Eckstein法(Ta
ylor, J. W. et al., Nucleic Acids Res, vol.13, pp.
8749-8764 (1985):Taylor, J. W. et al., Nucleic Ac
ids Res, vol.13, 8765-8785(1985) :Nakamaye, K. L.
et al., Nucleic Acids Res, vol.14, pp.9679-9698
(1986)) 、Kunkel法(Kunkel. T. A., Proc. Natl. Aci
d. Sci. U.S.A., vol.82, pp488-492 (1985):Kunkel.
T. A. et al., Methods Enzymol, vol.154, pp.367-382
(1987))等が挙げられる。
【0013】なお、上記遺伝子改変法の他に、有機合成
法又は酵素合成法により、直接所望の改変耐熱性クレア
チナーゼ遺伝子を合成し得ることはもちろんである。上
記方法により得られる所望の耐熱性クレアチナーゼ遺伝
子の塩基配列の決定・確認は、例えばマキサム−ギルバ
ートの化学修飾法〔Maxam-Gilbert, Meth.Enzym., vol.
65, pp.499-560(1980)〕やM13ファージを用いるジデ
オキシヌクレオチド鎮終結法〔Messing et al., Gene,
vol. 19., pp.269-276(1982)〕等により行ない得る。
【0014】なお、本発明にいう疎水性アミノ酸として
は、例えば、イソロイシン等が挙げられる。
【0015】上述の如くして得られた耐熱性クレアチナ
ーゼ遺伝子を、常法により、バクテリオファージ、コス
ミド、又は原核細胞若しくは真核細胞の形質転換に用い
られるプラスミド等のベクターに組み込み、各々のベク
ターに対応する宿主を常法により、形質転換・形質導入
をすることができる。宿主として、エッシェリア属に属
する微生物、例えば大腸菌(E.coli)JM101(ATCC 3387
6)、大腸菌(E.coli)DH1(ATCC 33849)、大腸菌(E.
coli)HB 101(ATCC 33694)等を選択する場合には、ハ
ナハン(Hana-han)の方法〔ディーエヌエイ・クローニ
ング(DNA Cloning)、第1巻、第109〜135頁(198
5)〕等により形質転換するか、あるいは「モレキュラ
ー・クローニング(Molecular Cloning)、第256〜268
頁、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー
(ColdSpring Harbor Laboratory) (1982)」記載の方
法等により形質導入することにより形質転換株あるいは
形質導入株を得ることができる。
【0016】そして、上記菌株より耐熱性クレアチナー
ゼ生産能を有する菌株をスクリーニングすることによ
り、耐熱性クレアチナーゼ遺伝子をベクターDNAに挿
入した組み換え体DNAを含み、耐熱性クレアチナーゼ
生産能を有するエッシェリシア属に属する菌株を得るこ
とができる。このようにして得られた菌株より純化され
た新規な組み換え体DNAを得るには、例えばピー・グ
ーリー(P.Guerry)等の方法〔ジェイ. バクテリオロジー
(J.Bacteriology) 第116巻、第1064〜1066頁(1973年)
〕、デー・ビー・クレウェル(D.B.Clewell)の方法〔ジ
ェイ. バクテリオロジー(J.Bacteriology)第110巻、
第667〜676頁(1972年)〕、などにより得ることができ
る。
【0017】そして、このようにして得られた組み換え
体DNAより耐熱性クレアチナーゼ遺伝子を含有するD
NAを得るには、例えば、該プラスミドDNAに制限酵
素、例えばXbaI及びEcoRIを温度30〜40℃、好ましくは3
7℃程度で1〜24時間、好ましくは2時間程度作用させ
て、反応終了液をアガロースゲル電気泳動法〔モレキュ
ラー・クローニング(Molecular Cloning)、第150頁、コ
ールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー (Cold Spr
ing Harbor Laboratory)(1982)で処理することにより得
ることができる。
【0018】上記のようにして得られた耐熱性クレアチ
ナーゼ遺伝子をベクターDNAに挿入して組み換え体D
NAを得る。そして、この組み換え体DNAでエッシェ
リシア属に属する微生物を形質転換して耐熱性クレアチ
ナーゼを生産能を有する形質転換微生物を得る。この微
生物を培地中で培養して、耐熱性クレアチナーゼを生産
する。この培養は、通常の固体培養法で培養してもよい
が、可能な限り液体培養法を採用して培養するのが好ま
しい。
【0019】また、上記微生物を培養する培地として
は、例えば酵母エキス、トリプトン、ペプトン、肉エキ
ス、コーンスティープリカーあるいは大豆若しくは小麦
ふすまの浸出液等の1種以上の窒素源に、塩化ナトリウ
ム、リン酸第1カリウム、リン酸第2カリウム、硫酸マ
グネシウム、塩化マグネシウム、塩化第2鉄、硫酸第2
鉄あるいは硫酸マンガン等の無機塩類の1種以上を添加
し、更に必要により糖質原料、ビタミン等を適宜添加し
たものが用いられる。
【0020】なお、培地の初発 pHは、pH7〜9に調
整するのが適当である。また培養は30〜42℃、好ましく
は37℃前後で4〜24時間、好ましくは6〜8時間で、通
気攪拌深部培養、振盪培養、静置培養等により実施する
のが好ましい。培養終了後、該培養物より耐熱性クレア
チナーゼを採取するには、通常の酵素の採取手段を用い
て得ることができる。
【0021】例えば、常法により菌体を、超音波破壊処
理、磨砕処理などをするか、または、リゾチーム等の溶
菌酵素を用いて本酵素を抽出するか、またはトルエン等
の存在下で振盪もしくは放置して自己消化を行わせて本
酵素を菌体外に排出させることができる。そして、この
溶液を濾過、遠心分離などして固形部分を除去し、必要
によりストレプトマイシン硫酸塩、プロタミン硫酸塩、
硫酸マンガン等により核酸を除去したのち、これに硫
安、アルコール、アセトン等を添加して分画し、沈澱物
を採取し、粗酵素を得る。
【0022】上記粗酵素よりさらに精製酵素標品を得る
には、例えばセファデックス、ウルトロゲルもしくはバ
イオゲル等を用いるゲル濾過法;イオン交換体を用いる
吸着溶出法;ポリアクリルアミドゲル等を用いる電気泳
動法;ヒドロキシアパタイトを用いる吸着溶出法;蔗糖
密度勾配遠心法等の沈降法;アフィニティクロマト法;
分子ふるい膜もしくは中空糸膜等を用いる分画法等を適
宜選択し、またこれらを組合わせて実施することによ
り、精製された酵素標品を得ることができる。
【0023】このようにして、所望の耐熱性クレアチナ
ーゼを得ることができる。この耐熱性クレアチナーゼ
は、50 ℃で1時間又は 55 ℃ 10 分間熱処理しても活
性が保持されているものである。そして、この耐熱性ク
レアチナーゼは野性型クレアチナーゼと比較して耐熱性
が向上する以外は、特公昭52-8395号公報のクレアチナ
ーゼの理化学的性質と同様の性質を示すものである。
【0024】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。ただし、本発明はこれらの実施例により限定
されるものではない。 〔実施例1〕 組み換え体プラスミド DNApCRE1 の作製 特開昭62-205786号公報記載の大腸菌 (E. coli) HB101
(pKLS511) (FERM BP-992) より得られた組み換え体プラ
スミド pKLS511DNA を制限酵素 BstXI で(宝酒造社
製)で切断後、配列番号1に記載した合成 DNA リンカ
ーを挿入し、組み換え体プラスミド pKLS512DNA を作製
した。得られた組み換え体プラスミド pKLS512DNA を制
限酵素 SmaI 及び EcoRI(夫々宝酒造社製)で切断後、
SmaI 及びEcoRI で切断したプラスミド pUC119DNA と連
結し、組み換え体プラスミド pCRE1DNA を作製した。ク
レアチナーゼ遺伝子の塩基配列をジデオキシヌクレオチ
ド鎖終結法により決定した結果、その全塩基配列は配列
番号2に示すとおりであり、また、当該遺伝子から翻訳
されるポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号3に示す
通りである。
【0025】〔実施例2〕 耐熱性変異株の取得 組み換え体プラスミド pCRE1 DNA 50μgを 100 μlのヒ
ドロキシルアミン溶液〔 0.8M 塩酸ヒドロキシルアミン
/0.1M リン酸緩衝液 ( pH6.0 )/1mM EDTA〕に溶解
し、温度 65 ℃で2時間変異処理したのち、NAP-5 Colu
mn(ファルマシア社製)を用い、TE (10mM トリス塩酸
( pH7.5 ) 1mMEDTA〕)緩衝液に交換した。D. M. Morris
onn の方法〔Methods in Enzymology、第68巻、第 326-
331 頁 (1979)〕によりこの変異 DNA で大腸菌 XL1-Bl
ue〔フナコシ(株)より購入〕を形質転換し、LB-amp
寒天培地〔バクトトリプトン1% (W/V)、酵母エキス
0.5% (W/V)、NaCl 0.5 %、アンピシリン (100μg/m
l)、及び寒天 1.5 % (W/V)〕に接種し、温度 37 ℃で
16 時間培養した。出現してきたコロニーを LB-am-IPT
G 培地〔バクトトリプトン1% (W/V) 、酵母エキス 0.
5 % (W/V)、NaCl 0.5%、アンピシリン ( 100μg/ml
)、0.5mMIPTG(イソプロピルβ-D-チオガラクトシ
ド)〕2ml中、温度 37 ℃で 16 時間振盪培養を行なっ
た。この培養液2mIを超音波破砕処理したのち、3500
r.p.m. で 10 分間遠心分離し、粗酵素液1.5mIを得た。
この粗酵素液を温度 55 ℃で 10 分間熱処理し、その中
の 100μl を試験管に取り 0.1M クレアチン 50μl、0.
2 %ジクロロフェノールスルホン化溶液 50 μl 、15mM
アミノアンチピリン 50 μl 、100U/ml パーオキシダ
ーゼ 50 μl 及びザルコシンオキシダーゼ 10μl を加
え、クレアチナーゼの力価を測定した。その結果、野性
型クレアチナーゼより熱耐性に優れたクレアチナーゼを
含む株を3株得た。以上の如くして得られた耐熱性クレ
アチナーゼをコードする遺伝子の組み込まれた組み換え
体プラスミド DNA を、pCRE1T1 、pCRE1T3 及びpCRE1T4
とそれぞれ命名し、該組み換え体プラスミド DNA で形
質転換された大腸菌、すなわち、E.coli XL1-Blue (pCR
E1T3) 及び E.coli XL1-Blue (pCRE1T4)はFERM BP-4585
及びFERM BP-4586として工業技術院生命工学工業技術
研究所に寄託されている。
【0026】このようにして得られた変異型クレアチナ
ーゼ遺伝子を、Messing の方法 (Methods in Enzymolog
y 、第101巻、第 20 〜 78 頁 (1983))に従って塩基配
列を解析した結果、pCRE1T1 では 277 番目のメチオニ
ンがイソロイシンに、pCRE1T3では 166 番目のメチオニ
ンがイソロイシンに、pCRE1T4 では 328 番目のスレオ
ニンがイソロイシンに置換されていた。
【0027】〔実施例3〕 二重変異株 pCRET34の作製 組み換え体プラスミド pCRE1T3DNA及び pCRE1T4DNA を
制限酵素 BglII 及び SpeI で2重消化し、pCRE1T3 DNA
から約 4.2kbDNA 断片を、pCRE1T4DNAから360bp 断片
を夫々アガロースゲル電気泳動で分取し、常法により精
製したのち、T4DNA リガーゼで連結し、大腸菌 XL1-Blu
e を形質転換して、組み換え体pCRET34 DNA を得た。
【0028】該組み換え体プラスミド DNA で形質転換
された大腸菌、すなわちE.coli XL1-Blue (pCRE1T34)
は FERM BP-4587 として工業技術院生命工学工業技術研
究所に寄託されている。 〔実施例4〕 形質転換した大腸菌による酵素の調製及
び該酵素の性質 このようにして得られた組み換え体プラスミドを保持す
る大腸菌、E.coli XL1-Blue (pCRE1T3) 、E.coli XL1-B
lue (pCRE1T4) 及びE.coli XL1-Blue (pCRE1T34)を、そ
れぞれ1mM IPTG 及び 100μg/ml アンピリシンを添加
した TY 培地〔1% (W/V) トリプトン、0.5% (W/V)
酵母エキス、0.5% (W/V) 食塩〕で温度37 ℃、20 時間
培養し、それぞれの菌体を洗浄後、超音波破砕して 10,
000r.p.m. で10分間遠心分離しそれぞれの粗酵素液1.5
mlを調製した。このようにして調製した酵素液の各 0.1
ml をエッペンドルフチューブに取り、50 ℃で1時間又
は55 ℃ 10 分間熱処理した後、残存する酵素活性を特
公昭52-8395号公報記載の方法に従い測定した。結果を
表1に示す。表1において、E.coli XL1-Blue (pCRE1)
由来の酵素は野性型クレアチナーゼを示し、他の3種類
の酵素は本発明のクレアチナーゼを示す。この表1から
明らかなように、本発明で得られたクレアチナーゼは、
極めて優れた熱安定性を有することが判る。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明により、耐熱性クレアチナーゼ遺
伝子、この遺伝子が組み込まれた組み換え体 DNA、この
組み換え体 DNA を含む微生物により耐熱性クレアチナ
ーゼを製造する方法及び新規な耐熱性クレアチナーゼが
提供された。この耐熱性クレアチナーゼは、ザルコシン
オキシダーゼと共役して生成するホルムアルデヒド又は
過酸化水素を定量することにより、血清中又は尿中のク
レアチンを簡便かつ特異的に定量することもでき、臨床
診断分野においてきめて有用である。
【0031】さらに、本発明は、新規な耐熱性クレアチ
ナーゼを効率よく生産することができるので産業上極め
て有用である。
【0032】
【配列表】
1.配列番号1 (1)配列の長さ:16 (2)配列の型:核酸 (3)鎖の数:2本鎖 (4)トポロジー:直鎖状 (5)配列の種類:他のDNAリンカー
【0033】2.配列番号2 (1)配列の長さ:1209 (2)配列の型:核酸 (3)鎖の数:2本鎖 (4)トポロジー:直鎖状 (5)配列の種類:genomic DNA (6)起源:生物名:Flavobacterium sp. 株名:U-188 (7)配列: 60 ATGCAAATGCCCAAAACACTCCGCATCCGCAACGGTGAAAAGGTCAAGTCCACCTTCTCC 120 GCGCAGGAATACGCCAACCGCCATGCCAAGCTGCGCGCGCACCTGGCGGCCGAGAACATC 180 GATGCTGCGGTCTTCACCTCGTACCACAACATCAACTACTACTCCGACTTCCTGTACTGC 240 TCCTTCGGTCGTCCCTACGCCCTGGTCGTGACGCAGGACGACGTGATCAGCATCAGCGCC 300 AACATCGACGGTGGCCAGCCGTGGCGCCGCACCGTGGGCACCGACAACATCGTCTACACC 360 GACTGGCAGCGCGACAACTACTTCGTCGCCATCCAGCAGGCGCTGCCCAGGGCGCGTCGC 420 ATCGGTATCGAGCACGACCACCTGAACCTGCAGAACCGCGACAAGCTGGCCGCCCGCTAC 480 CCGGATGCCGAGCTGGTCGACGTGGCCGCCGCCTGCATGCGCATGCGCATGATCAAGTCG 540 GCTGAAGAGCACGAGATGATCCGCCATGGCGCGCGCGTCGCCGACATCGGTGGCGCGGCC 600 ATCGTCGAGGCCCTGCGTGATCAGGTGCCGGAGTACGAAGTGGCGCTGCACGCGACCCAG 660 GCCATGGTGCGCGCCATTGCCGAGACCTTCGACAACGTCGAGCTGATGGACACCTGGACC 720 TGGTTCCAGTCGGGCATCAACACCGACGGCGCGCACAACCCGGTGACCACCCGCAAGGTC 780 AACAAGGGCGACATCCTCAGCCTGAACTGCTTCCCGATGATCGCCGGTTACTACACCGCG 840 CTGGAGCGTACCCTGTTCCTCGACCACTGCTCCGACGACCACCTGCGCATGTGGCAGGCC 900 AACGTCGAAGTGCACGAGGCCGGCCTCAAGCTGATCAAACCGGGCATGCGCTGCAGCGAC 960 ATCGCCAAGGAGCTCAACGAGATCTTCCTCAAGCACGATCTGCTGCAGTACCGCACCTTC 1020 GGTTACGGTCACTCCTTCGGCACCCTGAGCCACTACTACGGCCGCGAGGCGGGCCTGGAG 1080 CTGCGCGAGGACATCGACACCGTTCTGGAGCCGGGCATGGTGGTCTCCATGGAGCCGATG 1140 ATCATGCTGCCCGAAGGTCGTCCGGGCGCCGGTGGCTACCGCGAGCACGACATCCTGATC 1200 GTCAACGAGAACGGTGCCGAGAACATCACCAAGTTCCCGTACGGTCCGGAGAGAAACATC 1209 ATCCGCAAA
【0034】3.配列番号3 (1)配列の長さ:403 (2)配列の型:アミノ酸 (3)トポロジー:直鎖状 (4)配列の種類:蛋白質 (5)配列: 20 MetGlnMetProLysThrLeuArgIleArgAsnGlyGluLysValLysSerThrPheSer 40 AlaGlnGluTyrAlaAsnArgHisAlaLysLeuArgAlaHisLeuAlaAlaGluAsnIle 60 AspAlaAlaValPheThrSerTyrHisAsnIleAsnTyrTyrSerAspPheLeuTyrCys 80 SerPheGlyArgProTyrAlaLeuValValThrGlnAspAspValIleSerIleSerAla 100 AsnIleAspGlyGlyGlnProTrpArgArgThrValGlyThrAspAsnIleValTyrThr 120 AspTrpGlnArgAspAsnTyrPheValAlaIleGlnGlnAlaLeuProArgAlaArgArg 140 IleGlyIleGluHisAspHisLeuAsnLeuGlnAsnArgAspLysLeuAlaAlaArgTyr 160 ProAspAlaGluLeuValAspValAlaAlaAlaCysMetArgMetArgMetIleLysSer 180 AlaGluGluHisGluMetIleArgHisGlyAlaArgValAlaAspIleGlyGlyAlaAla 200 IleValGluAlaLeuArgAspGlnValProGluTyrGluValAlaLeuHisAlaThrGln 220 AlaMetValArgAlaIleAlaGluThrPheAspAsnValGluLeuMetAspThrTrpThr 240 TrpPheGlnSerGlyIleAsnThrAspGlyAlaHisAsnProValThrThrArgLysVal 260 AsnLysGlyAspIleLeuSerLeuAsnCysPheProMetIleAlaGlyTyrTyrThrAla 280 LeuGluArgThrLeuPheLeuAspHisCysSerAspAspHisLeuArgMetTrpGlnAla 300 AsnValGluValHisGluAlaGlyLeuLysLeuIleLysProGlyMetArgCysSerAsp 320 IleAlaLysGluLeuAsnGluIlePheLeuLysHisAspLeuLeuGlnTyrArgThrPhe 340 GlyTyrGlyHisSerPheGlyThrLeuSerHisTyrTyrGlyArgGluAlaGlyLeuGlu 360 LeuArgGluAspIleAspThrValLeuGluProGlyMetValValSerMetGluProMet 380 IleMetLeuPtoGluGlyArgProGlyAlaGlyGlyTyrArgGluHisAspIleLeuIle 400 ValAsnGluAsnGlyAlaGluAsnIleThrLysPheProTyrGlyProGluArgAsnIle 403 IleArgLys

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 野性型クレアチナーゼのアミノ酸配列に
    おいて、 166 位、277 位及び 328 位のアミノ酸の少な
    くとも1個が疎水性アミノ酸に置換されているアミノ酸
    配列をコードする耐熱性クレアチナーゼ遺伝子。
  2. 【請求項2】 野性型クレアチナーゼのアミノ酸配列が
    配列番号3のアミノ酸配列である、請求項1記載の耐熱
    性クレアチナーゼ遺伝子。
  3. 【請求項3】 疎水性アミノ酸が、イソロイシンである
    請求項1又は2記載の耐熱性クレアチナーゼ遺伝子。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の耐熱
    性クレアチナーゼ遺伝子をベクター DNA に挿入したこ
    とを特徴とする新規な組み換え体 DNA。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の組み換え体 DNA を含む
    エッシェリシア属に属する微生物を培地に培養し、培養
    物より耐熱性クレアチナーゼを採取することを特徴とす
    る耐熱性クレアチナーゼの製造法。
  6. 【請求項6】 野性型クレアチナーゼのアミノ酸配列に
    おいて、166 位、277 位及び 328 位のアミノ酸の少な
    くとも1個が疎水性アミノ酸で置換されていることを特
    徴とする耐熱性クレアチナーゼ。
  7. 【請求項7】 野性型クレアチナーゼのアミノ酸配列が
    配列番号3のアミノ酸配列である請求項6記載の耐熱性
    クレアチナーゼ。
  8. 【請求項8】 疎水性アミノ酸が、イソロイシンである
    請求項6又は7記載の耐熱性クレアチナーゼ。
JP6049465A 1994-03-18 1994-03-18 耐熱性クレアチナーゼ、耐熱性クレアチナーゼ遺伝子、新規な組み換え体 dna 及び耐熱性クレアチナーゼの製造法 Pending JPH07255485A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110592055A (zh) * 2016-05-04 2019-12-20 江南大学 一种热稳定性提高的肌酸水解酶突变体

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CN110592055A (zh) * 2016-05-04 2019-12-20 江南大学 一种热稳定性提高的肌酸水解酶突变体
CN110592055B (zh) * 2016-05-04 2021-03-02 江南大学 一种热稳定性提高的肌酸水解酶突变体

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