JPH0725374U - 逆止弁装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】流体抵抗の小さい広い流出口を確保しつつボー
ル弁を円滑に作動し得る弁制御ケージを備えた逆止弁装
置を提供すること。 【構成】垂直流路７から水平流路８へと変化する空間９
に、円筒の内部下方に弁座２を、また上方側面に流出口
３を各々形成するとともに、内径よりやや小径で前記弁
座２に着座して流路を閉じるボール弁５を内装した弁制
御用ケージ１を設置し、該ケージ１はその前記流出口３
のほぼ中央に垂直ガイド４を形成し、該ガイド４を制御
流体の流出通路１１に向けて配設したことにより、殊に
正常圧の制御流体が垂直流路７に流れてボール弁５を押
し上げるとき、該ボール弁５は片寄ることなく垂直ガイ
ド４に案内され、流出口３にも引っかからず円滑に上昇
せしめることができ、また前記流出口３も細かいスリッ
トではないので、時間当りの流量を大きく且つ流体抵抗
を小さくできる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、エンジン潤滑装置に使用される逆止弁装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

前記逆止弁装置としてはボール弁を使用したものが多用されており、これは正 常圧の流れに対しては前記ボール弁が弁座から離れて流路を確保し、減圧または 逆流のあったときはボール弁が弁座に着座して流路を遮断し、逆止弁装置より下 流側のオイルを確保し、また空気の混入等を防ぐよう作動するものである。 しかし、オイル等の流動に伴い上記ボール弁の弁座からの離脱、着座が不円滑 となることがあり、これを防ぐため、例えば実開昭６１−３２６８０号や実開昭 ６３−６２６７４号の各公報に開示されているような、開口またはスリットをも つボール弁の案内筒（管）が用いられている。これによって、ボール弁が弁座か ら離脱して逆止弁を開き、或いは着座して該弁を閉じるとき、ボール弁が前記案 内筒（管）に案内されて円滑に昇降するとされている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記案内筒（管）を垂直から水平へ直角に流路が変化する空間 に配設する場合には、オイル等の流れによってボール弁が水平流路側に押圧され るので、前記実開昭６１−３２６８０号公報に開示された案内筒では、開口が大 きいためボール弁が開口に引っ掛かってかえつてその円滑な作動が妨げられ、ま た、実開昭６３−６２６７４号公報に開示された案内管ではスリットが細かいの でボール弁が引っ掛かることはないが、スリットが細かいことによって時間当り の流量が小さく、流体抵抗が大きいという問題がある。 本考案は上記に鑑み、流体抵抗の小さい広い流出口を確保しつつボール弁を円 滑に作動し得る前記案内筒（管）に相当する弁制御ケージを備えた逆止弁装置を 提供することを目的として案出されたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案逆止弁装置は、垂直から水平へ直角に流路が 変化する空間に、円筒の内部下方に弁座を、また上方側面に流出口を各々形成す るとともに、内径よりやや小径で前記弁座に着座して流路を閉じるボール弁を内 装した弁制御用ケージを設置し、該ケージはその前記流出口のほぼ中央に垂直ガ イドを形成し、該ガイドを制御流体の流出通路に向けて配設したことを特徴とす る。

【０００５】

【作 用】

上記構成の本考案逆止弁装置では、正常圧の制御流体が前記垂直流路に流れる ときは、弁座に着座しているボール弁を押し上げて流出口から流出通路に流れる が、この際制御流体は２つの流出口から均等量が流出して水平流路を経て流出通 路に流れるから、ボール弁は上記のように流れる制御流体に押されて、片寄るこ となく垂直ガイドの内面に案内され、流出口に引っかかることなく円滑に上昇す ることになる。 制御流体の圧力が減圧し、或いは逆流するときはボール弁は弁制御用ケージの 前記垂直ガイド及び内壁に案内されて弁座に着座し、逆止弁を閉じる。

【０００６】

【実施例】

図において、１は円筒形の弁制御用ケージで、図４、図５に示すように、その 内径下方をやや縮径して後記ボール弁５が着座する弁座２を形成するとともに、 中間部側面に潤滑油等の制御流体の流出口３を開口し、該流出口３の中央に垂直 ガイド４を設けて同一開口面積の２つの流出口３ａ、３ｂを形成している。尚、 弁制御用ケージ１の上方端部は開放されている。 前記垂直ガイド４は、この実施例においては内側が巾広く外側が細い断面が扇 形をしているが、これは前記流出口３ａ、３ｂを垂直ガイド４を残して両側から 対称的に同径のフライスカッタで削り込んで形成したためで、垂直ガイド４の内 側が巾広故、後記のようにボール弁５の上下動を円滑に案内する。 ５は弁制御用ケージ１に内装される鋼製のボール弁で、前記弁制御用ケージ１ の内径よりやや小径とし、且つ前記弁座２に密接に着座するよう精密に形成され ている。

【０００７】 上記のようにボール弁５を内装した弁制御用ケージ１は図１、図２に示すよう に、ケース６内の垂直流路７から水平流路８に直角に変化する空間９に、前記弁 座２を下に、且つ前記流出口３を水平流路８に面するよう配設され、小ねじ１０ によりケース６に固定されるが、このとき図３に示すように弁制御用ケージ１の 中心と前記垂直ガイド４を結んだ線の延長上に制御流体の流出通路１１があるよ うに配設する。

【０００８】 以上のような構成になる本考案の逆止弁装置では、正常圧の制御流体が垂直流 路７に流れるときは、弁座２に着座しているボール弁５を押し上げて流出口３か ら流出通路１１に流れるが、この際制御流体は流出口３ａ、３ｂから均等量が流 出して水平流路８を経て流出通路１１に流れるから、ボール弁５は上記のように 流れる制御流体に押されて、片寄ることなく垂直ガイド４の内面の巾広面に案内 され、流出口３ａ、３ｂのいずれにも引っかからず円滑に上昇することになる。 制御流体の圧力が減圧し、或いは逆流するときはボール弁５は弁制御用ケージ １の前記垂直ガイド４及び内壁に案内されて弁座２に着座し、逆止弁を閉じる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案逆止弁装置は、垂直から水平へ直角に流路が変化する空間に、円筒の内 部下方に弁座を、また上方側面に流出口を各々形成するとともに、内径よりやや 小径で前記弁座に着座して流路を閉じるボール弁を内装した弁制御用ケージを設 置し、該ケージはその前記流出口のほぼ中央に垂直ガイドを形成し、該ガイドを 制御流体の流出通路に向けて配設したことを特徴とするので、殊に正常圧の制御 流体が垂直流路に流れてボール弁を押し上げるとき、該ボール弁は片寄ることな く垂直ガイドに案内され、流出口に引っかからず円滑に上昇せしめることができ 、また前記流出口も細かいスリットではないので、時間当りの流量を大きく且つ 流体抵抗を小さくできる効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案逆止弁装置の縦断面図

【図２】図１のＡ方向矢視図

【図３】本考案逆止弁装置の平面図

【図４】本考案逆止弁装置の弁制御用ケージの正面図

【図５】本考案逆止弁装置の弁制御用ケージの部分的に
断面で示した平面図 １；弁制御用ケージ ２；弁座 ３；流出口 ４；垂直ガイド ５；ボール弁 ６；ケース ７；垂直流路 ８；水平流路 ９；空間 １０；小ねじ １１；流出通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 垂直から水平へ直角に流路が変化する空
   間に、円筒の内部下方に弁座を、また上方側面に流出口
   を各々形成するとともに、内径よりやや小径で前記弁座
   に着座して流路を閉じるボール弁を内装した弁制御用ケ
   ージを設置し、該ケージはその前記流出口のほぼ中央に
   垂直ガイドを形成し、該ガイドを制御流体の流出通路に
   向けて配設したことを特徴とする逆止弁装置。