JPH0635750U - 逆止め弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体中の異物が弁軸とガイド穴との間に入っ
て弁体の作動不良が起きることがない逆止め弁を提供す
る。 【構成】 弁軸２ｂとの間に十分な透き間４ｂを設けて
ホルダー４に形成された穴４ａに複数個の内方突条４ｃ
を設け、突条４ｃにより弁軸２ｂを案内するようにし
た。また、突条４ｃの断面形状をほぼ円弧状にした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、水、油、ガス等の配管に装着して逆流を防止するための逆止め弁に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図４は、従来の逆止め弁の例を示す縦断面図であり、図５は図４のＢ−Ｂ断面 を示す断面図である。なお、この逆止め弁は内蔵形ばね入りリフト逆止め弁であ る。 図４及び図５において、１１は逆止め弁、１２は弁体、１３は弁箱、１４はホ ルダー、１５はばね、１６はシートリングであって、弁体１２はばね１５の弾発 力によって図４において右方に押され、弁体１２のストッパ部１２ａが弁箱１３ のストッパ部１３ａに当接している。この状態で弁体１２に装着された弾性体製 のシートリング１６が弁箱１３に形成された弁座部１３ｂに圧着し、弁箱１３と 弁体１２との間をシールして流体の逆流（図４の左方から右方への流れ）を阻止 している。

【０００３】 流体の正流（図４の右方から左方への流れ）時には、弁体１２が流体に押され 、ばね１５を圧縮しながら左方へ移動し、シートリング１６が弁座部１３ｂから 離れて流体が流れる。 また、弁体１２の弁軸１２ｂがホルダー１４のガイド穴１４ａに挿入されてい て、これによって弁体１２の左右への運動を案内すると共に弁体１２の姿勢を制 御している。このため、弁軸１２ｂとガイド穴１４ａとの間の透き間を小さくし て、弁体１２が傾かずシートリング１６が正しく弁座部１３ａに圧着して確実に シールするようになっている。

【０００４】 このような構造であるので、弁軸１２ｂとガイド穴１４ａとの間の透き間に流 体中の異物が入り込んで、弁体１２の作動が不良になることがある。また、僅か の異物の入り込みでは作動不良にならないようにばね１５の弾発力を大きくする ことがあり、この場合は正流時の流体抵抗が大きくなる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の逆止め弁は、上述したような従来の逆止め弁で生ずる流体中の異物に よる弁体の作動不良を解決するためのものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の逆止め弁は、上記の課題を解決するために、次のように構成された。 弁軸との間に十分な透き間を設けてホルダーに形成された穴に複数個の内方突 起を設け、該突起により該弁軸の軸線方向の運動を案内するようにした。 この場合、該突起が該穴の軸線方向の突条であるとよく、該突条の断面形状が ほぼ円弧状であるとよい。

【０００７】

【作用】

本考案の逆止め弁は、上記のように構成されたので、流体中の異物がホルダー の穴と弁軸との間に入っても、そこには異物に対して十分な透き間が設けられて おり、弁体が作動不良を起こさない。このため、ばねの弾発力を大きくして正流 時の流体抵抗が大きくなることがない。 また、穴には複数個の内方突起が設けられており、この突起が弁軸の軸線方向 の運動を案内していて、弁体の姿勢が正しく制御され、閉弁時に弁体が傾いてシ ール不良になることがない。

【０００８】 突起を穴の軸線方向の突条にすると、加工が容易であり、透き間に入り込んだ 異物が流出しやすく、弁軸の案内が円滑かつ確実になる。また、突条の断面形状 がほぼ円弧状であると、突条と弁軸との間に流体中の異物が入り難く、突条と弁 軸との間の摩擦抵抗が小さい。

【０００９】

【実施例】 図１は本考案の逆止め弁の１実施例を示す縦断面図であり、図２は図１のＡ− Ａ断面を示す断面図である。なお、この逆止め弁は内蔵形ばね入りリフト逆止め 弁である。 図１及び図２において、１は逆止め弁、２は弁体、３は弁箱、４はホルダー、 ５はばね、６はシートリングであって、弁体２はばね５の弾発力によって図１に おいて右方に押され、弁体２のストッパ部２ａが弁箱３のストッパ部３ａに当接 している。この状態で弁体２に装着された弾性体製のシートリング６が弁箱３に 形成された弁座部３ｂに圧着し、弁箱３と弁体２との間をシールして流体の逆流 （図１の左方から右方への流れ）を阻止している。

【００１０】 流体の正流（図１の右方から左方への流れ）時には、弁体２が流体に押され、 ばね５を圧縮しながら左方へ移動し、シートリング６が弁座部３ｂから離れて流 体が流れる。図３は開弁状態を示す縦断面図であり、矢は流れ方向を示す。 また、弁体２の弁軸２ｂがホルダー４に形成された穴４ａに挿入されており、 穴４ａと弁軸２ｂとの間に十分な透き間４ｂが設けてあり、穴４ａに設けられた 複数個の断面形状がほぼ円弧状である突条４ｃによって弁軸２ｂの軸線方向の運 動が案内されている。

【００１１】 次に、図１及び図２について、その作用を説明する。 流体中の異物がホルダー４の穴４ａと弁軸２ｂとの間に入っても、そこには異 物に対して十分な透き間４ｂが設けられており、弁体２が作動不良を起こさない 。このためばね５の弾発力を大きくする必要がなく、流体抵抗が大きくならない 。 また、突条４ｃが弁軸２ｂの軸線方向の運動を案内していて、弁体２の姿勢が 正しく制御され、閉弁時に弁体２が傾いてシール不良になることがない。 更に、透き間４ｂに入り込んだ異物は突条４ｃに沿って流出しやすく、突条４ ｃによる弁軸２ｂの案内は円滑かつ確実であり、突条４ｃの断面形状が円弧状で あるので、突条４ｃと弁軸２ｂとの間に異物が入り難く、突条４ｃと弁箱２ｂと の間の摩擦抵抗が小さい。 上記した実施例は、ホルダーに突起を設けた例を示したが、これに限ることな く、弁軸に突条を形成して弁軸とホルダーとの間に透き間を設けるようにしても 良い。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の逆止め弁は、流体中の異物がホルダーの穴と弁軸 との間に入っても、そのために弁体の作動不良を起こすことがない。このためば ねの弾発力を大きくする必要がなく、流体抵抗が大きくならない。また、ホルダ ーの穴と弁軸との間に入った異物が容易に流出し、突条と弁軸との間に異物が入 り難く、突条と弁軸との間の摩擦抵抗が小さい。 更に、弁体の姿勢が正しく制御され、閉弁時に弁体が傾いてシール不良になる ことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の逆止め弁の１実施例を示す縦断面図で
ある。

【図２】図１のＡ−Ａ断面を示す断面図である。

【図３】図１に示した実施例の開弁状態を示す縦断面図
である。

【図４】従来の逆止め弁の例を示す縦断面図である。

【図５】図４のＢ−Ｂ断面を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 逆止め弁 ２ｂ 弁軸 ４ ホルダー ４ａ 穴 ４ｂ 透き間 ４ｃ 突起（突条）

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 弁軸との間に十分な透き間を設けてホル
   ダーに形成された穴に複数個の内方突起を設け、該突起
   により該弁軸の軸線方向の運動を案内するようにしたこ
   とを特徴とする逆止め弁。
2. 【請求項２】 該突起が該穴の軸線方向の突条であるこ
   とを特徴とする請求項１記載の逆止め弁。
3. 【請求項３】 該突条の断面形状がほぼ円弧状であるこ
   とを特徴とする請求項２記載の逆止め弁。