JPH0724953A - 包装材料及び包装体 - Google Patents

包装材料及び包装体

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JPH0724953A
JPH0724953A JP17149693A JP17149693A JPH0724953A JP H0724953 A JPH0724953 A JP H0724953A JP 17149693 A JP17149693 A JP 17149693A JP 17149693 A JP17149693 A JP 17149693A JP H0724953 A JPH0724953 A JP H0724953A
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JP
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thin film
film
specific gravity
calcium oxide
packaging
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JP17149693A
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English (en)
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Naganari Matsuda
修成 松田
Seiji Izeki
清司 伊関
Yoshiharu Morihara
芳治 森原
Toru Kotani
徹 小谷
Toshiyuki Otani
寿幸 大谷
Yozo Yamada
陽三 山田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 包装フィルムにおいて、耐屈曲性、ガスバリ
ア性に優れた包装材料及び包装体を提供することにあ
る。 【構成】 プラスチック基材の少なくとも片面に、酸化
カルシウム・酸化硅素を主たる成分とする薄膜を設け、
該薄膜内の酸化カルシウムの比率が3重量%以上80重
量%以下であって、該薄膜の比重と薄膜内の酸化カルシ
ウム組成比率との関係をD=0.01A+b(D:薄膜
の比重,A:薄膜中の酸化カルシウムの重量%、b:酸
化硅素のみから成る薄膜の比重)という関係式で表す
時、該薄膜の比重を、1.6≦b≦2.65 であらわ
される範囲内のガスバリア性フィルムを構成の全部また
は一部とすることによって、ガスバリア性に優れ、また
屈曲性の高い、総合的に実用特性のすぐれた包装材料及
び包装体を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスバリア性に優れ、
食料品、医薬品、電子部品などの長期保存に適した包装
材料及び包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスバリア性に優れた包装材料及び包装
体としては、プラスチック基材上にアルミニウムを積層
したもの、塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール
共重合体をコーティングしたもの、さらに酸化珪素、酸
化アルミニウムなどの薄膜等を積層した包装材料及び包
装体が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来のガスバリ
ア性フィルムは、次のような課題を有していた。アルミ
ニム積層品は、経済性、ガスバリア性は優れているもの
の不透明であるため包装時の内容物が見えないという欠
点があり、更にアルミニウムを包装材料や包装体の構成
の一部に含むとプラスチックフィルムや紙の回収再利用
(リサイクリング)ができないという問題もある。塩化
ビニリデンやエチレンビニルアルコール共重合体を、包
装材料や包装体の構成の一部に含むものは、水蒸気、酸
素などのガスバリア性が不十分であり、包装物の保存期
間が短い。又、塩化ビニリデン系のものについては、熱
分解しやすく、リサイクリングが行いにくい上、焼却時
の塩素ガスの発生など地球環境への影響も懸念されてい
る。エチレンビニルアルコール系のものは高湿度下にお
いて酸素バリア性が低下し、保存期間が短くなる。
【0004】特公昭51−48511号には、合成樹脂
体表面にSix y (例えばSiO 2 )を蒸着したガス
バリア性フィルムが提案されているが、ガスバリア性の
良好なSiOx 系(x=1.3 〜1.8 )は褐色を有してお
り、その被膜はもろく、これを構成の一部または全部と
する包装材料や包装体を苛酷に取り扱った場合には、ガ
スバリア性が大きく低下するという欠点がある。一方
酸化アルミニウムを主体とした(特開昭62−1014
28)に見られるようなものもあるが、酸素バリア性が
不十分である。又、特開昭61−297134号公報に
は、PET、OPPフィルム上にCaOとSiO2 とを
真空蒸着した耐透湿性、透明性フィルムが開示されてい
る。しかしながらこのフィルムは耐透湿性、酸素バリア
性が不十分であるため、このフィルムを包装材料や包装
体の構成の一部または全部とした場合には、内容物を酸
化から守り、長期保存するには十分なものとは言えず、
酸素バリア性と水蒸気バリア性とを兼ね備え、苛酷な取
扱いに耐える包装材料や包装体にはなり得ない。このよ
うに、充分な酸素バリア性と水蒸気バリア性を兼ね備
え、高度の屈曲性をもつ包装材料及び包装体はないのが
現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガスバリア性
に優れ、かつ、耐屈曲性が高く、しかも、地球環境にや
さしい包装材料及び包装体を提供せんとするものであ
る。すなわち、本発明は、プラスチック基材の少なくと
も片面に、酸化カルシウム・酸化硅素薄膜を主たる成分
とする薄膜を設け、該薄膜内の酸化カルシウムの比率が
3重量%以上、80重量%以下であって、該薄膜の比重
が下記式を満足することを特徴とするガスバリア性フィ
ルムを構成の全部または一部とする包装材料であり、ま
た、包装体である。 D=0.01A+b 1.6≦b≦2.65 但し D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化カルシウムの
重量% b:酸化硅素のみからなる薄膜の比重
【0006】本発明におけるプラスチック基材とは、有
機高分子を溶融押出しをして、必要に応じ、長手方向、
および、または、幅方向に延伸、冷却、熱固定を施した
フィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタート、ポリエチ
レン−2、6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロン
4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニール、
ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全芳香
族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエ
ーテルイミド、ポリスルフォン、ポリッフェニレンスル
フィド、ポリフェニレンオキサイドなどがあげられる。
また、これらの(有機重合体)有機高分子は他の有機重
合体を少量共重合をしたり、ブレンドしたりしてもよ
い。
【0007】さらにこの有機高分子には、公知の添加
剤、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑
剤、着色剤などが添加されていてもよく、その透明度に
ついては特に限定するものではないが、透明ガスバリア
性フィルムとして使用する場合には、50%以上の透過
率をもつものが好ましい。本発明におけるプラスチック
基材は、本発明の目的を損なわない限りにおいて、薄膜
層を積層するに先行して、該基材をコロナ放電処理、グ
ロー放電処理、その他の表面粗面化処理を施してもよ
く、また、公知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施
されていてもよい。本発明におけるプラスチック基材
は、その厚さとして5〜500μmの範囲が好ましく、
さらに好ましくは8〜300μmの範囲である。
【0008】酸化カルシウム・酸化硅素薄膜は,酸化硅
素,酸化カルシウムの混合物、あるいは化合物等とから
成り立っていると考えられる。ここでいう酸化硅素と
は、Si,SiO,SiO2 等から成り立っていると考
えられ、これらの比率は作成条件で異なる。酸化カルシ
ウムとは,Ca,CaO等から成り立っていると考えら
れ.これらの比率も作成条件で異なる。本発明における
該薄膜の酸化カルシウムの比率としては、3重量%以
上、80重量%以下であって、好ましくは5重量%以
上、70重量%以下であって、更に望ましくは、8重量
%以上、60重量%以下である。また、この成分中に、
特性が損なわれない範囲で微量(全成分に対して高々3
%まで)の他成分を含んでもよい。該薄膜の厚さとして
は、特にこれを限定するものではないが、ガスバリア性
及び可きょう性の点からは、50〜5000Å(オング
ストロ−ム)が好ましく、更に好ましくは、70〜30
00Åである。
【0009】かかる酸化カルシウム・酸化硅素系薄膜の
作成には、真空蒸着法,スパッタ−法イオンプレ−テイ
ング法などのPVD法(物理蒸着法)、あるいは、CV
D法(化学蒸着法)が適宜用いられる。例えば、真空蒸
着法においては、蒸着源材料としてSiO2 とCaOや
SiO2 とCaの混合物等が用いられ、また、加熱方式
としては、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子ビ−ム加熱
等を用いることができる。また、反応性ガスとして、酸
素、窒素、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオン
アシスト等の手段を用いた反応性蒸着を用いてもよい。
また、基板にバイアス等を加えたり、基板温度を上昇、
あるいは、冷却したり等、本発明の目的を損なわない限
りに於て、作成条件を変更してもよい。スパッタ−法や
CVD法等のほかの作成法でも同様である。
【0010】本発明における比重とは、ある温度で、あ
る体積を占める物質の質量と、それと同体積の標準物質
の質量(4℃における水)との比をいう。比重の測定
は、通常物体の質量と体積を測り、同体積の4℃の水の
質量との比を求めればよいが、本発明の薄膜の測定で
は、体積の測定が困難である。そこで、まず基板から薄
膜をはがす、あるいは、基板のみを溶解することによ
り、薄膜のみからなる単独膜の状態としたのちに、(J
IS K7112)にあるような比重測定法を用いるこ
とが望ましい。例えば、浮沈法では、試料を比重既知の
溶液の中に浸せきさせ、その浮沈状態から薄膜の比重を
測定することができる。この溶液としては、四塩化炭素
とブロモホルム、または、ヨウ化メチレンなどの混合液
を用いることができる。また、連続的な密度勾配をもつ
溶液中に単独膜を浸積させる密度勾配管法によっても比
重の値を測定できる。
【0011】このようにして得られた該薄膜の比重の値
が、薄膜中の酸化カルシウムの重量%との関係を、D=
0.01A+b(D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化カ
ルシウムの重量%、b:酸化硅素のみからなる薄膜の比
重)という式で示すとき、bの値が1.6よりも小さい
領域のときには、酸化カルシウム・酸化硅素薄膜の構造
が粗雑となり、充分なガスバリア性が得られない。ま
た、該薄膜の比重が、b値で、2.65よりも大きい領
域のものを作製することは実用上困難である。以上の理
由からガスバリア性フィルムとして好ましい酸化カルシ
ウム・酸化硅素薄膜の比重は、該薄膜の比重と薄膜内の
酸化カルシウム組成比率との関係をD=0.01A+b
(D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化カルシウムの重量
%、b:酸化珪素のみからなる薄膜の比重)という関係
式であらわす時、bの値で1.6から2.65であり、
より好ましくは1.7から2.65であり、更に好まし
くは1.8から2.65である。
【0012】本発明における包装材料、包装体を類型別
に分けると、まず、収納する食品別では、乾燥食品用、
水物食品用、レトルト食品用、冷凍食品用等に便宜的に
分けられる。
【0013】例えば本発明における乾燥食品用包装材料
及び包装体とは次のような用途に使用されるものであ
る。適用できる内容物としては、ポテトチップス、ポッ
プコ−ン等のスナック菓子、せんべい、おかき等の米菓
類、即席ラ−メンやふりかけ、削り節、海苔等の乾物
品、緑茶、コ−ヒ−、紅茶等の嗜好品、小麦粉、米、麦
等の穀物類などがあり、また、これらに制限されるもの
ではない。また、乾燥食品用包装材料としては、包装す
る内容物の要求特性に応じ各種フィルムや紙を用いラミ
ネ−トしてよく、代表的なラミ構成としては、ガスバリ
ア性フィルム(PET上)/PE、ガスバリア性フィル
ム(PET上)/CPP、NY/ガスバリア性フィルム
(PET上)/PE、ガスバリア性フィルム(NY上)
/PE等が考えられる。ラミネ−ト方法としては、特に
制限はないが、ドライラミネ−ト、押し出しラミネ−ト
法等が望ましい。更に、装飾または、内容物の説明のた
めの印刷を施したり、意匠用フィルムあるいは補強剤等
と張り合わせてもよい。本発明における乾燥食品用包装
体としては、袋、フタ材、カップ、チュ−ブ、スタンデ
イングパック、トレイ等があり、形状、種類に対し、特
に制限はなく、例えば、袋物の包装形式としては、ピロ
−タイプ、三方シ−ル、四方シ−ル等を用いることがで
きる。これらの包装材料及び包装体の構成の全部あるい
は一部としてガスバリア性フィルムを用いる。
【0014】また、本発明における水物食品用包装材料
及び包装体用途で適用できる内容物としては、板、糸こ
んにゃく類、たくあん漬、醤油漬、奈良漬等の各種漬物
類、各種味噌類やたれ、だしのもと、めんつゆ等と同封
された食品や醤油、ソ−ス、ケチャップ、マヨネ−ズ等
の調味料などがあり、また、これらに制限されるもので
はない。水物食品用包装材料としても、包装する内容物
の要求特性に応じ各種フィルムをラミネ−トしてよく、
代表的なラミ構成としては、ガスバリア性フィルム(N
Y上)/PE、ガスバリア性フィルム(NY上)/CP
P、ガスバリア性フィルム(PET上)/PE、ガスバ
リア性フィルム(PET上)/CPP等が考えられる。
更に装飾または、内容物の説明のための印刷を施した
り、意匠用フィルムあるいは補強剤等と張り合わせても
よい。本発明における水物食品用包装体としては、袋、
フタ材、カップ、チュ−ブ、スタンデイングパック、ト
レイ等があり、形状、種類に対し特に制限はなく、例え
ば、袋物の包装形式としては、ピロ−タイプ、三方シ−
ル、四方シ−ル等を用いることができ、これらの包装材
料及び包装体の構成の全部あるいは一部としてガスバリ
ア性フィルムを用いる。本発明の包装材料及び包装体
は、レトルト処理にも耐え、使用温度範囲が広いため冷
凍食品にも適用が可能である。
【0015】次に本発明における包装材料及び包装体を
形状別に分けると、ペ−パ−カ−トン、チュ−ブ用、袋
用、カップ用、スタンデイングパック用、トレイ用等の
用途に分けられる。例えば、ペ−パ−カ−トンとは、複
合紙容器のことをいい、ペ−パ−カ−トン用包装材料と
しては、紙、プラスチックフィルム等とガスバリア性の
あるフィルムとのラミネ−ト品を用いる。形状、種類と
しては屋根形(ゲ−ベルトップ:Gable to
p)、レンガ形(ブリック形:brick typ
e)、直方体、カップ形など特に制限はない。又、内
袋、注出口等と組合わせてもよい。本発明におけるペ−
パ−カ−トン用途として適用できる内容物は、牛乳、ヨ
−グルトジュ−ス、炭酸飲料等の飲物、日本酒、焼酎、
ウィスキ−等のアルコ−ル類、醤油、ソ−ス等の調味料
などがあり、特に、これらに制限されるものではない。
【0016】次に本発明における包装材料及び包装体の
他の使用例としては、非導電性であることを利用しての
電子レンジやマイクロ殺菌用の包装材料や包装体として
も使用可能であり、また脱酸素剤入り包装用等の用途と
しても使われる。これらのラミネ−ト構成、包装体の形
状も同様に各種存在する。本発明の包装材料及び包装体
は透明であると共に高度なバリヤー性を有するものであ
る。すなわち、ヒ−トシ−ル層として用いるラミネ−ト
フィルムの種類厚さによって異なるが、例えば、CPP
フィルム50μmを用いると、酸素透過率が3.0cc
/m2 ・24hrs以下でかつ水分透過率が3.0g/
2 ・24hrs以下の優れたバリア性を有する。した
がって、本発明の包装材料で包装した食品は長期保存が
可能である。また、耐屈曲性をはじめとする機械特性に
優れているため後工程(印刷、ラミネ−ト、製袋工程
等)での劣下が少なく優れたバリア特性を維持できる。
【0017】次に実施例をあげて本発明を説明する。 実施例1 蒸着源として、3〜5mm程度の大きさの粒子状のCa
O(純度99.9%)とSiO2(純度99.9%)を
用い、電子ビ−ム蒸着法で、12μm厚のPETフィル
ム(東洋紡績(株):E5100)上に酸化カルシウム
・酸化硅素系薄膜(約400Å厚)の形成を行った。蒸
着材料は、混合せずに、ハ−ス内をカ−ボン板で2つに
仕切り、加熱源として一台の電子銃(以下EB銃)を用
い、CaOとSiO2 のそれぞれを時分割で加熱した。
その時のEB銃のエミッション電流は1〜2Aとし、C
aOとSiO2 への加熱比を5:10〜20:10と変
え、組成を変化させた。又、フィルム送り速度は、膜厚
が一定となるように変化させたが、酸素ガスの供給量
は、100ccM、チルロ−ル冷却温度は、−10℃一
定とした。このようにして得られた薄膜の比重をPET
フィルムを溶解したのち、浮沈法で測定した。更に、こ
のPET上の複合膜に対し、また、厚さ40μmの未延
伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)を二液硬
化型ポリウレタン系接着剤(厚さ2μm)を用いて、ド
ライラミネ−トして、本発明の包装材料を得た。この包
装用フィルムの酸素、水蒸気バリア性及び、耐屈曲性処
理を施したのち酸素バリア性を測定した。
【0018】・酸素透過率の測定方法 作成したガスバリアフィルムの酸素透過率を酸素透過率
測定装置(モダンコントロールズ社製 OX−TRAN
100)を用いて測定した。 ・水蒸気透過率の測定方法 作成したガスバリアフィルムの水蒸気透過率を40℃×
90%RHにおいて(JISZ0208)の試験法によ
り測定した。測定機としては、水蒸気透過度テスタ−
(リッシ−社製 L80−4000型)を用いた。 ・耐屈曲疲労性(以下ゲルボ特性)のテスト方法 耐屈曲疲労性は、いわゆるゲルボフレックステスター
(理学工業(株)社製)を用いて評価した。条件としては
(MIL−B131H)で11.2inch×8inc
hの試料片を直径3(1/2)inchの円筒状とし、
両端を保持し、初期把持間隔7inchとし、ストロー
クの3(1/2)inchで、400度のひねりを加え
るものでこの動作の繰り返し往復運動を40回/min
の速さで、20℃、相対湿度65%の条件下で行った。
【0019】このようにして測定した酸素透過率は、
2.0cc以下と非常に優秀であった。さらに100回
ゲルボ試験後の結果も、1cc以下の上昇に留まり、総
合特性の優れたガスバリア性フィルムが得られた。(表
1) 実施例で作製したガスバリア性フィルムを用いヒートシ
ールすることにより、30cm×20cmの大きさの袋
を製造した。この袋をゲルボテスターにより100回ゲ
ルボ処理を行った後にポテトチップを包装し開口部をヒ
ートシールすることにより密封した。これらを25℃、
65%RHの部屋に6ヶ月間放置し、放置後に食味テス
トを行ったが、ポテトチップの色、味覚、乾燥度は変化
していなかった。
【0020】比較例1 比較例として、SiO2 、CaO+SiO2 (8
5:15)、SiO、の組成の材料を実施例と同様の
方法でPETフィルムに蒸着し、CPP(40μm)と
ラミネートした。また、PETフィルム、塩化ビニ
リデンコ−トPETフィルム(K−PET)、Al箔
(7μm)のフィルムを用意して同様にCPP(40μ
m)とラミネートした。比較例のフィルムの酸素透過度
を測定するとAl箔以外のフィルムは実施例に比べて劣
っていることが分かった。(表1) 次に比較例1−〜のフィルムを実施例と同様に、3
0cm×20cmの袋を作製し、ゲルボテスターで10
0回屈曲を行った後に、ポテトチップを入れ密着し、2
5℃、65%RHの部屋に6ヶ月放置し、味覚テストを
行ったが、比較例1−〜の包装材料を用いた包装体
の内容物は、少し変色、酸化臭があり、吸湿しており、
クリスピー感が低下していた。これらのフィルムを焼却
すると、Al箔以外はほぼ完全に焼却できたが、Al箔
を用いたもの(比較例1−)は金属のカスが燃え残る
という問題があった。また、K−PETフィルムを用い
たもの(比較例1−)は、焼却時に異臭を発し、塩素
ガスの発生が認められた。また、リサイクルについては
本実施例のものは、容易であったが、K−PET、Al
箔を用いたものは、難しかった。
【0021】実施例2 蒸着源として、3〜5mm程度の大きさの粒子状のCa
O(純度99.9%)とSiO2 (純度99.9%)を
用い、EB蒸着法で、12μm厚のPETフィルム(東
洋紡績(株):E5100)上に酸化カルシウム・酸化
硅素薄膜の形成を行った。実施例1と同様に蒸着材料は
混合せずにハ−ス内をカ−ボン板で2つに仕切り、加熱
源として一台EB銃を用いて、CaOとSiO2 のそれ
ぞれを時分割で加熱した。その時のEB銃のエミッショ
ン電流を1.2〜2.0Aと変化させ、CaOとSiO
2 への加熱比は、5:10〜20:10と変え、組成を
変化させた。フィルム送り速度は、50〜150m/m
inと変化させ、300〜2500Å厚の膜を作った。
又、蒸気圧は、酸素ガスの供給量を10〜500ccM
と変えること等で、1×10-5〜2×10-3Torrま
で変え、チルロ−ルの冷却温度も−20〜70℃まで変
えた。このようにして得られた膜の比重をPETフィル
ムを溶解したのち、測定した。以下(実施例1)と同様
にして、包装材料を作り、酸素バリア性を測定した。そ
の結果、酸素透過率は、1.0cc前後と非常に優秀で
あった。さらにゲルボ処理(100回及び500回)後
のバリア性も1cc前後の上昇に留まり、総合特性の優
れた包装材料が得られた。(表2)
【0022】比較例2 実施例2と同様にEB蒸着で酸化カルシウム・酸化硅素
系透明ガスバリア薄膜の作成を行ない、得られたサンプ
ルに対して、比重測定および酸素バリア性、または、ゲ
ルボ処理後のバリア性を測った。その結果、得られたサ
ンプルの比重は本発明の範囲外であり、酸素、水蒸気バ
リア性、あるいは、ゲルボ特性のいずれかが不十分なも
のになった。(表2)
【0023】実施例2、及び比較例2で得られた包装材
料を用い、この上に更にポリエチレン(PE)フィルム
(40μm)をラミネートした紙を積層した。このよう
にして、PE/紙/CaO−SiO2 蒸着PET/CP
P構成のシートを製造し、ヒートシールすることにより
ペーパーカートンを成形した。実施例2の包装材料を用
いて作製したペーパーカートンの酸素透過度は約0.5
ccであり、従来の7μmアルミニウム箔をラミネート
したペーパーカートンと同等で、液体食品を酸化変質さ
せる事なく、6ヶ月間の保存ができた。比較例2の包装
材料をもちいて作製したペーパーカートンの酸素透過度
は劣っており、内容物の液体食品が酸化変質してしまっ
た。また、従来の7μmのアルミ箔をラミネートしたペ
ーパーカートンから紙をリサイクリングすることは困難
であるが、実施例のペーパーカートンからは容易に紙を
リサイクリングすることができた。
【0024】次に実施例2、及び比較例2で得られた包
装材料を用い、冷凍食品用包装体を作製した。実施例2
の包装材料を用いて作製した包装体の酸素透過度は、従
来の7μmアルミニウム箔をラミネートした冷凍食品用
包装体と同等で、冷凍食品を変質させる事なく、6ヶ月
間の保存ができた。一方、比較例2の包装材料を用いて
作製した包装体に入れた内容物の冷凍食品は変色してお
り、これを解凍すると少し異臭を発していた。
【0025】
【発明の効果】プラスチック基材の少なくとも片面に、
酸化カルシウム・酸化硅素を主たる成分とする薄膜を設
け、該薄膜内の酸化カルシウムの比率が3重量%以上8
0重量%以下であって、該薄膜の比重と薄膜内の酸化カ
ルシウム組成比率との関係をD=0.01A+b(D:
薄膜の比重,A:薄膜中の酸化カルシウムの重量%、
b:酸化硅素のみから成る薄膜の比重)という関係式で
表す時、該薄膜の比重を、1.6≦b≦2.65であら
わされる範囲内のガスバリア性フィルムを構成の全部ま
たは一部とすることによって、ガスバリア性に優れ、ま
た屈曲性の高い、総合的に実用特性のすぐれた包装材料
及び包装体を提供できる。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小谷 徹 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 大谷 寿幸 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック基材の少なくとも片面に、
    酸化カルシウム・酸化硅素を主たる成分とする薄膜を設
    け、該薄膜内の酸化カルシウムの比率が3重量%以上、
    80重量%以下であって、該薄膜の比重が下記式を満足
    することを特徴とするガスバリア性フィルムを構成の全
    部または一部とする包装材料。 D=0.01A+b 1.6≦b≦2.65 但し D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化カルシウムの
    重量% b:酸化硅素のみからなる薄膜の比重
  2. 【請求項2】 プラスチック基材の少なくとも片面に、
    酸化カルシウム・酸化硅素薄膜を主たる成分とする薄膜
    を設け、該薄膜内の酸化カルシウムの比率が3重量%以
    上、80重量%以下であって、該薄膜の比重が下記式を
    満足することを特徴とするガスバリアフィルム性フィル
    ムを構成の全部または一部とする包装体。 D=0.01A+b 1.6≦b≦2.65 但し D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化カルシウムの
    重量% b:酸化硅素のみからなる薄膜の比重
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