JPH07246238A

JPH07246238A - 注射器組立体

Info

Publication number: JPH07246238A
Application number: JP6038439A
Authority: JP
Inventors: Morihiro Sudou; 盛皓須藤
Original assignee: Daikyo Seiko Kk
Current assignee: Daikyo Seiko Kk
Priority date: 1994-03-09
Filing date: 1994-03-09
Publication date: 1995-09-26

Abstract

(57)【要約】【目的】医薬品と希釈用液の保存容器、投与用薬液の
調製用具、投与用注射器を兼用できる注射器組立体を提
供する。【構成】医薬品を封入し摺動可能なピストンで封止
された大きい注射筒兼容器、希釈用液体を封入し摺動
可能な小ピストンで封止された小さい円筒状容器であっ
て先端に突出した針を形成されてなる容器兼上記注射筒
のピストンロット、ピストンロットを注射筒内に押し
込む押棒、薬液投与時に注射筒先端に取り付ける注射
針、の〜を少なくとも有し、医薬品と希釈液を注射
筒とピストンロット内に別個に保存しておき、人体に投
与する際に、ピストンロット先端の針を注射器のピスト
ンを貫通して刺入れることにより両者を導通させ希釈用
液と医薬品を混合し均一溶液とした後、押棒をおして該
溶液を投与できるようにした注射器組立体。【効果】容器としての保存性（密封性）、衛生性、操
作性を向上して、高品質の医薬品を安定に、簡単，迅速
に定量を投与できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は医薬、栄養剤などを人体
に投与するための注射器に関し、更に詳しくは注射器内
に一薬品を保存し、別容器には希釈薬液を保存し、用時
に両者を容易に混合して衛生的に投与できる注射器組立
体に関する。また本発明は当該注射用組立体の使用法に
も関する。

【０００２】

【従来の技術】薬液、栄養剤などを予め注射器に充填
し、保存物が変化しないように保存し、かつ使用時には
容易な操作で投与できる、いわゆる医薬品容器兼注射器
については多くの技術が実施されている。特にインシュ
リン系薬品を充填した容器は小型化したものが実用され
ている。また、液状で保存するには不安定でしかも緊急
に使用されるような医薬品に関しては、医薬品と希釈液
とを分離した製剤とし、両者を分離保存するタイプの容
器兼注射器も数多く検討され報告されている。そのなか
で、注射筒内を密封栓で分割し容器兼注射器とした技術
の例としては、例えば特公昭４８−２８５１９、同５９
−４９９２、特開昭５０−４３７８９、同５１−１１６
９１、同５２−２２３９１、同５６−１１０６５、同５
８−１０９０６５、同５９−１５５２６４、同６０−７
２５６１、同６１−４８３７７、同６１−１８１４７
０、同６２−１４８６３、特開平２−５９７３、同３−
８２４７６、同４−３５４９５４、同５−１５４１９
８、実公昭５４−２２３１５、同５４−２２３１６、同
５６−４０４３６、実開平２−５８４４６、同３−２９
１４５、同５−８６３５３各号公報等が挙げられる。

【０００３】以上の公知技術においては、注射筒内を摺
動するピストンが複雑な形状となり、その上注射筒内の
二種類の医薬品の密封性に問題を生じるため、薬の品質
の補償が困難になる。そこで、二種類の医薬品を別個の
容器内に保存し使用時に両容器を組み立てると注射器に
なるようにした技術として、例えば特公昭５０−１４４
７３、同５１−３９８、同５１−１３９５４、実公昭５
６−１０３５８、同６０−１５５６３、特表平１−５０
０８０３、特開平１−１３１６７１、同５−３１１８
９、同５−１４６５１１各号公報等が提案されている。
このタイプの基本的構成例を図１２に注射器組立体の従
来品３９として示す。太い注射筒４０内に粉末薬４１を
保存し、注射筒先端４２を弾性体４３、金属キャップ４
４で固定し、その外環縁を包む部品４５、更に両頭の注
射針４６と連絡して、押しと折り畳みを可能にしてあ
る。注射筒開口部４７は滑栓４８にて密封し、該滑栓４
８の内部に第２の筒である小筒４９の先端５０を挿入
し、該小筒には先端５０まで希釈薬５１を充填し、先端
５０はゴム栓５２にて密封し、小筒４９の開口部はゴム
製の滑栓５３で密封した、大小２本の注射筒を組み合わ
せた注射器組立体である。使用時には、滑栓５３に取り
付けた押棒５４を押し込むことにより希釈液を注射筒４
０内に流入せしめ、粉末薬を溶解して投与用薬液とした
後、注射針４６により投与する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】図１２に示したような
従来の注射器組立体は筒内を密封栓で分割するタイプの
ものに比較して、希釈液と医薬品それぞれの保存性に優
れているようであるが、実際にはゴム栓５２による密封
が不完全であり、粉末薬保存中に希釈液がゴム栓５２を
通して注射筒４０内へ浸透するので、粉末薬が吸水し変
質するという重大な問題があった。また、これとは別に
粉末薬と希釈薬とを薄い樹脂又はゴムの壁で分離して保
存する技術が知られているが、薄い壁から浸透した水分
により粉末薬が吸水して変質する欠点がある。さらに粉
末薬と希釈液を別個の円筒容器に保存し、容器の栓を両
頭針、導液針、導入針、穿束針などの針で連絡し、投与
用の薬液とする輸液セットが知られているが、手数がか
かることと衛生上での問題があった。このような現状に
鑑み、本発明は医薬品を保存している注射筒と連結でき
る別容器内に希釈液を保存し、容易な操作で両者を連結
して希釈液を注射筒内の医薬品に混合しそれを溶解させ
て人体に投与する濃度の薬液とし、そのまま迅速に投与
できる機能を有する組合せ型容器、注射器セットの新規
な構成を提供することを目的としている。すなわち、例
えば抗生物質、酵素、ビタミン、血清剤、ワクチン類な
どの不安定な医薬品と希釈液とを別々に保存することに
より医薬品の品質を保持すると共に、用時には簡単な操
作で衛生的に規定量を投与できる注射器組立体を課題と
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

【０００６】本発明は注射筒内に医薬品を、別容器に希
釈薬液を保存し、使用時に該注射筒と別容器とを組み合
わせ連通させて注射筒内に希釈薬液を流入させて医薬品
を溶解した後、該注射筒に取り付けた注射針により人体
に医薬品溶液を投与する注射器組立体において、１）該
注射筒は医薬品を充填した後に筒内摺動可能なピストン
で封止されるものであり、ロ）該別容器は円筒状で注射
筒ピストンのピストンロットであって、先端部には突出
した針管が形成され、且つ希釈液を充填した後にピスト
ンロット内を摺動可能な小ピストンで封止されるもので
あり、ハ）使用時には該注射筒のピストンをピストンロ
ット先端の針管で貫通することにより両者を連通させ、
ニ）該ピストンロットを該注射筒内に押し込むことによ
り希釈薬液を注射筒内に流入させるようにしたことを特
徴とする注射器組立体により、上記課題を解決するもの
である。本発明の特に好ましい実施態様として、(1) 上
記ピストンロット先端部の突出した針管が直径１．５〜
８ｍｍである上記注射器組立体、(2) 上記ピストンロッ
トの針管は希釈薬液保存時はゴム栓で密封され、該ゴム
栓の上から更にキャップで包装されていることを特徴と
する上記注射器組立体、(3) 上記注射筒のピストンは弾
性体からなり先端部形状は注射筒内面形状と相似形であ
り、且つ先端部には凹形窪みを有してなる上記注射器組
立体、(4) 上記注射筒の開口部の端部に螺旋形の溝を有
し、該開口部末端をゴムパッキンを介して該螺旋形溝に
係合する螺旋形突起を有するキャップで密封されてなる
上記注射器組立体、(5) 上記注射筒及び／又は上記ピス
トンロットは開口部側にフランジを有し、該フランジは
開口部末端または開口部末端より先端寄りに設けられて
なる上記注射器組立体、(6)上記注射針が両頭針であっ
て、その針基にフィルターが設けられてなる上記注射器
組立体、(7) 上記注射器組立体において、注射針以外の
すべての部分が高分子樹脂体及び又はゴム系成分からな
るものである上記注射器組立体が挙げられる。

【０００７】

【作用】本発明の注射器組立体の構造及びその使用方法
を図を参照して説明する。図１ないし図５は本発明の一
実施態様を説明する概略断面図である。図１は注射器組
立体の各部品を示し、図２は図１の注射器組立体に医薬
品（粉末薬）８と希釈液１５を別個に充填、密封して保
存する状態を示す。注射筒（以下「筒」と略すこともあ
る）１内には粉末薬等の医薬品８を保存し先端２の開口
部３はゴム栓６で、また他の端の開口部９は弾性体から
なり筒内を摺動できるピストン１０で封止し、また医薬
品の保存時には該ピストン１０と筒１の開口部９をキャ
ップ１３で封止して密封してある。該筒１とは別の筒状
容器であり該ピストン１０の押棒としても作用できるピ
ストンロット（以下、単に「ロット」と記載することも
ある）１４はその先端部に突出した針管１６が一体形成
されており、該針管１６は先端１７に針口１８が開いて
いるが、ロット１４内に希釈薬１５を保存する際には該
針管はゴム栓２１を嵌めて密封し、更にロット１４内を
摺動できる小ピストン２３で密封し、図２に示すように
キャップ２４で封止される。なお、針管１６に設けた環
状の溝１９とゴム栓２１に設けた環状の突起２０が係合
するので完全に密封でき、ゴム栓２１のズリ落ちも防止
できる。

【０００８】本発明の注射器組立体内に保存している医
薬品を投与する場合には、図２及び図３に示すように、
筒１のキャップ１３、針先１７と針口１８を封止したゴ
ム栓２１を除いて、ピストンロット１４の針管１６の針
の先端１７を筒１内のピストン１０の窪み３２及びピス
トン先端溝２９の部分においてピストン１０を貫通して
筒１内に達せしめ、図４に示すように小ピストン２３の
後部の嵌合用の溝２６に押棒２７の先端を嵌合し、押棒
２７を押して小ピストン２３をロット１４内に摺動させ
押し込むことにより、該ロット１４内の希釈薬１５は針
管１６の針口１８から筒１内に流れ込み、筒１内で医薬
品８と混合されて粉末の医薬品８を溶解し、投与濃度の
薬液となる。均一に混合された薬液が調製できた時点
で、両頭針３５の先端を筒１の先端部のゴム栓６の溝７
に貫通して取り付け、図５に示すように、さらに押棒２
７を押して、ピストンロット１４及びピストン１０を筒
１内の先端まで押し込むことによって、薬液は両頭針３
５の針管を流れ、投与される。図５は全液が流出し、投
与終了した状態、すなわち使用の最終状態を示す図であ
る。

【０００９】本発明の注射器の構造と実施の態様を更に
詳細に説明する。図６ないし図１１は本発明の注射器組
立体の各部品について図１に示したものの他の好ましい
実施態様を示す。図１の筒１は円筒形であって、先端２
の開口部３は細くなり、先端において外側に環状の突起
４を設けられている。該開口部３と突起４に対応した凹
部とこれらを包み込める環状突起５を有するゴム栓６に
て封じてある。なお、ゴム栓６は開口部３を構成する樹
脂体と溶着されることもある。筒１内には医薬品８を充
填し、他方、開口部９には筒内壁面を摺動できるピスト
ン１０を筒末端に配置し、筒末端外部には環状の溝１１
を設け、該溝１１に係合する突起１２を有するキャップ
１３にて筒開口部を密封する。

【００１０】図６には筒１の開口部９の端部に螺旋形の
溝１１１を設け、開口部９末端にはゴムパッキン１１２
を置いて螺旋溝１１１に係合する螺旋形の突起１１４を
有するキャップ１１３にて巻き締めることにより、開口
部の密閉性を向上した一具体例を示す。なお、図示のよ
うに筒末端より中央部よりにフランジ１１５を設けるこ
とにより指かけができるので注射器の組立操作、注射液
投与操作を容易にすることができる。

【００１１】図１のロット１４は筒１の内径より若干小
さい外径を有する円筒体とし、該円筒体内には希釈液１
５を保存できるように設計する。ロット１４の筒軸方向
に針管１６が円筒体の円形断面中心より突出して形成さ
れている。針管１６の先端１７は鋭先に形成されピスト
ンを貫通しやすくしてある。図７に本発明の針管先端形
状の具体例を示す。図７の（ａ），（ｂ）はステンレス
針で先端口の具体例、（ｃ），（ｄ）は樹脂針で横口の
具体例である。針管はロット内部と連通している。突出
する針管の外径は本発明において一般的に１．５〜８ｍ
ｍ程度が好適であり、好ましくは２〜５ｍｍ、更には２
〜３ｍｍが特に好ましい。針の外径は例えば弾性、曲げ
強さ等の針の物理的性質に関係すると共に、成形上の問
題にも関係して決定される。８ｍｍを超えて太くなると
ピストン貫通が困難になり、ピストンも太くなり筒内で
の摺動力が大きくなってしまう。針の長さはピストン１
０の長さ、形状に関係して決定される。

【００１２】ピストンロット１４先端において突出した
針管には外周に環状の溝１９を設け、該溝１９に係合す
る突起２０を有するゴム製キャップ２１にて針管１６、
針先１７、針口１８を封じる。図８には該ゴム製のキャ
ップ２１の外部をさらに合成樹脂例えばポリエチレン
（ＰＥと略記）、ポリプロピレン（ＰＰと略記）製のキ
ャップ２１１にて包む例を示す。これにより密封性が向
上する。

【００１３】また図９には針管の外周面を螺旋形溝１９
１とし、該螺旋形溝１９１に係合する内面を有するゴム
製のキャップ２１２にて巻き締めることによって針管１
６を包み、密封する例を示した。

【００１４】図１、図２に示すようにロット１４の他方
の開口部２２には小ピストン２３が置かれ、ロット内面
を摺動すると共に希釈液１５を封じる。ロットの円筒末
端にはフランジ２５を設け、該フランジ２５を包み込む
ようにしたキャップ２４を設ける。なお、フランジ２５
とキャップ２４の中間にゴムパッキンを設けることは希
釈液を密封する効果を向上できる。小ピストン２３には
開口方向に溝２６を付け、該溝に嵌合する先端を有し、
他の先端には指がけ２８を設けた押棒２７を、使用時に
取り付けるようにしてある。

【００１５】図１のピストン１０には先端部中央に溝２
９を設け、先端面壁３０を筒先端内面壁３１形状と相似
形（平行角度を有すること）にすることによって中央溝
２９内に針先１６、針口１７に置くことができる。この
ことは図５に示すように本発明の注射器組立体を使用
し、混合液を投与終了時に筒内に残留する薬液量を最小
量にする効果を有する。また、ピストン１０の筒開口方
向に溝３２を設けることにより、針管貫通の位置を明確
にし貫通部分のピストン厚さを薄くできるので、針先１
７、針管１６のピストン１０への貫通を容易にする。ま
たピストンの筒内接触面３３を広げることにより、筒内
の摺動性と筒内医薬品の密封性との関係を調整するとい
う効果を奏する。

【００１６】図１０のＡは本発明においてピストン１０
の先端面壁が筒内摺動面に直角なる面壁３４である一実
施態様を示すものである。このピストンは、注射筒１の
先端内側面が筒軸線に対し直角となっている場合に用い
られる。

【００１７】また図１０のＡ、Ｂには針管の螺旋形突起
１９１に対応する螺旋形の溝３１を持つ窪みをピストン
の開口部側端部に設けて、ピストン１０とロット１４の
嵌合を確実にした組合わせ例を示している。

【００１８】ピストン１０の溝２９は注射筒内の薬液の
投与が終了した際（図５）に、注射筒内の残留液量を最
小にするようにその太さ、深さを設計することが好まし
い。例えば針の太さの２割程度にすることがある。従来
この種の注射器兼容器においては、粉末薬（医薬品）は
規定の効果（力価）に対して１０〜１５％過剰に充填さ
れるが、残留量をなるべく小さくすることにより、充填
量を小さくできる。ピストン１０を太くして粉末薬の密
封性を完全にすると、筒内でのピストンの摺動力が例え
ば１０００ｇ以上といった大きな値になって移動し難く
なる。従って、本発明では密封性はこれほど完全にはせ
ずに、ゴムパッキン１１２とキャップ１１５を用いるこ
とにより密封性を完全にし、かつ摺動性を確保した。

【００１９】ピストン１０のサイズ、形態は注射筒の大
きさに関係しており、注射筒は大きいものでは容積１０
０ｍｌ〜２００ｍｌ、最近では容積１ｍｌ〜３ｍｌ（筒
の内径約５ｍｌ）といった小型のもののもある。従って
ピストン１０の筒内摺動面３３の幅は５〜２８ｍｍ、好
ましくは６〜２０ｍｍ、針が貫通するピストン中央の厚
さは３ｍｍ〜１２ｍｍ、好ましくは４〜８ｍｍ程度であ
る。いずれにしても適用する注射筒に応じて設計され
る。

【００２０】図１１は両頭針の針基３７に例えば疎水性
多孔質膜からなるフィルター３８を置くことによって、
投与し得る混合薬液中の不溶性微粒子を取り除くことが
できるので、衛生性が向上する。

【００２１】本発明の注射器組立体に使用する素材の樹
脂としては、この種の技術分野で一般的に使用される素
材を用いることができる。すなわち、オレフィン系化合
物を重合体とする樹脂、また該重合体を主成分とする樹
脂及び／又は合成ゴム類の混合物、更には有機過酸化
物、電子線などにより架橋体としてもよい。また注射筒
１、ロット１４などの素材としては該樹脂に対してエチ
レン．ビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体
及びそのケン化物、ナイロン及びアモルファスナイロン
などを一層以上積層したものが好ましい。また、注射器
組立体の開口部を密封する素材としては、イソプレン−
イソブチレン共重合及びそのハロゲン化物（例えばＩＩ
Ｒ、ＣＩＩＲ、ＢＩＩＲ、ＤＶＩＩＲ）、イソプレンゴ
ム（ＩＲ）、ポリブタジエン（ＢＲ）、エチレン．プロ
ピレン−ターポリマー（ＥＰＤＭ）、熱可塑性エラスト
マーなどの架橋体が耐熱性を有する点で好ましい。特に
環状オレフィン系化合物、又は架橋多環式炭化水素化合
物を重合体成分とする樹脂が好ましく、更に該樹脂を架
橋することにより耐熱性が向上するのでより好ましい。
ピストン１０、小ピストン２３などの素材としては例え
ばイソプレン−イソブチレン共重合体類（ＩＩＲ，ＢＩ
ＩＲ，ＣＩＩＲ，ＤＶＩＩＲなど）を主成分とする架橋
物体などが挙げられる。例えば本発明者らがすでに出願
している特開平５−３３７１６４号公報、同４−２１３
３４７号公報に記載の架橋物も好適である。本発明の特
に好ましい実施の態様として、注射針以外のすべての部
分が高分子樹脂体及び又はゴム系成分からなる注射器組
立体が挙げられる。高分子樹脂体としては前記のように
架橋多環式炭化水素化合物を重合体成分とする樹脂が望
ましい。

【００２２】本発明の一実施態様として、架橋環状オレ
フィン系樹脂（ＣＺレジン、文献「包装技術」平成５年
１２月号第１２頁に記載される）にて注射筒１を作成
し、第１２改正日本薬局方の「４９、輸液用プラスチッ
ク容器試験法」に準拠して試験の結果、ＰＥ，ＰＰに比
べ溶出金属イオン量が極めて少なく（例えばアルミニウ
ムの場合０．０５０ｐｐｍであった）、マグネシウム、
ニッケル、カルシウム、Ｆｅ、バナジウム、鉛は検出限
界の０．２０ｐｐｍ以下であったし、その他の試験項目
も日本薬局法規定値以下であった。

【００２３】本発明の注射器組立体の各部分の成形加工
方法は公知の樹脂成形技術を適用して、射出成形、パリ
ソンのプロー成形、樹脂をフィルムにして積層、溶着す
ることにより成形し得る。

【００２４】本発明のさらなる好ましい実施の態様を以
下に付記する。 (1)ピストンロットから突出した針管の外径が２〜５ｍ
ｍである請求項２記載の注射器組立体。 (2)ピストンロットから突出した針管の外径が２〜３ｍ
ｍである請求項２記載の注射器組立体。 (3)針管の外周面に螺旋形溝が設けられ、該螺旋形溝に
係合する内面を有するゴム製キャップで巻き締め密封す
るようにされてなる請求項２、請求項３、上記（1)又は
（2)のいずれかに記載の注射器組立体。 (4)フィルターが疎水性多孔質膜からなる請求項７記載
の注射器組立体。 (5)高分子樹脂体がが架橋環状オレフィン系樹脂（ＣＺ
レジン）である請求項８又は請求項９に記載の注射器組
立体。 (6)ピストンの素材がイソプレン−イソブチレン共重合
体類を主成分とする架橋物体からなる請求項１ないし請
求項９のいずれかに記載の注射器組立体。

【００２５】

【発明の効果】本発明は注射器の組立体として、筒内に
医薬品を保存し、別個の容器であるピストンロット内に
希釈液を保存しているので、 (1) 医薬品と希釈液を別々に保存して、容易な操作で両
者を混合し得るため、緊急使用時に好適に用いることが
できる。 (2) 溶解すると不安定になる医薬品を保存できるので、
薬の製剤範囲を拡大できる。 (3) 混合操作は外気に触れることなく行い得るので、医
薬品の品質保持、衛生上非常に有利である。 (4) ピストン、注射針、筒の形状を用途に応じて適当な
ものとすることにより、適正な濃度の薬液を簡単に調製
できその規定量を正確に人体投与できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本発明の注射器組立体の一実施態様における
各部品を概略説明する断面図である。

【図２】は本発明の注射器組立体の一具体例において医
薬品、希釈薬液を保存している状態を概略説明する断面
図である。

【図３】は本発明の注射器組立体の一具体例において、
注射筒とピストンロットを連通させる状態を概略説明す
る断面図である。

【図４】は本発明の注射器組立体の一具体例において、
ピストンロット内の希釈薬液が注射筒内へ流入する状態
を概略説明する断面図である。

【図５】は本発明の注射器組立体の一具体例において、
薬液の投与が終了した状態を概略説明する断面図であ
る。

【図６】は本発明の注射器組立体の注射筒の他の具体例
を概略説明する断面図である。

【図７】は本発明の注射器組立体のピストンロット針管
先端形状を説明する図である。

【図８】は本発明の注射器組立体の針管、ゴム製キャッ
プ、合成樹脂製キャップの他の具体例を概略説明する断
面図である。

【図９】は本発明の注射器組立体の針管、ゴム製キャッ
プの他の具体例を概略説明する断面図である。

【図１０】は本発明の注射器組立体のピストンとピスト
ンロットの他の具体例を概略説明する断面図である。

【図１１】は本発明のフィルター付両頭針の具体例を概
略説明する断面図である。

【図１２】は従来の注射器組立体を概略説明する断面図
である。

【符号の説明】

１注射筒（筒）２先端、３
開口部、４突起、５環状突起、
６ゴム栓、７溝、８医薬品、
９開口部、１０ピストン、１１
溝、１２突起、１３キャップ、
１４ピストンロット、１５希釈液１６針管、１７先端、１８
針口、１９溝、２０突起、
２１ゴム栓２２開口部、２３小ピストン、２４
キャップ２５フランジ、２６溝、２７
押棒２８指かけ、２９ピストン先端溝、３０
先端面壁３１溝、３２窪み、３３
筒内壁との接触面、３４先端面壁３５両
頭針、３６両頭針先、３７針基、
３８フィルター、３９従来品４０注射筒、４１粉末薬、４２
先端、４３弾性体、４４金属キャップ、
４５外環縁を包む部品、４６注射針、
４７開口部、４８滑栓、４９小筒、
５０先端、５１希釈液、５２
ゴム栓、５３滑栓５４押
棒、１１１螺旋の溝、１１２ゴムパッキン、
１１３キャップ、１１４螺旋の突起、１１５フ
ランジ、１９１螺旋形突起、２１１合成樹脂
製キャップ、２１２キャップ。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】注射筒内に医薬品を、別容器に希釈薬液
を保存し、使用時に該注射筒と別容器とを組み合わせ連
通させて注射筒内に希釈薬液を流入させて医薬品を溶解
した後、該注射筒に取り付けた注射針により人体に医薬
品溶液を投与する注射器組立体において、１）該注射筒
は医薬品を充填した後に筒内摺動可能なピストンで封止
されるものであり、ロ）該別容器は円筒状で注射筒ピス
トンのピストンロットであって、先端部には突出した針
管が形成され、且つ希釈液を充填した後にピストンロッ
ト内を摺動可能な小ピストンで封止されるものであり、
ハ）使用時には該注射筒のピストンをピストンロット先
端の針管で貫通することにより両者を連通させ、ニ）該
ピストンロットを該注射筒内に押し込むことにより希釈
薬液を注射筒内に流入させるようにしたことを特徴とす
る注射器組立体。
【請求項２】上記ピストンロット先端部の突出した針
管は直径１．５〜８ｍｍであることを特徴とする請求項
１記載の注射器組立体。
【請求項３】上記ピストンロットの針管は希釈薬液保
存時はゴム栓で密封され、該ゴム栓の上から更にキャッ
プで包装されていることを特徴とする請求項１又は請求
項２記載の注射器組立体。
【請求項４】上記注射筒のピストンは弾性体からなり
先端部形状は注射筒内面形状と相似形であり、且つ先端
部には凹形窪みを有してなることを特徴とする請求項１
記載の注射器組立体。
【請求項５】上記注射筒の開口部の端部に螺旋形の溝
を有し、該開口部末端をゴムパッキンを介して該螺旋形
溝に係合する螺旋形突起を有するキャップで密封されて
なることを特徴とする請求項１ないし請求項４のいずれ
かに記載の注射器組立体。
【請求項６】上記注射筒及び／又は上記ピストンロッ
トは開口部側にフランジを有し、該フランジは開口部末
端または開口部末端より先端寄りに設けられてなること
を特徴とする請求項１ないし請求項５のいずれかに記載
の注射器組立体。
【請求項７】上記注射針は両頭針であって、その針基
にフィルターが設けられてなることを特徴とする請求項
１記載の注射器組立体。
【請求項８】上記注射器組立体において、注射針以外
のすべての部分が高分子樹脂体及び又はゴム系成分から
なるものであることを特徴とする請求項１ないし請求項
６のいずれかに記載される注射器組立体。
【請求項９】上記高分子樹脂体が架橋多環式炭化水素
化合物を重合体成分とするものであることを特徴とする
請求項８記載の注射器組立体。