JPH07245019A - 薄肉絶縁電線 - Google Patents

薄肉絶縁電線

Info

Publication number
JPH07245019A
JPH07245019A JP3226894A JP3226894A JPH07245019A JP H07245019 A JPH07245019 A JP H07245019A JP 3226894 A JP3226894 A JP 3226894A JP 3226894 A JP3226894 A JP 3226894A JP H07245019 A JPH07245019 A JP H07245019A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
polyurethane
affected
electric wire
polyamide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3226894A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Watanabe
清 渡辺
Hideki Yagyu
秀樹 柳生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
Priority to JP3226894A priority Critical patent/JPH07245019A/ja
Publication of JPH07245019A publication Critical patent/JPH07245019A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Insulated Conductors (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は耐摩耗性と共に耐薬品性をも
兼ね備えた新規な薄肉絶縁電線を提供することにある。 【構成】 本発明は導体上に、マクロポリオール含量が
25wt%未満のポリウレタン層と、結晶性のポリアミ
ド層とからなる絶縁体を被覆してなることを特徴として
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車のワイヤーハーネ
スや電子機器等に使用される絶縁電線に係り、特に、絶
縁体の肉厚を薄くした薄肉絶縁電線に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の軽量化、電子機器小形精
密化に伴い、これらに使用されるワイヤーハーネス、絶
縁電線の軽量化が要求されており、そのためには、絶縁
体の被覆厚を薄くすることが課題となっている。しかし
ながら、一般に、これら絶縁電線の絶縁体はポリ塩化ビ
ニルを主体とする樹脂組成物からなっており、この樹脂
組成物は、薄肉としたときの機械的強度、特に耐摩耗性
に劣ることから0.35mm程度が限界である。そのた
め、最近では、このポリ塩化ビニルを主体とする樹脂組
成物から、耐摩耗性に優れたポリウレタンを主体とする
樹脂組成物を用いることでさらに薄肉化を図ることが提
案されている(実開昭61−23213号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな耐摩耗性に優れたポリウレタンを主体とする樹脂組
成物の場合、耐薬品性が低い、すなわち、アルコールや
グリコール等の薬品に接触すると亀裂を生じて劣化して
しまうため、使用範囲が狭く、また信頼性が低いもので
あった。
【0004】そこで、本発明は上記の問題点を有効に解
決するために案出されたものであり、その目的は耐摩耗
性と共に耐薬品性をも兼ね備えた新規な薄肉絶縁電線を
提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は導体上に、マクロポリオール含量が25wt
%未満のポリウレタン層と、結晶性のポリアミド層とか
らなる絶縁体を被覆したものであり、具体的には、この
ポリウレタン層を内層または外層とし、ポリアミド層を
外層または内層とし、これらを溶融状態に密着させたも
のである。
【0006】このポリウレタン層を構成するポリウレタ
ンは基本的にマクロポリオールと称される長鎖のジオー
ル、鎖延長剤と称される短鎖のジオール及びジイソシア
ネートの3成分を重付加反応によって高分子量化して得
られるポリマである。
【0007】また、マクロポリオールとしては分子量約
500〜5000のポリエチレンアジペートグリコー
ル、ポリエチレンブタンジオールアジペートグリコー
ル、ポリカプロラクトングリコール、ポリカーボネート
グリコール等のポリエステル系ポリオール及びポリオキ
シテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレン
オキサイドエーテルグリコール等のポリエーテル系ポリ
オールを用いることができる。
【0008】また、ポリアミド層を構成するポリアミド
としてはナイロン6,ナイロン6−6、ナイロン11,
ナイロン4・6、ナイロン12、ナイロン6・12等の
結晶性のポリアミドを使うことができる。尚、非結晶性
のポリアミドは耐薬品性に劣るため、適切ではない。
【0009】鎖延長剤としては1,4ブタンジオール、
1,6ヘキサンジオール、1,5ペンタンジオール、3
−メチル−1,5ペンタンジオール等を使うことができ
る。
【0010】ジイソシアネートとしては4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート等を用いること
ができる。
【0011】本発明で用いるポリウレタン層の製造方法
としては、マクロポリオールとジイソシアネートを予め
一部または完全に反応させた後、鎖延長剤を反応させ
る、いわゆるプレポリマ法または反応原料を全て一時に
混合する、いわゆるワンショット法等公知の方法を採用
することができる。また、重合方法としては押出機を用
いる連続法あるいはバッチ法等を採用することができ
る。そして、導体上に被覆するポリウレタン層の数とし
ては特に限定しないが、コスト面からは2ないし3層程
度が望ましい。また、各ポリウレタン層は交互に積層し
ておれば良く、その順番については特に限定しない。ま
た、これらのポリウレタン層は押出成形によって容易に
形成することができる。例えば、2ないし3台の押出機
を一つのクロスヘッドに連結し、各ポリウレタン層を同
時に押出すコモン押出法、押出機を直列に配置し、導体
上に各層を順次押出すダンデム押出法等を使うと各ポリ
ウレタン層間で良好な密着性が得られる。尚、本発明の
絶縁組成物は従来と同様に、重合過程又は重合後に着色
剤、難燃剤、滑剤、加水分解防止剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤等の添加剤を加えても良いことは勿論である。
【0012】
【作用】本発明者らはポリウレタンの組成と、耐摩耗
性、耐薬品性の関係を詳細に検討した結果、マクロポリ
オールの含量が25wt%未満のポリウレタンが耐摩耗
性の点から薄肉絶縁電線の絶縁体に最適であることを見
出だした。一方、このようなポリウレタンはアルコール
やグリコール等の薬品に弱い。この欠点を克服するため
に異種ポリマを検討した結果、特定の成形法をとるとポ
リアミドがポリウレタンと良好な層間密着性を示し、耐
薬品性に優れた薄肉絶縁電線となり得ることを認めた。
【0013】そこで、例えば、耐摩耗性に優れたマクロ
ポリオールの含量が25wt%未満のポリウレタンを内
層とし、このポリウレタンの周囲に耐薬品性に優れたポ
リアミド層を外層として設ければ、アルコールやグリコ
ール等の薬品が接触しても内層には影響せず、また、摩
擦に関しては外層のみが影響を受けるだけで、内層には
影響が及ばない。また、これらポリウレタン層とポリア
ミド層とを反対にした場合は、アルコールやグリコール
等の薬品が接触しても外層のみが影響を受けるだけで内
層には影響せず、また摩擦に関しては外層及び内層にも
影響が及ばないため、薬品及び摩擦による亀裂や劣化等
に起因する絶縁破壊等の不都合を未然に防止することが
できる。
【0014】また、ポリウレタン層とポリアミド層とを
溶融状態に被覆したことにより、層間の密着性が向上
し、層間の剥離等を未然に防止することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の好適実施例及び比較例を添付
図面を参照しながら説明する。
【0016】(実施例)表1に示すようなポリウレタン
材料A、B、C及び、表2に示すようなポリアミド材料
D、Eのいずれかを用い、図1に示すような外径0.7
2mmの軽圧縮軟銅撚線導体1上に、厚さがそれぞれ1
00μmの内層2と、外層3の2層からなる多層絶縁体
4を押出し被覆し、表3に示すような4種類の絶縁電線
(実施例1〜4)を作製した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】(比較例)比較例として表4に示すよう
に、ポリ塩化ビニルあるいは表1に示すA、Bいずれか
のポリウレタン材料を用い、厚さが200μmの単層絶
縁体(比較例1〜3)及び、マクロポリオールの添加量
が25wt%を越えるポリウレタン材料Cとポリアミド
材料Eとからなる2層絶縁体(比較例4)を備えた4種
類の絶縁電線を作製した。
【0021】尚、これらポリウレタン材料の押出しは内
層押出にはコモン押出法を採用し、19mmの押出し機
を用い、スクリューはL/D=26、圧縮比3のフルフ
ライトタイプとした。また、外層押出には同様にコモン
押出法を採用し、15mmの押出機を用い、スクリュー
はL/D=24、圧縮比3のフルフライトタイプとし、
押出温度は220〜240℃とした。さらに、鎖延長剤
とジイソシアネートの含量は次の条件を満たすように決
めた。
【0022】ジイソシアネートのモル数/(マクロポリ
オールのモル数+鎖延長剤のモル数)=1
【0023】
【表4】
【0024】そして、このように作製された各種絶縁電
線(実施例1〜4、比較例1〜4)に対し、耐摩耗性試
験及び耐薬品性試験を行い、それぞれの耐摩耗性及び耐
薬品性を評価した。
【0025】この耐摩耗性試験は自動車用低圧電線の規
格であるJASO D−611のスクレープ(ブレー
ド)試験に準ずるものであり、具体的には図2に示すよ
うに、先端にブレード7を備えた腕部材6と、この腕部
材6を水平に往復動するための駆動部5と、この腕部材
6に荷重する錘8とからなる往復駆動試験機を用いて行
い、この腕部材6の先端部に設けられたブレード7を、
クランプ9によって試験台10に設置固定された絶縁電
線Aの絶縁被覆層4にあてがい、毎分60回の速さで図
中矢印に示すように、その長さ方向に沿って10mm幅
でストロークさせ、絶縁被覆層4が摩耗して軟銅撚線導
体1に接触するまでの回数を測定し、この回数が150
回以上耐える絶縁電線を合格とした。尚、この錘8の重
さは510gであり、ブレード7のサイズは、先端の半
径Rが0.125mm,幅Wが3mmである。
【0026】一方、耐薬品性試験は、作製された絶縁電
線Aを自己径に巻き付けた後に、50℃のエチレングリ
コール中に240時間浸漬し、その後交流耐電圧試験を
行って、1KV/1分に耐えるものを合格とした。
【0027】この結果、表3に示すように、マクロポリ
オール含量が25wt%未満のポリウレタンA、Bと、
それぞれポリアミドD、Eとを組み合わた実施例1〜4
の絶縁電線はいずれも良好な耐摩耗性と耐薬品性を示し
ているのがわかる。特に、ポリウレタンAとポリアミド
Dとを組み合わせた実施例1,2は優れた耐摩耗性を発
揮し、また、この組み合わせではポリウレタン材料を外
層とした方が、耐摩耗性がより向上することがわかっ
た。これらに対し、表4に示すように、従来のポリ塩化
ビニルを用いた比較例1では耐薬品性は良好であったが
耐摩耗性が著しく低く、また、ポリウレタン材料のみか
らなる比較例2、3では耐摩耗性は優れているが耐薬品
性が不十分であった。また、内層が、マクロポリオール
含量25wt%のポリウレタンCからなる比較例4では
耐薬品性は合格したが耐摩耗性が著しく低下してしま
い、比較例1〜4の構成では耐薬品性及び耐摩耗性の両
方の特性を満足することはできなかった。
【0028】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、耐
摩耗性と共に耐薬品性を備えることができるため、使用
範囲が拡大し、その工業的価値及び信頼性が向上する等
といった優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す拡大断面図である。
【図2】本実施例の耐摩耗試験方法を示す説明図であ
る。
【図3】耐摩耗試験で用いたブレードのサイズを示す拡
大図である。
【符号の説明】
1 導体 2 内層 3 外層 4 絶縁体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に、マクロポリオール含量が25
    wt%未満のポリウレタン層と、結晶性のポリアミド層
    とからなる絶縁体を被覆してなることを特徴とする薄肉
    絶縁電線。
  2. 【請求項2】 上記ポリウレタン層を内層とし、上記ポ
    リアミド層を外層としたことを特徴とする請求項1記載
    の薄肉絶縁電線。
  3. 【請求項3】 上記ポリアミド層を内層とし、上記ポリ
    ウレタン層を外層としたことを特徴とする請求項1記載
    の薄肉絶縁電線。
  4. 【請求項4】 上記ポリウレタン層とポリアミド層とを
    溶融状態に密着させたことを特徴とする請求項1〜3い
    ずれかに記載の薄肉絶縁電線。
JP3226894A 1994-03-02 1994-03-02 薄肉絶縁電線 Pending JPH07245019A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3226894A JPH07245019A (ja) 1994-03-02 1994-03-02 薄肉絶縁電線

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3226894A JPH07245019A (ja) 1994-03-02 1994-03-02 薄肉絶縁電線

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07245019A true JPH07245019A (ja) 1995-09-19

Family

ID=12354262

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3226894A Pending JPH07245019A (ja) 1994-03-02 1994-03-02 薄肉絶縁電線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07245019A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1394818B1 (en) Multilayer insulated wire and transformer using the same
US9543058B2 (en) Insulated winding wire
EP0944099B1 (en) Multilayer insulated wire and transformer using the same
EP0949634B1 (en) Multilayer insulated wire and transformers made by using the same
US4090763A (en) Cordage for use in telecommunications
EP0961297B1 (en) Multilayer insulated wire and transformers made by using the same
EP1879197A2 (en) Non-halogenated heavy metal free vehicular cable insulation and harness covering material
US9111666B2 (en) Automotive insulated wire, and automotive wiring harness
CN100345223C (zh) 绝缘线
WO2005114675A1 (en) Multi-layer insulated wire, processes for preparing the same, and its applications
US10199138B2 (en) Insulated winding wire
JP3812873B2 (ja) ノンハロゲン難燃被覆電線
US4483808A (en) Methods of making a compositely insulated conductor having a layer of irradiation cross-linked polymeric material
JPH07245019A (ja) 薄肉絶縁電線
KR100617706B1 (ko) 폴리부틸렌테레프탈레이트 수지 조성물 및 이를 이용하여제조된 다층 절연전선
JPH07245018A (ja) 薄肉絶縁電線
JPH08102219A (ja) 薄肉絶縁電線
CN1109626A (zh) 具有良好柔软性的包壳缆及其制备方法
US6362431B1 (en) Ultra thin wall primary cable for automotive service
KR100839509B1 (ko) 다층절연극세전선
KR100368571B1 (ko) 개질된 절연전선 피복용 폴리에스테르 수지 및 이를이용하여 제조된 다층 절연전선
JPH07312119A (ja) 絶縁電線
JP3321969B2 (ja) ふっ素樹脂被覆電線およびふっ素樹脂被覆シールド電線
EP4138100A1 (en) Heat-resistant insulated electric wire
JP2568920Y2 (ja) 自動車用薄肉絶縁電線