JPH0724444U - 破砕装置の防塵機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 骨材、アスファルト廃材等の破砕装置におけ
る排出側に生じる粉塵の発生を防止するようにした防塵
機構を提供する。 【構成】 骨材、廃材等の乾燥した固形物を破砕する破
砕装置１に設けられかつその排出側における破砕物を取
り出すための排出ベルトコンベア５に備えた防塵機構
は、排出ベルトコンベア５の上部を覆うためのスカート
４、排出ベルトコンベア５によって搬送される破砕物の
重量を計量するロードセル７、およびこのロードセル７
からの計量信号によって排出ベルトコンベア５の駆動モ
ータ６を制御する制御装置を備えている。この制御装置
が排出ベルトコンベア５上を搬送される破砕物の搬送量
を一定にするとともに、破砕物が破砕装置１の排出側か
らスカート４内部をほぼ埋めつくすように制御する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、破砕装置の防塵機構に係り、特に、骨材、アスファルト廃材等の破 砕における二次破砕装置として用いられる回転型破砕装置、インパクトブレーカ 等の破砕装置において、排出側に発生する粉塵に対処するための防塵機構に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、骨材、アスファルト廃材等の破砕は、図４のフロー図に示すような破砕 プラントの行程において処理されている。この破砕プラントにおいては、廃材で ある原料１００が、ホッパー１０１を介してグリズリーフィーダー１０２によっ て大きな塊と小さい塊に粗ぶるいするように選別されて、大きな塊の原料が一時 破砕装置となるジョークラッシャ１０３へ送られる。ジョークラッシャ１０３に よって破砕された破砕物と、グリズリーフィーダー１０２からのスクリーン１０ ４によって選別された比較的小さい塊は、中間ホッパー１０５によって多種類の 選別を行なう磁選機１０６を備えたスクリーン装置１０７へ送られる。ここにお いて、鉄筋類が磁選機１０６によって取り出され、破砕物の大きなものが二次破 砕装置としてのインペラーブレーカーである回転型破砕機１０８へ送られ、それ より小さい破砕物がさらに次のスクリーン１０９に送られる。そして、そこで木 屑等軽量のものを吸引によって除去され、スクリーン１０９によって選別されて 小さい破砕物として回収され、そして残った破砕物は路盤材等に再利用すること ができる。また、スクリーン１０４によって選別されたさらに小さい破砕物は、 路盤材として回収され、そして回転型破砕機１０８によって破砕された破砕物は 、再度上記スクリーン装置１０７に戻されて各等級に分けられて路盤材として回 収される。

【０００３】 上記破砕プラントにおける二次破砕装置である、回転型破砕機１０８のような 破砕装置においては、図３に示すように、投入用ベルトコンベア８からの骨材、 アスファルト廃材等を破砕する回転型破砕機１０８において、排出側に生じる粉 塵を防ぐ対策として、排出ベルトコンベヤ５をカバー４で囲い、そのカバー４の 上部に取り付けられた吸引ダクト１５にバグフィルタ１６を介して吸引ブロワー １７を接続し、破砕機１０８において発生した粉塵を吸引し、吸引ブロワー１７ から大気へ放出することにより除塵を行っている。

【０００４】 また、さらに簡易な除塵対策としては、図４に示すフロー図のスクリーン装置 １０７の近傍における破砕装置の材料投入側において、材料に水を散水して材料 自体を湿らせることにより破砕の際生じる破砕物の浮遊を防止している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような破砕装置における防塵手段においては、吸引ダクト１５を用いて 粉塵の吸引を行なう場合、長時間運転が行われると、ダクト１５内に粉塵１５′ が堆積してダクト１５を塞いでしまったり、また粉塵の付着性が高いダクトを用 いていると、粉塵を最終的に大気に放出する前に除くために、出口に設けたバグ フィルタ１６の濾布に粉塵が付着して圧力損失が大きくなり、吸引する空気量が 減ってしまい、かえって粉塵が発生してしまうことになっていた。

【０００６】 また、破砕装置の材料投入側において水を噴霧する場合、特に、破砕物が乾燥 した状態で処理される用途のものの場合、例えば、アスファルト廃材については 、破砕したあと、乾燥、加熱されてアスファルト合材として再使用されるので、 このような破砕物は使えないことになる。また、この場合、回転型破砕装置にお いては、噴霧された水により回転体に粉塵等が付着して負荷が大きくなり、経費 の増大となるだけでなく、破砕装置が汚れることになる等の問題があった。

【０００７】 本考案は、従来の上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、骨材、ア スファルト廃材等の破砕装置における排出側に生じる粉塵の発生を防止するよう にした破砕装置の防塵機構を提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の破砕装置の防塵機構は、骨材、アスファ ルト廃材、コンクリート廃材等の乾燥した固形物を破砕しかつ排出側において破 砕物を取り出すための排出ベルトコンベアを有する破砕装置に設けられた防塵機 構において、排出ベルトコンベアの上部を覆うためのカバー、排出ベルトコンベ アによって搬送される搬送物の重量を計量する計量装置、およびこの計量装置か らの計量信号によって排出ベルトコンベアの駆動モータを制御する制御装置を備 え、この制御装置が排出ベルトコンベア上を搬送される破砕物の搬送量を一定に するとともに、前記破砕物が前記破砕装置の排出側から前記カバー内部をほぼ埋 めつくすように制御することを特徴とするものである。

【０００９】 上記破砕装置の防塵機構においては、計量装置が排出ベルトコンベアの重量を 計量することができるロードセルを有していることを特徴とする。

【００１０】 このような破砕装置の防塵機構においては、カバーが破砕装置の本体と一体に 形成されて、排出ベルトコンベヤの上部を覆っていることを特徴とする。

【００１１】

【作用】

以上のような構成の破砕装置の防塵機構においては、破砕装置において骨材、 アスファルト廃材、コンクリート廃材等の乾燥した固形物が破砕されると、乾燥 装置の排出側から取り出された破砕物が排出ベルトコンベアによって搬送される 。この排出ベルトコンベアにおいては、その上部がカバーによって覆われていて 、これによって搬送される破砕物の重量を計量する計量装置、およびこの計量装 置からの計量信号によって排出ベルトコンベアの駆動モータを制御する制御装置 を備えているので、通常、一次破砕機の破砕効率の変動のために破砕機への破砕 物の供給が一定していないが、この制御装置によって破砕物の搬送量を一定にし て排出ベルトコンベア上を搬送させ、破砕物が破砕装置の排出側からカバー内部 をほぼ埋めつくすように制御することができるので、破砕装置の排出側が粉塵の 浮遊を防ぐように破砕物によって満たされ粉塵の発生を防止することができる。 したがって、このように行われる防塵は、破砕装置の効率低下を引き起こすこと なく、また、処理行程あるいはそのための装置を付加する必要もなく行うことが できる。

【００１２】 特に、このような破砕装置の防塵機構においては、計量装置が排出ベルトコン ベアの重量を計量することができるロードセルを有しているので、排出ベルトコ ンベアにおいて搬送される破砕物の重量を容易に計量することができ、その設置 も吊り下げ手段として設けることができるので設置が容易である。

【００１３】 また、この防塵機構においては、カバーが破砕装置の本体と一体に形成されて 、排出ベルトコンベアの上部を覆っているので、破砕物を取り出す排出側が排出 ベルトコンベアとともに覆われるので、破砕装置の排出側から吹き出される粉塵 は排出ベルトコンベア上の搬送される破砕物中に吹き込まれることになり粉塵が 外部に漏れることを防ぐことができる。

【００１４】

【実施例】

実施例について図面を参照して以下のごとく説明する。 本考案の一実施例である図１に示す回転型破砕機１のような破砕装置に設けら れた防塵機構は、以下のような構成を有する。即ち、回転型破砕機１は、支持台 ５０に取り付けられ、かつケーシング内部に放射状に突出するエッジ２２を備え ていて投入された原料を破砕するブレードを有するロータ２、このロータ２によ って跳ね飛ばされた原料を止めて破砕を助ける衝突板３を有している。破砕機１ には、投入ベルトコンベア８によって送られてきた破砕される原料を投入する投 入口１２を有するとともに、破砕された破砕物の排出側には、排出された破砕物 を運び出す排出ベルトコンベア５が設けられている。この排出ベルトコンベア５ の搬送部分は、破砕機１と一体に形成されたカバーをなすスカート４が設けられ ていて、このスカート４によって覆われている。

【００１５】 この排出ベルトコンベア５は、破砕機１の支持台５０の支持フレーム５２に取 り付けたヒンジを有する支持部１０に一端部が支持されるように取り付けられて いる。そして、排出ベルトコンベア５の他端部には、このベルトコンベア５のメ インフレームに設けられた取付けフレーム６２に取り付けられるように、駆動ベ ルトを介して排出ベルトコンベア５を駆動するモータ６が支持されている。そし て、排出ベルトコンベア５は、さらに破砕物の搬送中における重心位置に相当す る部分を吊り下げるように、排出側ベルトコンベア５の重量を測定するロードセ ル７が支持台５０に取り付けられている。また、このような破砕機１の排出側に は、排出ベルトコンベア５からの破砕物を受け取って、搬送する他のベルトコン ベア９が設けられている。

【００１６】 また、上記排出ベルトコンベア５は、図２に示すような制御装置を有し、この 制御装置には駆動用のモータ６を制御することにより破砕物の重量、即ち、搬送 量を制御するために排出ベルトコンベア５の駆動モータ６の回転数を制御するモ ータ回転制御装置１１を備えている。そして、このモータ回転制御装置１１への 制御信号を送信するために、ロードセル７によって排出ベルトコンベア５の重量 を計測し、その重量信号を送信する重量計測装置１２、およびこの重量計測装置 １２から信号によってモータ回転制御装置１１への制御信号を送信する重量設定 および自動制御装置１３が設けられている。

【００１７】 上記構成の防塵機構においては、一次破砕機からの破砕物が投入ベルトコンベ ア８によって回転型破砕機１へ投入口１２から投入されると、ロータ２のブレー ド、衝突板３等によって破砕され、二次破砕を行うことができる。このように破 砕された破砕物は、破砕機１の排出側から排出ベルトコンベア５上に取り出され る。駆動モータ７によって駆動される排出ベルトコンベア５は、破砕機１と一体 に排出側を覆うスカート４の内部を満たして破砕物を搬送して、次のベルトコン ベア９上に送り出す。

【００１８】 また、排出ベルトコンベア５は、破砕物の搬送において、計量装置であるロー ドセル７によって排出ベルトコンベア５の重量が計測され、スカート４内を満た した破砕物の搬送、そしてロードセル７の重量計測による破砕機１の排出側のス カート４内における破砕物の充満状態を監視するように、制御装置へ接続されて いる。このロードセル７からの信号は、重量計測装置１２に送られて処理され重 量信号として重量設定および自動制御装置１３に送られる。この重量設定および 自動制御装置１３は、破砕機１からの破砕物の変動に対応して、破砕物の搬送量 を常に一定に保持するように、破砕機１から排出された破砕物の変動、即ち、排 出量が少ない場合には排出ベルトコンベア５の搬送速度を下げ、あるいは排出量 が多い場合には搬送速度を上げるために、駆動モータ７の回転数を下げあるいは 上げるように、制御信号をモータ回転制御装置１１へ送って駆動モータ７の制御 を行う。

【００１９】 このようにして、破砕機１の排出側においては、排出される破砕物の量に左右 されることなく、常に排出ベルトコンベア５を覆うスカート４内部を満たすよう に、破砕機１からの破砕物を搬送することができる。それによって、破砕機１の 排出側に吐き出される粉塵は、スカート４内部に満たされた破砕物間の空間に進 入して浮遊しないので、そのまま浮遊して漏れることがなく、実質的に発生を防 止することができる。この状態は、排出ベルトコンベア５の重量の計測により、 破砕機１への影響を伴うこともなく、常時維持することができる。したがって、 従来のようにスカート４に吸塵用のダクトを取り付けて、フィルタを介して吸引 ブロワーによって吸塵を行う必要がなく、新たな設備を付加することもなく、排 出ベルトコンベア５の駆動モータ６の制御のみによって行うことができる。そし て、破砕機１から排出された破砕物は、乾燥したままであり、そのまま再利用す ることができる。

【００２０】

【考案の効果】

本考案は、上述のとおり構成されているので、上記構成による破砕装置の防塵 機構は、以下のような効果を奏する。 (1) 骨材、アスファルト廃材等の乾燥した固形物を破砕しかつ破砕物を取り出す ための排出ベルトコンベアに備えた破砕装置の排出側における防塵機構として、 排出ベルトコンベアの上部を覆うためのカバーを設け、このカバー内部をほぼ埋 めつくすように排出ベルトコンベアを制御するために、排出ベルトコンベアによ って搬送される破砕物の重量を計量する計量装置、およびこの計量装置からの計 量信号によって排出ベルトンコベアの駆動モータを制御する制御装置を備え、こ の制御装置によって排出ベルトコンベア上を搬送される破砕物の搬送量を一定に するようにしたので、排出ベルトコンベア上のカバー内部を搬送される破砕物で 満たし、破砕装置からの粉塵が破砕物間の空間に進入して内部で浮遊せず、粉塵 が外部に漏れることがなくなり、破砕装置への影響を最小限にして効率よく防塵 を行うことができるという優れた効果がある。

【００２１】 (2) また、このような防塵機構は、従来からの散水あるいは吸塵ブロワーを用い た防塵のように、破砕装置の効率の低下を引き起こすことなく、単に排出ベルト コンベアの破砕装置と一体のカバーによる包囲と、重量の計測に基づく排出ベル トコンベアの制御によって防塵を行うことができるので、処理行程あるいは設備 を増大することなく、簡単な設備によって防塵を行うことができるという優れた 効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る破砕装置の防塵機構の
概略説明図である。

【図２】図１の防塵機構を制御する装置の説明図であ
る。

【図３】従来の破砕装置の防塵機構の概略説明図であ
る。

【図４】骨材、アスファルト廃材等の破砕プラントのフ
ロー図である。

【符号の説明】

１ 回転型破砕機 ２ ロータ ３ 衝突板 ４ スカート ５ 排出ベルトコンベア ６ 駆動モータ ７ ロードセル ８ 投入ベルトコンベア ９ ベルトコンベア １０ ヒンジ部 １１ モータ回転制御装置 １２ 重量計測装置 １３ 重量設定および自動制御装置 ５０ 支持台

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 後町 知宏 東京都中央区京橋１−19−11 日本鋪道株 式会社内 (72)考案者 山辺 生雅 東京都中央区京橋１−19−11 日本鋪道株 式会社内 (72)考案者 浜口 武久 東京都中央区京橋１−19−11 日本鋪道株 式会社内

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 骨材、アスファルト廃材、コンクリート
   廃材等の乾燥した固形物を破砕しかつ排出側において破
   砕物を取り出すための排出ベルトコンベアを有する破砕
   装置に設けられた防塵機構において、前記排出ベルトコ
   ンベアの上部を覆うためのカバー、前記排出ベルトコン
   ベアによって搬送される破砕物の重量を計量する計量装
   置、および該計量装置からの計量信号によって前記排出
   ベルトコンベアの駆動モータを制御する制御装置を備
   え、該制御装置が前記排出ベルトコンベア上を搬送され
   る破砕物の搬送量を一定にするとともに、前記破砕物が
   前記破砕装置の排出側から前記カバー内部をほぼ埋めつ
   くすように制御することを特徴とする破砕装置の防塵機
   構。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の破砕装置の防塵機構に
   おいて、前記計量装置が前記排出ベルトコンベアの重量
   を計量することができるロードセルを有していることを
   特徴とする破砕装置の防塵機構。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の破砕装置の防塵機構に
   おいて、前記カバーが破砕装置の本件と一体に形成され
   て、前記排出ベルトコンベアの上部を覆っていることを
   特徴とする破砕装置の防塵機構。