JPH07244052A - 液体分注装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液体分注器においてプレートのスタッカーを
任意に供給スタッカー及び回収スタッカーに切り替えら
れる様にすること。 【構成】 プレート収納部を有する昇降自在の少なくと
も２つのスタッカーと、前記各スタッカーの底部開口の
縁部近くに対向して水平軸に枢着され前記収納部に収納
される前記プレートの縁部底面に係止する下方位置とプ
レートの通過を許容する上方位置の間で枢動自在の一対
の羽根と、第１の位置と第２の位置とで水平回転自在の
キャリアとを設け、前記各羽根は切欠を有し、前記キャ
リアは突出する羽根開閉板を有し、前記キャリアが任意
のスタッカーと整列した状態でそのスタッカーが下降し
た時に、前記第１の位置では前記切欠が前記羽根開閉板
に整列することにより羽根とキャリアが非接触となり、
前記第２の位置では羽根開閉板が前記羽根に係合して供
給動作をする様になっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は試薬、血液、その他の液
体、その他任意の流動性物質の分注装置に関し、更に詳
しくはこのような分注装置における複数のプレートの入
れ替え作業を容易に実行できる機構を具備した分注装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】試薬、血液、その他の液体、その他任意
の流動性物質の分注装置においては、同一または異なっ
た多数の試料例えば血液に同一または異なった濃度また
は同一または異なった試薬を同時に分注することが行わ
れている。このような分注装置では、血液等を収容する
ための多数の穴または区画を有するプレートを複数枚重
ねて収納したプレート供給スタッカーから一枚づつプレ
ートを繰り出して分注スポイドその他の分注処理部に送
り、所定の血液や試薬を順次分注し、必要ならば更に振
盪、混合等の作業を行い、次いで処理の終わったプレー
トは回収スタッカーに収納する。こうして複数のプレー
トに対する所定の作業が終わるとプレートは回収スタッ
カーから取りだされて検出装置にかけれられることもあ
るが、多くの場合には更に他の試薬を分注するためにプ
レートは再び供給スタッカーに戻される。

【０００３】図１は従来の供給スタッカー及び回収スタ
ッカーを使用した分注装置を示す。図において、分注装
置１は、血液、試薬等を分注する多数の分注スポイドを
有するスポイドモジュール２のホルダー３を有する分注
処理部４と、その下に設けた水平移動できる摺動ステー
ジ５と、供給スタッカー７と、回収スタッカー９と、各
部の動作を制御する制御装置１５を具備している。ホル
ダー３は分注処理部４の内部機構により３次元的な割り
出し移動ができる。また吸引手段により分注スポイドは
制御された量の吸液・吐出が可能である。スタッカーに
は図２に示すような多数の小容器（キュベット）６を行
列状に整然と配列したプレート（トレー）８が収納され
る。摺動ステージ５には、１個のプレートを支持するプ
レート支持部と、未使用の分注スポイドモジュール２を
多数収容した複数のケース１０と、血液や試薬を収容す
る複数の容器（図１のケース１０の背後にある）を保持
する保持部とが設けてある。なお、スタッカー７、９は
本体フレームへの取り付けの向きを変えられるようにフ
ック１１を有する。

【０００４】スタッカー７、９は垂直移動できるもの
で、摺動ステージ５が移動して供給スタッカー７の下に
プレート支持部が整列し、次いでスタッカー７が降下し
てプレート８を一枚づつステージ５のプレート支持部の
上に供給し、あるいはプレート支持部が回収スタッカー
９に整列し、次いでスタッカー９が降下してプレート８
を回収する。

【０００５】動作において、摺動ステージ５を移動させ
てプレート支持部を供給スタッカー７の下に整列させ、
供給スタッカー７を下降させてプレート８をプレート支
持部に載せ、ステージ５を図１の位置に戻し、分注スポ
イドユニット３を血液あるいは試薬容器上に移動下降さ
せて吸い上げ、次いでプレート８上に移動させて試薬等
をプレートの小容器に吐出して分注する。次に摺動ステ
ージ５を移動させてプレート８を回収スタッカー９に整
列させ、スタッカー９を下降させてプレートをスタッカ
ー９に回収する。

【０００６】従来のスタッカーの構造と動作は図３〜図
６に示す通りである。図４を参照すると、供給スタッカ
ー７の底部開口の左右の縁部にはプレート８の縁部底面
に係合して支持するための爪１２を有する板バネ１３が
取り付けあり、爪１２の下部はテーパしている。図３
（ａ）のようにプレート８を収容した供給スタッカー７
が下降すると、爪１２のテーパ面がステージ５に設けた
爪開閉板１６に係合して開き同図（ｂ）のようにプレー
ト８が落下する。次いで同図（ｃ）のようにスタッカー
７を引き上げると、爪１２はバネ１３の作用で元の位置
に戻り上側のプレート８の下縁部に係止する。

【０００７】図６を参照すると、回収スタッカー９の底
部開口の左右の縁部にはプレート８の縁部底面に係合し
て支持するための爪１７を有する板バネ１８が取り付け
あり、爪１７の下部はテーパしている。また爪１７の中
央部はステージの爪開閉板１６が係合しないように切欠
き１９を有する。図５（ａ）のように回収スタッカー９
が下降すると、爪１７は切欠１９のためにステージの開
閉板１６には係合しないでそのまま下降する。このため
回収済のプレート８をすでに１枚以上保持していてもプ
レートは落下することがない。更に下降すると同図
（ｂ）のように爪のテーパ面がステージ上のプレート８
の周縁部により開放されてその下縁部に係合してこれを
保持する。次いで同図（ｃ）のようにスタッカー９を引
き上げる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】図１〜２に示した従来
例では、プレート８を回収スタッカー９から供給スタッ
カー７に戻す際に、全体のプレートを重ねたままで戻せ
ば逆順になるので、回収スタッカー９の上からプレート
を一枚づつ手作業で取り出しこれを供給スタッカー７の
上から順に挿入しなければならないので、人手がかかる
作業となる。特に時間管理の必要な反応系では正確な管
理ができなくなり、検査や反応の正確が期しがたい。こ
のような不便は、供給スタッカー７が供給専用の構造を
有し、また回収スタッカー９が回収専用の構造を有する
ためである。したがって、本発明の目的はプレートを回
収スタッカーから供給スタッカーに容易に戻すことがで
きる分注装置を提供することである。本発明の他の目的
は順序が逆順にならないようにして回収スタッカーから
供給スタッカーに戻すことができる分注装置を提供する
ことである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、多数の小容器
を有するプレートを複数個重畳して収納するためのプレ
ート収納部と該収納部の底部開放部の対向した縁部に設
けられたプレート支持部材とを有する少なくとも２つの
昇降自在のスタッカーと、分注処理部と、前記プレート
を載せて前記少なくとも２つのスタッカーの底部と前記
分注処理部の底部との間で移動自在のプレートキャリア
とを有する分注装置において、任意のスタッカーから他
のスタッカーへ自由にプレートを自動的に移動できる機
構を鋭意研究して本発明に到達した。すなわち本発明
は、スタッカーの底部開口の対向した側壁に枢着した羽
根の内縁にプレートの縁部底面に係合するための突出部
とキャリアの羽根開閉板を逃がすための切欠を設け、キ
ャリアは第１の位置と第２の位置とで水平回転自在に
し、前記キャリアは任意のスタッカーと整列した状態
で、前記第１の位置では羽根開閉板が羽根の切欠に整列
することによりに羽根に接触しないが、第２の位置では
羽根開閉板が羽根の突出部に係合することにより、所期
の目的を達成した。

【００１０】

【作用】本発明によると、キャリアを第１の位置と第２
の位置の間で水平方向に回転させるだけで各スタッカー
は供給側と回収側とが入れ替わり、詰め替えの作業が容
易に実行できる。好ましくは、２つのスタッカーに使用
する羽根を同一の構造にすると共に、互いに反対向きに
なるように両スタッカー下縁部にそれぞれ取りつける
と、キャリアを１８０度回転させるだけで供給側と回収
側が入れ替わるので、移し替えの作業は単にキャリアを
両スタッカーの間で往復させることによりプレートの自
動的な詰め替えが可能となる。更に従来プレートの向き
を９０度ずらすためには、図１でフック１１を利用して
スタッカーの向きを変える必要があったが、本発明では
キャリアが回転できるのでその必要がない。

【００１１】本発明によると、羽根はプレートを保持す
る位置から上方に枢動自在であり、第１位置において
は、キャリアがスタッカーの底部開口へ向けて垂直に相
対移動させられた時に、キャリアは羽根開閉板が羽根の
切欠を通過するために羽根に接触しないでプレートを底
部開口に押し入れ、次いでプレートの縁部が羽根を持ち
上げて枢動させ、プレートの縁部が羽根を通過すると羽
根は自重でプレート保持位置へ復帰してプレートの下縁
部を支える。こうして回収ないし収納操作を行うことが
できる。また、第２位置においては、キャリアがスタッ
カーの底部開口へ向けて垂直に相対移動させられた時
に、キャリアの羽根開閉板は羽根に係合してこれを持ち
上げて枢動させ、プレートがスタッカーの収納部から羽
根の先端縁を通過して自重で落下した後に、キャリアを
スタッカーの底部開口から引き離すことにより、プレー
トの取出し操作を行うものである。

【００１２】

【実施例】以下に本発明の好ましい構造を説明する。本
発明の分注装置はキャリアとスタッカーの構造が図１に
示したものと違うだけであるので、共通部分の説明は省
く。図７は一部省略した全体図であり、図示しないモー
タにより昇降自在の第１及び第２スタッカー７、９が並
列して設けてあり、その下側には水平に移動する摺動ス
テージ５が配置されており、その上にプレート８を支持
するためのキャリア２０が回転自在に取りつけてある。

【００１３】スタッカーの底部開口部の構造は図８〜９
に詳細に示される。スタッカー７、９の底部開口部の左
右側壁には互いに対称な構造を有する羽根２１、２２
と、２４、２５が水平軸により取りつけられている。第
２のスタッカー用の羽根と底部開放部を示す図９に詳し
いのでこれを参照すると（第１のスタッカー７の羽根２
１、２２はこれらと同一であるが１８０度水平方向に回
転したものであるので説明しない）、羽根２４、２５は
水平軸２６によりそれぞれ支持部材２８、２９に取りつ
けてある。これらの支持部材はスタッカー９の本体の側
壁外面に固定される。また羽根２４、２５には規制ピン
２７がそれぞれ直立しており、これらのピンがスタッカ
ー９の本体の側壁外面に係合することにより羽根の回転
を制限するようになっている（図１０〜１１参照）。各
羽根の先端にはプレートの下縁部を保持するための内縁
部３５が突出しており、またキャリアの後述の羽根開閉
板３８、３９に対するに逃げとなる切欠３６、３７が形
成されている。

【００１４】図７に示したように、キャリア２０は摺動
ステージ５に支持された割出しモータ３０の軸３１によ
りベルト３２を介して駆動される垂直軸３３に支持され
ている。このため、キャリア２０は任意の角度、特に９
０度及び１８０度回転できる。キャリア２０の詳細は図
８、１２、１３に示される。キャリア２０には一つの回
転位置で枢動羽根２１、２２、２４、２５に係合できる
羽根開閉板３８、３９が水平に突出している。またこれ
らの羽根開閉板３８、３９はこの位置から１８０度回転
した位置では各羽根の切欠３６、３７にそれぞれ整列す
ることにより羽根には接触できなくされている。この関
係は図１１、１２に明示されている。以上の構成である
から、本発明の装置は次のように動作する。

【００１５】

【動作】まず、図８のようにスタッカー７と羽根２１、
２２とスタッカー９の羽根２４、２５が同一の構成で且
つ互いに前後逆向きに取り付けてあるものとし、またキ
ャリアは同図の回転位置にあるものとする。この回転位
置では、キャリア２０が各スタッカーに整列しスタッカ
ーが下降した時に羽根開閉板３８、３９はスタッカー７
の羽根２１、２２には係合できるが、スタッカー９の羽
根２４、２５には係合できないので、スタッカー７は供
給スタッカー、スタッカー９は回収スタッカーとなる。
図１０、１２のように、スタッカー７の下にキャリア２
０が整列し、その上にスタッカー７が降下して来た時
に、キャリアの羽根開閉板３８、３９は羽根２１、２２
を押し上げてスタッカー内のプレート８が落下するのに
充分な余地を作る。これによりプレート８はキャリア２
０の上に落下する。

【００１６】次に、スタッカー９の下にキャリア２０が
整列し、その上にスタッカー９が降下して来た時に、キ
ャリアの羽根開閉板３８、３９は羽根２４、２５の切欠
３６、３８に整列するから、羽根開閉板３８、３９は羽
根２３、２４を押し上げることはできないので、羽根２
４、２５はキャリア２０上のプレート８の周縁に係合し
ながらそこを通過し、プレートの下縁部に係合する。こ
の状態からスタッカー９を上昇させるとプレートはスタ
ッカー９に収納される。

【００１７】次に、順方向でプレートを並べ換えるに
は、スタッカー９からスタッカー７に一枚づつプレート
を戻す必要がある。このためには、キャリア２０を１８
０度回転させる。これによりキャリア２０の羽根開閉板
３８、３９と羽根２１、２２、２４、２５の切欠３６、
３８の相対関係は入れ替わるから、スタッカー９を供給
側としスタッカー７を回収側とし、キャリア２０を両ス
タッカーの間で往復させながらスタッカーを昇降させる
だけでよい。すなわち、キャリアを１８０度回転させる
と図１３の状態となり、供給側であったスタッカー７は
図１１に示すように回収側となり、またスタッカー９は
供給側となることが明らかである。

【００１８】

【発明の効果】以上のように、本発明によると、キャリ
アを第１の位置と第２の位置の間で水平方向に回転させ
るだけで供給側と回収側とが入れ替わり、詰め替えの作
業が容易に実行できる。好ましくは、２つのスタッカー
に使用する羽根を同一の構造にすると共に、互いに反対
向きになるようにスタッカー下縁部に取りつけると、キ
ャリアを１８０度回転させるだけで供給側と回収側が入
れ替わるので、移し替えの作業は単にキャリアを両スタ
ッカーの間で往復させることによりがプレートの自動的
な詰め替えが可能となる。なお、更に従来はプレートの
向きを９０度ずらすためには、図１でフック１１を利用
してスタッカーの向きを変える必要があったが、本発明
ではキャリアが回転できるのでその必要がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の分注装置の斜視図である。

【図２】プレートの斜視図である。

【図３】従来の供給スタッカーの構造と動作を示す図で
ある。

【図４】従来の供給スタッカーの構造を示す図である。

【図５】従来の回収スタッカーの構造と動作を示す図で
ある。

【図６】従来の供給スタッカーの構造を示す図である。

【図７】本発明の分注装置の正面図である。

【図８】本発明の分注装置のスタッカーとキャリアの斜
視図である。

【図９】本発明の分注装置のスタッカーのプレート送給
及び回収機構を示す斜視図である。

【図１０】本発明のスタッカーとキャリアによるプレー
ト供給動作を示す図である。

【図１１】本発明のスタッカーとキャリアによるプレー
ト回収動作を示す図である。

【図１２】本発明の羽根とキャリアのプレート送給状態
の相互関係を示す平面図である。

【図１３】図１２のキャリアが１８０度回転してプレー
ト回収状態にある羽根とキャリアの関係を示す図であ
る。

【符号の説明】

２：分注スポイド ３：ホルダー ４：分注処理部 ５：摺動ステージ ７、９：スタッカー ８：プレート ２０：キャリア２０ ２１、２２：羽根 ２４、２５：羽根 ２６：水平軸い ２７：羽根規制ピン ２８、２９：支持部材 ３０：モータ ３１：じく ３２：ベルト ３３：軸 ３５：羽根の内縁部 ３６、３７：羽根の切欠 ３８、３９：キャリアの羽根開閉板

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【手続補正書】

【提出日】平成６年４月７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１０

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１０】

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の穴を有するプレートを複数個重畳
   して収納するための底部開口したプレート収納部を有す
   る昇降自在の少なくとも２つのスタッカーと、前記各ス
   タッカーの底部開口の縁部近くに対向して水平軸に枢着
   され前記収納部に収納される前記プレートの縁部底面に
   係止する下方位置とプレートの通過を許容する上方位置
   の間で枢動自在の一対の羽根と、前記プレートを載せて
   前記少なくとも２つのスタッカーの底部と分注処理部の
   底部との間で移動自在のキャリアとよりなり、前記キャ
   リアは、第１の位置と第２の位置とで水平回転自在であ
   り、前記キャリアと前記各一対の羽根は、前記キャリア
   が任意のスタッカーと整列した状態でそのスタッカーが
   下降した時に、前記第１の位置では接触しないように互
   いに重畳せず第２の位置では互いに係合して前記羽根を
   枢動させるように互いに重畳するような形状をなしてい
   る液体分注装置。
2. 【請求項２】 前記各羽根は切欠を有し、前記キャリア
   は突出する羽根開閉板を有し、前記キャリアが任意のス
   タッカーと整列した状態でそのスタッカーが下降した時
   に、前記第１の位置では前記切欠が前記羽根開閉板に整
   列することにより羽根とキャリアが非接触となり、前記
   第２の位置では羽根開閉板が前記羽根に係合する様にな
   っている、請求項１の液体分注装置。