JPH072418Y2 - 通気性を有する合成樹脂製の包装袋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は包装袋に関するものであるが、詳しくはハンバ
ーガー、ホットドック等の食品を詰めてシールする包装
袋のうち、通気性を有する合成樹脂製の包装袋に関する
ものである。

〔従来の技術〕

従来から一般的に使用されているハンバーガー、ホット
ドック等の食品用の包装袋は、紙袋やビニール袋が多用
されている。また、これらの袋のコーナーが糊や接着剤
等で貼着されている。従って、紙袋の場合は、乾燥され
ている食品を入れるの適しているが、水気、高温等の食
品を入れるのには不向きとされている。また、ビニール
袋の場合は、水気、高温等いかなる食品でも包装できる
が、通気性が無く変色、腐敗等の発生原因となりやすか
った。特にビニール袋の場合は、通気性が無いため、袋
内に食品を入れたまま電子レンジ等で加熱すると、水蒸
気が充満して、袋が破られたり破損するばかりか、中味
の食品が変質する、など多くの問題点が生じていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕 かかる問題点を解決するために、従来の紙袋とビニール
袋との特性を生かすと共に欠点を解消し、しかも簡単に
製作できる包装袋にしようとするところに、本考案が解
決しようとする問題点がある。すなわち、包装袋用の紙
材にオレフィン系合成樹脂材を通気性を損なわない程度
にコーティングして、このコーティング面と透明性のあ
る合成樹脂フィルムとを圧着成形することで容易に製作
できるようにし、袋内の水蒸気を通過させると共に中が
見える包装袋にしようとしたところに、本考案が解決し
ようとする問題点がある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記の如き問題点を解決するために開発した
ものであって、軟質でシート状の紙材にオレフィン系の
合成樹脂材を通気性を損なわない程度にコーティング
し、かつ任意形状で同形とした表裏面２、３におけるコ
ーティング面の両側部に、前記オレフィン系合成樹脂材
に圧着可能で透明性を有する合成樹脂フィルムにて構成
した側面４、４を、１部を残して接着剤を使用せずに圧
着成形して開口部６を形成し、食品を包装状態で加熱可
能とした通気性を有する合成樹脂製の包装袋である。

〔作用〕

上記構成になる通気性を有する合成樹脂製の包装袋によ
れば、側面４、４は、オレフィン系合成樹脂材に圧着可
能な合成樹脂フィルムそのもので構成されているから、
紙材に通気性を損なわない程度にオレフィン系合成樹脂
材をコーティングしてある表裏面２、３に接着剤を使用
しないでも圧着成形して袋体とすることができ、紙材の
特性である通気性を持たせる一方、合成樹脂材の特性で
ある密封性を兼ね備えている。この包装袋の開口部６か
ら調理直後の食品を入れて封をし、この状態でも食品か
ら発生する水蒸気は、表裏面２、３から抜け、透明な側
面４、４からは食品を見ることができる。更に、食する
時に、食品を包装状態のまま電子レンジなどで加熱して
も、発生した水蒸気は表裏面２、３から抜け、かつ接着
剤による臭いの発生もなく、包装袋の任意箇所を開封し
て食品を裸出して食べる。

〔実施例〕

以下、図面に従って本考案の実施例について説明する。

第１図は、本考案の通気性を有する合成樹脂製の包装袋
の一例を図示したものであり、１はその包装袋本体であ
る。包装袋本体１は、長方形状に成形されて、表面２と
裏面３とには軟質でシート状の紙材にオレフィン系合成
樹脂材を通気性を損なわない程度にコーティングした不
透明のものを用い、側面４、４には透明性を有し、上述
のオレフィン系合成樹脂材に圧着可能な合成樹脂フィル
ムが使用されている。側面４、４は第１図（ロ）に示し
てあるように、中央部が内側に折り曲げられており、使
用前はこの折りまげ部分が平らになり、第１図（イ）に
示すように従来の袋体と同様の形状となるので、使用前
の取り扱い面では従来と変わらず便利となる。５は表裏
面２、３と側面４、４との縁部であり、この縁部５は、
接着剤や糊を使用せずに、オレフィン系合成樹脂材を通
気性を損なわない程度にコーティングした面と合成樹脂
フィルムそのものとを、圧着成形によりシールされてい
る。６は包装袋本体１の開口部であり、食品を袋詰めす
る部分であり、（ハ）図に示すようにハンバーガー（食
品）Ａがシールされており、表裏面２、３からは中味は
見えないが、両側面４、４からは見えるようになってい
る。このように表裏面２、３のフィルムが通気性を有し
ており、両側面４、４は従来の通気性を有していない透
明フィルムにより構成されているので、表裏面２、３の
フィルム部分から水蒸気が通過して、ハンバーガーＡ等
の食品の味、香り、色つや等を変質させることなく、良
好な状態で保存させることができる。また、通気性を有
することによって、調理直後の高温のハンバーガーＡを
包装しても、高温の水蒸気が抜けるから温度を低下させ
やすい。更に、縁部５の接合部に接着剤を使用していな
いので、ハンバーガーＡを包装状態のまま電子レンジ等
で加熱しても、その加熱時に発生する接着剤の悪臭や異
臭が食品に付着されることがなくなるなどの効果もあ
る。

〔考案の効果〕

本考案は、以上のように構成されているので、側面は、
紙材にコーティングしたオレフィン系合成樹脂材に圧着
可能な合成樹脂フィルムそのもので構成されているか
ら、紙材にオレフィン系合成樹脂材を通気性を損なわな
い程度にコーティングしてある表裏面に、側面を接着剤
を使用しないで圧着成形して、袋体とすることができ
る。そのため、その製作がきわめて容易で、側面がある
ことにより包装容量の大きい包装袋を得ることが可能に
なる。

また、本考案は、紙材の特性である通気性を持たせる一
方、オレフィン系合成樹脂材の特性である密封性を兼ね
備えた包装袋であるから、この包装袋の開口部６から調
理直後の高温の食品を入れて封をしても、この状態でも
食品から発生する水蒸気は表裏面２、３から抜け、水蒸
気により食品が変質しないで、商品としての状態を良好
のまま保つことができる。加えて、熱を持った水蒸気が
抜けることで、食品の温度及び包装袋内の湿度を低下さ
せやすく、食品を保存させやすい。

また、本考案は、透明な側面を有するので、包装する食
品が、例えばハンバーガーであれば、購入者が横方向か
ら見ることができ、ホットドッグであれば、上方向から
見ることができる。

更に、食する時に、食品を包装状態のまま電子レンジな
どで加熱しても、発生した水蒸気は表裏面２、３から抜
けるから、袋内に充満して包装袋を破裂させず食品の保
存状態を変化させない。従って、包装状態のまま食品を
加熱し、かつその際接着剤による臭いも食品に付着せ
ず、包装袋の任意箇所を開封して食品を裸出して食べる
ことができる。

以上のような多くの具体的な効果を有している本考案
は、衛生面、取扱面、操作面、作業面、経済面、実用面
等あらゆる面から見ても従来には見ることのできなかっ
た通気性を有する合成樹脂性の包装袋を提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の通気性を有する合成樹脂製の包装袋を
示した概要説明図 １……包装袋本体 ２……表面、３……裏面 ４……側面、５……縁部 ６……開口部 Ａ……ハンバーガー（食品）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−97202（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−135460（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−22736（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−153838（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭64−14647（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】「軟質でシート状の紙材にオレフィン系合
   成樹脂材を通気性を損なわない程度にコーティングし、
   かつ任意形状で同形とした表裏面２、３におけるコーテ
   ィング面の両側部に、前記オレフィン系合成樹脂材に圧
   着可能で透明性を有する合成樹脂フィルムにて構成した
   側面４、４を、１部を残して接着剤を使用せずに圧着成
   形して開口部６を形成し、食品を包装状態で加熱可能と
   したことを特徴とする通気性を有する合成樹脂製の包装
   袋。