JPH07241520A - 意匠塗膜形成方法 - Google Patents

意匠塗膜形成方法

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JPH07241520A
JPH07241520A JP5824594A JP5824594A JPH07241520A JP H07241520 A JPH07241520 A JP H07241520A JP 5824594 A JP5824594 A JP 5824594A JP 5824594 A JP5824594 A JP 5824594A JP H07241520 A JPH07241520 A JP H07241520A
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孝一 高橋
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東 柳田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 彩度が高くてシェード部での底濁り感がな
く、着色下地の色相を再現する優れたパール調光輝感を
与える意匠塗膜形成方法を提供する。 【構成】 (1) マンセル表示系における明度が3以上
で、彩度が2以上の着色下地塗膜形成工程、(2) 重量比
(P1/P2) が95/5〜50/50 の範囲にある二酸化チタン被覆
薄片状硫酸バリウム顔料と二酸化チタン被覆雲母顔料か
らなる光輝顔料を、樹脂固形分100 重量部当たり3〜10
重量部含有する光輝層塗膜形成工程、および(3) クリヤ
ー塗膜形成工程を、順次に施して複層塗膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車およびその部品
類、自転車、家電製品などを対象とする工業塗装に有用
な意匠塗膜形成方法に係り、詳しくは、彩度が高く、濁
りがなく、着色下地の色感を再現するパール調光輝感を
与える意匠性に優れた複層塗膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗膜にパール調光輝感を与える塗
料成分として鱗片状雲母の表面に二酸化チタンの薄膜を
コーティングしたシルバおよび干渉雲母チタンが用いら
れている。塗膜の形成は該雲母顔料を含む塗料を着色し
た下地塗膜上に塗布し、さらにクリヤーコートを形成す
る3コート系の複層塗膜形成法によって行われている。
【0003】この種のシルバおよび干渉雲母チタンを含
む塗料系の塗装技術としては、例えば粒子サイズが5〜
25μm の二酸化チタン被覆雲母顔料を含むラッカーを
塗装し、更にクリヤラッカーを塗装する真珠光沢顔料に
よるラッカー塗装方法(特開昭58−166964号公報)、マ
ンセルカラーチャートでN−4〜N−8のカラーベース
上に6〜13%(樹脂固形分比)の主として二酸化チタ
ンからなる金属酸化物で被覆した雲母を含む透明なパー
ル塗膜を塗装し、さらにトップクリヤーコートを塗装す
る被覆方法(特開昭61−37423 号公報) 、着色下地塗膜
上にチタナイズドマイカ顔料を含有する低隠蔽塗料を上
塗りする場合、チタナイズドマイカ顔料としてその顔料
干渉色が着色下地塗膜の色相と同系統のものを用いる塗
装仕上げ方法(特開昭59−160571号公報)等が提案され
ている。
【0004】これら二酸化チタン被覆雲母顔料の基材と
しては、優れた光輝性を得るために表面が平滑で薄片状
の天然白雲母が選択的に使用されている。ところが、天
然白雲母には不純物として微量の鉄分、泥土等が含まれ
ており、これら成分が被覆した水酸化チタンを焼成して
TiO2 に転化させる際に酸化されて淡黄色や微黄褐色
を呈する現象を惹起する。このような現象が発生する
と、白雲母特有の純粋な白色性が阻害され、シェード部
において底濁りの視感を与える。
【0005】このような問題を解消するために、被覆基
材を透明性の高い薄片状硫酸バリウム単結晶とした二酸
化チタン被覆硫酸バリウム顔料からなる真珠様光沢組成
物とその製造方法が本出願人の一人によって開発されて
いる(特公昭47−24930 号公報) 。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の二酸化チタン被
覆薄片状硫酸バリウム顔料は、二酸化チタン被覆雲母顔
料に比べて透明感に優れるうえに、純粋な単結晶である
ため着色原因となる不純物が含まれていない。したがっ
て、上述した二酸化チタン被覆雲母顔料を用いる際の色
相上の問題は解消されるものの、光輝感が乏しい難点が
あった。
【0007】本発明者らは、上記のような二酸化チタン
被覆雲母顔料および二酸化チタン被覆薄片状硫酸バリウ
ム顔料に固有の欠点を解決すべく鋭意研究を重ねた結
果、これら二酸化チタン被覆雲母顔料と二酸化チタン被
覆薄片状硫酸バリウム顔料を特定範囲の量比で配合して
塗料化し、これを一定の明度および彩度を有する着色下
地塗装面に塗布し、更に上面にクリヤー塗膜を形成する
と、両顔料成分が個々の欠点を相互に補完し合って着色
下地の色相を示すパール調光輝感が発現する事実を確認
した。
【0008】本発明は前記の知見に基づいて開発された
もので、その目的は、彩度が高くてシェード部での底濁
り感がなく、着色下地の色調を再現する優れたパール調
光輝感を与える意匠塗膜形成方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による意匠塗膜形成方法は、下記 (1)〜(3)
の塗膜形成工程を順次に施すことを構成上の特徴とす
る。 (1)マンセル表示系における明度が3以上で、彩度が2
以上の着色下地層塗膜形成工程 (2)重量比(P1/P2)で95/5〜50/50の範囲にあ
る二酸化チタン被覆薄片状硫酸バリウム顔料(P1)と二酸
化チタン被覆雲母顔料(P2)からなる組成の光輝性顔料
を、樹脂固形分100重量部当たり3〜10重量部含有
する光輝層塗膜形成工程、および (3)クリヤー塗膜形成工程
【0010】本発明の意匠塗膜形成対象となる被塗物
は、鉄、アルミニウム、銅もしくはこれらの合金を含む
金属類を始めとして、ガラス、セメント、コンクリート
などの無機材料、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリアクリ
ル、ポリエステル、エチレン−ポリビニルアルコール共
重合体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリカーボネー
ト、ポリウレタン等の樹脂成形品および各種FRPなど
のプラスチック材料、木材、繊維材料が該当する。な
お、これら被塗基材に予め適宜なアンダーコートやプレ
コート処理を施すことは任意である。
【0011】塗装は被塗物に直接塗布することもできる
が、例えば自動車の塗装等においては、通常、表面化成
処理後に電着塗料などによる下塗り塗装を施し、塗膜が
硬化した後に塗膜を形成する。塗装方法としては、霧化
式塗装やロールコーター式塗装が使用されるが、特に霧
化式塗装法によるエアスプレー塗装、静電塗装などが好
適に用いられる。
【0012】被塗物には、まず一般的にカラー中塗り塗
料と称される着色下地塗膜を形成する。カラー中塗り塗
料に使用される顔料は、塗料用に常用される有機系、無
機系の各種着色顔料および体質顔料が使用可能である。
着色顔料としては、例えば有機系のアゾレーキ系顔料、
不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系
顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔
料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソイ
ンドリノン系顔料、金属錯体顔料など、無機系の黄鉛、
黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタ
ンなど、体質顔料として炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、クレー、タルクなどが用いられる。また、塗膜形成
用のビヒクルとなる樹脂としては、アクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、アルキド樹脂などの基本樹脂にアミノ樹
脂や(ブロック)ポリイソシアネートなどの架橋剤を混
合した系が挙げられる。このほか、常温乾燥により硬化
することができる2液型ポリウレタン樹脂やシリコーン
樹脂なども用いられる。形成する着色下地塗膜の乾燥膜
厚は、25〜50μm 、好ましくは30〜40μm の範
囲である。
【0013】この工程で形成する着色下地塗膜は、着色
顔料とビヒクル樹脂との配合比率を制御して、塗膜の色
相がマンセル表示系で明度が3以上、彩度が2以上にな
るように調整する。明度が3未満になると白ぼけ感が生
じたり色むらが発生するようになり、また彩度が2を下
廻ると底濁り感が増大するようになって、いずれの場合
も着色下地の色調を効果的に再現するパール調光輝感を
発現することができなくなる。特に好ましい着色下地塗
膜の色相は、マンセル表示系の明度が6以上、彩度が4
以上である。
【0014】着色下地塗膜面には、二酸化チタン被覆薄
片状硫酸バリウム顔料と二酸化チタン被覆雲母顔料を配
合した光輝性顔料を含む塗料をドライオンウエットによ
り塗装して光輝層塗膜を形成する。工程によっては、ウ
エットオンウエットによることも可能である。
【0015】光輝性塗料を構成する二酸化チタン被覆薄
片状硫酸バリウム顔料(P1)は、薄片状硫酸バリウム単結
晶粉末の表面に二酸化チタンが薄層としてコーティング
された被覆組成を有するもので、次のようにして調製す
ることができる。硫酸塩濃度が0.5〜0.001mol/
l の可溶性硫酸塩溶液にバリウム塩濃度が0.5〜0.
001mol/l の可溶性バリウム塩溶液を加え、常温から
沸点まで酸性pH領域の条件下で反応させて大きさが5
〜100μm 、厚さが0.05〜1μm 程度の薄片状硫
酸バリウムの単結晶を生成する。例えば、塩酸によりp
H3に調整し、40℃に加温した硫酸アンモニウムの
0.01モル溶液10l に、40℃に加温した塩化バリ
ウムの0.02モル溶液5.5l を加えて反応させる
と、長径5〜100μm 、短径5〜30μm の薄片アス
ペクト性状を備えるやや変形した硫酸バリウムの菱形結
晶は生成する。好ましくは、長径10〜40μm 、短径
5〜30μm である。
【0016】得られた薄片状硫酸バリウムを水洗し、分
級したのち純水に懸濁させ、硫酸チタニル、四塩化チタ
ンその他の水溶性チタン化合物あるいは錯化合物を加え
て熱もしくはアルカリにより加水分解する。この加水分
解により薄片状硫酸バリウムの表面に付着した水酸化チ
タンを水洗後の焼成処理することにより、二酸化チタン
として薄層被覆される。この工程では、着色を妨げない
範囲で、錫やジルコニウム等の金属酸化物を添加しても
よい。このようにして、真珠光沢と干渉性をもつパール
光輝感の二酸化チタン被覆薄片状硫酸バリウム顔料が得
られる。
【0017】一方、二酸化チタン被覆雲母顔料(P2)とし
ては雲母微粉末に二酸化チタンが薄層でコーティングさ
れた真珠光沢を発するものが用いられ、上記の二酸化チ
タン被覆薄片状硫酸バリウム顔料と併用して配合され
る。二酸化チタン被覆薄片状硫酸バリウム顔料(P1)と二
酸化チタン被覆雲母顔料(P2)の配合比率は、重量比(P1/
P2) として95/5〜50/50の範囲に設定する。二
酸化チタン被覆雲母顔料の配合比率が前記範囲を下廻る
と光輝感が減退し、また前記範囲を越えると底濁り感が
強まって着色下地塗膜の色相が濁るようになる。より好
ましい配合重量比(P1/P2) は、80/20〜50/50
の範囲である。
【0018】二酸化チタン被覆薄片状硫酸バリウム顔料
と二酸化チタン被覆雲母顔料を配合した組成の光輝性顔
料は、ビヒクル成分に混合して光輝性塗料を作製する。
ビヒクルとなる樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、アルキド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂な
どの基体樹脂にアミノ樹脂や(ブロック)ポリイソシア
ネートなどの架橋剤と混合して使用されるが、これら樹
脂は1種に限らず2種以上を組み合わせて使用すること
もできる。このほか、常温乾燥により硬化することがで
きる2液型ポリウレタン樹脂やシリコーン樹脂なども用
いられる。
【0019】ビヒクル樹脂に対する光輝性顔料の添加量
は、樹脂固形分100重量部当たり3〜10重量部、好
ましくは4〜8重量部である。この添加量が3重量部を
下廻ると干渉色および光輝感が低下し、10重量部を越
えると光輝感が強すぎて白ぼけしたり、着色下地色の再
現化が減退する。形成する光輝層塗膜の厚さは、乾燥膜
厚として10〜30μm の範囲が好適である。
【0020】上記の光輝性塗料には、微小樹脂粒からな
る架橋重合体微粒子を加えてもよく、この添加は粘性を
制御し、塗膜の外観を改善するために有効に機能する。
該架橋重合体微粒子は、例えばエチレン性不飽和単量体
を架橋性の共重合単量体と水性媒体中でサスペンジョン
重合または乳化重合させ、得られた微小樹脂粒子分散液
を溶媒置換、共沸、遠心分離乾燥などにより水を除去す
る方法、脂肪酸炭化水素などの低SP有機溶媒またはエ
ステル、ケトン、アルコールなどの高SP有機溶媒のよ
うにモノマーは溶解するが重合体は溶解しない非水性有
機溶媒中で、エチレン性不飽和単量体と架橋性共重合体
とを共重合させ、得られた微小樹脂粒子(共重合体)を
分散させる方法(NAD法または沈殿析出法と称され
る)などにより製造される。このほか、特開昭58−1
29066号公報に記載のある両イオン性基を有する水
溶性樹脂を使用する方法を採用してもよい。
【0021】添加する架橋重合体微粒子は、平均粒径が
0.01〜10μm の範囲にあることが好ましく、例え
ば日本ペイント(株)製のAZS797、AZS597
などが好適に使用される。配合量は、樹脂固形分100
重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より
好ましくは0.5〜10重量部とする。
【0022】このほか、光輝性塗料には従来の塗料組成
物に常用されている各種の添加剤を任意に配合すること
ができる。添加剤としては、例えば酸化ポリエチレンワ
ックスおよびポリアマイドワックス等の沈降防止剤、ド
デシルベンゼンスルホン酸等の硬化触媒、ベンゾトリア
ゾール系の紫外線吸収剤、ベンゾフェノール系の酸化防
止剤、シリコーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止
め剤、増粘剤などが挙げられる。これらの成分は、通
常、塗膜形成用樹脂100重量部に対し5重量部以下の
配合量で塗料や塗膜の性能を改善することができる。
【0023】なお、上塗り塗料は有機溶媒型が一般的で
あるが、これに限られるものではなく非水分散液型、水
溶液型、水分散液型など各種の形態として塗料構成する
ことができる。製造時の固形分は、30〜70重量%が
好ましい。塗装に際しては、有機溶剤、水等の溶媒で塗
装適性粘度に希釈して用いるが、塗装時の固形分は10
〜50重量%が好ましい。
【0024】ついで、光輝性塗膜面にクリヤー塗料をウ
エットオンウエット方式で塗布し、クリヤー塗膜を形成
する。クリヤー塗料としては、光輝性塗料に用いたビヒ
クル樹脂と同様の一般に常用される透明性樹脂が使用さ
れる。光輝性塗膜とクリヤー塗膜は、2コート1ベーク
方式により同時に硬化させて複合塗膜を形成する。形成
するクリヤー塗膜の好ましい乾燥膜厚は、30〜60μ
m である。
【0025】
【作用】本発明の意匠塗膜形成方法は、一定以上の色相
を有する着色下地塗膜面に、光輝性顔料成分を含む塗料
を塗布して光輝性塗膜を形成し、更にクリヤー塗膜を形
成する工程からなるが、特に光輝性顔料として特定比率
範囲で配合された二酸化チタン被覆薄片状硫酸バリウム
と二酸化チタン被覆雲母顔料からなる組成の光輝性顔料
成分を選択使用したところに目的の作用効果をもたらす
主要な構成要素がある。すなわち、光輝性顔料の基材と
なる硫酸バリウムの屈折率は1.64で他方の基材とな
る雲母の屈折率1.54〜1.59に近似している。こ
のため、二酸化チタン被覆薄片状硫酸バリウム顔料は、
塗膜内部で高度な透明度を示し、そのうえ基材が単結晶
であって不純物が含有されていないため顔料自体に濁り
がない。一方、二酸化チタン被覆雲母顔料は、二酸化チ
タン被覆薄片状硫酸バリウム顔料が引き起こす光輝感の
弱化現象を補完するために機能する。
【0026】このような顔料成分の相互補完機能は、二
酸化チタン被覆薄片状硫酸バリウム(P1)と二酸化チタン
被覆雲母顔料(P2)を重量比(P1/P2) で95/5〜50/
50の範囲に設定した場合に効果的に発揮され、着色下
地塗膜の明度および彩度の低下を最小限に留めた状態
で、底濁り感、白ぼけ感および色むら等を伴うことなく
着色下地の色相を鮮明に再現するパール調光輝感を発現
する。したがって、常に意匠性に優れる光輝性塗膜を形
成することが可能となる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。各例で適用した二酸化チタン被覆薄膜
状硫酸バリウム顔料(P1)、二酸化チタン被覆雲母顔料(P
2)および塗膜形成樹脂等は下記の市販品とした。なお、
表1〜7における前記成分の表示は各成分の前に示した
記号によった。配合量は固形分の重量部で示した。
【0028】二酸化チタン被覆薄片状硫酸バリウム顔料
(P1); (P1a) 日本光研工業(株)製、“ジェネスター710
1”(シルバー色) (P1b) 日本光研工業(株)製、“ジェネスター720
1”(干渉ゴールド) 二酸化チタン被覆雲母顔料(P2); (P2a) メルクジャパン社製、“イリオジン103WII”
(シルバー色) (P2b) メルクジャパン社製、“イリオジン205WII”
(干渉ゴールド) 酸化鉄被覆雲母顔料(P3:比較例用) ; (P3)メルクジャパン社製、“NPラセットWII” 塗膜形成樹脂; アクリル樹脂は、スチレン/メチルメタアクリレート/
エチルアクリレート・ヒドロキシエチルメタアクリレー
ト/メタアクリル酸の共重合体、数平均分子量2000
0、水酸基価45、酸価15、固形分50%。メラミン
樹脂は三井東圧化学(株)製、“ユーバン20SE”
(固形分60%) を用いた。
【0029】実施例1〜16、比較例1〜17 リン酸亜鉛で化成処理した厚さ0.8mmのダル鋼板基材
に、カチオン電着塗料〔日本ペイント(株)製、“パワ
ートップU−50”〕を乾燥塗膜が25μm になるよう
に塗装したのち、160℃で30分間焼付けた。この電
着塗膜面にポリエステル/メラミン樹脂系の中塗塗料
〔日本ペイント(株)製、“オルガS−90シーラー”
ブルー、エロー、グリーン、レッド、ブルーグリーン、
エンジ〕を乾燥塗膜が40μm になるようにエアスプレ
ー塗装し、140℃で30分間焼付けして試験板を作製
した。形成した着色下地塗膜につき、マンセル色票と合
わせてそれぞれ色相を測定した(表1〜7の上部欄外に
表示)。
【0030】二酸化チタン被覆薄片状硫酸バリウム顔料
(P1)と二酸化チタン被覆雲母顔料(P2)を所定の重量比(P
1/P2) で、樹脂固形分100重量部に対する光輝性顔料
の配合量を各表の含有量で示した割合に配合し、これを
塗料形成樹脂〔アクリル樹脂/メラミン樹脂=80/20(固
形分) 〕に混合して光輝性塗料を調製した。この光輝性
塗料を、フォードカップ#4で20℃、12〜15秒と
なるように溶剤(トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢
酸ブチル=70/15/10/5)で粘度調整し、乾燥塗膜が15
μm になるように試験片の着色下地塗膜面に塗装した。
塗装は静電塗装機〔ランズバーグゲマ社製、Auto
REA〕を用い霧化圧2.8kg/cm2でおこない、塗装中
のブースの雰囲気は温度25℃、湿度75%に保持し
た。
【0031】塗装後3分間セッティングを施したのち、
アクリル/メラミン樹脂系クリヤー塗料〔日本ペイント
(株)製、“スーパーラック0−100”〕を乾燥膜厚
が約35μm になるようウエットオンウエットにより塗
装した。ついで、約10分間室温でセッティングしたの
ち、140℃で30分間焼付けた。
【0032】形成した塗膜につき、下記の基準でCIE
(L* , a* , b* )表示系における色相の光学測定、
および目視観察による底濁り感、白ぼけ感、光輝感、色
むらを判定評価した。その結果を、着色下地塗膜の中塗
色相毎に、光輝性塗料の二酸化チタン被覆薄片状硫酸バ
リウム顔料(P1)および二酸化チタン被覆雲母顔料(P2)の
種類、配合比(P1/P2) 、樹脂固形分100重量部に対す
る光輝性顔料の含有量(重量部)と対比させて表1〜7
に示した。なお、表6および表7は、着色下地層塗膜の
明度または彩度が本発明の要件範囲を外れる例である。
【0033】CIE(L* , a* , b* )表示系におけ
る色相の測定;変角分光測色計〔村上色彩研究所製、G
CMS−3型、D65光源、2度視野〕を用い、図1に示
すように塗膜形成した測定試料に対し垂線から45°の
角度で光源を照明し、その照明角度の正反射方向から光
源側に15°(ハイライト方向の受光点H)および11
0°(シェード方向の受光点S)の角度で同時に受光し
た。これを明度−彩度のL* a * b * 表色系により測色
し、明度(L* )、彩度(C* ) を測定した。C*
{(a* )2+(b* )21/2 により計算した。表中のΔL*
およびΔC* は、着色下地塗膜との差である。
【0034】目視判定評価の基準;目視観察による判定
評価の基準は、下記によった。 底濁り感:◎全くなし ○殆どなし □若干あり △あ
り ×強い 白ぼけ感:◎全くなし ○殆どなし □若干あり △あ
り ×強い 光輝感 :◎非常に強い ○強い □やや弱い △弱い
×なし 色むら :◎非常に強い ○強い □やや弱い △弱い
×なし
【0035】
【表1】 表注:S部はシェード部、H部はハイライト部を示す
(以下、同じ)。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
【表7】
【0042】表1〜7の結果から、本発明により形成さ
れた実施例による意匠塗膜は相対的にΔL* およびΔC
* の幅が小さくなり、底濁り感、白ぼけ感が少なく、か
つ色むらのない優れた光輝性を保持している。これに対
し、本発明の要件を外れる比較例群は底濁り感、白ぼけ
感、光輝感および色むらの少なくとも1つの性能におい
て劣っており、実施例塗膜のような着色下地の色感を明
確に再現するパール調光輝感を発現させることができな
かった。
【0043】なお、本発明の好ましい態様は、以下のと
おりである。 (1)着色下地層塗膜を焼付硬化後、光輝性塗膜とクリヤ
ー塗膜をウエットオンウエット方式で形成する意匠塗膜
形成方法。 (2)光輝性塗膜中の二酸化チタン被覆薄片状硫酸バリウ
ム(P1)と二酸化チタン被覆雲母顔料(P2)の重量比(P1/P
2) が80/20〜50/50である意匠性塗膜形成方
法。 (3)光輝層塗膜中の光輝性顔料を樹脂固形分100重量
部当たり4〜8重量部とする意匠性塗膜形成方法。 (4)着色下地層塗膜のマンセル表示系における明度が6
以上、彩度が4以上である意匠性塗膜形成方法。 (5)光輝層塗膜中の二酸化チタン被覆薄片状硫酸バリウ
ム顔料(P1)の粒度が、長径5〜100μm 、短径5〜3
0μm である意匠性塗膜形成方法。 (6)着色下地層塗膜/光輝層塗膜/クリヤー塗膜の乾燥
膜厚が25〜50μm /10〜30μm /30〜60μ
m である意匠性塗膜形成方法。 (7)光輝層塗膜の樹脂がアクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、アルキド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂から選ば
れた少なくとも1種の熱硬化性樹脂とアミノ樹脂および
/または(ブロック)ポリイソシアネートからなる架橋
剤の組合せである意匠性塗膜の形成方法。 (8)着色下地層塗膜を化成処理後、電着塗装された電着
塗膜層の上に形成する意匠性塗膜形成方法。
【0044】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る意匠塗膜形
成方法に従えば、一定の色相を有する着色下地層塗膜面
に、特定配合比率の酸化チタン被覆薄片状硫酸バリウム
顔料と二酸化チタン被覆雲母顔料を含む光輝性塗膜、お
よびクリヤー塗膜を形成する工程を順次に施すことによ
り、濁りや色むらのない状態で着色下地の色感を再現す
るパール調光輝感の複層塗膜を得ることが可能となる。
したがって、優れた意匠性が要求される自動車車体の外
面塗装をはじめ、各種の被塗基材に対し高品位の複層塗
膜を形成する目的に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における色相測定法を示した説明図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳田 東 東京都立川市一番町6丁目1番地2 日本 光研工業株式会社内 (72)発明者 木村 和広 東京都立川市一番町6丁目1番地2 日本 光研工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記 (1)〜(3) の塗膜形成工程を順次に
    施すことを特徴とする意匠塗膜形成方法。 (1)マンセル表示系における明度が3以上で、彩度が2
    以上の着色下地層塗膜形成工程 (2)重量比(P1/P2)で95/5〜50/50の範囲にあ
    る二酸化チタン被覆薄片状硫酸バリウム顔料(P1)と二酸
    化チタン被覆雲母顔料(P2)からなる組成の光輝性顔料
    を、樹脂固形分100重量部当たり3〜10重量部含有
    する光輝層塗膜形成工程、および (3)クリヤー塗膜形成工程
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11249594A (ja) * 1998-02-27 1999-09-17 Pilot Ink Co Ltd 磁気表示装置
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JP2006328182A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Toyota Motor Corp シルバー発色の真珠光沢顔料およびその製造方法
JP2012170909A (ja) * 2011-02-22 2012-09-10 Kansai Paint Co Ltd 複層塗膜形成方法
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