JPH07241313A - 止血用貼付材 - Google Patents

止血用貼付材

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JPH07241313A
JPH07241313A JP6014494A JP6014494A JPH07241313A JP H07241313 A JPH07241313 A JP H07241313A JP 6014494 A JP6014494 A JP 6014494A JP 6014494 A JP6014494 A JP 6014494A JP H07241313 A JPH07241313 A JP H07241313A
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pad
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adhesive layer
sensitive adhesive
pressure
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JP6014494A
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Toshio Ito
俊男 伊藤
Takayuki Akutsu
孝幸 圷
Tsugio Saito
次雄 斎藤
Takayoshi Numata
隆善 沼田
Fumio Tokumura
文男 徳村
Katsumi Kusumi
勝已 楠見
Kunihiro Oyama
国広 大山
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Nichiban Co Ltd
Original Assignee
Nichiban Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動脈穿刺を伴う治療や検査の際に使用した注
射針等を抜いた後の穿刺部における動脈止血を簡易、確
実に行う。 【構成、作用】 伸縮性で、片面に粘着剤を有する貼付
材の上面中央部に大きな押圧板を位置させ、この押圧板
の上にパッドを定置する。このパッドは、動脈に対する
穿刺部を押圧できるような大きさになっている。またこ
の圧迫体は厚味が厚く、約3〜20mm程度であり、動脈
を圧迫できる硬さを有している。上記パッドを穿刺部に
当て、貼付材を引伸ばし皮膚に貼付けて固定すれば、収
縮しようとする貼付材が、押圧板によってパッドを強く
穿刺部に押付ける。これにより、穿刺部は圧迫されて塞
がれ、止血される。上記押圧板には、これを摘み易いよ
うに凹部を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、止血用の貼付材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、動脈穿刺カテ−テル、動脈造影、
動脈内注射などの動脈穿刺を伴う治療や検査が広く行わ
れている。動脈穿刺カテ−テルは、例えば、手術時に動
脈圧をモニタ−したり、動脈血を採取して血液の状態か
ら肺の状態を知るために広く行われているし、血液透析
等の場合にも実施されている。また、動脈造影は診断の
場合だけでなく、動脈塞栓術や経皮カテ−テル的血管形
成術などにも広く用いられている。
【0003】従来、この動脈穿刺を伴う治療や検査を行
ったときは、多くの場合その治療等の後に注射針、カテ
−テル、医療用チュ−ブ等を動脈管から取外し、その取
外した部分(穿刺部)を手によってほぼ10分間以上押
えておく。その後に、穿刺部にガ−ゼを置き、その上か
ら大きな枕状のパッドを当てて縛りつけ、動脈管を圧迫
して止血し、止血されたことを確認し、患者を病棟等に
戻すようにしている。そして、このような動脈穿刺を伴
う治療後の止血を医師又は看護婦が行っているが、治療
後の医師及び看護婦には多くの仕事が残されており、こ
うした止血作業の効率化が望まれている。また、動脈止
血については、血圧が約100〜150mmHgと高いこと
もあって、今のところこれを簡易かつ効果的に行えるよ
うなものがないのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな動脈穿刺して治療や検査を行った後に、動脈穿刺部
における注射針等を抜いた後の止血を、容易かつ確実に
できるようにするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、パッドで血管
に対する穿刺部を覆うように定置し、このパッドの上に
上記パッドより大きな押圧板を位置させ、これらを粘着
剤付基材によって患部に固定し、上記押圧板により押圧
作用を強めたパッドにより上記血管の穿刺部を圧迫して
止血し、確実な止血を行おうとするものである。
【0006】以下図面を参照して詳細を述べれば、基材
1の一面に粘着剤層2を形成している(図1〜図3)。
上記基材は、プラスチックシ−ト、布、不織布その他種
々の材料を使用することができる。この場合、伸縮性の
あるものを使用すれば、後記するようにこの基材を引延
ばすようにして穿刺部に貼付けると、貼付けた後にこれ
が縮むようになるので、後記するパッドを刺孔部に押圧
することを更に効果的に行うことができる。
【0007】動脈止血に用いる場合、上記基材は、強い
復元作用を有する伸縮性の材料が好ましく、50%伸長
力(50%伸長させる場合の応力)が約200〜700
gf/20mm程度、好ましくは約300〜600gf/20
mm程度で、100%伸長したときの回復率が約85%以
上のものが効果的に使用することができる。こうしたも
のとして、例えばポリウレタン弾性繊維の細い連続フイ
ラメントをランダムに積層し、その交点を接合した布状
物などがある。
【0008】この基材の一面に形成する粘着剤層2の粘
着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系、ビニ
ル系その他適宜の粘着剤を使用することができる。特に
アクリル系を用いると皮膚に対する刺激作用が少く好ま
しいことが多い。この粘着剤は上記基材の片面の全部又
は一部に設けて、後記するように患部に貼付けて固定す
ることができるようにしている。上記粘着剤層の上に
は、パッド3を定置する。このパッドは、図5に例示す
るように上記注射針等を皮膚表面から動脈管15に向っ
て刺したときの穿刺部における、動脈管穿刺孔16と皮
膚表面穿刺孔17の双方を同時に覆って押圧できるよう
な大きさを有している。
【0009】両穿刺孔16,17間の距離は、穿刺する
体の部位、幼児や大人などの年令、性別によっても異る
が、上記パッドの大きさとしては長辺の部分で約1〜4
cm程度あればよい。パッドの形状としては長方形、正方
形、丸形、楕円形、小判形、多角形などの適宜の形状に
形成することができる。楕円形、小判形、長方形等の場
合には、短辺と長辺の割合が約1:4位までのものが好
ましく、正方形や円形のものではこの比率が1:1にな
っているから、その範囲としては約1:1〜1:4程度
のものにするとよい。
【0010】また、長方形、正方形、多角形その他の角
のある形状のものでは、その角の部分を弧状に面取りす
れば、押圧したときの皮膚表面に対する刺激が少く、一
層好ましいものとなる。また、このパッドは、通例長辺
を約20〜40mm程度、短辺を約10〜20mm程度とす
る小判形に形成すると、殆んどの場合に動脈管穿刺孔と
皮膚表面穿刺孔の双方を押圧することができて好まし
い。更にこのパッドは穿刺部を確実に押圧できるような
硬さを有するものが好ましく、例えば、圧縮したときに
容易に変形しないような、僅かの弾性と共に適度の圧縮
硬さを持っているパッド等が好適に使用できる。
【0011】このパッドは、穿刺部に当てたときに上記
穿刺孔を圧迫することができるようにある厚味を有して
いる。適応部位によっても異なるが、少なくとも3mm以
上の厚味を持っており、通例3〜20mm程度にするとよ
い。この場合、余り薄いと効果的な圧迫ができない。パ
ッドの厚みの薄いものは足背動脈等に対する止血に、厚
みの厚いものは大腿動脈等に使用するとよい。また、パ
ッドの厚味が増えると押圧作用は強くなるが、パッドが
横にひしゃげたり、倒れたりすることが稀にあり、好ま
しくないこともある。多くの場合約5〜13mm程度の厚
さにして好ましいことが多い。
【0012】このパッドは多層構造に形成されている。
好ましくは粘着剤2側より、クッション層4、上層6
1、表層7が順次形成されている。上記クッション層4
は圧迫効果を得るためにやゝ硬目の弾性を有し、いわゆ
るへたり現象が表われることなく充分な復元作用を持っ
ている。次の上層61は圧迫作用を有すると共に、血液
を素早く吸収することができる。上記表層7は薄く形成
され、上記上層の毛羽立ちを防止し、凝固した血液から
の剥離をよくするものである。
【0013】上記クッション層4は独立気泡の含有量が
多いポリエチレンその他のプラスチック発泡体、ポリエ
ステル不織布圧縮綿等の圧縮綿などで形成する。上記上
層61は、レ−ヨン不織布等の不織布を使用している。
表層7は孔明きポリエチレンフイルム、ナイロンネッ
ト、レ−ヨンネット、薄いセルロ−ス不織布などを使用
するとよい。上記クッション層4を全体厚さの約2/3
割程度を占めるように、独立気泡の含有量の多いポリエ
チレン発泡体とし、上記上層61は、厚さの約1/3程
度を占めるように、レ−ヨン不織布を使用し、表層7に
は薄いセルロ−ス不織布を使用したものは、動脈止血に
効果的な一例である(図1〜図3)。
【0014】また、上記上層61は、これを2つの層に
分け、クッション層4側を圧迫作用を有すると共に血液
も吸収できる層とし、例えばセルロ−ス不織布圧縮綿等
の圧縮綿、積層レ−ヨン綿等を使用し、表層7側を穿刺
部に対する当りを柔らかくし、血液を素早く吸収できる
層として、例えばレ−ヨン不織布等の不織布を使用する
こともできる。さらに、上層61及び表層7を一層と
し、全体を二層構造にすることもできる。
【0015】このパッド3は、基材1に設けた粘着剤層
2によって穿刺部に貼付けることができるように、通
例、基材の中央部分に定置する。しかし、後記するよう
に止血部位によっては基材の一方に片寄せて定置した方
が使い易いこともある。この基材は、正方形、円形、楕
円形などに形成することもあるが、長片状に形成すると
好ましいことが多い。
【0016】この粘着剤2とパッド3の間にはプラスチ
ック板(例えば、アクリル板、ポリプロピレン板、ナイ
ロン板、ポリカ−ボネ−ト板、ポリエチレン板など)、
金属板、合板、セラミック板その他の薄くて丈夫な板状
体で形成した押圧板21を定置している。この押圧板は
上記パッドよりも大きく、その長さは同方向のパッドよ
りも長く形成され、約3〜10cm程度にするが通常3〜
7cm程度にすることが多い。図示のものでは、押圧板2
1を基材の幅よりやゝ短い幅の正方形状に形成し、基材
の中央部に位置させた押圧板の長手方向に沿った側縁中
央部に摘み部となる凹部31を設け、各隅部を弧状に形
成している。上記小判形のパッドの長辺を長片状の基材
の長手方向に対して直角をなすように定置しており、圧
迫するときの好ましい態様であるが、このパッドが直角
以外の適当な角度で斜めに向くようにして定置すること
もできるし、押圧板の片側にずらすようにして定置する
こともできる。
【0017】上記基材の粘着剤層の表面は剥離紙で覆う
とよく、更に袋に包装しておくと衛生的で使用し易い。
図4に示すものは、基材の一側の粘着剤層の上を折返片
11を設けた剥離紙12で覆い、他側の粘着剤層とパッ
ドの上を別の剥離紙42で覆っており、衛生的に保持さ
れる。また、これを更に2枚の包装紙をコ−シ−ル剤等
により剥離可能に弱接着した包装袋に封入したり、プラ
スチック袋に封入したりすることができる。
【0018】この止血用貼付材22を使用する場合、基
材側より上記押圧板の凹部31、31の摘み部を両側か
ら摘むと、パッドの中心線が自然に判る。そこで、例え
ば図5、図6に示すように手首の撓骨動脈で約22〜2
3ゲ−ジ位の針を使用して採血したり、約20ゲ−ジ位
のカテ−テルを使用した後で、この針を抜く前に、穿刺
部の針の刺さっている方向、すなわち動脈管15の走っ
ている方向に、パッドの長辺の中心線を合せるようにし
て当て、押圧しつつ針を抜く。こうすることで、パッド
を見ることができなくても穿刺部に確実に合せることが
できる。さらにパッドを押圧し続け、一方の剥離紙を剥
ぎ、基材を引張りながら粘着剤層を、血管の走っている
方向と交叉する方向に向けて皮膚に貼付け、次に他方の
剥離紙の折返片を摘んで剥離紙を剥し、同じく基材を引
張りながら皮膚に貼付けて固定する。
【0019】こうすると、上記パッドは皮下の動脈管穿
刺孔16の上に位置すると共に、皮膚表面穿刺孔17の
上も覆うようになる。そして、この伸ばされた基材が収
縮しようとする作用は、上記広い押圧板からパッドに集
中され、上記パッドが下方へ強く押し付けられる。この
パッドは上記クッション層を含む多層構造によって、皮
膚に対する当りは柔らかいけれども、強く下方へ押付け
るから、動脈管15の穿刺孔16の部分は集中的に強く
圧迫されて閉じられ、確実に止血することができる。ま
た、この押圧作用によって皮膚表面穿刺孔17からは抜
針後に血液が出てくるが、パッドの表層7により直ちに
かつ容易に吸収され、更に量の多い場合には上層61に
浸透して吸収保持され、外部に血液が漏れることがな
い。
【0020】また、上記押圧板は基材の長手方向に延び
る両側縁から少し内側に位置しているので、この貼付材
を貼り付けたときに基材の両側縁部が折れ曲がって押圧
板の両側を覆うようになるので、押圧板が基材の幅方向
にずれ動くことを防ぎ、更に安定的に押圧できる。こう
して、本品を貼付けたままで一定時間が経過すると止血
が完了する。通例貼付してから約5〜30分程度、多く
は約10〜20分程度経過した後に、これを皮膚表面よ
り取り除けばよく、出血によって服等を汚したりするこ
ともない。
【0021】また、こうした手首に基材を貼付ける場合
には、図6に示すように上記押圧板によって皮膚表面に
貼付材が貼り付かない部分が広く生じるので、腕部23
の穿刺した上記撓骨動脈以外の尺骨動脈や静脈の血行を
妨げることが少い。従ってチアノ−ゼ等を起すこともな
く、穿刺部を的確に押圧して止血を行うことができる
し、皮膚に対する粘着剤による刺激も少くなって好適で
ある。又、この貼付材を貼り付たときに押圧板が曲げら
れていると、押圧板の復元作用によってもパッドによる
押圧作用が更に強くなることもある。また、この凹部3
1によって、押圧板が穿刺されている針等に触れること
を一層避けることができる。さらに、この基材の長手方
向の両端部分32は次第に細幅になっているので、この
部分32を持って基材を引張れば、皮膚に貼付する際の
引き伸しもやり易く、広い幅の基材であってもこの基材
が引きつれて皺になることもなく、きれいに貼り付ける
ことができ、貼付した後もはがれ難い。
【0022】図7に示す止血用貼付材は、上記図1〜図
3に示した押圧板の摘み部の凹部31の代りに、凸部3
3を設けている。また図8に示す貼付材では、V字状凹
部34を設けている。これらの押圧板に設けた凸部33
やV字状凹部34は、上記凹部31と同様に、患部に貼
付ける場合にこの部分で押圧板を摘むだけでパッドの位
置が自然に判るようになる。更に、基材の粘着剤層とは
反対面に、上記パッドの長辺方向の中心線に合致するよ
うな線等を併せて表示するようにすることもできる。ま
たこうした表示を基材に設け、上記押圧板に設ける摘み
部を省略することもできる。
【0023】図9、10を参照する。上記した押圧板は
いずれも平板状のものについて述べてきたが、この押圧
板はその一部に突出部を備え、その突出部の上にパッド
を位置させることもできる。図9の貼付材は、押圧板2
1の中央部に屈曲突出部36を形成したものであり、図
10の貼付材は、押圧板の中央部にプレスによって突出
部37を形成している。こうした突出部は大きな板状体
の上方に小さな板状体を積層して形成することもでき
る。このような押圧板に突出部を有する貼付材では、こ
の突出部の高さによって押圧作用を更に強くすることが
できるので、一般に止血し難い大腿動脈等に対する止血
に用いることも更に容易になる。
【0024】上記したものでは、パッドと押圧板を上記
基材の長手方向の中央部に位置していた。しかし、図1
1に示す止血用貼付材のように、これらのパッド等は、
長手方向の一方に片寄せて定置することもできる。こう
した貼付材は、例えば撓骨動脈、尺骨動脈、足背動脈な
ど血管の位置が腕等の片寄った箇所に位置しているもの
に対して使用する場合に便利なことがある。
【0025】図12、13を参照する。図12には、伸
縮性の基材に粘着剤層とは反対面に、歪んだ円形図形3
8を表示している。この貼付材を使用する際、上記基材
を引張ると、該基材は伸び、歪んだ円形図形38は、真
円図形39に変る(図13)。この状態で基材を患部の
皮膚表面に貼付ければ、収縮しようとする基材により、
所望の押圧作用が容易に得られる。このような基材の伸
長程度を示す指標として、上記円図形の他、正三角形そ
の他の各種の印刷や打抜孔等の表示を用いることができ
る。
【0026】以上、動脈管に対する止血について述べて
きたが、採血、点滴、輸血、人工透析などは皮膚表面よ
り静脈管に注射針、カテ−テル、医療用チュ−ブ等を穿
刺して行っている。これらの場合、注射針などを抜いた
後には、静脈管の穿刺部から同様に出血するので、脱脂
綿やガ−ゼを当てて指で強く圧迫したり、この脱脂綿を
粘着テ−プ、伸縮バンドなどで押圧して止血している。
しかし、こうして止血するには、十数分間以上も指や上
記押圧用具等でじっと押えつけておかなければならず、
面倒であると同時にキチンと押圧をしておかないと、皮
下出血したり、皮膚表面の穿刺孔から滲み出る血液が衣
類を汚染したりして好ましくない。また、患者によって
はこうした指等による押圧作用を行うことができないこ
ともある。
【0027】そして、上記注射針等が細い場合には、血
管に対する穿刺部の孔も小さいし、静脈管に対しては比
較的容易に止血することができる。しかし、注射針等の
太い場合には孔も大きくなり、出血する血液量も多くな
るので、止血し難くなる。しかしながら、上記した本発
明によれば、動脈に対する止血を行うことができるの
で、例えば16〜18ゲ−ジ等の太い針を使用して採
血、輸血等をした場合にも、確実に止血を行うことがで
きる。また、当然ながら細い針を使用した場合の止血は
一層容易に行うことができる。
【0028】〔実施例〕下記する実施品について、皮膚
表面に貼付する際に基材を伸ばす長さを変えて、圧迫
力、副作用(圧迫感、手掌の変色、しびれ)、圧迫痕消
失時間、皮膚刺激について測定したのでこれを示す。 (実施品)全体の構造は図1に示すとおりである。 基材: ポリウレタン弾性繊維100%の細い連続フイ
ラメントをランダムに積層し、各フイラメントの交点を
接合してあるもので、特性は次のとおりである。 坪 量 100g/m2 50%伸長時の応力 経方向 500gf/20mm 緯方向 370gf/20mm 100 %伸長回復率 経方向 87% 緯方向 87% 引張強さ 経方向 1.6Kgf /20mm 緯方向 1.2Kgf /20mm 伸 び 経方向 370% 緯方向 380% これを緯方向が長辺となるようにして、40×126mm
の長片形とし両端部分を次第に細幅にした(図1)。
【0029】粘着剤: アクリル系粘着剤を40g/m
2 塗布して使用。上記基材に塗布した状態における粘着
剤の特性は次のとおりである。 粘着力 200gf/15mm ボ−ルタック No. 31 押圧板: 厚さ1mmのポリプロピレン製の板を36×3
6mmの隅丸正方形とし、対向する一辺に凹部を設ける
(図1)。この押圧板を貼付材中央部の粘着剤の上に、
上記凹部が基材の長手方向に沿うよう定置する。
【0030】パッド: 表層は、厚さ0.05mmのセルロ
−ス不織布。上層は、厚さ3mmのレ−ヨン不織布。クッ
ション層は、厚さ6mmのポリエチレン独立気泡発泡体シ
−ト。この発泡体シ−トの特性は次のとおりである。 みかけ密度 0.067g/cm3 圧縮硬さ 0.64 kg /cm2 形状 長辺27mm×短辺15mm×厚さ9mmの小判形。 パッドの長辺が基材の幅方向を向くようにして、押圧板
の中央部に接着する(図1)。
【0031】(貼付部位、時間、方法)左右手首の撓骨
動脈に、パッドを当て、基材無伸長(対照)、基材を両
側に1cmづつ伸長(全体で2cm伸長)、基材を両側に2
cmづつ伸長(全体で4cm伸長)、基材を両側に3cmづつ
伸長(全体で6cm伸長)した4群について夫々1時間貼
付する。これによって、本止血用貼付材による圧迫力と
長時間(1時間)貼付した場合の状態を知ろうとするも
のである。
【0032】(試験方法) パッド部の圧迫力の測定: 非侵襲的に撓骨動脈の手根
部に圧トランスデュ−サ−に接続した脳圧測定用カテ−
テルのポウチを固定し、パッドがポウチ上に位置するよ
うに貼付し、パッドの圧迫力を測定した。パッドによる
圧迫力は、貼付時及び貼付1時間後記録用紙から読み取
って数値化(mmHg)し、(平均±標準偏差)で表示し
た。副作用として表われる圧迫感、手掌の変色、しび
れ: 貼付1時間後に圧迫感及びしびれは被験者に問診
し、手掌の変色については肉眼観察した。評価は「無、
弱、中、中強、強」の5段階で行い、各々0、1、2、
3、4に重み付けし、「平均±標準偏差」を求めた。 貼付及び剥離状態: 貼付中の接着状態及び貼付1時間
後に貼付材を剥したときの粘着剤の残留を評価した。 圧迫痕消失時間: 貼付材を剥離後、パッドによる圧迫
部の圧迫痕を肉眼観察し、これが消失する迄の時間を測
定した。 皮膚刺激指数: 貼付材が貼付された部分の皮膚反応
を、剥離4時間後、24時間後に下記基準に従って評価
し、皮膚刺激指数を算出した。 皮膚反応の判定基準 −(評点 0): 反応なし ±(評点 0.5): 軽い紅斑 +(評点 1.0): 明らかな紅斑 ++(評点 2.0): 浸潤ないし浮腫を伴う紅斑 +++(評点 3.0): 紅斑+浸潤+丘疹〜小水疱 ++++(評点 4.0): 大水疱 皮膚刺激指数=(評点総和/被験者数)×100 サンプル数(各群): 12
【0033】(試験結果) (1) 貼付及び剥離状態 貼付状態は、全てについて剥れが認められず、良好であ
った。剥離後の皮膚への粘着剤の残留は、認められなか
った。 (2) 圧迫力、副作用(圧迫感、手掌の変色、しびれ)、
圧迫痕消失時間、皮膚刺激指数は各々次のとおりであっ
た。
【0034】(考察)貼付状態は、全てについて剥れが
認められず、剥離後の粘着剤の残留も認められず良好で
あった。基材を2cm伸長、3cm伸長したものでは、収縮
期血圧程度以上の圧迫力が得られている。貼付後1時間
経過すると圧迫力が約10〜20mmHg程度低下している
が、止血後の圧迫を緩和する意味で好ましくもある。本
止血用貼付材は、1時間貼付してもその副作用は実用上
の問題とは考えられない程小さい。また、3cm伸長群で
は、基材が手首を一周していたが、強い副作用は認めら
れなかった。これは押圧板によって尺骨動脈の血流が確
保されている為と考えられる。皮膚刺激指数も小さく実
用上問題となる点はなかった。このように本止血用貼付
材は、約2cm以上伸長して使用すれば、充分な圧迫作用
が得られるし、長時間貼付してもそれに伴う各種の副作
用も少なく、動脈止血用貼付材として好適であることが
判る。
【0035】
【本発明の効果】本発明は上記の如く、動脈管に対する
穿刺孔に対しても確実に止血することができ、上記した
撓骨動脈のほか、尺骨動脈、足背動脈などの骨に近い部
分に位置する動脈に使用すれば効果的な止血を行うこと
ができるし、さらに大腿動脈に対しても使用可能であ
る。また、同様に静脈に対しても上記動脈と同様に効果
的な止血ができる。さらに、これは使用に際しての操作
も容易であり、構造も簡素であるので経済的に製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の止血用貼付材の一実施例を示す斜視図
である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の断面図である。
【図4】図1の止血用貼付材を剥離紙で覆った状態を示
す断面図である。
【図5】図1の止血用貼付材を動脈止血に用いた状態を
示す説明図である。
【図6】図5と同じく図1の止血用貼付材を動脈止血に
用いた状態を示す説明図である。
【図7】本発明の止血用貼付材の他の例を示す平面図で
ある。
【図8】本発明の止血用貼付材の更に他例の平面図であ
る。
【図9】本発明の止血用貼付材の他例の斜視図である。
【図10】本発明の止血用貼付材の更に他例の斜視図で
ある。
【図11】本発明の止血用貼付材の他の実施例の平面図
である。
【図12】本発明の止血用貼付材の更に他の実施例の平
面図である。
【図13】図12の止血用貼付材の基材を引き伸ばした
状態の平面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 粘着剤層 3 パッド 21 押圧板 31 押圧板の凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沼田 隆善 東京都千代田区九段南二丁目2番4号 ニ チバン株式会社内 (72)発明者 徳村 文男 東京都千代田区九段南二丁目2番4号 ニ チバン株式会社内 (72)発明者 楠見 勝已 東京都千代田区九段南二丁目2番4号 ニ チバン株式会社内 (72)発明者 大山 国広 東京都千代田区九段南二丁目2番4号 ニ チバン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸縮性を有する基材の一面に粘着剤層を
    形成し、該粘着剤層の上に血管に対する穿刺孔の上方の
    皮膚表面に位置させる厚さの厚いパッドを配置し、該パ
    ッドと上記基材の間にこのパッドよりも大きな押圧板を
    介在定置した止血用貼付材。
  2. 【請求項2】 基材の一面に粘着剤層を形成し、該粘着
    剤層の上に血管に対する穿刺孔の上方の皮膚表面に位置
    させる適度の硬さを有するパッドを配置し、該パッドと
    上記基材の粘着剤層の間に押圧板を介在させ、該押圧板
    は上記パッドよりも大きく、その側縁に摘み部を形成し
    た止血用貼付材。
  3. 【請求項3】 上記基材は長片状をしており、上記パッ
    ドは厚さのある小判形であって、該パッドの小判形の長
    辺を上記基材の幅方向に向けており、上記摘み部を基材
    の長手方向に沿う押圧板の側縁に設けている請求項2記
    載の止血用貼付材。
  4. 【請求項4】 基材の一面に粘着剤層を形成し、該粘着
    剤層の上に血管に対する穿刺孔の上方の皮膚表面に位置
    させる厚さが厚く僅かの弾性と適度の硬さを有するパッ
    ドを配置し、該パッドと上記基材の粘着剤層の間に押圧
    板を介在させ、該押圧板は上記パッドよりも大きく、該
    パッドが位置する部分を上記基材側より上記パッドに向
    って突出状に形成した止血用貼付材。
  5. 【請求項5】 伸縮性を有する長片状の基材の一面に粘
    着剤層を形成し、該粘着剤層の上に血管穿刺孔と皮膚表
    面穿刺孔の双方を押圧できるパッドを定置し、該パッド
    と上記粘着剤層の間に上記パッドより大きな押圧板を介
    在させ、上記基材の長手方向の両端部分を次第に細幅に
    なるように形成した止血用貼付材。
JP6014494A 1991-03-04 1994-03-04 止血用貼付材 Pending JPH07241313A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001245917A (ja) * 1998-12-11 2001-09-11 Johnson & Johnson Kk パッド、その製造方法及び該パッドを使用した救急絆創膏
JP2006055517A (ja) * 2004-08-23 2006-03-02 Nippon Seimitsu Sokki Kk 生体情報測定センサ取付用バンド及び生体情報測定装置用ホルダ
JP2008521533A (ja) * 2004-12-01 2008-06-26 イーティーエー エスエー マニュファクチュア ホルロゲア スイス バンド特に携帯用機器用ブレスレットの締め付け引っ張りの程度を表す要素
JP2012249755A (ja) * 2011-06-01 2012-12-20 Nichiban Co Ltd 静脈からの採血後の止血用自着包帯
JP2014531959A (ja) * 2011-10-18 2014-12-04 ヴォストラ−メド・アーゲー 開いた血管を閉鎖するための閉鎖デバイス
CN109171862A (zh) * 2018-09-11 2019-01-11 李晓阳 一种适用于硬化剂治疗后的静脉压迫贴

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