JPH05245173A

JPH05245173A - 止血用貼付材

Info

Publication number: JPH05245173A
Application number: JP7925592A
Authority: JP
Inventors: Takayuki Akutsu; 孝幸圷; Misako Fukui; 美佐子福井
Original assignee: Nichiban Co Ltd
Current assignee: Nichiban Co Ltd
Priority date: 1992-02-29
Filing date: 1992-02-29
Publication date: 1993-09-24

Abstract

(57)【要約】【目的】採血、点滴、輸血、人工透析などにおいて、
血管に穿刺した注射針、カテ−テル、医療用チュ−ブ等
を抜くときの止血を有効に行う。【構成】基材の一面に粘着剤層を設け、この粘着剤層
の上にパッドを固定する。このパッドは注射針等を刺し
たときにできる血管の穿刺孔と皮膚表面の穿刺孔の双方
を覆うことができるような大きさを持っている。また、
このパッドは、上記両穿刺孔を適度の強さに押圧できる
ような厚味と圧縮硬さを有している。【作用効果】上記注射針等を抜く際に穿刺部に当て、
針を抜いた後でここに貼付けて、厚くて硬目のパッドを
血管の穿刺孔に押付け、集中的に圧迫して止血する。同
時に皮膚表面の穿刺孔もパッドで覆い、孔からの出血も
吸収する。太い注射針等を使った場合の止血も確実にで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、止血用の貼付材に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、医療において採血、点滴、輸血、
人工透析などが幅広く行われているが、これは皮膚表面
より血管に注射針、カテ−テル、医療用チュ−ブ等を穿
刺して行うものであり、これらの注射針などを抜いた後
には血管の穿刺部から出血するので、脱脂綿やガ−ゼを
当てて指で強く圧迫したり、粘着テ−プ、伸縮バンドな
どで押圧して止血している。しかし、こうして止血する
には、十数分間以上も指や押圧具等でじっと押えつけて
おかなければならず、面倒であると同時にキチント押圧
をしておかないと、皮下止血したり、衣類を汚染したり
して好ましくない。また、患者によってはこうした指等
による押圧作用を行うことができないこともある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】こうしたことから、出
願人はこれ迄に注射針等を抜いた直後の穿刺部に貼付け
て使用する種々の止血用貼付材を提供して多大の効果を
挙げてきたが、更にこれを改良するものである。上記注
射針等が細い場合には、血管に対する穿刺部の孔も小さ
いし、静脈管に対しては比較的容易に止血することがで
きる。しかし、注射針等の太い場合には孔も大きくな
り、出血する血液量も多くなるので、止血し難くなる
が、こうした場合にも容易且つ確実に止血できるように
するものである。また、動脈管に対する止血は難かしい
けれども、比較的細い血管の場合には充分な止血を行う
ことができるようにするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、基材の一面に
設けた粘着剤層の上に、注射針等を刺した場合にできる
血管の穿刺孔と皮膚表面の穿刺孔の双方を覆って押圧で
きるような大きさを有し、かつ厚味を持った硬目のパッ
ドを定置し、これを穿刺部に貼付けてパッドにより血管
穿刺孔を適度に強く圧迫して止血し、また、皮膚表面穿
刺孔からの出血もパッドに吸収するようにし、止血を確
実に行おうとするものである。

【０００５】

【実施例】以下実施例について述べれば、基材１の一面
に粘着剤層２を形成している。上記基材は、プラスチッ
クシ−ト、紙、布、不織布その他種々の材料を使用する
ことができ、また、伸縮性のあるものや無いものも使用
できる。この場合、伸縮性のあるものを使用すれば、後
記するようにこの基材を引延ばすようにして穿刺部に貼
付けると、貼付けた後にこれが縮むようになるので、後
記するパッドを刺孔部に押圧することを更に効果的に行
うことができる。このようなものとしては、例えば、伸
縮性ウレタン不織布等の伸縮性の不織布で、坪量が約５
０〜２００ｇ／ｍ²程度のもので、特に好ましくは約８
０〜１５０ｇ／ｍ²位の伸縮性もあり、またある程度の
腰のあるちょっと厚目のものを使用するとよい。

【０００６】この基材の一面に形成する粘着剤層２の粘
着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系、ビニ
ル系その他適宜の粘着剤を使用することができ、特に皮
膚に対する刺激の少ないものが好ましい。上記粘着剤層
の上には、パッド３を定置する。このパッドは、上記注
射針等を皮膚表面１４から血管１５に向って刺したとき
の穿刺部における、血管穿刺孔１６と皮膚表面穿刺孔１
７の双方を同時に覆って押圧できるような大きさを有し
ている。

【０００７】両穿刺孔１６，１７間の距離は、穿刺する
体の部位、幼児や大人などの年令、性別によっても異る
が、上記パッドの大きさとしては長辺の部分で約０.5〜
４cm程度あればよく、パッドの形状としては長方形、正
方形、丸形、楕円形、小判形、多角形などの適宜の形状
に形成することができる。楕円形、小判形、長方形等の
場合には、短辺と長辺の割合が約１：４位までのものが
好ましく、正方形や円形のものではこの比率が１：１に
なっているから、その範囲としては約１：１〜１：４程
度のものにするとよい。図示のものでは、その比率を約
１：２とし、長辺の長さを約３cmとした小判形にしてい
る。また、長方形、正方形、多角形その他の角のある形
状のものでは、その角の部分を弧状に面取りすれば、押
圧したときの皮膚表面に対する刺激が少く、一層好まし
いものとなる。

【０００８】このパッドは、穿刺部に貼付けたときに上
記穿刺孔を圧迫することができるようにある厚味を有し
ており、適応部位によっても異るが、少なくとも３mm以
上の厚味を持っており、通例５〜１０mm程度にするとよ
い。この場合、余り薄いと効果的な圧迫ができない。ま
た、このパッドは圧縮したときに容易に変形しないよう
な圧縮強さを持っており、これによって効果的な押圧が
できる。図示するものでは、このパッドは多層構造をし
ており、粘着剤層側から圧迫効果を高める層の基層４、
圧迫効果を有しかつ血液を吸収する層の上層５、血液を
早く吸収する層の表層６が形成されている。

【０００９】上記基層４は、圧迫効果を高めるもので、
硬くて、腰のあるものがよく、圧縮綿を使用すると都合
がよいが、図のものではポリエステル不織布圧縮綿を使
用している。次の上層５は、血管に対する圧迫作用を有
しかつ血液を吸収する層であって、上記基層よりは柔ら
かくて腰も弱いもので、皮膚に対する当りを柔らかくし
ながら圧迫と血液の吸収を行うことができ、それ程硬く
ない綿が使用され、図示のものでは積層レ−ヨン綿を使
用している。その上の表層６は血液を早く吸収する層
で、注射針等を抜いたときに皮膚表面の穿刺孔から出る
血液を早く吸収するものであって、通例不織布などが使
用され、図のものではレ−ヨン不織布を使用している。
また図のものは、この表層６の上に毛羽立を防止するた
めのレ−ヨンネット層７を更に設けている。

【００１０】図４に示すものは、上記した基層４の圧迫
効果を高める層と、上層５の圧迫作用を有しかつ血液を
吸収する層の二層構造にしたもので、こうした構造のも
のでも充分な効果を得ることができる。また、場合によ
っては、上記基層または上層のいずれかの一層にするな
どの単一層に形成することもできる。

【００１１】このパッド３は、基材１に設けた粘着剤層
２によって穿刺部に貼付けることができるように、通
例、基材の中央部分に定置される。この基材は、正方
形、円形、楕円形、などに形成することもあるが、長片
状に形成すると好ましいことが多い。こうした長片状の
基材に、長辺と短辺の長さが異るパッドを定置する場合
には、パッド長辺が上記基材の短辺側（幅方向）を向く
ように定置するとよく、このパッドの長辺側で、穿刺部
の血管及び皮膚表面の両穿刺孔を押えるようにすれば、
容易に圧迫を行うことができるから、こうした後に基材
の粘着剤層を皮膚表面に貼付けると、確実な止血を手軽
に行うことができる。図示のものでは、小判形のパッド
の長辺を、長片状の基材の長手方向に対して直角をなす
ように定置しており、圧迫するときの好ましい態様であ
るが、斜めに向くようにして定置することもできる。

【００１２】そして、このパッドを、上記基材の両側縁
８，８から、パッドの厚さよりも短かい長さのスペ−ス
９、通例約１〜５mm程度で、好ましくは約３mm程度の間
隔が存するようにして位置されせば、皮膚に貼付けた際
にこのスペ−ス９の部分が折れ曲がってパッドの両側を
覆い、斜内側下方に向って押圧作用を及ぼすようになる
から、その押圧作用が分散することなくパッドに集中
し、更に厚いパッドが横にずれ動いたり、倒れたりする
こともない。また、このスペースは上記の如く狭いの
で、後記するようにこれを使用する際に、パッドで押圧
しながら注射針を抜くときにも粘着剤層を有する基材が
注射針などが触れて邪魔になるようなこともない。

【００１３】上記基材の粘着剤層の表面は剥離紙で覆う
とよく、更に袋に包装しておくと衛生的で使用し易い。
図示のものは、包装紙２１の一面に固定した剥離紙２２
の上に一方の粘着剤層側を貼付け、他方の粘着剤層側に
はここに仮着した長さの約半分程度の折返片２３を設け
た剥離紙２４で覆い、その上から包装紙２５を被せ、両
包装紙２１と２５の間をコ−シ−ル剤等により剥離可能
に弱接着している。上記包装紙の折返片２３を有する剥
離紙２４と反対側の端部には、各々折曲部２６，２７を
設けて、開封、剥離の際の手掛りとしている。また、こ
の折曲部などの開封口側を赤色その他の適宜の色彩とし
ておけば、開封の際の目印となって一層使用し易い。

【００１４】図５に示すものは、パッドの両側に位置す
る粘着剤層を、それぞれ折返片２８を有する剥離紙２９
によって、折返片がパッド側に来るようにして仮着した
ものであり、この貼付材を使用するときにどちら側から
も摘むことができるし、パッドが剥離紙によって覆われ
ていないから、これをすぐに穿刺部に当てることもでき
るので使い易い場合もある。また、この貼付材は上記し
たものと同様に開封し易い包装袋に入れると便利であ
る。また、粘着剤層を覆う剥離紙を中央のパッドの部分
で重ね合わせにするようにすることもできる。

【００１５】これを使用する場合、図示するものを例に
とって述べると、折返片２６，２７を持って包装紙２
１，２５を引剥し、剥離紙２４の下に指を差入れるよう
にすると折返片２３によって指の侵入が阻止されてパッ
ドに触れることがないので、この剥離紙と基材を挟み持
って包装紙２１側の剥離紙２２より引剥すと、本品を包
装紙より取出すことができる（図６）。

【００１６】これを、１６〜１８ゲ−ジ（直径１.55 〜
１.22 mm）等の太い針を使用して採血、輸血等をし、こ
の針を抜く前に、穿刺部の針の刺さっている方向、すな
わち血管の走っている方向に、その長辺を合せるように
してパッドを当て、押圧しつつ針を抜き、更にパッドを
押圧しながら露出している粘着剤層を、血管の走ってい
る方向とは交叉する方向に向けて皮膚に貼付け、次に剥
離紙２４の折返片２３を摘んで剥離紙を剥しながら皮膚
に貼付け固定する。

【００１７】こうすると、上記パッドは皮下の血管穿刺
孔の孔１６の上に位置すると共に、皮膚表面穿刺孔１７
の上も覆うようになる。そして、このパッドは、その厚
味と、これが持っている圧縮硬さによって強く下方へ押
付けるから、血管の穿刺孔１６の部分は集中的に強く圧
迫されて閉じられ、確実に止血することができる。ま
た、この押圧作用によって皮膚表面穿刺孔１７からは抜
針後に血液が出てくるが、パッドの表層６により直ちに
かつ容易に吸収され、更に量の多い場合には上層５に浸
透し、吸収保持され、外部に血液が漏れることがない
（図７）。

【００１８】また、基材に伸縮性のあるものが使用され
ている場合には、この基材を引伸ばすようにしながら皮
膚に貼付けると、伸ばされた基材が収縮しようとする作
用によって、更に確実な圧迫を行うことができる。こう
して、本品を貼付けたままで一定時間が経過すると止血
が完了するので、これを皮膚表面より取り除けばよく、
出血によって服等を汚したりすることもない。また上記
他の構造のものも上記に準じて同様に使用することがで
きる。

【００１９】図８に示すものは、基材の両端部に粘着剤
層２を省くなどして非粘着部３１を設けたもので使用後
に剥す場合に、この部分から摘み易い。この非粘着部は
一端部だけに設けることもできる。図９のものは、基材
をＸ状に形成し、その中央部にパッドを定置したもので
あって、パッドの固定、押圧が一層確実にできることが
ある。

【００２０】

【発明の効果】本発明は上記の如く、血管に小さな穿刺
孔の場合は勿論のこと大きな穿刺孔が出来た場合にもこ
れによって確実に止血することができ、血管も静脈だけ
でなく、動脈の場合にも細めの２２〜２４ゲ−ジ針（直
径０.76 〜０.57 mm）程度のものであれば効果的に使用
することができる。また使用に際しての操作も容易であ
るし、構造も簡素で経済的に製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す斜視図である。

【図２】図１の断面図である。

【図３】包装した状態を示す断面図である。

【図４】他の例の断面図である。

【図５】更に他の例の断面図である。

【図６】使用状態を示す説明図である。

【図７】使用状態を示す説明図である。

【図８】他例の平面図である。

【図９】更に他例の平面図である。

【符号の説明】

１基材２粘着剤層３パッド４基層
５上層６表層９スペ−ス１６血
管穿刺孔１７皮膚表面穿刺孔２２，２４剥
離紙

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】基材の一面に粘着剤層を形成し、該粘着
剤層の上に血管穿刺孔と皮膚表面穿刺孔の双方を押圧す
ることができるようにその長辺の長さが０.5〜４cmの大
きさを有し、その厚味が３mm以上で適度の圧縮硬さを有
するパッドを定置した止血用貼付材。
【請求項２】上記パッドは、その短辺と長辺の比率が
１：１〜１：４である請求項１記載の止血用貼付材。
【請求項３】上記基材は長片状をしており、上記パッ
ドの長辺が上記長片状の基材の幅方向を向いて定置され
ている請求項１または２記載の止血用貼付材。
【請求項４】上記パッドは、上記基材の両側縁から上
記パッドの厚味以下のスペ−スを置いて定置されている
請求項１〜３のいずれかに記載の止血用貼付材。
【請求項５】上記パッドは、上記基材の粘着剤層に接
している側から、圧迫効果を高める層、圧迫効果を有し
かつ血液を吸収する層の積層構造を含む請求項１〜４の
いずれかに記載の止血用貼付材。
【請求項６】上記パッドは、上記圧迫効果を有しかつ
血液を吸収する層の上に血液を早く吸収する層を更に有
する請求項５に記載の止血用貼付材。