JPH07240993A - 音場制御装置 - Google Patents

音場制御装置

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JPH07240993A
JPH07240993A JP6054754A JP5475494A JPH07240993A JP H07240993 A JPH07240993 A JP H07240993A JP 6054754 A JP6054754 A JP 6054754A JP 5475494 A JP5475494 A JP 5475494A JP H07240993 A JPH07240993 A JP H07240993A
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Noriyuki Koyashiki
憲 之 古屋敷
Toru Hirai
井 徹 平
Mikio Higashiyama
山 三樹夫 東
Satoshi Ushiyama
山 聡 牛
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音響帰還系を有するシステムにおいてハウリ
ングやカラーレーションを防止する。 【構成】 ホール等の音響空間10内には、マイクロホ
ン12とPA用スピーカ14が配設されている。マイク
ロホン12は、人や楽器等の音声を収音する。収音され
た音はマイクアンプ16で増幅され、フィルタ手段18
でフィルタ特性が付与され、パワーアンプ20で増幅さ
れて、スピーカ14から発声される。スピーカから発声
された音はマイクアンプ16に帰還されて、音響帰還系
22を構成している。フィルタ手段18は、音響帰還系
の開ループ伝達関数の最小位相要素の逆特性に設定され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、音響空間中にマイク
ロホンおよびスピーカ手段を配設し、音響的にフィード
バックループを形成する音響帰還系において、ハウリン
グやカラーレーションを抑制するための音場制御装置に
関し、容易にハウリングやカラーレーションを抑制でき
るようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】ホールや講演会場のようにマイクロホン
とスピーカが同じ音響空間にある場合には、スピーカか
ら発せられた音がマイクロホンに音響的にフィードバッ
クされて音響帰還系(Acoustic Feedback Loop)を構成
し、周波数軸上に鋭いピークが現われて聴感上カラーレ
ーションを生じ、またピーク位置でハウリングを生じる
問題がある。また、ホール等の残響時間を調整する(延
ばす)目的で、音響空間中にマイクロホンとスピーカを
配置して音響帰還系を構成したいわゆる電気音響的残響
支援装置においても同様にカラーレーションやハウリン
グを生じる問題がある。
【0003】音響帰還系においてカラーレーションやハ
ウリングを抑制する方法として、従来は音響帰還系の閉
ループ伝達関数G(ω)を測定して、その逆伝達関数G
-1(ω)を求めて、その特性を有するフィルタをループ
中に挿入することが行なわれていた。しかし、一般に閉
ループ伝達関数G(ω)の応答は非常に長い応答とな
り、その逆伝達関数を求めるのは困難であった。このた
め、実際には、次の(a)または(b)の方法が採られ
ていた。
【0004】(a) 閉ループで振幅特性のモニタリン
グをしながら、ピークおよびディップの平滑化を手動で
行なう(通常のイコライジング)。
【0005】(b) 閉ループで振幅特性と位相特性を
同時にモニタリングしながら、最小位相要素のピークお
よびディップの平滑化を手動で行なう(パラメトリック
・イコライゼーション)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記(a),(b)の
方法は経験が必要であり、しかも調整に非常に長い時間
を要する問題があった。
【0007】この発明は、前記従来の技術における問題
点を解決して、容易にハウリングやカラーレーションを
抑制することができる音場制御装置を提供しようとする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
音響空間中にマイクロホンおよびスピーカ手段を配設
し、音響的にフィードバックループを形成する音響帰還
系において、前記フィードバックループ中に当該ループ
の開ループ伝達関数の最小位相要素の略々逆特性を有す
るフィルタ手段を配置してなるものである。
【0009】請求項2記載の発明は、音響空間中にマイ
クロホンおよびスピーカ手段を配設し、音響的にフィー
ドバックループを形成する音響帰還系において、前記フ
ィードバックループ中に、当該ループの開ループ伝達関
数の最小位相要素の逆特性をHmin -1(ω)、全域通過
要素をHap(ω)、開ループ伝達関数の定数部分をAと
して、略々 −Hmin (ω)-1/(1−A・Hap(ω)) の特性を有するフィルタ手段を配置してなるものであ
る。
【0010】請求項3記載の発明は、音響空間中にマイ
クロホンおよびスピーカ手段を配設し、音響的にフィー
ドバックループを形成する音響帰還系において、当該ル
ープの開ループ伝達特性を測定する開ループ伝達特性測
定手段と、この測定された開ループ伝達特性から、当該
ループの開ループ伝達関数の最小位相要素の逆特性をH
min -1(ω)、全域通過要素をHap(ω)、開ループ伝
達関数の定数部分をAとして、略々 Hmin -1(ω)または−Hmin (ω)-1/(1−A・H
ap(ω)) の特性に略々相当するFIRフィルタ係数を求める演算
手段と、前記フィードバックループ中に配されて、当該
ループ中の信号に対し、前記求められたFIRフィルタ
係数を畳み込むFIRフィルタ手段とを具備してなるも
のである。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明によれば、開ループ伝達関
数の最小位相要素の略々逆特性を有するフィルタをルー
プ内に挿入することにより、開ループ伝達関数に起因す
る不安定要素を、閉ループから除去することができる。
これにより、時間応答特性を短くでき、閉ループ伝達関
数の極のピークファクタを平滑化する(ピーク点のレベ
ルの不揃いを減少させる)とができ、ハウリングマージ
ンが拡げられて、ハウリングを効果的に抑制することが
できる。
【0012】また、請求項2記載の発明によれば、略々
−Hmin (ω)-1/(1−A・Hap(ω))の特性を有
するフィルタをループ内に挿入することにより、時間応
答をさらに短くでき、ピーク自体を消滅あるいは非常に
低いレベルに低減することができる。したがって、ハウ
リングマージンがより拡げられるとともに、カラーレー
ションも低減される。
【0013】そして、これら請求項1,2記載の発明に
おいてループ内に挿入されるフィルタのフィルタ特性
は、音響帰還系を開ループ状態にして測定される開ルー
プ伝達特性から求めることができるので、閉ループ伝達
特性から求める場合に比べて容易に求めることができ
る。
【0014】また、請求項3記載の発明によれば、開ル
ープ伝達特性の測定、その測定結果に基づくFIRフィ
ルタ係数の演算および求められたFIRフィルタ係数を
用いたFIRフィルタ手段による実際の音場制御の一連
の処理を行なうことができ、請求項1,2記載の発明を
容易に実現することができる。
【0015】
【実施例】
(実施例1)請求項1記載の発明の一実施例を図1に示
す。ホール等の音響空間10内には、マイクロホン12
とPA(Public Address)用スピーカ14が配設されて
いる。マイクロホン12は、人や楽器等の音声を収音す
る。収音された音はマイクアンプ16で増幅され、フィ
ルタ手段18でフィルタ特性が付与(例えば、このフィ
ルタ特性に相当するインパルス応答を入力信号に畳み込
む。)され、パワーアンプ20で増幅されて、スピーカ
14から発声される。スピーカ14から発声された音は
マイクアンプ16に帰還されて、音響帰還系22を構成
している。フィルタ手段18は、音響帰還系の開ループ
伝達関数の最小位相要素の略々逆特性に設定されてい
る。
【0016】ここで、フィードバックループ中にフィル
タ手段18を入れた場合と入れない場合とで閉ループ伝
達特性の比較を行なう。図2(a)は、フィルタ手段1
8を入れない場合の図1の音響帰還系を模式的に表わし
たものである。同(b)は、そのブロック図である。こ
こで、 A:開ループ伝達関数の定数部分 H(ω):開ループ伝達関数の周波数関数部分(本明細
書ではこれのみを指して開ループ伝達関数という場合が
ある。) |A・H(ω)|<1 である。図2(b)によれば、閉ループ伝達関数G
(ω)は次のように表わされる。
【0017】G(ω)=A・H(ω)+(A・H
(ω))2 +(A・H(ω))3 +…… =A・H(ω)/(1−A・H(ω))
【0018】この閉ループ伝達関数G(ω)のインパル
ス応答特性および周波数特性のシミュレーション結果を
図3に示す。ここでは、増幅率Aを3dBごとに変化させ
た場合について示している。これによれば、インパルス
応答は、−11.5dB以上で零に収束しなくなっている
とともに、周波数特性にはピーク点が多数生じ、しかも
これらピーク点のレベルが不揃いである。これら応答の
不安定性および周波数ピークのあばれによって、この系
のハウリングマージンは狭く、スピーカ14からの発声
レベルをあまり上げることはできない。
【0019】一方、図4(a)は、フィルタ手段18を
入れた図1の音響帰還系22を模式的に表わしたもので
ある。同(b)はそのブロック図である。ここで、 Hmin (ω):開ループ伝達関数の最小位相要素 Hmin (ω)-1:Hmin (ω)の逆特性 (Hmin (ω)-1=1/Hmin (ω)) |A・H(ω)|<1 である。図4(b)によれば、閉ループ伝達関数G
(ω)は次のように表わされる。
【0020】G(ω)=A・H(ω)・Hmin (ω)-1
+(A・H(ω)・Hmin (ω)-12+(A・H
(ω)・Hmin (ω)-13 +…… =A・H(ω)・Hmin (ω)-1/(1−A・H(ω)
・Hmin (ω)-1) =A・Hap(ω)/(1−A・Hap(ω)) ただし、Hap(ω):全域通過要素(オールパスフィル
タ)。つまり振幅が周波数に無関係に一定で、位相角だ
け周波数と共に変化する関数
【0021】この閉ループ伝達関数G(ω)のインパル
ス応答特性および周波数特性のシミュレーション結果を
図5に示す。ここでは、増幅率Aを3dBごとに変化させ
た場合について示している。これによれば、インパルス
応答は、−2.5dBでも応答が零に収束しており、ピー
ク点は多数生じているが、ピーク点のレベルは平均化し
ている。つまり、最小位相要素の逆特性Hmin (ω)-1
を有するフィルタ手段18を入れることにより、開ルー
プ伝達関数に起因する不安定要素を、閉ループ伝達関数
から除去することができ、これにより時間応答を短くで
き、閉ループ伝達関数のピークファクタを平滑化でき
る。したがって、ハウリングマージンが拡大し、スピー
カ14からの発声レベルを上げることができる。
【0022】次に、開ループ伝達特性H(ω)の測定に
基づき、その最小位相要素の逆フィルタ特性H
min (ω)-1を求めるための手順の一例を説明する。開
ループ伝達関数H(ω)とその最小位相要素H
min (ω)とその全域通過要素Hap(ω)との間には次
の関係が成り立つ。
【0023】H(ω)=Hmin (ω)×Hap(ω) これらH(ω)、Hmin (ω)、Hap(ω)の極と零点
の配置を複素平面上に表わすと図6のようになる。つま
り、最小位相要素Hmin (ω)は、開ループ伝達関数H
(ω)の不安定領域にある零点の実軸iδ上の位置を虚
軸ωを対称軸として−側から+側に移動させたものであ
る。また、全域通過要素Hap(ω)は、開ループ伝達関
数H(ω)の不安定領域にある零点の位置に零点を配
し、この零点の実軸iδ上の位置を虚軸ωを対称軸とし
て−側から+側に移動した位置に極を配したものであ
る。
【0024】また、H(ω)、Hmin (ω)、H
ap(ω)には次の関係が成り立つ。
【0025】|H(ω)|=|Hmin (ω)|×|Hap
(ω)| |Hap(ω)|=1(つまり、Hap(ω)は位相特性の
み持つ) ∴ |Hmin (ω)|=|H(ω)| ∴ |Hmin (ω)-1|=1/|H(ω)| また、開ループ伝達関数H(ω)の位相特性θ(ω)は
次式で表わされる。
【0026】θ(ω)=θmin (ω)+θap(ω)+θ
lin (ω) 但し、θmin (ω):最小位相要素の位相特性 θap(ω) :全域通過要素の位相特性 θlin (ω):直線要素の位相特性
【0027】開ループ伝達関数H(ω)の最小位相要素
の逆特性Hmin -1(ω)を求めて、図1のフィルタ手段
18のフィルタ特性を設定する手順の一例を図7に示
す。すなわち、はじめに(1)開ループ伝達特性H
(ω)を測定し、これに基づき(2)最小位相要素の位
相特性θmin (ω)を求め、(3)最小位相要素の逆特
性Hmin (ω)-1を求める。そして、(4)この求めら
れた逆特性Hmin (ω)-1に相当するFIRフィルタ係
数を求め、(5)このFIRフィルタ係数をフィルタ手
段18に設定する。各工程の具体的内容について説明す
る。
【0028】(1) 開ループ伝達特性H(ω)の測定 音響帰還系22をオープン状態にして、インパルス信号
をスピーカ14から発してマイクロホン16で収音し
て、このインパルス応答をフーリエ変換して開ループ伝
達特性H(ω)を求める。この開ループ伝達特性H
(ω)からその周波数振幅特性|H(ω)|と周波数位
相特性θ(ω)は一義的に決まる。
【0029】(2) 最小位相要素の位相特性θ
min (ω)の算出 最小位相要素の位相特性θmin (ω)の算出手順を図
8、図9に示す。各工程を説明する。
【0030】 位相特性θ(ω) 測定された位相特性θ(ω)は前述のように θ(ω)=θmin (ω)+θap(ω)+θlin (ω) で表わされる。 アンラッピング処理 測定された位相特性θ(ω)をつなぎ合わせて一連のも
のに直す。 直線位相θlin (ω)(波頭遅れ)の除去 直線位相θlin (ω)は、上記工程によって求められ
る点(1,2)の勾配(=a)より θlin (ω)=aω として近似されるので、位相特性θ(ω)からこの直線
位相θlin (ω)を引いて除去する。直線位相θ
lin (ω)を除去すると、θmin (ω)+θap(ω)の
特性が得られる。
【0031】 群遅延特性算出 θmin (ω)+θap(ω)=ψ(ω)として、ψ(ω)
を微分して群遅延特性−dψ(ω)/dωを算出する。 不安定領域内の零点をなくす操作 群遅延特性の絶対値|−dψ(ω)/dω|をとること
により、一切の遅延をなくした要素(つまり不安定領域
内に零点が存在しない要素)を作り出す。これは、前記
図6のH(ω)からHmin (ω)を作り出す操作に相当
する。すなわち、この操作によって、ハウリングの原因
となる遅延を持たない要素Hmin (ω)が引き出され
る。
【0032】 積分 工程で求められた群遅延特性の絶対値|−dψ(ω)
/dω|を積分して、
【0033】
【数1】 を求める。 直線位相の除去 工程で求められた積分値の直線位相θlin (ω)′
は、点(3,4)の勾配(=b)より θlin (ω)′=bω として近似されるので、積分値からこの直線位相θlin
(ω)′を引く。引いた値
【0034】
【数2】 が最小位相要素の位相特性θlin (ω)として求まる。
【0035】(3) 最小位相要素の逆特性H
min (ω)-1の算出 Hmin (ω)-1を求めるということは、その実部Hmin
(ω)-1Reと虚部Hmin (ω)-1Imを求めるという
ことである。これらはそれぞれ次のようにして求められ
る。
【0036】Hmin (ω)-1Re=|Hmin (ω)-1
cos(−θmin (ω)) =(1/|Hmin (ω)|)cos(−θmin (ω)) Hmin (ω)-1Im=|Hmin (ω)-1|sin(−θ
min (ω)) =(1/|H(ω)|)sin(−θmin (ω))
【0037】(4) FIRフィルタ係数算出 以上のようにして求められた最小位相特性の逆特性H
min (ω)-1を逆フーリエ変換してインパルス応答を求
め、それをFIRフィルタ係数として求める。 (5) フィルタ係数設定 求められたFIRフィルタ係数をフィルタ手段18とし
てのFIRフィルタに設定する。そして、ループを閉じ
れば、前記図5の閉ループ伝達特性が得られる。
【0038】(実施例2)請求項2記載の発明の一実施
例を図10に示す。ホール等の音響空間10内には、マ
イクロホン12とPA用スピーカ14が配設されてい
る。マイクロホン12は、人や楽器等の音声を収音す
る。収音された音はマイクアンプ16で増幅され、フィ
ルタ手段24でフィルタ特性が付与(例えば、このフィ
ルタ特性に相当するインパルス応答を入力信号に畳み込
む。)され、パワーアンプ20で増幅されて、スピーカ
14から発声される。スピーカ14から発声された音は
マイクアンプ16に帰還されて、音響帰還系26を構成
している。フィルタ手段24は、略々−Hmin (ω)-1
/(1−A・Hap(ω))の特性に設定されている。
【0039】図11(a)は、図10の音響帰還系26
を模式的に表わしたものである。同(b)はそのブロッ
ク図である。図11(b)によれば、閉ループ伝達関数
G(ω)は次のように表わされる。
【0040】G(ω)=A・H(ω)・〔−H
min (ω)-1/(1−A・Hap(ω))〕+{A・H
(ω)・〔−Hmin (ω)-1/(1−A・H
ap(ω))〕}2+{A・H(ω)・〔−Hmin (ω)
-1/(1−A・Hap(ω))〕}3 +…… =A・H(ω)・〔−Hmin (ω)-1/(1−A・Hap
(ω))〕/〔1−A・H(ω)・(−H
min (ω)-1)/(1−A・Hap(ω))〕 =−A・Hap(ω)
【0041】この閉ループ伝達関数G(ω)のインパル
ス応答特性および周波数特性のシミュレーション結果を
図12に示す。ここでは、増幅率Aを3dBごとに変化さ
せた場合について示している。これによれば、時間応答
波形がきわめて短く、ピークが消滅した平坦な周波数特
性が得られている。したがって、ハウリングマージンが
最大になるとともにカラーレーションもなくなる。
【0042】(実施例3)請求項3記載の発明の一実施
例を図13に示す。ホール等の音響空間10内には、マ
イクロホン12とPA用スピーカ14が配設されてい
る。マイクロホン12で収音された音は、マイクアンプ
16で増幅された後、A/D変換器28でディジタル信
号に変換される。このディジタル信号は、閉ループ伝達
特性の測定時はスイッチ手段32の入力端子1に入力さ
れる。また、フィルタ特性が設定された後の実際の使用
時(演奏、講演時等)には、フィルタ手段としてのFI
Rフィルタ30に入力される。FIRフィルタ30は、
係数メモリ34に記憶されているフィルタ特性H
min (ω)-1または−Hmin (ω)-1/(1−A・Hap
(ω))に相当するインパルスレスポンスの係数情報に
入力信号を畳み込み演算して、入力信号にフィルタ特性
を付与する。
【0043】計測用信号発生手段36は、開ループ伝達
特性の計測時に計測用信号として、例えばインパルス信
号を発生する。この計測用信号はスイッチ手段32の入
力端子3に入力される。スイッチ手段32は、2つの出
力端子a,bを持ち、入力端子1,2,3に入力された
信号を出力a,bのいずれかに導く。切換制御手段38
は、操作者の指示操作に基づきスイッチ手段32の切換
えを行なう。すなわち、開ループ伝達特性の測定が指示
されると、入力端子3と出力端子aが接続されるととも
に、入力端子1が出力端子bに接続される。この状態で
操作者が計測スタート指示操作をすると、計測用信号が
出力端子aから出力され、D/A変換器40でアナログ
信号に変換され、パワーアンプ20で増幅されてスピー
カ14から発せられる。マイクロホン12はその音を収
音し、A/D変換器28でディジタル信号に変換し、ス
イッチ手段32を介して、開ループ伝達特性測定手段4
2に入力する。
【0044】開ループ伝達特性測定手段42は、収音さ
れたインパルス応答h(t)をフーリエ変換して、開ル
ープ伝達特性A・H(ω)を求める。求められた開ルー
プ伝達特性A・H(ω)は演算手段44に入力される。
ここで、定数部分Aは電気系のゲインとして予めわかっ
ているので、伝達特性H(ω)から一義的に周波数振幅
特性|H(ω)|および周波数位相特性θ(ω)がそれ
ぞれわかる。演算手段44は、フィルタ特性算出手段4
6にて、開ループ伝達特性H(ω)から前述した手法等
によりフィルタ特性Hmin (ω)-1または−H
min (ω)-1/(1−A・Hap(ω))を算出する(い
ずれを算出するかは、操作者の任意の選択操作によ
る)。畳み込み係数演算手段48は、算出されたフィル
タ特性を逆フーリエ変換して対応するインパルス応答を
求め、このインパルス応答の係数値(遅延時間とゲイ
ン)を係数メモリ34に記憶する。
【0045】以上のようにしてフィルタ特性の設定が終
了すると、スイッチ手段32は接続を切換える。すなわ
ち、入力端子2を出力端子aに接続し、他の入出力端子
は開放状態とする。これにより、音響帰還系50が構成
され、スタンバイ状態となる。したがって、この状態で
マイクロホン12を使用して演奏、講演等を行なえば、
FIRフィルタ30においてマイクロホン12の収音信
号に対し、FIRフィルタ係数が畳み込み演算されて、
フィルタ特性が付与されて、ハウリングを抑制し(フィ
ルタ特性をHmin (ω)-1に設定した場合)あるいはハ
ウリングおよびカラーレーションを抑制(フィルタ特性
を−Hmin (ω)-1/(1−A・Hap(ω))に設定し
た場合)した状態で拡声を行なうことができる。
【0046】なお、開ループ伝達特性の計測スタートか
ら係数メモリ34へのフィルタ特性の設定までの一連の
動作全体あるいは一部をシーケンシャル的にプログラム
化して自動で行なうことができる。
【0047】また、前記各実施例では、ピーク成分を除
いた周波数特性は全体として平坦化するものとして説明
したが、ピークファクタを平滑化しあるいはピーク自体
を低減するのに加えて任意の周波数特性を付与すること
もできる。
【0048】なお、前記実施例で述べた内容は、論理式
に従って求められた厳密解フィルタによるものである
が、このようなフィルタは、音場内での人の移動や温度
変化といった音場の変化に対して非常にクリティカルで
ある。このため、現実には、フィルタの特徴を変化させ
ない範囲で細かなピーク、ディップを除いたフィルタを
用いるのが安定した動作をするために有効である。
【0049】例えば、理論式に従って求められた厳密解
フィルタHmin (ω)、Hmin (ω)-1の周波数振幅特
性が図14(a)、(b)に示すものであったとする。
この特性では、細かなピーク、ディップが生じている。
この細かなピーク、ディップは例えば次のようにして除
くことができる。
【0050】まず、Hmin (ω)を逆フーリエ変換して
図15(a)の最小位相要素の時間応答特性h
min (t)を求める。求められたhmin (t)に対して
図15(b)のように時間とともに減衰する係数を時間
窓として掛けると、図15(c)のように時間応答が短
くなった最小位相要素の時間応答波形hmin (t)′が
得られる。この時間応答波形hmin (t)′の周波数振
幅特性Hmin (ω)′およびその逆特性Hmin (ω)′
-1はそれぞれ図15(d),(e)のようになり、前記
図14(a),(b)に比べて細かなピーク、ディップ
が消されている(ただし、図14(a),(b)の特性
の特徴は残されている)。したがって、このようにして
求められたHmin (ω)′,Hmin (ω)′-1を用いる
ことにより、音場内での人の移動や温度変化といった音
場の変化に対して安定な動作をすることができる。
【0051】具体的には、例えば前記図13の構成で
は、フィルタ特性算出手段46において、入力される開
ループ伝達特性H(ω)から最小位相要素Hmin (ω)
を求め、これを逆フーリエ変換して図15(a)の最小
位相要素の時間応答hmin (t)′を求め、これに図1
5(b)に示すような所望の時間窓を掛算して図15
(c)のhmin (t)′を求める。そして、h
min (t)′をフーリエ変換してHmin (ω)′を求
め、これからフィルタ特性Hmin (ω)′-1を求める。
【0052】また、前記実施例では音響空間で必然的に
生じてしまう音響帰還系によるハウリングやカラーレー
ションを抑制することを目的としてこの発明を利用した
が、ホール等の残響時間を調整する(延ばす)目的で、
音響空間中にマイクロホンとスピーカを配置して積極的
に音響帰還系を構成したいわゆる電気音響的残響支援装
置その他各種の音響帰還系を有するシステムにおいても
同様にこの発明を適用してカラーレーションやハウリン
グを防止することができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、開ループ伝達関数の最小位相要素の略々逆
特性を有するフィルタをループ内に挿入することによ
り、開ループ伝達関数に起因する不安定要素を、閉ルー
プから除去することができる。これにより、系の時間応
答波形を短くでき、また周波数特性のピーク点のレベル
の不揃いを減少させることができ、ハウリングマージン
が拡げられて、ハウリングを効果的に抑制することがで
きる。
【0054】また、請求項2記載の発明によれば、略々
−Hmin (ω)-1/(1−A・Hap(ω))の特性を有
するフィルタをループ内に挿入することにより、系の時
間応答波形をより短くでき、またピーク自体を消滅ある
いは非常に低いレベルに低減することができる。したが
って、ハウリングマージンがより拡げられるとともに、
カラーレーションも低減される。
【0055】そして、これら請求項1,2記載の発明に
おいてループ内に挿入されるフィルタのフィルタ特性
は、音響帰還系を開ループ状態にして測定される開ルー
プ伝達特性から求めることができるので、閉ループ伝達
特性から求める場合に比べて容易に求めることができ
る。
【0056】また、請求項3記載の発明によれば、開ル
ープ伝達特性の測定、その測定結果に基づくFIRフィ
ルタ係数の演算および求められたFIRフィルタ係数を
用いたFIRフィルタ手段による音場制御の一連の処理
を行なうことができ、請求項1,2記載の発明を容易に
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1記載の発明の一実施例を示すシステ
ム構成図である。
【図2】 図1の音場制御装置においてフィルタ手段1
8を除去した構成を模式的に表わした図およびその系統
を示すブロック図である。
【図3】 図2の音場制御装置における閉ループ時のイ
ンパルス応答波形および周波数特性図である。
【図4】 図1の構成を模式的に表わした図およびその
系統を示すブロック図である。
【図5】 図1の音場制御装置における閉ループ時のイ
ンパルス応答波形および周波数特性図である。
【図6】 H(ω)=Hmin (ω)×Hap(ω)のH
(ω)、Hmin (ω)、Hap(ω)の極と零点の配置を
複素平面上に表わした図である。
【図7】 開ループ伝達特性の測定からフィルタ特性の
設定までの手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】 最小位相要素の位相特性θmin (ω)の算出
手順の一例(前半)を示すフローチャートである。
【図9】 最小位相要素の位相特性θmin (ω)の算出
手順の一例(後半)を示すフローチャートである。
【図10】 請求項2記載の発明の一実施例を示すシス
テム構成図である。
【図11】 図10の構成を模式的に表わした図および
その系統を示すブロック図である。
【図12】 図10の音場制御装置における閉ループ時
のインパルス応答波形および周波数特性図である。
【図13】 請求項3記載の発明の一実施例を示すシス
テム構成図である。
【図14】 理論式に従って求められた厳密解H
min (ω)、Hmin (ω) -1の周波数振幅特性である。
【図15】 図14の特性からピーク、ディップを除く
操作の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 音響空間 12 マイクロホン 14 スピーカ 18,24 フィルタ手段 22,26,50 音響帰還系 30 FIRフィルタ手段 42 開ループ伝達特性測定手段 44 演算手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音響空間中にマイクロホンおよびスピーカ
    手段を配設し、音響的にフィードバックループを形成す
    る音響帰還系において、 前記フィードバックループ中に当該ループの開ループ伝
    達関数の最小位相要素の略々逆特性を有するフィルタ手
    段を配置してなる音場制御装置。
  2. 【請求項2】音響空間中にマイクロホンおよびスピーカ
    手段を配設し、音響的にフィードバックループを形成す
    る音響帰還系において、 前記フィードバックループ中に、当該ループの開ループ
    伝達関数の最小位相要素の逆特性をHmin -1(ω)、全
    域通過要素をHap(ω)、開ループ伝達関数の定数部分
    をAとして、略々 −Hmin (ω)-1/(1−A・Hap(ω)) の特性を有するフィルタ手段を配置してなる音場制御装
    置。
  3. 【請求項3】音響空間中にマイクロホンおよびスピーカ
    手段を配設し、音響的にフィードバックループを形成す
    る音響帰還系において、 当該ループの開ループ伝達特性を測定する開ループ伝達
    特性測定手段と、 この測定された開ループ伝達特性から、当該ループの開
    ループ伝達関数の最小位相要素の逆特性をH
    min -1(ω)、全域通過要素をHap(ω)、開ループ伝
    達関数の定数部分をAとして、略々 Hmin -1(ω)または−Hmin (ω)-1/(1−A・H
    ap(ω)) の特性に略々相当するFIRフィルタ係数を求める演算
    手段と、 前記フィードバックループ中に配されて、当該ループ中
    の信号に対し、前記求められたFIRフィルタ係数を畳
    み込むFIRフィルタ手段とを具備してなる音場制御装
    置。
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