JPH07237445A - 自動車用内装部品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トリム本体にガーニッシュを装着してなる内
装部品において、ガーニッシュの組み付けを廉価かつ作
業性良く行なうことを目的とする。 【構成】 ドアトリム本体２０に設けたクリップ座２３
ならびにガーニッシュ３０にそれぞれ共締め孔２５，３
２を開設し、これら共締め孔２５，３２を合わせ、パネ
ル取付用の樹脂クリップ６０に設けた接合片６２，６
５，６６を上記共締め孔２５，３２内に差し込むことに
より、クリップ着座面２４とガーニッシュ３０とを接合
一体化し、簡単かつ効率良くドアトリム本体２０にガー
ニッシュ３０を取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動車用ドアトリム
等の自動車用内装部品に関するもので、特に、トリム本
体とガーニッシュとを簡単に組み付けることを可能にし
た自動車用内装部品に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、自動車室内には各種内装部品が装
着されているが、その代表的なものにドアパネルに内装
される自動車用ドアトリムがある。

【０００３】図７は、運転席側のフロントドアに内装さ
れる自動車用ドアトリム１を示す斜視図であり、通常、
自動車用ドアトリム１は、ドアトリム本体２に各種別部
品が装着されて構成されている。

【０００４】すなわち、ドアトリム本体２の後部側縁に
沿って、樹脂成形体からなるガーニッシュ３が装着され
ているとともに、ドアトリム本体２の中央部にはアーム
レスト４が、また表面下側にはドアポケットユニット５
が装着されて機能性を高めている。

【０００５】そして、従来ドアトリム本体２にガーニッ
シュ３を取付けるには、図８に示すように、ドアトリム
本体２（樹脂芯材２ａ表面に表皮材２ｂを被覆貼着して
構成されている）における樹脂芯材２ａの裏面所定箇所
に取付用ボス６が一体形成されており、ガーニッシュ３
をドアトリム本体２の側縁部所定箇所に位置決めしたの
ち、ガーニッシュ３の取付孔３ａとドアトリム本体２の
取付用ボス６のボス孔６ａと合わせ、ビス７をガーニッ
シュ３側からねじ込むことにより、ドアトリム本体２に
ガーニッシュ３を固定している。

【０００６】そして、ドアトリム１を車体パネルに固定
するには、樹脂芯材２ａと一体にクリップ座８を形成
し、このクリップ座８に車体取付用の樹脂クリップ９を
装着して、図示しない車体パネルの取付孔内にこの樹脂
クリップ９を圧入嵌合させることにより、ドアトリム１
を車体パネルに確実に固定するようにしている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来のド
アトリム１においては、ドアトリム本体２に対してガー
ニッシュ３をビス止め固定している関係で、アームレス
ト４やドアポケット５の取付けに使用するビスに加え
て、取付用ビスの点数が増えるため、コストアップを招
来するとともに、ビス止め作業も必要となり、作業工程
の長期化を招き、組立てラインのバランスを悪化させる
という問題点が指摘されている。

【０００８】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、トリム本体に樹脂成形体からなるガーニッ
シュを組み付けて内装部品が構成され、かつ車体パネル
取付用のクリップを介して車体側に装着される内装部品
において、ガーニッシュ取付用のビスを廃止でき、部品
点数の削減ならびに作業工程の低減により、生産性を高
めた自動車用内装部品を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、所要形状に成形されたトリム本体と、こ
のトリム本体の側縁部に沿って装着される樹脂成形体か
らなるガーニッシュとから構成されるとともに、トリム
本体裏面に設けたクリップ座に装着した車体取付用の樹
脂クリップを介して車体パネルに取付けられる自動車用
内装部品において、前記クリップ座のクリップ着座プレ
ートと、このクリップ着座プレートに対応する箇所のガ
ーニッシュとに共締め孔がそれぞれ開設され、樹脂クリ
ップに設けた接合片を上記共締め孔に差し込むことによ
り、トリム本体とガーニッシュとが接合一体化されてい
ることを特徴とする。

【００１０】さらに、本発明は、クリップ座のクリップ
着座プレートとガーニッシュのいずれか一方側にロケー
トピンが設けられ、他方側にロケート孔が開設され、ロ
ケート孔内に上記ロケートピンを挿入することにより、
クリップ座とガーニッシュとのズレを規制したことを特
徴とする。

【００１１】

【作用】以上の構成から明らかなように、トリム本体に
設けたクリップ座のクリップ着座プレートおよびガーニ
ッシュにそれぞれ共締め孔を開設しておき、共締め孔に
車体取付用の樹脂クリップに設けた接合片を差し込むこ
とにより、トリム本体とガーニッシュとを接合一体化で
きるため、従来の取付用ビスを廃止できるとともに、ガ
ーニッシュの組み付け作業においても、共締め孔内に樹
脂クリップの接合片をワンタッチで差し込むことができ
る。

【００１２】

【実施例】以下、本発明に係る自動車用内装部品の実施
例ついて、添付図面を参照しながら詳細に説明する。

【００１３】図１は本発明を適用した自動車用ドアトリ
ムを示す斜視図、図２は同自動車用ドアトリムの要部断
面図、図３は本発明に使用する樹脂クリップを示す斜視
図、図４は自動車用ドアトリムを構成するドアトリム本
体とガーニッシュとの接合状態を示す説明図、図５ない
し図６はトリム本体とガーニッシュとの接合構造の変形
例を示す説明図である。

【００１４】図１，図２において、自動車用ドアトリム
１０は、図示しない運転席側のフロントドアパネルに内
装されるものであり、所要形状に成形されるドアトリム
本体２０と、このドアトリム本体２０の後部側縁に沿っ
て装着されたガーニッシュ３０ならびにドアトリム本体
２０の表面側適宜箇所に装着され、アームレスト機能や
ポケット機能を付与するアームレスト４０、ドアポケッ
ト５０とから構成されている。

【００１５】上記ドアトリム本体２０は、保形性ならび
に車体パネルへの取付剛性を備えた樹脂芯材２１の表面
に、装飾性，クッション性を備えた表皮材２２を貼着し
て構成されており、本実施例においては、樹脂芯材２１
はタルクを混入したポリプロピレン樹脂をモールドプレ
ス成形することにより所要形状に成形され、図２に示す
ように、この樹脂芯材２１には車体パネル取付用の樹脂
クリップ６０を装着するクリップ座２３が一体形成され
ている。

【００１６】また、表皮材２２としては、ＰＶＣシート
裏面にポリエチレンフォーム等の発泡層を裏打ちした積
層シートが使用されており、樹脂芯材２１のモールドプ
レス成形時、表皮材２２は一体成形されるとともに、成
形後、表皮材２２の周縁端末を樹脂芯材２１の裏面に巻
き込み固着して周縁端末の処理が行なわれている。

【００１７】なお、本実施例においては、ドアトリム本
体２０の成形をモールドプレス成形により行なったが、
射出成形あるいはプレス成形によりドアトリム本体２０
を成形してもよく、射出成形の場合、クリップ座２３を
樹脂芯材２１に一体形成できるが、プレス成形の場合に
は、別物のクリップ座を設定する必要がある。

【００１８】次いで、ドアトリム本体２０の後部側縁に
沿って装着されるガーニッシュ３０は、車体パネルの室
内側への露出を避けるためにドアトリム本体２０に装着
されるもので、ＡＢＳ樹脂，ポリプロピレン樹脂等の合
成樹脂の射出成形体からなり、ほぼ中央部にロック機構
を外部に露出させるための開口３１が設定されている。

【００１９】そして、本発明の特徴は、ドアトリム本体
２０に対してガーニッシュ３０を簡単かつ効率良く取付
けることを可能にした点にある。

【００２０】すなわち、図２に示すように、クリップ座
２３のクリップ着座プレート２４ならびにガーニッシュ
３０にそれぞれ共締め孔２５，３２を開設しておき、車
体パネル取付用の樹脂クリップ６０により、ドアトリム
本体２０とガーニッシュ３０とを簡単に接合一体化する
ことが特徴である。

【００２１】この樹脂クリップ６０は、ポリアセタール
樹脂，ポリアミド樹脂等の射出成形体からなり、図３に
示すように、円盤状のフランジ６１の一方側に長球状の
接合片６２を、他方側にパネル嵌合片６３を設け、接合
片６２とフランジ６１との間には共締め孔２５，３２内
に遊嵌される首部６４が設定されている。

【００２２】図４は、ドアトリム本体２０の裏面側から
ガーニッシュ３０を取付ける状態を示すもので、ドアト
リム本体２０の裏面側にガーニッシュ３０を所定箇所に
位置決めしたのち、樹脂クリップ６０の接合片６２をガ
ーニッシュ３０の共締め孔３２，クリップ座２３の共締
め孔２５内にそれぞれ差し込むことにより、図２に示す
ように、この樹脂クリップ６０を介してドアトリム本体
２０とガーニッシュ３０とが接合一体化される。

【００２３】そして、この樹脂クリップ６０の他方側の
パネル嵌合片６３を、図示しない車体パネルの取付孔に
圧入嵌合させればよいのである。

【００２４】このように、樹脂クリップ６０の形状に工
夫を加え、従来の車体パネル取付用の樹脂クリップ６０
を利用して、ドアトリム本体２０とガーニッシュ３０と
の接合一体化を図るため、従来の取付用ビスが廃止で
き、部品点数の削減がもたらされるとともに、ビス止め
作業も廃止できるなど、作業能率も大幅に向上する。

【００２５】なお、本実施例の場合、樹脂クリップ６０
の首部６４の径は、共締め孔２５，３２の径より小さく
設定されているため、この樹脂クリップ６０を介してド
アトリム本体２０とガーニッシュ３０とを接合一体化さ
せた状態では、ガーニッシュ３０に若干の遊びが生じる
が、クリップ座２３のクリップ着座プレート２４にロケ
ートピン２６を設け、ガーニッシュ３０側にロケート孔
３３を対応して開設しておけば、ロケートピン２６にロ
ケート孔３３を挿入させることにより、ドアトリム本体
２０に対してガーニッシュ３０のグラツキを防止するこ
とができる。また、ロケートピン２６は樹脂芯材２１に
立設しても良く、逆にガーニッシュ３０側にロケートピ
ンを設け、クリップ座２３側にロケート孔を設置しても
良い。

【００２６】次いで、図５，図６は本発明の別実施例を
示すもので、図５に示すものは、樹脂クリップ６０の形
状を変更したものであり、フランジ６１に一対の係止爪
からなる接合片６５を一体化して、クリップ座２３なら
びにガーニッシュ３０に設けた矩形状の共締め孔２５，
３２内にこの接合片６５を嵌着することにより、ドアト
リム本体２０に対するガーニッシュ３０の接合一体化を
図った実施例である。

【００２７】本実施例によれば、接合片６５の取付強度
が強化されているため、ドアトリム１０をドアパネルか
ら脱着する際、ドアトリム本体２０とガーニッシュ３０
とがはずれることがない。

【００２８】また、図６は樹脂クリップ６０を回転操作
して共締め孔２５，３２内に差し込み操作するものであ
り、フランジ６１の一方側に首部６４を介してアンカー
プレート状の接合片６６が設けられている。

【００２９】この実施例の場合、接合片６６を共締め孔
３２，２５内に挿入したのち、樹脂クリップ６０の軸方
向を基準として９０度回転操作させればよく、樹脂クリ
ップ６０の嵌め込み操作が容易に行なえ、作業性が向上
するという利点があるとともに、樹脂クリップ６０が共
締め孔２５，３２の長手方向に沿って可動できるため、
車体パネルとトリムとの寸法誤差や取付誤差を吸収でき
るという有利さがある。

【００３０】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明による自動車
用内装部品は、以下に記載する格別の作用効果を有す
る。

【００３１】（１）トリム本体のクリップ座のクリップ
着座プレートとガーニッシュとにそれぞれ共締め孔を開
設し、車体パネル取付用の樹脂クリップを利用して、ト
リム本体とガーニッシュとを接合一体化するというもの
であるから、ガーニッシュ取付用ビスを廃止でき、備品
点数削減によるコストダウンを招来するという効果を有
する。

【００３２】（２）車体パネル取付用の樹脂クリップを
利用して、トリム本体に対してガーニッシュを位置決め
し、ワンタッチでトリム本体とガーニッシュとの接合一
体化を行なえるため、面倒なビス止め作業が廃止でき、
しかもワンタッチでトリム本体に対するガーニッシュの
取付が可能となり、作業性を大幅に向上させることがで
きるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した自動車用ドアトリムを示す斜
視図。

【図２】図１中II−II線断面図。

【図３】本発明に使用する樹脂クリップを示す斜視図。

【図４】図１に示すドアトリム本体とガーニッシュとの
接合状態を示す説明図。

【図５】ドアトリム本体とガーニッシュとの接合構造の
別実施例を示す説明図。

【図６】ドアトリム本体とガーニッシュとの接合構造の
さらに別実施例を示す説明図。

【図７】従来の自動車用ドアトリムを示す斜視図。

【図８】図７中VIII−VIII線断面図。

【図９】図７中IX−IX線断面図。

【符号の説明】

１０ 自動車用ドアトリム ２０ ドアトリム本体 ２１ 樹脂芯材 ２２ 表皮材 ２３ クリップ座 ２４ クリップ着座プレート ２５ 共締め孔 ２６ ロケートピン ３０ ガーニッシュ ３２ 共締め孔 ３３ ロケート孔 ６０ 樹脂クリップ ６１ フランジ ６２，６５，６６ 接合片 ６３ パネル嵌着片 ６４ 首部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所要形状に成形されたトリム本体（２
   ０）と、このトリム本体（２０）の側縁部に沿って装着
   される樹脂成形体からなるガーニッシュ（３０）とから
   構成されるとともに、トリム本体（２０）裏面に設けた
   クリップ座（２３）に装着した車体取付用の樹脂クリッ
   プ（６０）を介して車体パネルに取付けられる自動車用
   内装部品において、 前記クリップ座（２３）のクリップ着座プレート（２
   ４）と、このクリップ着座プレート（２４）に対応する
   箇所のガーニッシュ（３０）とに共締め孔（２５，３
   ２）がそれぞれ開設され、樹脂クリップ（６０）に設け
   た接合片（６２，６５，６６）を上記共締め孔（２５，
   ３２）に差し込むことにより、トリム本体（２０）とガ
   ーニッシュ（３０）とが接合一体化されていることを特
   徴とする自動車用内装部品。
2. 【請求項２】 クリップ座（２３）のクリップ着座プレ
   ート（２４）と、ガーニッシュ（３０）のいずれか一方
   側にロケートピン（２６）が設けられ、他方側にロケー
   ト孔（３３）が開設され、ロケート孔（３３）内に上記
   ロケートピン（２６）を挿入することにより、クリップ
   座（２３）とガーニッシュ（３０）とのズレを規制した
   ことを特徴とする請求項１記載の自動車用内装部品。