JPH0723531Y2 - エンジンのブローバイガス還流装置 - Google Patents

エンジンのブローバイガス還流装置

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JPH0723531Y2
JPH0723531Y2 JP1988135580U JP13558088U JPH0723531Y2 JP H0723531 Y2 JPH0723531 Y2 JP H0723531Y2 JP 1988135580 U JP1988135580 U JP 1988135580U JP 13558088 U JP13558088 U JP 13558088U JP H0723531 Y2 JPH0723531 Y2 JP H0723531Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、エンジンのブローバイガス還流装置に関す
る。
（従来の技術） 燃焼室からピストンの隙間を通ってクランク室に吹き抜
けるブローバイガスは、エンジン潤滑油を劣化する原因
にもなるため、クランク室およびロッカ室は十分な換気
が必要である。
従来のブローバイガス還流装置として、例えば第６図に
示すようなものがある（実開昭61-152714号公報参
照）。
これについて説明すると、Ｖ型エンジン51は左右バンク
に２つのロッカ室52を備え、吸気通路53の絞弁54の上下
流にそれぞれ連通する新気導入通路55とブローバイガス
還流通路56が共に各ロッカ室52に接続されている。
クランク室57に吹き抜けたブローバイガスは、エンジン
ブロックを貫通する各通路58を介して左右ロッカ室52に
流入した後に、各還流通路56を介して吸気通路53に吸引
されるようになっている。
（考案が解決しようとする課題） しかしながら、このような従来装置の場合、新気導入通
路55とブローバイガス還流通路56が共にロッカ室52に接
続されているため、新気導入通路55からロッカ室52に流
入した新気の大部分は、クランク室57に流入せずにその
ままブローバイガス還流通路56を介して吸引されてしま
い、クランク室57の換気が十分に行われないという問題
点があった。
本考案は、こうした従来の問題点を解決することを目的
とする。
（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため本考案では、ロッカ室に新気を
導く新気導入通路と、ロッカ室を吸気通路に連通するブ
ローバイガス還流通路をそれぞれ配設したエンジンのブ
ローバイガス還流装置において、前記ロッカ室とクラン
ク室を互いに連通し、かつクランク軸のカウンタウェイ
ト周面に所定の隙間をもって開口する新気吸引ポートを
設け、この新気吸引ポートはシリンダブロック中心線よ
りもカウンタウエイト周面の回転方向に偏在させると共
に、該ポートが開口するシリンダブロック壁面とカウン
タウエイト周面との間に画成される隙間の断面をカウン
タウエイト周面の回転運動方向に徐々に縮小するテーパ
状に形成した。
（作用） 上記構成に基づき、新気吸引ポートの開口部にはカウン
タウェイト周面の回転により負圧が生じ、この吸引ポー
トを介してクランク室に新気が強制的に供給される。こ
れにより、新気導入通路およびブローバイガス還流通路
を共にロッカ室に接続した場合も、クランク室へ供給さ
れる新気の流量を確保して、ロッカ室と共にクランク室
の換気を十分に行うことができる。
（実施例） 以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第１図，第２図にそれぞれ示すように、Ｖ型８気筒エン
ジン１は左右のロッカカバー２を備え、左右ロッカカバ
ー２にはブローバイガス排出口11と、新気取入口12がそ
れぞれ形成される。
第３図にも示すように、左右ロッカカバー２のブローバ
イガス排出口11はそれぞれブローバイガス還流通路13を
介して吸気管の絞弁より下流側に連通し、このブローバ
イガス還流通路13の途中にはブローバイガスの還流量を
吸気管負圧に応じて調節すうPCVバルブ14が介装されて
いる。
左右ロッカカバー２の新気取入口12はそれぞれ新気導入
通路15を介して吸気管の絞弁より上流側に連通して、エ
アクリーナ通過後の新気が取り入れられる。
左右ロッカカバー２の内側にはバッフルプレート17が取
付けられ、ロッカカバー２からはブローバイガス排出口
11と新気取入口12の間に位置してバッフルプレート17に
接合する隔壁部18が突出し、この隔壁部18によりロッカ
カバー２とバッフルプレート17の間にはブローバイガス
排出口11が開口する第一セパレータ室21と、新気取入口
12が開口する第二セパレータ室22とに画成される。
第一セパレータ室21を画成するバッフルプレート17の前
端23はロッカカバー２との間に開口部24を形成し、この
開口部24から第一セパレータ室21にブローバイガスを流
入させる一方、バッフルプレート17にはブローバイガス
排出口11のほの下方に位置してオイル戻し穴25が形成さ
れ、第一セパレータ室21で分離されたオイルをロッカ室
３に戻すようになっている。
第二セパレータ室22を画成するバッフルプレート17の後
端26はロッカカバー２との間に開口部27を形成し、この
開口部27からロッカ室３に新気を供給する。また、ロッ
カカバー２には２つの仕切り壁28,29が所定の間隔をも
って突出し、バッフルプレート17にはこの仕切り壁28,2
9の前後に２つの仕切り板31,32が取付けられ、第二セパ
レータ室22を流れるガスを蛇行させるようになってい
る。
図中８はシリンダヘッド、９はカム軸であり、カム軸９
とクランク軸６の間にはスプロケット41,42を介してチ
ェーン（図示せず）が掛け回され、エンジン１の前部に
はこのチェーンを収装するチェーン室43が設けられてい
る。
図中10はオイルパン、45はエンジン１の各部に潤滑油を
供給する油通路であり、46はシリンダヘッド８の潤滑油
をオイルパン10に戻す油通路である。
チェーン室43と反対側のエンジン後部に位置して、第二
セパレータ室22とクランク室19を互いに連通する新気吸
入ポート36を設ける。
左右ロッカカバー２には第二セパレータ室22の後部に開
口する取出口33がそれぞれ形成され、各新気取出口33に
は配管34およびコネクタ35を介してシリンダブロック５
に形成された新気吸引ポート36に接続する。
新気吸引ポート36の開口部37はクランク軸６の最後部の
カウンタウェイト周面７に所定の隙間38をもって対峙す
る。
カウンタウェイト周面７はクランク軸６と同心的な円周
状に形成され、クランク軸６は第１図において右回りに
回転する。新気吸引ポート36はシリンダブロック５の中
心線Ｏより右バンク側に位置して形成され、新気吸引ポ
ート36が開口するシリンダブロック壁面39とカウンタウ
ェイト周面７との間に画成される隙間38の断面をカウン
タウェイト周面７の回転運動方向に徐々に縮小するテー
パ状に形成する。
このように構成してあり、次に作用について説明する。
ピストンとシリンダの隙間からクランク室19に吹き抜け
たブローバイガスは、矢印で示すようにその大部分がチ
ェーン室43を通って残りの一部が油戻し通路46をそれぞ
れ通ってロッカ室３に流入し、ロッカ室３から第一セパ
レータ室21を介してオイルを分離した後に排出口11およ
び還流通路13を通って吸気管に吸引される。
このようにブローバイガスがロッカ室３を経て還流され
るのに伴って、吸気管からの新気が矢印で示すように導
入通路15を通って取入口12から第二セパレータ室22に流
入する。第二セパレータ室22に流入した新気の一部は開
口部27からロッカ室３に拡がり、ロッカ室３をエンジン
後方から前方へとブローバイガスを浄化しながら流れ、
開口部24から第一セパレータ室21に流入し、排出口11お
よび還流通路13を通って吸気管に回収される。
第二セパレータ室22に流入した新気の残りの一部は、矢
印で示すように取出口33と配管34およびコネクタ35を介
して吸引ポート36に吸引され、クランク室19に流入す
る。
カウンタウェイト周面７の回転に伴い、シリンダブロッ
ク壁面39との間の空気が粘性によりこれらの隙間の幅が
狭くなっている部分へと引き込まれることから、カウン
タウェイト周面７に対峙する開口部37が低圧となって第
二セパレータ室22の新気がクランク室19へと強制的に供
給される。
このようにカウンタウェイト周面７の吸引作用によりク
ランク室19には十分な流量の新気が流入するので、クラ
ンク室19ではこの新気吸引ポート36からチェーン室43に
向けてエンジン後方から前方へと新気が流れ、クランク
室19にブローバイガスが滞留するよどみをつくることが
なく、十分な換気作用が得られる。
（考案の効果） 以上の通り本考案によれば、ロッカ室とクランク室を互
いに連通して、クランク軸のカウンタウェイト周面に所
定の隙間をもって開口する新気吸引ポートを設けたた
め、カウンタウェイトの回転によりクランク室に新気を
強制的に供給するので、クランク室およびロッカ室の換
気作用が十分に得られ、ブローバイガスによるエンジン
潤滑油の劣化等を有効に抑えられる。
【図面の簡単な説明】
第１図は本考案の一実施例を示すエンジンの正面断面
図、第２図は同じく側面断面図、第３図はガスの流れを
示す斜視図、第４図は通路の概略を示す平面構成図、第
５図は同図Ｂ−Ｂ線に添う正面断面図である。第６図は
従来例を示す正面断面図である。 １……エンジン、３……ロッカ室、６……クランク軸、
７……カウンタウェイト周面、11……ブローバイガス排
出口、12……新気取入口、21……第一セパレータ室、22
……第二セパレータ室、36……新気吸引ポート、43……
チェーン室。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項１】ロッカ室に新気を導く新気導入通路と、ロ
    ッカ室を吸気通路に連通するブローバイガス還流通路を
    それぞれ配設したエンジンのブローバイガス還流装置に
    おいて、前記ロッカ室とクランク室を互いに連通し、か
    つクランク軸のカウンタウェイト周面に所定の隙間をも
    って開口する新気吸引ポートを設け、この新気吸引ポー
    トが開口するシリンダブロック壁面とカウンタウエイト
    周面との間に画成される隙間の断面をカウンタウエイト
    周面の回転運動方向に徐々に縮小するテーパ状に形成し
    たことを特徴とするエンジンのブローバイガス還流装
    置。
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