JPH07232950A - 自己平滑性セメントモルタル組成物の製造方法および施工方法 - Google Patents

自己平滑性セメントモルタル組成物の製造方法および施工方法

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JPH07232950A
JPH07232950A JP4338194A JP4338194A JPH07232950A JP H07232950 A JPH07232950 A JP H07232950A JP 4338194 A JP4338194 A JP 4338194A JP 4338194 A JP4338194 A JP 4338194A JP H07232950 A JPH07232950 A JP H07232950A
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cement
cement mortar
kneading
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water
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俊介 田沢
Katsuhiko Kurihara
勝彦 栗原
Masaki Kobori
雅紀 小堀
Hirohisa Okamoto
洋久 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】セメント(C)300〜900 kgと細骨材(S) と水(W)
からなるセメントモルタル〔 S/C: 0.5〜4, W/C: 0.6
〜1.4 〕1m3 あたり、流動化剤1〜15kg、増粘剤 0.5
〜10kgおよび消泡剤 0.3〜3kgを添加して得られる自己
平滑性組成物(生SL材)を製造・施工するに際して、
含水率2〜15重量%の範囲である細骨材を用いたとき、
セメントと細骨材とを前記量比で配合して予め空練りし
た後に所要量の水を加えて混練りし、得られたセメント
モルタルに前記添加剤を加えて混練りし、得られた生S
L材を、そのフロー値が20〜35cmの範囲内で流し延べ
る。 【効果】材料として使用される細骨材の含水率が高いと
きにも、細骨材やSL化用添加剤の塊状物の残留がな
く、表面に白華・突起・気泡跡がなく平滑で良好な硬化
体が形成され、レベル精度の良い床面を得ることがで
き、建築物の床を構築する際の施工時の大幅な省力化と
仕上がり床面の品質の安定化が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の床構築用材と
して好適な自己平滑(セルフレベリング、以下、SLと
もいう)性セメントモルタル組成物の製造方法および施
工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 1) 建築物の床構築用材としてのSL材に関して、本発
明者らは、先に、一般の生コン工場における通常の生コ
ンクリート製造設備を用いて、生コンクリートや生セメ
ントモルタルを製造する際に用いられている細骨材を用
いて調製されたベースセメントモルタル(以下、単にベ
ースモルタルという)に、SL化用添加剤を配合して生
SL材を製造し、コンクリート・ミキサー車などを利用
して施工現場に搬入し、施工場所に流し延べる方法(特
願平3-351324号) を提案した。
【0003】2) また、一般の生コン工場における通常
の生コンクリート製造設備を用いて、生コンクリートや
生セメントモルタルを製造する際に用いられている細骨
材を用いて調製されたベースモルタルを、コンクリート
・ミキサー車などを利用して施工現場に搬入し、施工現
場において、ミキサー車または別の混練り装置を用いて
ベースモルタルにSL化用添加剤を配合して混練りし、
得られたセメントモルタル組成物を施工場所に流し延べ
る方法(特開平5-106331号) を提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らが先に提案
した前記 1) または 2) の方法は、使用する細骨材が絶
対乾燥状態ないし表面乾燥飽水状態であるときには、適
用することができる。ところが、一般の生コン工場で使
用される細骨材は、通常、含水率が高くて湿潤状態にあ
ることが多く、貯蔵中に塊状となりやすい。塊状の細骨
材を含む細骨材を用いて、前記の方法でベースモルタル
を調製すると細骨材の塊が残り、このようなベースモル
タルにSL化用添加剤を添加すると、添加されたSL化
用添加剤が残留する細骨材の塊に付着したり、あるいは
添加剤の塊状物(ママコ)が生成し易く、得られた生S
L材の組成の均一性が不良となる。このような生SL材
を流し延べたときには、形成された硬化体表面のレベル
精度が悪くなるという問題点がある。
【0005】本発明の目的は、従来の施工法の問題点を
解決し、施工現場での粉体と重量物の取り扱い作業が大
幅に軽減され、しかも安定した品質のSL材を供給し得
る地域が制約されることがなく、生SL材を製造する際
に使用される細骨材の含水率が高いときにも、細骨材や
SL化用添加剤の塊状物の残留・生成あるいはミキサー
へのSL化用添加剤の付着がなく、表面に白華・突起お
よび気泡跡がなく平滑で良好な硬化体が形成され、レベ
ル精度が良い仕上がり床面を得ることができ、省力化と
床品質安定化が可能な、自己平滑性セメントモルタル組
成物の製造方法および施工方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行い、生SL材を製造する際に使用される細骨材の含
水率が高いときにも、ベースモルタル材料の配合割合の
範囲を規定し、水以外のセメントと細骨材とを配合して
予め空練りした後に、所要の水を加えて混練してベース
モルタルを調製し、これに自己平滑性を付与するための
特定量のSL化用添加剤を加えて混練することにより、
更に、得られたセメントモルタル組成物を特定範囲のフ
ロー値において流し延べることにより、施工現場におけ
る重量物の取り扱い作業が大幅に軽減され、通常の生コ
ン製造設備を共用することができるので生SL材を供給
し得る地域が限定されることなく、しかも白華・突起お
よび気泡跡がなく平滑で良好な硬化体が形成され、レベ
ル精度が良い仕上がり床面を容易に得ることができるこ
とを知り、本発明を完成した。
【0007】本発明の第一の発明は、「セメント量が 3
00〜900 kgの範囲で、細骨材セメント比(重量比) 0.5
〜4、水セメント比(重量比) 0.6〜1.4 の範囲内であ
るようにセメント・細骨材および水を含んでなるベース
セメントモルタル1m3 あたり、流動化剤1〜15kg、増
粘剤 0.5〜10kgおよび消泡剤 0.3〜3kgを添加して自己
平滑性セメントモルタル組成物を製造するにあたり、含
水率が2〜15重量%の範囲である細骨材を用いるとき、
前記ベースセメントモルタルの前記材料の内、セメント
と細骨材とを前記規定範囲の量比で配合して予め空練り
した後に、前記量比の水を加えて混練りし、得られたベ
ースセメントモルタルに、前記量比の流動化剤・増粘剤
および消泡剤を加えて混練りすることを特徴とする自己
平滑性セメントモルタル組成物の製造方法。」を要旨と
する。
【0008】また、本発明の第二の発明は「セメント量
が 300〜900 kgの範囲で、細骨材セメント比(重量比)
0.5〜4、水セメント比(重量比) 0.6〜1.4 の範囲内
であるようにセメント・細骨材および水を含んでなるベ
ースセメントモルタル1m3あたり、流動化剤1〜15k
g、増粘剤 0.5〜10kgおよび消泡剤 0.3〜3kgを添加し
て得られる自己平滑性セメントモルタル組成物の施工方
法において、含水率が2〜15重量%の範囲である細骨材
を用いるとき、前記ベースセメントモルタルの前記材料
の内、セメントと細骨材とを前記規定範囲の量比で配合
して予め空練りした後に、前記量比の水を加えて混練り
し、得られたベースセメントモルタルに、前記量比の流
動化剤・増粘剤および消泡剤を加えて混練りし、得られ
たセメントモルタル組成物をそのフロー値が20〜35cmの
範囲内であるときに流し延べ、硬化させることを特徴と
する自己平滑性セメントモルタル組成物の施工方法。」
を要旨とする。
【0009】空練りの処理は、混練り装置を用いて少な
くとも15秒間行うことがよく、空練りしたセメントと細
骨材との配合物に水を加えて行う混練りの処理は、混練
り装置を用いて少なくとも15秒間行うことがよく、ま
た、得られたベースモルタルに流動化剤・増粘剤および
消泡剤を加えて行う混練りの処理は、混練り装置を用い
て0.25〜10分間の範囲で行うことがよい。
【0010】以下、本発明の詳細について説明する。本
発明の自己平滑性セメントモルタル組成物(以下、単に
本発明の組成物という)は、ベースモルタルとこれに自
己平滑性を付与するSL化用添加剤から構成される。
【0011】本発明の組成物を構成するベースモルタル
は、セメント、細骨材及び水からなる。セメントとして
は、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメ
ント、中庸熱ポルトランドセメント、高炉セメント、シ
リカセメント、フライアッシュセメント、アルミナセメ
ント、ジェットセメントなどの各種のセメントを用いる
ことができる。
【0012】細骨材は、一般の生コンクリート製造に用
いられるもの、あるいは左官用細骨材を用いることがで
き、その粒径が5mm以下、好ましくは2mm以下、更に好
ましくは1mm以下であるものがよい。
【0013】本発明の方法は、使用する細骨材の含水率
が2重量%未満であるときにも適用することができる
が、細骨材の含水率が2〜15重量%の範囲であるときに
好適であり、効果を奏する。含水率が15重量%を超える
細骨材を用いたときには、混練り物がミキサー内部に付
着し付着物の除去が困難である。また、付着物が、混練
り操作の途中で剥離して混練り物中に混入すると、混練
り時間を延長しても塊状物が残留する。
【0014】本発明の組成物を構成するベースモルタル
1m3 あたりに用いられる単位セメント量(C) は、 300
〜900 kg/m3 の範囲がよい。300kg/m3 未満では、
細骨材セメント比が大きくなってセメントモルタル組成
物のフロー値が小さく、形成される硬化体のレベル精度
が低下し、強度が小さくなる。一方、900 kg/m3 を超
えると、形成される硬化体に亀裂を生ずる。
【0015】本発明の組成物を構成するベースモルタル
において、用いられた細骨材の重量(S) とセメント量
(C) との重量比S/C で表される、細骨材セメント比は、
0.5〜4の範囲がよい。0.5 未満では、形成される硬化
体に亀裂を生ずる。一方、4を超えると、セメントモル
タル組成物の流動性が低下し、形成される硬化体仕上が
り面のレベル精度が低下する。
【0016】本発明の組成物を構成するベースモルタル
において、単位水量(W) と単位セメント量(C) との重量
比W/C で表される、水セメント比は、 0.6〜1.4 の範囲
がよい。0.6 未満では、得られたセメントモルタル組成
物の流動性が低く、形成される硬化体仕上がり面のレベ
ル精度が低下する。一方、1.4 を超えると、ブリージン
グや骨材沈降が起こり、形成される硬化体に白華を生
じ、亀裂が発生する。
【0017】本発明の組成物の製造方法において、本発
明の組成物を構成するベースモルタルは、前記のように
規定した範囲内の量比で、ベースモルタルを構成する材
料の内、水を除くセメントと細骨材との配合組成物を水
を加えることなく予め空練りした後に、所要量の水を加
えて混練して調製する。
【0018】本発明の組成物の製造方法において、セメ
ントと細骨材とを配合した組成物を空練りする際に用い
る装置としては、重力式または強制攪拌式ミキサーと呼
ばれる混練装置を用いることができる。重力式ミキサー
としては可傾式のものを、また、強制攪拌式ミキサーと
してはパン型またはパグミル型のものを用いることがで
き、パグミル型が好ましい。特に、二軸強制練りミキサ
ーなど多軸式のものを用いることが好ましい。
【0019】空練り処理の時間は、少なくとも15秒間と
し、好ましくは 0.3〜5分間、更に好ましくは 0.5〜3
分間の範囲がよい。空練り時間が15秒未満であると、空
練りした配合組成物中に細骨材の塊が残留する。このよ
うな状態の配合組成物に、水を加えて混練して得られた
ベースモルタルを用いて得られたセメントモルタル組成
物を流し延べても平滑な床面が得られない。一方、空練
り時間が5分を超えても、空練りの効果は向上しない。
【0020】このようにして空練りしたセメントと細骨
材との配合組成物に、本発明で規定した範囲内の水セメ
ント比となる量の水を加えて混練りし、本発明の組成物
を構成するベースモルタルを得る。
【0021】空練りしたセメントと細骨材との配合組成
物を水を加えて混練りする際に用いる装置としては、空
練り処理のときと同様に、重力式または強制攪拌式ミキ
サーと呼ばれる混練装置を用いることができる。
【0022】混練り処理の時間は、少なくとも15秒間と
し、好ましくは 0.5〜3分間の範囲がよい。混練り時間
が15秒未満であると、混練りが充分でなく均一なベース
モルタルを得ることができない。このようなベースモル
タルを用いて得られたセメントモルタル組成物を流し延
べても平滑な床面が得られない。一方、混練り時間が3
分を超えても、混練りの効果は向上しない。
【0023】上記のようにして得られたベースモルタル
に、規定した範囲内の量比でSL化用添加剤として流動
化剤・増粘剤および消泡剤とを適宜に組み合わせて混練
し、本発明の組成物を得る。
【0024】本発明の組成物を得るための、ベースモル
タルに自己平滑性を付与するためのSL化用添加剤は、
流動化剤、増粘剤および消泡剤から構成される。流動化
剤は、本発明の組成物の混水量を多くしないで流動性を
高める機能を有するものであり、メラミンホルマリン縮
合物スルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリアルキ
ルアリルスルホン酸塩、β−ナフタレンスルホン酸アル
デヒド縮合物、ポリカルボン酸塩などが挙げられ、これ
らの一種または二種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0025】流動化剤の添加量は、その種類により若干
異なるが、ベースモルタル1m3 あたり、1〜15kgの範
囲がよい。添加量が1kg未満では流動性を向上させる効
果が得られず、形成される硬化体仕上がり面のレベル精
度が低下する。一方、15kgを超えるとブリージングや骨
材沈降が起こり、形成された硬化体に白華を生ずる。
【0026】増粘剤は、本発明の組成物を流し延べた際
のブリージング水の発生や骨材沈降を防ぐ機能を有する
ものであり、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
スなどのセルロースエーテル類、ポリアクリルアミド、
ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、カゼ
インなどの各種の水溶性高分子が挙げられ、これらの一
種または二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】増粘剤の添加量は、その種類と分子量によ
って若干異なるが、ベースモルタル1m3 あたり、 0.5
〜10kgの範囲がよい。添加量が 0.5kg未満であるとブリ
ージングや骨材沈降が起こり、形成される硬化体に白華
を生ずる。一方、10kgを超えると粘度が増大して流動性
が低下し、形成される硬化体仕上がり面のレベル精度が
低下する。
【0028】ベースモルタルに流動化剤や増粘剤を添加
して混練した際に巻き込まれた空気が、これら添加剤の
界面活性作用によって気泡を形成するため、形成された
硬化体表面に気体を含んだ泡状の突起や気体が揮散した
跡のピンホールが生じて表面状態が悪化する。また、気
泡を含んだまま硬化して形成された硬化体はその強度が
低下する。
【0029】消泡剤は、このような現象の発生を防止す
る機能を有するものであり、アルコール系、ポリオール
系、脂肪酸エステル系、酸化エチレン−酸化プロピレン
系、シリコン系などの各種の消泡剤が挙げられ、これら
の一種または二種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0030】消泡剤の添加量は、その種類によって若干
異なるが、ベースモルタル1m3 あたり、 0.3〜3kgの
範囲がよい。添加量が、 0.3kg未満では形成される硬化
体に気泡跡が残り、一方、3kgを超えても消泡効果はそ
れほど増大せず経済的に不利である。なお、上記以外の
添加剤としてセメントの硬化促進剤・硬化遅延剤・収縮
低減剤・膨張剤などを必要に応じて用いることができ
る。
【0031】本発明の組成物の製造方法において、ベー
スモルタルとSL化用添加剤とを混練りする際に用いる
装置としては、ベースモルタルを調製するときと同様
に、重力式または強制攪拌式ミキサーと呼ばれる混練装
置を用いることができる。
【0032】また、本発明の組成物を流し延べる施工現
場において、搬入されたベースモルタルとSL化用添加
剤とを混練りして本発明の組成物を得る際の混練装置と
しては、特に限定されるものではなく、たとえば、攪拌
翼回転型、容器回転型、静止型など各種のものを用いる
ことができる。攪拌翼回転型としては、単軸式のものと
してコンクリート強制練りミキサー、左官用モルタルミ
キサー、SL材混練用高速ミキサーなどを、また多軸式
のものとして二軸強制練りミキサーなどを、容器回転型
としては傾胴式コンクリートミキサーなどを、静止型と
しては静止型管路ミキサーなどを、それぞれ例示するこ
とができる。また、ハンドミキサーを用いることもでき
る。
【0033】ベースモルタルとSL化用添加剤との混練
り時間は、0.25〜10分間の範囲がよい。混練り時間が0.
25分未満であると、混練りが不足し、混練り物の材料分
離が起きる。このような状態の混練り物を流し延べて
も、平滑な床面が得られない。一方、混練り時間が10分
を超えると、混練り物中に混入する空気の量が増大して
前記範囲の消泡剤の添加量では消泡しきれず、混練り物
の流動性を低下させるので、平滑な床面が得られるフロ
ー値を確保することができない。
【0034】本発明の組成物の施工方法において、本発
明の組成物を流し延べる際のフロー値(以下、Fとい
う)は、20〜35cmの範囲内であることが必要である。本
発明の組成物を流し延べる際のフロー値Fが20cm未満で
あると、形成された硬化体表面に突起が残り、仕上がり
床面のレベル精度が低下する。一方、35cmを超えるとブ
リージングや骨材沈降が起こり、形成された硬化体に白
華や表面剥離を生じ、仕上げ材 (上物) との接着不良を
起こすので好ましくない。
【0035】本発明の組成物を用いた施工法の態様の例
を以下に示すが、これに限定されるものではない。本発
明の組成物は、生SL材専用の製造設備で製造すること
は勿論、生コン製造設備との共用で製造することがで
き、一般に土木・建築工事の現場に生コンクリートを運
搬する際に用いられているミキサー車によって受け入れ
ることができる。生コン工場のミキサープラントにおい
て本発明で規定する条件で製造され、ミキサー車で施工
現場に運搬された本発明の組成物を、本発明で規定され
たF値の範囲内で、モルタルポンプ等を用いて施工場所
に流し延べ、トンボ等の表面均し道具を用いてならし、
硬化させる態様が可能である。
【0036】また、別の態様としては、生コン工場のミ
キサープラントにおいて本発明で規定する条件で製造さ
れた、本発明の組成物を構成するベースモルタルを、一
般に土木・建築工事の現場に生コンクリートを運搬する
際に用いられているミキサー車で施工現場に搬入し、搬
入されたベースモルタルとSL化用添加剤とを混練りし
て本発明の組成物を得る。得られた本発明の組成物を、
本発明で規定されたF値の範囲内で、モルタルポンプ等
を用いて施工場所に流し延べ、トンボ等の表面均し道具
を用いてならし、硬化させる態様が可能である。
【0037】一般に、生SL材は、調製された後、時間
の経過とともに流動性が低下するので、流し延べるまで
の時間は制約を受ける。調製された後、たとえば運搬に
長時間を要するなどの要因で、流し延べるまでに長時間
が経過するような場合には、品質の劣化は避けられな
い。安定した品質のベースモルタルを受け入れて流し延
べ施工現場において生SL材を調製する方式では、SL
材を流し延べるための時間を確保することができ、安定
した品質のSL材を供給できる地域が制約されない利点
がある。
【0038】
【発明の効果】本発明は、次の効果を奏する。 1) 生SL材の製造材料として含水率が高い細骨材を用
いたときにも、自己平滑性セメントモルタル組成物中に
おける細骨材やSL化用添加剤の塊状物の残留・生成を
防ぐことができ、流し延べて形成された硬化体の表面性
が良好である。 2) 白華・突起および気泡跡がなく平滑で良好な硬化体
が形成され、レベル精度が良い仕上がり床面を容易に得
ることができる。 3) 従来の施工法と比較して、建築物の床を構築する際
の施工時の大幅な省力化と仕上がり床面の品質の安定化
が可能になった。 4) 施工現場における粉体ならびに重量物の取り扱い作
業が大幅に軽減されて作業能率が向上し、粉塵による作
業環境の汚染を防止することができる。 5) ベースモルタルを受け入れて流し延べ施工現場にお
いて生SL材を調製する方式では、SL材を流し延べる
ための時間を確保することができ、安定した品質のSL
材を供給できる地域が制約されない利点がある。
【0039】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
具体的に説明する。本発明はその要旨を越えない限り、
以下の実施例に限定されるものでない。 実施例1〜5および比較例1〜5.表1に示す材料配合
比ならびに空練り・混練り条件(×印を付した値は、本
発明で規定した範囲からはずれた場合)で配合・空練り
・混練りし、各種のベースモルタルを得た。混練り装置
としては、二軸強制練りミキサー (日本建機株式会社
製, 容量3m3 ) を用い、混練り時間はそれぞれ30秒間
とした。得られたベースモルタルに、表1に示す量比で
SL化用添加剤を加え、表1に示す混練り時間で混練り
して各種のセメントモルタル組成物を得た。混練り装置
としては、SL材混練用高速ミキサーを用いた。得られ
たセメントモルタル組成物各 0.1m3 を、表1に示すフ
ロー値Fにおいて、モルタルポンプを用いてコンクリー
トスラブ5m2 の上に20mm厚さで流し延べ、トンボでな
らして自然硬化させた。試験したセメントモルタル組成
物と得られた硬化体の物性・性状を、表1に示した。
【0040】試験に用いた主な材料は、次のとおりであ
る。 ・セメント … 普通ポルトランドセメント ・細骨材 … 建築用左官砂 ・添加剤(a) … 流動化剤「SMF−PD」(日産化学
工業社製) ・ 〃 (b) … 増粘剤「デンカポバール」(電気化学
工業社製) ・ 〃 (c) … 消泡剤「SNデフォーマー 14 HP」
(サンノプコ社製)
【0041】
【表1】
【0042】表1に示した各評価項目の測定または試験
の方法、ならびに評価項目の欄における記号の意味は、
次のとおりである。 ・セメントモルタル組成物スラリーの状態… 径が5mm
を超える、細骨材またはSL化用添加剤の塊の有無を、
目視で観察して判定した。 ・細骨材またはSL化用添加剤の塊: 無し…○, 有
り…× ・フロー値F… JIS R5201 に規定される試験方法に準
じ、フローコーンに試料を充填してフローコーンを垂直
に持ち上げ、流出した試料が円状に広がり静止して形成
された円の直角二方向の直径を測定し、その平均値で表
した。
【0043】・硬化体の表面状態(白華・突起・気泡
跡)… セメントモルタル組成物を20mm厚で流し延べ、
20℃, 相対湿度60%で、7日経過後に目視および指触で
観察して判定した。 ・白華・突起・気泡跡:
無し…○, 有り…× ・硬化体の圧縮強度… 40×40×160 mmの型枠内に試料
を流し入れ、硬化後に脱型し20℃, 相対湿度60%で養生
して、材令4週時に一軸圧縮強度を測定した。
【0044】・総合評価: ○… 各項目の評価が、
いずれも、○である場合。 ×… 各項目の評価のいずれかが、×である場合。
【0045】本発明の要件を満たす条件で試験された実
施例1〜5では、いずれも白華・突起および気泡跡がな
く平滑で良好な硬化体が形成され、レベル精度のよい床
面が得られた。
【0046】これに対して、本発明で規定した範囲から
はずれた場合には、いずれも、形成された硬化体の表面
状態は満足できるものではなかった。比較例1〜4は、
材料配合比の点では、それぞれ本発明で規定する範囲内
であるが、ベースモルタルまたは/およびセメントモル
タル組成物の調製時における空練りまたは/および混練
り時間が、それぞれ本発明で規定した範囲からはずれた
場合であって、硬化体の圧縮強度は実施例で得られた値
とほぼ同等であるが、いずれも硬化体の表面状態に難点
があり、満足する結果が得られなかった。また、比較例
5は、ベースモルタルの材料として、含水率が本発明で
規定した範囲からはずれた15重量%を超えた細骨材を用
いた場合であって、満足する結果が得られなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 24:00) (72)発明者 岡本 洋久 東京都千代田区丸の内一丁目5番1号 日 東化学工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント量が 300〜900 kgの範囲で、細
    骨材セメント比(重量比) 0.5〜4、水セメント比(重
    量比) 0.6〜1.4 の範囲内であるようにセメント・細骨
    材および水を含んでなるベースセメントモルタル1m3
    あたり、流動化剤1〜15kg、増粘剤 0.5〜10kgおよび消
    泡剤 0.3〜3kgを添加して自己平滑性セメントモルタル
    組成物を製造するにあたり、含水率が2〜15重量%の範
    囲である細骨材を用いるとき、前記ベースセメントモル
    タルの前記材料の内、セメントと細骨材とを前記規定範
    囲の量比で配合して予め空練りした後に、前記量比の水
    を加えて混練りし、得られたベースセメントモルタル
    に、前記量比の流動化剤・増粘剤および消泡剤を加えて
    混練りすることを特徴とする自己平滑性セメントモルタ
    ル組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 空練りを、混練り装置を用いて少なくと
    も15秒間行う請求項1記載の自己平滑性セメントモルタ
    ル組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 予め空練りしたセメントと細骨材との配
    合物に水を加えて行う混練りを、混練り装置を用いて少
    なくとも15秒間行う請求項1記載の自己平滑性セメント
    モルタル組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 ベースセメントモルタルに流動化剤・増
    粘剤および消泡剤を加えて行う混練りを、混練り装置を
    用いて0.25〜10分間の範囲で行う請求項1記載の自己平
    滑性セメントモルタル組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 セメント量が 300〜900 kgの範囲で、細
    骨材セメント比(重量比) 0.5〜4、水セメント比(重
    量比) 0.6〜1.4 の範囲内であるようにセメント・細骨
    材および水を含んでなるベースセメントモルタル1m3
    あたり、流動化剤1〜15kg、増粘剤 0.5〜10kgおよび消
    泡剤 0.3〜3kgを添加して得られる自己平滑性セメント
    モルタル組成物の施工方法において、含水率が2〜15重
    量%の範囲である細骨材を用いるとき、前記ベースセメ
    ントモルタルの前記材料の内、セメントと細骨材とを前
    記規定範囲の量比で配合して予め空練りした後に、前記
    量比の水を加えて混練りし、得られたベースセメントモ
    ルタルに、前記量比の流動化剤・増粘剤および消泡剤を
    加えて混練りし、得られたセメントモルタル組成物をそ
    のフロー値が20〜35cmの範囲内であるときに流し延べ、
    硬化させることを特徴とする自己平滑性セメントモルタ
    ル組成物の施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104649618A (zh) * 2013-11-19 2015-05-27 哈尔滨欧麦克科技开发有限公司 一种建筑防渗漏砂浆及其制备方法
CN108529994A (zh) * 2018-05-02 2018-09-14 上海博尔泰工业产品设计有限公司 一种一元体系特种水泥自流平地坪材料

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