JPH07227279A - 細胞質雑種カルスの作出方法 - Google Patents

細胞質雑種カルスの作出方法

Info

Publication number
JPH07227279A
JPH07227279A JP6039258A JP3925894A JPH07227279A JP H07227279 A JPH07227279 A JP H07227279A JP 6039258 A JP6039258 A JP 6039258A JP 3925894 A JP3925894 A JP 3925894A JP H07227279 A JPH07227279 A JP H07227279A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protoplasts
protoplast
nucleus
alfalfa
cytoplasm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6039258A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Ando
敏 安藤
Chiaki Takahashi
千晶 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOURINSUISAN GIJUTSU JOHO KYOK
NOURINSUISAN GIJUTSU JOHO KYOKAI
Original Assignee
NOURINSUISAN GIJUTSU JOHO KYOK
NOURINSUISAN GIJUTSU JOHO KYOKAI
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NOURINSUISAN GIJUTSU JOHO KYOK, NOURINSUISAN GIJUTSU JOHO KYOKAI filed Critical NOURINSUISAN GIJUTSU JOHO KYOK
Priority to JP6039258A priority Critical patent/JPH07227279A/ja
Publication of JPH07227279A publication Critical patent/JPH07227279A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 細胞質に有用な遺伝形質が存在する種の細胞
核を放射線照射により選択的に破壊し、一方、細胞核に
有用な遺伝形質が存在する種の細胞質を薬剤により不活
化する。該2種のプロトプラストを融合させる非対称融
合法を用い、アルファルファの細胞質雑種カルスおよび
細胞質の置換体を作出する方法。 【効果】 非対称融合法により、アルファルファの雑種
カルスおよび細胞質の置換体を効率良く得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞融合法による、ア
ルファルファの雑種カルスおよび細胞質の置換体の作出
に関するものである。本発明は、アルファルファの育種
に利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、植物の育種には交配が行われてい
る。しかし、アルファルファは、自家受粉および他家受
粉を行う上、4倍体性であるため、選抜方法が複雑にな
り、交配による雑種を得ることが困難な植物の一つであ
る。
【0003】このような問題を解決する手段の1つとし
て、例えば、2種のアルファルファの体細胞融合によ
り、体細胞雑種を得る方法が知られている(特開昭60
−91927号公報)。この手法を用いることにより、
上記の問題は回避されるが、今まで行われてきた対称融
合では、雑種細胞に2種の核が存在してしまい、核に存
在する不要な遺伝形質が排除できない。これまで、例え
ば、ブラシカ属などで体細胞融合によって得られた体細
胞雑種植物は、戻し交配により核の置換を行い、この問
題を解決してきた。しかし、戻し交配による核置換は、
数年〜十年といった長い年月を要し、また、上記理由の
ため、アルファルファの場合は、交配そのものに難点が
ある。なお、最近Liらにより、アルファルファのプロ
トプラストとガンマ線を照射して核を損傷させたイガマ
メ(sainfoin,Onobrychis vic
iifolia Scop)のプロトプラストとを融合
させる文献が報告された(Theoritical a
nd Applied Genetics,87 45
5−463(1993)。この文献の技術は、アルファ
ルファと交配不能であるイガマメの核の遺伝情報のう
ち、タンニンの生合成に関する必要な形質のみをアルフ
ァルファに導入することを目的としたものである。しか
しながら、この方法で目的とする形質のみを選択的に導
入することは極めて難しく、目的としない不必要な形質
も同時に導入されることになると考えられる。したがっ
て、上記の対称融合の場合と同様に、戻し交配等の方法
により、この問題を解決する必要が生ずると考えられ
る。
【0004】一方、片方の親の核のみを持つ、非対称体
細胞雑種植物を作出する際の戻し交配に要する長期の年
月を短縮するための方法として、超遠心による脱核(例
えば、特開平2−303426号公報)や、放射線照射
による核の破壊(例えば、特開平1−196239号公
報、特開昭64−20041号公報、特開昭63−36
776号公報)を行ったプロトプラストを用いた非対称
融合法による細胞質雑種作成などが行われている。しか
しながら、現時点では、この非対称融合による細胞質雑
種は、タバコ、イネ、ニンジン、ジャガイモ、キャベツ
などの限られた植物のみで得られているにすぎない。以
上のように、アルファルファについては、先に述べたよ
うな交配による育種の困難さにも係わらず、細胞質の遺
伝情報のみを導入するための非対称融合の技術は確立さ
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、細胞質雄性
不稔等といった有用な細胞質遺伝形質をアルファルファ
栽培種に効率よく導入し、細胞質雑種カルスを得る方法
を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、有用な遺伝形
質が細胞質に存在するアルファルファ細胞のプロトプラ
ストのうち細胞核のみを選択的に破壊したものを一方の
親とし、有用な遺伝形質が核に存在するアルファルファ
のプロトプラストのうち細胞質のみを不活性化したもの
を片方の親とし、これら二種類のプロトプラストを融合
させることにより、有用な遺伝形質を含む核を持ち、同
時に、有用な遺伝形質を細胞質に有するアルファルファ
雑種細胞を形成させる方法である。
【0007】以下、本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明で使用できる、細胞質に有用な遺伝形質が存在す
るアルファルファとしては、例えば、細胞質雄性不稔系
統等があり、一方、核に有用な遺伝形質を持つアルファ
ルファ(Medicagosativa(L.))とし
ては、例えば、栽培品種である、SpredorII、
Vancor、Rangelander等が挙げられ
る。
【0008】以下、細胞質雄性不稔系統およびM.sa
tiva(L.)を用いた場合のカルス作出方法を述べ
る。 1.プロトプラストの単離 プロトプラストは、常法に従い、細胞質雄性不稔系統の
懸濁培養細胞から、また、M.sativa(L.)に
ついては、植物体またはその部分を細分し、セルラーゼ
やペクチナーゼ等の細胞壁分解酵素を含む酵素液中、2
7〜32℃、約60spm(stroke per m
inute)の条件で、2〜4時間程度処理することに
よって得ることができる。
【0009】2.核の破壊 細胞質雄性不稔系統由来のプロトプラストは、X線を照
射し細胞核のみを選択的に破壊する。例えば、好ましい
方法として、次が挙げられる。すなわち、前記の方法で
調製したプロトプラストを0.5Mマンニトール溶液に
懸濁してプラスチックシャーレに入れ、軟X線を照射す
る。照射後プロトプラストを洗浄し、培養および融合に
供する。X線照射の条件については、線量を100〜3
00kradの範囲に設定することで、生理活性はある
期間維持しているが、***および増殖が阻害されたプロ
トプラストを得ることができる。アルファルファの核の
不活化に必要な線量の範囲は、今までに他の植物につい
て知られたX線照射量に比べ高い値をとる。
【0010】3.細胞質の不活化 M.sativa(L.)のプロトプラストは、ヨード
アセトアミド(以下、IOAという)で処理して細胞質
の不活性化を行う。例えば、好ましい方法として、上記
の方法で調製したプロトプラストを0.5〜2.0×1
個/ミリリットルの密度で、IOAを最終濃度で
3〜20mM含むように調製した0.5Mマンニトール
溶液に懸濁する。このプロトプラストを室温または2〜
4℃で10分間処理した後、0.5Mマンニトール溶液
で洗浄し、培養および融合に供する。IOA処理したプ
ロトプラストの培養法として液体培地での培養法を用い
ると、室温で処理する場合にはIOA10mM以上で、
低温においた場合にはIOA15mM以上の濃度で処理
することにより、プロトプラストの***は完全に阻害さ
れる。しかし、プロトプラストをアガロース包埋する培
養法(J.Kyozuka et.al.,Mol.G
en.Genet.,215 501(1989))を
用いた場合には、室温では3mM、低温では6mMでも
プロトプラストの***は阻害される。これらのどの条件
で処理したプロトプラストも融合に用いることができ
る。
【0011】4.細胞の融合条件 上記2.で得られる細胞質に有用な遺伝形質が存在し細
胞核のみが破壊されたプロトプラストと、上記3.の方
法で得られる細胞質が不活性化されたプロトプラストを
細胞融合させる。細胞融合は、電気融合法により行うこ
とができる。その方法としては、双方のプロトプラスト
を、0.5Mマンニトールまたは0.1%塩化カルシウ
ムを含む0.5Mマンニトールに、最終密度が1〜5×
10個/ミリリットルになるように、IOA処理プ
ロトプラスト:X線処理プロトプラスト=1:1〜4の
割合で混合する。このプロトプラスト懸濁液を細胞融合
用の平行電極の間に入れ、以下に示すような電圧を電極
間に印加し、電気刺激をプロトプラストに与える。 ・交流電圧 150〜200V/cm 3
〜10秒 ・直流パルス幅 10〜30μsec ・直流パルス電圧 1.0〜1.5kV/cm ・直流パルス印加回数 1回 上述のような電圧を電極間に印加後、5〜10分間静置
し洗浄する。二種類のプロトプラストの色調の違いをも
とに融合率を評価すると、上述の方法での異種融合細胞
の形成率は、IOA処理プロトプラストの約50%に達
する。
【0012】5.細胞の培養 上記4.で得られた融合細胞は、遠心分離により沈澱画
分を集め培養する。例えば、好ましい方法として、融合
細胞をKAOプロトプラスト培養培地(K.N.Ka
o, Mol.Gen.Genet.,150 225
(1977))をアガロースで固めたものに、異種融合
細胞の密度が1〜3×10個/ミリリットルとなる
ように包埋した後、(1)周囲にナース細胞として、細
胞質雄性不稔系統の懸濁培養細胞を流し、または(2)
一般に用いられる、懸濁培養細胞培養培地、プロトプラ
スト培養培地、プロトプラスト由来コロニー培養用培地
のいずれかのみを流して、23〜27℃、約30rp
m、暗所で培養する。ナース細胞を添加した場合も、し
ない場合も3〜5週間で、直径0.5〜1.0mm程度
のコロニーが形成される。その後、この前述で得られた
コロニーをゲランガムで固めたUM固体培地(H.Uc
himiyaand T.Murashige,Pla
nt Physiol.54 936(1974))上
に移し、生育を促しカルス化させる。
【0013】6.細胞質雑種カルスのミトコンドリアD
NA解析 カルスの細胞質が雑種になっているか否かを調べるに
は、カルスを構成する細胞のミトコンドリアのDNAを
分析することにより行うことができる。ミトコンドリア
が雑種になっているか否かは、サザンハイブリダイゼー
ション法を用いて調べることができる。例えば、好まし
い方法として、カルスから全DNAを抽出し、例えば、
EcoRI、BglII、XhoI等の制限酵素で全D
NAを消化し、電気泳動で分離し、例えばイネのミトコ
ンドリアDNA遺伝子、例えば、atp A、atp
6、atp 9、cob、nad3−rps12などを
プローブとして、両親のバンドパターンと比較する。上
記4.で得られた細胞由来のカルスについて、ミトコン
ドリアDNAを解析した結果、細胞質の雑種性を確認す
ることができる。
【0014】7.細胞質雑種カルスの核DNAの解析 細胞質雑種であることが確認できたカルスについて、さ
らにCMSの核が除去されていることを調べるために
は、カルスを構成する細胞の核のDNAを分析すること
により行うことができる。例えば、好ましい方法とし
て、カルスから全DNAを抽出し、これをテンプレート
として10塩基対程度の適当な核酸をプライマーとして
用い、適当な条件下でPCR(ポリメリゼーション チ
ェイン リアクション)反応を行い、その反応液を電気
泳動で分離し、得られるバンドパターンを両親のものと
比較する。上記6.で得られた細胞質雑種のカルスにつ
いて、その核DNAを解析した結果、細胞質提供親であ
るCMSに特徴的にみられるバンドが消失したものは、
CMSの核が除去されていることが確認できる。以上の
方法により、栽培種の核をもち細胞質は雑種であるカル
スを作出することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 (実施例1) (1)本葉からの培養細胞の調製 細胞質親としては、北海道農試で育種された雄性不稔系
統L−2095(以下、CMS)のアルファルファを使
用した。CMSは、人工気象室内で育成した個体の本葉
を、UMカルス培養培地の2,4−ジクロロフェノキシ
酢酸濃度を0.5ppmに改変し(以下、UM改変培
地)、0.2%のゲランガムで固めた固体培地に置床
し、約25℃で培養した。培養後約1ヶ月でカルスを形
成し、このカルスをUM改変培地50ミリリットルに懸
濁し、25℃の温度で振盪培養して懸濁培養細胞株を樹
立し、この懸濁培養細胞をプロトプラストの材料とし
た。
【0016】(2)CMS系統からのプロトプラストの
調製 対数増殖期にあるCMSの懸濁培養細胞を、0.5Mマ
ンニトールで洗浄した後、0.5Mマンニトールに溶か
した酵素液(Cellulase”ONOZUKA”R
S 3%、Meicellase 3%、Masero
zyme R−10 0.5%、Pectolyase
Y−23 0.2% pH5.5)で30℃、60s
pm、4時間処理した。この酵素液を濾過して未消化物
を除去し、700rpmで2分間遠心して沈澱物を集
め、それを17%サッカロース液で懸濁し、700rp
mで2分間遠心し、プロトプラストのバンドを回収し
た。
【0017】(3)X線照射による核の破壊 (2)で得られたプロトプラストを0.5Mマンニトー
ルに懸濁し、7×10個/ミリリットルの濃度に調
製し、直径60mmのプラスチックシャーレに入れて、
135kradのX線を照射し(オーミック社 軟X線
照射装置、Model OM−100R)、核を破壊し
た。
【0018】(4)Spredor IIからのプロト
プラストの調製 核親としては、栽培種であるM.sativa(L.)
Spredor II(以下、Spredor)を無菌
的に播種し、25℃、明所(約5000lux)で発芽
させ、播種後5日目の子葉をプロトプラストの材料とし
た。子葉は約1mm幅に細断し、0.6Mマンニトール
に溶かした酵素液(Cellulase”ONOZUK
A”RS 4%、Maserozyme R−100.
5%、Pectolyase Y−23 0.2% p
H5.5)で30℃、約60spm、2時間処理した。
この酵素液を濾過して未消化物を除去し、700rpm
で2分間遠心して沈澱物を集め、それを20% サッカ
ロース液で懸濁し、700rpmで2分間遠心し、プロ
トプラストのバンドを回収した。
【0019】(5)IOA処理による細胞質の不活化 (5)で得られたプロトプラストを0.5Mマンニトー
ルにIOA濃度が3mM、プロトプラスト密度が1×1
個/ミリリットルになるよう懸濁して氷冷下で1
0分間浸漬し、単独での***能を失わせた。
【0020】(6)細胞融合 X線照射したCMSプロトプラストと、IOA処理した
Spredorプロトプラストは、0.1%塩化カルシ
ウムを含む0.5Mマンニトールに4:1の割合で、最
終密度が5×10個/ミリリットルになるように混
合した。このプロトプラスト懸濁液を融合用電極(島津
融合チャンバー、FTC−23W)の間に入れ、島津細
胞融合装置、SSH−2を用いて以下の電気刺激を与え
融合を行った。すなわち、交流電圧200V/cm 5
秒間、直流パルス電圧1.0kV/cm 、直流パルス
幅20μsec 1回の電圧を印加した。融合処理後、
室温で5分間静置しKAOプロトプラスト培養培地で1
回洗浄し、培養に供した。
【0021】(7)融合細胞の培養 KAOプロトプラスト培養培地に懸濁した融合細胞は、
異種融合細胞の培養密度が3×10個/ミリリット
ルとなるように調製し、0.5%アガロースに包埋し、
周囲にKAOプロトプラスト培養培地を流して、室温、
暗黒条件下、約30rpmで回旋しながら培養すること
により、4〜5週間後に直径0.5〜1.0mmのコロ
ニーが形成された。得られたコロニーは、ゲランガム
0.2%を含むUM改変固体培地に置床し、生育を促し
た。
【0022】(8)雑種検定 上記(7)で得られたカルスをミトコンドリアDNAの
解析に用いた。ミトコンドリアDNAの解析にはサザン
ハイブリダイゼーション法を用い、カルスからの全DN
Aの抽出法はHondaらの方法(Japan.J.B
reed.,40 339 (1990))によった。
【0023】この全DNAを制限酵素XhoI(宝酒造
(株))で消化し、サザンハイブリダイゼーションのプ
ローブとしてベーリンガー社製のラベリングキットによ
りディゴシキゲニンでラベルした、atp A(イネ
F1−ATPase α subunit)を用いて、
ベーリンガー社のディテクションキットのプロトコール
記載の手順に従ってシグナルを検出し、両親のバンドパ
ターンと比較した。得られたカルスのバンドパターン
は、両親のそれと異なり、細胞質が混合した状態、すな
わち、細胞質雑種であることが確認された。
【0024】また、上記全DNAをテンプレートとし、
OPERON社製RAPDプライマー 10merキッ
トCのOPC−01(塩基配列:TTCGAGCCA
G)をプライマーとして、以下の条件でPCR反応を行
った。すなわち、2倍濃度のPCR用リアクションバッ
ファー(宝酒造(株))、200μMのdNTP、0.
2μMのプライマーを含む溶液に、上記全DNAを50
ngとAmpliTaqDNA poymerase
(宝酒造(株))約1.5unitを加え、全容量を2
5マイクロリットルとしたものを反応液とし、これをD
NAサーマルサイクラーPJ480(Perkin E
lmer社製)を用いて、次のステップで増幅した。 94℃ 3分 94℃ 1分、38℃ 2分、72℃ 3分、この
ステップを40回繰り返す。 72℃ 5分 PCR反応後、反応液を2%のアガロースゲルで電気泳
動し、バンドバターンを調べた結果、約800塩基対の
ところにみられるCMSの核特有のバンドは確認され
ず、CMSの核が除去されていることが確認された。
【0025】(実施例2)(3)X線照射による核の破
壊および(5)IOA処理による細胞質の不活化条件、
(7)融合細胞の培養方法以外の操作は実施例1と同じ
である。以下、条件を変更した部分について述べる。 (3)X線照射による核の破壊 実施例1と同様に、回収したCMS系統のプロトプラス
トは1×10個/ミリリットルの濃度に調製し、2
25kradのX線を照射し、選択的に核を破壊した。 (5)IOA処理による核の不活化 同じく実施例1と同様に回収したSpredorのプロ
トプラストは、最終IOA濃度が6mMになるようにI
OAを添加することを除き、実施例1と同様に処理し、
融合に供した。 (7)融合細胞の培養
【0026】融合後の細胞の取扱、細胞を懸濁する培
地、包埋の方法は、実施例1と同じであるが、細胞を包
埋したアガロースの周りに、KAO細胞培養培地(K.
N.Kao, Mol.Gen.Genet.,150
225(1977))を流して実施例1と同様の条件
下で培養する。この培養方法を用いた場合にも、4〜5
週間後に0.5〜1mm程度のコロニーが得られ、カル
スを誘導できた。上記条件で各プロトプラストを処理
し、融合を行った場合に得られたカルスについても、そ
れらのミトコンドリアDNAの解析により、細胞質雑種
であることが確認された。
【0027】
【発明の効果】本発明に従い、アルファルファのプロト
プラストを原料とし、細胞質提供親とするプロトプラス
トをX線処理し、また、核提供親とするプロトプラスト
をヨードアセトアミドで処理し、これらを融合させるこ
とによって、効率的にアルファルファの細胞質雑種細胞
を得ることができ、アルファルファの品種改良に有効で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有用な遺伝形質が細胞質に存在するアル
    ファルファ細胞のプロトプラストのうち細胞核のみを選
    択的に破壊したものを一方の親とし、有用な遺伝形質が
    核に存在するアルファルファのプロトプラストのうち細
    胞質のみを不活性化したものを片方の親とし、これら二
    種類のプロトプラストを融合させることにより、有用な
    遺伝形質を含む核を持ち、同時に、有用な遺伝形質を細
    胞質に有するアルファルファ雑種細胞を形成させる方
    法。
JP6039258A 1994-02-15 1994-02-15 細胞質雑種カルスの作出方法 Pending JPH07227279A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6039258A JPH07227279A (ja) 1994-02-15 1994-02-15 細胞質雑種カルスの作出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6039258A JPH07227279A (ja) 1994-02-15 1994-02-15 細胞質雑種カルスの作出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07227279A true JPH07227279A (ja) 1995-08-29

Family

ID=12548125

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6039258A Pending JPH07227279A (ja) 1994-02-15 1994-02-15 細胞質雑種カルスの作出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07227279A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104542260A (zh) * 2015-01-16 2015-04-29 上海科技馆 紫花苜蓿细胞质雄性不育系cms4-10种质及其选育和繁殖方法
CN113215172A (zh) * 2021-04-29 2021-08-06 吉林农业大学 雄性不育基因MsJMT及其应用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104542260A (zh) * 2015-01-16 2015-04-29 上海科技馆 紫花苜蓿细胞质雄性不育系cms4-10种质及其选育和繁殖方法
CN113215172A (zh) * 2021-04-29 2021-08-06 吉林农业大学 雄性不育基因MsJMT及其应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Gleba et al. Intergeneric asymmetric hybrids between Nicotiana plumbaginifolia and Atropa belladonna obtained by “gamma-fusion”
Zelcer et al. Interspecific transfer of cytoplasmic male sterility by fusion between protoplasts of normal Nicotiana sylvestris and X-ray irradiated protoplasts of male-sterile N. tabacum
Eeckhaut et al. Progress in plant protoplast research
US5453367A (en) Transformation of hereditary material of plants
Liu et al. Production of a highly asymmetric somatic hybrid between rice and Zizania latifolia (Griseb): evidence for inter-genomic exchange
EP3777525A1 (en) Method using plant hybrid vigor
Ramulu et al. Microprotoplast fusion technique: a new tool for gene transfer between sexually-incongruent plant species
NL9400518A (nl) Werkwijzen voor het kweken en het zich doen voortplanten van mannelijke steriele planten.
Todorova et al. Doubled haploid production of sunflower (Helianthus annuus L.) through irradiated pollen-induced parthenogenesis
JPH07227279A (ja) 細胞質雑種カルスの作出方法
Cove et al. Agravitropic mutants of the moss Ceratodon purpureus do not complement mutants having a reversed gravitropic response
Ratushnyak et al. Introgressive hybridization of tomatoes by ‘gamma-fusion’of Lycopersicon esculentum Mill. and Lycopersicon peruvianum var. dentatum Dun. protoplasts
Sun et al. Somatic cybridization between Nicotiana tabacum and N. repanda based on a single inactivation procedure of nuclear donor parental protoplasts
Galun et al. Protoplasts in studies of cell genetics and morphogenesis
JP2687396B2 (ja) 細胞質雑種植物の製造方法
JP2530620B2 (ja) 細胞質雑種細胞の製造方法
AU610983B2 (en) Method of producing rice cybrid cells
Saito et al. Partial synchronization of cell division and micronucleation in suspension-cultured cells of Hemerocallis hybrida: the effects of hydroxyurea and various spindle toxins
Bates Electrofusion of plant protoplasts and the production of somatic hybrids
US5360725A (en) Method of producing rice cybrid cells
Matthews et al. Factors influencing the utility of gametic microprotoplasts for partial genome transfer in potato
Tempelaar et al. Spontaneous and induced loss of chromosomes in slow-growing somatic hybrid calli of Solanum tuberosum and Nicotiana plumbaginifolia
Amiteye Crop improvement for sustainable food and nutritional security: applications of mutagenesis and in vitro techniques
Lynch et al. [29] Plant protoplast fusion and somatic hybridization
JP3532708B2 (ja) 葯欠損型の細胞質雄性不稔を引き起こす機能を有するミトコンドリア遺伝子