JP3532708B2 - 葯欠損型の細胞質雄性不稔を引き起こす機能を有するミトコンドリア遺伝子 - Google Patents

葯欠損型の細胞質雄性不稔を引き起こす機能を有するミトコンドリア遺伝子

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JP3532708B2 JP26625296A JP26625296A JP3532708B2 JP 3532708 B2 JP3532708 B2 JP 3532708B2 JP 26625296 A JP26625296 A JP 26625296A JP 26625296 A JP26625296 A JP 26625296A JP 3532708 B2 JP3532708 B2 JP 3532708B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞質雄性不稔ト
マト植物に存在するミトコンドリア遺伝子に関する。
【0002】
【従来の技術】雄性不稔とは、多くの高等植物で見られ
る雄性器官の不稔現象をいう。雄性不稔には、細胞質に
よるもの、核内遺伝子によるもの、及びこの両者が関与
するものが知られており、このうち細胞質雄性不稔は、
核ゲノムと細胞質との不和合により引き起こされると考
えられている。雄性不稔を有する植物、特に細胞質雄性
不稔を有する植物は、自殖性植物を用いてヘテローシス
育種を行う場合に雑種種子の生産が容易になる点で優れ
ているため、イネ、トウモロコシなど育種上広く使用さ
れている。
【0003】細胞質雄性不稔植物体を作出するには、一
般には細胞質雄性不稔形質を導入させたい作物と、その
作物と同一の種(亜種を含む)又は交雑可能な属に属す
る植物とを交配することにより行われる。たとえば、細
胞質雄性不稔イネ植物は、イネの花粉をインド型品種
(Chinsurah Boro II)に繰り返し受粉し、交配による
核置換をすることにより作出することができ、また、細
胞質雄性不稔のアブラナ科植物体は、例えば「オグラ細
胞質」と呼ばれるダイコン由来の細胞質雄性不稔を引き
起こす細胞質を持つ植物体に、イネの場合と同様に、細
胞質雄性不稔の形質を付加したい植物を交配することに
より(核置換法)、あるいはオグラ細胞質を持つ細胞と
細胞質雄性不稔を導入したい植物の細胞とを融合するこ
とにより(非対称細胞法)、作出することができる。
【0004】しかし、トマトにおいては、これまで細胞
質雄性不稔を引き起こす細胞質は、種内及び交雑可能な
属内のいずれにおいても見出されていない。また、雄性
不稔形質は開花によって初めてその形質が明確になるも
のであり、開花期以前に、ある植物体中にその形質を特
定することは困難である。したがって、開花期以前に植
物体中の形質を容易に特定できるようにするためには、
雄性不稔に関する分子生物学的解析が必要とされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、トマト植物
に葯欠損型雄性不稔を引き起こす遺伝子に密接に連鎖し
ている遺伝子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
基づいて鋭意研究を行った結果、葯欠損型雄性不稔トマ
ト植物体及び正常のトマト植物体からミトコンドリアD
NAを単離し比較することにより、細胞質雄性不稔の原
因となる遺伝子に密接に連鎖するDNA領域を見出し、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、配列
番号2で表される塩基配列、又は配列番号1及び2で表
される塩基配列を実質的に含むミトコンドリア遺伝子で
ある。ここで、「実質的に」とは、本発明のミトコンド
リア遺伝子がトマト植物に細胞質雄性不稔を引き起こす
機能を有する限り、本発明の遺伝子の塩基配列に欠失、
置換、挿入等の変異が生じてもよいことを意味するもの
である。
【0007】さらに、本発明は、前記ミトコンドリア遺
伝子を含む組換えベクターである。さらに、本発明は、
前記ミトコンドリア遺伝子を含むミトコンドリアであ
る。さらに、本発明は、前記ミトコンドリア及び葉緑体
を含む細胞質である。葉緑体としては、ソラヌム・アカ
ウレ・ホークス由来のものが挙げられる。さらに、本発
明は、前記細胞質を含む細胞である。細胞としては、例
えばトマト植物の細胞が挙げられる。以下、本発明を詳
細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】トマト植物体においては、トマト
植物の細胞とバレイショの近縁野生種の細胞とを非対称
細胞融合することにより雄性不稔を付与することが可能
となった(特開平2-138927号公報)。本発明者は、この
非対称細胞融合法を用いて、トマト栽培品種の母系植物
体への細胞質雄性不稔形質導入を行った。このような不
稔形質導入が行われた母系植物体においては、再分化し
てくる植物体に葯を有する個体と有しない個体とが混在
している。そこで、本発明者は、これら葯の有無と細胞
質の差異を比較し、葯欠損型細胞質雄性不稔植物体に特
異的なミトコンドリアDNAを特定した。本発明の遺伝
子は、葯欠損型細胞質雄性不稔植物体に特異的なミトコ
ンドリアゲノムから得られたものである。
【0009】(1) 細胞質雄性不稔トマト植物の作出 Melchersら(特開平2-138927号公報)の方法に従い、ト
マトの栽培品種の数種と、ジャガイモの野生種とを非対
称細胞融合し、再分化植物体の中から細胞質雄性不稔ト
マト植物体を選抜する。トマトとしては、例えばリコペ
ルシコン・エスキュレントゥム・ミル(Lycopersicon e
sculentum Mill.)(例えば品種「世界一」)、リコペル
シコン・エスキュレントゥム・ヴァラエティ・セラシフ
ォルメ(Lycopersicon esculentum var.cerasiforme)
(例えば品種「レッドチェリー」)等が挙げられ、ジャ
ガイモの野生種としては、例えばソラヌム・アカウレ・
ホークス(Solanum acaule Hawkes )等が挙げられる。
【0010】非対称細胞融合とは、細胞融合の対象とな
る2種類の植物細胞において、一方の細胞については核
を不活化させ、他方の細胞については細胞質(例えばミ
トコンドリア)を不活化させ、両細胞を融合させる手法
をいう。核を不活化させた一方の細胞を細胞質提供細
胞、細胞質を不活化させた他方の細胞を核提供細胞とす
る。
【0011】細胞質提供細胞は、雄性不稔形質を核提供
細胞に付与する細胞であり、材料となる植物の本葉を切
り取り、γ線又はX線照射などを行って核遺伝子を不活
化させた後、公知の手法(Cell Culture and Somatic C
ell Genetics of Plants: vol1, 375, Acad.Press In
c.,1984)により本葉の細胞をプロトプラスト化させて単
離することにより当該細胞を得ることができる(特開平
2-138927号公報)。これに対し、核提供細胞は植物体を
構成する細胞であり、材料となる植物の種子を無菌的に
発芽させ、その幼苗の葉を切り取り、上記と同様の手法
によりプロトプラストを単離した後、ヨードアセトアミ
ド等を用いて細胞質を不活化することにより当該細胞を
得ることができる(特開平2-138927号公報)。
【0012】細胞融合は、公知のポリエチレングリコー
ル法(Planta,120,215-227,1974)、電気融合法(Plant
a,151,26-32,1981)等により行うことができる。細胞融
合後、プロトプラストからの植物体の再分化を行う。す
なわち、融合処理後の培養によって得られたカルスを再
分化培地に移植し、光照射の条件下で2ケ月程培養する
ことにより再分化した茎葉が得られる。
【0013】融合細胞から再分化した植物体の中には葯
欠損型雄性不稔形質を有するものと有さないものとが混
在する。そこで、葯欠損型雄性不稔形質を有する植物の
みを選抜する必要がある。選抜は、以下の手法により行
う。すなわち、再分化してきた幼植物体で形態的に正常
なトマト植物体と同一なものの根端の***組織の細胞の
染色体数を計測し、正常のトマト植物体と同じ2倍体
(2n=24) の植物体を全て栽培し開花させる。開花した
花について葯の有無を観察する。花糸の先端が、葯が萎
縮したような黄色の構造が見られる場合は、その内部を
小さい薬さじなどで掻き出し、花粉らしきものがあれば
酢酸カーミンなどで染色し、顕微鏡下で形態を観察す
る。
【0014】これらにより、葯が完全に欠損しているト
マト植物体、又は花糸上に葯の痕跡が一部あるが正常な
花粉が観察されないトマト植物体を葯欠損型雄性不稔植
物体として選抜する(R0世代)。更に、この雄性不稔
トマト植物体に正常なトマト植物体の花粉を受粉し、種
子を得て、この後代(R1世代)を育成し、同様な雄性
不稔形質を示して初めて、先代(R0世代)が細胞質雄
性不稔であることが確認される。
【0015】(2) 葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体
RCMSA4のミトコンドリアDNAライブラリーの構築 特開平2-138927号公報に記載の手法によって初めて得ら
れた葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体RCMSA4の緑葉
からミトコンドリアミトコンドリアの顆粒を調製した
後、ミトコンドリアDNAを調製する。ミトコンドリア
DNAの調製は、常法、例えばProc.Natl.Acad.Sci.US
A,89,6832-6836,1992に記載の手法により行うことがで
きる。まず、十分に展開した緑葉をミトコンドリア単離
用の緩衝液中でホモジナイズし、ホモジネートを3層の
ミラクロスで濾した後、1400×gで遠心する。上清を更
に2200×gで10分遠心し、その上清を15000 ×gで10分
遠心する。沈殿にDNaseIを含む緩衝液を加えて懸濁し、
0℃で30分間静置する。さらにDNaseIを追加し、更に0
℃で30分間静置する。EDTAを加えてDNaseIの活性を止
め、洗浄用の緩衝液を加えて遠心し、沈殿を再度緩衝液
に懸濁して遠心する。これを数回繰り返すことにより、
ミトコンドリア顆粒を得る。ミトコンドリア顆粒を穏や
かに分解し、ミトコンドリアDNAを常法、例えばフェ
ノール/クロロフォルム/イソアミルアルコール抽出法
で抽出し、エタノールで沈殿させ、塩化セシウム超遠心
法で純化する。
【0016】上記の手法により得られたDNAを適当な
制限酵素(例えばSau3AI) で部分分解した後、アルカリ
フォスファターゼ処理を行い、DNA断片を脱リン酸化
する。これを制限酵素(例えばBamHI)で切断したベク
ターとライゲーションを行い、ライブラリーを作製す
る。ベクターには、宿主微生物で自律的に増殖し得るフ
ァージ又はプラスミドが使用される。ファージベクター
としては、例えばEMBL3 、M13 等が挙げられ、プラスミ
ドベクターとしては、例えばpBR322、pUC18 等が挙げら
れる。さらに、大腸菌やバチルス・ブレビスなどの2種
以上の宿主微生物で自律的増殖が可能なベクターのほ
か、各種のシャトルベクターを使用することもできる。
このようなベクターについても、前記制限酵素で切断
し、その断片を得ることができる。
【0017】DNA断片とベクター断片とを連結させる
には、公知のDNAリガーゼを用いる。そして、DNA
断片とベクター断片とをアニーリングさせた後連結さ
せ、組換えベクターを作製する。宿主微生物に組換えベ
クターを導入するには、公知の方法により行うことがで
きる。例えば、宿主微生物が大腸菌の場合はカルシウム
法(Lederberg,E.M. etal.,J.Bacteriol.119,1072(197
4)) 等を採用することができ、宿主微生物がファージD
NAの場合はインビトロ・パッケージング法(Horn,B. M
ethods in Enzymology,68,299 (1979)) などを採用する
ことができる。本発明では、インビトロ・パッケージン
グ用キット(GIGAPACK GOLD; STRATAGENE 社製) が用い
られる。
【0018】(3) 葯欠損型細胞質雄性不稔に強く連鎖す
るミトコンドリアゲノム領域の特定 葯欠損型細胞質雄性不稔に強く連鎖するミトコンドリア
DNAのどの領域が葯欠損型雄性不稔に関与しているか
を調べるため、以下の操作を行う。前記(1)で選抜した
葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体、及び雄性稔性を
有するトマト植物体(例えば品種「レッドチェリー」)
の緑葉から、それぞれの全DNAを抽出する。DNAの
抽出は、いずれもCTAB法(Lichtenstein and Draper (1
985)DNA cloning vol.1,67-119)により行うことができ
る。
【0019】得られる全DNAを制限酵素(例えばBamH
I)で切断し、その断片をアガロースゲル電気泳動で分画
する。次いで、それぞれの画分を、ナイロンメンブレン
(パール)にトランスファーする。そして、前記(2) で
得られた葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体RCMSA4の
ミトコンドリアDNA断片を含むファージクローンをプ
ローブにしてサザンハイブリダイゼーション(Southern
(1975) J.Mol.Bio. 98:503-517)を行う。
【0020】プローブについては、ライブラリー中のそ
れぞれの断片に[α-32P]dCTPを取り込ませて放射標識
したものを用い (Feinberg, et al.(1983) Anal.Bioche
m. 132:6-13)、オートラジオグラフィーを行ってバンド
を検出する。その結果、葯欠損型細胞質雄性不稔トマト
植物体のDNAには現れるが、雄性稔性を有する再分化
トマト植物体のDNAには現れないバンドに対応する領
域が、葯欠損型細胞質雄性不稔に強く連鎖するミトコン
ドリアゲノム領域であると判断される。
【0021】葯欠損型細胞質雄性不稔に強く連鎖するミ
トコンドリアゲノム領域は2か所あり、そのうちの一つ
は、葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体RCMSA4のミト
コンドリアゲノムのライブラリー作出に際して用いたフ
ァージクローンR066と相同性を持つ6.6kbpのBamHI断片
であり、他の一つは、ファージクローンR058に相同性を
持つ1.5kbpのEcoRI 断片であることが判明した。そし
て、ファージクローンR066と相同性を持つ6.6kbpのBamH
I断片は、トマトの花粉非発芽型細胞質雄性不稔に強く
連鎖する領域と同一のものであることも判明した。
【0022】(4) 葯欠損型細胞質雄性不稔トマトの葉緑
体ゲノム 葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体では、ファージク
ローンR066と相同性を示す20kbp の断片が共通に見られ
る。このバンドはミトコンドリアDNA由来のものでは
なく、葉緑体由来のものである。一般的に、細胞融合に
よって得られた再分化植物体の葉緑体ゲノムは、融合に
用いた2種類の細胞のいずれか一方に由来し、両方の葉
緑体ゲノムが組換えを起こさないことが知られている。
そこで、葉緑体ゲノムの由来を検索する。
【0023】まず、ミニ系品種「レッドチェリー」(以
下、「レッドチェリートマト」という)、生食大玉系ト
マト品種「世界一」(以下「世界一トマト」という)、
葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体RCMSA4、花粉非発
芽型細胞質雄性不稔トマト植物体MSA1及びソラヌム・ア
カウレ・ホークスのそれぞれの緑葉より葉緑体を単離
し、DNAを抽出する。次に、それぞれの葉緑体DNA
を数種類の制限酵素(例えばEcoRI 、BamHI、Hind II
I、XbaI、KpmI、SmaI)で切断し、葯欠損型細胞質雄性
不稔トマト植物体RCMSA4の葉緑体DNAをクローン化し
たコスミドクローンをプローブにしてサザンハイブリダ
イゼーションを行う。葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植
物体RCMSA4の葉緑体DNAは、ソラヌム・アカウレ・ホ
ークスの葉緑体DNAのパターンと一致する。また、レ
ッドチェリートマト、世界一トマト、花粉非発芽型細胞
質雄性不稔トマト植物体MSA1の葉緑体DNAのパターン
は、いずれも同様である。
【0024】このことから、葯欠損型細胞質雄性不稔ト
マト植物体はソラヌム・アカウレ・ホークスの葉緑体ゲ
ノムを持つことが判明した。以上の結果から、葯欠損型
細胞質雄性不稔トマト植物体は、花粉非発芽型細胞質雄
性不稔トマト植物体のミトコンドリアゲノムに上乗せす
る形でファージクローンR058と相同性を示す1.5kbpのEc
oRI 断片が存在し、かつ、ソラヌム・アカウレ・ホーク
スの葉緑体ゲノムが存在して初めて、葯欠損の形質が現
れる。ファージクローンR058と相同性を示す1.5kbpのEc
oRI 断片、又はソラヌム・アカウレ・ホークスの葉緑体
ゲノムのいずれかがなければ、花粉非発芽型細胞質雄性
不稔の形質を表す。
【0025】(5) 葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体
を細胞質提供親とした非対称融合による葯欠損型雄性不
稔トマト植物の作出 葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体を細胞質提供親と
して、任意のトマト品種又は系統(核提供細胞)との非
対称細胞融合を行い、任意のトマト品種又は系統の形質
を持つ葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物の作出を行
う。非対称細胞融合法については前記と同様である。細
胞質提供親としては、雄性稔性を有するトマト植物体
(例えばレッドチェリートマト)の葯欠損型細胞質雄性
不稔トマト植物体RCMSA4に正常なレッドチェリートマト
の花粉を受粉して得られた種子(RCMSA4×RC)を無菌的
に播種した後発芽した子葉細胞が挙げられる。また、核
提供細胞としては、世界一トマトの種子を無菌的に播種
した後発芽した子葉細胞が挙げられる。
【0026】細胞融合後の植物体を再分化させ、葯欠損
型雄性不稔形質の個体を選抜する。得られた雄性不稔個
体の葉よりCTAB法(Lichtenstein and Draper (1985)DN
A cloning vol.1 67-119)により全DNAを抽出し、制
限酵素BamHI で切断し、アガロースゲル電気泳動で分画
後、ナイロンメンブレン(パール)にトランスファーす
る。そして、ファージクローンをプローブにしてサザン
ハイブリダイゼーションを行う。
【0027】(6) スクリーニング 前記サザンハイブリダイゼーションにより目的の断片
(クローン)が得られた場合は、その断片を適当な制限
酵素(例えばEcoRI )で切断し、得られる断片をプラス
ミドに導入することによってプラスミドクローンを得る
ことができる。ここで使用されるプラスミドとしては、
pBlueskript SK+、等が挙げられる。
【0028】(7) 葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物に
特異的に存在するDNA断片の塩基配列の解析 前記(2) の手法により得られたDNA断片の塩基配列の
決定は、公知のいずれかの手法により行うことができ
る。その手法としては、例えばジデオキシ法等が挙げら
れる。本発明では、Sequenase キット(UBC) を用いて行
われる。塩基配列が一旦決定されると、その後は、化学
合成によって、又は決定された当該塩基配列から合成し
たプライマーを用いたPCRによって、あるいは該塩基
配列を有するDNA断片をプローブとしてハイブリダイ
ズさせることによって、所望の遺伝子を得ることが出来
る。このようにして得られた本発明の遺伝子は、雄性不
稔に直接関与する遺伝子と密接に連鎖する遺伝子であ
る。
【0029】
〔実施例1〕
(1) 細胞質雄性不稔トマト植物の作出 世界一トマトの種子を無菌的に発芽させ、その幼苗より
子葉を切取り、Shahinの改変TSE-2 酵素液(Cell Cultu
re and Somatic Cell Genetics of Plants:Vol.1,(Vasi
l ed.)pp375, Acad.Pre.Inc.,1984)を用いてプロトプラ
ストを単離した。この単離には、TSE-2 酵素液において
セルラーゼオノズカR-11を 2.0%に、マセロザイムR-10
を0.2 %に改変して(改変TSE-2 酵素液) 使用した。
【0030】プロトプラストを精製し、これを10mMのヨ
ードアセトアミド溶液に懸濁し、4℃で15分間放置して
プロトプラストの細胞質因子の不活性化を行った。一
方、ソラヌム・アカウレ・ホークスを、挿木により無菌
的に増殖させた。その本葉を切取り、γ線又はx線を10
0krad 照射して核遺伝子を不活性化した後、前記改変TS
E-2 酵素液を用いてプロトプラストを単離した。ヨード
アセトアミド処理したトマトのプロトプラストと、γ線
又はX線照射したソラヌム・アカウレ・ホークスのプロ
トプラストとを等量混合し、Kao らの方法(Planta, 12
0,215-227,1974) に準じて融合処理を行った。
【0031】すなわち、プロトプラスト懸濁液をプラス
チックペトリ皿に5滴滴下し、12分後に、25%(W/W)の
ポリエチレングリコール1540、塩化カルシウム10.5mM及
びリン酸二水素カリウム0.7mM を含むポリエチレングリ
コール液12滴を滴下して20分放置した。次に、グリシン
−水酸化ナトリウム緩衝液(pH10.5) 50.0mM、塩化カル
シウム50.0mM及びマンニトール0.2Mを含む高pH高カル
シウム液20滴を20分間隔で2度加え、混合液を適量除き
ながら塩化カルシウム0.75mM及びマンニトール0.4Mを含
む洗浄液を15分間隔で2度加えた。最後にTM-2(Theor.
Appl.Genet.,69,235-240,1985)を15分間隔で2度加え
た。
【0032】プロトプラストの培養及び再分化はShahin
の方法(Theor.Appl.Genet.,69,235-240,1985)に準じて
行った。すなわち、融合処理から2週間後に液体培地か
ら得られた小カルスを個体培地に移植し、24℃、500Lx
で6日間培養し、生長したカルスを分化培地に移植し、
24℃、4500〜5000Lxでさらに2ヶ月間培養した。再分化
した茎葉はTM-5(Theor.Appl.Genet.,69,235-240,1985)
に移植し、1ヶ月半培養した。発根した茎葉を挿木によ
り無菌的に増殖させ、融合処理から約4ヶ月後に鉢出
し、温室で栽培した。
【0033】出発材料の世界一トマトと染色体数(2n=
24) や茎葉の形態が同一な再分化植物体を開花させ、葯
が完全に欠失しているか、又は花糸の先端に葯の痕跡は
あるが花粉が存在しないものを葯欠損型雄性不稔トマト
植物として選抜した。更に、選抜した葯欠損型雄性不稔
トマト植物体に世界一トマトの花粉を受粉し、得られた
種子を播き、栽培した。生育した植物体の花の形態を観
察して、葯欠損型雄性不稔トマトであれば、前記選抜し
た葯欠損型雄性不稔トマトは細胞質雄性不稔トマト植物
体であると判断した。
【0034】(2) 葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体
のミトコンドリアDNAライブラリーの構築 葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体RCMSA4の緑葉をミ
トコンドリア単離用の緩衝液(0.44M Sucrose/50mM Tri
s-HCl,pH7.59/3mM EDTA/0.1% polyvinylpyrrolidone/0.
2% bovine serum albumin/1mM 2-mercaptoethanol)中で
ホモジナイズし、ホモジネートを3層のミラクロスで濾
した後、1400×gで遠心した。上清を更に2200×gで10
分遠心し、その上清を15000 ×gで10分遠心した。沈殿
に200 μg/ml DNaseI を含む緩衝液(0.44M Sucrose/50
mM Tris-HCl,pH7.5/25mM MgCl)を加えて懸濁し、0℃で
30分間静置した。EDTAを最終濃度が50mMになるように加
えてDNaseIの活性を止め、洗浄用の緩衝液(50mM Tris-H
Cl,pH7.5/50mM EDTA/0.1%polyvinylpyrrolidone) を加
えて遠心し、沈殿を再度緩衝液に懸濁して遠心した。こ
れを数回繰り返すことにより、ミトコンドリア顆粒を得
た。
【0035】次に、得られたミトコンドリア顆粒を緩衝
液中(1% sarkosyl/20mM EDTA/proteinase K(200μg/m
l)/50mM Tris-HCl,pH8.0)、37℃で1時間穏やかに溶解
し、ミトコンドリアDNAを、フェノールと、フェノー
ル/クロロフォルム/イソアミルアルコール(24:24:1)
(vol/vol) の混合物とを用いて抽出し、エタノールで沈
殿させ、塩化セシウム密度勾配超遠心(140,000×g)で純
化した。上記の手法により得られたDNAを制限酵素Sa
u3AIで部分分解した後、アルカリフォスファターゼ処理
を行い、DNA断片を脱リン酸化し、これを制限酵素Ba
mHI で切断したベクターEMBL3 とライゲーションを行
い、インビトロパッケージングによりライブラリーを作
製した。
【0036】(3) 葯欠損型細胞質雄性不稔に強く連鎖す
るミトコンドリアゲノム領域の特定 (1)で選抜された植物体の緑葉、雄性稔性を有する世界
一トマト植物、及びレッドチェリートマト植物体の緑葉
から、CTAB法(Lichtenstein and Draper (1985)DNA cl
oning vol.1,67-119)によりそれぞれの全DNAを抽出
した。得られた全DNA断片をそれぞれ制限酵素BamHI
で切断し、アガロースゲル電気泳動で分画後、ナイロン
メンブレン(パール)にトランスファーした。
【0037】次に、(2) で得られたRCMSA4のミトコンド
リアDNA 断片を含むファージクローンをプローブとして
サザンハイブリダイゼーション(Southern (1975) J.Mo
l.Bio. 98:503-517)を行った。ランダムプライマー法
(Feinberg, et al.(1983) Anal.Biochem. 132:6-13) に
より、プローブを[α-32P]dCTPで標識した後、オート
ラジオグラフィーによりバンドを検出した。その結果、
ファージクローンR066と相同性を示す6.6kbpのBamHI 断
片が、選抜した葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体に
は見られたが、世界一トマトには見られなかった(図
1)。
【0038】図1中のレーン1〜12は再分化トマト植物
体より抽出したDNAを、レーン13は世界一トマト植物
体より抽出したDNAを、レーン14はソラヌム・アカウ
レ・ホークス植物体より抽出したDNAを、Mは分子量
マーカーを表す。レーン1、2、7及び11の再分化植物
体並びにレーン14のソラヌム・アカウレ・ホークス植物
体において6.6kbpのバンドが現れた。レーン1、7及び
11の再分化植物体は花粉非発芽型細胞質雄性不稔トマト
植物、レーン2の再分化植物体は葯欠損型細胞質雄性不
稔トマト植物体であった。また、レーン2の再分化植物
体において20.0kbp のバンドが見られた。
【0039】従って、ファージクローンR066と相同性を
示す6.6kbpのBamHI断片は、細胞質雄性不稔トマト植物
体に特異的に見られるミトコンドリアゲノムのDNA断
片であることがわかった(図1,レーン1、2、7及び
11)。更に、このミトコンドリアゲノムのDNA断片
は、非対称細胞融合により作出された全ての葯欠損型細
胞質雄性不稔トマト植物体において、その品種系統等に
かかわらず共通に見いだされた。
【0040】このファージクローンR066と相同性を示す
6.6kbpのBamHI 断片は、花粉非発芽型細胞質雄性不稔ト
マト植物に共通に見いだされるミトコンドリアDNAのフ
ァージクローンA641と相同性を示す6.6kbpのBamHI 断片
と同一のものであることが判った。なお、ファージクロ
ーンA641は、ソラヌム・アカウレ・ホークスの細胞とリ
コペルシコン・エスキュレントゥム・ミルの細胞との細
胞融合により作出された植物体からミトコンドリアDN
Aを単離し、これをファージベクターに組み込むことに
より得られたものである。
【0041】更に、葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物
体に特異的に見られるミトコンドリアゲノムのDNA断
片を特定するため、世界一トマトの細胞とソラヌム・ア
カウレ・ホークスの細胞とを細胞融合することにより作
出された葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体MSB4に、
世界一トマトの花粉を受粉して得られた後代(MSB4×S
i)を育成した。この(MSB4×Si)は、葯や花粉の形態
は正常だが、花粉管の発芽が見られない花粉非発芽型細
胞質雄性不稔トマト植物体であった。そこで、MSB4のD
NA及び後代(MSB4×Si)のDNAについて、(2) で得
られたRCMSA4のミトコンドリアDNA 断片を含むファージ
クローンをプローブとしてサザンハイブリダイゼーショ
ン(Southern (1975) J.Mol.Bio. 98:503-517) を行な
い、消失バンドを調べた。
【0042】ファージクローンR058と相同性を示す1.5k
bpのEcoRI 断片が葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体
MSB4では存在し、花粉非発芽型細胞質雄性不稔トマト植
物体(MSB4×Si)では消失していることが判った(図
2)。更に、他の全ての葯欠損型細胞質雄性不稔トマト
植物体でも、このファージクローンR058と相同性を示す
1.5kbpのEcoRI 断片が存在していた(図3)。
【0043】図3中、レーン1〜12は再分化トマト植物
体より抽出したDNAを、レーン13は世界一トマト植物
体より抽出したDNAを、レーン14は葯欠損型雄性不稔
トマト植物体MSB4より抽出したDNAを、Mは分子量マ
ーカーを表す。レーン1、4、6、8及び10の再分化植
物体並びにレーン14の葯欠損型雄性不稔トマト植物体MS
B4において1.5kbpのバンドが現れた。レーン1、4、
6、8及び10の再分化植物体は全て葯欠損型細胞質雄性
不稔トマト植物であった。
【0044】(4) 葯欠損型細胞質雄性不稔トマトの葉緑
体ゲノム 葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体ではファージクロ
ーンR066と相同性を示す20kbpのBamHI 断片が共通に見
られた。このバンドは、葯欠損型細胞質雄性不稔トマト
植物体のミトコンドリア顆粒より抽出したミトコンドリ
アDNAにおいては出現しないバンドであることから、
ミトコンドリアDNA由来のものではなく、葉緑体にそ
の由来があることが判った。そこで、葉緑体の由来を明
らかにするため、レッドチェリートマト、世界一トマ
ト、葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体RCMSA4、花粉
非発芽型細胞質雄性不稔トマト植物体MSA1、ソラヌム・
アカウレ・ホークスのそれぞれの緑葉より葉緑体を単離
し、DNAを抽出した。それぞれの葉緑体DNAを6種類の制
限酵素(EcoRI 、BamHI 、HindIII 、XbaI、KpmI、Sma
I)で切断し、RCMSA4葉緑体DNAをクローン化したコスミ
ドクローンをプローブにしてサザンハイブリダイゼーシ
ョンを行った。
【0045】その結果、RCMSA4の葉緑体DNAは、ソラヌ
ム・アカウレ・ホークスの葉緑体DNAのパターンと一致
した。また、レッドチェリートマト、世界一トマト、及
び花粉非発芽型細胞質雄性不稔トマト植物体MSA1の葉緑
体DNA のパターンを比較した結果、3種とも同様であっ
た。このことから、葯欠損型細胞質雄性不稔トマト植物
体はソラヌム・アカウレ・ホークスの葉緑体ゲノムを持
つことが判った(図4)。
【0046】図4中、レーン1はレッドチェリートマト
植物体、レーン2は世界一トマト植物体、レーン3は葯
欠損型細胞質雄性不稔トマト植物体RCMSA4、レーン4は
花粉非発芽型細胞質雄性不稔トマト植物体MSA1、レーン
5はソラヌム・アカウレ・ホークス植物体よりそれぞれ
抽出したDNAを表す。制限酵素のEcoRI 及びHind III
処理により、制限酵素断片長多型が現れた。レーン1、
2及び4のグループと、レーン3及び5のグループとは
異なるグループであり、また、各グループ内では、その
パターンが一致していることが判明した。
【0047】以上の結果から、葯欠損型細胞質雄性不稔
トマト植物体においては、花粉非発芽型細胞質雄性不稔
トマト植物体のミトコンドリアゲノムに上乗せする形
で、該ミトコンドリアゲノムのDNAのほかにファージ
クローンR058と相同性を示す1.5kbpのEcoRI 断片が存在
し、且つソラヌム・アカウレ・ホークスの葉緑体ゲノム
が存在してはじめて、その形質が現れることがわかっ
た。
【0048】(5) 葯欠損型雄性不稔トマト植物の作出 葯欠損型雄性不稔トマト植物体を細胞質提供親として非
対称細胞融合を行い、葯欠損型雄性不稔トマト植物の作
出を行った。葯欠損型雄性不稔トマト植物RCMSA4にレッ
ドチェリートマトの花粉を受粉して、種子(RCMSA4×R
C) を得た。この種子の発芽により得られた子葉の細胞
の細胞質を雄性稔性のあるトマトの細胞に一部導入する
目的で世界一トマトと非対称細胞融合を行ない、植物体
を得た。
【0049】再分化植物体が開花した後に葯欠損型雄性
不稔形質の個体を選抜した。得られた雄性不稔個体の葉
よりCTAB法(Lichtenstein and Draper (1985)DNA clon
ingvol.1,67-119)により全DNA を抽出し、制限酵素Bam
HI 、EcoRIそれぞれで切断し、アガロースゲル電気泳動
で分画後、ナイロンメンブレン(パール)にトランスフ
ァーした。ファージクローンR066、R058をプローブにし
てサザンハイブリダイゼーションをおこなった(図5,
6)。
【0050】その結果、ファージクローンR066をプロー
ブにした場合は6.6kbpと20kbpのBamHI 断片が、ファー
ジクローンR058をプローブにした場合は1.5kbpのEcoRI
断片が、得られた2系統の葯欠損型細胞質雄性不稔トマ
ト植物体に見いだされた。図5及び6中、レーン1〜12
は再分化トマト植物体より抽出したDNAを、レーン13
は世界一トマト植物体より抽出したDNAを、レーン14
は葯欠損型雄性不稔トマト植物体RCMSA4×RCより抽出し
たDNAを、Mは分子量マーカーを表す。それぞれの図
において、同じ番号のレーンは同一個体のものである。
【0051】図5において、レーン1、2、4、7、
8、10及び12の再分化植物体並びにレーン14の葯欠損型
雄性不稔トマト植物体RCMSA4×RCにおいて6.6kbpのバン
ドが現れた。また、レーン2及び10の再分化植物体並び
にレーン14の葯欠損型雄性不稔トマト植物体RCMSA4×RC
において20.0kbp のバンドが現れた。一方、図6におい
て、レーン1、2、4、7及び10の再分化植物体並びに
レーン14の葯欠損型雄性不稔トマト植物体RCMSA4×RCに
おいて1.5kbpのバンドが現れた。レーン1、4、7、8
及び12の再分化植物体は花粉非発芽型細胞質雄性不稔ト
マト植物であった。これに対し、レーン3、5、9及び
11の再分化植物体は雄性稔性があった。
【0052】従って、ミトコンドリアの2つのDNA
(1.5kbp及び6.6kpbの断片) 及びソラヌム・アカウレ・
ホークスの葉緑体DNA(20kpbの断片) がトマトの葯欠
損型細胞質雄性不稔に密接に関与していることが明らか
になった。また、ファージクローンR058と相同性を示す
1.5kbpのEcoRI 断片、又はソラヌム・アカウレ・ホーク
スの葉緑体ゲノムのいずれかがなければ、花粉非発芽型
細胞質雄性不稔の形質を表すことがわかった。
【0053】(6) スクリーニング クローンR066をBamHIで、R058をEcoRIで切断し、それぞ
れ6.6kbp断片、1.5kbp断片を得た。6.6kbp断片について
はpBlueskript SK+のBamHI 部位に、1.5kbp断片につい
てはEcoRI部位に導入することによって、プラスミドク
ローンR066B6.6、R058E1.5をそれぞれ得た。
【0054】(7) 細胞質雄性不稔に特異的に存在するDN
A 断片の塩基配列の解析 R066B6.6とR058E1.5の塩基配列の決定を行った。塩基配
列の決定はSequenaseキット(UBC) を用いて行った。こ
れによって得られた配列を配列番号1及び2に示す。
【0055】
【発明の効果】本発明により、細胞質雄性不稔トマト植
物に存在するミトコンドリア遺伝子が提供される。本発
明の遺伝子は、トマト植物とソラヌム・アカウレ・ホー
クスとの非対称細胞融合によるトマト植物体への雄性不
稔形質の導入において、サザンハイブリダイゼーション
のプローブとして、またはポリメラーゼ・チェーン・リ
アクションのプライマーとして用いられる。そして、本
発明の遺伝子により、開花期以前に雄性不稔植物体を選
抜することが可能となる。さらに、本発明の遺伝子は、
細胞質雄性不稔トマト植物作出、及びトマト品種改良に
利用される。
【0056】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:6623 配列の形:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名: Lycopersicon esculentum Mill. cv. Sekai-
ichi MSA1 細胞の種類:本葉細胞 オルガネラ名:ミトコンドリア 直接の起源 ライブラリー名:MSA1ミトコンドリアDNAライブラリー クローン名:A641B6.6 配列: GATCCGAATC GGACCTAAAT GGGAATGACA TGAAAAGTCT TTTTCAAAAC CTAGCATTAA 60 GGGCGTTACG ACGATATACG AGAGGAATAG AGAAAAACTC GTGATTGGTG TGGAGGGGAA 120 GATCTGTTTA TGATATAGTT CAAGAAAGAG TCGTCTCATT TCCTTACTTC TTTATAATTC 180 ATTCACTTCA AGACTGGTTC TGAACGCCGC GTAAGATCAT CTTCAACCAA CCTCCACCGT 240 ACTTTCGGTG CGACCACTAA AGAATTGCTT ATACACTAAA GAGCTGCTTA TATACGTTTA 300 CTAAAAGACT GACTTTCATT CATTATCATT AGTCCAGCGT GAAACTAAGA AAGAGAGATG 360 TGCCTAAGGC GGCATGTAAG CAAACTGTGC ACGCTAAGAG AAGAGGAGAG ATGTTCGCAA 420 TTACTACCAC AAGAAAGCCG CCCCCTATCT TCTAAAGGGG CCCGTCACTT CGTTCGTACC 480 TTCTTGGCTT AGGCTTCCAA CTGAACAACA TGGCCTTGCC GCCCCGCCAC TAGCAGAAGC 540 TAAGCGCTTG AAAACGCTAA GAAAGGTTGC TTCTGTCGCC CTTCTGTGCA ACAGTCCACC 600 AGTAGCGGAA GAGAGGGTTA CCGTACATAC AAGAGTCTTC CAGTTCTTAC GGAAGCTCTT 660 TCTTACCAGT CAATCAAGTA GTACAAGAAC TGTATCTTAT CTTATAGCCC GGCGCGGCGG 720 GTCGCTTTTA AATTAATTAA GAAGATAGAA GAAAGTATTA AATAGATAAG GAGTAGATGA 780 GTGAGTGAGT CCTCACTGAC CTGAGCGATT TCGATCACCT AGCAGGCCTT TTATTTGGTA 840 GGTAACATCG CCAAAGCGTA TCATCAGATT TGACTACGAA GGAAGGAACT CGAAGTGAAA 900 GGGCACCGTC TTGTGCAAGG CAACGATAGT TGGCCCTCTA TATCTTCTAT CTGGTAGACT 960 TGGTAAAAGG GCCCCGACTT ATTTCAGAAT TTGAGTTCGA CCGCGGCTTC CCCCTTTTTT 1020 TGGGGGGGAT CAAGTTCCTT GCCAACTGCC ACCTATCGAC CCCGATCTCT TTTCATTTGT 1080 TTTGGATATT ACCAAACCTA GCCTAGCCTT CGTAAATCAC ACTAAAGCGG ACACCCAACT 1140 ATGGAAAGCC TCCTTAAGGG TGGGTTAGGT TAGTCAATCC GGCCCGAGAC GGTTCGTTGA 1200 CAAAACCGCC GTAGAATTCC TACTTTTCAA TAGAGCGGAG CAGGACTGAT CAACGAGAAA 1260 GAGGCCCTAC TCACTACAAA CGAATACACC ACAAGATTGA ACTGCACTCA TGCCTCTCCC 1320 GCATCAAGTT GACCGCCCCC CCCTACGTAG TGATTCTATC AATCATGTAC GTAGGTAGGA 1380 CCCTCCATTC TGATTGGTAT ATCATGAAAA AAGAAAGCCA TTTGCACCAG GCGCACTGCG 1440 TTTCCCTTGC CCAGATGTTC GTCTTTCTAA GTCAAGTAAT GGTGACCCAC CGAAGACTGG 1500 AGCTTCGTAA CATGTTGACG AAGGCCCCCG AACTGAGGGT TCGGTCAGTA GAAGGGACGA 1560 CTTTGTCTCC CCGGAAGAAG AATAGCCCCG CTCTCTAGCC GACTGATCCC GTTGACCCTA 1620 TAACTGGGAG GGAACGTGTC ACATTAGAGG TGAACGATCA GAGGTGTCTC TAATCACCAC 1680 GACGAGGCGG GTCCCTCTTT TAGTAGACTC AGCTATGAAT ATTCATTCAG AAATGAATGC 1740 CGGGCTCTTT CTTTCACTGC TAACCCCATT TTATTTTCAA CATGCTGAAA CTTTCTGTTT 1800 CGTCGAGCCC CGAGCTTGTG GTCCTCCTTT GAGTGTGGGT TCAATTGAAT GAATCTGTCA 1860 AGTCAAGGAA ACCGTACGTA GCAGCAAGGA TGGTGCATCG CCTATTTATC GTTCTCGCTC 1920 GGGAGCCAAA ACGAACACGC CTGCTACCTA CTGTACTGGA CCTTCGACCA GGCATTCTAC 1980 CTTTGTCGAA TCGGAACCAA CACCACTGCA TTGCGCTCGA ACAGTTGAGC GGCCGCCGGC 2040 AGCAACTTCC GTGCACAGAT ATAGATTCAT TCCTCGTACC TGGTCCAGCC TCACAACCCT 2100 TCGCGGGTTG GTAAGAAGTC AGTCTTGTTT GGTAAGACGG AATTGGACAA AGAAAAGAGA 2160 GTGCTCGACC GGAACAACGG CCAACAAAGA CCGTAATTAC ATAGATAACT GCTCCTCCCC 2220 TTCTCCTTAA GGCTTTAAGG CGAACCGTAT GGCGGCTGGA AAGAAAGACG CCCTCACCTT 2280 CTCTGGTGTC AGTGAGAGCA ATTTGAGTAT CCCCCGTTGA CCTTCTTTTG TAGATAGAAT 2340 CTTCAATGAG TGGAAACAAG CAACCTTACT AAGAAAGGTG CTTGTTGAGT AAGGCCGGCT 2400 TTCGAGCCCA AGCCCCTTGT ATAGGTTGGG CGCTTGAGCG ATCTTTCACA TATCGATCAA 2460 GGCTTTCCTT GAGTTTGAAA TAAGGGGCAA GAAGCAAGGG CGTCAAGGCT GCGCGAAACG 2520 GCTTGCGCCT TAGCGCATCC CTTTTCTTGC AGGAGTGCTA ACGCGCGACC TTACGTTTTC 2580 TTCCGCTTGC TCTGCAGTAC GAGCCTCATA CAGAGCCGCG CTCCTTTAAT ATGATGAGAA 2640 GAAGGGGGGC CGGCCTCTTT TCCGTACCAA TCCTTATTTA CTACTACATC TTTTTTTGGG 2700 TGTATAGCTC AGTTGGTAGA GCATTGGGCT TTTAACCTAA TGGTCGCAGG TTCAAGTCCT 2760 GCTATACCCA AACCTACCTT ACACTCTACT ATGAATAAGG ATGCATAGTA GCCTTCAAAG 2820 ATGACTCTTT GGCCTTTCGA CTCGCTTCGG CGACTTCGCC TTTAAGTGAC AAGGGGGTGA 2880 GCCGCTCCAA GCAAAGCATA GTGAATCCCG AACTTGCCCA CGCTCATCCA AACCGGCCTC 2940 AAAAAGCGAT CGGAAAGCGA AGCCCTTCCT TCCAATCCAA GCCGGCGAAG CCGCCCCTAT 3000 ATCTAACACC GCTCACCCCG ATCACATATT GGCACGTTCA TGATGCATCA TAATCAAAAG 3060 GCCGTAAAGT AAAGAAGACC TATGCATCAG TGTACTGTCA TGATCACATA TAGCTCGATT 3120 TTATTGACGG CTTGAAGGCG AACCGCTATT TCTTAGGGCA AAGGGCGCTC CATCCTCCTA 3180 ACTCCAACCA CTTCTCCCAG GGACAGGAAC TACGGCTTGA CCTTCGGGGA AGAAGTCCGT 3240 GGGACCCCTC CTTCGAGGCG CCTAGATAGT GAAAGGTTAT CCCTTTGCAA GGCTGGAAGC 3300 TAAGCAAAGT CACGAAGCTG GCTGACTACC CTCGAGCAGA GCCCAGACCC GGAGTGGTGG 3360 CTGAACTCGC CGCAGAGTTC AGGAGCGGAA AAGCCACTTG ACTGTAAGGA AAGGAGCGAG 3420 CAAGACTATC TTGGTGAATG CAATAAGAAC CGGCTGCTCG CCGCAGCAGA GTGCTTTGCC 3480 CATGCTGCTA TCCGCCGCCG AAGCGCTCAA GGGATTCGTG CTTGAATGTC GAGATCAGGG 3540 GACTCTATCC AATCCATGCG GCAAATCTGT TTGTGGTGGA AAAAAGTCAA CAATAAAGAA 3600 AAAAGAAACA AACAGAATAT AGAAAATCAT TGAATTTGTT TGCTCCGATA CAAGAGATCG 3660 GCCCCGAAGC AAGATATGGT GGGTGCCAGC AACTTTCACT TGTTAGGAGT AGGGGCTGAA 3720 AAGAGCTCTT TGTATAGGTT GGGTTTTCTG GGCTTTGATG CTTACCTTCT TATTATTAAA 3780 AGGGGAGGGT TTAATAAAGG AGCTGAAAGC CACTTGACTG TAAGGAGAGG AGGTCAATAA 3840 AAAAAAAAGA GATGTTAATT AATCAAAGGT CCAACTGATC ACCACGCCTG TATTGTAAAT 3900 ATGCAGTTAG GAATAATCCA GCCAAAGTAA TAGGAATTAG GCCTAACACG ATTCCAAATA 3960 GAAAAACTTC AACCATTTTT CTTTGTTTGA AAGGAGAAAA AAAAAGAGGT AATATCTATA 4020 CCTAAATATT ATCCGAATTG ACATGAATCT CAATGACAAT GACCAAGAAT TGACAATTGG 4080 TAACGTAAGT AAATATAGAA TACACGTAAT CCCACAGAAA GATTTCTTTT TTAGAATTGT 4140 TCATTTTGAA TATCAGTTTA AATAAGTCGT ATCTTGCTCA GACCAATAAA TAGAGCTGAG 4200 GTTATAGTTA AAGCCGCTAA TAGAAAACCG AAAGAACTAG TTATAGTAAG CATGAAAGGG 4260 CTAAATTAAA TGAAATATGT TCTTTTTATA CATATGTTTA GAAAGCACTT ACCTAAGTTT 4320 CCATTTTTGC AAAATAGGAG GATAGGCAAA AATCTCAATT TCAATTGAAA GAAGAAGTTG 4380 AATTAAATTT TATTCATCTA TCATTATAGG CAGACAGCAC TAACAAAGAT AAGTGACAGA 4440 CATATAAAAG AAATTGATTC ATCATCTGTA ACATCTATCC ATCCCGCAAT TCCAATCAAC 4500 CGATTCATTG AGTAACTCTT GGGTAAACTA TTAAACTAAT AAGAGCTGTA TCGTCTAACT 4560 TCATTCAAAA ATGAAACTGG AATTTTTATA GAATAAAATT CGAAAATCAT TTCTATTTTG 4620 ATCATTTCTT AGATTCTGTT GAATTGTATC GAATCCATTT TCTATTTTAA AGCGAACACT 4680 TATAAAACTA GAAAACTTTT TCTTTTTACT TTAATTTAAG TTTAACTCAT TAGATTCAGT 4740 AATATATTAA TTCACATAAT ATCTTGAATG ATTGAGAAGA AGAAAAAGTT ATCACACAAT 4800 CGCTTGAAAA AATCTTTTTT TTGGGATCAA TATCAGCAGT TCATCCAACG ATAAACAACA 4860 CCCGAATTAT AGAGCTACGA CACAATCAAA CCCGAACGAA CAAAATGTTG AATTTCATCG 4920 TACCAGTCTC TACTGGGGGT TATTACTCAT TTTTGTACTT GCTTTTTTAT TTTCCAATTA 4980 TTTCTTCAAT TAACAAAACG AAAGAGAATA AATAAGATTC TCTTAGCCTC GTTCGGAAGG 5040 ATCTCATAAT TCAATTATCC AAGGCTGTTT ATGTCTCTAG CATGACCACT TGATGAAATC 5100 TGGAGGGAAG TGGGGTAAAT GGCCGATACT ACTGGAAGGA TTCCTCTTTG GATAATAGGT 5160 ACTGTAACTG GTATTCTTGT AATCGGTTTA ATAGGTATTT TCTTTTATGG TTCATATTCC 5220 GGATTGGGTT CATCCCTGTA GTAATCGAAT GAATTGAGTT GTCAACATGA AAGCGTAAGA 5280 ACTCAACGGG ATTCCCAGCA TCTCGTAGAA AAAGAGTATG TAATGTAGAT TTTTCAGAAG 5340 GGTCTAAATA AGACAAAGGA GTTTTCATAA TTTCATTTTT TTTATCATAA ATAATCGCTA 5400 ACAAGAATTT GGTTCTTTTT ACGAACTTGA TGTCGATAAA TCTGCGAATC TATAAATTCA 5460 TTTCGGCCAA TTGAACCTTC TCGAACTCTT TCTTTTTAAG AACCAAAAAG ATTTGTGCCA 5520 AAATAACAGA TGCCAAGAAG AACAAAAGTC CTTGGACACG TAATGGATCT TGAAGTACTA 5580 TTTCTGCATC TCCTGACCAA ATCCGCCTAC ATTAGGATTA CTCGTTAATC CTTGATCAAA 5640 TTTGATAGAT TCGCCCCCGG AAACAAGAAG TTCTGGTCCG GGAGGGATAA TATCAACCAC 5700 TTGACGCCCA TCCGACGCAT CCGTTATGGT TATCTCATAT CCCCCTTTGT CTTTTCGTAT 5760 GATTTTGCTT ACTATACCTG CTGCTGTACG ATTATAAACT GCATTCTTAC TCTTGCTGCC 5820 GTCGGGATAA ATCTGAACCC TTCCCCTGTT CCCGCCTACG TATATAGGAT ATTTTTCGAA 5880 GTGAACATCC TTCTTAGTAG CAGGGTCCGG GGAAAGAATA GGGAAGGTTA ATTTCACTAT 5940 ATTTTTTACC AGGGACAGGG CCTACCACAA GAATCTTTTT TTTATTGGGG CGATAGCTCT 6000 TAAAAGAAAA ATTGCCAATC TTTTCTTTCA TCTCGGGAGG GATACGATCG GGAGGAGCTA 6060 ATTCAACCCC CTCCGGTAAA ATAAGAACAA GCCCCCACGT TCAACCCCCC TTTTTTACCC 6120 ATTAGCAAGA ACTTGTTTCA GTTGCATATC ATAAGGAATT CGAACAACTG CCTCAAATAC 6180 AGTATCCGGA AGTACCGCTT GTGGAACCTC AATCTCCACG GGCTTATTAG CTAAATGGCA 6240 ATTGGCACAT ACAATACGCC CAGTCGCTTC TCGTGGATTT TCATAACCCT GCTGTGCAAA 6300 AGTGGGATAT GCACTTGCAA TAGATGTCCG AGTGTTGATA TATATCATGA GCGATACGGA 6360 AATAGATCGA GTAACTCTTT CTTTAGCCAA GAAAAAGCAT TTCTAGTTTG CATGGTCCAA 6420 TCATTGATCG CGAAAATTTG ACAATAAATT GGGTAGGCTC ACTAGTATAG TTCCTAGCCA 6480 CGATTCTGCT ATTTGCTGGA ATAATCTAGG ATGAATCTCC CCGATGGTTA GAAATAGAAA 6540 GAGTAAATAC TATTTTCAAT ACTTTGCTTA TGTACAACTA CAAAGTACCA AGCATTCTAA 6600 TTGGATTAGA TTAATATCAA TGG 6623
【0057】配列番号:2 配列の長さ:1566 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名: Lycopersicon esculentum Mil. cv. Red Che
rry RCMSA4 細胞の種類:本葉細胞 オルガネラ名:ミトコンドリア 直接の起源 ライブラリー名:RCMSA4 ミトコンドリアDNA ライブラ
リー クローン名:R058E1.5 配列: AGGCTCTACT AACAGAATTA TGAATTCCCG GCTCTTAGTC ATCGCTCTGT GAAGGAGTGG 60 GCGAATAAAC ATCCGGCAAA GGCACAGCTA GCGCACGGGA GGTGACACCA ACCACACTCT 120 GGTGGATACA CGGATAAAAT AAAGAAACCC GCTGGTATGC GGAAAGTATA TATGGCTGTT 180 TCAGTATCTA TAGGATATAT TCCTCACTCA CCTGTAATTA TCCCAGAGCC ATTTTGTCTA 240 CTAGCTATAA TGAAATAGCT AGCGGGGCAA CCGGGTTTGG CGCGGGTGAG GGAAACAAAA 300 ATAGAGTGTT TCTAGATTTC TCCTTAACAC AAAAGTGGTA AATATGAAAT GGAATGCTTA 360 ACCTGCTAAA ACGAGTATTT AAGGCTGCCC GTTCATACCT TACAGCGAGT ATGATAGATG 420 TCTATAATAT TTGGCTTTAC GGTGTTTACA GGGTTCTGAG ATTTCTTTTA GTTTGTATAA 480 AAAAGACCTT TGGTATAAAC AACATTATAG CTCTATATTT TTATATCAGT AGATATTTCA 540 GCGTTGCAGC AGCAACTAAA TTAGTAATAG ATTTGGCCTC TATTTCCTCT TCTCTCGTCT 600 CTGTCCATCT TTCTGATGGT GAAGGAAGAA ATTATGAATA GAATTGCGAT AATGGAAACG 660 AAGCATGCGC AAGGCCTCCC AATCGGGAAT CTTCGTTCCT CTTTTATGAT GATGAATGGA 720 ACTGCTGTCC CGCGTAAGCC TTTGGAAGCA AACAATCGTA AAAAGGAAAA ATAGAGAAGT 780 AGAGCTAAGG TAAAAAACAT GGACAATCCT GTGTATTCCA TCTAGTGCTC TCACTTGCCC 840 CCAAGGGGCC AGAAGAAGAT ACCCAATGTT CAGGGTAGAA AGCCAGGGTT TGGTACTTTG 900 ACGAGCTGGC CGCCGAGAGA GCACTGAGAC GAAGAACCTA GCTAGGAATT TCCCTGCCCG 960 TGTCTACTTC TTGAAAAACC TAAAGGGTCA AGGTAAGCGT ATCAAGAGAA AATGAGCAAA 1020 GCTTATGCCC GGVTAATTGA ATGGAGTTCC CGGCTTTAAA GAATCAAGTT CAAGTACCGA 1080 GGAGATTTAT TTGAAGAGCT TTGGTTATGA ATGAATAGGC ATGTGGGAAC AGCGTTGCTT 1140 GCATTGATTC AATTGATTTG AAGTGGVGGT TATCTAAACA TACATATACG ACCTTGAAAT 1200 AAATCTGAGT CGACTTCTAG CCTTTTATTC TCTATCGCTC TCGACTGGTC CTATAGCTTG 1260 AAAGAATCTA CAGGCTCCTT CGTGAAGTGA TTCACGGGTG GGAATCACGA ACGGTCTTAA 1320 GTGAGTAGAC ATCTCCCCTC CTTCCCTTTC TCTTGGACAT CTCACTTGTA ATCAATGCTT 1380 TCTTTCTTCC CATCCTCAGA TCAGAGATGA AGTTGAGAGT CAACTGTGAA TGGTGCTAGA 1420 GGAGAGTATG TTAAGACGCG TCCAAGCCAA ACTATTACTT TCTCCAGTCG ATGGTACTAT 1480 TGAAAGGAGA ATGCCGTGTC GTCCAGCGCA GTTGACCAAT CCTGGCCAAC CGACCAAGGA 1540 TTGAGAATGG AACAGAGATT GAATTC 1566
【図面の簡単な説明】
【図1】サザンハイブリダイゼーションの結果を示す電
気泳動写真である。
【図2】サザンハイブリダイゼーションの結果を示す電
気泳動写真である。
【図3】サザンハイブリダイゼーションの結果を示す電
気泳動写真である。
【図4】サザンハイブリダイゼーションの結果を示す電
気泳動写真である。
【図5】サザンハイブリダイゼーションの結果を示す電
気泳動写真である。
【図6】サザンハイブリダイゼーションの結果を示す電
気泳動写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 A01H 1/00,5/00 C12N 5/00 - 5/14 JSTPlus(JOIS) SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq BIOSIS/WPI(DIALOG) PubMed

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)又は(b)の塩基配列を含
    むミトコンドリア遺伝子。 (a)配列番号2で表される塩基配列 (b)配列番号2で表される塩基配列において1若しく
    は数個の塩基が欠失、置換若しくは挿入されており、か
    つトマト植物に細胞質雄性不稔を引き起こす機能を有す
    る塩基配列
  2. 【請求項2】 以下の(a)及び(b)の塩基配列を含
    むミトコンドリア遺伝子。 (a)配列番号2で表される塩基配列、又は、配列番号
    2で表される塩基配列において1若しくは数個の塩基が
    欠失、置換若しくは挿入されており、かつトマト植物に
    細胞質雄性不稔を引き起こす機能を有する塩基配列 (b)配列番号1で表される塩基配列、又は、配列番号
    1で表される塩基配列において1若しくは数個の塩基が
    欠失、置換若しくは挿入されており、かつトマト植物に
    細胞質雄性不稔を引き起こす機能を有する塩基配列
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のミトコンドリア遺
    伝子を含む細胞と任意のトマト植物由来の細胞とを細胞
    融合させ、得られるプロトプラストから植物体を再分化
    させることを特徴とする雄性不稔トマト植物の作出方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のミトコンドリア遺伝子を
    含み、かつソラヌム・アカウレ・ホークス由来の葉緑体
    を含む細胞と、任意のトマト植物由来の細胞とを細胞融
    合させ、得られるプロトプラストから植物体を再分化さ
    せることを特徴とする雄性不稔トマト植物の作出方法。
  5. 【請求項5】 得られるプロトプラストから、請求項1
    又は2記載のミトコンドリア遺伝子を含むプロトプラス
    トを選抜することをさらに含む、請求項3又は4記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか1項に記載の方
    法により得られた雄性不稔トマト植物。
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