JPH0722552B2 - 加圧注湯式のコ−ヒ−等の浸出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、業務用または一般家庭あるいは自動販売機等
に使用される被浸出物を収納した被浸出物容器を用いる
注湯式のコーヒー等の浸出装置に関するものである。

従来の技術 一般にこの種の装置においては、被浸出物を収納したフ
ィルターフィルターホルダーに収納して装置本体に回動
係止して浸出を行い、浸出後はフィルター内の被浸出物
を排除し、さらにフィルターおよびフィルターホルダー
等を掃除する必要があるため、準備と掃除に手間がかか
るといった問題があり、簡単な操作で浸出できる手段が
要望されていた。

従来の加圧注湯式のコーヒー等の浸出装置は、第２図の
ような構成になっていた。

図において、１は加熱ブロックであり、アルミニウム等
の熱良導体で形成されている。この加熱ブロック１には
渦巻状の水路２が設けられ、かつ裏面には渦巻状の発熱
体３が埋設されている。さらにその中央には前記水路２
と連通して貫通孔４が設けられている。５は前記加熱ブ
ロック１の下方に取付けられた取付け金具で、この取付
け金具５の中央には前記貫通孔４とＯリング６により水
密的に連通した開孔７を有する凹部８を設け、この凹部
８には前記開孔７を閉塞する弁９と、この弁９を付勢す
る弁ばね10を弁座11を螺着することにより設けている。
12は前記弁座11に取付ねじ13で螺着された拡散板であ
る。14は加圧注水手段である電磁式のポンプで、このポ
ンプ14を介して水容器15の底部で一方を開口させた吸上
管16と、前記加熱ブロック１に設けられた水路２に連通
する接続パイプ17とを連結している。

18は前記取付け金具５の下部に設けられ、かつ中央を開
口させたフック板で、このフック板18の中央開口周囲に
は、ハンドル19を備えた被浸出物収納部であるフィルタ
ーホルダー20の上端周囲に設けられた複数個の爪21を遊
嵌する複数個の切欠部22と、前記爪21の遊嵌後フィルタ
ーホルダー20の回動爪21と係合する係合片23をそれぞれ
設けている。24はフィルターホルダー20に収められたフ
ィルター、25は取付け金具５に固着され、かつ前記フィ
ルター24の上端部と気密的に当接するシールパッキング
である。なお、フィルターホルダー20の下部には、中心
に向かうテーパ面の下端部に流出口26を設けている。

27は多数の孔を備えた受板で、この受板27はこの種のコ
ーヒーを入れるデミタスコーヒーカップ28を載置するも
のである。29は受皿、30は被浸出物であるコーヒー粉で
ある。31は前記加熱ブロック１に感熱的に備えられ、か
つ発熱体３への通電を制御する自動温度調節器である。
なお、接続パイプ17と、水路２と、貫通孔４と、開孔７
と、凹部８とで流路32を形成している。

以上のように構成された浸出装置において、次にその動
作を説明する。

まず、水容器15に所要量の水を入れる。次に発熱体３へ
の通電を開始すると自動温度調節器31により加熱ブロッ
ク１が所定の温度に制御される。そして、フィルターホ
ルダー20に納めたフィルター24に所定量のコーヒー粉30
を入れ、フック板18に回動係合させる。これでコーヒー
浸出の準備が完了する。

次にデミタスコーヒーカップ28をフィルターホルダー20
の流出口26のほぼ真下に位置する受板27上にセットし、
ポンプ14を作動させると、水容器15内の水はポンプ14に
より吸上管16、接続パイプ17を介して加熱ブロック１内
に圧送される。この加熱ブロック１内に圧送された水
は、渦巻状の水路２を通過する間に加熱ブロック１から
の伝熱により湯沸しされて熱湯になり、貫通孔４を経て
弁９を押圧し、かつ開孔７を通り、拡散板12を経てコー
ヒー粉30内を通過し、コーヒーを浸出するとともに、流
出口26から流出してデミタスコーヒーカップ28内に注が
れ、コーヒーができあがる。

コーヒーの浸出が終わると、ハンドル19をセットした時
とは逆の方向に回動させ、係合片23から爪21を外し、フ
ィルターホルダー20内の浸出の終わったコーヒー粉30を
捨て、フィルター24とフィルターホルダー20と拡散板12
等を掃除する。

発明が解決しようとする問題点 前記したように従来のこの種の加圧注湯式のコーヒー等
の浸出装置においては、被浸出物であるコーヒー粉30を
計量した後にフィルター24に収納し、フィルターホルダ
ー20をフック板18に回動係合し、さらにコーヒー浸出後
は、フィルターホルダー20とフック板18の係合を解除
し、フィルター24内の浸出済みのコーヒー粉を除去し、
最後にフィルター24とフィルターホルダー20と拡散板12
等を掃除するという作業を行わなければならないため、
準備や掃除に手間どり、非常に不便であるという問題を
有していた。

本発明はこのような従来の問題に留意し、コーヒー等の
浸出の準備および浸出後の掃除がより簡便に行える加圧
注湯式のコーヒー等の浸出装置を提供することを目的と
する。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために、本発明は、浸出液の吐出
口を有するセット部と、該セット部の上方に設けられて
いて下方を開口し、かつ上下に昇降しそれに応じてセッ
ト部に対して離接するように移動可能になっている収納
部と、一端を加圧注水手段に連通し、かつ他端を前記収
納部に開口する流路と、この流路の一部である水路と発
熱体とを内装した加熱ブロックと、前記収納部に収納さ
れる被浸出物容器とを具備し、前記収納部が下降したと
きに、該収納部の開口がセット部の、前記吐出口以外の
部分によって下方から覆われ、該収納部とセット部とが
被浸出物容器を挟持押圧してそれを内包保持するように
なっており、また、前記上下に昇降する収納部に連動し
て昇降するホルダーと、このホルダーに固着されたハン
ドルとが設けられ、該ハンドルの操作によりホルダーを
介して収納部を前記セット部に対して上下に昇降させる
ことができるようになっている加圧注湯式のコーヒー等
の浸出装置を提供する。

作用 上記構成によれば、被浸出物を収納した被浸出物容器を
用いているため、被侵出物の準備を簡便にすることがで
きるとともに、ハンドルは収納部と連動して昇降するた
め、収納部への被浸出物容器の着脱が容易となり、その
結果、一連の操作の簡便化が可能となるものである。

実 施 例 以下、本発明の一実施例を第１図にもとづいて説明す
る。

第１図において、41は加熱ブロックで、この加熱ブロッ
ク41はアルミニウムダイカスト等の熱良導体で形成され
たヒーターブロック42と、このヒーターブロック42の中
央部に位置し、かつ略円柱形状で外周面に螺旋形状の溝
43を設けた水管44と、この水管44に内装した発熱体45と
から成り、前記水管44の溝43はヒーターブロック42とと
もに水路46を形成している。47は前記水路46と連通した
流出口である。

48はハンドル49を備えた回動自在のホルダーである。前
記流出口47の下部には被浸出物容器であるカプセル50を
収納する収納部を構成するガイドリング51が設けられて
いる。そしてこのガイドリング51は、カプセル50を密着
収納する収納部52と、カプセル50の上部を突き破り前記
水路46と連通したノズル孔53を介してカプセル50内に開
口するノズル54とを有している。

前記カプセル50は次のような構成になっている。すなわ
ち、アルミニウム等を絞って形成された略円錐形状のカ
プセル本体55と、アルミニウム等で形成され、かつ下に
凸球形状の底部56と、前記カプセル本体55と底部56の間
に位置するフィルター57とから成り、そしてカプセル本
体55内には被浸出物であるコーヒー粉58が密封され、か
つカプセル本体55の端面部を折り曲げて前記フィルター
57と底部56を気密的に圧着加工してリム59を形成してい
る。また、底部56の中央には略円形状の薄肉部（図示せ
ず）が設けられている。

60は前記ガイドリング51の下方に設けられ、かつアルミ
ニウム合金等で形成されたカプセル台で、このカプセル
台60は鉱板等で形成された基台61の略中央に立設された
取付金具62に固定されている。またカプセル台60には前
記ガイドリング51の下方に位置して、円形の咬めリブ63
で囲まれ、かつ中央に吐出口64を設けたテーパ状のセッ
ト部65が設けられており、かつ外周の一部が切り欠かれ
て傾斜部66へ連なっている誘導リブ67で囲まれている。
68は前記セット部65を挟んで前記誘導リブ67の上部の両
側に前記カプセル50のリム59の直径より狭い間隔で固定
されたフック板で、このフック板68は前記ハンドル49を
回動するとホルダー48と係合し、一方、ハンドル49を傾
斜部66と反対側に回動するとフック板68はホルダー48と
遊嵌する。69は前記基台61に内包され、かつ前記傾斜部
66の下方に備えられた受皿である。

70は加圧注水手段を構成する電磁式のポンプで、このポ
ンプ70は防振ゴム71により挾持され、かつ吸込み側を水
容器（図示せず）に連通し、さらに吐出側を前記水路46
に連通している。72は蝶番73により前記取付金具62に取
付けられた可動部で、この可動部72は前記加熱ブロック
41とガイドリング51とポンプ70を内蔵している。

74は一端を係止棒75に軸支し、かつ金属棒等で形成され
た略Ｊ字形状の排除金具で、この排除金具74は容器排除
手段であり、そして軸76で軸支された係止棒75と連動す
るものである。

77は前記係止棒75をカプセル台60の方向に付勢する付勢
ばねである。78は前記可動部72に軸支された突起部で、
この突起部78は前記係止棒75のカプセル台60側を押圧し
て可動部72の回動を係止棒75に伝達する。さらに突起部
78は時計方向に回動自在であるが、反時計方向には当接
部79が可動部72に当接するために回動しない。80は基台
61に複数の孔を設けた載置部で、この載置部80はこの種
のコーヒーを入れるデミタスコーヒーカップ81を載置す
る。

なお、前記ポンプ70と、水路46と、流出口47と、ノズル
孔53とで流路82を形成している。

以上のように構成された加圧注湯式のコーヒー等の浸出
装置において、以下、その動作を説明する。

初めに、コーヒー浸出の準備および浸出操作について説
明する。

まず、発熱体45に通電し、加熱ブロック41の温度を高
め、そして所要の温度に達した後は自動温度調節器（図
示せず）により所要温度に制御される。

そして、水容器（図示せず）に所要量の水を入れ、ハン
ドル49を第１図の位置まで回動させてホルダー48とフッ
ク板68の係合を解除する。

次に、ハンドル49を持ち上げ、可動部72を蝶番73を中心
として上方へ回動させる。この状態でカプセル50をセッ
ト部65に載置し、ハンドル49を下げて可動部72を降下さ
せる。ガイドリング51は略円錐形状のカプセル本体55を
密着収納し、ノズル54がカプセル50の上部を破り、カプ
セル50内のコーヒー粉58にノズル孔53を開口させ、かつ
ガイドリング51の端面と咬めリブ63の上端でリム59を挾
持する。さらに、ハンドル49を回動すると、ホルダー48
と遊嵌していたフック板68がホルダー48と係合し、ガイ
ドリング51がさらに降下して咬めリブ63とガイドリング
51でリム59を気密的に咬める。

次に、デミタスコーヒーカップ81を載置部80に載せてポ
ンプ70を作動させる。これにより、水容器（図示せず）
内の水はポンプ70により圧送され、螺旋状の水路46を流
れる間に加熱ブロック41からの伝導熱により加熱され、
熱湯となり、流出口47を経てノズル54のノズル孔53から
カプセル50内のコーヒー粉58に放散される。そして熱湯
はコーヒー粉58を通り、コーヒーを浸出してから、フィ
ルター57を経て底部56の薄肉部（図示せず）を水圧で破
り、セット部65の吐出口64より滴下して、デミタスコー
ヒーカップ81内に滞留する。所要量のコーヒーがデミタ
スコーヒーカップ81に滞留すると、ポンプ70を停止させ
る。

続いて、コーヒー浸出後の操作および掃除について説明
する。

まず、ハンドル49をコーヒー浸出前とは反対方向に回動
させてフック板68との係合を解除し、ハンドル49を上昇
させる。ガイドリング51の下端と咬めリブ63で咬められ
ていたカプセル50のリム59は解放されるが、ガイドリン
グ51の内面に水圧により密着圧入されているカプセル50
はガイドリング51とともに上昇する。この上昇により、
リム59の直径より狭い間隔で固定されているフック板68
にリム59が当接する。そしてハンドル49をさらに上昇さ
せるとカプセル50はガイドリング51より離脱する。ガイ
ドリング51から離脱したカプセル50はセット部65に落下
する。

一方、ハンドル49の上昇とともに、可動部72も上昇し、
この可動部72に軸支された突起部78は当接部79を可動部
72に当接させながら係止棒75を反時計方向に回動させ、
そして係止棒75に軸支された排除金具74を引っ張る。こ
れにより、前述したガイドリング51からセット部65に落
下したカプセル50は、この排除金具74に押圧されてセッ
ト部65から傾斜部66へ移動し、そしてこの傾斜部66に沿
って滑り、かつ傾斜部66の下方に備えられた受皿69に落
下する。

さらに、ハンドル49が上昇すると、係止棒75を係止して
可動部72とともに回動上昇していた突起部78が係止棒75
をカプセル台60側からポンプ70側へ乗り越える。そして
係止棒75は付勢ばね77により時計方向に回動し、カプセ
ル50をセットしたときの位置に戻る。係止棒75を乗り越
えた突起部78は、ハンドル49を降下させると、可動部72
とともに突起部78も降下し、かつ係止棒75に当接しなが
ら時計方向に回動して、係止棒75をポンプ70側かららカ
プセル台60側へ乗り越える。

以上のように本実施例によれば、コーヒー粉58を密封し
たカプセル50を用いるとともに、ガイドリング51の昇降
に連動して浸出済みのカプセル50を排除金具74が自動的
に排除して受皿69内に収納するようにしているため、コ
ーヒー浸出の準備および浸出後の掃除を非常に簡便に行
うことができるものである。

なお、上記実施例においては、被浸出物であるコーヒー
粉58は被浸出物容器であるカプセル50に密封されていた
が、被浸出物容器は必ずしも密封されている必要はな
く、要は被浸出物が収納できればよいものである。

また上記実施例では、突起部78が係止棒75を回動させて
昇降するガイドリング51と排除金具74を連動させるよう
にしていたが、昇降する収納部にリンクおよびカム等に
より容器排除手段を連動させても良い。さらに被浸出物
はコーヒー粉58に限らないのは言うまでもない。

発明の効果 以上のように本発明によれば、浸出液の吐出口を有する
セット部と、該セット部の上方に設けられていて下方を
開口し、かつ上下に昇降しそれに応じてセット部に対し
て離接するように移動可能になっている収納部と、一端
を加圧注水手段に連通し、かつ他端を前記収納部に開口
する流路と、この流路の一部である水路と発熱体とを内
装した加熱ブロックと、前記収納部に収納される被浸出
物容器とを具備し、前記収納部が下降したときに、該収
納部の開口がセット部の、前記吐出口以外の部分によっ
て下方から覆われ、該収納部とセット部とが被浸出物容
器を挟持押圧してそれを内包保持するようになってお
り、また、前記上下に昇降する収納部に連動して昇降す
るホルダーと、このホルダーに固着されたハンドルとが
設けられ、該ハンドルの操作によりホルダーを介して収
納部を前記セット部に対して上下に昇降させることがで
きるようになっている。従って、浸出前の準備と浸出後
の操作および掃除を非常に簡便に行うことができるとと
もに、ハンドルは収納部と連動して昇降するため、被浸
出物容器の保持とさらには収納部の昇降を連続的に行う
ことができ、その結果、一連の操作をより簡便に行なう
ことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における加圧注湯式のコーヒ
ー等の浸出装置を示す断面図、第２図は従来の加圧注湯
式のコーヒー等の浸出装置を示す断面図である。 41……加熱ブロック、45……発熱体、46……水路、48…
…ホルダー、49……ハンドル、50……カプセル、52……
収納部、58……コーヒー粉、65……セット部、70……ポ
ンプ、82……流路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】浸出液の吐出口（64）を有するセット部
   （65）と、該セット部の上方に設けられていて下方を開
   口し、かつ上下に昇降しそれに応じてセット部に対して
   離接するように移動可能になっている収納部（52）と、
   一端を加圧注水手段に連通し、かつ他端を前記収納部に
   開口する流路（82）と、この流路の一部である水路（4
   6）と発熱体（45）とを内装した加熱ブロック（41）
   と、前記収納部に収納される被浸出物容器（50）とを具
   備し、前記収納部（52）が下降したときに、該収納部の
   開口がセット部の、前記吐出口（64）以外の部分によっ
   て下方から覆われ、該収納部とセット部とが被浸出物容
   器（50）を挟持押圧してそれを内包保持するようになっ
   ており、また前記上下に昇降する収納部に連動して昇降
   するホルダー（48）と、このホルダーに固着されたハン
   ドル（49）とが設けられ、該ハンドルの操作によりホル
   ダーを介して収納部を前記セット部に対して上下に昇降
   させることができるようになっている加圧注湯式のコー
   ヒー等の浸出装置。