JPH07224739A - 燃料噴射ノズル - Google Patents

燃料噴射ノズル

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Publication number
JPH07224739A
JPH07224739A JP1860294A JP1860294A JPH07224739A JP H07224739 A JPH07224739 A JP H07224739A JP 1860294 A JP1860294 A JP 1860294A JP 1860294 A JP1860294 A JP 1860294A JP H07224739 A JPH07224739 A JP H07224739A
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JP
Japan
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needle
fuel
injection
injection hole
hole
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Application number
JP1860294A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ogawa
弘志 小川
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07224739A publication Critical patent/JPH07224739A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 直噴式ディーゼルエンジンの燃料噴射ノズル
において、燃料噴射特性を改善する。 【構成】 ニードル5の内部に燃料をニードル5の先端
部に導く通孔4を形成し、ノズルボディ1に燃料を噴射
する第一噴孔3を形成し、ノズルボディ1にニードル5
の先端部21を着座させて通孔4と第一噴孔3の連通を
遮断する第一シール部15を形成し、ノズルボディ1に
ニードル5の外周部22を摺動自在に嵌合させる円筒部
24を第一噴孔3より基端側に形成し、円筒部24の途
中に燃料を噴射する第二噴孔2を開口し、第一噴孔3の
シリンダ軸に対する傾斜角度を第二噴孔2より小さく形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直噴式ディーゼルエン
ジン等に用いられる燃料噴射ノズルの改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの着火遅れを少なく
して円滑な燃焼を実現するために、燃料噴射を段階的に
行う燃料噴射ノズルがある。
【0003】この種の燃料噴射ノズルとして従来例えば
図11に示すものがあった(特開昭59−147862
号公報、参照)。
【0004】これについて説明すると、ノズルボディ4
1に複数の第一噴孔43と第二噴孔49がそれぞれ放射
状に開口し、ニードル42の初期リフト時に噴孔径の小
さい第一噴孔43のみが開いて、図12に矢印Bで示す
ように少量の燃料をピストン45のキャビティ40に噴
射し、さらにニードル42がリフトするのに伴って大孔
径の第二噴孔49も開いて矢印Cで示すように大量の燃
料を噴射するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来装置にあっては、初期噴射が行われる第一噴孔
43の燃料噴射方向は燃焼室の中央部に向けられる一
方、第二噴孔49の燃料噴射方向は燃焼室の側方領域に
向けられているため、大量の燃料が噴射される主噴射時
に第一噴孔43からの燃料噴霧と第二噴孔49からの燃
料噴霧とが重なり合い、燃焼室に燃料が過濃となる領域
をつくってスモークの悪化を来すという問題点があっ
た。
【0006】本発明は上記の問題点に着目し、直噴式デ
ィーゼルエンジンの燃料噴射ノズルにおいて、燃料噴射
特性を改善することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
燃料噴射ポンプからエンジン回転に同期して圧送される
燃料圧力に応じてニードルがリフトして燃料を噴射する
燃料噴射ノズルにおいて、ニードルの内部に燃料噴射ポ
ンプから圧送される燃料をニードルの先端部に導く通孔
を形成し、ニードルを収装するノズルボディに燃料を噴
射する第一噴孔を形成し、ノズルボディにニードルの先
端部を着座させて通孔と第一噴孔の連通を遮断する第一
シール部を形成し、ノズルボディにニードルの外周部を
摺動自在に嵌合させる円筒部を第一噴孔より基端側に形
成し、円筒部の途中に燃料を噴射する第二噴孔を開口
し、第一噴孔のシリンダ軸に対する傾斜角度を第二噴孔
より小さく形成する。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1に記載の
発明において、第一噴孔の開口面積を第二噴孔より小さ
く形成する。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1または2
のいずれかに記載の発明において、ニードルを閉弁付勢
する第一スプリングと第二スプリングが並列に介装さ
れ、ニードルがプレリフト量を越えてリフトするまで第
二スプリングの付勢力がニードルにかからないように規
制する手段を設け、第二噴孔が開かれるニードルのリフ
ト量をプレリフト量より大きく設定する。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1から3の
いずれかに記載の発明において、ニードルのリフト量を
規制する手段を備え、運転状態に応じてニードルがリフ
トするタイミングを遅らせるとともに、ニードルのリフ
ト量を第二噴孔が開かない範囲に規制する制御手段を備
える。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明において、ニードルがわず
かにリフトする初期噴射時に、ニードルの先端外周部が
第一シール部から離れると、ニードル内の通孔を通して
導かれる燃料は第一噴孔のみから燃焼室の中央部に向け
て噴射される。
【0012】ニードルが所定値を越えてリフトする主噴
射時に、ニードルの外周部によって第二噴孔が開かれる
と、ニードル内の通孔を通して導かれる燃料は第一噴孔
と第二噴孔の両方から燃焼室の噴射される。
【0013】第一噴孔が第二噴孔よりノズルボディの先
端側に配置されるとともに、第一噴孔のシリンダ軸に対
する傾斜角度を第二噴孔より小さく形成したため、第一
噴孔から噴射される燃料噴霧と第二噴孔から噴射される
燃料噴霧が重なり合あうことを防止し、燃焼室に燃料を
均一に分布させてスモークの発生量を抑えられる。
【0014】請求項2記載の発明において、第一噴孔の
開口面積を第二噴孔より小さく形成したため、噴射圧が
低い初期噴射時に第一噴孔から噴射される燃料の微粒化
がはかれ、燃焼室内の燃料と空気の混合が十分に行わ
れ、燃焼性を高められる。
【0015】主噴射時に開かれる第二噴孔は大きな開口
面積をもっているため、第二噴孔から噴射される大量の
燃料が強い貫徹力で燃焼室の広い範囲に拡がるので、燃
焼室の空気利用率を高めて燃費の低減と出力の向上がは
かれる。しかも、短時間のうちに燃料噴射が終了するの
で、燃焼室外に燃料が噴射されることがなく、シリンダ
壁部の近傍で生成される未燃焼HCやスモークの発生量
を抑えられる。
【0016】請求項3記載の発明において、燃料噴射ポ
ンプから供給される燃料圧力が低い低負荷時に、第二ス
プリングの付勢力によりニードルがプレリフト量以下に
抑えられることにより、第二噴孔が開かれることがな
く、燃料の全量が第一噴孔から噴射される。これによ
り、燃料の微粒化がはかられ、燃焼室内の燃料と空気の
混合が十分に行われ、燃焼性を高められる。
【0017】燃料噴射ポンプから供給される燃料圧力が
上昇する高負荷時に、第二スプリングの付勢力によりニ
ードルがプレリフト量以下に抑えられる間に第一噴孔か
ら少量の燃料が初期噴射された後、ニードルが第二スプ
リングを圧縮しながらフルリフトして第一噴孔と第二噴
孔から大量の燃料が主噴射される。このようにして、燃
料噴射が段階的に行われることにより、着火遅れを少な
くして円滑な燃焼が行われ、振動や騒音を低減すること
ができる。
【0018】請求項4記載の発明において、予め設定さ
れた所定の運転条件において、ニードルがリフトするタ
イミングを遅らせるとともに、ニードルのリフト量を第
二噴孔が開かない範囲に規制することにより、ピストン
が上死点からある程度下降した状態で燃料の噴射が行わ
れても、第一噴孔からの噴射される燃料の噴射角が小さ
いため、燃焼室外に燃料が噴射されることがなく、シリ
ンダ壁部の近傍で生成される未燃焼HCやスモークの発
生量を抑えられる。しかも、燃料噴射時期を遅らせるこ
とにより、NOxの発生量を抑えられる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0020】図1,図2にそれぞれ示すように、直噴式
ディーゼルエンジンに備えられる燃料噴射ノズルは、中
空の筒状ノズルボディ1の内部にニードル5が収装さ
れ、図示しない燃料ポンプから通路を介して圧送される
燃料圧力に応じてニードル5が段階的にリフトして燃料
噴射を段階的に行うようになっている。図示しないピス
トン頂面には皿状に窪む燃焼室(キャビティ)が形成さ
れ、燃料噴射ノズルはシリンダヘッドから燃焼室の中央
に臨んで設けられる。
【0021】燃料噴射ノズルは、ニードル5を閉弁付勢
する第一スプリング8と第二スプリング11が並列に介
装される。
【0022】第一スプリング8は第一プッシュロッド7
および第一プレッシャーピン9を介してニードル5を閉
弁付勢する。
【0023】第二スプリング11は第一プッシュロッド
7、第一プレッシャーピン9、第二プッシュロッド10
および第二プレッシャーピン12を介してニードル5を
閉弁付勢する。
【0024】ニードル5がプレリフト量を越えてリフト
するまで第二スプリング11の付勢力がニードル5にか
からないように規制する手段として、第二プッシュロッ
ド10を着座させてその下方向への変位を規制するスペ
ーサ18が設けられる。
【0025】燃料噴射ポンプから燃料室6に導入される
燃料圧力により、ニードル5にかかる圧力が第一スプリ
ング8の初期バネ力を越えて高まると、図3に示すよう
に、ニードル5は第一プッシュロッド7および第一プレ
ッシャーピン9を介して第一スプリング8を圧縮しなが
らリフトする。第一プレッシャーピン9が第二プッシュ
ロッド10に当接して燃料圧力が第一スプリング8のバ
ネ力と第二スプリング11の初期バネ力とを合わせた付
勢力を越えるまでは、ニードル5のリフト量がプレリフ
ト量Lmin以下に保たれる。
【0026】次いで、ニードル5にかかる圧力が第一ス
プリング8のバネ力と第二スプリング11の初期バネ力
とを合わせた付勢力を越えて高まると、図4に示すよう
に、ニードル5は第一プッシュロッド7、第一プレッシ
ャーピン9、第二プッシュロッド10および第二プレッ
シャーピン12を介して第二スプリング11を圧縮しな
がらプレリフト量Lminを越えてリフトする。ニード
ル5がフルリフト量Lmaxに到達すると、ニードル5
のハウジング19に当接して、それ以上のリフトが規制
される。
【0027】ニードル5の内部に燃料噴射ポンプから圧
送される燃料をニードル5の先端部に導く通孔4が形成
される。通孔4の上端は燃料室6に連通し、通孔4の下
端はニードル5の中心部に開口している。通孔4は、燃
料室6、ニードル5とノズルボディ1の間隙およびハウ
ジング15に形成された通孔13を介して燃料入口14
に連通する。燃料入口14に燃料噴射ポンプから機関回
転に同期して圧送される燃料が導入される。
【0028】ニードル5の先端部から環状に***する円
錐部21が形成され、この円錐部21の先端部に通孔4
が開口している。
【0029】ノズルボディ1の先端部に燃料を噴射する
複数の第一噴孔3が放射状に形成されるとともに、ニー
ドル5の円錐部21を着座させて通孔4と第一噴孔3の
連通を遮断する第一シール部15が形成される。第一シ
ール部15はニードル5の円錐部21に対向して円錐形
に窪んで形成される。
【0030】ニードル5の途中に直円柱形をした外周部
22が形成される一方、ノズルボディ1にこの外周部2
2摺動可能に嵌合させる円筒部24が形成される。
【0031】円筒部24は第一噴孔3より基端側に形成
され、円筒部24の途中に燃料を噴射する複数の第二噴
孔2が放射状に開口する。
【0032】ニードル5の途中に環状の段部25が形成
される一方、ノズルボディ1にこの段部25を着座させ
る第二シール部16が形成される。
【0033】各第一噴孔3と各第二噴孔2はそれぞれピ
ストンの燃焼室に向けて放射状に形成される。各第一噴
孔3のシリンダ軸に対する傾斜角度は、第二噴孔2のそ
れより小さく設定される。これにより、各第一噴孔3か
ら噴射される燃料は燃焼室の中央部に拡がる一方、各第
二噴孔2から噴射される燃料は燃焼室の広い範囲に拡が
る。
【0034】第一噴孔3の噴孔径は、第二噴孔2のそれ
より小さく形成される。第一噴孔3の噴孔径はニードル
5の初期リフト時に要求される噴射率が得られるように
任意に設定される一方、第二噴孔2の噴孔径は主噴射時
に要求される噴射率が得られるように任意に設定され
る。
【0035】図示しない燃料ポンプから通路を介して圧
送される燃料圧力が機関負荷と回転数に応じて変化し、
第一スプリング8および第二スプリング11の付勢力等
を任意に設定することにより、図5に示すように、燃料
が第一噴孔3のみから噴射供給される運転域と、燃料が
第一噴孔3と第二噴孔2から二段階に噴射供給される運
転域が設定される。
【0036】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0037】図6に示すように、低速低負荷時に燃料室
6に導入される燃料噴射ポンプから導かれる噴射管内圧
はP2以下に抑えられ、ニードル5にかかる圧力が第一
スプリング8のバネ力と第二スプリング11の初期バネ
力とを合わせた付勢力を越えず、ニードル5はプレリフ
ト量Lmin以下の範囲でリフトする。ニードル5の円
錐部21がノズルボディ1の第一シール部15から離れ
ることにより、第一噴孔3は開かれるが、第二噴孔2は
ニードル5の外周部22によって閉塞されている。
【0038】このとき、燃料の全量が噴孔径の小さい第
一噴孔3から噴射されることにより、低い噴射率でも燃
料の微粒化が進み、燃焼室内の燃料と空気の混合が十分
に行われ、燃焼性を高められる。さらに、燃料の全量が
第一噴孔3から小さい噴射角で燃焼室の中央部に噴射さ
れることにより、燃焼室外に燃料が噴射されることがな
く、シリンダ壁部の近傍で生成される未燃焼HCやスモ
ークの発生量を抑えられる。
【0039】高速高負荷時に、燃料室6に導入される燃
料噴射ポンプからの燃料圧力により、ニードル5にかか
る圧力が第一スプリング8の初期バネ力を越えて高まる
と、ニードル5は第一スプリング8を圧縮しながらリフ
トし、第一噴孔3から少量の燃料を供給する初期噴射が
行われる。続いて、ニードル5にかかる圧力が第一スプ
リング8のバネ力と第二スプリング11の初期バネ力と
を合わせた付勢力を越えて高まると、図4に示すよう
に、ニードル5は第一プッシュロッド7、第一プレッシ
ャーピン9、第二プッシュロッド10および第二プレッ
シャーピン12を介して第二スプリング11を圧縮しな
がらリフトする。このとき、ニードル5の外周部22に
よって第二噴孔2が開かれ、第二噴孔2から大量の燃料
を供給する主噴射が始まる。このようにして、初期噴射
と主噴射により段階的な燃料噴射が行われることによ
り、着火遅れの少ない、したがって振動や騒音の少ない
安定かつ円滑な燃焼性が得られる。
【0040】主噴射で開かれる第二噴孔2は広い噴射角
と大きな噴孔径をもっているため、第二噴孔2から噴射
される大量の燃料が短時間のうちに強い貫徹力で燃焼室
の広い範囲に拡がるので、空気利用率を高めて燃費の低
減と出力の向上がはかれる。短時間のうちに燃料噴射が
終了するので、燃焼室外に燃料が噴射されることがな
く、シリンダ壁部の近傍で生成される未燃焼HCやスモ
ークの発生量を抑えられる。
【0041】第一噴孔3が第二噴孔2よりノズルボディ
1の先端側に配置されるとともに、第一噴孔3のシリン
ダ軸に対する傾斜角度を第二噴孔2より小さく形成した
ため、第一噴孔3から噴射される燃料噴霧と第二噴孔2
から噴射される燃料噴霧が重なり合あうことを防止し、
燃焼室に燃料を均一に分布させてスモークの発生量を抑
えられる。
【0042】次に、図7に示す他の実施例について説明
する。なお、図1、図2との対応部分には同一符号を用
いて説明する。
【0043】ニードル5のリフトを遅延して燃料噴射時
期を調節する手段として、第二プレッシャーピン12の
上部に圧電アクチュエータ17が設けられる。圧電アク
チュエータ17は制御装置によって通電されると、その
厚さが増大して第二プレッシャーピン12に当接するこ
とにより、ニードル5のリフト量を規制するようになっ
ている。圧電アクチュエータ17は磁歪素子または電歪
素子により形成される。
【0044】なお、前記実施例と同様に第二プレッシャ
ーピン12に着座する第二スプリングを設けて、高速高
負荷時に二段噴射が行われる構成としても良い。
【0045】制御装置は、機関回転数および負荷の検出
信号を入力し、図8に示すマップに基づいて、負荷が所
定値より低いリタード要求領域に圧電アクチュエータ1
7を通電して、燃料噴射時期を遅らせるとともに、ニー
ドル5のリフト量をLmin以下に規制して第一噴孔3
のみから燃料を噴射する制御を行う。
【0046】リタード要求領域に圧電アクチュエータ1
7を通電して、燃料噴射時期を遅らせるとともに、ニー
ドル5のリフト量をLmin以下に規制して、第二噴孔
2を閉塞し、燃料を第一噴孔3のみから噴射する。これ
により、図10に示すように、ピストン31が下降した
状態でも、燃料の噴射角が小さいため、燃焼室30の外
側に燃料が噴射されることがなく、シリンダ壁部32の
近傍で生成される未燃焼HCやスモークの発生量を抑え
られる。しかも、燃料噴射時期を遅らせることにより、
NOxの発生量を抑えられる。
【0047】一方、高負荷時は圧電アクチュエータ17
の通電は止められる。これにより、ニードル5はプレリ
フト量Lminを越えてリフトして、第二噴孔2が開か
れる。第二噴孔2は大きな噴孔径をもっているため、大
量の燃料噴射がピストン31が上死点付近にある短時間
のうちに終了する。このとき、第一噴孔3から噴射され
る燃料噴霧と第二噴孔2から噴射される燃料噴霧が重な
り合あうことがなく、燃焼室30に燃料を均一に分布さ
せてスモークの発生量を抑えられる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、燃料噴射ポンプからエンジン回転に同期して圧送さ
れる燃料圧力に応じてニードルがリフトして燃料を噴射
する燃料噴射ノズルにおいて、ニードルの内部に燃料噴
射ポンプから圧送される燃料をニードルの先端部に導く
通孔を形成し、ニードルを収装するノズルボディに燃料
を噴射する第一噴孔を形成し、ノズルボディにニードル
の先端部を着座させて通孔と第一噴孔の連通を遮断する
第一シール部を形成し、ノズルボディにニードルの外周
部を摺動自在に嵌合させる円筒部を第一噴孔より基端側
に形成し、円筒部の途中に燃料を噴射する第二噴孔を開
口し、第一噴孔のシリンダ軸に対する傾斜角度を第二噴
孔より小さく形成したため、噴射初期から第一噴孔から
噴射される燃料噴霧と、噴射圧の上昇に伴って第二噴孔
から噴射される燃料噴霧が重なり合あうことを防止し、
未燃焼HCやスモークの排出量を低減し、ディーゼルエ
ンジンの低公害化がはかれるとともに、燃費の改善がは
かれる。
【0049】請求項2記載の発明は、請求項1に記載の
発明において、第一噴孔の開口面積を第二噴孔より小さ
く形成したため、噴射圧が低い初期噴射時に第一噴孔か
ら噴射される燃料の微粒化がはかられ、燃焼室内の燃料
と空気の混合が十分に行われ、燃焼性を高められる。噴
射圧の上昇に伴って開かれる第二噴孔は大きな開口面積
をもっているため、第二噴孔から噴射される大量の燃料
が強い貫徹力で燃焼室の広い範囲に拡がり、燃焼室の空
気利用率を高めて未燃焼HCやスモークの発生量抑えら
れるとともに、燃費の低減と出力の向上がはかれる。
【0050】請求項3記載の発明は、請求項1または2
のいずれかに記載の発明において、ニードルを閉弁付勢
する第一スプリングと第二スプリングが並列に介装さ
れ、ニードルがプレリフト量を越えてリフトするまで第
二スプリングの付勢力がニードルにかからないように規
制する手段を設け、第二噴孔が開かれるニードルのリフ
ト量をプレリフト量より大きく設定したため、低負荷時
に燃料の全量が第一噴孔から噴射されることにより、燃
料の微粒化がはかられ、燃焼性を高められる。一方、高
負荷時に、燃料噴射が第一噴孔と第二噴孔から段階的に
行われることにより、着火遅れを少なくして円滑な燃焼
が行われ、振動や騒音を低減することができる。
【0051】請求項4記載の発明は、請求項1から3の
いずれかに記載の発明において、ニードルのリフト量を
規制する手段を備え、運転状態に応じてニードルがリフ
トするタイミングを遅らせるとともに、ニードルのリフ
ト量を第二噴孔が開かない範囲に規制する制御手段を備
えたため、燃料噴射時期を遅らせることにより、NOx
の発生量を抑えられるとともに、ピストンが上死点から
ある程度下降した状態で燃料の噴射が行われても、第一
噴孔からの噴射される燃料の噴射角が小さいため、燃焼
室外に燃料が噴射されることがなく、シリンダ壁部の近
傍で生成される未燃焼HCやスモークの発生量を抑えら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す燃料噴射ノズルの一部断
面図。
【図2】同じく燃料噴射ノズルの全体断面図。
【図3】同じく低負荷時等における作動状態を示す燃料
噴射ノズルの一部断面図。
【図4】同じく高負荷時における作動状態を示す燃料噴
射ノズルの一部断面図。
【図5】同じく制御特性図。
【図6】同じく燃料噴射特性の説明図。
【図7】他の実施例を示す燃料噴射ノズルの全体断面
図。
【図8】同じく制御特性図。
【図9】同じく標準噴射時期における作動状態を示す機
関の断面図。
【図10】同じく噴射時期遅延時における作動状態を示
す機関の断面図。
【図11】従来例を示す燃料噴射ノズルの一部断面図。
【図12】同じく作動状態を示す燃焼室等の断面図。
【符号の説明】
1 ノズルボディ 2 第二噴孔 3 第一噴孔 4 通孔 5 ニードル 8 第一スプリング 11 第二スプリング 15 第一シール部 17 圧電アクチュエータ 18 スペーサ 21 円錐部 22 外周部 24 円筒部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料噴射ポンプからエンジン回転に同期し
    て圧送される燃料圧力に応じてニードルがリフトして燃
    料を噴射する燃料噴射ノズルにおいて、 ニードルの内部に燃料噴射ポンプから圧送される燃料を
    ニードルの先端部に導く通孔を形成し、 ニードルを収装するノズルボディに燃料を噴射する第一
    噴孔を形成し、 ノズルボディにニードルの先端部を着座させて通孔と第
    一噴孔の連通を遮断する第一シール部を形成し、 ノズルボディにニードルの外周部を摺動自在に嵌合させ
    る円筒部を第一噴孔より基端側に形成し、 円筒部の途中に燃料を噴射する第二噴孔を開口し、 第一噴孔のシリンダ軸に対する傾斜角度を第二噴孔より
    小さく形成したことを特徴とする燃料噴射ノズル。
  2. 【請求項2】第一噴孔の開口面積を第二噴孔より小さく
    形成したことを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ノズ
    ル。
  3. 【請求項3】ニードルを閉弁付勢する第一スプリングと
    第二スプリングが並列に介装され、 ニードルがプレリフト量を越えてリフトするまで第二ス
    プリングの付勢力がニードルにかからないように規制す
    る手段を設け、 第二噴孔が開かれるニードルのリフト量をプレリフト量
    より大きく設定したことを特徴とする請求項1または2
    のいずれかに記載の燃料噴射ノズル。
  4. 【請求項4】ニードルのリフト量を規制する手段を備
    え、 運転状態に応じてニードルがリフトするタイミングを遅
    らせるとともに、ニードルのリフト量を第二噴孔が開か
    れない範囲に規制する制御手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1から3のいずれかに記載の燃料噴射ノズル。
JP1860294A 1994-02-15 1994-02-15 燃料噴射ノズル Pending JPH07224739A (ja)

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JP1860294A JPH07224739A (ja) 1994-02-15 1994-02-15 燃料噴射ノズル

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003093669A1 (de) * 2002-05-02 2003-11-13 Robert Bosch Gmbh Kraftstoffeinspritzventil für brennkraftmaschinen
KR20040033796A (ko) * 2002-10-16 2004-04-28 현대자동차주식회사 인젝터의 연료분사각 조절장치
KR100706555B1 (ko) * 2006-04-20 2007-04-13 현대자동차주식회사 디젤엔진 인젝터

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