JPH07224616A - バルブタイミング制御装置 - Google Patents

バルブタイミング制御装置

Info

Publication number
JPH07224616A
JPH07224616A JP1469994A JP1469994A JPH07224616A JP H07224616 A JPH07224616 A JP H07224616A JP 1469994 A JP1469994 A JP 1469994A JP 1469994 A JP1469994 A JP 1469994A JP H07224616 A JPH07224616 A JP H07224616A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring gear
lubricating oil
valve timing
operating state
pulley
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1469994A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3086118B2 (ja
Inventor
Akira Hoshino
明良 星野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, NipponDenso Co Ltd filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP1469994A priority Critical patent/JP3086118B2/ja
Publication of JPH07224616A publication Critical patent/JPH07224616A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3086118B2 publication Critical patent/JP3086118B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】潤滑油が供給されない進角又は遅角側油圧室に
空気が侵入しないように防止してリングギアの応答性を
向上させることを目的とする。 【構成】エンジンGNの運転状態によりECU(電子制
御装置)71の制御にてOCV(オイルコントロールバ
ルブ)44からの潤滑油を進角又は遅角側油圧室26,
27へ供給する。リングギア25が進角又は遅角側油圧
室26,27の終端に配置されたとき、ECU71の制
御にてOCV44から潤滑油が供給されない進角又は遅
角室油圧側26,27へ潤滑油を供給し、供給された潤
滑油によりリングギア25が移動しない程度の油圧を油
圧室26,27に加える。そして、量油圧室26,27
内に空気が侵入しないようにしてリングギア25の応答
性を向上させる。を備えた

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はバルブタイミング制御
装置に係り、詳しくはエンジンの運転時にバルブの開閉
時期を可変するバルブタイミング制御装置に関するもで
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、バルブタイミング制御装置を備え
たエンジンとして、特開昭57−212310号公報に
示すものが提案されている。この技術では、制御装置が
エンジンの負荷に応答して動作すると、一対のソレノイ
ドのいずれか一方が付勢される。そして、一方のソレノ
イドが付勢されると、スプール弁はA方向に移動する。
そのため、油圧は遅角チャンバに供給される。一方、進
角チャンバの油圧はオイルタンクに回収される。このた
め、スライダーは右方向(A方向)に摺動する。このス
ライダーの摺動によりバルブタイミングが遅角する。
【0003】又、他方のソレノイドが付勢されると、ス
プール弁はB方向に移動する。そのため、油圧は進角チ
ャンバに供給される。一方、遅角チャンバの油圧はオイ
ルタンクに回収される。このため、スライダーは左方向
(B方向)に摺動する。こんスライダーの摺動によりバ
ルブタイミングが進角する。
【0004】従って、エンジンの全負荷時には吸気両を
増大させ、部分負荷には吸気量を減少させるようにバル
ブタイミングを制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術では、バルブタイミング制御中に、最遅角状態
又は最進角状態になったとき、一方のチャンバからは、
潤滑油が流失してしまい、次に進角又は遅角しようとし
ても、チャンバに潤滑油を充填するまでリングギアを移
動させることができず、バルブタイミング制御装置の応
答性が悪化するという問題があった。
【0006】特に、リングギアが、リングギアのヘリカ
ルスプラインの回転により生じるスラスト力の方向の端
部に位置しておいり、その後、スラスト力に抗して移動
を始めるような時には、潤滑油がチャンバに充填された
後、さらに、スラスト力に打ち勝つだけの油圧が生じる
まで、リングギアは移動できないこととなり、更に応答
性が悪化するという問題があった。
【0007】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、一方の油圧室への潤滑油の
供給が制御上不要である場合にも油圧室内に潤滑油を保
持可能にするとともに、所定の運転条件での不要なバル
ブタイミング制御を禁止することにより、バルブタイミ
ング制御装置の応答性を高めるバルブタイミング制御装
置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、内外周面にスプラインを
形成し、その少なくとも一方がヘリカルスプラインであ
るリングギアをプーリとカムシャフトとの間に配設し、
前記リングギアによりプーリとカムシャフトとを連結す
るとともに、前記リングギアによりプーリ内に進角側及
び遅角側油圧室を形成し、エンジンの運転状態に応じて
油圧発生手段からの潤滑油の油圧を調圧して進角側及び
遅角側油圧室へ供給すする潤滑油圧調圧手段を有し、エ
ンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段からの検
出信号に基づいてタイミング制御手段が潤滑油圧調圧手
段を制御して潤滑油を進角側又は遅角側油圧室に供給
し、その供給された潤滑油の油圧によりリングギアをカ
ムシャフトの軸方向に移動させ、プーリとカムシャフト
との相対位置を変化させてバルブの開閉時期を制御する
バルブタイミング制御装置において、前記エンジンの運
転状態によりタイミング制御手段の制御にて潤滑油圧調
圧手段からの潤滑油を進角側又は遅角側油圧室へ供給
し、リングギアが進角側又は遅角側油圧室の終端に配置
されたとき、潤滑油の供給が制御上不必要な進角側又は
遅角室油圧側へ潤滑油を供給してその油圧室内に空気が
侵入しないようにする潤滑油圧制御手段とを備えたこと
をその要旨とする。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載のバ
ルブタイミング制御装置において、タイミング制御手段
によりリングギアが終端に配置されたとき、潤滑油圧制
御手段からリングギアの位置する終端側の油圧室に供給
される潤滑油の油圧はリングギアをカムシャフトの軸方
向へ移動させない程度の油圧であることをその要旨とす
る。
【0010】請求項3記載の発明は、内外周面にスプラ
インを形成し、その少なくとも一方がヘリカルスプライ
ンであるリングギアをプーリとカムシャフトとの間に配
設し、前記リングギアによりプーリとカムシャフトとを
連結するとともに、前記リングギアによりプーリ内に進
角側及び遅角側油圧室を形成し、エンジンの運転状態に
応じて油圧発生手段からの潤滑油の油圧を調圧して進角
側及び遅角側油圧室へ供給すする潤滑油圧調圧手段を有
し、エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段か
らの検出信号に基づいてタイミング制御手段が潤滑油圧
調圧手段を制御して潤滑油を進角側又は遅角側油圧室に
供給し、その供給された潤滑油の油圧によりリングギア
をカムシャフトの軸方向に移動させ、プーリとカムシャ
フトとの相対位置を変化させてバルブの開閉時期を制御
するバルブタイミング制御装置において、前記運転状態
検出手段からの検出信号に基づいて、その運転状態に応
じた目標バルブタイミングとするためのリングギアの位
置が、リングギアのヘリカルスプラインの回転により発
生するスラスト力の方向のリングギア行程端である特定
運転状態を検出する特定運転状態検出手段と、前記特定
運転状態検出手段からの信号に基づいて、前記両油圧室
の差圧が前記スラスト力に抗する方向で、前記スラスト
力以下となるようにそれぞれの油圧室に潤滑油を供給す
るように前記潤滑油圧調圧手段を制御する潤滑油圧制御
手段とを備えたことをその要旨とする。
【0011】請求項4記載の発明は、内外周面にスプラ
インを形成し、その少なくとも一方がヘリカルスプライ
ンであるリングギアをプーリとカムシャフトとの間に配
設し、前記リングギアによりプーリとカムシャフトとを
連結するとともに、前記リングギアによりプーリ内に進
角側及び遅角側油圧室を形成し、エンジンの運転状態に
応じた目標バルブタイミングとなるように前記リングギ
アの位置を変化させるべく油圧発生手段からの潤滑油の
油圧を調圧して進角側及び遅角側油圧室へ供給する潤滑
油圧調圧手段を有し、前記リングギアの位置によりプー
リとカムシャフトの相対回転位置を変化させてバルブの
開閉時期を制御するバルブタイミング制御装置におい
て、前記運転状態検出手段からの検出信号に基づいて、
その運転状態に応じた目標バルブタイミングとするため
のリングギアの位置が、リングギアのヘリカルスプライ
ンの回転により発生するスラスト力の方向のリングギア
行程端である特定運転状態を検出する特定運転状態検出
手段と、実際のバルブタイミングを検出する実バルブタ
イミング検出手段と、エンジンの運転状態に応じた目標
バルブタイミングと、前記実バルブタイミング検出手段
により求められる実際のバルブタイミングとの偏差が所
定値以上か否かを判定する偏差判定手段と、前記特定運
転状態検出手段により、エンジンが特定運転状態である
ことが判断されるとともに、前記偏差判定手段により、
目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差が
所定値以下であることが判断された時に、前記両油圧室
の差圧が、前記スラスト力に抗する方向で、前記スラス
ト力以下となるようにそれぞれの油圧室に潤滑油を供給
するように前記潤滑油圧調圧手段を制御する潤滑油圧制
御手段とを備えたことをその要旨とする。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明によれば、運転状態検出手
段からの検出信号に基づいてタイミング制御手段が潤滑
油圧調整手段を制御し、油圧発生手段からの潤滑油の油
圧を調整しながら進角側又は遅角側油圧室へ潤滑油を供
給する。そして、リングギアが進角側又は遅角側油圧室
の終端に配置されたとき、潤滑油供給制御手段は潤滑油
の供給が制御上不必要な進角側又は遅角側油圧室に潤滑
油を供給してその油圧室内に空気が侵入しないようにす
る。
【0013】従って、プーリとカムシャフトとを適切な
相対位置に維持しながら、制御の応答性を確保できる。
請求項2記載の発明によれば、リングギアがカムシャフ
トの軸方向に移動しないため、プーリとカムシャフトと
の相対位置は変化しない。
【0014】従って、プーリとカムシャフトとを適切な
相対位置とすることが可能となる。請求項3記載の発明
によれば、エンジンの特定運転状態を検出した時には、
リングギアの両側の油圧室の油圧の差圧が、スラスト力
に抗する方向でリングギアに生じるスラスト力以下の大
きさとなるように、油圧が制御される。よって、エンジ
ンの特定運転状態では、リングギアは、徐々に目標バル
ブタイミングであるスラスト力の方向に移動するもの
の、両側の油圧の差圧が維持されるため、運転状態が急
変しても、すぐに、油圧室の油圧が上昇することによ
り、制御の応答性が向上する。
【0015】請求項4記載の発明によれば、エンジンが
特定運転状態で、かつ、目標バルブタイミングと実バル
ブタイミングとの偏差が所定値以下である時には、リン
グギアの両側の油圧室の油圧の差圧が、スラスト力に抗
する方向でリングギアに生じるスラスト力以下の大きさ
となるように、油圧が制御される。よって、エンジンの
特定運転状態では、リングギアは、目標のバルブタイミ
ングとなる位置近傍まで移動した後に、リングギア両側
の油圧の差圧により、徐々にスラスト力の方向に移動す
る。そのため、特定運転状態に応じたバルブタイミング
に移動した後に油圧が維持されるため、特定運転状態に
応じたバルブタイミングへの応答速度も向上し、かつ、
その後の運転状態の変化への応答速度も向上する。
【0016】
【実施例】以下、この発明におけるバルブタイミング制
御装置を具体化した一実施例を図1〜図4に基づいて説
明する。
【0017】図1に示すように、カムシャフト1は図示
しないエンジンの吸気バルブ或いは排気バルブを駆動す
るために設けられており、そのジャーナル2がシリンダ
ヘッド3の軸受部4とベアリングキャップ5との間で回
転可能に支持されている。ジャーナル2にはその外周に
沿って延びる2本のジャーナル溝6,7が形成されてい
る。又、シリンダヘッド3には各ジャーナル溝6,7及
びジャーナル2に潤滑油を供給するための第1のヘッド
油路8及び第2のヘッド油路9が形成されている。
【0018】又、油圧発生手段としてのオイルポンプ4
1、オイルパン42、オイルフィルタ43、動弁機構及
びクランク機構等によりエンジンの潤滑系が構成されて
いる。即ち、第1のヘッド油路8及び第2のヘッド油路
9の一端は、電磁制御式のオイルコントロールバルブ
(以下、単にOCVという)44に接続され、このOC
V44は、オイルフィルタ43、オイルポンプ41、オ
イルストレーナ45を介してオイルパン42に接続され
ている。オイルポンプ41はエンジンGNに駆動連結さ
れており、該エンジンGNの作動に連動して潤滑油を汲
み上げ、吐出する。
【0019】そして、オイルポンプ41が駆動されるこ
とにより、オイルパン42からオイルストレーナ45を
介して潤滑油が吸い上げられる。その潤滑油がオイルフ
ィルタ43を通過した後、OCV44の作動により、所
定の圧力をもって各ヘッド油路8,9に供給されて各ジ
ャーナル溝6,7及びジャーナル2に供給されるように
なっている。ここで、ヘッド油路8,9に対する潤滑油
の供給量は前記OCV44により任意に調節することが
できるようになっている。このOCV44の詳しい構成
については後述する。
【0020】次に、バルブタイミングを調整するための
機構について説明する。カムシャフト1の先端部にはプ
ーリを構成するタイミングプーリハウジング10が設け
られている。このタイミングプーリ10はプーリ本体1
1とそのプーリ本体11の一側面及びカムシャフト1の
先端部を覆うように組付けられたカバー12とを備えて
いる。プーリ本体11は略円板状をなし、その外周には
複数の外歯13が形成され、中央にはボス14が形成さ
れている。プーリ本体11はそのボス14によりカムシ
ャフト1に対して相対回転可能に装着されている。又、
外歯13にはタイミングベルト15が装着されており、
該ベルト15を介してタイミングプーリハウジング10
が内燃機関の図示しないクランクシャフトに駆動連結さ
れている。
【0021】一方、カバー12は有底円筒状をなし、該
カバー12には小径部13aと大径部13bが形成され
ている。又、カバー12の外周にはフランジ16が形成
され、底部中央には連通孔17が形成されている。そし
て、小径部13aの内周には複数の内歯12aが形成さ
れている。カバー12はそのフランジ16にて複数のボ
ルト18及びピン19によりプーリ本体11の一側面に
固定されている。又、連通孔17には蓋20が取り外し
可能に装着されている。そして、プーリ本体11とカバ
ー12とにより囲まれた空間がタイミングプーリハウジ
ング10の内部に形成された収容空間部21となってい
る。
【0022】この収容空間部21において、カムシャフ
ト1の先端には、インナキャップ22が中空ボルト23
により締め付けられるとともに、ピン24により回り止
めされている。このインナキャップ22とプーリ本体1
1は相対回動可能となっている。又、インナキャップ2
2の外周面に形成された周壁22aの外周には、複数の
外歯22bが形成されている。
【0023】タイミングプーリハウジング10とカムシ
ャフト1との間にはリングギア25が配設され、このリ
ングギア25によってタイミングプーリハウジング10
とカムシャフト1とが連結されている。即ち、リングギ
ア25は環状をなし、タイミングプーリハウジング10
の収容空間21にてカムシャフト1の軸方向に沿って往
復動可能に収容されている。前記リングギア25はリン
グ部25aとそのリング部25aの一端にて外方へ張り
出され大径部13bの内周面に摺接するフランジ25b
とから構成され、リング部25aの内外周には歯25
c,25dがそれぞれ形成されている。このリングギア
25の内外周に設けられた複数の歯25c,25dの両
方はヘリカル歯となっており、軸方向への移動によって
カムシャフト1と相対回転可能になっている。
【0024】そして、リングギア25の内周の歯25d
はインナキャップ22の外歯22bに、リングギア25
の外周の歯25cはカバー12の内歯12aにそれぞれ
噛合されている。従って、タイミングプーリハウジング
10が回転駆動されることにより、リングギア25で連
結されたタイミングプーリハウジング10とインナキャ
ップ22とが一体的に回転され、更にカムシャフト1が
タイミングプーリハウジング10と一体的に回転駆動さ
れる。
【0025】前記収容空間21において、リングギア2
5のリング部25aとカバー12の底部との間には進角
側油圧室26が形成されている。同じく、収容空間21
において、リングギア25のフランジ25bとプーリ本
体11との間には遅角側油圧室27が形成されている。
【0026】ここで、進角側油圧室26に潤滑油による
油圧を供給するために、カムシャフト1にはその中心に
沿って延びる第1のシャフト通路28が形成されてい
る。このシャフト通路28の先端側は中空ボルト23の
中心孔23aを通じて進角側油圧室26に連通されてい
る。又、このシャフト油路28の基端側は、カムシャフ
ト1の半径方向に延びる油孔29を通じてジャーナル溝
6に連通されている。
【0027】一方、遅角側油圧室27に潤滑油による油
圧を供給するために、カムシャフト1には第1のシャフ
ト油路28と平行に延びる第2のシャフト油路30が形
成されいてる。又、カムシャフト1の先端寄り位置に
は、その外周に沿って延びる1つの周溝31が形成され
ている。この周溝31の一部は第2のシャフト油路30
に連通されている。更に、プーリ本体11のボス14の
一部には、上記周溝31と遅角側油圧室27とを連通さ
せる油孔32が形成されている。又、第2のシャフト油
路30の基端側は他方のジャーナル溝7に連通されてい
る。
【0028】前記リングギア25のフランジ25bの外
周面と大径部12bの内周面との間には、シールリング
35が配設されている。このフランジ25bにより進角
側油圧室26と遅角側油圧室27とは別空間として区切
られている。そのため、各油圧室26,27に対する潤
滑油の出入りは、前述した各油路8,9,28,30等
によりなる独立した別々の回路を通じて行われるように
なっている。
【0029】尚、本実施例においては、エンジンGNの
駆動によりプーリ本体11、リングギア25及びカムシ
ャフト1が回転したとき、リングギア25の内外周に設
けられたヘリカルスプラインとなるの歯25c,25d
により、該リングギア25にはカムシャフト1の軸方向
に移動するスラスト力が発生する。このスラスト力によ
りリングギア25は進角側油圧室26側に移動できるよ
うになっている。
【0030】次に、前述したOCV44について説明す
る。OCV44は第1のヘッド油路8及び第2のヘッド
油路9へ供給する潤滑油の供給量を調節し、リングギア
25を移動させたり任意の位置に停止させたるするため
のものである。OCV44はスリーブ51とスプール5
2とソレノイド53とを備えている。スリーブ51は供
給ポート54、第1の吐出ポート55、第2の吐出ポー
ト56並びに共通ドレインポート57を有している。供
給ポート54はオイルポンプ41に接続されている。
又、第1の吐出ポート55は第1のヘッド油路8に接続
され、第2の吐出ポート56は第2のヘッド油路9に接
続されている。更に、共通ドレインポート57はドレイ
ン47に接続されている。又、スプール52の左側には
スプリング62が配設され、このスプリング62の付勢
力によりスプール52は常に右側に移動できるように付
勢されている。
【0031】前記スプール52はスリーブ51内におい
て前後方向へ摺動可能に配設されている。スプール52
の外周には2つの環状の凹部59,60が所定間隔をも
って形成されている。
【0032】OCV44の右側にはソレノイド53が設
けられており、このソレノイド53に前記スプール52
が連結されている。このソレノイド53の励磁は、後述
するタイミング制御手段、潤滑油圧制御手段及び偏差判
定手段としての電子制御装置(Electronic Control Uni
t :以下、単に、ECUという)71からの励磁電流に
よって励磁制御されるようになっている。スプール52
はECU71からの励磁電流の大きさに基づいて往復動
するようになっている。
【0033】前記ECU71の入力側にはエンジンGN
の回転数を検出する運転状態検出手段としての回転数セ
ンサ81、カム角を検出するための運転状態検出手段、
特定運転状態検出手段及び実バルブタイミング検出手段
としてのカム角センサ82、クランク角を検出するため
の運転状態検出手段、特定運転状態検出手段及び実バル
ブタイミング検出手段としてのクランク角センサ83、
スロットル弁の開度を検出する運転状態検出手段として
のスロットルセンサ84、冷却水温を検出する運転状態
検出手段としての水温センサ85、吸入空気量を検出す
る運転状態検出手段としてのエアフロメータ86、図示
しないオートマチックシフトレバーがパーキング又はニ
ュートラル位置に配置されていることを検出する運転状
態検出手段としてのレバーポジションセンサ87等が接
続されている。これら各センサ81〜87からの検出信
号に基づいてECU71はエンジンGNの運転状態を判
断するようになっている。
【0034】又、ECU71の出力側には前記OCV4
4のソレノイド53が接続されている。そして、ECU
71は前記各種センサ81〜87からの検出信号に基づ
いてそのときどきのエンジンGNの運転状態を割り出す
ようになっている。そして、そのときのエンジンGNの
運転状態に適したバルブの開閉タイミングとするための
デューティ信号を算出するようになっている。ECU7
1は算出されたデューティ信号に基づいた励磁電流を前
記ソレノイド53に供給し、該ソレノイド53を励磁す
る。そのため、励磁電流の大きさに基づいてスプール5
2が往復動し、その移動量に基づいて第1のヘッド油路
8と供給ポート54及び共通ドレインポート57との接
続量が調整されるようになっている。同じく、スプール
52の移動量に基づいて第2のヘッド油路9と供給ポー
ト54及び共通ドレイン57との接続量が調整されるよ
うになっている。
【0035】例えば、ソレノイド53が消磁(デューテ
ィ比=0%)された場合、スプリング62の付勢力によ
りスプール52が左側に移動し、図1に示す位置に停止
するようになっている。すると、第1の吐出ポート55
は共通ドレインポート57と接続されるため、第1のヘ
ッド油路8はドレイン47と接続される。この第1のヘ
ッド油路8とドレイン47との接続量は最大(100
%)となっている。一方、第2の吐出ポート56は供給
ポート54と接続されるため、第2のヘッド油路9はオ
イルポンプ41と接続される。この第2のヘッド油路9
とオイルポンプ41との接続量は最大(100%)とな
っている。
【0036】従って、供給ポート54からの潤滑油は第
2のヘッド油路9及び第2のシャフト油路30を介して
遅角側油圧室27に供給される。又、進角側油圧室26
内の潤滑油は第1のシャフト油路28、第1のヘッド油
路8、第1の吐出ポート55及び共通ドレインポート5
7を介してドレイン47に排出される。従って、遅角側
油圧室27内に供給される潤滑油の油圧によりリングギ
ア25は進角側油圧室26側に移動する。そして、リン
グギア25がカバー12の底部と当接した場合、リング
ギア2が進角側油圧室26の終端(最遅角側)に配置さ
れた状態となる。このリングギア25の配置によりプー
リ本体11とカムシャフト1との相対角度(相対位置)
が最遅角側に設定される。
【0037】又、ソレノイド53が最大励磁電流(デュ
ーティ比=100%)にて励磁された場合、スプリング
62の付勢力に抗してスプール52が右側に移動し、図
2に示す位置に停止するようになっている。すると、第
1の吐出ポート55は供給ポート54に接続されるた
め、第1のヘッド油路8はオイルポンプ41と接続され
る。この第1のヘッド油路8とオイルポンプ41との接
続量は最大(100%)となっている。一方、第2の吐
出ポート56は共通ドレインポート47と接続されるた
め、この第2のヘッド油路9はドレイン47と接続され
る。この第2のヘッド油路9とドレイン47との接続量
は最大(100%)となっている。
【0038】従って、供給ポート54からの潤滑油は第
1のヘッド油路8及び第1のシャフト油路28を介して
進角側油圧室26に供給される。又、遅角側油圧室27
内の潤滑油は第2のシャフト油路30、第2のヘッド油
路9、第2の吐出ポート56及び共通ドレインポート5
7を介してドレイン47に排出される。従って、進角側
油圧室26内に供給される潤滑油の油圧によりリングギ
ア25は遅角側油圧室27側に移動する。そして、リン
グギア25がプーリ本体11と当接した場合、リングギ
ア25が遅角側油圧室27の終端(最進角側)に配置さ
れた状態となる。このリングギア25の配置によりプー
リ本体11とカムシャフト1との相対角度(相対位置)
が最進角側に設定される。
【0039】更に、本実施例においては、デューティ比
=約28%〜70%に対応した励磁電流にてソレノイド
53を励磁すると、その励磁電流の大きさに比例してス
プール52が移動する。このとき、図3に示すように、
スプール52の移動量により接続量の大小があるもの
の、供給ポート54は第1及び第2の吐出ポート55,
56に接続されるようになっている。同じく、スプール
52の移動量により接続量の大小があるものの、共通ド
レインポート57は第1及び第2の吐出ポート55,5
6に接続されるようになっている。
【0040】このとき、供給ポート54から供給される
潤滑油が共通ドレイン57へ排出されるが、第1及び第
2のヘッド油路8,9にも潤滑油を供給することができ
るようになっている。従って、進角側油圧室26及び遅
角側油圧室27には潤滑油が供給され、その潤滑油によ
り進角側油圧室26及び遅角側油圧室27内に同時に油
圧を発生させることができるようになっている。
【0041】尚、デューティ比=28%以下とした場
合、前述したように、スプール52は図1に示す位置に
停止し、デューティ比=70%以上とした場合、前述し
たように、スプール52は図2に示す位置に停止するよ
うになっている。
【0042】図4(a)は、デューティ比に基づいた励
磁電流により移動するスプール52の移動量を示したも
のである。スプール52の移動量の変化によって供給ポ
ート54と第1及び第2の吐出ポート55,56との接
続量が変化する。このスプール52の移動量の変化によ
り潤滑油が進角側油圧室26及び遅角側油圧室27に供
給されたとき、その油圧室26,27内の油圧の変化を
図4(b)に示す。
【0043】又、進角側油圧室26及び遅角側油圧室2
7内の油圧の変化により、そのときのリングギア25が
進角側又は遅角側のどちらに移動するかを示す特性を図
4(c)に示す。デューティ比=55%以下とした場
合、リングギア25は遅角側(進角側油圧室26側)に
移動する。これは、進角側及び遅角側油圧室26,27
内にそれぞれ油圧が加えられているが、遅角側油圧室2
7内の油圧の方が進角側油圧室26内の油圧の方が高い
のと、リングギア25のスラスト力によるものである。
ここで、デューティ比=48%〜55%の間において、
遅角側油圧室27の油圧より進角側油圧室26の油圧の
方が大きいのにも拘わらずリングギア25が遅角側に移
動してしまうのは、リングギア25に発生するスラスト
力が両側の油圧室26,27の油圧の差圧より大きいた
めである。
【0044】又、デューティ比=60%以上とした場
合、リングギア25は進角側(遅角側油圧室27側)に
移動する。これは、進角側及び遅角側油圧室26,27
内に油圧がそれぞれ加えられているが、進角側油圧室2
7内の油圧の方が遅角側油圧26内の油圧の方が高いた
めである。
【0045】更に、デューティ比=55%〜60%とし
た場合、リングギア25は進角側又は遅角側の何方へも
移動せず、その位置で停止する。このとき、遅角側油圧
室27の油圧よりも進角側油圧室26の油圧の方が大き
い。この差分の油圧がリングギア25のスラスト力を釣
り合い、リングギア25を停止させるようにしているた
めである。
【0046】次に、上記のように構成されたバルブタイ
ミング制御装置の作用を図5に示すフローチャートに基
づいて説明する。まず、ステップ101においてECU
71はアクセルペダル等に設けられたアイドルスイッチ
がオンか否かを判断する。次に、アイドルスイッチがオ
ンであった場合には、ステップ102で、エンジンGN
の回転数が、アイドル回転数α以下(例えば、1000
rpm)であるか否かを判断する。ステップ101で、
アイドルスイッチがオンであり、かつ、ステップ102
で、エンジン回転数が所定回転数以下であった場合に
は、ECU71は、エンジンがアイドル状態であると判
断し、ステップ108に進む。又、ステップ101で、
アイドルスイッチがオフであるか、又は、ステップ10
2で、エンジン回転数がアイドル回転数α以上である場
合には、ステップ103に進む。
【0047】ステップ103では、エンジンに連結され
る変速機がオートマチックシフトか、マニュアルシフト
かを判断する。次に、ステップ104で変速機がオート
マチックシフトの場合には、シフトレバーの位置がニュ
ートラル又はパーキングの位置にあるか否かを判断す
る。又、ステップ105では、ステップ103でエンジ
ンに連結される変速機がマニュアルシフトの場合に、ク
ラッチが接続されているか否かを判断する。更に、ステ
ップ106でマニュアルシフトのシフトレバーがニュー
トラルの位置にあるか否かを判断する。
【0048】ステップ104で、オートマチックシフト
レバーがニュートラルかパーキングの位置にあると判断
された場合、ステップ105で、マニュアルシフトでク
ラッチが非接続と判断された場合、ステップ106で、
マニュアルシフトのシフトレバーがニュートラルの位置
にあると判断された場合のいずれかの場合には、ステッ
プ108へ進む。又、ステップ104で、オートマチッ
クシフトレバーがニュートラルかパーキングの以外の位
置にあると判断された場合、ステップ106で、マニュ
アルシフトのシフトレバーがニュートラル以外の位置に
あると判断された場合のいずれかの場合には、ステップ
107へ進む。
【0049】ここまで説明したステップ101〜106
までの各ステップが請求項3,4に記載の特定運転検出
手段に該当する。つまり、本実施例では、アイドル回転
での運転や、ニュートラル時のような、極軽負荷、無負
荷の状態で、目標とするバルブタイミングが最遅角(リ
ングギア25に加わるスラスト力方向のリングギア行程
端)に設定されているため、上記の方法となっている。
【0050】ステップ108では、エンジン運転状態が
軽負荷であると判断されているため、軽負荷に適したバ
ルブタイミングである吸気バルブタイミングの遅角制御
が行われる。つまり、ECU71はOCV44のソレノ
イド53への駆動電流を0(デューティ比0%)とす
る。次に、ステップ109でECU71は、各センサ8
1〜87からの検出信号に基づいてエンジン運転状態に
応じた目標バルブタイミングを求める。そして、ECU
71はクランク角センサ83及びカム角センサ82から
の検出信号に基づいて実際のバルブタイミングを求め
る。ECU71は目標バルブタイミングと実際のバルブ
タイミングとに基づいて偏差を求め、その偏差が所定値
以下か否かを判断する。
【0051】そこで、目標バルブタイミングと実際のバ
ルブタイミングとの偏差が所定値以下であれば、目標バ
ルブタイミング近傍まで、リングギア25が移動したと
判断し、ステップ110に進む。又、目標バルブタイミ
ングと実際のバルブタイミングとの偏差が所定値以上で
あれば、再びステップ108に戻る。ここで説明したス
テップ109が、請求項4記載の偏差判定手段に該当す
る。
【0052】ステップ110では、目標バルブタイミン
グ近傍まで、リングギア25が移動したと判断された後
に、リングギア25の両側の油圧室26,27に加わる
油圧の差圧が、スラスト力に抗する方向でリングギアに
生じるスラスト力以下の大きさとなるように、油圧が制
御されるよう、ECU71は潤滑油圧調圧手段であるO
CV44に所定の駆動電流(例えば、デューティ比60
%)を与える。このため、OCV44のスプール52
は、図3に示すような中間位置に停止する。
【0053】ここで説明したステップ110が、請求項
1乃至4のいずれかに記載の潤滑油圧制御手段に該当す
る。ステップ107では、エンジン運転状態が軽負荷以
外の運転領域であると判断されているため、通常のバル
ブタイミング制御を行うため、OCV44を駆動制御す
る。つまり、現在の運転状況に応じた目標バルブタイミ
ングを演算し、現在のバルブタイミングとの偏差を求
め、その差分に応じたOCV駆動電流を求め、ソレノイ
ド53に供給する。そのソレノイド53は、駆動電流に
応じたストロークに位置し、両側の油圧室26,27へ
のそれぞれの油圧を供給する。更に、カム角センサ82
により、フィードバック制御を行い、目標バルブタイミ
ングになるように制御する。
【0054】すると、第1の吐出ポート55は供給ポー
ト54及び共通ドレインポート57に接続され、第2の
吐出ポート56は供給ポート54及び共通ドレインポー
ト57に接続される。このとき、供給ポート54から供
給される潤滑油は第2の吐出ポート56より第1の吐出
ポート55への方が多い。又、共通ドレインポート57
に排出される潤滑油は第1の吐出ポート55より第2の
吐出ポート56からの方が多い。
【0055】従って、供給ポート54からそれぞれ第1
及び第2のヘッド油路8,9に潤滑油が供給される。
又、第1のヘッド油路8から進角側油圧室26に供給さ
れる潤滑油の供給量の方が、第2のヘッド油路9から遅
角側油圧室27に供給される潤滑油の供給量よりも多
い。そのため、進角側油圧室26内の油圧は遅角側油圧
室27の油圧より高い。又、その油圧の差分をリングギ
ア25のスラスト力と等しくしているため、リングギア
25はその位置に停止する。
【0056】従来では、図4(d)に示すように、リン
グギア25を最遅角側に位置させるときは、OCV44
のソレノイド35を消磁し、第1のヘッド油路8とドレ
イン47との接続量を最大とし、第2のヘッド油路9と
供給ポート54との接続量を最大とする。そのため、進
角側油圧室26内の潤滑油は全て抜け落ちてしまい、進
角側油圧室26内に空気が侵入してしまう。
【0057】しかし、本発明では、進角側油圧室26に
も潤滑油を供給し、該進角側油圧室26内に供給される
潤滑油により油圧を発生させることができる。そのた
め、進角側油圧室26内に空気を侵入させないようにす
ることができる。従って、アイドリング状態からエンジ
ンGNの運転状態が変化し、進角側油圧室26内に潤滑
油が供給されたとき、該進角側油圧室26内に空気が侵
入していしないのでリングギア25を進角側へ直ちに移
動させることができ、応答性を向上させることができ
る。この結果、プーリ本体11とカムシャフト1との相
対角度を変化させ、バルブの開閉タイミングをスムーズ
に変化させることができる。
【0058】又、デューティ比が60%となっているの
で、スプール52はデューティ60%に対応した分だけ
既に移動している。そのため、デューティ比を60%以
上とすれば直ちにリングギア25を進角させることがで
きる。この結果、リングギア25の応答性を向上させる
ことができる。
【0059】本実施例では、リングギア25が最遅角側
に配置された場合について説明した。この他に、リング
ギア25が最進角側(リングギア25がプーリ本体11
に当接する位置)に配置されたとき、デューティ比を5
5%(デューティ比を54%にするとすぐに遅角させる
ことができる)に対応した励磁電流によりソレノイド5
3を励磁すれば、リングギア25を最進角側に配置した
状態に保持することができ、かつ、遅角側への制御応答
性も向上させることができる。又、ステップ102にお
いて、ECU71はレバーポジションセンサ87からの
検出信号に基づいて図示しないオートマチックシフトレ
バーがパーキング又はニュートラル位置に配設されたと
判断すると、該ECU71はステップ104に移行し、
上記と同様の処理を行う。
【0060】更に、レバーポジションセンサ87からの
検出信号に基づいてオートマチックシフトレバーがドラ
イブレンジに切り換わらない限り、ECU71はエンジ
ンGNの運転状態が変化しても60%となるデューティ
比を変化させない。そのため、シフトレバーがパーキン
グ又はニュートラル位置に配置された状態で、エンジン
GNの回転数が変化してもリングギア25は最遅角側に
配置された状態となる。従って、プーリ本体11とカム
シャフト1との相対角度が変化しない。この結果、シフ
トレバーをドライブレンジに切り換えてもエンジンGN
の回転数が不安定になったり、エンジンGNが停止した
りすることを確実に防止することができる。
【0061】本実施例においては、60%となるデュー
ティ比に基づいた励磁電流によりOCV44のソレノイ
ド53を励磁するように構成した。このデューティ比に
限定されるものではなく、リングギア25が進角側又は
遅角側のどちらにも移動しない55%〜60%の間でデ
ューティ比を設定するようにしてもよい。
【0062】更に、28%〜54%となるデューティ比
に基づいた励磁電流によりOCV33のソレノイド53
を励磁するように構成してもよい。この場合、リングギ
ア25をその位置で停止せず、スラスト力やカムの駆動
反力によりリングギア25を進角側油圧室26の終端に
確実に配置させることができる。又、進角側油圧室26
にも潤滑油が供給されて油圧を発生させることができる
ので、進角側油圧室26内に空気が侵入しないようにす
ることができる。この結果、進角側へリングギア25を
移動させるときの応答性を向上させることができる。
【0063】前記進角側油圧室26及び遅角側油圧室2
7内にそれぞれ供給された潤滑油により油圧を発生させ
ることができ、かつ、リングギア25が進角側に移動し
ないデューティ比の設定であればよい。従って、エンジ
ンGNの構成によっては機構の特性が変化するため、図
4(a)〜(c)に示すような機構の特性を試験的に求
める。そして、進角側油圧室26及び遅角側油圧室27
内にそれぞれ供給された潤滑油により油圧を発生させる
ことができ、かつ、リングギア25が進角側に移動しな
いデューティ比をその特性から求めて設定すればよい。
【0064】更に、エンジンGNのアイドリング状態又
はオートマチックシフトレバーのパーキング、ニュート
ラル位置のいずれかが検出された場合、リングギア25
を最遅角となるように制御する。リングギア25が予め
定められた位置まで移動された後はデューティ比を54
%程度とする。そして、リングギア25のスラスト力や
カムの駆動反力により徐々に最遅角側へリングギア25
を移動させるように構成することも可能である。
【0065】本実施例においては、アイドリング状態又
はシフトレバーの位置のいずれかに基づいてリングギア
25を遅角側に移動させた後、デューティ比を固定し
た。この他に、アイドリング状態のみに基づいてリング
ギア25を遅角側に移動させた後、デューティ比を固定
したり、シフトレバーの位置にのみ基づいてリングギア
25を遅角側に移動させた後、デューティ比を固定した
りすることも可能である。
【0066】前述の実施例では、軽負荷状態判断手段と
して、アイドルスイッチや回転数等を用いたが、その他
にも、スロットル全閉スイッチ、燃料噴射量、吸入空気
量等を用いることも可能である。
【0067】更に、エンジンが軽負荷のときのリングギ
アの位置が、上述のような、リングギア25へのヘリカ
ルスプラインの回転により生じるスラスト力の方向の端
部に位置するように設定されたエンジンGNの場合に
は、軽負荷状態では、エンジン回転数が低い、つまり潤
滑油圧も低い運転状態が多いため、油圧室26,27内
の油圧がスラスト力に打ち勝つための油圧に上昇するま
での時間がさらにかかり、応答性はさらに悪化するとい
う問題があるが、上記実施例では、そのような問題も解
決される。
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の発
明によれば、潤滑油の供給が制御上不要な油圧室にも潤
滑油が供給されて空気の侵入が防止されるので、リング
ギアの応答性を向上させることができる。
【0069】請求項2記載の発明によれば、潤滑油の供
給が制御上不要な油圧室に供給される潤滑油の油圧によ
りリングギアが動作しないので、リングギアの移動によ
りプーリとカムシャフトとの相対位置を適切な位置にす
ることができる。
【0070】請求項3記載の発明によれば、エンジンの
特定運転状態においては、リングギアが徐々に目標バル
ブタイミングであるスラスト力の方向に移動するもの
の、両側の油圧の差圧が維持される。この結果、運転状
態が変化しても、すぐに、油圧室の油圧を上昇させるこ
とができるので、制御の応答性を向上させることができ
る。
【0071】請求項4記載の発明によれば、エンジンの
特定運転状態では、リングギアは、目標のバルブタイミ
ングとなる位置近傍まで移動した後、リングギア両側の
油圧の差圧により、徐々にスラスト力の方向に移動す
る。そのため、特定運転状態に応じたバルブタイミング
に移動した後に油圧が維持され、特定運転状態に応じた
バルブタイミングへの応答速度も向上させることがで
き、その後の運転状態の変化への応答速度も向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバルブタイミング制御装置を示
し、OCVの制御によりリングギアを最遅角側に配置し
た状態を示す概略構成図である。
【図2】OCVの制御によりリングギアを最進角側に配
置した状態を示す概略構成図である。
【図3】リングギアを最遅角側に配置した状態を保持す
るようにOCVを制御した状態を示す概略構成図であ
る。
【図4】(a)はデューティ比に対するスプール移動量
の特性図であり、(b)はデューティ比に対する進角側
及び遅角側油圧室の特性図であり、(c)はデューティ
比に対するリングギアの移動方向を示す特性図であり、
(d)は従来の最遅角制御及び本発明の最遅角制御を示
す説明図である。
【図5】リングギアを位置制御することを示すフローチ
ャート図である。
【符号の説明】
1…カムシャフト、10…プーリとしてのタイミングプ
ーリ、25…リングギア、26…進角側油圧室、27…
遅角側油圧室、41…油圧発生手段を構成するオイルポ
ンプ、44…潤滑油圧調圧手段としてのOCV、71…
タイミング制御手段、潤滑油圧制御手段及び偏差判定手
段としてのECU、81…運転状態検出手段としての回
転数センサ、82…運転状態検出手段及び実バルブタイ
ミング検出手段としてのカム角センサ、83…運転状態
検出手段及び実バルブタイミング検出手段としてのクラ
ンク角センサ、84…運転状態検出手段としてのスロッ
トルセンサ、85…運転状態検出手段としての水温セン
サ、86…運転状態検出手段としてのエアフロメータ、
87…運転状態検出手段及びレバー位置検出手段として
のレバーポジションセンサ、GN…エンジン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外周面にスプラインを形成し、その少
    なくとも一方がヘリカルスプラインであるリングギアを
    プーリとカムシャフトとの間に配設し、前記リングギア
    によりプーリとカムシャフトとを連結するとともに、前
    記リングギアによりプーリ内に進角側及び遅角側油圧室
    を形成し、エンジンの運転状態に応じて油圧発生手段か
    らの潤滑油の油圧を調圧して進角側及び遅角側油圧室へ
    供給すする潤滑油圧調圧手段を有し、エンジンの運転状
    態を検出する運転状態検出手段からの検出信号に基づい
    てタイミング制御手段が潤滑油圧調圧手段を制御して潤
    滑油を進角側又は遅角側油圧室に供給し、その供給され
    た潤滑油の油圧によりリングギアをカムシャフトの軸方
    向に移動させ、プーリとカムシャフトとの相対位置を変
    化させてバルブの開閉時期を制御するバルブタイミング
    制御装置において、 前記エンジンの運転状態によりタイミング制御手段の制
    御にて潤滑油圧調圧手段からの潤滑油を進角側又は遅角
    側油圧室へ供給し、リングギアが進角側又は遅角側油圧
    室の終端に配置されたとき、潤滑油の供給が制御上不必
    要な進角側又は遅角室油圧側へ潤滑油を供給してその油
    圧室内に空気が侵入しないようにする潤滑油圧制御手段
    とを備えたことを特徴とするバルブタイミング制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のバルブタイミング制御装
    置において、タイミング制御手段によりリングギアが終
    端に配置されたとき、潤滑油圧制御手段からリングギア
    の位置する終端側の油圧室に供給される潤滑油の油圧は
    リングギアをカムシャフトの軸方向へ移動させない程度
    の油圧であることを特徴とするバルブタイミング制御装
    置。
  3. 【請求項3】 内外周面にスプラインを形成し、その少
    なくとも一方がヘリカルスプラインであるリングギアを
    プーリとカムシャフトとの間に配設し、前記リングギア
    によりプーリとカムシャフトとを連結するとともに、前
    記リングギアによりプーリ内に進角側及び遅角側油圧室
    を形成し、エンジンの運転状態に応じて油圧発生手段か
    らの潤滑油の油圧を調圧して進角側及び遅角側油圧室へ
    供給すする潤滑油圧調圧手段を有し、エンジンの運転状
    態を検出する運転状態検出手段からの検出信号に基づい
    てタイミング制御手段が潤滑油圧調圧手段を制御して潤
    滑油を進角側又は遅角側油圧室に供給し、その供給され
    た潤滑油の油圧によりリングギアをカムシャフトの軸方
    向に移動させ、プーリとカムシャフトとの相対位置を変
    化させてバルブの開閉時期を制御するバルブタイミング
    制御装置において、 前記運転状態検出手段からの検出信号に基づいて、その
    運転状態に応じた目標バルブタイミングとするためのリ
    ングギアの位置が、リングギアのヘリカルスプラインの
    回転により発生するスラスト力の方向のリングギア行程
    端である特定運転状態を検出する特定運転状態検出手段
    と、 前記特定運転状態検出手段からの信号に基づいて、前記
    両油圧室の差圧が前記スラスト力に抗する方向で、前記
    スラスト力以下となるようにそれぞれの油圧室に潤滑油
    を供給するように前記潤滑油圧調圧手段を制御する潤滑
    油圧制御手段とを備えたことを特徴とするバルブタイミ
    ング制御装置。
  4. 【請求項4】 内外周面にスプラインを形成し、その少
    なくとも一方がヘリカルスプラインであるリングギアを
    プーリとカムシャフトとの間に配設し、前記リングギア
    によりプーリとカムシャフトとを連結するとともに、前
    記リングギアによりプーリ内に進角側及び遅角側油圧室
    を形成し、エンジンの運転状態に応じた目標バルブタイ
    ミングとなるように前記リングギアの位置を変化させる
    べく油圧発生手段からの潤滑油の油圧を調圧して進角側
    及び遅角側油圧室へ供給する潤滑油圧調圧手段を有し、
    前記リングギアの位置によりプーリとカムシャフトの相
    対回転位置を変化させてバルブの開閉時期を制御するバ
    ルブタイミング制御装置において、 前記運転状態検出手段からの検出信号に基づいて、その
    運転状態に応じた目標バルブタイミングとするためのリ
    ングギアの位置が、リングギアのヘリカルスプラインの
    回転により発生するスラスト力の方向のリングギア行程
    端である特定運転状態を検出する特定運転状態検出手段
    と、 実際のバルブタイミングを検出する実バルブタイミング
    検出手段と、 エンジンの運転状態に応じた目標バルブタイミングと、
    前記実バルブタイミング検出手段により求められる実際
    のバルブタイミングとの偏差が所定値以上か否かを判定
    する偏差判定手段と、 前記特定運転状態検出手段により、エンジンが特定運転
    状態であることが判断されるとともに、前記偏差判定手
    段により、目標バルブタイミングと実バルブタイミング
    との偏差が所定値以下であることが判断された時に、前
    記両油圧室の差圧が、前記スラスト力に抗する方向で、
    前記スラスト力以下となるようにそれぞれの油圧室に潤
    滑油を供給するように前記潤滑油圧調圧手段を制御する
    潤滑油圧制御手段とを備えたことを特徴とするバルブタ
    イミング制御装置。
JP1469994A 1994-02-08 1994-02-08 バルブタイミング制御装置 Expired - Fee Related JP3086118B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1469994A JP3086118B2 (ja) 1994-02-08 1994-02-08 バルブタイミング制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1469994A JP3086118B2 (ja) 1994-02-08 1994-02-08 バルブタイミング制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07224616A true JPH07224616A (ja) 1995-08-22
JP3086118B2 JP3086118B2 (ja) 2000-09-11

Family

ID=11868439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1469994A Expired - Fee Related JP3086118B2 (ja) 1994-02-08 1994-02-08 バルブタイミング制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3086118B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6935290B2 (en) 2003-08-04 2005-08-30 Borgwarner Inc. Avoid drawing air into VCT chamber by exhausting oil into an oil ring

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6935290B2 (en) 2003-08-04 2005-08-30 Borgwarner Inc. Avoid drawing air into VCT chamber by exhausting oil into an oil ring

Also Published As

Publication number Publication date
JP3086118B2 (ja) 2000-09-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6739298B2 (en) Valve timing adjusting apparatus
US7444971B2 (en) Valve timing control apparatus of internal combustion engine
US6477996B2 (en) Variable valve timing system
JP3945117B2 (ja) 内燃機関のバルブ特性制御装置
US7089898B2 (en) Valve timing control device of internal combustion engine
JP3039331B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
US20090178635A1 (en) Valve timing adjuster
JP2011132815A (ja) 制御弁装置
JP2007332780A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
USRE41714E1 (en) Valve characteristic changing apparatus for internal combustion engine
JP2982604B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2002070596A (ja) 内燃機関の吸気弁駆動制御装置
JPH10331618A (ja) 内燃機関の吸排気バルブ制御システム
JP2001164989A (ja) 内燃機関の動弁制御装置
JPH0828219A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2000087769A (ja) 内燃機関のバルブ特性制御装置
US6105551A (en) Revolution speed control apparatus for an internal combustion engine
US6131541A (en) Variable valve performance mechanism in internal combustion engine
JP3134763B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
US9157342B2 (en) Valve timing control apparatus for internal combustion engine
JP3086118B2 (ja) バルブタイミング制御装置
JPH07109907A (ja) バルブタイミング制御装置
JP4123589B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置及びv型内燃機関
JP3714131B2 (ja) バルブタイミング制御装置
EP2977594A1 (en) Control device for internal combustion engine

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080707

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees