JPH0722209A - 積層型バリスタ - Google Patents

積層型バリスタ

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Publication number
JPH0722209A
JPH0722209A JP5164854A JP16485493A JPH0722209A JP H0722209 A JPH0722209 A JP H0722209A JP 5164854 A JP5164854 A JP 5164854A JP 16485493 A JP16485493 A JP 16485493A JP H0722209 A JPH0722209 A JP H0722209A
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JP
Japan
Prior art keywords
ceramic layer
varistor
sintered body
internal electrodes
laminated
Prior art date
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Pending
Application number
JP5164854A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiyoshi Nakayama
晃慶 中山
Kazuyoshi Nakamura
和敬 中村
Kunisaburo Tomono
国三郎 伴野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 静電気放電による破壊耐量の向上を図りなが
ら、エネルギー障壁を確実に形成して安定した電圧非直
線特性が得られる積層型バリスタを提供する。 【構成】 半導体セラミックからなる焼結体1内に少な
くとも一対の内部電極3を、電圧非直線特性を発現する
セラミック層2を挟んで重なり合うように埋設するとと
もに、上記内部電極3間のセラミック層2に、該両内部
電極3に接触する結晶粒子7を少なくとも1つ以上存在
させて積層型バリスタ1を構成する場合に、上記焼結体
4に含まれるBiの含有量をBi2 3 に換算して0.
5wt%以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電圧非直線抵抗体とし
て機能する積層型バリスタに関し、詳細には静電気放電
による破壊耐量の向上を図りながら、エネルギー障壁を
確実に形成して安定した電圧非直線特性が得られるよう
にした構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、産業用機器,家電製品,及び通信
機器等のあらゆる装置にマイクロコンピュータが搭載さ
れるようになっている。このマイクロコンピュータが搭
載された機器では、半導体素子によるデジタル制御処理
が行われることから、静電気放電等の電磁障害に伴う半
導体素子の破壊や誤動作が生じるおそれがある。
【0003】このようなEMIノイズの問題を解消する
には、機器からノイズを出さず,かつ機器に侵入させな
いことが必要である。このEMIノイズの出入は電源部
分や信号配線部分の電線を経由する場合が多いことか
ら、電源部,信号配線部の入出力部近傍にノイズフィル
タを接続してノイズを吸収するようにしている。このよ
うなノイズフィルタとして、従来、コンデンサ素子,コ
ンデンサとインダクタとの複合素子,インダクタ素子,
あるいはバリスタ素子が用いられている。
【0004】上記バリスタ素子はディスクタイプのもの
が主流であったが、このディスクタイプでは、近年にお
ける電子機器の小型化,電子部品の集積化に伴う実装密
度の向上を図るための超小型化,及び低電圧化の要求に
は対応できない。このような要求に対応できるものとし
て、従来、ディスクタイプに代わる積層型バリスタが提
案されている(例えば、特公昭58−23921号公報
参照)。この積層型バリスタによれば、半導体結晶粒子
を巨大に成長させることなく内部電極間の粒界数を減少
させることが可能であることから、動作電圧の低電圧化
が実現でき、かつ小型化にも対応できる。
【0005】ところで上記積層型バリスタの電圧非直線
特性は、内部電極と半導体結晶粒子との接合界面,及び
結晶粒子同士の接合界面(結晶粒界)で形成されるエネ
ルギー障壁によって発現する。この場合、静電気放電の
ような高速,かつ高電圧のパルスに対するイミュニティ
は、上記電極と結晶粒子との界面の方が圧倒的に大き
く、粒子同士の界面は容易に破壊に至ることが実験で明
らかとなっている。ところが、現在市販されている積層
型バリスタは、結晶粒子同士の接合界面を多く含んでい
るため、静電気放電に対する破壊耐圧が低いという欠点
がある。
【0006】本件発明者らは、上記欠点を解消するため
に、内部電極間のセラミック層に、該両内部電極に接触
する結晶粒子を存在させてなる積層型バリスタを提案し
た。即ち、内部電極間のセラミック層に、両方の内部電
極に接触する結晶粒子を存在させることによって、電圧
非直線特性を発現する内部電極と結晶粒子との接合界面
を増やすことができ、それだけ静電気放電に対する破壊
耐圧を向上できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記積層型バリ
スタでは、破壊耐圧の向上は図れるものの、焼成時にお
けるエネルギー障壁が十分に形成されず、その結果安定
した電圧非直線特性が得られないという点がある。
【0008】本発明の目的は、静電気放電に対する破壊
耐圧の向上を図りながら、エネルギー障壁を確実に形成
して安定した電圧非直線特性が得られる積層型バリスタ
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】ここで、上記焼成時にお
けるエネルギー障壁の形成が不充分になっている原因に
ついて検討したところ、以下の点が判明した。即ち、内
部電極と結晶粒子との接合界面で形成されるエネルギー
障壁の高さは、上記電極と結晶粒子の仕事関数の差によ
ってのみ決定されるもではなく、結晶粒子同士の接合界
面に存在する不純物準位が、上記電極と結晶粒子との結
合界面にも存在することによって大きく影響を与えてい
る。
【0010】本件発明者らは、このような不純物準位を
電極界面に存在させることによってエネルギー障壁の形
成を向上できるという観点から、さらに検討を行ったと
ころ、上記不純物準位は焼成時における酸素イオンの吸
着等により形成されており、この現象は焼結体中のBi
の存在が関与している。ところが従来では、この焼成中
に多量のBiが飛散しており、このため電極界面に残留
するBi量が減少している。その結果、焼結体の絶縁抵
抗が急激に低下し、これが原因となってエネルギー障壁
の形成を阻害していることが判明した。従って、上記焼
結体の絶縁抵抗を高めるには電極界面にある程度のBi
量を残留させることが必要であり、このBi量の最下限
量を見出すことによって、エネルギー障壁を確実に形成
できることに想到し、本発明を成したものである。
【0011】そこで本発明は、セラミック焼結体内に少
なくとも一対の内部電極を、電圧非直線特性を発現する
セラミック層を挟んで重なり合うように埋設し、上記内
部電極間のセラミック層に、該両内部電極に接触する結
晶粒子を少なくとも1つ以上存在させてなる積層型バリ
スタにおいて、上記焼結体に含まれるBiの含有量をB
2 3 に換算して0.5wt%以上としたことを特徴と
している。
【0012】ここで、上記焼結体に残留するBi2 3
量を0.5wt%以上にするには、セラミック層の厚さ,
焼成温度等を適宜設定することにより実現でき、具体的
にはセラミック層の厚さを薄く、焼成温度を低く設定す
るほど残留Bi2 3 量を増大できる。例えば、厚さ2
0μm のセラミック層で1000〜1150℃の温度に
設定することによりBi2 3 量を3.5〜0.5wt%
にできる。
【0013】
【作用】本発明に係る積層型バリスタによれば、焼結体
に含まれるBi2 3 量を0.5wt%以上としたので、
上述のメカニズムで説明したように、このBiの存在に
より内部電極と結晶粒子との接合界面に不純物準位を形
成することができ、上記焼結体の絶縁抵抗を高めること
ができる。これにより焼成時におけるエネルギー障壁を
十分に形成することができ、安定した電圧非直線特性が
得られる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図について説明す
る。図1及び図2は本発明の一実施例による積層型バリ
スタを説明するための図である。図において、1は本実
施例の積層型バリスタである。このバリスタ1は直方体
状のもので、ZnOを主成分とする半導体セラミック層
2と、Ptからなる内部電極3を交互に積層するととも
に、これの上部,下部にダミーとしてのセラミック層6
を重ねて積層し、この積層体を一体焼結して焼結体4を
形成して構成されている。
【0015】上記各内部電極3の一端面3aは焼結体4
の左, 右端面4a,4bに交互に露出されており、残り
の端面はセラミック層2の内側に位置して焼結体4内に
埋設されている。また上記焼結体4の左, 右端面4a,
4bには、Agからなる外部電極5が形成されており、
該外部電極5は上記各内部電極3の一端面3aに電気的
に接続されている。
【0016】また、上記焼結体4の各内部電極3間に挟
まれたセラミック層2は、電圧非直線特性を発現する部
分となっている。このセラミック層2は厚さ20μm 以
下で、かつ平均粒径10μm 程度の結晶粒子により構成
されている。さらにこのセラミック層2の中には互いに
対向する内部電極3の両方に接触する多数の結晶粒子7
が存在している。
【0017】そして、上記焼結体4に含まれるBiの含
有量はBi2 3 に換算して0.5wt%以上となってい
る。これにより内部電極3と結晶粒子7との接合界面に
は所定量の不純物準位が形成されている。
【0018】本実施例の積層型バリスタ1によれば、焼
結体4に含有するBi2 3 量を0.5wt%以上とした
ので、内部電極3と結晶粒子7との接合界面に焼結体4
の絶縁抵抗を高めるために必要な不純物準位を形成する
ことができる。その結果、焼成時におけるエネルギー障
壁を十分に形成することができ、安定した電圧非直線特
性が得られる。
【0019】また、本実施例では、対向する内部電極3
間にこの両方に接触する結晶粒子7を存在させたので、
結晶粒子7同士の接合界面を少なくして内部電極3と結
晶粒子7との接合界面を増やすことができ、それだけ静
電気放電のような高速,高圧パルスに対する破壊耐圧を
向上でき、ノイズ対策部品としての信頼性を向上でき
る。
【0020】次に、本実施例の積層型バリスタ1を製造
し、これの効果を確認するために行った特性試験につい
て説明する。まず、上記積層型バリスタ1の製造方法に
ついて説明する。
【0021】ZnO(96.5モル%),Bi2
3 (1.0モル%),Co2 3 (1.0モル%),M
nO(1.0モル%),Sb2 3 (0.5モル%)を
それぞれ上記モル比で混合してなるセラミック材料に、
2 3 ,SiO2 ,及びZnOからなるガラス粉末を
1.0重量%加えて原料粉を作成する。
【0022】次いで、上記原料粉にブチラール系有機バ
インダーを混合してスラリーを形成し、このスラリーを
ドクターブレード法により、厚さ20μm と50μm の
グリーンシートをそれぞれ形成し、各グリーンシートを
所定の大きさの矩形状に切り出して多数のセラミック層
2,6を形成する。
【0023】次に、Ptにビヒクルを混合して電極ペー
ストを作成し、該ペーストを各セラミック層2の上面に
スクリーン印刷して内部電極3を形成する。そして、図
2に示すように、セラミック層2と内部電極3とが交互
に重なり、かつ各内部電極3の一端面3aが交互に位置
するように重ね、これの上面,下面にダミー用セラミッ
ク層6を重ねて積層する。この積層方向に2トン/cm2
圧力を加えて圧着して積層体を形成する。ここで本実施
例では、厚さ20μm のセラミック層2と、厚さ50μ
m のセラミック層2とをそれぞれ採用し、ダミー用セラ
ミック層6については50μm のものを採用して2種類
の積層体を作成した。
【0024】次に、上記厚さ20μm のセラミック層2
を用いた積層体は、空気中にて1100℃で3時間焼成
し、また厚さ50μm のセラミック層を用いた積層体
は、空気中にて1250℃で3時間焼成してそれぞれ焼
結体4を得た。このようにして得られた各焼結体4の
左, 右端面4a,4bにAgペーストを塗布した後、6
00℃の温度で10分間焼き付けて外部電極5を形成す
る。これにより本実施例の積層型バリスタ1が製造され
る。
【0025】
【表1】
【0026】表1は、上記方法により製造された各積層
型バリスタについて、バリスタ電圧V1mA ,電圧非直線
係数a,及び絶縁抵抗値In(バリスタ電圧の50%の
電圧を印加したときの抵抗値)を測定した結果を示す。
また、上記各積層型バリスタを研磨し、これにサーマル
エッチングして結晶粒子を観察した。その結果、結晶粒
子の平均粒径は、厚さ20μm のセラミック層を用いた
試料は10.3μm で、50μm のセラミック層を用い
た試料は28.4μm であった。また、この両試料につ
いて、内部電極の両方に接触する結晶粒子を調べたとこ
ろ、両試料とも存在することが確認できた。
【0027】表1において、厚さ50μm ,焼成温度1
250℃とした試料No. 2の場合、絶縁抵抗値logIR は
1.9と低く、ほとんど短絡状態となっており、焼成時
にほとんどのBiが飛散している。一方、厚さ20μm
,焼成温度1100℃とした試料No. 1の場合、絶縁
抵抗値logIR は7.6と高く、かつバリスタ電圧は4.
3V,電圧非直線係数は42と満足できる値が得られて
いる。
【0028】
【表2】
【0029】表2は、焼成温度と、焼成時に飛散するB
2 3 量との関係を調べるとともに、これによる絶縁
抵抗値の変化を調べた結果を示す。なお、各試料とも内
部電極の両方に接触する結晶粒子の数は同じとした。
【0030】表2に示すように、焼成温度が1200℃
を越えるとBi2 3 のほとんどが飛散して残留量が
0.36wt%以下となっており、これにより絶縁抵抗値
logIRも2.9と急激に低下している。これに対して、
焼成温度を1000℃〜1175℃の範囲とした場合
は、この温度が低いほど残留Bi2 3 量は0.51〜
3.52wt%と大きくなっており、絶縁抵抗値logIR も
6.7〜7.9と高くなっている。このことから焼成後
の焼結体に残留するBi2 3 量を0.5wt%以下にす
るには、セラミック層の厚さに応じて焼成温度を選定す
ることにより実現できることがわかる。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明に係る積層型バリス
タによれば、焼結体に含まれるBi量をBi2 3 に換
算して0.5wt%以上としたので、静電気放電による破
壊耐量の向上を図りながら焼結体の絶縁抵抗を高くする
ことができ、その結果エネルギー障壁を確実に形成で
き、安定した電圧非直線特性が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による積層型バリスタを説明
するための断面図である。
【図2】上記実施例の積層体の製造方法を示す分解斜視
図である。
【符号の説明】
1 積層型バリスタ 2 セラミック層 3 内部電極 4 焼結体 7 結晶粒子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体セラミックからなる焼結体内に少
    なくとも一対の内部電極を、電圧非直線特性を発現する
    セラミック層を挟んで重なり合うように埋設し、上記内
    部電極間のセラミック層に、この両方の内部電極に接触
    する結晶粒子を少なくとも1つ以上存在させてなる積層
    型バリスタにおいて、上記焼結体に含まれるBiの含有
    量をBi2 3 に換算して0.5wt%以上としたことを
    特徴とする積層型バリスタ。
JP5164854A 1993-07-02 1993-07-02 積層型バリスタ Pending JPH0722209A (ja)

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JP5164854A JPH0722209A (ja) 1993-07-02 1993-07-02 積層型バリスタ

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JP5164854A JPH0722209A (ja) 1993-07-02 1993-07-02 積層型バリスタ

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Effective date: 20020702