JPH07221088A - 熱処理装置及び熱処理方法 - Google Patents

熱処理装置及び熱処理方法

Info

Publication number
JPH07221088A
JPH07221088A JP2608494A JP2608494A JPH07221088A JP H07221088 A JPH07221088 A JP H07221088A JP 2608494 A JP2608494 A JP 2608494A JP 2608494 A JP2608494 A JP 2608494A JP H07221088 A JPH07221088 A JP H07221088A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steam
pure water
microwave
heat treatment
water vapor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2608494A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3167523B2 (ja
Inventor
Kouichi Yomiya
孝一 余宮
Kenji Honma
謙治 本間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Tokyo Electron Tohoku Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Tokyo Electron Tohoku Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd, Tokyo Electron Tohoku Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP02608494A priority Critical patent/JP3167523B2/ja
Priority to US08/341,052 priority patent/US5777300A/en
Priority to KR1019940030484A priority patent/KR100374065B1/ko
Priority to TW083110868A priority patent/TW269723B/zh
Publication of JPH07221088A publication Critical patent/JPH07221088A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3167523B2 publication Critical patent/JP3167523B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Furnace Details (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 減圧且つ高温下にて安定してウエット酸化処
理を行うことができる熱処理装置を提供する。 【構成】 処理炉26内を減圧手段50により減圧下に
維持しておく。純水貯留部98から供給した純水をマイ
クロ波式水蒸気発生部64にてマイクロ波のエネルギに
より加熱沸騰させて水蒸気を発生させる。発生した水蒸
気を、水蒸気供給管路66を介して上記高温減圧下の処
理炉内へ導入して被処理体Wと接触させ、これをウエッ
ト酸化させる。これにより、酸化膜の膜質を向上させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体ウエハ等の熱処
理を行う熱処理装置及び熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体デバイスの製造において
は、半導体ウエハの表面に各種の成膜処理や酸化処理或
いはウエハ表面のエッチング処理等が複数回施されて、
最終的な集積回路が製造される。例えば、半導体ウエハ
の表面に酸化膜を形成する酸化処理工程を例にとれば、
この酸化処理の代表的方法としては処理炉内において半
導体ウエハを高温下で水蒸気と接触させてウエハ表面を
酸化させる方法(ウエット酸化)が知られている。
【0003】このウエット酸化方法を行うためには、純
水を水蒸気発生炉内で加熱することにより沸騰させて蒸
気を発生させ、この蒸気を処理炉内へ導入してウエハ表
面を酸化する方法と、特公昭63−60528号公報や
特開昭63−210501号公報等に示されるように水
素ガスと酸素ガスとを燃焼させて水蒸気を発生させ、こ
の蒸気を処理炉内へ導入してウエハ表面を酸化する方法
が知られている。
【0004】この従来の方法を図4及び図5に基づいて
説明する。図4は純水をヒータ熱により沸騰させて水蒸
気を得る熱処理装置の概略構成図を示し、半導体ウエハ
wを多数枚等間隔で積層したウエハボート2を収容した
処理炉4には、水蒸気供給管路6が接続されており、こ
の供給管路6にはヒータ8を有する水蒸気発生炉10が
介設されている。そして、この水蒸気発生炉10内に、
純水源12からの純水と酸素源14からのキャリアカス
としての酸素ガスを供給し、例えば石英製の炉壁を有す
る水蒸気発生炉10内にて純水を加熱沸騰させることに
より水蒸気を発生させ、この発生した水蒸気を処理炉4
内に導入して高温常圧下或いは高温高圧下にてウエハ表
面を酸化するようになっている。
【0005】図5は水素ガスと酸素ガスとを燃焼させる
ことにより水蒸気を発生させる水蒸気供給管路の概略構
成図を示し、この水蒸気供給管路6には例えば耐熱性耐
腐食性に優れた石英製の内壁16を有する燃焼炉18が
介設されており、この炉18内には同じく石英製の燃焼
ノズル20が設けられている。このノズル20の周囲に
はガスを着火温度まで加熱する着火ヒータ22が配置さ
れている。そして、このノズル20を介して燃焼炉18
内に所定量の酸素ガスと水素ガスとを供給することによ
り水蒸気を発生させ、発生した水蒸気を処理炉内に導入
して高温常圧下或いは高温高圧下にてウエハ表面を酸化
するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
酸化処理においては、酸化膜の膜質を如何に向上させる
かが重要な課題となり、水蒸気発生炉の蒸気発生条件、
燃焼炉の燃焼条件、処理炉の温度条件等の選定により膜
質の向上が図られている。しかしながら、現状の水蒸気
発生炉や燃焼炉の構成では、選定すべき条件が限られて
おり、膜質の向上を図る上である程度限界に近いものが
ある。そこで、減圧CVDが減圧下での成膜処理によっ
て膜質の向上に成果を収めていることに着目し、これと
同様の発想により前記酸化処理を減圧下で行う発案がな
されている。
【0007】しかしながら、図4に示すように純水を沸
騰させて水蒸気を発生させる方法にあっては、純水を貯
留する純水源12中にバクテリア、ウイルス等の微生物
が繁殖し、この微生物が水蒸気中に混入したまま処理炉
4内に導入されてウエハ表面に付着し、パーティクルと
なってウエハの欠陥を生ぜしめるという問題があった。
更には、水蒸気発生炉10のヒータ8が約200℃以上
になると、このヒータ8を構成する金属材料が非常に活
発化し、この活発化した金属が微量ではあるが炉壁を構
成する石英を透過して炉内に侵入して純水や発生した蒸
気中に飛び込み、そのまま処理炉4内へ運ばれてウエハ
Wに金属汚染を生ぜしめるという問題点もある。
【0008】また、図5に示すように水素ガスと酸素ガ
スを燃焼させて水蒸気を発生させる方法にあっては、処
理炉における酸化処理を減圧下で行おうとすると、燃焼
炉18における燃焼が不安定になり、水蒸気を安定して
供給することが困難になるばかりでなく、水素ガスによ
る爆発の危険性が増大する問題があり、減圧下でのウエ
ット酸化処理を実現することが困難であった。更には、
燃焼炉18の内壁16やノズル20を構成する石英に、
水素と酸素の燃焼により白濁が生じ、この白濁した石英
が長期間の使用により剥離してパーティクルとなって飛
散し、これが処理中のウエハ表面に付着するという問題
もあった。
【0009】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明
の目的は、減圧且つ高温下にて安定してウエット酸化処
理を行うことができる熱処理装置及び熱処理方法を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1に規定する熱処理装置は、被処
理体を高温下で酸化処理する処理炉と、この処理炉内を
減圧する減圧手段と、純水をマイクロ波により加熱して
水蒸気を発生させるマイクロ波式水蒸気発生部と、この
水蒸気発生部へ供給するための純水を貯留する純水貯留
部と、前記水蒸気発生部にて発生した前記水蒸気を前記
処理炉へ供給する水蒸気供給管路とを備えるように構成
したものである。
【0011】請求項2に規定する発明は、請求項1に規
定する発明において、前記純水貯留部の純水中には、微
生物の増殖を抑制するための過酸化水素を混入させるよ
うに構成したものである。
【0012】請求項3に規定する発明は、請求項1また
は2に規定する発明において、前記マイクロ波式水蒸気
発生部は、微生物を殺すためのフッ化水素を供給するた
めのフッ化水素供給源に接続させるように構成したもの
である。
【0013】請求項4に規定する熱処理方法は、純水を
マイクロ波により加熱して水蒸気を発生させる工程と、
発生した水蒸気を減圧された処理炉内へ導入して加熱さ
れた被処理体に接触させて前記被処理体を酸化処理する
工程とを構成したものである。
【0014】請求項5に規定する発明は、請求項4に規
定する発明において、前記水蒸気を発生させる工程の直
前に、微生物を殺すためのフッ化水素を流す滅菌工程を
有するように構成したものである。
【0015】
【作用】請求項1の発明によれば、純水貯留部の純水は
マイクロ波式水蒸気発生部へ供給されてここでマイクロ
波により加熱沸騰されて蒸気を発生する。発生した蒸気
は水蒸気供給管路を介して、減圧手段により減圧状態に
なされた処理炉内へ導入され、ここで加熱されている被
処理体の表面に接触してこの表面を酸化する。これによ
り、燃焼炉やヒータを用いた蒸気発生炉を用いることな
く蒸気を発生させて減圧下にて酸化処理を行うことが可
能となり、膜質の良好な酸化膜を得ることができる。
【0016】請求項2の発明によれば、純水貯留部の純
水中には、過酸化水素が混入されているので、この内部
におけるバクテリア等の微生物の増殖が抑制され、その
結果、被処理体の表面に付着する微生物の量が少なくな
り、歩留まりも向上させることが可能となる。
【0017】請求項3の発明によれば、酸化処理を開始
する前にフッ化水素供給源からフッ化水素ガス或いはフ
ッ化水素溶液を少なくともマイクロ波式水蒸気発生部及
び水蒸気供給管路を介して処理炉へ供給することによ
り、各部材の内壁等に付着しているバクテリアやビール
ス等の微生物が殺されて消滅する。従って、この後に酸
化処理を行うために純水や水蒸気を管路に流しても被処
理体の表面には微生物がほとんど付着することがなく、
一層歩留まりを向上させることができる。
【0018】請求項4の発明によれば、純水をマイクロ
波により加熱して水蒸気を発生させ、この発生した水蒸
気を減圧された処理炉内へ導入して、加熱された被処理
体と接触させてその表面を酸化させるようにしたので、
燃焼炉やヒータを用いた蒸気発生炉を用いることなく減
圧下にて酸化処理を行うことができる。
【0019】請求項5の発明によれば、酸化処理のため
に水蒸気を発生させる前にフッ化水素を流すようにした
ので、水蒸気の流れる流路中に存在する微生物を殺すこ
とができ、従って、微生物が被処理体の表面に付着する
ことを防止して歩留まりを向上させることが可能とな
る。
【0020】
【実施例】以下に、本発明に係る熱処理装置及び熱処理
方法の一実施例を添付図面に基いて詳述する。図1は本
発明に係る熱処理装置を示す構成図、図2は図1に示す
装置に用いるマイクロ波式水蒸気発生部を示す断面図で
ある。
【0021】図示するようにこの熱処理装置24は、被
処理体としての例えば半導体ウエハWを例えば850℃
程度の高温下で酸化処理する縦型の処理炉26を有して
おり、この処理炉26は下端が開放された縦長円筒状の
石英製の反応管28を備えている。この反応管28の下
方にはその下端開口部を開閉する蓋体30が配置され、
この蓋体30上には多数枚の半導体ウエハWを水平状態
で上下方向に間隔をおいて多段に支持する石英製のウエ
ハボート32が保温筒34を介して支持されている。
【0022】上記蓋体30は、反応管28内への上記ウ
エハボート32の搬入及び搬出を行うと共に蓋体30の
開閉を行う昇降機構36に連結されている。また、上記
反応管28の周囲には内部を800〜1000℃程度の
所望の温度に加熱するヒータ38が配設され、その更に
外周には断熱材40を介してアウターシェル42が設け
られている。
【0023】上記反応管28の底部側壁の一側部には例
えば石英製の水蒸気導入管44が一体に形成され、この
水蒸気導入管44の基部側は反応管28の管壁と一体と
なって上方に導かれてから、反応管28内の上端部に凹
状に形成された水蒸気導入ポート46に臨んで開口され
ている。また、反応管28の他側部には例えば排気管4
8が一体に形成され、この排気管48には反応管28内
を減圧する減圧手段としての例えばターボ分子ポンプ等
の減圧ポンプ50を備えた減圧管52が二重のOリング
54を介設したフランジ継手56を介して気密に接続さ
れている。
【0024】この減圧管52には例えばアングル弁から
なる開閉弁58が介設されており、減圧管52に設けら
れた出口圧力センサ60で圧力を検出しつつ例えばマイ
クロコンピュータ等よりなる制御部62によって上記開
閉弁58や減圧ポンプ50を制御し、反応管28内を3
00〜500Torr程度に減圧して維持するようにな
っている。尚、減圧管14の下流は図示しない工場排気
ダクトに接続されている。
【0025】一方、上記処理炉26の反応管28内へ水
蒸気を供給するために、後述するようにマイクロ波によ
り純水を加熱沸騰させて水蒸気を発生させるマイクロ波
式水蒸気発生部64が用いられており、この水蒸気発生
部64は、例えば石英よりなる水蒸気供給管路66の一
端に接続されると共にこの水蒸気供給管路66の他端
は、二重のOリング68を介設したフランジ継手70を
介して上記水蒸気導入管44に気密に接続されている。
【0026】この、水蒸気供給管路66の途中には開閉
弁72が介設されると共にこの開閉弁72の上流側に
は、途中に開閉弁74が介設された余剰水蒸気排出管7
6が分岐されている。また、この分岐部の上流側には、
これに流れる水蒸気の圧力を検出するための入口圧力セ
ンサ78が設けられており、後述するようにこの入口圧
力センサ78の検出値と上記出口圧力センサ60の検出
値とに基づいて制御部62は水蒸気発生量を制御するよ
うになっている。
【0027】上記水蒸気発生部64には、これに純水を
供給するための、例えば石英製の純水導入管路80が接
続されていると共に、この純水導入管路80からは複数
の分岐配管82A〜82Eが分岐されている。第1の分
岐配管82Aには、開閉弁84及び質量流量を制御する
流量制御機構、例えばマスフローコントローラ86を介
してキャリアガスとしての酸素ガス供給用の酸素ガス源
88が接続されていると共に、この開閉弁82の下流側
にはヒータ90を有するガス加熱部92が介設されてお
り、これに流れる酸素ガスを所定の温度、例えば200
℃程度に加熱するようになっている。
【0028】第2の分岐配管82Bには、開閉弁94及
びマスフローコントローラ96を介して純水を供給する
ための純水貯留部としての純水貯留源98が接続されて
いる。この純水貯留源98の貯留槽には、配管100が
接続されており、この配管100には、開閉弁102及
びマスフローコントローラ104を介して、微生物の増
殖を抑制するための過酸化水素を貯留する過酸化水素貯
留源106に接続されており、必要に応じて純水貯留源
98へ過酸化水素を供給するようになっている。
【0029】第3の分岐配管82Cには、開閉弁108
及びマスフローコントローラ110を介してガスパージ
用不活性ガスとしての窒素ガス供給用の窒素ガス源11
2が接続されている。
【0030】第4の分岐配管82Dには、開閉弁114
及びマスフローコントローラ116を介して、これより
下流側に位置するマイクロ波式水蒸気発生部64や反応
管28、或いはこれらを接続する各種の配管類の内壁等
に付着する微生物、例えばバクテリアやビールス等を殺
すために用いるフッ化水素を供給するフッ化水素供給源
118が接続されている。
【0031】第5の分岐配管82Eには、開閉弁120
及びマスフローコントローラ122を介して、処理炉2
6内にてヒータ38等から飛散する金属原子をトラップ
するためのトラップガスとしての塩化水素ガスを供給す
る塩化水素貯留源124が接続されている。
【0032】一方、本発明の特長とする上記マイクロ波
式水蒸気発生部64は、図2にも示すように例えば縦長
筒体状の石英製の蒸気発生容器126を有しており、こ
の天井部には、上記純水導入管路80に接続された純水
供給ノズル128が設けられると共に底部には、発生し
た水蒸気を排出する蒸気排出口130が形成され、この
排出口130には上記水蒸気供給管路66が接続されて
いる。尚、この蒸気排出口130の形成場所は、蒸気発
生容器126の底部に限定されず、容器の底部側壁或い
は上部側壁等に設けるようにしてもよい。
【0033】この蒸気発生容器126内には、例えば炭
化ケイ素(SiC)からなる耐熱性粒状物132を集合
させて焼結させてなる円柱状のフィルタ134が収容さ
れており、このフィルタ134の上下端には、フィルタ
134から脱離した粒状物132が容器外へ流出するこ
とを防止するために、例えばセラミックスフィルタから
なる補助フィルタ136が配設されている。
【0034】また、この蒸気発生容器126の側壁に
は、マイクロ波導入口138が形成されており、この導
入口138には、金属性の導波管140を介してマイク
ロ波を発生するマイクロ波発生器142が接続されて、
蒸気発生容器126内の純水をマイクロ波により加熱沸
騰させて蒸発させるようになっている。この導波管14
0としては、発生したマイクロ波を効率的に伝搬し得る
ものであればどのようなものでもよく、例えば断面が方
形状の方形導波管或いは断面が円形の円形導波管等を用
いることができる。
【0035】使用されるマイクロ波の周波数範囲として
は、1000〜35000MHz程度であり、好ましく
は910MHz或いは2450MHzが使用される。ま
た、マイクロ波発生器142としては一般的にはマイク
ロ波用電子管が用いられるが、この電子管としては、板
極管やレスナトロンのような空間電荷制御管、またはク
ライストロン、進行波管、マグネトロン、後進波管、プ
ラチノトロンのような電子走行時間管等を用いることが
でき、好ましくは高効率で大出力が得られ、しかも動作
が安定しているマグネトロンを用いる。上記蒸気発生容
器126及び導波管140の全外周には、金網或いは金
属板よりなるマイクロ波シールド部材144が密接させ
て配置されており、外部に人間に有害なマイクロ波が洩
れないようになっている。
【0036】次に、以上のように構成された装置例に基
づいて実施される本発明方法について説明する。まず、
熱処理装置24を組み立てた後、或いは処理炉26等の
メンテナンスのために反応管28内を開放した後にあっ
ては、各種の配管内や反応管28内に大気中(クリーン
ルーム内)のバクテリア等が付着しており、この状態で
酸化処理を行うとこのバクテリア等の微生物がウエハ欠
陥の原因となる場合が生ずる。
【0037】そこで、酸化処理プロセスを行うに先立っ
て、これら微生物を殺すための殺菌処理を行う。まず、
反応管28内にウエハWを収容しない状態において、フ
ッ化水素供給源118からフッ化水素(HF)を送出
し、これを純水管導入管路80、マイクロ波式水蒸気発
生部64、水蒸気供給管路66を介して反応管28内へ
導入し、反応管28内で所定時間滞留させる。この場
合、減圧管52の開閉弁58は閉じておく。また、フッ
化水素としては、フッ化水素溶液として供給しても良
く、或いはフッ化水素ガスとして供給してもよい。フッ
化水素溶液として供給する場合には、HF濃度は例えば
1〜100PPMの範囲内に設定するのが好ましく、反
応管28内で略満杯状態にして数時間、例えば3時間程
度放置して滅菌処理を施す。これにより、反応管28内
は勿論のこと、水蒸気発生部64内及びフッ化水素溶液
が流れた各種配管内の滅菌を行うことができる。
【0038】滅菌処理が終了したならば、系内のフッ化
水素溶液を減圧管52を介して系外へ排出する。この場
合、別途準備した洗浄水を上記した系内に流通させて系
内に残留するフッ化水素を除去する。また、洗浄水の有
効利用のために、一度排出した洗浄水を再度、反応管2
8内へ導入して循環させるようにしてもよいが、この場
合には循環路の途中にイオン交換樹脂を介在させて、溶
液中のフッ化水素を除去する。
【0039】このようにフッ化水素の除去が終了したな
らば、次に、酸化処理工程に移行する。まず、開閉弁1
08を開にして、窒素ガス源112から純水導入管路8
0及び水蒸気供給管路66を介して窒素ガスを反応管2
8内へ供給しつつ減圧ポンプ50を駆動して減圧管52
から反応管内雰囲気を排出し、反応管52内を窒素ガス
で置換する。
【0040】次いで、蓋体30を開けて、半導体ウエハ
Wが多数枚収容されたウエハボート32を保温筒34と
共に反応管28内に装入し、内部を密閉状態とする。ま
た、ヒータ38も予め駆動し、収容されているウエハW
を処理温度、例えば850℃に維持する。そして、窒素
ガスを供給した状態で窒素ガスの供給量や排気量を制御
部62により制御して反応管28内の圧力を所定の処理
圧力、例えば400Torrに減圧し、この圧力を維持
しつつ反応管28内に水蒸気発生部64にて発生した水
蒸気を導入してウエハ表面の酸化処理を開始する。水蒸
気を発生するためには、純水貯留源98からマスフロー
コントローラ96により流量制御しつつ純水を水蒸気発
生部64内へ導入すると共に同時に酸素ガス源86から
もキャリアガスとして酸素ガスを流量制御しつつ水蒸気
発生部64内へ導入する。水蒸気発生部64へ導入され
た純水は純水供給ノズル128から蒸気発生容器126
内へ滴下し、ここで、マイクロ波発生器142より導波
管140を介して伝搬してくるマイクロ波のエネルギに
より加熱沸騰されて水蒸気が発生することになる。ここ
で発生した水蒸気は容器底部に接続した水蒸気供給管路
66を介して上述のように反応管28内へ供給される。
水蒸気の発生量は、例えば減圧管52に設けた出口圧力
センサ60の検出値と水蒸気供給管路76に設けた入口
圧力センサ78の検出値の差をとることにより求めら
れ、純水の供給量及びマイクロ波発生器142の出力を
増減することにより水蒸気の発生量を制御する。一般的
には、例えば処理圧力が400Torrの場合には、入
口圧力センサ78の検出値が例えば405Torr程度
になるように水蒸気量を設定する。また、マイクロ波発
生器142である例えばマグネトロンの出力制御は、一
般的にはインバータ制御で容易に行うことができ、従来
の燃焼やヒータ加熱による蒸気発生方式と比較して迅速
にその出力制御を行うことができる。
【0041】このように、半導体ウエハWを高温下で処
理する反応管28を減圧し、この高温且つ減圧下の反応
管28内に、マイクロ波エネルギにより発生した水蒸気
を供給するようにしたので、燃焼装置やヒータによる加
熱装置を用いることなくウエハWを減圧下にてウエット
酸化処理することができる。従って、酸化膜の膜質の向
上を図ることができる。また、耐熱性粒状物132の集
合体からなる表面積の大きいフィルタ134を用いてい
るので、簡単な構成で水蒸気を効率良く安定して供給す
ることが可能となる。
【0042】また、純水貯留源98に貯留される純水中
には、ここに接続される過酸化水素貯留源106から供
給される過酸化水素が混入されており、純水貯留源98
内の純水中に存在するかもしれないバクテリアの殺菌或
いはこの増殖の抑制がなされている。従って、プロセス
開始前の滅菌工程と相侯って、反応管28内へはバクテ
リア等の微生物が水蒸気に混入してほとんど侵入するこ
とがなくなり、ウエハ表面の微生物による欠陥を大幅に
抑制することが可能となる。この場合、純水中の過酸化
水素の濃度は、少なくともバクテリアの増殖を十分に抑
制できる濃度、例えば1重量%以上であることが望まし
い。
【0043】また、プロセス中には、塩化水素貯留源1
24からはトラップガスとして所定量の塩化水素ガスが
反応管28内へ供給されており、例えばヒータ38等か
ら反応管壁を透過してくる金属原子をトラップするよう
になっている。塩化水素ガスは耐腐食性ガスであるが、
このガスが通る配管系等は全て耐腐食性の大きな石英で
構成されているので問題は生じない。更には、好ましく
は水蒸気供給管路66に沿ってヒートテープ(図示せ
ず)を巻回してこれを加熱することにより、管路66内
に流れる水蒸気の露結を防止することができる。
【0044】このようにしてウエハWの酸化処理が終了
したならば、純水や酸素ガス等の供給を停止して、水蒸
気発生部64内に残留する水蒸気や純水を余剰水蒸気排
出管76から系外へ排出する。次いで、反応管28内を
再度窒素ガスにより置換した後に内部圧力を常圧に戻
し、処理済みウエハWを反応管28内よりその下方へ搬
出する。尚、水蒸気発生部64に収容したフィルタ13
4としてはセラミックフィルタに限定されず、例えば焼
結金属からなるいわゆるメタルフィルタを用いるように
してもよい。
【0045】また、水蒸気発生部64の形状は筒体状に
限定されず、その設置方向も縦型に限定されず、例えば
図3に示す横型に配置してもよい。すなわち、この横型
のマイクロ波式水蒸気発生部64においては、図2に示
した水蒸気発生部64と同様に蒸気発生容器126内
に、円柱状のフィルタ134とその両端に配置された補
助フィルタ132が収容されている。そして、この容器
側壁に導波管140を介してマイクロ波発生器142が
接続されている。また、容器126の一端に純水導入管
路ではなく酸素ガス供給用の配管82Aを接続し、他端
に水蒸気供給管路66を接続している。また、この容器
126の長手方向の途中に純水導入管路80を接続して
いる。この構成によっても前述したと同様な作用効果を
発揮することができる。
【0046】尚、上記実施例ではキャリアガスとして酸
化を促進させる酸素ガスを用いたが、これに限定され
ず、窒素ガス等の不活性ガスを用いるようにしてもよ
い。また、処理炉としては縦型炉に限定されず、横型炉
に適用するようにしてもよい。更には、被処理体として
半導体ウエハWに限定されず、例えばLCD基板等を処
理する場合にも適用することができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のように優れた作用効果を発揮することができる。請求
項1の発明によれば、マイクロ波式水蒸気発生部にて発
生した水蒸気を減圧下の処理炉へ供給するようにしたの
で、減圧且つ高温下で被処理体のウエット酸化処理を行
うことができ、酸化膜の膜質の向上を図ることができ
る。また、マイクロ波のエネルギにより水蒸気を発生さ
せるようにしたので、従来用いられていた燃焼装置やヒ
ータ加熱による蒸気発生装置を不要にでき、従って、こ
れらを用いることによって発生していた諸問題、例えば
燃焼室内の石英の白濁及び剥離、ヒータからの金属原子
の混入による金属汚染等をなくすことができ、更なる膜
質の向上及び歩留まりの向上を図ることができる。請求
項2の発明によれば、純水貯留部の純水中には過酸化水
素が混入されているので、少なくとも微生物の増殖を抑
制することができ、従って長期間の使用に渡って水蒸気
中に混入する微生物の量を少なくできるので、この点よ
りも膜質や歩留まりの向上を図ることができる。請求項
3及び請求項5の発明によれば、酸化処理を行うに先立
ってフッ化水素により配管系や処理炉内等を滅菌するよ
うにしたので、水蒸気中に含まれる微生物を略完全にな
くすことができ、この点よりも膜質や歩留まりの改善を
図ることができる。請求項4の発明によれば、マイクロ
波のエネルギにより発生した水蒸気を処理炉内へ導入す
るようにしたので、減圧且つ高温下で被処理体のウエッ
ト酸化処理を行うことができ、酸化膜の膜質の向上を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱処理装置を示す構成図である。
【図2】図1に示す装置に用いるマイクロ波式水蒸気発
生部を示す断面図である。
【図3】マイクロ波式水蒸気発生部の変形例を示す断面
図である。
【図4】純水をヒータ熱により沸騰させて水蒸気を得る
従来の熱処理装置の概略構成図である。
【図5】水素ガスと酸素ガスとを燃焼させて水蒸気を発
生させる従来の水蒸気発生装置を示す概略構成図であ
る。
【符号の説明】
24 熱処理装置 26 処理炉 28 反応管 32 ウエハボート 44 水蒸気導入管 50 減圧ポンプ(減圧手段) 52 減圧管 60 出口圧力センサ 62 制御部 64 マイクロ波式水蒸気発生部 66 水蒸気供給管路 78 入口圧力センサ 80 純水導入管路 88 酸素ガス源 98 純水貯留源(純水貯留部) 106 過酸化水素貯留源 112 窒素ガス源 118 フッ化水素供給源 124 塩化水素貯留源 126 蒸気発生容器 128 純水供給ノズル 134 フィルタ 140 導波管 142 マイクロ波発生器 144 マイクロ波シールド部材 W 被処理体(半導体ウエハ)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理体を高温下で酸化処理する処理炉
    と、この処理炉内を減圧する減圧手段と、純水をマイク
    ロ波により加熱して水蒸気を発生させるマイクロ波式水
    蒸気発生部と、この水蒸気発生部へ供給するための純水
    を貯留する純水貯留部と、前記水蒸気発生部にて発生し
    た前記水蒸気を前記処理炉へ供給する水蒸気供給管路と
    を備えるように構成したことを特徴とする熱処理装置。
  2. 【請求項2】 前記純水貯留部の純水中には、微生物の
    増殖を抑制するための過酸化水素を混入させていること
    を特徴とする請求項1記載の熱処理装置。
  3. 【請求項3】 前記マイクロ波式水蒸気発生部は、微生
    物を殺すためのフッ化水素を供給するためのフッ化水素
    供給源に接続されていることを特徴とする請求項1また
    は2記載の熱処理装置。
  4. 【請求項4】 純水をマイクロ波により加熱して水蒸気
    を発生させる工程と、発生した水蒸気を減圧された処理
    炉内へ導入して加熱された被処理体に接触させて前記被
    処理体を酸化処理する工程とを備えるように構成したこ
    とを特徴とする熱処理方法。
  5. 【請求項5】 前記水蒸気を発生させる工程の直前に、
    微生物を殺すためのフッ化水素を流す滅菌工程を有する
    ように構成したことを特徴とする請求項1記載の熱処理
    方法。
JP02608494A 1993-11-19 1994-01-28 熱処理装置及び熱処理方法 Expired - Fee Related JP3167523B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02608494A JP3167523B2 (ja) 1994-01-28 1994-01-28 熱処理装置及び熱処理方法
US08/341,052 US5777300A (en) 1993-11-19 1994-11-16 Processing furnace for oxidizing objects
KR1019940030484A KR100374065B1 (ko) 1993-11-19 1994-11-19 산화처리장치및산화처리방법
TW083110868A TW269723B (ja) 1993-11-19 1994-11-22

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02608494A JP3167523B2 (ja) 1994-01-28 1994-01-28 熱処理装置及び熱処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07221088A true JPH07221088A (ja) 1995-08-18
JP3167523B2 JP3167523B2 (ja) 2001-05-21

Family

ID=12183762

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02608494A Expired - Fee Related JP3167523B2 (ja) 1993-11-19 1994-01-28 熱処理装置及び熱処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3167523B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100378624B1 (ko) * 2000-07-13 2003-04-08 (주)보부하이테크 마이크로파를 이용한 초순수 가열장치
JP2007142442A (ja) * 1997-07-01 2007-06-07 Steag Rtp Systems Gmbh シリコン基板の高速昇降温処理(rtp)方法
WO2013094680A1 (ja) * 2011-12-20 2013-06-27 株式会社日立国際電気 基板処理装置、半導体装置の製造方法および気化装置
JP2015062254A (ja) * 2012-07-30 2015-04-02 株式会社日立国際電気 気化装置、基板処理装置、及び半導体装置の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007142442A (ja) * 1997-07-01 2007-06-07 Steag Rtp Systems Gmbh シリコン基板の高速昇降温処理(rtp)方法
KR100378624B1 (ko) * 2000-07-13 2003-04-08 (주)보부하이테크 마이크로파를 이용한 초순수 가열장치
WO2013094680A1 (ja) * 2011-12-20 2013-06-27 株式会社日立国際電気 基板処理装置、半導体装置の製造方法および気化装置
JPWO2013094680A1 (ja) * 2011-12-20 2015-04-27 株式会社日立国際電気 基板処理装置、半導体装置の製造方法および気化装置
JP2015062254A (ja) * 2012-07-30 2015-04-02 株式会社日立国際電気 気化装置、基板処理装置、及び半導体装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3167523B2 (ja) 2001-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100374065B1 (ko) 산화처리장치및산화처리방법
US7208428B2 (en) Method and apparatus for treating article to be treated
US5217560A (en) Vertical type processing apparatus
KR100257305B1 (ko) 열처리장치 및 그의 크리닝 방법
TWI443714B (zh) 成膜裝置及使用其之方法
JP2008202107A (ja) 基板処理装置
JPH05291158A (ja) 熱処理装置
JP2010129666A (ja) 基板処理装置及び半導体装置の製造方法
JP2000058543A (ja) 酸化処理方法および酸化処理装置
JP3167523B2 (ja) 熱処理装置及び熱処理方法
JPH056858A (ja) 熱処理装置
JP2001126988A (ja) 半導体製造装置
US20020020433A1 (en) Oxidation apparatus and method of cleaning the same
JPS6218042A (ja) 気化された液体反応体からの二酸化ケイ素の低圧化学蒸着法
JP3374256B2 (ja) 熱処理装置及びそのクリーニング方法
JP4361179B2 (ja) オゾン処理装置及びオゾン処理方法
JPH05283389A (ja) 半導体基板洗浄方法
JP3271680B2 (ja) 酸化処理装置
JP2003273081A (ja) プラズマ処理装置
JP3552037B2 (ja) シリコン酸化膜の形成方法及び形成装置
JP2002231675A (ja) 被処理体の処理方法及び処理装置
JP3271679B2 (ja) 酸化処理装置
JP4626912B2 (ja) 被処理体の処理方法、処理装置、薄膜形成方法及び薄膜形成装置
JP4304354B2 (ja) 半導体装置の処理方法
JPH0677196A (ja) 割り型バッチ式熱処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010227

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees