JPH07220303A - 相変化型光ディスク媒体 - Google Patents

相変化型光ディスク媒体

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Publication number
JPH07220303A
JPH07220303A JP6011200A JP1120094A JPH07220303A JP H07220303 A JPH07220303 A JP H07220303A JP 6011200 A JP6011200 A JP 6011200A JP 1120094 A JP1120094 A JP 1120094A JP H07220303 A JPH07220303 A JP H07220303A
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JP
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Withdrawn
Application number
JP6011200A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Okamura
立也 岡村
Masato Terada
正人 寺田
Kazuyuki Furuya
一之 古谷
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 反射層がTiとAlを主成分とするAl含有
量が原子量比10〜80at%の組成からなり、記録層
が特定の組成比範囲よりなるSbTeGe合金からなる
相変化型光ディスク媒体。 【効果】 本発明の光ディスク媒体は、速い線速度にお
いても高い記録感度および良好な記録、消去特性を有
し、かつ繰り返し特性も良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザービーム等によ
り情報を記録、消去、再生できる光学情報記録媒体に関
するもので、特に線速度8〜20m/sといった速い線
速度においても高い記録感度および良好な記録、消去特
性を有し、さらに繰り返し特性も良好な相変化型光ディ
スクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ディスクに代表される光情報記録媒体
は、高密度で大容量であることから注目され、これまで
にも様々な用途で使用されている。例えば、再生専用の
光ディスクとしては、音楽を再生するコンパクトディス
クやデータ再生専用のCD−ROM等があり、音楽分
野、コンピュータ分野、ゲーム分野等において広く使用
されている。また、一回だけ記録可能で消去はできない
追記型光ディスクとしては、文書ファイリングシステ
ム、データファイリングシステム等に利用されている。
【0003】さらに、記録された情報の消去と再記録が
できる書換え可能型光ディスクは、データの修復や更新
が可能であるとともに、書換えによって繰り返し使用で
きるため、光ディスクの用途拡大に貢献するものとして
期待されている。このような書換え可能型光ディスクと
しては、これまでに光磁気型ディスクや相変化型ディス
クが実用化されており、データファイル等に使用されて
いる。
【0004】光磁気型ディスクは磁気光学効果(カー回
転効果)を用いて情報を記録するのに対し、相変化型デ
ィスクは結晶とアモルファスの2状態を可逆的に相変化
させることによって情報が記録される。結晶状態をアモ
ルファス状態にするには物質を融点以上の温度に上げ溶
融させた後、一気に冷却させることにより行なわれる。
また、結晶状態にするには結晶化温度以上の温度で結晶
化に必要な時間以上保持されることにより結晶化され
る。相変化型の光ディスクでは、この2状態はレーザの
照射強度だけで可逆的に相変化可能であるため、書換時
に一度消去をしなくてもそのまま重ね書き(オーバーラ
イト)ができるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の相変化型光ディスクにおいては、アモルファ
ス化に必要なレーザパワーが、盤面上で15mW以上も
必要とし、さらに線速度を速くする(回転数を上げる)
と、通常市販されているレーザでは十分な記録ができな
くなるという不具合があった。
【0006】光ディスクシステムに対する要求は、ます
ます高速化が求められており、それに伴い、光ディスク
媒体もより高線速化、すなわち速い回転数にまで対応で
きる媒体の開発が急務となっている。光ディスク媒体と
しては、盤面上のレーザ照射強度が15mW以下で記録
・消去できる高感度な媒体が、ドライブに用いられる半
導体レーザの観点より望ましい。
【0007】こうした要求に対し、一般的に、反射層側
の保護層の膜厚を厚くする、あるいは反射層の膜厚を薄
くすると高感度化できることが知られているが、各層の
膜厚のみで高感度化すると、感度は良くなるものの、消
去比が低下する、また繰り返し耐久性が低下するといっ
た現象が発生し好ましくない。本発明は、反射層に用い
られる材料の物性と記録膜組成とを特定し組み合わせる
事により、従来の問題を解決するためのものであり、従
来までの線速度より速い線速度である8〜20m/sに
おいても良好に記録・消去でき、さらに繰り返し耐久性
にも優れた相変化型光ディスク媒体を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、反射層の
材料を特定することにより、8〜20m/sといった速
い線速度においても記録及び消去が良好に行えることを
見いだし、本発明を完成させた。すなわち、本発明は良
好な記録、消去、再生が可能な相変化型光ディスク媒体
に関するものであり、特に線速度が8〜20m/sとい
った速い線速度において、記録、消去、再生に適し、さ
らに繰り返し耐久性にも優れた媒体に関するものであ
る。
【0009】本発明の相変化型光ディスクは基板上に少
なくとも記録層および反射層を有する構造で、該反射層
がTiおよびAlを主成分とし、かつAlの含有量が原
子量比で10〜80at%であることを特徴とするもの
である。本発明の記録層を構成する材料としては、カル
コゲン化合物が好適であり、特にSbTeGe系材料
は、高速消去が可能で、かつアモルファス状態の安定性
に優れているため最適な材料である。SbTeGe系材
料において、特にSbとTeとGeを頂点とする三角図
において原子量比でA(Sb32Te58Ge10)、B(S
34Te56Ge10)、 C(Sb10Te50Ge40)、D
(Sb8 Te52Ge40)に囲まれた4角形の内側にある
組成は、結晶化スピードが速いため結晶化しやすく、特
に8〜20m/sといった速い線速度での消去特性の点
で優れている(図1)。
【0010】本発明の相変化型光ディスクにおいては、
記録層の酸化等の経時変化を防ぐために記録層の上下に
保護層を設けることが望ましい。この保護層の材料とし
ては、一般にSi0X 、Al2 3 、ZnO2 、Ta2
3 、Si3 4 、AlN、ZnSまたはSiC等の金
属または半金族の酸化物、フッ化物、窒化物、硫化物、
炭化物およびホウ化物や金属等の無機物あるいは有機
物、さらにはこれらの混合物や混合材料が挙げられる。
【0011】本発明のディスク構造においては、その層
構成を図2に示すように、記録層1の両側を保護層2、
3で挟み、光入射側(透明基板4側)の反対側に熱拡散
層をかねた反射層5を設けた4層構造にすることが好ま
しい。基板4側の保護層2の膜厚は、記録膜の保護、基
板の熱変形の防止を目的とし、さらに反射率およびコン
トラストの観点より50〜300nmの膜厚とするのが
好ましい。記録層1はコントラストの点より膜厚15〜
35nmが良い。反射層側の保護層3は、消去特性の観
点から15nm以下が好ましく、記録感度および成膜さ
れた薄膜が島状でなく安定な層状に存在するために3n
m以上が良い。反射層5は記録感度の観点で250nm
以下が好ましく、繰り返し耐久性の観点から100nm
以上が好ましい。
【0012】以下本発明を詳細に説明する。書換可能な
相変化型光ディスクでは、結晶とアモルファス間の光学
定数の違いを利用して情報を記録再生する。アモルファ
ス状態を結晶状態にするには、ある一定温度(結晶化温
度)以上を、ある一定時間(結晶化時間)保持すること
によって行い、また、アモルファス状態にするには物質
を融点以上に熱し一度溶融させた後、一気に冷やすこと
により行なわれる。
【0013】光ディスクシステムの高速化に伴い、記録
再生の線速度を速くすると、ディスクに対してレーザビ
ームがすぐ通過してしまい、レーザの滞留時間が短くな
るため融点以上の温度になりにくく、アモルファス化し
にくくなる(記録しにくくなる)という現象が生じる。
ドライブに使用される半導体レーザを考慮すると、高線
速でも低いレーザ照射強度で記録および消去できる媒体
が好ましく、一般的な30mW程度のレーザを使用すれ
ば、マージンを考慮して盤面上で12mWで十分記録で
きることが条件となる。ここで、搬送波対雑音比(C/
N比)が40dB以上となるのに最低必要な記録パワー
を記録感度と定義すると、12mWで十分記録できるよ
うにするには記録感度を8mW以下にする必要がある。
【0014】この記録感度は、光ディスク媒体を構成し
ている各層の材料、膜厚、膜質等によって変化するが、
図2のような4層構造においては、保護層3の膜厚およ
び反射層5の膜厚を変化させるのが簡便である。反射層
材料として通常よく用いられているAlやAuといった
熱伝導率の高い材料を反射層に用いて、速い線速度にお
いて特性評価を行なった場合、レーザの滞留時間が短
く、なおかつ反射層に熱が逃げ易いため、高感度が難し
く、保護層3の膜厚を厚くしたり、反射層5の膜厚を薄
くすることにより熱を反射層に逃げにくくするなどの手
段がとられる。しかし、保護層3の膜厚を厚くするとレ
ーザの進行方向と垂直な方向へも熱がこもり易くなるた
め、記録時にアモルファスの領域が横に広がりやすく、
消去時に消せる幅よりも太いアモルファス領域になって
しまうため、アモルファス残りが生じ、消し残りが大き
くなるといった不具合が生じる(図3)。消し残りを少
なく抑えたまま高感度化をはかるために、保護層3の膜
厚を薄く、かつ反射層5の膜厚を薄くすることを試みた
が、Alのように熱伝導率が高い材料を反射層5に用い
ると、20nm程度の膜厚でも消去比が20dB以上か
つ記録感度が8mW以下となる特性範囲は存在せず、記
録と消去の両立は困難である。
【0015】本発明者らは、反射層5の材料として熱伝
導率の低い材料を用いることにより保護層3の膜厚が薄
くても反射層5の膜厚が厚いまま記録感度を良くでき、
記録と消去の両立が可能であると考え、本発明をなすに
至った。すなわち、反射層の材料をAlとTiの合金か
ら成り、Alの原子量比が10〜80at%のものを用
いることにより、熱伝導率を3×10-2calcm -1s -1K
-1以下とすることができた。その結果、保護層3の膜厚
が薄いまま記録感度を良くすることができ、良好な記録
・消去特性の両立を可能とした。さらに、反射層の膜厚
を100nm以上とすることができるため、繰り返し耐
久性も強いメディアが提供できる。
【0016】一方、反射層材料の熱伝導率が8×10-3
calcm -1s -1K -1以下では、消去率の低下および繰り返
し耐久性に劣化がみられ好ましくない。これらの現象
は、特に10m/s以下の低線速側においてその低下が
顕著である。これらの結果、特に8〜20m/sといっ
た速い線速条件において、反射層材料の熱伝導率範囲と
して8×10-3〜3×10-2calcm -1s -1K -1の範囲が
好ましいといえる。
【0017】次に、記録層の組成範囲について説明を加
える。記録再生の線速度を速くすると、結晶化温度を結
晶化時間保持できなくなることから、結晶化しにくくな
る(消去されにくくなる)という現象が起こる。速い線
速度において結晶化しやすい記録材料としてSbTeG
eがよく知られているが、このSbTeGeの中でも特
に結晶化しやすい組成を用いることが必要となる。
【0018】このSbTeGe系材料は、Sb2 Te3
とGeTeとの各性質を混合したような性質をもってお
り、図1のSbとTeとGeを頂点とする三角図におい
てSb2 Te3 とGeTeとを結んだ線(化合物ライ
ン)が一つの基準線となっている。例えば、この化合物
ライン上の組成をもつ化合物は結晶化速度が速く、化合
物ラインから離れるにつれて、結晶化速度が遅くなるこ
とがわかっている。速い線速度において消去を達成する
には結晶化速度の速い化合物ライン周辺が好ましい。ま
た、SbTeGe系においてGeは融点および結晶化温
度が高いため化合物中のGeの比率が多くなると融点お
よび結晶化温度が高くなり、反対にGeの比率が少なく
なると融点、結晶化温度は低くなることがわかってい
る。Geの比率は化合物の融点が高いと記録感度が悪く
なるため40at%以下にする必要がある。また、結晶
化温度が160度以下になると高温高湿下における環境
試験において、アモルファスピットの結晶化が進行し、
記録データの信頼性が乏しくなる。Geの比率が10a
t%未満では結晶化温度が160度以下となり、データ
の信頼性に欠けるためGeの比率は10〜40at%が
好ましい。より好ましくは、Geの比率が20at%以
上において、結晶化温度が180度以上となり、より高
い信頼性を確保できるため、20〜40at%のGe量
とするのがよい。
【0019】従って、SbとTeとGeを頂点とする三
角図において原子量比でA(Sb32Te58Ge10)、B
(Sb34Te56Ge10)、C(Sb10Te50Ge40)、
D(Sb8 Te52Ge40)に囲まれた4角形の内側の組
成を選ぶことが好ましく、より好ましくは、A(Sb24
Te56Ge20)、B(Sb26Te54Ge20)、C(Sb
10Te50Ge40)、D(Sb8 Te52Ge40)に囲まれ
た4角形の内側の組成とするのが信頼性の観点より望ま
しい。
【0020】本発明では記録層、保護層、反射層の形成
方法については公知の方法、例えば真空蒸着、スパッタ
リング、イオンビームスパッタリング、イオンビーム蒸
着、イオンプレーティング、電子ビーム蒸着、プラズマ
重合等の方法を目的、材料等に応じて適宜採用すること
ができる。本発明の光ディスク媒体において、光学情報
記録膜が設けられる基板としては、例えばガラス板やガ
ラス板上に光硬化樹脂を設けたもの、あるいはポリカー
ボネート、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレ
ンなどのプラスチック基板、アルミニウム合金などの金
属板などが用いられる。
【0021】
【実施例】
【0022】
【実施例1〜4 比較例1〜4】次に実施例により本発
明をさらに詳細に説明する。図4に示すような1.0μ
m案内溝を設けた清浄な0.6mm厚のポリカーボネー
ト基板4の上に、厚さ180nmのZnS- SiO2
らなる保護層2、厚さ25nmのSb21Te54Ge25
金の記録層1、厚さ12nmのZnS- SiO2 からな
る保護層3、および厚さ100nmのAlTi合金から
なり、組成比を任意に変えた反射層5を、順次スパッタ
リング法により成膜して積層し、さらに反射層5の表面
を紫外線硬化型樹脂で被覆することにより相変化型光デ
ィスクを作製した。このようにして作製した片面ディス
クを二枚、基板を両外側にしてホットメルト接着剤で接
着することにより、全面密着構造の相変化型光ディスク
とした。
【0023】このようにして得られた各相変化型光ディ
スクを駆動装置(レーザ光の波長λ=680nm、対物
レンズの開口数NA=0.6)にかけ、図5に示すよう
なパワー変調されたレーザ光を照射して特性評価を実施
した。図5においてPpは記録(アモルファス化)に相
当するピークパワー、Pbは消去(結晶化)に相当する
バイアスパワー、Prは再生レベルのリードパワーを示
す。
【0024】記録特性は、線速度8m/sで回転させ、
記録周波数7.6MHz,パルス幅40nsの信号を記
録し、C/N比が40dBを超えるのに必要なピークパ
ワーを記録感度として評価した。また、消去特性は、線
速度20m/sで回転させ、記録周波数18.9MHz
の信号をC/N比が最大となるピークパワーで記録した
後、記録周波数7.1MHzの信号をバイアスパワーを
変化させてオーバーライトした時の消去比を評価した。
さらに、繰り返し耐久性は、熱的ダメージの大きい線速
度8m/sにて、記録周波数7.6MHzの信号を同一
トラックに対して何回も繰り返しオーバーライトし、C
/N比が初期から3dB低下するオーバーライト回数を
繰り返し可能回数として評価した。
【0025】表1に反射層5として用いたAlTi合金
の組成に対する、熱伝導率、記録特性および消去特性を
示す。熱伝導率の測定に当たっては、各AlTi合金を
単層のまま石英ガラス上に約10μmの厚さでスパッタ
リング法により成膜し、光交流法により熱拡散率および
体積比熱を実測して熱伝導率を算出した。表1に示した
結果から、反射層5の熱伝導率に対する記録感度の変化
を図6に示す。比較例1、 2にみられるように、反射層
5の熱伝導率が0. 03cal/cm・s ・ k より大きい場合
は、放熱効果が大きく、繰り返し耐久性は強いものの、
線速度8m/sにおいて記録感度が8mW以上と低感度
となってしまい好ましくない。また、比較例4に示すよ
うに、熱伝導率が0.007cal/cm・ s ・ k のAlTi
X を反射層5に用いた場合は、ヒートフローが不十分
なため繰り返しオーバーライトにおいて記録層の熱劣化
が大きく、繰り返し耐久性が大幅に弱くなる。また、A
lTiOxの場合は、最大消去比が20dB以下と低下
がみられる。これは、反射層5の熱伝導率が低い場合
は、蓄熱効果が大きくレーザ走査方向に対して垂直な方
向にグルーブからはみ出したアモルファスピットが形成
され、消去後でもアモルファス残りが存在する、あるい
は低熱伝導率の場合には結晶化温度以上の保持時間が短
くなるためと考えられる。
【0026】次に実施例1〜4として、反射層5の熱伝
導率が0.008〜0.03cal/cm・ s ・ k の範囲にあ
るディスク特性を示す。記録感度が8mW以下と良好で
あり、消去比も20dB以上得られている。また、20
万回の繰り返し耐久性があり、好感度かつ繰り返し耐久
性良好とバランスのとれた特性が得られていることがわ
かる。
【0027】これらの結果より、反射層5に用いられる
熱伝導率の範囲は0.008〜0.03cal/cm・ s ・ k
の間に設定するのが好ましいことがわかった。AlTi
合金のAl含有量に対する熱伝導率の変化を図7に示
す。反射層5に用いる材料の好ましい熱伝導率範囲0.
008〜0.03cal/cm・ s ・ k に対応するAlTi合
金中のAlの含有量は1 0〜80at%である。
【0028】
【比較例5】比較例5として反射層5の材料にAl98
2 を用い、さらに保護層3と反射層5の膜厚を変化さ
せたときの記録特性、消去特性を調べた。なお、Al98
Ti 2 の熱伝導率は0.134cal/cm・ s ・ K である。
図8に保護層3と反射層5の各膜厚に対する記録感度
を、また、図9に消去特性として各膜厚に対する最大消
去比を示す。これらの結果より、記録感度が8mW以下
で、かつ最大消去比が20dB以上となる両立範囲は存
在していないことがわかった。これは、保護層3の膜厚
が厚い範囲(>15nm)では記録層の蓄熱効果が大き
く、記録感度は向上できるものの、消去の際にアモルフ
ァス残りが存在し消去比がとれなくなるといった現象が
発生していると考えられる。
【0029】また、保護層3の膜厚が薄い範囲では、消
去特性は良好であるが、熱が熱伝達層を兼ねている反射
層5に一気に逃げてしまうため記録感度が悪く、ピーク
パワー8mWでは十分な記録ができていない。これらの
結果より、反射層5の材料として熱伝導率の高い材料を
用いた場合には、保護層3および反射層5の膜厚でヒー
トフローを調整するだけでは、記録感度と消去特性の両
方が良好となる領域は得られず、材料の熱伝導率を所定
の範囲に設定する方が有用であることがわかる。
【0030】
【実施例5〜7 比較例6、7】1.0μm案内溝を設
けた清浄な0.6mm厚のポリカーボネート基板4の上
に、厚さ180nmのZnS- SiO2 からなる保護層
2、厚さ25nmのSbTeGe合金薄膜から成り、そ
の組成比を所定の値に変化させた記録層1、厚さ12n
mのZnS- SiO2 からなる保護層3、および厚さ1
00nmのAl60Ti40合金からなる反射層5を、順次
スパッタリング法により成膜して積層し、さらに実施例
1と同様な紫外線硬化型樹脂による被覆、および貼り合
わせを行い全面密着構造の相変化型光ディスクとした。
【0031】このようにして得られた各相変化型光ディ
スクを実施例1の評価条件と同様な方法(記録特性は線
速度8m/s、消去特性は線速度20m/s)で、記録
パワー12mWにおけるC/N比および100回記録後
の最大消去比を評価した。その結果を表2に示す。実験
に用いた記録層の組成比において、Te比が増加する
程、Sb2 Te3 −GeTeを結んだ化合物ラインに近
ずいており、それに伴って結晶化スピードも速くなって
いる。
【0032】比較例6、7に示した組成は、線速度20
m/sにおける消去比が20dB以下と十分でない。レ
ーザ光をDC発光させ数回照射すると、消去比も徐々に
良くなってくるため、これは結晶化スピ−ドの不足が原
因であると考えられる。一方、実施例5〜7に示す組成
を用いた場合には、線速度20m/sという非常に高速
な条件下でも20dB以上の良好な消去比が得られてお
り、十分な結晶化スピードを有していることがわかる。
また、8m/sにおけるC/N比も50dB以上得られ
ており、アモルファス化についても十分な特性であると
いえる。
【0033】
【実施例8】1.0μm案内溝を設けた清浄な0.6m
m厚のポリカーボネート基板4の上に、厚さ180nm
のZnS- SiO2 からなる保護層2、厚さ25nmの
Sb 21Te54Ge25合金の記録層1を設け、さらに所定
の膜厚に変化させたZnS-SiO2 からなる保護層
3、およびAl60Ti40合金からなる反射層5を、順次
スパッタリング法により成膜して積層し、実施例1と同
様に紫外線硬化型樹脂によ る保護コート、次いで貼り
合わせを施し全面密着構造の相変化型光ディスクとし
た。 このようにして得られた各膜厚からなる相変化型
光ディスクを実施例1の評価条件と同様な方法(記録特
性は線速度8m/s、消去特性は線速度20m/s)
で、記録感度および消去特性を評価した。
【0034】図10に記録感度の保護層3および反射層
5の膜厚依存性を示す。記録感度は、保護層3の膜厚が
厚い程、また反射層5の膜厚が薄いほど良くなってお
り、これは熱のヒートフローと大きく関係している。ま
た、図11に最大消去比の保護層3および反射層5の膜
厚依存性を示す。消去特性は保護層3の膜厚に大きく依
存しており、保護層3の膜厚が15nm以下で良好な特
性を示している。これは、保護層3の膜厚が薄くなると
結晶化温度以上に保持される時間が長くなること、ま
た、保護層3の膜厚が厚い領域では消去の際アモルファ
ス残りが存在しやすいことなどが考えられる。
【0035】また、各ディスクの繰り返し耐久性を測定
した。繰り返し耐久性は線速度8m/sにおいて記録周
波数7.6MHzの信号を繰り返しオーバーライトし、
C/N比が初期値より3dB低下するまでの回数を評価
した。結果を図12に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、従来より速い線速度領
域においても良好な記録、消去特性を得ることができ、
さらに繰り返し耐久性にも優れたバランスのとれた相変
化型光ディスク媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における記録層の材料を構成する各元素
の組成比を示す三角グラフである。
【図2】本発明の相変化型光ディスクの一例を示す断面
図である。
【図3】保護層の膜厚が消去時に及ぼす影響を示す説明
図である。
【図4】本発明の実施例に用いた相変化型光ディスクの
基板の概略図である。
【図5】レーザ光のパワー変調波形を示すグラフであ
る。
【図6】反射層の熱伝導率に対する記録感度の関係の例
を示すグラフである。
【図7】AlTi合金のAl含有量に対する熱伝導率の
関係の例を示すグラフである。
【図8】反射層と保護層の膜厚に対する記録感度の関係
の例を示すグラフである。
【図9】反射層と保護層の膜厚に対する最大消去比の関
係の例を示すグラフである。
【図10】反射層と保護層の膜厚に対する記録感度の関
係の例を示すグラフである。
【図11】反射層と保護層の膜厚に対する最大消去比の
関係の例を示すグラフである。
【図12】反射層と保護層の膜厚に対する繰り返し可能
回数の関係の例を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも記録層および反射層
    を有し、相変化による光学定数の変化を利用して情報を
    記録する光記録媒体において、反射層がTiおよびAl
    を主成分とするAl含有量が原子量比10〜80at%
    の組成で構成され、記録層がSbTeGe合金であっ
    て、その元素組成比がSb、Te、Geを頂点とする三
    角図において原子量比でA(Sb32Te58Ge10)、 B
    (Sb34Te56Ge10)、 C(Sb10Te50Ge40)、
    D(Sb8 Te52Ge40)に囲まれた4角形の内側から
    選ばれる範囲であることを特徴とする相変化型光ディス
    ク媒体。
  2. 【請求項2】 記録層の両側に保護層を有する光記録媒
    体であって、、基板側の保護層膜厚が50〜300n
    m、記録層の膜厚が15〜35nm、反射層側の保護層
    膜厚が3〜15nm、反射層膜厚が100〜250nm
    である請求項1記載の相変化型光ディスク媒体。
JP6011200A 1994-02-02 1994-02-02 相変化型光ディスク媒体 Withdrawn JPH07220303A (ja)

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