JPH07214723A - 熱遮蔽材料 - Google Patents
熱遮蔽材料Info
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- JPH07214723A JPH07214723A JP6012670A JP1267094A JPH07214723A JP H07214723 A JPH07214723 A JP H07214723A JP 6012670 A JP6012670 A JP 6012670A JP 1267094 A JP1267094 A JP 1267094A JP H07214723 A JPH07214723 A JP H07214723A
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Abstract
ることができ、ガスタービンエンジンの燃焼器・静翼・
動翼、次世代の超音速機用機体・エンジン構造材料な
ど、極めて高い熱負荷を受け、かつ大きな熱応力を生じ
ることが予想される遮熱部材として使用しても優れた性
能を発揮する熱遮蔽材料を提供する。 【構成】 最表層を複合セラミックス層とし、金属基材
に接する層を金属のみの金属層で構成し、上記複合セラ
ミックス層と金属層との中間層をセラミックスと金属の
複合材料で構成し、複合セラミックス層から中間層を経
て金属層に至る組成の線膨張係数を、熱遮蔽材料内の熱
応力を最小ならしめるように連続的に変化させている。
Description
の燃焼器・静翼・動翼、次世代の超音速機用機体・エン
ジン構造材料など、極めて高い熱負荷を受け、かつ大き
な熱応力を生じることが予想される遮熱部材への適用を
目的とした熱遮蔽材料に関するものである。
の表面に、プラズマ溶射により熱遮蔽性セラミックスコ
ーティングを施し、熱流束レベルの低減による構造部材
の長寿命化を意図する方法は公知である。例えば、金属
基材の表面に、まず100μm厚程度のボンドコート
(例えば、Ni・Co等の金属とCr・Al・Yの合金
からなるもの、以下この合金を「MCrAlY」とい
う)を施し、このボンドコートの上に200μm厚程度
の遮熱層たる完全安定化ジルコニアまたは部分安定化ジ
ルコニア(以下、単に「ジルコニア」という)をプラズ
マ溶射または電子ビームPVDによりコートする、「二
層コーティング」が知られている。しかし、この場合の
ジルコニアの最高表面温度は約1020℃程度、ボンド
コートとジルコニアとの界面温度は約920℃程度であ
ると推定され、遮熱層内の温度落差は100K程度であ
る。温度落差は遮熱性能の指標となるパラメータであっ
て、温度落差が大きいほど遮熱性能は高いといえる。そ
こで、この温度落差を大きくするためにジルコニアコー
ティングの厚さを200μm以上にすると、ジルコニア
層とボンド層界面への熱応力集中によりコーティング層
が剥離するため、二層コーティングによる熱遮蔽材内の
温度落差は100K程度が限界であった。
化して高い温度落差を得ようとすると、ジルコニア層と
ボンド層界面での膨張率ミスマッチに基づく熱応力破壊
が問題となったので、これを回避する手段として、最表
面のジルコニア層と内側の金属ボンド層(MCrAl
Y)との間に、両者が組成比で50%づつ混合された層
を挿入する構造(三層コーティング)や、最表面のジル
コニア層から内側の金属ボンド層へと組成が連続的に変
化する傾斜機能材料(以下「FGM」という)が提案さ
れている。例えば、米国特許第4248940号には、
「最表面をジルコニア単独層とし、ボンドコートをコバ
ルト、鉄、ニッケルまたはニッケル−コバルト合金の中
のいずれかと、10〜25%のクロムと、10〜18%
のアルミニウムと、1%以下のイットリムの合金で構成
し、ジルコニア単独層とボンドコートの間において、こ
れら両層の成分を連続的に変化せしめるように構成した
熱遮蔽材料」が開示されている。
たように、ジルコニア/MCrAlYの二層コーティン
グでは、熱応力によるコーティング層の剥離を防止する
観点から熱遮蔽材料の厚さは限界に達しており、熱遮蔽
材内の温度落差は100Kが上限である。従って、二層
コーティングでは、将来のガスタービンエンジンのター
ビン入口温度の高温化に代表されるような実機使用条件
の過酷化に対して、その要求に充分に応えることはでき
ない。
遮蔽材内の温度落差が大きくなるため遮熱性能は向上す
るが、逆にこの大きな温度勾配に起因して高温ガス側表
面(セラミックス層)に縦亀裂が発生したり、剥離が生
じることがある。これは、高温側表面と低温の内側(金
属基材側)との間の熱膨張量に差異があるため、低温の
金属基材側に比して高温のセラミックス側でより大きな
熱膨張歪を発生し、極めて大きな圧縮応力下に置かれる
結果である。この傾向は、最表面層のセラミックスとし
て金属材料に近い線膨張係数を有する材料(例えばジル
コニア、その線膨張係数は約11×10-6/kである)
を用いた場合において特に顕著になる。
セラミックコーティングを施す場合、コーティング層の
剥離防止のためにセラミックコーティングの線膨張係数
を金属基材の線膨張係数に近似させるのが基本的な考え
方であるが、温度落差を大きくするために熱遮蔽材料の
厚みを増加した場合、熱遮蔽材料の最高表面温度と金属
基材表面温度がかなり異なるため、両者の線膨張係数が
近似していると、熱遮蔽材料と金属基材の温度差がその
まま両者の熱膨張量の差となって現れ、大きな熱膨張歪
を発生することになるのである。
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、遮熱
性能に優れているとともに超高温に耐えることができる
熱遮蔽材料を提供することにある。また、本発明の目的
は、ガスタービンエンジンの燃焼器・静翼・動翼、次世
代の超音速機用機体・エンジン構造材料など、極めて高
い熱負荷を受け、かつ大きな熱応力を生じることが予想
される遮熱部材として使用しても優れた性能を発揮する
熱遮蔽材料を提供することにある。
に、本発明の熱遮蔽材料は、金属基材を被覆するもので
あって、最表層を複合セラミックス層とし、金属基材に
接する層を金属のみの金属層で構成したものである。
被覆するものであって、最表層を複合セラミックス層と
し、金属基材に接する層を金属のみの金属層で構成し、
上記複合セラミックス層と金属層との中間層をセラミッ
クスと金属の複合材料で構成し、複合セラミックス層か
ら中間層を経て金属層に至る組成の線膨張係数を、熱遮
蔽材料内の熱応力を最小ならしめるように連続的に変化
させたものである。
くは部分安定化ジルコニアと8.0×10-6/K以下の
線膨張係数を有する酸化物を有し且つ該複合セラミック
スの線膨張係数が完全安定化もしくは部分安定化ジルコ
ニアの線膨張係数以下であるのが好ましい。さらに、複
合セラミックスの線膨張係数は、8.0×10-6〜1
0.5×10-6の範囲にあるのが特に好ましい。
ニアの安定化成分は、Y2 O3 、Yb2 O3 、CeOま
たはMgOの中の1種以上を使用することができる。ま
た、上記ジルコニア中の安定化成分の比率は、6〜20
重量%であるのが好ましい。
する酸化物は、アルミノシリケートガラス、ボロシリケ
ートガラス、五酸化タンタル(Ta2 O5)、五酸化ニオ
ブ(Nb2 O5)、五酸化バナジウム(V2 O5)、燐酸ジ
ルコニル((ZrO)2 P2O7)、チタン酸アルミニウ
ム(TiO2 ・Al2 O3)、ムライト(3Al2 O3・
2SiO2)またはスピネル(MgO・Al2 O3)のいず
れかであるのが好ましい。上記アルミノシリケートガラ
スは、コーディエライト(2MgO・2Al2O3 ・5
SiO2)、β−スポデューメン(Li2 O・Al2 O3
・4SiO2)またはベリル(3BeO・Al2 O3 ・6
SiO2)の中の1種以上からなるのが好ましい。
を被覆するものであって、最表層を完全安定化もしくは
部分安定化ジルコニアにコーディエライトを添加した複
合セラミックス層とし、金属基材に接する層を金属のみ
の金属層で構成したものである。
被覆するものであって、最表層を完全安定化もしくは部
分安定化ジルコニアにコーディエライトを添加した複合
セラミックス層とし、金属基材に接する層を金属のみの
金属層で構成し、上記複合セラミックス層と金属層との
中間層を完全安定化もしくは部分安定化ジルコニア層と
したものである。
金属層で構成されているので、熱膨張ミスマッチによる
熱応力の発生する恐れはない。また、複合セラミックス
層から中間層を経て金属層へと、化学組成を制御するな
どの手段によって、線膨張係数を変化させることによ
り、熱遮蔽層内の熱応力を最小ならしめることが可能と
なる。また、複合セラミックスが、完全安定化もしくは
部分安定化ジルコニアと、8.0×10-6/K以下の線
膨張係数を有する酸化物を1種以上有し且つ該複合セラ
ミックスの線膨張係数を完全安定化もしくは部分安定化
ジルコニアの線膨張係数以下とすることで、ジルコニア
のもつ低熱伝導特性が生かせ、熱遮蔽材料内に大きな温
度勾配が生じても、高温側と低温側の熱膨張量の差を小
さくすることができる。完全安定化もしくは部分安定化
ジルコニア中の安定化成分の比率を、6〜20重量%と
することで、ジルコニアの安定化が図れる。アルミノシ
リケートガラスは一般的に線膨張係数が小さく、腐食成
分および酸素透過に対する抵抗性が高い。五酸化金属
(Ta2 O5 、Nb2 O5 、V2 O5)は低熱膨張物質で
あり、ジルコニアの酸素透過抵抗性を高める作用をす
る。燐酸ジルコニル、チタン酸アルミニウム、ムライト
およびスピネルはいずれも低熱膨張物質であり、ジルコ
ニアと併用することで、複合セラミックスの熱膨張量を
抑えることができる。
コーティングに代表される従来の熱遮蔽材の熱遮蔽特性
を大幅に向上させる材料の探索を以下の手順で行ったの
で、順次説明する。
性能 (a) ベース材料として、ガスタービンの遮熱コーティン
グで用いられている熱遮蔽材料(ジルコニア/NiCo
CrAlY:二層コーティング)の『NiCoCrAl
Y』を『NiCr』で代替したジルコニア/NiCr系
FGMについて、等しい熱遮蔽特性を有し且つ組成分布
が異なる複数のFGMを選定するために、数値解析によ
り、図1に示すような組成分布と材料厚さのFGMを得
た。図1(a) 〜(c) において、最表面層Sの100容積
%ジルコニアから内側Uの100容積%NiCrまで、
10容積%づつその組成が変わっており、縦軸方向Lは
厚みを示し、横軸方向Hは組成割合を示す。図1(a)
は、全厚みが2.980mmであり、組成分布の特徴は、
ある層の厚さtiに対する隣接する低温側の層の厚さt
i+1 の比d値(ti+1 /ti 、以下「組成分布パラメー
タ」という)を0.8としたものである。以下、図1
(a)の組成分布を有する材料を『YSZ0.8』と表示
する。図1(b) は、全厚みが3.504mmであり、上記
d値を1.0としたものであり、図1(c) は、全厚みが
4.090mmであり、上記d値を1.2としたものであ
る。以下、図1(b) 、図1(c) の組成分布を有する材料
を、それぞれ『YSZ1.0』、『YSZ1.2』と表
示する。図1(a) 〜(c) において、100容積%ジルコ
ニアと100容積%NiCrの厚みはすべて同じであ
り、それぞれ200μm、1000μmである。これ
ら、『YSZ0.8』〜『YSZ1.2』のFGMは、
粉末焼結法により作製した。
に示すような熱遮蔽特性図を得た。図2において、縦軸
は厚み(mm)を示し、横軸は熱伝導率(W/mK)を示
し、傾きは、熱抵抗特性(遮熱性能)を示す。同図に示
されているように、『YSZ0.8』〜『YSZ1.
2』の5点は略同一直線上にあると思われ、これらの材
料の遮熱性能は略同等であることが分かる。すなわち、
セラミックスリッチな『YSZ0.8』は有効熱伝導率
が低いため、同一遮熱性能の金属リッチな『YSZ1.
2』に比して、全体厚さを薄くすることができるのであ
る。
Z0.8』〜『YSZ1.2』の間において、耐熱衝撃
限界表面温度を測定すると、最も高い耐熱衝撃限界表面
温度を示したのは、『YSZ0.8』であり、推定ガス
温度2015℃において、セラミックス表面温度114
0℃、金属表面温度765℃、FGM内温度落差は37
5Kであった。
熱負荷を与えると、いずれの材料についても垂直亀裂の
発生が確認され、最表面層(ジルコニア100%層)が
脱落(スポーリング)した。熱応力解析により、垂直亀
裂・スポーリングの発生は、それぞれ損傷の発生時期、
メカニズムともに異なるが、いずれの場合においても、
加熱段階で最表面層に生じる強大な面内圧縮応力がその
損傷の主たる原因となっていることが判明した。
わち,面内圧縮歪を最小にする条件を数値解析により求
めた。そこで、その手法を以下に簡単に説明する。FG
Mをn層積層板とみなし、面外変形を拘束し、片面を一
様に加熱し、他面を冷却して板厚方向に温度勾配を与え
た場合、加熱側最表面層であるセラミックス層に生じる
全圧縮歪量Δεt-h は、 Δεt-h =(ΣEi ti ) -1ΣEi ti (αC ΔTC −αi ΔTi ) ・・ と表される(なお、i=1〜n)。 式において、各記号の意味は以下の通りである。 Ei =各層を構成する材料の弾性係数 αi =各層を構成する材料の線膨張係数 ti =各層の板厚 ΔTi =加熱に伴う各層の温度上昇値 αC =セラミックスの線膨張係数 ΔTC =最表面セラミックス層の加熱に伴う温度上昇値 式は、加熱過程における最表面層の圧縮歪が各層の板
厚、すなわちFGMの組成分布、弾性係数および線膨張
係数に依存していることを示している。そして、式を
用いた数値計算により、FGMを10層積層板とみな
し、以下の表1に示す組成分布パラメーター(d値)、
弾性係数、線膨張係数および熱伝導率を与えた場合にお
いて、各層の厚さをすべて0.5mmとした場合(d=
1.0)の熱抵抗係数5.9×10-4m2 K/Wを標準
値として、組成分布が変化してもその熱抵抗係数がすべ
てこの値に等しくなるようにFGM厚さを設定し(図1
参照)、加熱過程で最表面層に発生する全圧縮歪量Δε
t-h を計算した。なお、表面温度、裏面温度はそれぞれ
1100℃、700℃とし、材料内部の温度分布計算を
行った後に歪量を算出した。
ける表面の熱歪量に大きな影響を及ぼす物性因子は高温
側材料であるセラミックスの線膨張係数であり、組成分
布パラメーター(d値)や弾性係数とFGMの熱歪量と
の間には顕著な相関関係は見られなかった。図3は、セ
ラミックスの線膨張係数(縦軸、10-6/K)と、FG
M加熱側表面の全圧縮歪量(横軸)との関係を示す図で
ある。同図に示すように、線膨張係数が約8.0×10
-6〜10.5×10-6であるセラミックスを高温側材料
として採用することにより、加熱過程での全圧縮歪量を
著しく減少しうることが分かる。
て線膨張係数が低い材料を高温側(セラミックス層)に
適用することにより、加熱時の圧縮歪を低減しうること
が分かったので、ジルコニアの優れた熱遮蔽特性(低熱
伝導性)を犠牲にすることなく、その線膨張係数を低減
させるために、代表的な低熱膨張セラミックスであるコ
ーディエライトを30容積%添加したジルコニア(C7
Z)と、コーディエライトを60容積%添加したジルコ
ニア(C4Z)をホットプレス焼結により作製し、その
複合セラミックスの線膨張係数を測定した。その結果を
図4に示す。なお、図4には、ジルコニア100容積%
のYSZとハステロイXの線膨張係数も同時に示した。
図4において、縦軸は線膨張係数であり、横軸は温度で
ある。同図に明らかなように、C7Zの線膨張係数は、
測定温度200〜1200℃において、8.0×10-6
〜9.0×10-6/Kの範囲にあり、上記した好ましい
線膨張係数の範囲を満足することが分かる。また、ジル
コニア、コーディエライトともに、NiCrとの高温反
応はなく、ジルコニア−コーディエライト/金属系FG
Mとした場合の化学的安定性にも問題のないことを、X
線回折およびX線マイクロアナライザ分析により確認し
た。
同等の熱遮蔽特性を有する『30%コーディエライト−
ジルコニア(C7Z)/NiCr系FGM』と『YSZ
0.8〜YSZ1.2』を作製し、その耐熱衝撃特性を
評価した。その結果を図5に示す。図5において、縦軸
はセラミックス表面最高温度であり、横軸はガス温度で
ある。同図に明らかなように、損傷が観察されない最高
熱負荷条件(推定ガス温度2190℃)では、C7Z
1.1のセラミックス表面温度は1260℃を示し、最
も良かった。また、そのときの金属表面温度は900℃
であり、FGM内温度落差は360Kであった。これ
は、ジルコニア/NiCr系FGMの場合に比して、ガ
ス温度で175℃、セラミックス表面温度で120℃高
い熱負荷条件に耐えうることを示している。また、金属
温度900℃は実機適用材料の観点から問題のないレベ
ルである。なお、C7Z1.1、C7Z1.2の『1.
1』と『1.2』は、組成分布パラメータ(d値)を示
す。また、図5に明らかなように、C7Z/NiCr系
FGMは、ジルコニア/NiCr系FGMの場合と異な
り、損傷が観察されない熱負荷条件以上の高熱負荷を与
えてもスポーリングには至らず、微細な垂直亀裂(亀裂
幅10μm以下)を生じるか、または非常に微少な領域
での局所的な剥離を呈するにとどまり、これらの損傷が
それ以上に進展することはなかった。これは、このよう
な損傷が生じる温度領域でのコーディエライトの非晶質
特性によるものと考えられる。また、C7Z/NiCr
系FGMの一部の試料では、発生した垂直亀裂の自己修
復が観察された。さらに、この非晶質特性を有するコー
ディエライトの存在により、ボンドコートおよび金属基
材の酸化低減が期待できる。
いるので、以下の効果を奏する。 本発明に係る熱遮蔽材料は遮熱性能に優れていると
ともに超高温に耐えることができるので、ガスタービン
エンジンの燃焼器・静翼・動翼、次世代の超音速機用機
体・エンジン構造材料など、極めて高い熱負荷を受け、
かつ大きな熱応力を生じることが予想される遮熱部材と
して好適に使用することができる。
性能に優れているとともに超高温に耐えることができる
ので、ガスタービンエンジンの燃焼器等の極めて高い熱
負荷を受ける部材として使用しても、その優れた遮熱性
能により、冷却負荷の低減または冷却構造の簡略化によ
る加工コストの低減が可能となる。 また、本発明に係る熱遮蔽材料に極めて高い熱負荷
が課されることにより損傷が生じても、複合セラミック
ス中のガラス質の非晶質特性により、微細な垂直亀裂か
局所的な剥離にとどまり、それ以上に損傷が進展するこ
とはない。
GMの組成分布と材料厚さの関係を示す図である。
す図である。
面の全圧縮歪量との関係を示す図である。
図である。
す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 金属基材を被覆する熱遮蔽材料であっ
て、最表層を複合セラミックス層とし、金属基材に接す
る層を金属のみの金属層で構成したことを特徴とする熱
遮蔽材料。 - 【請求項2】 金属基材を被覆する熱遮蔽材料であっ
て、最表層を複合セラミックス層とし、金属基材に接す
る層を金属のみの金属層で構成し、上記複合セラミック
ス層と金属層との中間層をセラミックスと金属の複合材
料で構成し、複合セラミックス層から中間層を経て金属
層に至る組成の線膨張係数を、熱遮蔽材料内の熱応力を
最小ならしめるように連続的に変化させたことを特徴と
する熱遮蔽材料。 - 【請求項3】 複合セラミックスが、完全安定化もしく
は部分安定化ジルコニアと8.0×10-6/K以下の線
膨張係数を有する酸化物を有し且つ該複合セラミックス
の線膨張係数が完全安定化もしくは部分安定化ジルコニ
アの線膨張係数以下であることを特徴とする請求項1ま
たは2記載の熱遮蔽材料。 - 【請求項4】 完全安定化もしくは部分安定化ジルコニ
アの安定化成分が、Y2 O3 、Yb2 O3 、CeOまた
はMgOの中の1種以上からなることを特徴とする請求
項3記載の熱遮蔽材料。 - 【請求項5】 完全安定化もしくは部分安定化ジルコニ
ア中の安定化成分の比率が、6〜20重量%であること
を特徴とする請求項3または4記載の熱遮蔽材料。 - 【請求項6】 8.0×10-6/K以下の線膨張係数を
有する酸化物は、アルミノシリケートガラス、ボロシリ
ケートガラス、五酸化タンタル(Ta2 O5)、五酸化ニ
オブ(Nb2 O5)、五酸化バナジウム(V2 O5)、燐酸
ジルコニル((ZrO)2 P2 O7)、チタン酸アルミニ
ウム(TiO2 ・Al2 O3)、ムライト(3Al2 O3
・2SiO2)またはスピネル(MgO・Al2 O3)のい
ずれかであることを特徴とする請求項3記載の熱遮蔽材
料。 - 【請求項7】 アルミノシリケートガラスは、コーディ
エライト(2MgO・2Al2 O3 ・5SiO2)、β−
スポデューメン(Li2 O・Al2 O3 ・4SiO2)ま
たはベリル(3BeO・Al2 O3 ・6SiO2)の中の
1種以上からなることを特徴とする請求項6記載の熱遮
蔽材料。 - 【請求項8】 金属基材を被覆する熱遮蔽材料であっ
て、最表層を完全安定化もしくは部分安定化ジルコニア
にコーディエライトを添加した複合セラミックス層と
し、金属基材に接する層を金属のみの金属層で構成した
ことを特徴とする熱遮蔽材料。 - 【請求項9】 金属基材を被覆する熱遮蔽材料であっ
て、最表層を完全安定化もしくは部分安定化ジルコニア
にコーディエライトを添加した複合セラミックス層と
し、金属基材に接する層を金属のみの金属層で構成し、
上記複合セラミックス層と金属層との中間層を完全安定
化もしくは部分安定化ジルコニア層としたことを特徴と
する熱遮蔽材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6012670A JP2575286B2 (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 熱遮蔽材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6012670A JP2575286B2 (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 熱遮蔽材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07214723A true JPH07214723A (ja) | 1995-08-15 |
JP2575286B2 JP2575286B2 (ja) | 1997-01-22 |
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ID=11811817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP6012670A Expired - Fee Related JP2575286B2 (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 熱遮蔽材料 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2575286B2 (ja) |
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