JPH07214440A - ブレード等弾性特性加工品のチャッキング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 各種ブレード、長尺変形加工品等のブレード
等弾性特性加工品のチャッキング装置に関する。 【構成】 担持台７に設けられたクランプベースに昇降
自在で、かつバネ弾性を介して昇降状態に保持される複
数のクランプピン、その昇降を停止するストッパーピ
ン、ストッパーピンを作動させる圧油装置等の駆動源で
なる第１のフローティングクランプＢと、担持台７に設
けられ、かつ第１のフローティングクランプＢに対設さ
れた閉塞型の油圧室２２ａ、及びこれに設けられた単独
で昇降する複数のクランプピン２２ｂでなる第２のフロ
ーティングクランプＣと、で構成される。 【効果】 ブレードの形状を変形させることなく、適宜
の弾性圧で確実かつ安定的に保持できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、各種ブレード、長尺変
形加工品等のブレード等弾性特性加工品のチャッキング
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ブレード等弾性特性加工品（以
下、代表例として、ブレードで説明する。）の端面（翼
底端面、翼頂端面等を云う。）に各種加工、例えば、切
削、研磨加工等（以下、単に切削加工又は切削とす
る。）をする場合、当該ブレードを、切削加工抵抗に対
応して、的確にチャッキングする必要がある。しかしな
がら、周知の如く、当該ブレードはそのチャッキング力
が僅かに強すぎても、変形状態となり易いことから、か
なり神経質に、かつ複数のチャッキング用の係止具を介
してチャッキングするか、又は当該ブレードの中間部位
の数個所において、前記チャッキングを施す等の方法を
介して支持する等のチャッキング装置が一部で採用され
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】以上で詳述するチャッ
キング装置は、係止具が弾性的にブレードを挟持しない
ことから、挟持されたブレードの全体形状又は部分的な
形状が変形し、当該ブレードを正確にチャッキングする
ことができない。それがため、例えば、ブレードの端面
の正しい切削が不可能であり、機能・品質の低下、又は
再修理・再切削等の再加工の必要性、又はこれらに基づ
く種々の弊害が考えられる。また前記チャック装置によ
り正確なチャッキング並びに加工を達成するには、当然
のことながら、高度の熟練並びに作業時間を要する等の
課題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記に鑑み、本発明は、
ブレードの形状を変形させることなく、確実かつ安定的
に挟持（保持）し得ること、また少なくとも一方の端面
を一つのチャッキング装置にて変形せず、かつ的確に挟
持すること、等を目的として下記の構成を採用する。

【０００５】即ち、本発明のブレード等弾性特性加工品
のチャッキング装置は、ブレード等弾性加工品の少なく
とも一方側をチャッキングするチャッキング装置であっ
て、当該チャッキング装置は、担持台に設けられたクラ
ンプベースに昇降自在で、かつバネ弾性を介して昇降状
態に保持される複数のクランプピン、及び当該複数のク
ランプピンの前記昇降を停止するストッパーピン、当該
ストッパーピンの作動させる圧油装置等の駆動源でなる
第１のフローティングクランプと、前記担持台に設けら
れ、かつ前記第１のフローティングクランプに対設され
た閉塞型の油圧室、及び当該油圧室に設けられた単独で
昇降する複数のクランプピンでなる第２のフローティン
グクランプと、で構成されている。

【０００６】

【作用】次に本発明の作用を説明する。先ず、ブレード
の一方側、（例えば、翼底）を咬込み式チャッキング装
置を保持することにより、ブレードの一方側（例えば、
翼底）がチャッキング（支持）される。そこで、続いて
ブレードの他方側（例えば翼頂のやや内側、以下原則と
して翼頂とする。）をチャッキングするが、当該チャッ
キングに先立ち、当該他方側の他面を第１のフローティ
ングクランプの挿設孔（チャンバー）内にある各クラン
プピンが、当該ブレードの面形状に対応して斜め方向に
上下し（移動方向の一例であり、他に水平、傾斜、垂直
等有り。）、例えば、図４の如く、適宜状況となる。そ
の後、駆動ネジ（駆動源）の調整により第１のフローテ
ィングクランプに設けたシリンダー室の油圧を加圧（押
圧）して、当該シリンダー室に内設されているストッパ
ーピンは、バネを押圧しながら前進し、前進位置で当該
ストッパーピンが前記適宜状況下にある各クランプピン
をその横方向より押圧し、当該各クランプピンをチャン
バーの壁面と当該ストッパーピンで挟持し、前記斜め方
向に上下移動した所定位置を決定する。

【０００７】そして、続いて第２のフローティングクラ
ンプを作動させるが、この一例では、当該第２のフロー
ティングクランプは、他方台座に立上した支持台に揺動
自在に設けた揺動腕に設けられているので、当該揺動腕
を手動又は自動にて揺動させると、先ず、第２のフロー
ティングクランプの各クランプピンが、前記ブレードの
他方側の一面に添接される。この際、当該第２のフロー
ティングクランプの各クランプピンは、それぞれ単独で
昇降するので、その接触する各クランクピンから順次、
前記ブレードの一面に接触される。その後、当該揺動腕
を担持台に枢着した固定腕を介して、この担持台に固定
するとともに、当該揺動腕に設けた調整螺子を介して、
各クランクピンから順次、前記ブレードの一面を、ほぼ
直角方向より（面方向より）押圧するが、その押圧力は
油圧を介して、緩やかでかつ順次押圧していく。したが
って、当該ブレードの他面のある部位に、急激に押圧力
を付与せず、当該ブレードの変形を防止している。

【０００８】尚、ブレードの両面からのチャッキング
は、前述した第１及び第２のフローティングクランプで
支持される。しかしながら、あくまで第１及び第２のフ
ローティングクランプの対峙する各クランプピンの球面
部で挟持されることから、上下方向からの大きな衝撃に
対して、幾分弱く、例えば、前記衝撃（切削加工等によ
る加工抵抗）により、上下方向（本発明では、斜め上下
方向）に滑り及び／又フローティングクランプは移動す
る蓋然性が強い。以上のような課題を解消する目的で、
本発明では、例えば、前記切削加工による加工抵抗に対
応できない場合は、担持台に設けた一対の第１及び第２
ストッパー部材で、当該ブレードの他方側の上下端部を
固止するか、或いは更に台座の立上台に設けた単独の第
３ストッパー部材で、当該ブレードの他方側のやや内側
で、かつ下端部を固止するか、等の固止方法が採用され
る。

【０００９】以上で詳述した第１及び第２のフローティ
ングクランプで、当該ブレードの他方側の面方向を弾力
的に保持しつつ、第１〜第３ストッパー部材で、当該ブ
レードの他方側の上下端部を固止した状態で、例えば、
他方側の端面の切削加工をする。そして、当該切削加工
後の加工済みブレードの取外しは、前記支持方法の逆操
作及び手順を介して行われる。

【００１０】尚、以上はブレードの他方側のみをチャッ
キングする方法を説明したが、同様な操作及び手順を介
して、当該ブレードの他方側及び一方側を、同様な方法
でチャッキングする方法、又は中程を前記と同様な操作
及び手順を介して、当該ブレードの一方側のみを、前記
と同様な操作及び手順を介して、チャッキングする方法
等、本発明のチャッキングは、単独挟持使用、両端挟持
使用、中間挟持使用、等の方法が採用される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照にして
説明する。本発明は、ブレードＷの翼底Ｗ１をチャッキ
ングする周知の咬込み式チャッキング装置Ａ、同翼頂Ｗ
２をチャッキングする第１のフローティングクランプＢ
及び当該第１のフローティングクランプＢに対峙する第
２のフローティングクランプＣと、を主構成要素として
いる。

【００１２】そこで、先ず、咬込み式チャッキング装置
Ａにつき説明すると、当該咬込み式チャッキング装置Ａ
は、切削加工する加工機械のベース１の図１で向かって
左方に設けた一方台座２に立設した固定駒３と、当該固
定駒３に対峙する移動駒４と、当該移動駒４を作動させ
る作動部５と、を主構成要素とし、前記固定駒３と移動
駒４とで前記ブレードＷの翼底Ｗ１をチャッキングす
る。勿論、当該咬込み式チャッキング装置Ａは後述する
第１及び第２のフローティングクランプＢ、Ｃに置換さ
れる場合も有り得る。

【００１３】次に、第１のフローティングクランプＢに
つき説明すると、当該第１のフローティングクランプＢ
は、前記ベース１の図１で向って右方に設けた他方台座
６に立設した担持台７と、この担持台７に設けられ、し
かも一個又は数個の挿設孔８（挿設孔８にブロック又は
スペーサ等で区画されている。）及び当該各挿設孔８
（数個の場合を想定した。）の直交方向に連通される複
数の開口９並びに当該各開口９に連通されたシリンダー
室１０及び前記各挿設孔８の軸線方向の下方に連通され
る各ネジ孔１１を備えたクランプベース１２と、前記各
挿設孔８にそれぞれ移動可能（移動方向の限定なし。）
に挿設されたクランプピン１３と、当該各クランプピン
１３の直交方向側面に当接され、かつ前記各開口９及び
シリンダー室１０にそれぞれ挿設される各ストッパーピ
ン１４と、当該各ストッパーピン１４の復帰を司る当該
各ストッパーピン１４と各シリンダー室１０にそれぞれ
設けた各バネ１５と、前記各シリンダー室１０の油圧を
制御する駆動ネジ等の圧油装置でなる駆動源１６と、前
記各ネジ孔１１並びに前記各クランプピン１３の下部１
３ａに設けた挿設孔１３ｂにそれぞれ挿設され、かつ挿
設孔８よりの各クランプピン１３の脱抜を防止する各ク
ランプピン支持杆１７と、当該各クランプピン支持杆１
７と各クランプピン１３とをそれぞれ連係する各バネ１
８と、前記各クランプピン支持杆１７の脱抜を防止する
前記ネジ孔１１に螺着されるネジ１９と、で構成されて
いる。

【００１４】そして、当該各クランプピン１３は、ブレ
ードＷの他面Ｗ３に接触することにより押圧及び／又は
バネ１８の弾性を介して、斜め方向に上下動した適宜状
況に仮停止する。そこで、駆動源１６を作動してシリン
ダー室１０の油圧を作動（例えば、圧油作動）させる
と、当該シリンダー室１０に配備されている各ストッパ
ーピン１４をそれぞれ前進させる。これによって、前記
適宜状況に仮停止されている各クランプピン１３を横方
向より押圧して、当該各クランプピン１３を所定位置で
固定する。即ち、駆動源１６の調整により、各クランプ
ピン１３は前進した各ストッパーピン１４を介して、適
宜の位置に固定される。また駆動源１６の停止により、
各クランプピン１３は各ストッパーピン１４による規制
が解除され、当初のフリー状態に戻る。尚、駆動源１６
はネジ嵌合でクランプベース１２の側面側に設けられて
いる。そして、当該駆動源１６の作動（螺入）により図
示しないピストンがバネ（図示せず）を押圧して前進
し、逆に作動停止（螺戻）で、前記ピストンがバネの反
揆力で後退する構成となっている。図中１２ａはクラン
プベース１２の上板を示す。また各クランプピン１３の
数及び列設方式等は限定されない。

【００１５】続いて、第２のフローティングクランプＣ
につき説明すると、当該第２のフローティングクランプ
Ｃは、前記ベース１の図１で向って右方に設けた他方台
座６に立設した二股部２０ａを有する支持台２０と、こ
の支持台２０の二股部２０ａに枢支された揺動腕２１
と、この揺動腕２１に前後動可能に支持された油圧フロ
ーティングクランプ２２と、当該油圧フローティングク
ランプ２２を前後動させる調整螺子２３と、前記油圧フ
ローティングクランプ２２の前後動をガイドするガイド
ピン２４と、前記揺動腕２１を揺動前進限でかつ揺動腕
２１の二股部２１ａに固止される前記担持台７に枢着し
た固定腕２５と、を主構成要素とする。尚、油圧フロー
ティングクランプ２２は閉塞型の油圧室２２ａと、当該
油圧室２２ａに設けられた単独で昇降する複数のクラン
プピン２２ｂとで構成されており油圧室２２ａ内の油圧
の作動により各クランプピン２２ｂの動きが規制され
る。したがって、あるクランプピン２２ｂの一本又は数
本の押圧距離に即応して、他のクランプピン２２ｂが単
独又は全体で突出される構成と成っている。したがっ
て、調整螺子２３の螺入を介して揺動腕２１が揺動前進
限（図２の状態）に達すると、油圧フローティングクラ
ンプ２２のクランプピン２２ｂによりブレードＷの一面
Ｗ４は弾力的に支持され、かつ当該各クランプピン２２
ｂと前記第１のフローティングクランプＢの多数のクラ
ンプピン１３とで、当該ブレードＷを弾力的に支持す
る。尚、ブレードＷを取外す場合は、調整螺子２３を螺
戻して、揺動腕２１が後退限に達した段階で、当該揺動
腕２１を固定腕２５から取外し、ついで揺動腕２１を支
持台２０の後方に位置させると、ブレードＷの一面Ｗ４
は解放されるので、自由に取外しできる。そして最終的
には、前記咬込み式チャッキング装置Ａより一方側を取
外す作業が必要となる。

【００１６】なお、図中３０、３１、３２はそれぞれ第
１、第２、第３ストッパー部材を示しており、この内第
１ストッパー部材３０はブレードＷの他方側の上端部Ｗ
５に添接され、当該ブレードＷの図面上において斜め上
方への動きを規制する。具体的には前記担持台７の上方
に、かつほぼ水平方向に向って前後動自在に装置され、
止ネジ３００と長孔３０１を介して、その前後動位置が
調整される。また第２ストッパー部材３１は、ブレード
Ｗの他方側の下端部Ｗ６に添接され、当該ブレードＷの
図面上において斜め下方への動きを規制する。具体的に
は前後動自在に装置され、止ネジ３１０と長孔３１１を
介して、その前後動位置が調整される。更に第３ストッ
パー部材３２は、ブレードＷの他方側やや内側でかつそ
の下端部Ｗ６に添接され、当該ブレードＷの内側で、か
つ図面上において斜め下方への動きを規制する。具体的
には、前記他方台座６の担持台７のやや内側に立設され
た立上台３３の上方に、かつほぼ水平方向に向って前後
動自在に装置され、止ネジ３２０と長孔３２１を介し
て、その前後動位置が調整される。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、以上の構成を採用することに
より、下記のような効果を有する。

【００１８】（１）ブレードの形状を変形させることな
く、確実かつ安定的に保持できる。

【００１９】（２）一つのチャッキング装置により、当
該チャッキング個所を、確実かつ適宜の弾性圧で挟持
（チャッキング）できること、及びこの確実かつ簡易な
チャツキングを介して、正確な切削加工が達成されるこ
と（高品質のブレード等の加工品が製造できる。）、並
びに作業の効率化が達成される。

【００２０】（３）チャッキング個所に限定されず、か
つ単独設置、間隔設置から併設設置まで広範囲に使用で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】全体の一部省略の正面図である。

【図２】チャッキング装置の要部を拡大した一部欠截の
側面図である。

【図３】第１のフローティングクランプの拡大側面図で
ある。

【図４】第１のフローティングクランプの拡大断面図で
ある。

【図５】第１のフローティングクランプを拡大し、その
一部を欠截した平面図である。

【図６】第１のフローティングクランプのクランプピン
とストッパーピンとの関係を示す拡大断面図である。

【符号の説明】

１ ベース ２ 一方台座 ３ 固定駒 ４ 移動駒 ５ 作動部 ６ 他方台座 ７ 担持台 ８ 挿設孔 ９ 開口 １０ シリンダー室 １１ ネジ孔 １２ クランプベース １２ａ 上板 １３ クランプピン １３ａ 下部 １３ｂ 挿設孔 １４ ストッパーピン １５ バネ １６ 駆動源 １７ クランプピン支持杆 １８ バネ １９ ネジ ２０ 支持台 ２０ａ 二股部 ２１ 揺動腕 ２１ａ 二股部 ２２ 油圧フローティングクランプ ２２ａ 油圧室 ２２ｂ クランプピン ２３ 調整螺子 ２４ ガイドピン ２５ 固定腕 ３０ 第１ストッパー部材 ３００ ネジ ３０１ 長孔 ３１ 第２ストッパー部材 ３１０ ネジ ３１１ 長孔 ３２ 第３ストッパー ３２０ ネジ ３２１ 長孔 Ａ 咬込み式チャッキング装置 Ｂ 第１のフローティングクランプ Ｃ 第２のフローティングクランプ Ｗ ブレード Ｗ１ 翼底 Ｗ２ 翼頂 Ｗ３ 他面 Ｗ４ 一面 Ｗ５ 上端部 Ｗ４ 下端部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブレード等弾性加工品の少なくとも一方
   側をチャッキングするチャッキング装置であって、 当該チャッキング装置は、 担持台に設けられたクランプベースに昇降自在で、かつ
   バネ弾性を介して昇降状態に保持される複数のクランプ
   ピン、及び当該複数のクランプピンの前記昇降を停止す
   るストッパーピン、当該ストッパーピンの作動させる圧
   油装置等の駆動源でなる第１のフローティングクランプ
   と、 前記担持台に設けられ、かつ前記第１のフローティング
   クランプに対設された第２のフローティングクランプ
   と、 で構成されているブレード等弾性特性加工品のチャッキ
   ング装置。
2. 【請求項２】 請求項１の第２のフローティングクラン
   プが、閉塞型の油圧室と、当該油圧室に設けられた単独
   で昇降する複数のクランプピンと、で構成されている請
   求項１のブレード等弾性特性加工品のチャッキング装
   置。