JPH07214415A

JPH07214415A - スローアウェイ式カッタ

Info

Publication number: JPH07214415A
Application number: JP15729694A
Authority: JP
Inventors: Yoshikatsu Mori; 良克森; Mitsuaki Noda; 光昭野田; Masahiro Otsuka; 正博大塚; Katsutoshi Yamane; 克敏山根
Original assignee: Sumitomo Electric Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date: 1993-12-06
Filing date: 1994-07-08
Publication date: 1995-08-15

Abstract

(57)【要約】【目的】スローアウェイチップの取付基準座が１チッ
プ当たりに１面のみ設けられているスローアウェイ式カ
ッタのチップ交換と刃先基準での刃振れ調整を機上で行
えるようにする。【構成】カッタボディ２の前面中心付近に位置基準面
１０と取付円筒部９を設ける。さらに、取付円筒部に螺
合させるボス部１４と、位置基準面１０に密着させる平
面１７と、チップのセット基準面１８を有する治具１３
を付属させ、この治具をチップ装着時にカッタボディ２
に取付けて前記セット基準面１８とカッタボディに設け
られている取付基準座３の２者でスローアウェイチップ
５を位置決めする。このため、チップ交換と刃先基準の
刃振れ調整を機上で実施でき、カッタを脱着する手間と
時間を省くことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カッタボディに設けた
スローアウェイチップの取付基準座が１チップ当たりに
１面しかなく、そのために、チップ交換と刃振れ調整を
機外で行わざるを得なかったものを機上で行えるように
したスローアウェイ式カッタに関する。

【０００２】

【従来の技術】カッタボディの先端外周に斜めに切り抜
けた溝を設け、その溝の底面をチップの取付基準座、一
側面を支持座として支持座と楔式押え金との間にスロー
アウェイチップを挟んで保持する方式のスローアウェイ
カッタは、高精度加工が必要な袋溝をボディに設けてそ
の溝の２面でチップを位置決めするカッタと違って製造
し易く、また、ロケータを用いて溝の高精度加工を容易
にしたカッタに見られる部品数増、加工箇所増の問題が
無く、コスト的に有利なことで知られるが、刃振れ調整
に手間取るのが難点である。即ち、この種のカッタに
は、座溝が切り抜けているためにスローアウェイチップ
をカッタ軸方向に位置決めする基準がない。このため、
この種のカッタにスローアウェイチップを装着するとき
は、図７に示すような調整治具Ａを用いてこの治具にカ
ッタ１をセットし、治具のケージ先端の測定子Ｂにスロ
ーアウェイチップ５の先端を押し当ててケージＧの振れ
を見ながら正面の刃振れ精度を確保する方法が採られて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】図７の方法による刃振
れ調整では、カッタを一旦加工機から外す必要があり、
作業のロスが大きい。また、スローアウェイチップを１
個ずつ下側から上向きに測定子に押し当てて刃先位置を
調整する必要があるので作業の効率も悪く、多刃のカッ
タの場合、チップの交換と刃振れ調整に多くの時間を費
やす。

【０００４】このため、チップを挿入する溝を止まり溝
にし、その溝の奥壁とスローアウェイチップとの間にく
さびやねじを利用した刃振れ調整機構を組込んで機上で
のチップ交換、刃振れ調整を可能ならしめる技術（実開
平５−９８２３号公報等）が開発されているが、このカ
ッタも、(1) 両端が切り抜ける通し溝に比べて止まり溝
は加工し難い、(2) 刃振れ調整機構が複雑、(3) 部品数
が多くなると云った理由からコスト高になることが避け
られない。

【０００５】そこで、本発明は、機上、機外を問わずチ
ップ交換と刃振れ調整が行え、また、部品数、加工箇所
が少なくて安価に製造できるカッタを実現して提供する
ことを課題としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、カッタボディの前面側中心付近にカッタ
軸心と直角な環状の位置基準面を設け、さらに、前記位
置基準面に密着させる平面と、この平面と平行なチップ
のセット基準面とを具備している円板状の治具とこの治
具のカッタボディへの取付手段を付属させ、スローアウ
ェイチップ装着時に前記治具をカッタボディに取付け、
この治具の前記セット基準面にスローアウェイチップを
押し当てて正面切刃の位置揃えを行うようにしたのであ
る。

【０００７】カッタボディへの治具取付け手段は、後述
の実施例で示すようなものがいくつか考えられる。ま
た、治具はチップの交換と刃振れ調整を終えたらカッタ
ボディから取外す。

【０００８】次に、上記の課題を解決するもうひとつの
手段として、本発明においては、前記通し溝のカッタボ
ディ外周への切り抜け端側にボルトを設け、カッタボデ
ィにねじ込んで支持したそのボルトの断面円形の頭部を
通し溝内に突出させ、この頭部をスローアウェイチップ
のカッタ軸方向位置基準としてチップの後部側の側面を
その頭部で位置決めする構成を採用する。

【０００９】この軸方向位置決め用のボルトは、前述の
治具を有する工具に併設してもよい。また、このボルト
は、そのねじ込み方向を、通し溝と平行又は通し溝と斜
めに交わる方向としてカッタボディにねじ込量調整可能
に取付けておくのが望ましい。さらに、そのボルトに
は、ねじ孔との摩擦抵抗を高めてねじ込み量の変動を止
める緩み止め手段を付加しておくのが望ましい。緩み止
め手段の具体的については、実施例の項で述べる。

【００１０】

【作用】円板状の治具をカッタボディに取付ける請求項
１の構成によれば、治具のセット基準面にスローアウェ
イチップの先端を当てて正面切刃の位置を揃えることが
できる。また、スローアウェイチップのカッタ径方向位
置は、カッタボディに設けてある取付基準座にチップを
当てて定めることができ、実質的に２面の取付基準座を
もつことになるため、ボディに２面の取付基準座を設け
てあるカッタと同様に機上でのチップ交換と刃振れ調整
が可能になる。また、この構造であれば、通し溝を簡単
に加工できるので、ボディの製作が容易で安価なカッタ
を提供できる。

【００１１】なお、従来のカッタで２面の取付基準座を
有するものは、座基準の刃振れ調整になるため、スロー
アウェイチップの寸法精度が刃振れ精度に影響する。こ
れに対し、治具を用いる本発明のカッタは、刃先基準の
調整になるので、チップに加工誤差があっても正面切刃
が同一平面上に正確に揃う。

【００１２】また、ボルトの頭部をカッタ軸方向の位置
基準とする請求項２の構成によれば、ボルトを設けるだ
けで袋溝を設けるカッタと同様に座基準の位置決めが行
え、部品数、加工箇所ともより少なくなり、更なるコス
ト削減が図れる。

【００１３】ボルトのねじ込み方向を限定した請求項１
０の構成によれば、ボルトの回転によってボルト頭部
（即ち軸方向位置基準）が通し溝の長手方向に偏位し、
従って、刃先位置の微調整が可能であり、より高精度の
刃振れ調整が望める。

【００１４】さらに、治具とボルトを併用する請求項３
の構成によれば、そのどちらかを選択的に使用できる。
また、治具で刃先基準の位置決めを行ったチップにボル
ト頭部が当たるところまでボルトをねじ込む方法でボル
トの初期位置設定を行うこともでき、より便利になる。

【００１５】このほか、ボルトに緩み止め手段を付加す
る請求項１１の構成は、切削中の振動、遠心力によるボ
ルトの緩みが無くなり、刃振れ調整の精度維持に有効で
ある。

【００１６】

【実施例】図１に、本発明のカッタの一実施例を示す。
同図の（ａ）、（ｂ）に示すように、カッタボディ２の
先端外周には、底面がチップの取付基準座３、一側面が
支持座４となる通し溝をボディの中心側から外周面に向
かって斜め上向きに切り抜けて設けてある。スローアウ
ェイチップ５は、図１（ａ）に示すように、一側面を取
付基準座３に添わせ、図１（ｂ）に示すように支持座４
とクランプねじ６で締込む楔式押え金７との間に挟み込
んで保持される。

【００１７】カッタボディ２には、中心孔８の周囲にカ
ッタ１の軸心と同心の取付円筒部９を設け、さらに、こ
の取付円筒部の周りにカッタ軸心に対して直角な位置基
準面１０を設けている。位置基準面１０は、カッタの軸
心と同心円の環状面にしてある。また、取付円筒部９に
は、雌ねじ１１を切ってある。この雌ねじ１１は、図１
（ｃ）に示すように、周方向に所定ピッチで花弁状に切
欠かれている。

【００１８】図１（ａ）の１３は、カッタに付属させる
円板状の治具である。この治具１３は、取付円筒部９に
螺合させるボス部１４と、位置基準面１０に密着させる
平面１７と、チップのセット基準面１８を有している。

【００１９】雌ねじ１１に螺合させるボス部１４の外周
の雄ねじ１５も、雌ねじの切欠き部に対応させて図１
（ｄ）に示すように花弁状に切欠かれている。

【００２０】雌ねじ１１の切欠き部１２は雄ねじ１５の
非切欠き部よりも大きく、雄ねじの切欠き部１６も同様
に雌ねじ１１の非切欠き部よりも大きい。従って、治具
１３のカッタボディへの取付けは、互いのねじの切欠き
部と非切欠き部を対応させた位置でボス部１４を取付円
筒部９に挿入し、その後、治具を少し（数十度）回転さ
せてねじ１１、１５を係合させる２動作（これは片手で
可能）により簡単に行える。逆の手順になる取り外しも
勿論容易である。

【００２１】平面１７とセット基準面１８は、カッタの
軸心と同心の環状の面であり、平面１７が位置基準面１
０に接した位置でスローアウェイチップ５の正面切刃を
セット基準面１８に当て、さらに、チップの一側面を取
付基準座３に当てて押え金７によりクランプを行なう。
セット基準面１８は定位置でスローアウェイチップ５を
下から受けるので、チップの押し当てによる位置決めは
簡単に正確に行える。

【００２２】なお、図１のカッタの雌雄のねじ１１、１
５は切欠きの無いねじであってもよい。また、治具の取
付手段は、この雌雄のねじに限定されない。例えば、図
２に示すように、カッタボディ２に外部から操作し得る
ロックボルト１９を組込み、このボルトで治具１３をカ
ッタボディに固定することもできる。図示のサイドロッ
ク方式では、ボス部１４に根元細りの方向に傾くテーパ
面２０を設け、このテーパ面にボルト１９の先端を押し
当てる構造にすると、ボルトとテーパ面の係合部に生じ
る分力で平面１７が位置基準面１０に密着してセット基
準面１８の位置精度を確保し易い。

【００２３】図３乃至図６は、治具の取付手段の更に他
の例である。この取付手段は図３に示すラッチ２１や図
４に示すように治具の中心に回転可能に嵌めるか一体に
設けてカッタボディ２の中心にねじ込むねじ２２であっ
てもよい。

【００２４】また、図５に示すように、位置基準面１
０、平面１７のどちらかを永久磁石２３で形成し、他方
の面を磁性体として磁力で吸着させるものや図６に示す
ようなものであってもよい。

【００２５】図６の取付手段は、治具１３のボス部１４
に出没自在の小ボール２４と操作ねじ２５とこのねじの
推力を小ボール２４に伝える大ボール２６を組込み、操
作ねじ２５の操作で斜めの外方に押し出した小ボール２
４を取付円筒部の内面に設けてある円弧溝２７に押し当
てて軸方向引込力を生じた状態で固定を行うようにして
いる。

【００２６】図１（ａ）及び図２のＣは加工機の主軸
（図示せず）に装着されたアーバ、Ｄは、アーバに対す
るカッタ取付ボルトを示している。これから判るよう
に、例示のカッタ１は加工機から外さずに治具１３のみ
を着脱して機上でスローアウェイチップの変換と刃先基
準の刃振れ調整を簡便に行うことができる。

【００２７】また、機外でチップ交換を行う場合も、カ
ッタ１と治具１３を図の向きにして治具のセット基準面
１８でチップ５を支えることができるので、機上時と同
様に作業の簡素化と迅速化が図れる。

【００２８】図８〜図１０は、本発明の第２の形態のカ
ッタの具体例である。

【００２９】このカッタ１も、カッタボディ２に先に述
べたのと同様の通し溝を設けてある。この通し溝のボデ
ィ外周面への切り抜け端側に、支持座４に対して鈍角に
交わる平面２８を加工し、この平面部にねじ孔２９をあ
けてそこにボルト３０をねじ込んである。

【００３０】ボルト３０は、断面円形の頭部を有してお
り、その頭部が通し溝内に入り込んでスローアウェイチ
ップ５のカッタ後部側におかれる側面を拘束するように
なっている。従って、その頭部をカッタ軸方向の位置基
準、取付基準座３をカッタ径方向の位置基準として機上
でも刃振れ調整を行うことができる。

【００３１】ボルト３０のねじ込み方向は、通し溝と平
行にすることも制限されないが、図のように通し溝に対
して斜めに交差する方向にすると平面２８を付す際のカ
ッタボディの除去量が少なくて済み、ボルトの頭部径も
あまり大きくせずに済む。また、ボルト３０は、そのね
じ込み量調節によって頭部位置を通し溝の長手方向に変
化させ、これによる軸方向位置基準の微調整で刃振れ精
度をより高めることができるが、ボルトのねじ込み方向
が図のように斜めになっていると、ボルトのねじ込み量
に対して頭部の通し溝長手方向変位量が一定の比率で縮
小されるので、より緻密な微調整が行える。

【００３２】なお、このように、ボルト３０の回転操作
で刃振れの微調整を行う場合には、切削中の振動等によ
るボルトの緩み、外れがあると好ましくない。そこで、
図１１〜図１３に示すような緩み止め対策を付加してお
くことを奨める。

【００３３】図１１は、ボルト３０の螺子部３１を、軸
方向スリット３２（図のそれは十文字スリット）を設け
て縦割りし、この縦割り部を押し広げて拡径させてい
る。この拡径した螺子部３１をねじ孔２９にねじ込むと
螺子部３１が弾性変形して縮径し、弾性復元力で孔面に
圧接して回転抵抗が高まり、緩みが防止される。

【００３４】図１２と図１３は、図１１のボルトに、拡
径させた螺子部３１の縮径抑止用充填材を付加した例を
示している。

【００３５】スリット３２を設けて拡径させた螺子部３
１は、常時周りから圧縮力を受けるため疲労による縮径
が起こる。また、切削時の遠心力による縮径も考えら
れ、孔面に対する押付圧が弱まる恐れがある。

【００３６】図１２は、その問題の防止策として、螺子
部３１にスリット３２の一部分を拡幅する横孔３３を設
け、その横孔に螺子部３１の拡径状態を保持するナイロ
ン等の軟質樹脂３５を嵌めている。

【００３７】スリット３２を拡幅する孔は、図１３に示
すような縦孔３４であってもよい。また、横孔３３や縦
孔３４に嵌める縮径防止用充填材は、図１３に示すスプ
リングピン３６等であってもよい。

【００３８】このように構成した第１の形態のカッタ及
び第２の形態のカッタは、例えば、加工径１６０mmの８
枚刃タイプのものについて刃振れ調整を行ったところ、
前述の治具１３を用いて、或いは図１２のボルト３０の
ねじ込み量調整で誤差を０．０３mm以内に納めることが
でき、刃数８枚を組み込む所要時間も約２分で済んだ。

【００３９】また、前述の治具１３や図１２のボルト３
０を用いた結果、切削速度１５０ｍ／ｍｉｎ、切込み３
mm、送り０．１mm／刃の条件での被削材（Ｓ５０Ｃ）の
サーメット刃による切削で仕上面粗度３μｍを実現で
き、チップ寿命も従来の約２倍に高まった。

【００４０】なお、前述の治具１３とボルト３０を併設
してどちらかを選択的に利用すると、刃先基準、座基準
のどちらの調整も可能となる。またボルトの初期位置設
定を治具で位置決めしたチップにボルトの頭部を当てる
方法で行うことも可能になる。

【００４１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のカッタ
は、脱着自在の治具を付属させ、カッタボディの位置基
準面でカッタの軸心方向位置を正確に定めるその治具に
チップ先端のセット基準面を設けてこのセット基準面と
カッタボディに設けてある取付基準座の２者でスローア
ウェイチップを位置決めするようにしたので、機上での
チップ交換、刃先基準の刃振れ調整が可能になり、カッ
タの脱着に要する時間の削減、チップ交換の迅速化を図
って加工機の稼働率を高めることができると云う効果が
得られる。

【００４２】通し溝の後部側にボルトを設けてそのボル
トの頭部を切刃の軸方向位置基準とするものも同様の効
果が得られる。

【００４３】また、本発明のカッタは、通し溝の加工が
簡単、刃振れ調整機構が簡素で部品数が少ないなどによ
り、コスト削減も図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）：本発明のカッタの一例を示す断面図（ｂ）：同上のカッタの部分側面図（ｃ）：取付円筒部の正面図（ｄ）：治具の平面図

【図２】他の実施例の一部を示す断面図

【図３】他の実施例の一部を示す断面図

【図４】更に他の実施例を示す部分破断正面図

【図５】更に他の例を示す部分断面図

【図６】更に他の例を示す部分断面図

【図７】従来のカッタの刃振れ調整を示す斜視図

【図８】本発明の第２の形態のカッタの一例を部分的に
切欠いて示す側面図

【図９】同上のカッタの一部を示す正面図

【図１０】同上のカッタの基本構造を示す断面図

【図１１】刃振れ調整用ボルトの一例を示す部分破断側
面図

【図１２】図１１のボルトに横孔と充填材（スプリング
ピン）を付加した状態の側面図

【図１３】図１１のボルトに縦孔と充填材（スプリング
ピン）を付加した状態の側面図

【符号の説明】

１カッタ２カッタボディ３取付基準座４支持座５スローアウェイチップ６クランプねじ７楔式押え金８中心孔９取付円筒部１０位置基準面１１雌ねじ１２、１６切欠き部１３治具１４ボス部１５雄ねじ１７平面１８セット基準面１９ロックボルト２０テーパ面２１ラッチ２２ねじ２３永久磁石２４小ボール２５操作ねじ２６大ボール２７円弧溝２８平面２９ねじ孔３０ボルト３１螺子部３２スリット３３横孔３４縦孔３５軟質樹脂３６スプリングピン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者山根克敏伊丹市昆陽北一丁目１番１号住友電気工業株式会社伊丹製作所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】溝底が取付基準座、溝の一側面が支持座
となる通し溝をカッタボディの外周部にボディの前面か
ら外周面に切り抜けて設け、その通し溝にスローアウェ
イチップを、そのチップの一側面を前記取付基準座に、
一端面を前記支持座に各々沿わせて挿入し、支持座と楔
式押え金との間に挟んで保持するスローアウェイ式カッ
タにおいて、前記カッタボディの前面中心付近にカッタ
軸心と直角な環状の位置基準面を設け、さらに、その位
置基準面に密着させる平面と、この平面と平行なチップ
のセット基準面とを具備している円板状の治具とこの治
具のカッタボディへの取付手段を付属させ、スローアウ
ェイチップ装着時に前記治具をカッタボディに取付け、
この治具の前記セット基準面にスローアウェイチップを
押し当てて正面切刃の位置揃えを行うようにしたことを
特徴とするスローアウェイ式カッタ。
【請求項２】溝底が取付基準座、溝の一側面が支持座
となる通し溝をカッタボディの外周部にボディの前面か
ら外周面に切り抜けて設け、その通し溝にスローアウェ
イチップを、そのチップの一側面を前記取付基準座に、
一端面を前記支持座に各々沿わせて挿入し、支持座と楔
式押え金との間に挟んで保持するスローアウェイ式カッ
タにおいて、前記通し溝のカッタボディ外周への切り抜
け端側にボルトを設け、カッタボディにねじ込んで支持
したそのボルトの断面円形の頭部を通し溝内に突出さ
せ、この頭部をスローアウェイチップのカッタ軸方向位
置基準としてチップの後部側の側面をその頭部で位置決
めすることを特徴とするスローアウェイ式カッタ。
【請求項３】請求項２に記載のボルトを併用した請求
項１記載のスローアウェイ式カッタ。
【請求項４】前記カッタボディに取付円筒部を、治具
に対応したボス部を各々設けてその両者に雌雄のねじを
対応して設け、このねじを前記取付手段として治具をカ
ッタボディに取付けるようにした請求項１又は３記載の
スローアウェイ式カッタ。
【請求項５】前記雌雄のねじのねじ山部を周方向に所
定間隔をあけて数個所切欠き、この切欠き部を相手ねじ
の非切欠き部よりも大きくしてその非切欠き部と対応す
る位置に設けた請求項４記載のスローアウェイ式カッ
タ。
【請求項６】カッタボディに外部から操作可能なボル
トを内蔵させ、治具に引込み力を生じる状態に係合させ
るこのボルトを取付手段として治具をカッタボディに取
付けるようにした請求項１又は３記載のスローアウェイ
式カッタ。
【請求項７】請求項４記載の雌雄のねじに代えて前記
取付円筒部とボス部間にラッチを設け、このラッチを前
記取付手段となした請求項１又は３記載のスローアウェ
イ式カッタ。
【請求項８】前記位置基準面と、この面に密着させる
治具の平面のいずれか一方を永久磁石で構成し、他方を
磁石に吸着する磁性体としてこれを前記取付手段となし
た請求項１又は３記載のスローアウェイ式カッタ。
【請求項９】請求項４記載の雌雄のねじに代えて前記
治具に、ボス部の外周に出没するボールとこのボールの
押出し手段を設け、前記取付円筒部の内面には前記ボー
ルを係止させる円弧溝を設けてこれ等を前記取付手段と
なした請求項１又は３記載のスローアウェイ式カッタ。
【請求項１０】前記ボルトのねじ込み方向を、通し溝
と平行又は通し溝と斜めに交わる方向とし、かつ、その
ボルトをねじ込み量調整可能に取付けた請求項２又は３
記載のスローアウェイ式カッタ。
【請求項１１】前記ボルトの緩み止め手段を付加した
請求項２、３又は１０記載のスローアウェイ式カッタ。
【請求項１２】ボルトの螺子部を軸方向スリットの付
設で縦割りして拡径させ、この拡径した螺子部をカッタ
ボディに設けたねじ孔にきつめにねじ込んで前記緩み止
め手段とした請求項１１記載のスローアウェイ式カッ
タ。
【請求項１３】ボルトの螺子部に、前記スリットの一
部分を拡幅する横孔又は縦孔を設け、その孔に適度の弾
性を有する螺子部の縮径抑止用充填材を嵌めた請求項１
２記載のスローアウェイ式カッタ。