JPH07213865A

JPH07213865A - 触媒ユニット

Info

Publication number: JPH07213865A
Application number: JP6011624A
Authority: JP
Inventors: Yukihiko Sato; 靭彦佐藤
Original assignee: Babcock Hitachi KK
Current assignee: Mitsubishi Power Ltd
Priority date: 1994-02-03
Filing date: 1994-02-03
Publication date: 1995-08-15

Abstract

(57)【要約】【目的】排ガス中の窒素酸化物を除去する触媒体の輸
送に際し、振動による移動、破損を防止する。【構成】ガスを通過させる流通孔を有する断面ハニカ
ム状の触媒体を互いに平行に積み重ねたユニットと、こ
のユニットの外側面を囲うユニット枠とを備えた触媒ユ
ニットにおいて、ユニット枠はこのユニット枠に隣接す
る触媒体に対応した孔を有し、このユニット枠に隣接す
る触媒体とユニット枠は、触媒体の両端部近傍に固定さ
れた緩衝材を介して前記孔に注入された接着剤で固定さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、排ガス中の窒素酸化物
を除去する触媒の構造体の取り付け構造に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、排ガス中の窒素酸化物（ＮＯｘ）
を除去する技術としては、アンモニアを還元剤として注
入しＮＯｘを触媒作用でＮ₂に還元するアンモニア接触
還元法が主に採用され実用化されている。処理する排ガ
ス中にはダストが含有されるため、一方向に上記排ガス
の流通孔を有し、触媒材料から形成された構造体（以
下、「触媒体」と云う）の形態としては、断面がハニカ
ム状のもの（以下、「ハニカム触媒」と云う）又は板状
のものが主流となっている。

【０００３】上記の内、ハニカム触媒は、製造上単一成
形体の大きさには制限があるため、煙道排ガス等の触媒
体のように大きな反応容積を要する場合には、単一のハ
ニカム触媒を互いにガス流通孔が平行になるように数多
く横列し、更に、触媒効率を向上させるためにガス流通
孔と上下垂直方向に積層する必要がある。そのために
は、単一ハニカム触媒を複数個積み重ねたものを一つの
単位（以下、「ユニット」と云う）として組み込んでい
くこと（ユニット化）が有効な手段で、このユニットを
複数個積み重ねたもの、更にガス流通孔にユニットを縦
列したもの等ブロック化が必要である。これに関連する
ものには、例えば、特公昭５３−１３７８６６号公報、
特公昭５３−２６２６５号公報等があり、隣接するハニ
カム触媒同士を接着剤で接着して一体化を図ったり、ハ
ニカム触媒間に緩衝材を設置したりしている。又、ハニ
カム触媒間、ユニット間、更にブロックとその周りの枠
の間隙に緩衝材を介在させてハニカム触媒を固定し、ハ
ニカム触媒の破損を防ぐと共に、ハニカム触媒間でのガ
スの気密性を図っている。

【０００４】図８は、従来技術に係る触媒ユニット１′
を示し、（Ａ）は斜視図、（Ｂ）は（Ａ）における II
−II 線一部破砕断面図である。これは、二つのＬ形の
ユニット枠１０、１０で囲った内部に緩衝材１８を固定
した９個のハニカム触媒３からなるユニット８を組み込
んだもので、ユニット枠１０、１０の接合部１２、１２
で二つのユニット枠は接合している。二つのＬ形のユニ
ット枠の両端部１３、１３は、ハニカム触媒３の移動を
防止するため、図８（Ｂ）に示すように、内側に曲げ加
工された曲げ部１３′を有するものである。尚、４はガ
ス流通孔を示す。このような触媒ユニットを数個から数
十個組み合わせてブロック化し、更に、数ブロック組み
合わせて実機に充填される。

【０００５】図９は、上記図８の触媒ユニット１′の輸
送後における破損状態を示し、（Ａ）は正面図、（Ｂ）
は（Ａ）における III−III 線又は IV−IV 線断面図で
ある。（Ａ）に示すように、この触媒ユニット１′の輸
送後における破損個所は、太実線で示した部分２１であ
る。（Ｂ）は、（Ａ）における III−III 線又は IV−I
V 線断面部分におけるハニカム触媒３の移動状態を示
す。９個のハニカム触媒３の内、中央部のハニカム触媒
３が移動仕易いという傾向は見られないが、３段の内、
最上段の移動が著しく、ユニット枠１０、１０の曲げ部
１３′に当たって破損する。移動の状態は、金属製のユ
ニット枠と緩衝材、緩衝材と緩衝材又はこれら材料間の
滑り易さ（摩擦抵抗の差）の違いによるものと考えられ
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の触媒ユ
ニット１′は、輸送時の振動等によりハニカム触媒３が
移動し、組み立て時の位置からずれて、ユニット枠１０
の端部１３と接触している部分のハニカム触媒が破損す
ると云う問題があった。

【０００７】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、輸送時の振動による触媒体の移動や破損を防止
する触媒ユニットを提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本第１発明は、一方向にガスを流通させるガス流通
孔を有する触媒体を互いに前記ガス流通孔が平行になる
ように複数個積み重ねたユニットと、該ユニットの前記
ガス流通孔と平行な外側面を囲うユニット枠とを備えた
触媒ユニットにおいて、前記ユニット枠は、該ユニット
枠に隣接する前記触媒体に対応した孔を有し、前記ユニ
ット枠と該ユニット枠に隣接する前記触媒体は、前記孔
に注入された接着剤で固定されていることである。

【０００９】本第２発明は、本第１発明において、前記
ユニット枠と該ユニット枠に隣接する前記触媒体は、前
記ユニット枠に隣接する前記触媒体に固定された緩衝材
を介して接着剤で固定されていることである。

【００１０】本第３発明は、本第１発明において、前記
触媒体の断面形状は、ハニカム状であることである。

【００１１】本第４発明は、本第２発明において、前記
触媒体の断面形状は、ハニカム状であることである。

【００１２】本第５発明は、本第２発明又は第４発明に
おいて、前記緩衝材は、前記触媒体の両端部近傍に設け
られていることである。

【００１３】

【作用】本発明に係る触媒ユニットは、ユニット枠がこ
れに隣接する触媒体に対応した孔を有しているので、こ
の孔に接着剤を注入することにより、ユニット枠とこれ
に隣接する触媒体とは接着剤で固定され、触媒ユニット
の輸送において触媒体がユニット枠に対して移動するこ
とがなく、破損も防止される。

【００１４】更に、ユニット枠とこれに隣接する触媒体
とは緩衝材を介して接着剤で固定されることにより、ユ
ニット枠と触媒体とはその互いの面に多少の歪、凹凸或
いは温度による熱歪があっても密着し、接着性が向上し
て強固に確実に固定され、且つ接着剤の使用量が節約出
来る。

【００１５】更に、触媒体の断面形状が、ハニカム状で
あることによりガスと触媒との接触面積が大きくとれて
十分接触し、触媒性能の良い触媒ユニットにすることが
出来る。

【００１６】更に、触媒体に固定する緩衝材が、触媒体
の両端部近傍に設けられることにより、ユニット枠と触
媒体とは安定に組み上げられ、且つ緩衝材の量は必要十
分な量で確実に接着固定出来る。

【００１７】

【実施例】次に、本発明に係る触媒ユニットについて、
図面に基づいて詳しく説明する。図１は本発明に係る触
媒ユニットの第１の実施例を示し、（Ａ）は斜視図、
（Ｂ）は（Ａ）における I−I 線一部破砕断面図、図２
はハニカム触媒を示す斜視図、図３は両端部に緩衝材を
固定したハニカム触媒を示す斜視図、図４は図１におけ
る触媒ユニットのユニット枠を示す斜視図、図５は本発
明に係る触媒ユニットの第１の実施例の組立方法を示す
斜視図、図６は本発明に係る触媒ユニットの第２の実施
例を示す正面図、図７は本発明に係る触媒ユニットの第
３の実施例で、それを積み上げたブロック及びブロック
枠を示す正面図である。

【００１８】図２は、本発明に係る触媒ユニット１のユ
ニットを構成するハニカム触媒３を示す。断面は窒素酸
化物（ＮＯｘ）等を含む排ガスを一方向に流通させる多
数のガス流通孔４を有し、ハニカム触媒の形状は、断面
四角の直方体で外形寸法は巾１５０ｍｍ×高さ１５０ｍ
ｍ×長さ６５０ｍｍである。触媒体の断面形状が、ハニ
カム状であるので、ガスとハニカム触媒との接触面積が
大きくとれて十分接触し、触媒性能の良い触媒ユニット
にすることが出来る。

【００１９】図３は、図２のハニカム触媒３の両端部近
傍に緩衝材１８、１８としてガス流通方向の長さ７５ｍ
ｍ、厚さ６ｍｍの無機系繊維（カオウールシート）を無
機系接着剤で接着したものである。触媒体に固定する緩
衝材が、触媒体の両端部近傍に設けられることにより、
ユニット枠１０とハニカム触媒３とは安定に組み上げら
れ、且つ緩衝材１８、１８の量は必要十分な量であり、
確実に接着固定出来る。

【００２０】図１は、上記ハニカム触媒３を使用した触
媒ユニット１の第１の実施例で、（Ａ）は斜視図、
（Ｂ）は（Ａ）における I−I 線一部破砕断面図であ
る。本発明に係る触媒ユニット１は、このハニカム触媒
３を互いにガス流通孔４が平行になるように横方向に３
個、高さ方向に３個、合計９個積み重ねたユニット８
と、このユニット８のガス流通孔４と平行な外側面６を
囲うユニット枠１０、１０を備えている。ユニット枠１
０、１０は、図４に示すように、各々断面Ｌ形をし、二
つに分割され、厚さ２ｍｍ、材質ｓｓ４１からなり、内
側寸法は高さ４６８ｍｍ、奥行き６５０ｍｍである。図
４に示すように、二つのユニット枠１０、１０を互いに
相対するように配置してユニット８を囲い、接合部１
２、１２で接合されている。そして、図１（Ｂ）に示す
ように、ユニット枠１０、１０は、このユニット枠１
０、１０に隣接するハニカム触媒３に対応した複数個の
孔１１を有し、ユニット枠１０、１０の端部１３、１３
から４５ｍｍの位置に直径１５ｍｍの孔１１をハニカム
触媒３の充填時の設置位置に対応して、一対づつ設けら
れ、ユニット枠１０とユニット枠１０に隣接するハニカ
ム触媒３とは、ハニカム触媒３の両端部に固定された緩
衝材１８を介して孔１１に注入された接着剤で固定され
ている。従って、ユニット枠１０とユニット枠１０に隣
接するハニカム触媒３は、緩衝材１８を介すことによ
り、ユニット枠１０又はハニカム触媒３の接触面に多少
の歪、凹凸或いは温度による熱歪があっても密着し、接
着性が向上して強固に固定され、且つ接着剤の量も節約
出来る。

【００２１】図５は、上記第１の実施例の触媒ユニット
３の組み立て方法を示したものである。下側になるユニ
ット枠１０を４５度傾斜させて設置し、そこに図３のハ
ニカム触媒３を順次、この図のように、９個にする。も
う一方の上側になるユニット枠１０を上に乗せユニット
枠１０、１０の接合部１２、１２が付く位置までパック
圧を負荷し、その後、図１（Ａ）に示すように、両コー
ナを溶接により接合する。更に、その後、図１（Ｂ）に
示すように、ユニット枠１０、１０の孔１１に無機系接
着剤２０を流し込み、ユニット枠１０、１０と緩衝材１
８を接着する。

【００２２】尚、ここでユニット枠１０、１０に設けた
孔１１は、ユニット枠１０、１０の一面でハニカム触媒
３の１本と対応して一個設けたが、複数でも良く、又、
円形の孔ではなくスリット状の孔でも良い。特に、孔の
形状を限定するものではないが、ここでは加工費から円
形の孔を選定した。更に、ユニット枠は、ここでは強度
上の問題から板を使用したが、ユニットを積み重ねた場
合の強度が満足できればラス状の板を使用しても良く、
この場合は孔を明ける必要もなくなる。

【００２３】図６は、本発明に係る触媒ユニットの第２
の実施例を示す正面図である。ユニット８の構成は、第
１の実施例と同じであるが、ユニット枠１０は、ユニッ
ト８の外側面９を囲い、接線である接合部１２を有する
ものである。

【００２４】図７は、本発明に係る触媒ユニットの第３
の実施例で、それを積み上げたブロック及びブロック枠
を示す正面図である。第３の実施例のユニットは、第
１、第２の実施例のユニットと同様の構成である。ユニ
ット枠は、二つの部分１０、１０′から構成され、１０
はコの字形、１０′は板状であり、接合部は二個所あ
る。尚、本発明に係る触媒ユニットを構成する触媒体
は、上記実施例においては、その断面がハニカム状のも
のであったが、触媒体断面がスリット状の流通孔を有し
たものであっても良いし、その他の形状の流通孔が設け
られたものであっても良い。

【００２５】

【発明の効果】本第１発明によれば、ユニット枠は、こ
れに隣接する触媒体に対応した孔を有し、ユニット枠と
このユニット枠に隣接する触媒体とは、前記孔に注入さ
れた接着剤で固定されているので、ユニット枠と触媒体
とは、触媒ユニットの輸送において、触媒体の移動がな
く、従って、触媒体の損傷が減少し、輸送後の手直し、
交換などが必要なくなり、製造コストが低減される。

【００２６】本第２発明によれば、本第１発明におい
て、ユニット枠とユニット枠に隣接する触媒体とは、緩
衝材を介して接着剤で固定されているので、本第１発明
の効果に加え、ユニット枠と触媒体とは、その互いの面
に多少の歪、凹凸或いは温度による熱歪があっても密着
し、接着性が向上して、一層強固で確実になると共に、
接着剤の量が節約さる。

【００２７】本第３発明によれば、本第１発明におい
て、触媒体の断面形状は、ハニカム状であるので、本触
媒ユニットは、本第１発明の効果に加え、ガスと触媒と
の接触面積が大きくとれて十分接触し、流通ガス中の不
要成分を除去する触媒性能の優れた触媒ユニットにする
ことが出来る。

【００２８】本第４発明によれば、本第２発明におい
て、触媒体の断面形状はハニカム状であるので、本第２
発明の効果に加え、破損仕易いハニカム触媒を緩衝材で
保護しつつ、ユニット枠になじませて確実に固定するこ
とが出来る。

【００２９】本第５発明によれば、本第２発明又は第４
発明において、緩衝材は触媒体の両端部近傍に設けられ
ているので、本第２発明又は第４発明の効果に加え、ユ
ニット枠と触媒体は、安定に組み上げられ、且つ必要十
分な量の緩衝材で確実に接着固定出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る触媒ユニットの第１の実施例を示
し、（Ａ）は斜視図、（Ｂ）は（Ａ）における I−I 線
一部破砕断面図である。

【図２】ハニカム触媒を示す斜視図である。

【図３】両端部に緩衝材を固定したハニカム触媒を示す
斜視図である。

【図４】図１における触媒ユニットのユニット枠を示す
斜視図である。

【図５】本発明に係る触媒ユニットの第１の実施例の組
立方法を示す斜視図である。

【図６】本発明に係る触媒ユニットの第２の実施例を示
す正面図である。

【図７】本発明に係る触媒ユニットの第３の実施例で、
それを積み上げたブロック及びブロック枠を示す正面図
である。

【図８】従来技術に係る触媒ユニットを示し、（Ａ）は
斜視図、（Ｂ）は（Ａ）における II−II 線一部破砕断
面図である。

【図９】従来技術に係る触媒ユニットの輸送後における
破損状態を示し、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は（Ａ）にお
ける III−III 線又は IV−IV 線断面図である。

【符号の説明】

１触媒ユニット２触媒体３ハニカム触媒４ガス流通孔５端部６外側面８ユニット１０ユニット枠１１孔１８緩衝材２０接着剤

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一方向にガスを流通させるガス流通孔を
有する触媒体を互いに前記ガス流通孔が平行になるよう
に複数個積み重ねたユニットと、該ユニットの前記ガス
流通孔と平行な外側面を囲うユニット枠とを備えた触媒
ユニットにおいて、前記ユニット枠は、該ユニット枠に
隣接する前記触媒体に対応した孔を有し、前記ユニット
枠と該ユニット枠に隣接する前記触媒体は、前記孔に注
入された接着剤で固定されていることを特徴とする触媒
ユニット。
【請求項２】請求項１において、前記ユニット枠と該
ユニット枠に隣接する前記触媒体は、前記ユニット枠に
隣接する前記触媒体に固定された緩衝材を介して接着剤
で固定されていることを特徴とする触媒ユニット。
【請求項３】請求項１において、前記触媒体の断面形
状は、ハニカム状であることを特徴とする触媒ユニッ
ト。
【請求項４】請求項２において、前記触媒体の断面形
状は、ハニカム状であることを特徴とする触媒ユニッ
ト。
【請求項５】請求項２又は４において、前記緩衝材
は、前記触媒体の両端部近傍に設けられていることを特
徴とする触媒ユニット。