JPH07212896A - 音響再生装置 - Google Patents

音響再生装置

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Publication number
JPH07212896A
JPH07212896A JP6017786A JP1778694A JPH07212896A JP H07212896 A JPH07212896 A JP H07212896A JP 6017786 A JP6017786 A JP 6017786A JP 1778694 A JP1778694 A JP 1778694A JP H07212896 A JPH07212896 A JP H07212896A
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JP
Japan
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arrival time
mid
signal
delay
speaker system
Prior art date
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Pending
Application number
JP6017786A
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English (en)
Inventor
Masahiro Tsujishita
雅啓 辻下
Kenichi Taura
賢一 田浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP6017786A priority Critical patent/JPH07212896A/ja
Publication of JPH07212896A publication Critical patent/JPH07212896A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車内などの非対称なスピーカ配置によっ
て生じる音像定位の偏りを、少ない遅延器で補正できる
音響再生装置を得る。 【構成】 複数の中音域再生用スピーカ系に順次インパ
ルス信号を印加するとともに、その中音域再生用スピー
カ系の再生音を聴取位置に設置されたマイクロホン21
で収音し、時間差測定器22で各中音域再生用スピーカ
系の到達時間を測定し、各中音域再生用スピーカ系の到
達時間が同じになるように、各中音域再生用スピーカ系
に設けられた遅延器12L,12Rの遅延時間を調節す
る制御手段23を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の車室内などに
非対称に配置されたスピーカでステレオ再生を行う音響
再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車室内では、ステレオ信号の左チャンネ
ル用スピーカが車室前方の左端に、右チャンネル用スピ
ーカが右端に取付られることが多く、乗員からみると偏
ったスピーカ配置となっている。例えばドライバ席では
右スピーカがより近く、左スピーカがより遠配置となっ
ている。この場合、右スピーカの音波がより速く聴取位
置に到達し、本来、正面に定位すべき音像が右に偏って
定位することになる。これを解決するため、従来の音響
再生装置では、右スピーカの信号を遅延させ、左スピー
カの信号と同時に到達させる処理がとられている。
【0003】図9は、特開昭59−115000号公報
に示された従来のステレオ再生装置を示すブロック回路
図である。図において、1Lは左チャンネルソース、1
Rは右チャンネルソース、2Lは左チャンネルのプリア
ンプ、2Rは右チャンネルのプリアンプ、3Lは左チャ
ンネルのアナログ遅延素子、3Rは右チャンネルのアナ
ログ遅延素子、4Lは左チャンネルのアッテネータ、4
Rは右チャンネルのアッテネータ、5Lは左チャンネル
のメインアンプ、5Rは右チャンネルのメインアンプ、
6Lは左チャンネルのスピーカ、6Rは右チャンネルの
スピーカで、右チャンネルのスピーカ6Rが受聴者7に
近い場合には、右チャンネルの信号をアナログ遅延素子
3Rで遅らせて左右のスピーカ6Lと6Rから同時に受
聴者7に音波が届くようにして音像の定位を改善してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の音響再生装置で
は、再生音質向上のために、複数のスピーカで再生する
マルチチャンネルスピーカシステムが採用されることが
多い。ところがスピーカの数が多いほど音像の定位を改
善するための調整の時間がかかり、また多くの遅延素子
が必要となる。
【0005】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、スピーカ位置が受聴者に対して非
対称なリスニングルームにおいて、聴感上、聴取点での
音像定位の偏りを少ない遅延素子でもって補正でき、ま
た、短時間で調整することができる音響再生装置を得る
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る音響再生装
置は、インパルス信号をスイッチ手段で複数の中音域再
生用スピーカ系に順次印加し、各中音域再生用スピーカ
系にインパルス信号を印加したときから聴取位置で再生
音が収音されるまでの時間を到達時間測定手段でそれぞ
れ測定し、最も大きい到達時間に合わせるように各中音
域再生用スピーカ系の遅延回路の遅延時間を調節するよ
うにしたものである。
【0007】また、バンドノイズ信号をスイッチ手段で
複数の中音域再生用スピーカ系に順次印加し、各中音域
再生用スピーカ系にバンドノイズ信号を印加したときか
ら聴取位置で再生音が収音されるまでの時間を到達時間
測定手段でそれぞれ測定し、最も大きい到達時間に合わ
せるように各中音域再生用スピーカ系の遅延回路の遅延
時間を調節するようにしたものである。
【0008】また、インパルス信号をバンドパスフィル
タで帯域制限した信号をスイッチ手段で複数の中音域再
生用スピーカ系に順次印加し、各中音域再生用スピーカ
系に帯域制限した信号を印加したときから聴取位置で再
生音が収音されるまでの時間を到達時間測定手段でそれ
ぞれ測定し、最も大きい到達時間に合わせるように各中
音域再生用スピーカ系の遅延回路の遅延時間を調節する
ようにしたものである。
【0009】
【作用】この発明による音響再生装置は、聴取位置で各
チャンネルの中音域再生用スピーカ系の到達時間をイン
パルス信号で測定するので、各チャンネルの到達時間の
差の測定を簡単に行えるとともに、到達時間の差の補正
を簡単に行うことができる。
【0010】また、聴取位置で各チャンネルの中音域再
生用スピーカ系の到達時間を狭帯域バンドノイズ信号で
測定するので、各チャンネルの到達時間の差の測定を簡
単に行えるとともに、到達時間の差の補正を簡単に行う
ことができる。
【0011】また、聴取位置で各チャンネルの中音域再
生用スピーカ系の到達時間をインパルス信号を帯域制限
した信号で測定するので、各チャンネルの到達時間の差
の測定を簡単に行えるとともに、到達時間の差の補正を
簡単に行うことができる。
【0012】
【実施例】
実施例1.図1は本発明の実施例1における音響再生装
置の構成を示すブロック回路図で、2チャンネル、4ス
ピーカに適応した場合である。図1において、9はイン
パルス発生器で、周波数100〜2kHzの範囲内のあ
る周波数に設定されたインパルス信号XOを発生する。
10Lは左チャンネルのオーディオ信号入力端子、10
Rは右チャンネルのオーディオ信号入力端子、11Lは
左チャンネルのオーディオ信号とインパルス信号XOを
切り換えるスイッチ、11Rは右チャンネルのオーディ
オ信号とインパルス信号XOを切り換えるスイッチ、1
2Lはスイッチ11Lの出力信号を遅延させる遅延器、
12Rはスイッチ11Rの出力信号を遅延させる遅延
器、13L,14Lは遅延器12Lの出力信号をそれぞ
れ帯域分割するチャンネルデバイダ、13R,14Rは
遅延器12Rの出力信号をそれぞれ帯域分割するチャン
ネルデバイダ、15Lはチャンネルデバイダ13Lの出
力信号をON−OFFするスイッチ、15Rはチャンネ
ルデバイダ13Rの出力信号をON−OFFするスイッ
チ、16Lはチャンネルデバイダ14Lの出力信号をO
N−OFFするスイッチ、16Rはチャンネルデバイダ
14Rの出力信号をON−OFFするスイッチである。
【0013】17Lはスイッチ15Lから入力された信
号を電力増幅するアンプ、17Rはスイッチ15Rから
入力された信号を電力増幅するアンプ、18Lはスイッ
チ16Lから入力された信号を電力増幅するアンプ、1
8Rはスイッチ16Rから入力された信号を電力増幅す
るアンプ、19Lはアンプ17Lの出力信号を音に変換
する中音域再生用スピーカ、19Rはアンプ17Rの出
力信号を音に変換する中音域再生用スピーカ、20Lは
アンプ18Lの出力信号を音に変換する低音域再生用ス
ピーカ、20Rはアンプ18Rの出力信号を音に変換す
る低音域再生用スピーカ、21は各スピーカから放出さ
れたインパルス音を聴取位置で収音するマイクロホン、
22は各中音域再生用スピーカ系にインパルス信号が印
加されたときからマイクロホン21でインパルス音が収
音されるまでの到達時間を測定する到達時間測定器、2
3は到達時間測定動作を制御するとともに、この測定結
果にもとずいて、遅延器12Lおよび12Rの遅延時間
を設定する制御手段である。
【0014】図2に制御手段23のフローチャートを示
す。以下、図2に従って実施例1の動作を説明する。図
1において、インパルス発生器9から出力されたインパ
ルス信号X0は、スイッチ11L,11RのS2端子お
よび到達時間測定器22に入力される。まず、制御手段
23は、S1において、遅延器12L,12Rの遅延時
間を0にし、スイッチ11L,11RをS2端子側に切
り換え、ついでS2で、スイッチ16L,16R,15
RをOFF、スイッチ15LをONにする。これにより
インパルス信号X0は、遅延器12L,チャンネルデバ
イダ13L,スイッチ15L,アンプ17L,スピーカ
19Lを通つて再生され、マイクロホン21で収音され
た信号XMが到達時間測定器22に入力される。
【0015】到達時間測定器22は、インパルス信号X
0がスレッショルドレベルVs1より大きくなったとき
からマイクロホン21で収音された信号XMがスレッシ
ョルドレベルVs2になったときまでの到達時間を測定
し、この到達時間ΔTLを制御手段23に送出する。な
お、この到達時間ΔTLには、スピーカ19Lとマイク
21の距離差の他に、チャンネルデバイダ13L、アン
プ17Lなどの回路、スピーカ19Lでの遅延も含まれ
ている。
【0016】次に、制御手段23は、S3で到達時間測
定器22からに到達時間ΔTLが入力されると、到達時
間測定動作が完了したと認知し、S4でスイッチ16
L,16R,15LをOFF、15RをONにする。こ
れによりインパルス信号X0は遅延器12R、チャンネ
ルデバイダ13R、スイッチ15R、アンプ17R、ス
ピーカ19Rを通つて再生され、マイクロホン21で収
音されて到達時間測定器22に入力される。
【0017】到達時間測定器22は、インパルス信号X
0がスレッショルドレベルVs1より大きくなったとき
からマイクロホン21で収音された信号XMがスレッシ
ョルドレベルVs2になったときまでの時間を測定し、
この到達時間ΔTRを制御手段23に送出する。
【0018】なお、この到達時間ΔTRには、スピーカ
19Rとマイク21の距離差の他に、チャンネルデバイ
ダ13R、アンプ17Rなどの回路、スピーカ19Rで
の遅延も含まれている。
【0019】次に、制御手段23は、S5で到達時間測
定器22から到達時間ΔTRが入力されると、到達時間
測定動作が完了したと認知し、S6でΔTLとΔTRを
比較し、ΔTR>ΔTLのときはS7で遅延器12Lの
遅延時間をΔTR−ΔTLに設定し、ΔTR<ΔTLの
ときはS7で遅延器12Rの遅延時間をΔTL−ΔTR
に設定する。これにより、例えば、スピーカ19Lより
スピーカ19Rの再生音の方が早くマイクロホン21に
到達したとすれば、遅延器12Rの遅延時間はΔTL−
ΔTRに設定され、遅延器12Lの遅延時間は0のまま
であるので、両中音域再生用スピーカ19L,19Rか
ら聴取位置までの到達時間の差は0となる。
【0020】次に、S9でスイッチ11L,11RをS
1端子側に切り換え、スイッチ15L,15R,16
L,16RをONにする。これにより、聴取位置とスピ
ーカ間の距離差による遅延だけでなく、回路やスピーカ
による遅延も含んだ、音像定位に最も影響を与える中音
域の再生音が聴取位置へ同時に到達するよう補正するこ
とができ、音像定位が中央にくるように改善される。
【0021】実施例2.図3は本発明の実施例2におけ
る音響再生装置の構成を示すブロック回路図で、図1と
同一符号はそれぞれ同一部分を示している。図3におい
て、24はバンドノイズ発生器、25Lはスイッチ11
Lの出力信号をON−OFFするスイッチ、25Rはス
イッチ11Rの出力信号をON−OFFするスイッチ、
26は到達時間測定動作を制御するとともに、この測定
結果にもとずいて遅延器12Lおよび12Rの遅延時間
を設定する制御手段である。
【0022】図4は、バンドノイズ発生器24の一構成
例を示すブロック回路図で、27はホワイトノイズ発生
器、28はバンドパスフィルタである。このバンドパス
フィルタ28は、中心周波数が100〜2kHzの範囲
内に設定されたフィルタで、図5に示すような通過帯域
を有している。
【0023】図6は制御手段26のフローチャートを示
す。以下、図6に従って実施例2の動作を説明する。図
6において、バンドノイズ発生器24の出力信号は、ス
イッチ11L,11RのS2端子に入力される。制御手
段26は、まず、S1において、遅延器12L,12R
の遅延時間を0にし、スイッチ11Lと11RをS2端
子側に切り換え、ついでS2で、スイッチ25L,25
RをOFFにしたのち、S3でスイッチ25LをONに
する。これによりバンドノイズ発生器24の出力信号
は、遅延器12L,チャンネルデバイダ13L,スイッ
チ15L,アンプ17L,スピーカ19Lを通つて再生
され、マイクロホン21で収音された信号X0が到達時
間測定器22に入力される。
【0024】到達時間測定器22は、S3でスイッチ2
5LをONにしたときからマイクロホン21で収音され
た信号XMがスレッショルドレベルVs2になるまでの
時間を測定し、この到達時間ΔTLを制御手段26に出
力する。
【0025】なお、この到達時間ΔTLには、スピーカ
19Lとマイク21の距離差の他に、チャンネルデバイ
ダ13L,アンプ17Lなどの回路,スピーカ19Lで
の遅延も含まれている。
【0026】次に、制御手段26は、到達時間測定器2
2から到達時間ΔTLが入力されると、到達時間測定動
作が完了したと認知し、S5でスイッチ25L,25R
をOFFにしたのち、S6でスイッチ25RをONにす
る。これによりバンドノイズ発生器24の出力信号は遅
延器12R,チャンネルデバイダ13R,スイッチ15
R,アンプ17R,スピーカ19Rを通つて再生され、
マイクロホン21で収音されて到達時間測定器22に入
力される。
【0027】到達時間測定器22は、S6でスイッチ2
5RをONにしたときからマイクロホン21で収音され
た信号XMがスレッショルドレベルVs2になるまでの
時間を測定し、この到達時間ΔTRを制御手段26に出
力する。
【0028】なお、この到達時間ΔTRには、スピーカ
19Rとマイク21の距離差の他に、チャンネルデバイ
ダ13R,アンプ17Rなどの回路,スピーカ19Rで
の遅延も含まれている。
【0029】制御手段26は、S7で到達時間測定器2
2から到達時間ΔTRが入力されると、到達時間測定動
作が完了したと認知し、S8でΔTLとΔTRを比較
し、ΔTR>ΔTLのときはS9で遅延器12Lの遅延
時間をΔTR−ΔTLに設定し、ΔTR<ΔTLのとき
はS10で遅延器12Rの遅延時間をΔTL−ΔTRに
設定する。遅延器12Lの遅延時間は0のままであるの
で、両中音域再生用スピーカ19L,19Rから聴取位
置までの到達時間の差は0となる。
【0030】次に、S11でスイッチ11L,11Rを
S1端子側に切り換え、スイッチ25L,25RをON
にする。これにより、聴取位置とスピーカ間の距離差に
よる遅延だけでなく、回路やスピーカによる遅延も含ん
だ、音像定位に最も影響を与える中音域の再生音が聴取
位置へ同時に到達するよう補正することができ、音像定
位が中央にくるように改善される。
【0031】実施例3.図7は本発明の実施例3におけ
る音響再生装置の構成を示すブロック回路図で、図1お
よび図4と同一符号はそれぞれ同一部分を示している。
図7において、29は到達時間測定動作を制御するとと
もに、この測定結果にもとずいて遅延器12Lおよび1
2Rの遅延時間を設定する制御手段である。
【0032】図8は制御手段29のフローチャートを示
す。以下、図8に従って実施例3の動作を説明する。図
7において、バンドパスフィルタ28の出力信号は、ス
イッチ11L,11RのS2端子に入力される。制御手
段29は、まず、S1において、遅延器12L,12R
の遅延時間を0にし、スイッチ11Lと11RをS2端
子側に切り換え、ついでS2で、スイッチ15RをOF
Fに、スイッチ15LをONにする。これによりバンド
パスフィルタ28の出力信号は遅延器12L,チャンネ
ルデバイダ13L,スイッチ15L,アンプ17L,ス
ピーカ19Lを通つて再生され、マイクロホン21で収
音された信号X0が到達時間測定器22に入力される。
【0033】到達時間測定器22は、S2でスイッチ1
5LをONにしたときからマイクロホン21で収音され
た信号XMがスレッショルドレベルVs2になったとき
までの時間を測定し、この到達時間ΔTLを制御手段2
9に送出する。
【0034】なお、この到達時間ΔTLには、スピーカ
19Lとマイク21の距離差の他に、チャンネルデバイ
ダ13L,アンプ17Lなどの回路,スピーカ19Lで
の遅延も含まれている。
【0035】次に、制御手段29は、S3で到達時間測
定器22からに到達時間ΔTLが入力されると到達時間
測定動作が完了したと認知し、S4でスイッチ15Lを
OFFに、15RをONにする。これによりバンドパス
フィルタ28の出力信号X0は、遅延器12R,チャン
ネルデバイダ13R,スイッチ15R,アンプ17R,
スピーカ19Rを通つて再生され、マイクロホン21で
収音されて到達時間測定器22に入力される。
【0036】到達時間測定器22は、S4でスイッチ1
5RをONにしたときからマイクロホン21で収音され
た信号XMがスレッショルドレベルVs2になったとき
までの時間を測定し、この到達時間ΔTRを制御手段2
9に送出する。
【0037】なお、この到達時間ΔTRには、スピーカ
19Rとマイク21の距離差の他に、チャンネルデバイ
ダ13R,アンプ17Rなどの回路,スピーカ19Rで
の遅延も含まれている。
【0038】次に、制御手段29は、S5で到達時間測
定器22から到達時間ΔTRが入力されると、到達時間
測定動作が完了したと認知し、S6でΔTLとΔTRを
比較し、ΔTR>ΔTLのときはS7で遅延器12Lの
遅延時間をΔTR−ΔTLに設定し、ΔTR<ΔTLの
ときはS8で遅延器12Rの遅延時間をΔTL−ΔTR
に設定する。遅延器12Lの遅延時間は0のままである
ので、両中音域再生用スピーカ19L,19Rから聴取
位置までの到達時間の差は0となる。
【0039】次に、S9でスイッチ11L,11RをS
1端子側に切り換え、スイッチ15L,15RをONに
する。これにより、聴取位置とスピーカ間の距離差によ
る遅延だけでなく、回路やスピーカによる遅延も含ん
だ、音像定位に最も影響を与える中音域の再生音が聴取
位置へ同時に到達するよう補正することができ、音像定
位が中央にくるように改善される。
【0040】以上の各実施例では、2チャンネル4スピ
ーカの音響再生装置について説明したが、更に多チャン
ネル多スピーカの音響再生装置においても、中音域再生
用スピーカの再生音の聴取位置までの到達時間が最も遅
いチャンネルに、他のチャンネルの到達時間が同じとな
るように当該チャンネル内の遅延器の遅延時間を調整す
ることで、音像定位が中央にくるように改善することが
できる。
【0041】なお、上記各スイッチは、リレー、アナロ
グスイッチ、ディジタル演算処理手段により実現でき、
また、遅延器は、ディジタル信号処理処理手段により実
現できる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、音像
の定位に最も影響がある各中音域再生用スピーカ系の伝
達時間をインパルス信号、またはバンドノイズ信号、ま
たは帯域制限したインパルス信号を用いて測定し、各中
音域再生用スピーカ系の聴取位置までの伝達時間が同じ
となるように各中音域再生用スピーカ系内の遅延量を調
整するようにしたので、少ない遅延器で再生音の音像定
位を改善できるとともに、調整に要する時間の少ない音
響再生装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による音響再生装置の構成を
示すブロック回路図である。
【図2】実施例1のフローチャートである。
【図3】本発明の実施例2による音響再生装置の構成を
示すブロック回路図である。
【図4】実施例2のバンドノイズ発生器の構成を示すブ
ロック回路図である。
【図5】実施例2のバンドパスフィルタの通過帯域特性
を示す図である。
【図6】実施例2のフローチャートである。
【図7】本発明の実施例3による音響再生装置の構成を
示すブロック回路図である。
【図8】実施例3のフローチャートである。
【図9】従来のステレオ再生装置を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
9 インパルス発生器 11L スイッチ 11R スイッチ 12L 遅延器 12R 遅延器 13L チャンネルデバイダ 13R チャンネルデバイダ 14L チャンネルデバイダ 14R チャンネルデバイダ 15L スイッチ 15R スイッチ 16L スイッチ 16R スイッチ 19L 中音域再生用スピーカ 19R 中音域再生用スピーカ 20L 低音域再生用スピーカ 20R 低音域再生用スピーカ 21 マイクロホン 22 到達時間測定器 23 制御手段 24 バンドノイズ発生器 25L スイッチ 25R スイッチ 28 バンドパスフィルタ 29 制御手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の車室内などに
非対象に配置されたスピーカでステレオ再生を行う音響
再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車室内では、ステレオ信号の左チャンネ
ル用スピーカが車室前方の左端に、右チャンネル用スピ
ーカが右端に取付られることが多く、乗員からみると偏
ったスピーカ配置となっている。例えばドライバ席では
右スピーカがより近く、左スピーカがより遠配置となっ
ている。この場合、右スピーカの音波がより速く聴取位
置に到達し、本来、正面に定位すべき音像が右に偏って
定位することになる。これを解決するため、従来の音響
再生装置では、右スピーカの信号を遅延させ、左スピー
カの信号と同時に到達させる処理がとられている。
【0003】図9は、特開昭59−115000号公報
に示された従来のステレオ再生装置を示すブロック回路
図である。図において、1Lは左チャンネルソース、1
Rは右チャンネルソース、2Lは左チャンネルのプリア
ンプ、2Rは右チャンネルのプリアンプ、3Lは左チャ
ンネルのアナログ遅延素子、3Rは右チャンネルのアナ
ログ遅延素子、4Lは左チャンネルのアッテネータ、4
Rは右チャンネルのアッテネータ、5Lは左チャンネル
のメインアンプ、5Rは右チャンネルのメインアンプ、
6Lは左チャンネルのスピーカ、6Rは右チャンネルの
スピーカで、右チャンネルのスピーカ6Rが受聴者7に
近い場合には、右チャンネルの信号をアナログ遅延素子
3Rで遅らせて左右のスピーカ6Lと6Rから同時に受
聴者7に音波が届くようにして音像の定位を改善してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の音響再生装置で
は、再生音質向上のために、複数のスピーカで再生する
マルチチャンネルスピーカシステムが採用されることが
多い。ところがスピーカの数が多いほど音像の定位を改
善するための調整の時間がかかり、また多くの遅延素子
が必要となる。
【0005】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、スピーカ位置が受聴者に対して非
対象なリスニングルームにおいて、聴感上、聴取点での
音像定位の偏りを少ない遅延素子でもって補正でき、ま
た、短時間で調整することができる音響再生装置を得る
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る音響再生装
置は、インパルス信号をスイッチ手段で複数の中音域再
生用スピーカ系に順次印加し、各中音域再生用スピーカ
系にインパルス信号を印加したときから聴取位置で再生
音が収音されるまでの時間を到達時間測定手段でそれぞ
れ測定し、最も大きい到達時間に合わせるように各中音
域再生用スピーカ系の遅延回路の遅延時間を調節するよ
うにしたものである。
【0007】また、バンドノイズ信号をスイッチ手段で
複数の中音域再生用スピーカ系に順次印加し、各中音域
再生用スピーカ系にバンドノイズ信号を印加したときか
ら聴取位置で再生音が収音されるまでの時間を到達時間
測定手段でそれぞれ測定し、最も大きい到達時間に合わ
せるように各中音域再生用スピーカ系の遅延回路の遅延
時間を調節するようにしたものである。
【0008】また、インパルス信号をバンドパスフィル
タで帯域制限した信号をスイッチ手段で複数の中音域再
生用スピーカ系に順次印加し、各中音域再生用スピーカ
系に帯域制限した信号を印加したときから聴取位置で再
生音が収音されるまでの時間を到達時間測定手段でそれ
ぞれ測定し、最も大きい到達時間に合わせるように各中
音域再生用スピーカ系の遅延回路の遅延時間を調節する
ようにしたものである。
【0009】
【作用】この発明による音響再生装置は、聴取位置で各
チャンネルの中音域再生用スピーカ系の到達時間をイン
パルス信号で測定するので、各チャンネルの到達時間の
差の測定を簡単に行えるとともに、到達時間の差の補正
を簡単に行うことができる。
【0010】また、聴取位置で各チャンネルの中音域再
生用スピーカ系の到達時間を狭帯域バンドノイズ信号で
測定するので、各チャンネルの到達時間の差の測定を簡
単に行えるとともに、到達時間の差の補正を簡単に行う
ことができる。
【0011】また、聴取位置で各チャンネルの中音域再
生用スピーカ系の到達時間をインパルス信号を帯域制限
した信号で測定するので、各チャンネルの到達時間の差
の測定を簡単に行えるとともに、到達時間の差の補正を
簡単に行うことができる。
【0012】
【実施例】 実施例1.図1は本発明の実施例1における音響再生装
置の構成を示すブロック回路図で、2チャンネル、4ス
ピーカに適応した場合である。図1において、9はイン
パルス発生器で、周波数100〜2kHzの範囲内のあ
る周波数に設定されたインパルス信号XOを発生する。
10Lは左チャンネルのオーディオ信号入力端子、10
Rは右チャンネルのオーディオ信号入力端子、11Lは
左チャンネルのオーディオ信号とインパルス信号XOを
切り換えるスイッチ、11Rは右チャンネルのオーディ
オ信号とインパルス信号XOを切り換えるスイッチ、1
2Lはスイッチ11Lの出力信号を遅延させる遅延器、
12Rはスイッチ11Rの出力信号を遅延させる遅延
器、13L,14Lは遅延器12Lの出力信号をそれぞ
れ帯域分割するチャンネルデバイダ、13R,14Rは
遅延器12Rの出力信号をそれぞれ帯域分割するチャン
ネルデバイダ、15Lはチャンネルデバイダ13Lの出
力信号をON−OFFするスイッチ、15Rはチャンネ
ルデバイダ13Rの出力信号をON−OFFするスイッ
チ、16Lはチャンネルデバイダ14Lの出力信号をO
N−OFFするスイッチ、16Rはチャンネルデバイダ
14Rの出力信号をON−OFFするスイッチである。
【0013】17Lはスイッチ15Lから入力された信
号を電力増幅するアンプ、17Rはスイッチ15Rから
入力された信号を電力増幅するアンプ、18Lはスイッ
チ16Lから入力された信号を電力増幅するアンプ、1
8Rはスイッチ16Rから入力された信号を電力増幅す
るアンプ、19Lはアンプ17Lの出力信号を音に変換
する中音域再生用スピーカ、19Rはアンプ17Rの出
力信号を音に変換する中音域再生用スピーカ、20Lは
アンプ18Lの出力信号を音に変換する低音域再生用ス
ピーカ、20Rはアンプ18Rの出力信号を音に変換す
る低音域再生用スピーカ、21は各スピーカから放出さ
れたインパルス音を聴取位置で収音するマイクロホン、
22は各中音域再生用スピーカ系にインパルス信号が印
加されたときからマイクロホン21でインパルス音が収
音されるまでの到達時間を測定する到達時間測定器、2
3は到達時間測定動作を制御するとともに、この測定結
果にもとずいて、遅延器12Lおよび12Rの遅延時間
を設定する制御手段である。
【0014】図2に制御手段23のフローチャートを示
す。以下、図2に従って実施例1の動作を説明する。図
1において、インパルス発生器9から出力されたインパ
ルス信号X0は、スイッチ11L,11RのS2端子お
よび到達時間測定器22に入力される。まず、制御手段
23は、S1において、遅延器12L,12Rの遅延時
間を0にし、スイッチ11L,11RをS2端子側に切
り換え、ついでS2で、スイッチ16L,16R,15
RをOFF、スイッチ15LをONにする。これにより
インパルス信号X0は、遅延器12L,チャンネルデバ
イダ13L,スイッチ15L,アンプ17L,スピーカ
19Lを通つて再生され、マイクロホン21で収音され
た信号XMが到達時間測定器22に入力される。
【0015】到達時間測定器22は、インパルス信号X
0がスレッショルドレベルVs1より大きくなったとき
からマイクロホン21で収音された信号XMがスレッシ
ョルドレベルVs2になったときまでの到達時間を測定
し、この到達時間ΔTLを制御手段23に送出する。な
お、この到達時間ΔTLには、スピーカ19Lとマイク
21の距離差の他に、チャンネルデバイダ13L、アン
プ17Lなどの回路、スピーカ19Lでの遅延も含まれ
ている。
【0016】次に、制御手段23は、S3で到達時間測
定器22からに到達時間ΔTLが入力されると、到達時
間測定動作が完了したと認知し、S4でスイッチ16
L,16R,15LをOFF、15RをONにする。こ
れによりインパルス信号X0は遅延器12R、チャンネ
ルデバイダ13R、スイッチ15R、アンプ17R、ス
ピーカ19Rを通つて再生され、マイクロホン21で収
音されて到達時間測定器22に入力される。
【0017】到達時間測定器22は、インパルス信号X
0がスレッショルドレベルVs1より大きくなったとき
からマイクロホン21で収音された信号XMがスレッシ
ョルドレベルVs2になったときまでの時間を測定し、
この到達時間ΔTRを制御手段23に送出する。
【0018】なお、この到達時間ΔTRには、スピーカ
19Rとマイク21の距離差の他に、チャンネルデバイ
ダ13R、アンプ17Rなどの回路、スピーカ19Rで
の遅延も含まれている。
【0019】次に、制御手段23は、S5で到達時間測
定器22から到達時間ΔTRが入力されると、到達時間
測定動作が完了したと認知し、S6でΔTLとΔTRを
比較し、ΔTR>ΔTLのときはS7で遅延器12Lの
遅延時間をΔTR−ΔTLに設定し、ΔTR<ΔTLの
ときはS7で遅延器12Rの遅延時間をΔTL−ΔTR
に設定する。これにより、例えば、スピーカ19Lより
スピーカ19Rの再生音の方が早くマイクロホン21に
到達したとすれば、遅延器12Rの遅延時間はΔTL−
ΔTRに設定され、遅延器12Lの遅延時間は0のまま
であるので、両中音域再生用スピーカ19L,19Rか
ら聴取位置までの到達時間の差は0となる。
【0020】次に、S9でスイッチ11L,11RをS
1端子側に切り換え、スイッチ15L,15R,16
L,16RをONにする。これにより、聴取位置とスピ
ーカ間の距離差による遅延だけでなく、回路やスピーカ
による遅延も含んだ、音像定位に最も影響を与える中音
域の再生音が聴取位置へ同時に到達するよう補正するこ
とができ、音像定位が中央にくるように改善される。
【0021】実施例2.図3は本発明の実施例2におけ
る音響再生装置の構成を示すブロック回路図で、図1と
同一符号はそれぞれ同一部分を示している。図3におい
て、24はバンドノイズ発生器、25Lはスイッチ11
Lの出力信号をON−OFFするスイッチ、25Rはス
イッチ11Rの出力信号をON−OFFするスイッチ、
26は到達時間測定動作を制御するとともに、この測定
結果にもとずいて遅延器12Lおよび12Rの遅延時間
を設定する制御手段である。
【0022】図4は、バンドノイズ発生器24の一構成
例を示すブロック回路図で、27はホワイトノイズ発生
器、28はバンドパスフィルタである。このバンドパス
フィルタ28は、中心周波数が100〜2kHzの範囲
内に設定されたフィルタで、図5に示すような通過帯域
を有している。
【0023】図6は制御手段26のフローチャートを示
す。以下、図6に従って実施例2の動作を説明する。図
6において、バンドノイズ発生器24の出力信号は、ス
イッチ11L,11RのS2端子に入力される。制御手
段26は、まず、S1において、遅延器12L,12R
の遅延時間を0にし、スイッチ11Lと11RをS2端
子側に切り換え、ついでS2で、スイッチ25L,25
RをOFFにしたのち、S3でスイッチ25LをONに
する。これによりバンドノイズ発生器24の出力信号
は、遅延器12L,チャンネルデバイダ13L,スイッ
チ15L,アンプ17L,スピーカ19Lを通つて再生
され、マイクロホン21で収音された信号X0が到達時
間測定器22に入力される。
【0024】到達時間測定器22は、S3でスイッチ2
5LをONにしたときからマイクロホン21で収音され
た信号XMがスレッショルドレベルVs2になるまでの
時間を測定し、この到達時間ΔTLを制御手段26に出
力する。
【0025】なお、この到達時間ΔTLには、スピーカ
19Lとマイク21の距離差の他に、チャンネルデバイ
ダ13L,アンプ17Lなどの回路,スピーカ19Lで
の遅延も含まれている。
【0026】次に、制御手段26は、到達時間測定器2
2から到達時間ΔTLが入力されると、到達時間測定動
作が完了したと認知し、S5でスイッチ25L,25R
をOFFにしたのち、S6でスイッチ25RをONにす
る。これによりバンドノイズ発生器24の出力信号は遅
延器12R,チャンネルデバイダ13R,スイッチ15
R,アンプ17R,スピーカ19Rを通つて再生され、
マイクロホン21で収音されて到達時間測定器22に入
力される。
【0027】到達時間測定器22は、S6でスイッチ2
5RをONにしたときからマイクロホン21で収音され
た信号XMがスレッショルドレベルVs2になるまでの
時間を測定し、この到達時間ΔTRを制御手段26に出
力する。
【0028】なお、この到達時間ΔTRには、スピーカ
19Rとマイク21の距離差の他に、チャンネルデバイ
ダ13R,アンプ17Rなどの回路,スピーカ19Rで
の遅延も含まれている。
【0029】制御手段26は、S7で到達時間測定器2
2から到達時間ΔTRが入力されると、到達時間測定動
作が完了したと認知し、S8でΔTLとΔTRを比較
し、ΔTR>ΔTLのときはS9で遅延器12Lの遅延
時間をΔTR−ΔTLに設定し、ΔTR<ΔTLのとき
はS10で遅延器12Rの遅延時間をΔTL−ΔTRに
設定する。遅延器12Lの遅延時間は0のままであるの
で、両中音域再生用スピーカ19L,19Rから聴取位
置までの到達時間の差は0となる。
【0030】次に、S11でスイッチ11L,11Rを
S1端子側に切り換え、スイッチ25L,25RをON
にする。これにより、聴取位置とスピーカ間の距離差に
よる遅延だけでなく、回路やスピーカによる遅延も含ん
だ、音像定位に最も影響を与える中音域の再生音が聴取
位置へ同時に到達するよう補正することができ、音像定
位が中央にくるように改善される。
【0031】実施例3.図7は本発明の実施例3におけ
る音響再生装置の構成を示すブロック回路図で、図1お
よび図4と同一符号はそれぞれ同一部分を示している。
図7において、29は到達時間測定動作を制御するとと
もに、この測定結果にもとずいて遅延器12Lおよび1
2Rの遅延時間を設定する制御手段である。
【0032】図8は制御手段29のフローチャートを示
す。以下、図8に従って実施例3の動作を説明する。図
7において、バンドパスフィルタ28の出力信号は、ス
イッチ11L,11RのS2端子に入力される。制御手
段29は、まず、S1において、遅延器12L,12R
の遅延時間を0にし、スイッチ11Lと11RをS2端
子側に切り換え、ついでS2で、スイッチ15RをOF
Fに、スイッチ15LをONにする。これによりバンド
パスフィルタ28の出力信号は遅延器12L,チャンネ
ルデバイダ13L,スイッチ15L,アンプ17L,ス
ピーカ19Lを通つて再生され、マイクロホン21で収
音された信号X0が到達時間測定器22に入力される。
【0033】到達時間測定器22は、S2でスイッチ1
5LをONにしたときからマイクロホン21で収音され
た信号XMがスレッショルドレベルVs2になったとき
までの時間を測定し、この到達時間ΔTLを制御手段2
9に送出する。
【0034】なお、この到達時間ΔTLには、スピーカ
19Lとマイク21の距離差の他に、チャンネルデバイ
ダ13L,アンプ17Lなどの回路,スピーカ19Lで
の遅延も含まれている。
【0035】次に、制御手段29は、S3で到達時間測
定器22からに到達時間ΔTLが入力されると到達時間
測定動作が完了したと認知し、S4でスイッチ15Lを
OFFに、15RをONにする。これによりバンドパス
フィルタ28の出力信号X0は、遅延器12R,チャン
ネルデバイダ13R,スイッチ15R,アンプ17R,
スピーカ19Rを通つて再生され、マイクロホン21で
収音されて到達時間測定器22に入力される。
【0036】到達時間測定器22は、S4でスイッチ1
5RをONにしたときからマイクロホン21で収音され
た信号XMがスレッショルドレベルVs2になったとき
までの時間を測定し、この到達時間ΔTRを制御手段2
9に送出する。
【0037】なお、この到達時間ΔTRには、スピーカ
19Rとマイク21の距離差の他に、チャンネルデバイ
ダ13R,アンプ17Rなどの回路,スピーカ19Rで
の遅延も含まれている。
【0038】次に、制御手段29は、S5で到達時間測
定器22から到達時間ΔTRが入力されると、到達時間
測定動作が完了したと認知し、S6でΔTLとΔTRを
比較し、ΔTR>ΔTLのときはS7で遅延器12Lの
遅延時間をΔTR−ΔTLに設定し、ΔTR<ΔTLの
ときはS8で遅延器12Rの遅延時間をΔTL−ΔTR
に設定する。遅延器12Lの遅延時間は0のままである
ので、両中音域再生用スピーカ19L,19Rから聴取
位置までの到達時間の差は0となる。
【0039】次に、S9でスイッチ11L,11RをS
1端子側に切り換え、スイッチ15L,15RをONに
する。これにより、聴取位置とスピーカ間の距離差によ
る遅延だけでなく、回路やスピーカによる遅延も含ん
だ、音像定位に最も影響を与える中音域の再生音が聴取
位置へ同時に到達するよう補正することができ、音像定
位が中央にくるように改善される。
【0040】以上の各実施例では、2チャンネル4スピ
ーカの音響再生装置について説明したが、更に多チャン
ネル多スピーカの音響再生装置においても、中音域再生
用スピーカの再生音の聴取位置までの到達時間が最も遅
いチャンネルに、他のチャンネルの到達時間が同じとな
るように当該チャンネル内の遅延器の遅延時間を調整す
ることで、音像定位が中央にくるように改善することが
できる。
【0041】なお、上記各スイッチは、リレー、アナロ
グスイッチ、ディジタル演算処理手段により実現でき、
また、遅延器は、ディジタル信号処理処理手段により実
現できる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、音像
の定位に最も影響がある各チャンネルの中音域再生用ス
ピーカ系の聴取位置えの到達時間をインパルス信号で測
定し、各中音域再生用スピーカ系の聴取位置までの伝達
時間が同じとなるように各中音域再生用スピーカ系内の
遅延量を調整するようにしたので、各チャンネルの到達
時間の差の測定が簡単に行えるとともに、少ない遅延器
で再生音の音像定位を改善することができ、さらに調整
に要する時間の少ない音響再生装置が得られる効果があ
【0043】また、聴取位置までの各チャンネルの中音
域再生用スピーカ系の到達時間を狭帯域バンドノイズ信
号で測定し、各中音域再生用スピーカ系の聴取位置まで
の伝達時間が同じとなるように各中音域再生用スピーカ
系内の遅延量を調整するようにしたので、各チャンネル
の到達時間の差の測定が簡単に行えるとともに、到達時
間の差の補正を簡単に行うことができ、さらに調整に要
する時間の少ない音響再生装置が得られる効果がある
【0044】また、聴取位置で各チャンネルの中音域再
生用スピーカ系の到達時間をインパルス信号を帯域制限
した信号で測定し、各中音域再生用スピーカ系の聴取位
置までの伝達時間が同じとなるように各中音域再生用ス
ピーカ系内の遅延量を調整するようにしたので、各チャ
ンネルの到達時間の差の測定が簡単に行えるとともに、
到達時間の差の補正を簡単に行うことができ、さらに調
整に要する時間の少ない音響再生装置が得られる効果が
ある
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04S 7/00 F 8421−5H

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の中音域再生用スピーカ系と、オー
    ディオ信号が入力されるオーディオ信号入力端子と、イ
    ンパルス信号を発生するインパルス信号発生部と、前記
    オーディオ信号とインパルス信号を切り換える第1のス
    イッチ手段と、前記中音域再生用スピーカ系以外への入
    力信号をON・OFFする第2のスイッチ手段と、前記
    複数の中音域再生用スピーカ系の中から一つの中音域再
    生用スピーカ系を順次選択して前記インパルス信号を印
    加する第3のスイッチ手段と、聴取位置に設置され前記
    選択された中音域再生用スピーカ系で再生されたインパ
    ルス信号を収音する収音マイクロホンと、前記インパル
    ス信号が前記選択された中音域再生用スピーカ系に印加
    されたときから前記収音マイクロホンで収音されるまで
    の到達時間を測定する到達時間測定手段と、各中音域再
    生用スピーカ系に設けられた遅延回路と、前記複数の選
    択されたスピーカについて測定された到達時間のうち最
    も大きい時間に合わせるように各中音域再生用スピーカ
    系の遅延回路の遅延時間を調整する制御手段を備えた音
    響再生装置。
  2. 【請求項2】 複数の中音域再生用スピーカ系と、オー
    ディオ信号が入力されるオーディオ信号入力端子と、バ
    ンドノイズ信号を発生するバンドノイズ発生部と、前記
    オーディオ信号とバンドノイズ信号を切り換える第1の
    スイッチ手段と、前記複数の中音域再生用スピーカ系の
    中から一つの中音域再生用スピーカ系を順次選択して前
    記インパルス信号を印加する第2のスイッチ手段と、聴
    取位置に設置され前記選択された中音域再生用スピーカ
    系で再生されたインパルス信号を収音する収音マイクロ
    ホンと、前記インパルス信号が前記選択された中音域再
    生用スピーカ系に印加されたときから前記収音マイクロ
    ホンで収音されるまでの到達時間を測定する到達時間測
    定手段と、各中音域再生用スピーカ系に設けられた遅延
    回路と、前記複数の中音域再生用スピーカ系について測
    定された到達時間のうち最も大きい時間に合わせるよう
    に各中音域再生用スピーカ系の遅延回路の遅延時間を調
    整する制御手段を備えた音響再生装置。
  3. 【請求項3】 複数の中音域再生用スピーカ系と、オー
    ディオ信号が入力されるオーディオ信号入力端子と、イ
    ンパルス信号を発生するインパルス信号発生部と、この
    インパルス信号の帯域を制限するバンドパスフィルタ
    と、前記オーディオ信号とバンドパスフィルタの出力信
    号を切り換える第1のスイッチ手段と、前記複数の中音
    域再生用スピーカ系の中から一つの中音域再生用スピー
    カ系を順次選択して前記インパルス信号を印加する第2
    のスイッチ手段と、聴取位置に設置され前記選択された
    中音域再生用スピーカ系で再生されたインパルス信号を
    収音する収音マイクロホンと、前記インパルス信号が前
    記選択された中音域再生用スピーカ系に印加されたとき
    から前記収音マイクロホンで収音されるまでの到達時間
    を測定する到達時間測定手段と、各中音域再生用スピー
    カ系に設けられた遅延回路と、前記複数の中音域再生用
    スピーカ系について測定された到達時間のうち最も大き
    い時間に合わせるように各中音域再生用スピーカ系の遅
    延回路の遅延時間を調整する制御手段を備えた音響再生
    装置。
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