JPH0721030B2 - 改質された非晶質プロピレン−エチレン共重合体 - Google Patents

改質された非晶質プロピレン−エチレン共重合体

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JPH0721030B2
JPH0721030B2 JP63113067A JP11306788A JPH0721030B2 JP H0721030 B2 JPH0721030 B2 JP H0721030B2 JP 63113067 A JP63113067 A JP 63113067A JP 11306788 A JP11306788 A JP 11306788A JP H0721030 B2 JPH0721030 B2 JP H0721030B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な改質された非晶質プロピレン−エチレ
ン共重合体に関し、更に詳しくは、各種樹脂の改質剤と
して、接着性、印刷性および染色性に優れた各種樹脂と
して使用することのできる改質された非晶質プロピレン
−エチレン共重合体に関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
従来から、無極性の、ポリエチレン、ポリプロピレン等
の高分子量ポリオレフィンに、ケトン基、アルデヒド基
またはカルボキシル基等を導入することにより、ポリオ
レフィンの物理的、化学的性質を改善することは知られ
ている。すなわち、上記官能基をポリオレフィンに導入
することにより、極生物質との接着性が改良され、印刷
性および染色性が著しく改良される。
殊に非晶質のプロピレン−エチレンランダム共重合体
は、ポリプロピレンのランダム共重合体を製造する時の
副生品として小量得られているが、エチレン含有量は、
多くても5モル%以下である。
また、非晶質のプロピレン−エチレンブロック共重合体
も、ポリプロピレンのブロック共重合体製造時に部分的
に副生される。
而して、プロピレンとエチレンのモノマー仕込量を適当
な範囲に設定することによって、上記の非晶質プロピレ
ン−エチレンランダム共重合体を製造することは可能で
あるが、副生品としてではなく、担持型の高活性触媒を
用いた目的生産によって、プロピレン含量71〜95モル
%、エチレン含量5〜29モル%の非晶質プロピレン−エ
チレンランダム共重合体を製造する方法は、殆ど知られ
ていない。
また、上記非晶質のプロピレン−エチレンランダム共重
合体は、アスファルト改質剤の原料として、あるいは粘
着剤と組み合わせたホットメルト接着剤の原料等として
の用途があるものの、該非晶質のプロピレン−エチレン
ランダム共重合体は分子製造中に極性基をもたないた
め、単独ではホットメルト接着剤等として使用すること
ができなかった。そこで、分子中に官能基を有する新規
な改質された非晶質プロピレン−エチレン共重合体の出
現が切望されていた。
そこで接着性を改良する方法として、従来から種々の提
案がなされており、例えば、ポリプロピレンの接着性を
改良する場合には、不飽和カルボン酸又はその誘導体か
らなるモノマーをポリプロピレンにグラフト化させる方
法などが知られている。
そのグラフト化の方法として、例えば溶液状態で反応さ
せる方法(例えば、特公昭44−15422号公報)、スラリ
ー状態で反応させる方法(例えば、特公昭43−18144号
公報)および溶融状態で反応させる方法(例えば、特公
昭43−27421号公報)等が提案されている。これらの中
でも溶融状態で反応させる方法は、押出機を用いるため
操作が簡単であるという優位性があるものの、グラフト
割合が通常数%以下と少なく、また得られた変性ポリマ
ーには未反応モノマーが残存し、この残存モノマー量が
多いと接着性が充分でなく、またシート、フィルム、中
空成形等の形成時にモノマーが気泡となって発生すると
いう問題点がある。
そのため、未反応モノマーを除去する方法として溶解再
沈澱法、溶媒抽出法(例えば、特開昭54−99193号公
報)等が提案されているが、溶媒や貧溶媒を多量にしな
くてはならず、操作が繁雑でコストが高くなるという問
題があった。
一方、低分子量の代表的なものとして、エチレン系ラン
ダム共重合体を不飽和カルボン酸等でグラフト反応させ
た液状の変性エチレン系ランダム共重合体が知られてい
る(特開昭61−126120号公報)。この変性エチレン系ラ
ンダム共重合体はエチレン成分が30〜75モル%で、α−
オレフィン成分が25〜70モル%の範囲にあり、ポリアミ
ド組成物の原料として用途が提案されている。(特開昭
62−11766号公報)。
また、特開昭60−35043号公報には、アイオノマー樹脂
に、エチレン−α−オレフィン共重合体をα、β−不飽
和カルボン酸またはその誘導体により変性したグラフト
共重合体をブレンドする方法が開示されているが、その
変形グラフト共重合体中のエチレン含有量は、約70〜95
モル%で、エチレン含有量が高いものである。
また、数平均分子量400〜3000のアタクチックポリプロ
ピレン(プロピレン100モル%)を無水マレイン酸と反
応させると、200〜250℃、6時間で無水コハク酸基を12
〜17%含有する変性体が得られ、これは油溶性の界面活
性剤およびモーター油添加物としての用途が提案されて
いる(ポリマーダイジェスト 10 94(1984)。
また、アタクチックプロピレン−エチレン共重合体は、
公知であり、一般にプロピレン−エチレンブロック共重
合体の製造過程でアタクチック部分として、溶剤抽出に
よって分離副生されるヘプタン可溶部分を主体とするエ
チレン含量が5〜50重量%のもので、三塩化チタンと有
機アルミニウム化合物を含む触媒の存在下にプロピレン
を重合し、次にプロピレン重合体存在下でエチレンとプ
ロピレンを共重合させ、この重合体を脂肪族炭化水素溶
媒で抽出した可溶性重合体の部分であるという記載があ
る(特開昭57−94032号公報)が該アタクチックプロピ
レン−エチレン共重合体の分子構造は、プロピレンとエ
チレンの配列がブロック的になりやすく、副生品として
のアタクチックポリマーは、品質のばらつきが大きく、
触媒残渣が多いという問題点を有している。
従って、本発明の目的は、各種樹脂の改質剤として、あ
るいは接着性、印刷性および染色性に優れた樹脂として
使用することができる改質された非晶質プロピレン−エ
チレン共重合体を提供することにある。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明者らは、非晶質プロピレン−エチレン共重合体に
ついて種々検討した結果、非晶質プロピレン−エチレン
共重合体におけるエチレン成分、及び数平均分子量が、
それぞれ特定の範囲にあり、且つ不飽和カルボン酸誘導
体が成分のグラフト割合が特定範囲にあるものが、上記
目的を達成し得ることを知見した。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたもので、 非晶質プロピレン−エチレン共重合体に炭素原子数3〜
10の不飽和カルボン酸、その酸無水物およびそのエステ
ルからなる不飽和カルボン酸誘導体成分がグラフト共重
合した非晶質プロピレン−エチレン共重合体であって、 (1)上記非晶質プロピレン−エチレン共重合体のプロ
ピレン成分が76〜95モル%及びエチレン成分が5〜24モ
ル%の範囲にあり、 (2)上記非晶質プロピレン−エチレン共重合体の数平
均分子量が3500〜30000の範囲にあり、 (3)上記不飽和カルボン酸誘導体成分のグラフト割合
が、上記非晶質プロピレン−エチレン共重合体の100重
量部に対して、0.1〜40重量部である ことを特徴とする改質された非晶質プロピレン−エチレ
ン共重合体 を提供するものである。
本発明の改質された非晶質プロピレン−エチレン共重合
体における非晶質プロピレン−エチレン共重合体のプロ
ピレン成分の含有量が71〜95%、エチレン成分の含有量
が5〜29モル%の範囲にあり、より好ましくはエチレン
成分の含有量が10〜25モル%である。エチレン成分が5
モル%未満では後述する不飽和カルボン酸誘導体のグラ
フト化反応が困難であり、また29モル%を超えると、反
応系の粘度が高くなる。上記非晶質プロピレン−エチレ
ン共重合体は、プロピレンとエチレンのランダム共重合
反応によって目的生産することができる。つまり、該非
晶質プロピレン−エチレン共重合体は、実質的に無脱灰
プロセスが可能な高活性触媒を用いて、プロピレンとエ
チレンとを高度にランダム共重合させる目的生産によっ
て製造されたものである。そして、該ランダム共重合体
は沸騰n−ヘプタンによって抽出することができ、抽出
される可溶性の非晶質プロピレン−エチレン共重合体の
収率は、通常80重量%以上である。上記目的生産に用い
られる実質的に無脱灰プロセスが可能な高活性触媒とし
ては、たとえばマグネシウム成分に担持させたチタン担
持型固形触媒が挙げられる。該触媒の使用量は、プロピ
レン1000〜100万g/g−Cat.の範囲が好ましく、より好ま
しくは1000〜50万g/g−Cat.である。その他の反応条件
として、圧力1〜80kg/cm2G、反応温度10〜100℃、反応
時間10〜240分が好ましい。
本発明の改質された非晶質プロピレン−エチレン共重合
体は、その非晶質プロピレン−エチレン共重合体の数平
均分子量が3500〜30000の範囲にあり、より好ましくは5
000〜10000である。数平均分子量が3500未満では、ポリ
マーとしての特性が発揮されず、30000を超えると接着
剤などとして用いるには粘度等の物性上好ましくない。
尚、数平均分子量は、例えば、ゲル・パーミエーション
・クロマトグラフィ(GPC)など周知の方法によって測
定することができる。本発明の改質された非晶質プロピ
レン−エチレン共重合体は、その非晶質プロピレン−エ
チレン共重合体に炭素原子数3ないし10の不飽和カルボ
ン酸、その酸無水物およびそのエステルからなる不飽和
カルボン酸誘導体成分がグラフト共重合したものであ
る。
上記不飽和カルボン酸誘導体成分の炭素原子数は3〜10
の範囲であり、より好ましくは4〜8である。炭素原子
数が3未満ではポリマーへの着臭が強く、炭素数が10を
超えるとグラフト反応が起こりにくい。
而して、炭素原子数が3ないし10の不飽和カルボン酸、
その酸無水物およびそのエステルからなる不飽和カルボ
ン酸誘導体としては、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン
酸、テトラヒドロフタル酸、ビシクロ(2,2,1)ヘプト
−2−エン−5,6−ジカルボン酸等の不飽和カルボン
酸、無水マルイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ(2,2,1)ヘ
プト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物等の不飽和
カルボン酸の無水物、アクリル酸メチル、メタクリル酸
メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチルフ
マール酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸
ジエチル、テトラヒドロ無水フタル酸ジメチル、ビシク
ロ(2,2,1)ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸ジメ
チル等の不飽和カルボン酸のエステルが挙げられる。こ
れらの中でもマレイン酸、イタコン酸またはこれらの無
水物が好ましい。本発明の改質された非晶質プロピレン
−エチレン共重合体は、不飽和カルボン酸誘導体成分の
グラフト割合が、上記非晶質プロピレン−エチレン共重
合体の100重量部に対して、0.1〜40重量部で、より好ま
しくは0.5〜20重量部である。0.1重量部未満では極性が
不充分であり、40重量部を超えるとグラフト反応によっ
て製品を得ることが通常困難である。
上記グラフト割合にある改質された非晶質プロピレン−
エチレン共重合体を得るためには、不飽和カルボン酸、
その酸無水物およびそのエステルからなる不飽和カルボ
ン酸誘導体の使用量は、非晶質プロピレン−エチレン共
重合体100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、よ
り好ましくは0.4〜40重量部である。0.1重量部以下で
は、グラフト反応率が低く、50重量部以上の使用は、反
応率が一定値以上より増加しないので無意味である。溶
液状態でグラフト反応を行う場合には、反応を容易に進
行させるためにキシレン等の芳香族炭化水素、ヘプタン
等の脂肪族炭化水素、アセトン等のケトン類の溶媒が好
適に使用される。溶媒の使用にあたっては、キシレン−
アセトン系等の混合溶媒を採用することもできる。溶媒
の使用量は、非晶質プロピレン−エチレン共重合体100
部に対して、200〜1000部の割合が好ましい。溶媒量が
多すぎると反応器の大きなものを使用せざるを得なくな
り、溶媒量が少なすぎるとグラフト反応速度が遅くなる
場合がある。
不飽和カルボン酸、その酸無水物およびそのエステルか
らなる不飽和カルボン酸誘導体の分散は、溶媒と非晶質
プロピレン−エチレンの共存下で常温で30〜60分間攪拌
すると効果的である。このような分散状態系に、グラフ
ト反応を促進させるために、通常過酸化物が添加され
る。
過酸化物としては、例えば有機過酸化物が使用され、特
にその半減期が1分となる分解温度が120℃〜270℃の範
囲のものが好ましく、このような有機過酸化物として
は、有機ペルオキシド、有機ペルエステルがあり、より
具体的には、例えば、ベンゾイルペルオキシド、ジクロ
ルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ
−tert−ブチルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオ
キシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾ
エート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルペル
オキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシ
ド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチ
ルペルベンゾエート、tert−ブチルペルフェニルアセテ
ート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチル
ペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピバレー
ト、クミルペルピバレート、tert−ブチルパ−オキシベ
ンゾエートおよびtert−ブチルペルジエチルアセテート
が挙げられる。この中でも、ベンゾイルペルオキシド、
ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルパ−オキ
シベンゾエートが好適に使用される。
過酸化物の使用量は、非晶質プロピレン−エチレン共重
合体100部に対して、0.05〜10部の範囲であり、0.15〜
8部が好ましい。
0.05部以下では、不飽和カルボン酸、その酸無水物およ
びそのエステルからなる不飽和カルボン酸誘導体の充分
に反応させることが困難であり、10部以上では非晶質プ
ロピレン−エチレン共重合体の幹ポリマーの主鎖切断等
が起り、劣化が進行するので、好ましくない。
グラフト反応の温度は、115〜200℃が望ましく、反応温
度が低すぎるとグラフト反応が進行困難となり、高すぎ
ると、幹ポリマー分子の切断が起こったりする。反応時
間は10分〜8時間、好ましくは3〜6時間である。
過酸化物は、そのまま、あるいは有機溶剤に溶解せしめ
て反応系に全量あるいは数回に分割して添加してもよい
が、非晶質プロピレン−エチレン共重合体、溶媒、無水
マレイン酸等の改質試剤が共存する系に添加することが
望ましい。
グラフト反応完了後は、通常未反応改質試剤を改質され
た非晶質プロピレン−エチレン共重合体から溶媒抽出に
より除去分離する方法が採用される。例えば、改質試剤
として無水マレイン酸を使用した場合は、無水マレイン
酸がアセトンに可溶という性質を利用して、未反応の無
水マレイン酸を改質された非晶質プロピレン−エチレン
共重合体から分離する。
このような改質された非晶質プロピレン−エチレン共重
合体は、各種樹脂の改質剤として、あるいは接着性、印
刷性および染色性に優れた特性の要求される各種樹脂と
して利用することができる。
一方、本発明の改質された非晶質プロピレン−エチレン
共重合体は、テーパースクリュー型ニーダールーダーの
ような特殊な押出機を用いて、未改質の非晶質プロピレ
ン−エチレン共重合体、過酸化物および無水マレイン
酸、あるいは無水イタコン酸のような改質剤を溶媒下で
押出混練することによって製造することも可能である。
この場合は、操作が簡便であるものの、グラフト率が低
い。
以下、新規な改質された非晶質プロピレン−エチレン共
重合体を実施例により具体的に説明するが本発明はこれ
ら実施例によって何ら制限を受けるものではない。
〔実施例〕
実施例1 未改質の非晶質プロピレン−エチレン共重合体の製造 まず、攪拌機付きの内容積2のオートクレーブ内にマ
グネシウム成分に担持させたチタン担持型触媒固体成分
3mg(チタン含有量5.2wt%)を封入したガラスアンプル
を取り付けた後、オートクレーブ内の空気を窒素で置換
した。次いで、トリエチルアルミニウム1.2ミリモルの
n−ヘプタン溶液1.5mlをオートクレーブに仕込んだ
後、水素ガスを1kg/cm2・G、エチレンを11kg/cm2
G、液体プロピレン1100mlをオートクレーブに導入して
オートクレーブ振蕩させた。その後オートクレーブ内容
物を65℃に昇温後、攪拌を開始して上記ガラスアンプル
を破砕し、同温度で1時間プロプレンとエチレンの共重
合反応を行った。
重合反応終了後、未反応のプロピレンを放出し、約1
のn−ヘプタンを導入して攪拌し、n−ヘプタン反応混
合物を取り出した。このn−ヘプタン反応混合物をロー
タリーエバポレーターに仕込み、加熱下でn−ヘプタン
を蒸留除去した。
得られた共重合体の生産量は、74000g/g−Cat.hrであっ
た。
この共重合体のプロピレン含有量は1H−NMRで分析した
ところ、84.8モル%、エチレン含有量は15.2モル%であ
った。
この共重合体5gを精秤し、ソックスレー抽出器を用いて
沸騰n−ヘプタンで20時間抽出したところ、抽出された
共重合体の量は94.2重量%であった。
得られた上記共重合体の数平均分子量をGPCにより測定
したことろ、5800の値を得た 改質された非晶質プロピレン−エチレン共重合体の製
造 攪拌機付きガラス製の1リアクターに上述の方法によ
って製造した未改質の非晶質プロピレン−エチレン共重
合体300gを入れ、0.2kg/cm2・Gの窒素雰囲気下で0.1時
間加圧した後、内部を1mmHgに減圧するという操作を10
回繰り返し、操作終了後はリアクター内部を窒素雰囲気
下に保持する。次にリアクターの内容物を160℃に昇温
し、2個の滴下ロートに予め充填してある60℃に加温し
た無水マレイン酸15g、およびジ−tert−ブチルペルオ
キシド3gを3時間かけて徐々滴下した。滴下後、同温度
で更に3時間反応を行い、引き続きリアクターを180℃
迄昇温した。然る後、未反応の無水マレイン酸を除去す
るために0.5mmHgに減圧し、その減圧下にリアクターを
保持した。無水マレイン酸を除去した後、反応生成物に
アセトン1を加えて、50℃に加熱し、反応生成物を充
分に洗浄後、分離した。この操作を3回繰り返し、改質
された非晶質プロピレン−エチレン共重合体を得た。
改質された非晶質プロピレン−エチレン共重合体の赤外
線スペクトルを測定した結果、1785cm-1と1860cm-1に無
水マレイン酸に起因する明瞭なピークが観察され、共重
合体中に無水マレイン酸が導入されていることが判明し
た。
更に、赤外線スペクトルにより定量分析を行った結果、
改質された非晶質プロピレン−エチレン共重合体中の無
水マレイン酸成分のグラフト率(共重合体100部に対し
てグラフトされた無水マレイン酸の重量百分率)(グラ
フト割合)は3.6%であった。また、GPCによる数平均分
子量は、5860であった。
実施例2 本実施例では、改質された非晶質プロピレン−エチレン
共重合体を次の如く製造した。
無水マレイン酸の仕込量を30gにした以外は、実施例1
と同様にして改質された非晶質プロピレン−エチレン共
重合体の製造を行った。
無水マレイン酸のグラフト率は、6.9%であった。
実施例3 本実施例では、改質された非晶質プロピレン−エチレン
共重合体を次の如く製造した。
実施例1で製造した未改質の非晶質プロピレン−エチレ
ン共重合体80g、無水マレイン酸32g、キシレン600mlを
1のリアクター内に加え、内部を充分に窒素置換し
た。次いで内容物を120℃に昇温し、アセトンとキシレ
ンの1:1混合溶媒80mlにベンゾイルペルオキシド8gを含
む溶液を1時間かけて滴下した。その後、120℃で4時
間反応させた後、反応生成物にアセトン800mlを加え
て、反応生成物を充分洗浄し、未反応の無水マレイン酸
を除去した。
このようにして得られた改質された非晶質プロピレン−
エチレン共重合体中の無水マレイン酸のグラフト率は、
2.62%であった。
実施例4 本実施例では、改質された非晶質プロピレン−エチレン
共重合体を次の如く製造した。
テーパースクリュウ型ニーダールーダー(笠松化工研究
所製)を用いて、実施例1で製造した未改質のプロピレ
ン−エチレン共重合体に対して、無水イタコン酸0.4ph
r,tert−ブチルパーオキシベンゾエート0.2phrの割合に
混合し、173℃の温度下で溶融混練することによって、
グラフト反応を行った。反応生成物は、熱パラキシレン
で溶融させた後、アセトンで再沈する操作を3回反復す
ることによって得た。洗浄して得られた反応生成物は、
60℃の真空乾燥器で20時間乾燥させることにより、改質
された非晶質プロピレン−エチレン共重合体として得ら
れた。このようにして得られた非晶質プロピレン−エチ
レン共重合体の赤外線スペクトルは、1794cm-1に無水イ
タコン酸に起因するピークが観察された。
赤外線スペクトルにより定量分析を行った結果、上記改
質された非晶質プロピレン−エチレン共重合体中の無水
イタコン酸のグラフト率は、0.15%であった。
使用例1 次に、上述の如くして得られた各実施例の改質された非
晶質プロピレン−エチレン共重合体のホットメルト接着
剤としての性能を次の如く試験した。
市販の厚さ25μのPETフィルム(丸一紙工業社製マイラ
ーシート)の上に溶融した実施例1の改質された非晶質
プロピレン−エチレン共重合体を60μの厚さで塗布し
た。
この上に厚さ25μのPETフィルムを重ね、120℃、3kg/cm
2、10秒間のプレス条件下でホットメルト接着剤を行っ
て、積層フィルムのサンプルを試作した。この貼り合わ
せフィルムは25mm巾の短冊状に切断し、Tピール法によ
る剥離試験を行った。その剥離速度300mm/minの条件下
でのサンプルの接着強度を測定した結果、25℃に於ける
接着強度は、4.0kg/25mmであった。
また、比較例として未改質の非晶質プロピレン−エチレ
ン共重合体のホットメルト接着剤としての性能を試験し
た。該試験は、実施例1で得られた未改質の非晶質プロ
ピレン−エチレン共重合体を用いた以外は、使用例1と
同様の操作を行って、接着強度を測定したところ、接着
強度は0.1であった。
上記結果からも明らかな如く、本実施例の改質された非
晶質プロピレン−エチレン共重合体は未改質の非晶質プ
ロピレン−エチレン共重合体に比較して格段に接着強度
が向上していることが判る。
使用例2〜4 実施例2〜4に於ける改質された非晶質プロピレン−エ
チレン共重合体を用いた以外は、使用例1と全く同様に
して積層フィルムを作成し、25℃に於ける接着強度を測
定し、次の表に示す値を得た。
これらの結果から明らかな如く、実施例2〜4について
も実施例1と同様接着強度が格段に向上していることが
判る。
〔発明の効果〕 本発明の改質された非晶質プロピレン−エチレン共重合
体は、各種樹脂の改質剤として、あるいは接着性、印刷
性および染色性に優れた樹脂とし使用することができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非晶質プロピレン−エチレン共重合体に炭
    素原子数3〜10の不飽和カルボン酸、その酸無水物およ
    びそのエステルからなる不飽和カルボン酸誘導体成分が
    グラフト共重合した非晶質プロピレン−エチレン共重合
    体であって、 (1)上記非晶質プロピレン−エチレン共重合体のプロ
    ピレン成分が76〜95モル%およびエチレン成分が5〜24
    モル%の範囲にあり、 (2)上記非晶質プロピレン−エチレン共重合体の数平
    均分子量が3500〜30000の範囲にあり、 (3)上記不飽和カルボン酸誘導体成分のグラフト割合
    が、上記非晶質プロピレン−エチレン共重合体の100重
    量部に対して、0.1〜40重量部である ことを特徴とする改質された非晶質プロピレン−エチレ
    ン共重合体。
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